シナリオ詳細
<総鰯人殺>イワシ群雄割拠
オープニング
●イワシ派閥争い
時は戦国嵐の時代!
鰯帝国サーディン最強の皇帝イワシーヌが冠位鯱種イワシパクパクによって倒された。
イワシパクパク皇帝はその玉座に座り、こう国家へと布告したのである。
「『弱鰯強食』――!」
エンジェルイワシとヒトが仲良く暮らすこの国は、一夜にしてイワシを喰らう地獄となったのである。
「こんなのおかしいよ! イワシパクパク皇帝を倒して、いわしの平和を護らなきゃ!」
天使鰯派の筆頭アンジュ・サルディーネ (p3p006960)はまぼがにーのテーブルを両手でぶったたき、おにの形相で叫んだ。
彼女を中心とする天使鰯派閥は鰯帝国サーディンの首都イワーシボールを追放され南西の地へと逃れていた。
「いますぐいわしメイトを招集して、みんなの力を一つにあわせないと……」
焦るアンジュ。しかし動乱する鰯帝国は、一筋縄ではいかぬようであった。
「いわしおいしい! いわしハンバーグすごいおいしい!」
必死にハンバーグをがっつくロク (p3p005176)。
ハンバーグといってもいわしのハンバーグである。他にも鰯のマリネや鰯の炙り。
鰯づくしフルコースである。千葉県九十九里浜のレストランで出てくるから食べてみて。
「ぶおーんぶおんぶおーん」
アルプス・ローダー (p3p000034)は世紀末がやってきたと察して車体のあちこちにトゲをつけたりハンドルを高くしたりしていかつく己をカスタムしている。
「かわいそうないわしを食べるなんてゆるせないよね! それはそうとこのカツ丼すごいおいしい! なにで出来てるんだろ? さかな?」
フラン・ヴィラネル (p3p006816)が鰯カツ丼をむっしゃむっしゃ頬張りながら満面の笑みを浮かべている。
「…………」
かと思えば。ジェック・アーロン (p3p004755)が絶妙にいい風景で自撮りをしては画像を加工してアーティスティックな画像を作り上げている。SNSのイワスタにアップロードしては大量のイイネを獲得する日々だ。
「くっ、やべえぜ。各地に散った仲間たち……気持ちも位置もバラバラだ。それぞれ全然違う派閥を名乗って国をとりにいってやがるぜぃ」
長谷部 朋子 (p3p008321)がコイツァヤベェゼェとかいいながら漫画肉をむっしゃむっしゃ囓っていた。
「ついに私たちの時代ですわ~! 弱鰯強食令のついでに監獄からも釈放されましたし、VBMを拡大してこの国を支配してやりますわ~!」
「さすがヴァリューシャ! 志が高いね!」
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ (p3p001837)。
そしてマリア・レイシス (p3p006685)は二人の世界にはいってキャッキャのうふふである。
こうして幕を開けたイワシ群雄割拠時代。
帝国の未来を獲得するのは一体誰か! そして、どの派閥となるのか!
- <総鰯人殺>イワシ群雄割拠完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年11月20日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費---RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●肉派
「「ヒャッハー! 肉だー!」」
四輪バギーで砂丘をジャンプしたモヒカン頭に棘肩パットの集団は、放つ機関銃によって逃げるジープを爆発させる。
横転し炎上するジープからクーラーバッグをひっぱりだし、一人がそれを開いた。
「おいおい、こいついわしなんてため込んでいやがるぜ」
「どれどれ見せてみなぁ」
『蛮族令嬢』長谷部 朋子(p3p008321)が漫画肉を囓りながら中身を覗き、そして燃えさかるジープへとまるごとぶん投げた。
「ハハッ! こんなもん三時のおやつにもなりゃしねえのによぉー!」
「「ヒャッハー!」」
朋子はこの弱鰯強食時代において強大な軍事力と食欲をもった一大派閥を気付いていた。それこそが『肉派』。
肉を喰らうことが正義であり豚も鶏も牛も喰らうし当然エンジェルいわしも刈り尽くして喰らう。
そのシンプルな思想は多くのヒャッハーたちの支持を集め、朋子の大要塞『マジ・ス・ゲートコ』はその栄華を果てなき荒野に見せつけた。
「ゆけいミートファイターズ! イワシを片っ端から乱獲じゃー!!」
ヒャッハーによって構成された精鋭部隊ミートファイターズが火炎放射器と七輪、醤油とマヨネーズを装備しエンジェルいわしの群生地へと突入する。
「ムッハハハハ!!! 文字通りの雑魚! 魚編に弱いと書いて鰯!! 数ばかりの哀れな命め!!
