＜総軍鏖殺＞仮初めの標榜＜革命流血＞

オープニング

●＜総軍鏖殺＞仮初めの標榜＜革命流血＞
　新皇帝『バルナバス・スティージレッド』が就任し、混乱の境地に陥りし鉄帝国。
　首都から少し離れたここ、旧ヴィーザル領にもその混乱の影響が出始めており、街や村は虐殺者の影に怯えながら生活している。
　しかし……この地を治めし領主オースヴィーヴルは、民の安全を第一に考える領主であった。
　彼が民を守る為に行いし事は、新皇帝との間に介入する一派、革命派の訪問を受け、敢えて物資を一部提供する事の見返りに、自分達を守って貰うというもの。
　戦う力を持つ者達を仲間に引き入れる事で、自分達を保護して貰うというものであった。
　一部反発はあったものの、鉄帝国の混乱の中で生きるためにはこの様な方法にも手を出さなければならない……理解を求めるのと共に、その報は、納めし街村にもすぐに広まり、革命派に属する者の巡回が始まる。
　……だが。
『おい！　お前達！　この街にある食料資材、何もかもここに差し出せ！』
　革命派の僧服や鎧を身につけた者達が、『イルエンヌ』村を訪れると、村人に怒号を浴びせる。
　勿論、革命派との協定は聞いている……だが『全ての』資材食料となると、冬になり始めた鉄帝国で生きていく事は出来ない。
『す、全て……でございますか？　オースヴィーヴル卿が言うには、全てではなく生きる分は残して良い……との事だったかと思うのですが……』
　そう、村長が恐る恐る進言するが……それに。
『ほう……叛逆するか。ならば……命は要らぬという事だな！』
『そ、そんな……っ！？』
　反論する余地もなく、懐から取り出した剣が村長の首を刎ねる。
『ひ、ひぃっ……！！』
　噴き出す血飛沫に悲鳴を上げる村人達……そして。
『いいか！　これは崇高なるアミナ様の命令だ！　お前達は糧となるのだ！　糧となる光栄を受けぬ者は、死ぬが良い！』
　狂気じみた笑みを浮かべた彼等はそのまま、村人達が逃げ惑うのを追いかけて殺戮を始めるのであった。

●
「信じられません……革命派の皆さんが、その様な事をするなど……あり得ません」
　目を閉じ、唇を噛みしめるのは革命派の司祭・アミナ。
　彼女が率いし革命派が掲げるは、無法者共から市民を救助しつつ、指示を得る事。
　先日のオースヴィーヴルとの会談で取り付けたのも、その一つなのだが……それを利用し、革命派を陥れようとしている動きがある、と言うのがアミナ達の耳に入る。
　それは革命派を名乗り、街村から全ての資材食料を献上させるというもので、従わない街村は暴虐の限りを尽くす……という物。
　勿論革命派に属する者全てを掌握しているか、と言われれば、出来て居ないかもしれない。
　でも……この様な酷い行為を行う者は、革命派に居るわけが無い……そう、彼女は信じている。
　そしてアミナは、キミ達に深く頭を下げて。
「恐らく……この様な行為をしているのは、私達の仲間ではありません。真実の程は解りませんが、彼等を見つけだし、倒してきて頂きたいのです」
「きっとこの者達は、オースヴィーヴル領主の町や村を集中的に狙っている様です。襲われた街を辿れば、きっと追い詰める事が出来る筈……そして、彼等のこれ以上の悪事を止めてきて頂きたいのです。宜しくお願い致します」
　仲間を信じたいが故の、裏切られた失望は計り知れない……だが、革命派の方針からすれば、これは切り捨てねば障害なのは間違い無い。
　だからこそ、今、彼等を倒さねばならない……それにキミ達も頷くのであった。

