PandoraPartyProject

シナリオ詳細

絶対に最後は爆発する悪の組織基地!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●から、脱出せよ! どうして君達必ず自爆装置つけてるん?
 練達某所――地下深くに違法な研究所を所有している組織があった。
 何をしているのかと言うと、魔物を飼いならせないかという実験を行っていたり、人間と魔物を組み合わせてより強力な個体を作れないかなどと……つまりは非道な実験を度々繰り返していたのである。
 地下に潜って暗躍していたようだが――しかし。

「ぐああああ! くっ、イ、イレギュラーズ、貴様たちが来るとは……!!」
「観念しろ――もうお前は終わりだ」

 遂にその存在が露わとなり組織を壊滅させてくれ――という依頼が出たのである。
 そして急行したイレギュラーズ達は激戦の末、組織を統括していた長を追い詰める事に成功した。最早彼に抗う力はなく、後はイレギュラーズ達に捕らえられるか、最後まで抵抗して首を斬り捨てられるか……という段階。
 いずれにしろここからの逆転はあり得ない。
 終わった――と誰かが安堵の吐息を零した、正にその時。
「おのれ――! 終わるぐらいならば、貴様らを道連れにしてくれる!!」
「あっ! コイツ、何を――!!」
 長が胸ポケットから妙なボタンを取り出し――止める間も無くポチッとな、した。
 ――直後。地下が大きく揺れる。
 同時にどこかで何かが爆発する様な音も耳に届いて……これは、まさか!?
「フハハハハ! 基地の自爆装置を作動させた……! 五分……いや十分だっけ? 十五分だっけ……? まぁとにかくもうすぐ大爆発が生じて――木っ端微塵になるのは確実だ! 緊急脱出口など存在しない……負けるぐらいならば一緒に滅びてもらおうか――!!」
「いやそもそもなんで自爆装置なんて付けてるんだよ! 敗北を想定してたのか!?」
「えっ!? だってこういう基地って自爆装置完備されてるのが普通だろう!? よくあるじゃん!」
 よくあるじゃん、程度の認識でよく分からない自爆装置を付けるなよ――!!
 なんで悪の組織の基地とかって最後は爆発するパターンが多いのだろうか。ツッコミいれようとした――のだが、続け様近くの部屋のガス管でも爆発したのか、イレギュラーズ達がいる部屋の壁が吹き飛んだ。『ぎゃあー!』という声と共に悪の組織の親玉が吹っ飛ばされる――
「えぇいクソ! こんな馬鹿に構ってる暇はない……今すぐ逃げるんだ!」
「通って来た道をまっすぐに――あっ!? 崩れてる!!?」
「なんてこった、迂回ルートをすぐに探せ!!」
 何はともあれ、ここに留まっている理由はもうない。
 イレギュラーズ達はすぐにでも脱出せんと道を模索し始める――が、残念ながら爆発の影響か、己らが通って来た道が瓦礫によって封鎖されてしまっていた……! それなりに大きい通路は他にもあった筈なので迂回すればまだ脱出の道はあるだろう、が。
 とにかく急がなければならない! こんな所で生き埋めは嫌だ――!!
「わぁ! 敵の残党も出てきたぞ!」
「邪魔する連中は吹っ飛ばしてでも急げ――! 時間が無いぞ――!!」
 駆け抜ける。途上で組織が保管していたらしき魔物達も襲来してくる――なんて面倒な連中だ。だが、じっくりと戦闘をしている暇はない。とにかく脱出を急げ!

 激しいブザー音と警告音が――基地全体に鳴り響いていた。

GMコメント

 なんで悪の組織の施設って、必ず大爆発するんだろう……以下詳細です!

●依頼達成条件
 脱出してください!

●フィールド
 練達某所の地下――に存在する研究所です。
 内部は複数の通路や研究部屋など、それなりに大きい施設でした。此処では魔物の研究や、魔物と人間を組み合わせられないかなど、様々な実験が行われていたようです……危険な研究が度々繰り返されており、その為貴方達に、組織壊滅の為の依頼が届きました。
 それ自体は果たせたのですが――なんと、悪あがきで研究所が爆発しようとしています!