貴様らの粗末な命は我らの糧となるのが唯一無二の価値! ありがたく太くて大きな魚肉ソーセージになるがいい!!
ガハハハハ! 帝国美味し! イワシ美味し!!
襲って奪ってそのまま食う! これぞ醍醐味よ!! な! ゲートリ!」
「そうでやんす」
「また喋った!?」
二度見した朋子。が、そんな彼女の心は次の一瞬で粉砕された。
「いわしを――たべるな――」
エンジェルいわし群生地に飛び込んだミートファイターズは、どこからともなく聞こえる声に困惑し、あたりを見回す。
『ギャッ』という声がしたかと思って振り返ると、首をなくしたヒャッハーが火炎放射器を抱えたまま倒れている。
また同じ悲鳴。振り返ればマヨネーズを握りつぶしたヒャッハーが首をなくして転がっていた。
また悲鳴。また悲鳴。また悲鳴。
姿なき怪物に怯えるかのようにきょろきょろと周りを見回した朋子は、ついに石斧をつかんで臨戦態勢をとった。
「どこだ! どこにいやがる! 出てきやがれ! テメェも肉団子にして食ってやるぜ!」
「いわしを」
背後だ。
「たべるな」
少女の両手が、一瞬で朋子の両目に伸びた。
●ヴァリューシャ派閥と犬派(いわしイーター)
「はいマリィ、あーん。ふふ、やっぱりにゃんこにはお魚ですわね」
「わーい! ヴァリューシャのあーんだ! うまうま!」
天守閣最上階の畳部屋で、『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)がおはしであーんした鰯フライを『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)が天国の顔でぱくぱくしていた。
「って! わ、わたしは虎だからね!? にゃんこじゃないからn――」
「アンチョビパスタも美味しいですわ! 最高の味でございますわ!! はいあーん」
「あんちょびパスタも超美味しい!!! 最高だね! ヴァリューシャ!」
にゃんにゃーんといいながらヴァレーリヤの前でおなか出してごろんごろんするマリア。
「やはりSDGS養殖イワシこそ、世界を食糧危機から救う鍵!
イワシ達には悪いけれど、より多くの人が生き延びるための礎になってもらいましょう。
そうと決まれば、イワシを養殖させるための強制労働施設を作らないといけませんわね!」
「ふふ! イワシを大量に養殖して世界を救うんだね!? やっぱり君は天才だよ!!!
ヴァリューシャはどうやら労働力を集めてくれるようだし、私はヴァリューシャが潜入したイワシイーターの同盟として、潜入先で働くヴァリューシャの為に派閥の『アルコール度数』を限界まで上げよう!」
えーいとなにかそれっぽいアイテムを連続投入して『アルコール度数』をマックスまであげる二人。死ぬて。
あっ、ちなみに派閥の民は全員地下で丸太を回す係になっています。
「うおーー、キリキリ働きなさい! でないと、獲れたてイワシで往復ビンタの刑でしてよ!」
「それでは聞いて下さい! To Love Each Other(聞いたら酒をまきあげるよ)!」
「クククよきかな……」
イワシパクパク皇帝はでかい器にはいったいわしを手づかみしては口に放り込んでいた。
歌うマリアにおひねりのウォッカを投げ、それをヴァレーリヤがダイビングキャッチする。
そんな平和な日々は――突如として終わりを迎えた。
「ロクローリングサンダー!」
「グワー!?」
激しく縦回転した『いわしイーター』ロク(p3p005176)によってイワシパクパク皇帝がなんか消し飛んだ。
「『弱鰯強食』なんて野蛮! わたしだったら『全鰯全食』を掲げるけど? イワシパクパクなんてしょぼいヤツが支配するより、このスーパーいわしイーターロクが指揮した方がよっぽど繁栄すると思うのだけど!?」
早速イワシ帝国の皇帝となったロク。『あっこれどうしよう』という目でみていたマリアとヴァレーリヤを手近なウォッカをぽいっと投げてやることで秒で解決すると、早速法律のページに『全鰯全食』と書き付けた。
「この国にはいわし養殖が必要なのさ! それなのにあの天使鰯派ときたら……毎回わたしの覇道の邪魔をしてきて!