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●騙し合いと
　新皇帝『バルナバス』が就任し、幾月が経過した鉄帝国。
　彼の勅命により町や村は暴虐の下に晒され、人々は苦しみを重ねており……人々は救いを求める。
　その救いを求める声に応じた、革命派司祭・アミナはここ、旧ヴィーザル領地に拡がる『オースヴィーヴル』領主が納めし土地を守る事と引き替えに、資材や物資の一部を提供して貰う約束を取り付けていた。
　……だが。
「同志アミナ様の想いをこんな事に使って……！　誰が名を騙っているかは解らないですが、許すと思うなですよ！！」
　ぐぐぐっ、と拳を握りしめて怒りを露わにするのは、『航空司令官』ブランシュ＝エルフレーム＝リアルト（p3p010222）。
　彼女にとって、平等と正義を掲げる革命派の是は意を同一にする物……しかし、その意をねじ曲げられた様で、その心は怒りに震えていた。
　アミナの言う通り、街村から『一部を』提供為て貰う事が領主と約束したものであり、『全部を』奪い去る行動を取るのならば、アミナの教えに背く物であるというのは明らか。
　革命派を名乗ってはいるものの、全て奪おうという彼等がアミナ率いる革命派の同志であるだなど、万が一にも信じる事は出来ないし……信じたくもない。
　そんなブランシュの強い憤りを聞いた『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ（p3p008299）すらも。
「コャー。革命派を名乗りやりたい放題だなんて、ド許せぬの。しっかりと懲らしめてくれようかしら～」
　みんなでご飯を食べれる革命派が居心地が良くて……だからアミナの話に手を上げた訳で。
　まぁ……十中八九、革命派の名を騙る者達であるのは間違い無い。
　薄々は参加せしイレギュラーズ達をも理解していて。
「……むぅ……勝手に革命派を名乗って、悪い事をされるのは、何と言うか信念や仲間を貶められている様で、感情が逆立つね」
　と『鋼のシスター』ンクルス・クー（p3p007660）が瞑目すると、それに『喰鋭の拳』郷田 貴道（p3p000401）と『猛獣』ソア（p3p007025）も。
「ああ。革命派を名乗る輩共が、最近はどうも多いようだな」
「うん。確かに何だかこういうお話、最近よく聞くようになったよね。ボクは革命派に肩入れしているって訳じゃないけれど、気分の良い話じゃないよね」
「そうだな……一部過激派には、ミーも心当たりがあるが……こういうこっちゃねぇしな」
　肩を竦める貴道、それにずっと瞑目していた『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ（p3p006270）が。
「……欺瞞に騒動……珍しくもない事。情報戦は戦の習わしだ。例え、それが内乱であろうとも、な。だが、この者達のやり方は気に入らない。これは、作戦などと云う言葉では言い表せない悪意に満ちている……不愉快だ」
　明らかに、その表情は静かな怒りを含んでおり、その言葉には強い刺々しさが顕わで。
　そんなエッダの言葉に『タコ助の母』岩倉・鈴音（p3p006119）が。
「んー……ちょっと怖さを感じるけども。でもまぁ約束と違う事をされちゃぁ革命派の人達の評判はダダ下がりだし、今後街の人達が協力しない、だなんて言い出しても仕方ない所だよね？　彼等が暴虐をこれ以上繰り返さない様に今、ここで止めないと、っと」
　ふふっ、と笑みを浮かべた鈴音。
　イレギュラーズ達も当然立場は様々。
　革命派に所属しているからこそ、今回の依頼に対して並々ならぬ想いを抱いているのもあれば、所属せずにニュートラルな立場から、今回の依頼に対し冷静な分析をしている者も居る。
　とは言えど……無辜の市民達が被害に有っている様な状況は看過出来ないだろう。
「何にしても、革命派を騙り悪事を繰り返している悪い人達には、しっかりと天罰をお届けしないとだね。皆に創造神様の加護がありますよに」
　手を合わせるンクルスに、貴道とソアも。
「そうだな……裏に走る派閥争い等々はどうでもいいが……企みのある悪党どもを潰す……ただそれだけさ」
「うん、そうだね。今回は犯人をしっかりとやっつけてやらないとね！」
　何方共々、気合いが入る。
　そんな仲間達の言葉に『竜剣』シラス（p3p004421）が。
「……取りあえず、『自称』革命軍の奴らを完膚なき迄に叩きのめす、ただそれだけの事……奴らの立場だ何だなんてのは関係ねえ。さぁ、さっさと行くぜ」
　と皆を促し、襲撃が予測されし『イルエンヌ村』へと急ぐのであった。