 既に何か所か爆発が始まっており、通路は瓦礫の山で埋もれたりしている様です。
 が、先述の通りそれなりに大きい施設のようですので、道は沢山あります。迂回すればまた地上へと繋がる出入り口に到達する事も出来るでしょう――なんとか大爆発が始まる前に、地上へと帰還してください!

●敵戦力
・研究所に保管されたいた魔物(残党)
 研究所が実験の為に保管していた魔物達です。蛇や大きな蜘蛛など、爬虫類・昆虫などの種類が沢山います。彼らは研究所の爆発にともなって外へと逃げ出しているようです……皆さんを見かければすぐに襲い掛かってくる事でしょう。
 戦闘能力はまちまち。回避できるなら回避して、逃走を優先しても良さそうな気がします。

●備考
 ちなみに脱出に失敗して爆発に巻き込まれても死ぬことはありません。まぁパンドラは削れたり、場合によっては重症になる可能性はあるので、お気を付けください。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBakuhatuです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、最終的には絶対爆発します!

  • 絶対に最後は爆発する悪の組織基地!完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年11月25日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)
Le Chasseur.
結月 沙耶(p3p009126)
怪盗乱麻
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
フロイント ハイン(p3p010570)
謳う死神

リプレイ


「うおおおああああああああ!!!!!
 十八連射ァァアアアア!! クソッ、駄目ですか!! 警告が鳴りやまない!!
 こういうのってシステムに過負荷を与えれば不具合を起こすと思ったんですが……!!」
 床に落ちていた自爆ボタンを拾い上げ全力で秒間十八連打叩き込むのは『友人/死神』フロイント ハイン(p3p010570)だ――うわっ、押しすぎてボタンが壊れた! くそ! 再度床に投げつけた、その時。
『ピーッ! 裏コマンドが実行されました! 自爆フェーズ段階を進めます!』
「うわああああ!? 何か早まってしまった!!? くっ、早く脱出せねば!!」
「自爆スイッチは闇市で流通してますから、きっと自爆装置も当たり前なんでしょうね……きっと闇市商人さんがオマケで装置も付けてくれるのかも……って、あと5分? 10分?? 15分??? 急げっ!!! です――!!!!!」
「ニルは知っています。火薬はバーンってなるし、ほのおはきれいなのです……ラサの砂漠でもとっても大きな爆発が、まるで花火みたいだったのです……はっ! それより早く逃げないと! こういうのって逃げ道とか作っておくものではないんでしょうか? ないんですね? じゃああの長さんはどうして平然とボタンを押したんでしょうか?」
 アナウンスが流れ、警告音が加速する――! さすれば『カレイド・フォーチュン』ユーフォニー(p3p010323)に『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)も迅速に動き出すものである。特にニルは以前、依頼であった大きな大爆発事件を脳裏に思い浮かべながら……あの時も大変だったね、ニルさん!
 しかし今回も既に大変。なんというか、こう、EX一本分に匹敵する様な、とてもふわっとした強敵との戦いとかがあった気がしましたが――