この国はいわし養殖をしなければ衰退してしまう! 天使鰯派を抹殺しなければ……比較的まともで話の通じそうなヴァレーリヤ氏を誘ってみたわけだけど?」
「このまともなヴァレーリヤにお任せくださいまぁぁぁぁしぃぃぃ↑↑↑↑」
両手でウォッカの瓶をそれぞれ開け、ダブルで口にがぼがぼ流し込むイカレやろうがいた。ヴァレーリヤである。
「うーんイイカンジっぽい」
ロクは(あろうことか)満足して第一世代養殖いわしにかじりつく。
「まあそんなことより目の前のいわしだよね! 超うま! SDGs養殖いわしうま! かねてからいわし養殖事業をこっそり進めてきたのだけど、この混乱に乗じて大きく展開しようね!
いわスラム街で養殖闇いわしをばらまいて、飢えた人たちを密かにいわしイーターに仕立てあげてきたんだ! ほら、闇いわしあげるから他の派閥の人たちを抹殺してきてね!」
「「お任せくださいまぁぁぁぁしぃぃぃ↑↑↑↑」」
同じく両手ウォッカスプラッシュしてるものどもが他派閥を抹殺すべくシュバッと天守閣から飛んでいった。具体的にはあの外の手すりの、ベランダ? みたいなところからぴょんって飛んでいった。それで大体は死んだ。
「いわしイーターーーーーーーーーー!!」
手すりから身を乗り出し叫ぶロク。
「いわしプラントによる無限供給養殖闇いわしがこの帝国を救い!小腹を満たし!いわ食文化が花開く筈d――アンチョビパスタうまーー!! ニンニク風味うまーー!! きのこパセリと刻み唐辛子パラッと彩りよく飾りつけて~うわなんかインパクト足りないな? 闇いわしぶっ刺しとこ! あっこれバエるね? イワスタあげとこ」
わーいっていいながらスマホでぱしゃぱしゃとっていると、突然スマホの写真に銀髪美少女の笑顔が見切れた。
「アレ? こんな加工したかな? まっいいや『#闇いわし』っと」
写真をアップ――した、その瞬間。
「ロク。お前は私を怒らせた」
超淡々とした声の銀髪少女こと『いわしプリンセス』アンジュ・サルディーネ(p3p006960)がロクの肩をぽんと叩いた。
「ウ、ウワーーーーーー!」
叫ぶロク。突き刺さるいわしナイフ。
ふと見ると、マリアとヴァレーリヤが高度な社交ダンスでしか見ないような合体ポーズをとってナイフを投げていた。
「すまないね…。でもこれは裏切りではない。天誅だ! アンジュ君の怒りを知るがいい! あとヴァリューシャがすることは基本的に正しい!」
「約束は果たしましてよ、アンジュ。約束の生涯お酒飲み放題特別チケットをくださいまし!」
「ふははは!!! イワシに平伏せ!!!」
そのままるんたったと手を繋ぎ踊る二人。
アンジュはうんうんと頷いてから、ふとテーブルに置かれた『あんちょびパスタ』を見た。
「ねえ、あのいわしって二人が食べたの?」
「え? たべましたけど?」
「あれは奴らを信用させる為の演技として――あっ」
空に浮かぶ無数のいわしPhantom。
これが何を意味しているのかを察し、二人の顔は凍り付いた。
「「ドウシテ……」」
その日、天守閣(&フラン)は跡形もなく消え去った。
●バイク乗りが住みやすい地球に!