「最後のインパクトですべて吹き飛びましたね――いえ。このままでは吹き飛ぶのはこの基地と我々なのですが。おっと。天井が崩れて先程までいた部屋が埋まりましたね。はっはっは大丈夫です。まだあわ、あわあわ、あわわわわわ」
 いつもの表情ながら内心穏やかでないのは『Le Chasseur.』アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)である。あ、続けざまには壁も崩れそうです。あ、あ、とりあえず、どうしたものだろうか。どこの方角に逃げるべきなのか――!
「えぇい、とにかく迂回ルートを探させている! 走れ、走るんだ!
 クッ。元生物兵器として許せん!! と乗り込んだ結果がこれか……
 まぁいい、気持ちを切り替えて脱出を目指さねばな……!!」
「愚痴ってる暇は無さそうじゃな!? えぇい馬鹿め! まごうこき馬鹿の中の馬鹿め!! あちこち順々に爆破していく自爆装置はもうアトラクションの類なんじゃよ! 天才の領域にギリギリ入れない紙一重の馬鹿なんじゃな、ここの組織の連中は――! 一発ぶちのめしてやりたい所じゃが、もうぶちのめした後じゃったわ!!」
 故にこそ既に使い魔の鴉を召喚し索敵させているのは『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)である。二匹使役しうる彼の探知は広範囲に及ぶ――同時に『鉄帝うどん品評会2022『金賞』受賞』御子神・天狐(p3p009798)は荷台を操りて皆を乗せ、駆けるものだ。未だ見えぬ出口を目指して――!
「えぇい、クソ。なんでこんなノリだけで作った様な自爆装置に巻き込まれてピンチな状況に追い込まれないといけないんスか! せめて嘘でも『こうなる事も予測してー」とかにして、最後までいい感じに持っていく感じには出来なかったんスか! まぁ……基地を爆破して道連れってのが割と理に適ってるから余計腹立つっスね!」
「サイテーを通り越してなんかすがすがしいな! しかも完全にノリの産物とは……だが、何。私も怪盗でやってきた身、これくらい簡単に脱出してみせよう! ふっ、熟練の怪盗に出来ない事などない――!」
 続け様『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)は己が俊足たる足で駆け抜け出口を探さんとしながら『奪うは人心までも』結月 沙耶(p3p009126)は天狐の荷台に乗せてもらいつつフラグ……じゃなくて自信満々に宣誓するものだ! 同人誌案件の二の舞にはなるまいと――堅く決意を胸に秘めながら!
 邪魔立てせんとする魔物が現れれば注意引き付ける様に予告状のカード一閃。
 ていうかこの魔物達、自分達もピンチって気付いてるのか? このままだと皆仲良く生き埋めなのだけど? ダメか知性無き存在は、目の前にある肉を喰らわんとするばかりか――!
「えぇいジバクアリ並みの執念ですね!!
 余談ですがジバクアリは英語ではカミカゼ・アンツと呼ばれます。サツバツ!」
 敵の身を乗り越えんとするハイン。えぇいこんな連中に構ってる暇はないんですよ――!
 そもそも何で巨大な施設なのにワンタッチで自爆できるボタンがあるのですか!
 そんな大量の火薬をどうやって日々管理していたのですか!
 そこまでして何で爆発まである程度の猶予があるのですか!
「ツッコミ所は山ほどありますが、なるほどこれらをひっくるめて全て『ロマン』なのですねチクショウ! 安全管理って言葉を辞書で引いて百回ぐらい勉強してくださいよバカ――!!」
 爆発が先か、脱出が先か。
 激しく鳴り響く警告音のテンポが――更になんか早くなってる気がした!


「ぉぉお! うっかり振り落とされるでないぞ!
 今から全力でドリフト決めていくからの――!!」
 天狐、極限の集中から荷台を全力で制御する――え、魔物? じゃかあしぃのじゃ! 今それ所ではない――! と言う訳で神の軍馬が如き超速度の加護を自らに齎しながら彼女は往く。全力だ。全力の逃走を今ここに――!
 山道をドリフトする様に。見えぬギアを入れ替えて顔つきは歴戦のドライバーが如くだ! 彼女の進む先はウェールやアッシュの放っているファミリアーの使い魔達が教えてくれて……あっ!
「ア、アライグマさんが、ああッ! 爆発の瓦礫に飲み込まれて……!!」
 その時だ。アッシュの使役していたアライグマさん(チョイスに他意はない。ないったらない!)が、親指立てながら瓦礫に埋もれていく……なんて事だ……長い付き合いだったいうのに……! 具体的には出逢って、というか召喚して五分も経ってないぐらい長い付き合いだったのに……! アッシュの瞼の裏にアライグマとの想い出(五分)が走馬する――
「彼の犠牲は忘れません……再生成するその時までは……アライグマ鍋を作る度に思い出します……」
「しかしなんとも難儀だな――直通ルートは大体潰れている。
 通路の瓦礫を除去……出来ればいいが、時間に余裕がないな……!」
「うぅ、あちこちから音が響いてきますね……
 えぇと。音が静かな場所は、まだ大丈夫な方向でしょうか……!」
 同時。ウェールにユーフォニーは索敵を続けるものだ。ユーフォニーは優れた方向感覚と耳をもってして、侵入口までの経路上で『騒がしくない』所がないかと模索――爆発や瓦礫の音が薄い程、安全であろうと。そしてウェールは天狐の荷台を追う形で外を目指すものだ。
 万が一にも魔物共が襲い掛かって来れば迎撃の姿勢も見せて。
「なんらかの存在の道具にされる……その立場が分からない訳ではないが、死ねないんでな!」
「さっさと進ませてもらうッスよ。こちとら今回は余裕がないもんで」
 銀の矢や銀の弾を降り注がせるウェール――次いで卓越した跳躍力と共に至るのは、葵だ。正味、魔物に構っている暇はないが……どうしても避けようがない敵はやむなし。相手取ろうかと彼は敵を薙ぎ払わんとする。
「ふっー、無視するのが最善ッスけどね。さて、こっからはどっちが正解ッスかね……?」
「わわ、こっち、こっちにまだ崩れてないルートがあるのです……!
 みなさま、急いで駆け抜けましょう……!!」
 さすれば続け様ルートを指し示したのはニルだ。
 ニルもまたウェールの様に二羽の使い魔を使役して索敵の範囲を広げていた。さすれば速やかにまだ崩れていない地を見つけることが出来るものである――と、往く前に一度だけニルは瓦礫の下敷きとなった魔物へと目を向けて……
 ……つくられた、魔物たち。ニルは、本当は、あんまり傷つけたくないのです、けど。
「誰かが襲われちゃうのも、いやなのです……
 だから、来るのなら、手加減はしてあげられないのです!」
 決意露わに。前を見据えるものだ。
 眼前の通路から幾匹かの魔物の姿が見える――大きな蜘蛛の個体だ。避けられぬのならばせめて苦しめぬ様に倒すのだと、やーっ! と一閃。神秘の泥が敵を押し流し、更には。
「おっと。邪魔はさせないよ――生憎今はこれくらいしか予告状の持ち合わせがなくてな、だが殿くらいは務めさせてもらおうじゃないか。なぁに、如何なる状況でも最後は必ず逃げおおせるのが――怪盗の証さ!」
 沙耶も敵の動きを封じようか。再びに予告状を放ちて魔物らの動きを牽制。
 己に注目を寄せ付けて味方の援護と成す――ふっ。なぁに怪盗の身のこなしを舐めてくれるなよ? いざとなればワイバーンに騎乗して瓦礫を突破――あ、だめだワイバーンでは通らない。おのれ、ならば自らの足で踏破してみせよう――!
 急がねばならぬ。脱出まで残された猶予はあとどれ程の事か。
「はぁ、はぁ、まずいですね……
 このままだと、あちこち崩落して爆弾と挟まれる可能性が――あっ!」
「あれ? ハインさん? ハインさんがいない!!?
 どこですかハインさーん!! あっ、爆発が――!!」
 刹那。邪魔な魔物を薙ぎ払いながら進むハイン――の姿が突如消えた。ユーフォニーが声を挙げて探すものだが、直後には爆破の音が全てを掻き消す……崩落と爆破が丁度のタイミングで差し掛かり、どう足掻いても逃げれぬ状況に巻き込まれてしまったのか――!? 然らばハインは脳裏に思い描く――練達にあるボンヴァア・MANというゲームのあるある展開を……! 私もやった事があるよ。懐かしいねボンヴァアアアMAN。
 とにかくまずい。このままでは一人、また一人と脱落してしまうかもしれない。
 だったら――!