冠位鯱種イワシパクパクの弱鰯強食によって世界は食鰯の香りに包まれた――。
『特異運命座標』アルプス・ローダー(p3p000034)は荒野を走り、ひとり渇いた風を切り裂いていた。
「この世紀末situation。一人勝ちを狙うなら、やはりオルフェウス・ギャンビットを目指すしか……」
説明しよう。オルフェウス・ギャンビットとは太平洋南東部の浮游性魚であり、ペルーやチリの沖で獲れる。かつては大量に生息していたがエルニーニョ現象によるサーモクラインの深化を原因に数を激減させ現在は非食用の高級魚粉として扱われるのみである――のはいわしの一種アンチョベータの説明だよ。その、なに? そのオルフェンズガンビットとかいうのは自分で調べてね。
「具体的に言うとロクさんの言うSDGsをもう少し現実的に進めた……そう、食材として消費されたイワシの廃棄物をバイオマス燃料化してバイクに使い持続可能なバイク社会を推し進める事で混沌をバイク乗りの天国にする派閥を打ち立てるのです」
この言い方すると巨大なローラー戦艦で地面を平らにしはじめそうだけど、アルプスローダー的にはSDGs的ななんかをしたいらしい。
「まって! まつんだ! きけんだよ! いわしに手を出せば銀髪の美少女が――!」
頭に輪っかつけて半透明になったロクがアルプスローダーにしがみついてきゃんきゃん吠えた。
「ご安心下さい。死んでしまったイワシに線香を上げるついでに再利用させていただくだけ。
エンジェルイワシ条約にもひっかからず、いわしプリンセスの制裁からも逃れる事ができるでしょう」
「まことにぃ~?」
「あと飲酒とバイク運転の相性は悪いので飲酒に絡む派閥に制裁をくわえ終わるまではいわしプリンセスと協力体制を構築する事も可能だと思っています」
「「まことにぃ~?」」
頭にわっか作って半透明になったヴァレーリヤとマリアが両側面からじっと見つめている。
「僕たちは一生ツーリングしていたいだけなんです。イワシの搾りかすを飲んで生きてますけど僕たちが手を下した訳じゃないんで。クリーンな派閥ですよ信じて下さい!」
しんじてくださーい! と天に向かって叫ぶアルプスローダー。
天に声が通じたのだろうか。
空からファッーて感じの音楽と光と共にアンジュが振ってきた。
「じゃあお前もバラバラになったらいわしぢから発生装置のパーツとして有効活用してあげるよ。嬉しいでしょ?」
「まことにぃ~?」
アルプスローダーは半透明になって頭(ヘッドライト部分)に輪っかをつけて空に昇っていった。
●イワカーシュ
「はぁ、はぁ、まさかイワシーヌ皇帝がが冠位鯱種イワシパクパクに倒されるなんて。
命からがらこの浮遊鰯島イワカーシュに逃げてきたけど――ふふ、バレてなかったんだね。
実はあたしがいわしの新たなる食べ方を模索するイワシイーターであったことを」
みんな天守閣が消し飛んだときにちぃーっちゃく描写されていたフランちゃんのことを覚えているかな?
空にぴゅーんって飛んだついでに空飛ぶ島イワカーシュへとたどり着いた『ノームの愛娘』フラン・ヴィラネル(p3p006816)は、この修羅の時代に対応すべく新たな派閥を立ち上げることを決意したのだ。
「イワカーシュが重視するのは『いわし』と『独創性』!
生で食べる『鮮度』重視とか古いしアルコールとかいわしを食べるのに余計なものは不要! イワカーシュの綺麗な水でおいしくなぁれ、って呪文を唱えながらイワシ養殖するんだよ!」
フランは両手でハートを作って身体を左右にふる可愛いモーションをしていわし養殖場を浄化していた。
かわいいと水も浄化されるんだよ。
そんな具合にうつくしー水の中で増えていくいわし。
フランはスマホを翳して自撮りモードにすると、ほっぺに手を当ててkawaii pauseをとるとバックに養殖場を撮影しはじめた。
「くくく、『いわしいね』が溜まっていく……うぅーん、承認欲求のモンスターすぎて進化しそー!」
フランがフラランに進化し最終的にフラボワーンに進化して両手にわさわさしたブロッコリーつけたチアガールみたいなモンスターになるところを想像してね。
進化したフワンもといフラボワーンはとまらなかった。
『いわしいね』ほしさに映えスポットにイワカーシュの影をおとしたり、イワシ不凍港のイワクトにイワカーシュの灯火をブチおとしたり、イワシを独占してイワシタピオカを作って撮るだけ撮ってみたり。けど実際つみれ汁をぶっといストローで吸う地獄みたいな料理だったので舌を火傷したり。
そんな日々が続き今度はにおわせ写真でもとってみるかなーとスマホを翳した、その時である。
「フラン! くたばれ! あ、間違えた。裏切ったんだね!」
土管からぴょいーんって飛び出したアンジュが拳にいわしぢからを溜めて握り込んでいた。
「「ウワーーーーーー!?」」
同時に叫ぶフラン、アルプス(故)、ロク(故)。
「ってロクせんぱーい!