\\ 進めぬなら 壊して進め イレギュラーズ!!! //

「どうせどうせ爆発しちゃうんです、ためらう理由はありません! えーい!!」
「はっ! ユーフォニー様、やっぱりその手でしょうかね……!
 ニルもお手伝いするのです! えいや! どーん!」
 なんぞやの天啓を受けた気がしたユーフォニーは往く! 壁を直接ぶち抜くのだ――! 魔力の収束が全てを貫く神秘となりて穿ち――更に続けてニルも魔物も瓦礫も、塞ぐ存在全てをどーん、やーっ! するものだ。
 奥の方からなんぞや魔物の金切り声が聞こえてくる――が。
「大きな虫も爆発でコゲコゲもぜんぶ絶対嫌なんです!!
 もうっ、いい加減にしてくださ――いっっ!!!!!!」
 ユーフォニー。切なる願いと共に全部焼き払う――!! 魔物さんに罪はないです、頭の中ではわかってるんです、でもごめんなさい、特にそこの足8本の……すっごく、苦手みたいです……! あ、更になんか台所で見る事のある黒い悪魔の影も見えた気が――いやああああ! 飛んできましたああああ!!
「はい、はい……ええ、ええ。成程、そんな苦労をなされたのですね……やはり元が虫や動物の方々であればこそ、相応の悲劇とドラマが展開されていたとは……よよよ」
 同時。そんな魔物の一部と語り合わんとするのはアッシュである。上手くコミュニケーション取れれば争わずに済むのではと……彼らの身の上話に花を咲かせつつ、後ろからズバーッと仕留めるものである。うわ、なんか飛び散って来た。だめでした。
「精一杯努力はしたのですが……やはり分かり合えない事もあるものですね」
 見敵必殺。きるぜむおーる。アッシュの一撃は至高全霊――思わずやりすぎて壁ぶち抜いたけど、まぁ。
「大丈夫です。些細な事です――直ちに影響はありません」
『ビーッ! 基地破損率増加! 自爆フェーズ最終段階!!』
「…………大丈夫です。直ちに影響はありません。ええ――ありません」
「いやどう考えても、今出たなんかヤベー警告音の原因な気がするんスけど???」
 すんごく基地が赤色に点滅してる気がすると葵は気付くものだ――まずい、まずいってコレ!
「うわ! 待て待て皆、あまり無茶をすると崩落が早まる可能性があるぞ!」
「なぁに、どうせもう皆止まれぬのじゃ――! 行けー! 行くのじゃ――! とことん突っ走って、ダメならダメと諦めるのじゃ――! いやわし頑張って脱出するぞ!? 善処するからのう!? 万が一の話であって、望んでる訳じゃないからのぉ!?」
 フリじゃないからの! と、駆ける沙耶に紡ぐのは天狐だ! 荷台を相変わらず巧みに操りながらも魔物共へと自らも撃を紡ごうか――それは神翼獣ハイペリオンの権能を合成し放つミニペリオン・ラッシュ!
「えぇい盛大に巻き込まれる爆発オチとか嫌じゃからな!!
 絶対にわしは脱出してみせるぞ!! この瓦礫だらけの場所から――
 あああああ! 車輪が、車輪が瓦礫の溝に嵌ったぁああああ!!?」
「そんなにいち早くフラグを回収してどうするんだ!!
 くっ皆、あと少しだ!! この先に脱出口に通じている道があるぞ!」
「こういう依頼の時は迂闊に何か口にしたら実現しちまうんスよねぇ……」
 が、その時。なんともまぁ都合悪く荷台が横転する――!
 運転手の天狐は射出される様に前に放り投げられ壁に突き刺されば、同乗していたメンバーもそれぞれ跳躍して脱出! と、その時――ウェールの索敵が遂に出口を捉えるものだ。あと少し。あと少しで外の光に到達できる――!
 幸いと言うべきか天狐の荷車の少し後方を自前の足で進んでいた葵は被害も少なくひとっ飛びだ。マジで時間が無い。なんかスゲー警告音がテンポ良く刻まれてるし、多分あと一分あるかないかだろうか。
 だから詰まったメンバーの手助けはキツそうだ! まぁ他の面々も歴戦である筈のイレギュラーズ達。手を貸さなくてもきっと生き残るだろうと判断したまでッス!

「ハハハ! 脱出口一番乗りは――僕です!!」

 が、その時。姿を現したのは――ハインであった! い、生きていたのかハイン!
 されど彼も葵と同様に止まらない。み、皆を置いてけぼりにするつもりか――!?
「いえいえ。それは違います、皆様は僕の力なんて借りなくても自力で脱出できると信じているだけです……ね? 一騎当千の皆さんだったら余裕でしょう――? それでは、皆様の無事をお祈りしつつお先に失礼します――! あ! うわっ、突然天井が崩落して、ぐあ――!!」
「ハイーン! そんなフラグばっかり立てるからわしみたいな事になるんじゃぞー!!」
 でもそんな事考えてたらまーたハインが崩落に飲み込まれた! 壁に突き刺さっちゃった天狐が思わずツッコミ入れるものだが――あ、やばい抜けない! ふぉぉぉぉ!!
『カウントダウンします。あと10、9、8……』
「嫌じゃあああ!! こんな、こんな終わり方が――!?」
「はわわ! 時間に余裕がないのです! 皆さん急いで――!!」
「皆生きて帰るぞ! 全員無事なら、息子たちへの土産話に出来るしな!!」
 天狐を引っこ抜こうとするニル。すぽっ、と抜ければウェールがそこから更に援護する様に、二人を連れて低空飛行しながら出口へと一直線するものだ――誰かを犠牲にして助かるなんて息子に顔向けできないからな。
 5、4、3――
 そうして遂に迎える爆発間近。
 ウェールが移動した後に、その背を地とするが如く跳躍し移動距離を稼ぐのは――沙耶か。まるでどっかの髭の配管工みたいな気になりながら、も。辛うじて外の空気の下へと辿り着いたと――同時。

「爆発オチなんてサイテ――!!」

 彼女は天へ叫ぶ。可愛らしいヴォイスと共に。
 その直後――彼女の背後から爆発が生じようか。
 激しい爆発の煙と光が……基地全体を、呑み込むものであった。


 そんなこんなでなんとか爆発にちょー――と巻き込まれながらも生還したイレギュラーズ達。アッシュは外の空気を吸いながらハードボイルドに……シャボン玉を吹かすものだ。タバコじゃないよ? シガーチョコでもないよ? シャボン玉ですよ。ARAIさん……
「悪は去りました……ところで、倒した組織の名前はなんでしたっけ……」
「ん、たしか『ドキドキワクワク・ボンヴァーカンパニー』だったかな?」
「そんな名前だったんスか? もう名前からしてフラグじゃねーっスか」
 と。今更な事を問えばちょっと髪がコゲてる沙耶が組織名を告げるものだ。やれやれと、頭が痛くなるように額を手で押さえたのは葵だったろうか……まぁなんにせよ、イレギュラーズ達はそれぞれ生還出来たから良しとしよう。
 眼前には瓦礫で埋まってる基地の入り口。
 危ない所だったと……感慨深げに誰かが呟け、ば。
「ぷはっ。なんとか助かったのです。
 それにしても……みなさま、爆発が好きなのでしょうか」
 爆発って『おいしい』のでしょうか……?
 ニルは爆発の煙揺蕩う悪の組織基地を見据えながら――なんとなし呟くものであった。

成否

成功

MVP

御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人

状態異常

御子神・天狐(p3p009798)[重傷]
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人

あとがき

 依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!
 爆破は芸術だー! ありがとうございました!!

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