アルプス・ッッルォオオダァアアアー!!(巻舌)」
友の死をいまさら知って叫ぶフラン。繰り出されるいわしパンチ。
そしてイワカーシュはそらのもくずと化したのだ。
●イワスタグラマー
「暴力でイワシを奪い合おうだなんて野蛮だね……」
『天空の勇者』ジェック・アーロン(p3p004755)はスマホを手に、寂しげに呟いた。
じぇっくの投稿した写真につく『いわしいね』の数は1垓。垓て。
「人は何に集まり、何を頼りにする? 力? 食べ物? 否──カリスマだよ」
ジェックは今日もパフェをバックにカワイイの限りを尽くしたアーティスティックフォトをアップし、サーバーぶっ壊れるんじゃねってくらい爆増していく『いわしいね』の数にほくそえんでいた。コメントは滝のように流れみんな「じぇっく」「じぇっく……」「わすれちゃったにゃ?」としつこいスマホ通知かってくらい表示され続けている。
「ふふ……」
ジェックはスマホを秒でたたき割り、新しいスマホを手に取ると歩き出した。
SNSイワスタ。今や全鰯帝国民に普及しており、アカウントのない者は満足に情報を得ることすら難しいというこのサービスは、写真を上げる他、DMを送ったりコミュニティを作って信者を囲ったり収益化し一部のイワスタグラマーはいわゆる『プロ』となっている。小学生のなりたい職業第一位だ。
ほんとは裏機能(というか外部ツールを使った裏技)だけど、フォロワーが垓あるジェックに口を出せる者などいなかった。
そう、プロのイワスタグラマーとしてバズるなら善も悪も関係ないのだ。
「みんなー、おはよー」
今日もジェック10割増しの萌え声で配信を行う。画面には大量のいわしアイコンが乱舞し、裏ツールには金色の額面がばりんぼりん表示されていく。
ジェックが『ありがとう〇〇さーん』と囁くだけで更に倍!
肉派、バイク派、ヴァリューシャ派。そしてイワカーシュ派に犬派。全ての派閥が起こした事件をテッキトーにとりあげては心が痛んでるアピールをする。
コメント欄には「ジェックちゃん泣かないで!」「この札束で涙拭いて下さい」「まってるにゃ……」というコメントが滝のように流れていく。
(こうして稼いだフォロワーがアタシの力さ。
流行を作り風説を流し、時に人々を扇動し行動に移させ、世情をコントロールする。
世は大SNS時代、イワスタを制す者が国を制すんだ!)
クククと笑うジェック。そんな彼女を…………。
「写真、素敵だね。手伝ってくれたらいわしたちからイワスタにいいね押してあげてって伝えてあげるよ」
アンジュは制裁しなかった。そう、アンジュの基準はいわし。いわしを食わぬジェックにいわしパンチはないのだ。
『ドウシテ!』と叫ぶ頭にわっかつけた皆さん。
しかしもう……お気づきだろう。
――夢からさめるじかんだよ。
●ゆめからさめて
人も獣も虫も魚も植物も竜も魔種も、本来命の価値は等しくあるべきでありそこに上も下も無い。
でも意思あるものは自分の都合の良いように命に価値を設ける。
それがみんなにとっては人や動物で、私はいわしだったというだけ。
全にして個。個にして全。
いわしの中に私達があり、私達の中にいわしがある。
全てのいわしにありがとう。
全てのいわしイーターにさよなら。
「「ハッ、夢か!!!!」」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
ハッ、夢か!
GMコメント
※このものがたりは夢です。実際の人物団体帝国とはいっさいかんけーがありません。
皆さんはこのシナリオの中で何かしらの派閥を名乗り、群雄割拠するこの時代を戦い抜いてください。
何がどういう風に決着つくのか実際私にもわかんないし完全なる見切り発車ですが、きっとどうにかなるって未来の私が言っているのでご安心ください。
●ぷれいんぐ
・己のオリジナル派閥を立ち上げましょう
参加者と一緒に派閥を組んでもかまいません
・派閥のパワーを上げましょう
それぞれの派閥には『いわし』『鮮度』『アルコール度数』といったようなわけのわかんねーギルドパワーが設定されています。それを己の信じる方法で上げてください。
・派閥バトルだ!派閥バトルしようぜ!
最後は派閥ごとにボコボコなぐりあったりダチになったりして最終的にイワシパクパク皇帝が死にます。ここネタバレ。
最後は皆一緒に『はっ、夢か!』て覚めるつもりなので何をやってもOKです。どっからでもかかってこい。
●情報精度
このシナリオの情報精度は鰯です。
ニシン科のマイワシとウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシ計3種を指し、世界的な話題ではこれらの近縁種を指します。
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