●偽善者
『う、うわぁあああ、や、約束が、約束が違うじゃないですかっ……！！』
『うるせえ！　俺達革命軍が守ってやってんだ！　だから資材を全て渡せってな！　渡さねえなら、てめぇらを殺して良いってのも言われてんだよ！』
『そ、そんな……っ』
『という訳だ。さぁ、守れねえってんなら、命は惜しくねえって事だろ！？　さぁ……殺してやらぁ！』
『っ……！』
　ザシュッ、と言う音と共に、精一杯の抵抗をしていた村人が、首を刎ねられてしまう。
　当然周りの村人達からは悲鳴が響きわたり、四方八方に逃げようと混乱に陥ってしまう……が、勿論『革命軍』を名乗りし者達は。
『てめぇら逃げてんじゃねーよ！　逃げんなら、一人一人ちゃっちゃと殺していくだけだぜぇ！』
　と、意気揚々と周りの市民達に向けて武器を抜く。
　……そんな混乱の境地に陥る村に辿り着いたイレギュラーズ達は、すぐに。
「村の皆さん！　我々は『イレギュラーズ』です！　もう大丈夫！　なので、落ちついて此方に逃げてください！」
　村中に届くように声を張り、避難誘導を担うブランシュ。
　その声を聞いた村人達は、藁をも縋る思いで、その声のする方に向けて散りじりながらも掛けてくる。
　そんな村人達の動きに、目をつり上げながら革命派名乗りし者達は。
『あぁん？　何だあいつらはよぉ……俺達のシマに勝手に殴り込んで来やがって。ふざけてやがるぜ！』
『ああ！　まぁいい、ぶっころせばいい話だ！　おい、皆こっちだ！』
　革命派の僧服や鎧に身を包んだ彼等は、舌打ち、半ば苛立ちながらイレギュラーズ達に刃を剥けてやってくる。
　そこへ。
「彼等が言っている事より、やっている事に刮目せよッ。行為こそがその人間たちの正体なんだ！　いいか、ローレットは偽りの革命行為に対して武力介入を開始するッ！」
　どこからともなく響きわたる言葉……鈴音の言葉。
　更に彼等の前に立ち塞がるのはシラスと貴道。
『あぁ？　てめーもいれぎゅらーず、か？　邪魔すんじゃねーよ！』
　チンピラの如く、罵声を浴びせかける彼等に対し、シラスは。
「ったく、そこまでだぜ。好き放題にやってくれたな、クソ野郎共！」
　ニヤリと笑みを含み挑発すると、それに加えて貴道も。
「ああ……人様のフンドシで、好き勝手やらかした責任は取らないとな？　虐殺なんてなぁ、生きて償うには重い罪だろう？」
　と言い放つ。
　二人の言葉に、カチンと来たのか彼等は。
『うるせぇなぁ！　てめぇらのように偽善ぶってる奴らがよぉ、一番気にくわねえ。革命派の名の下に粛清されろってなぁ！』
　その言葉と共に、手を上げて何か詠唱。
　すると……彼等の頭上から、炎を纏いし鳥の様な何かが、火炎放射が如く二人の居る空間を灼き尽くしていく。
　しかしその炎を避ける事も無く、貴道ははははっ、と大きく笑いながら。
「ノープロブレム。心配無用さ、ミーが一人残らず閻魔さまのところに送ってやるよ！」
　戦陣を斬り、彼の拳は大蛇の如く振りかざされ、前線の者達を吹き飛ばす。
　抵抗しきれずに後方へ飛ばされた彼等は、なっ……と呆気にとられた表情を浮かべ、そして一歩後ろにいた者達は。
『な、何だとっ……！？』
　と驚愕に一瞬ではあるが、足が竦む。
　その間に、シラスは目を閉じ。
（「近くに居るお前達。俺達はイレギュラーズだ、村を助けに来た。後は俺達が何とかするから、生き残る事を考えてくれ。身を隠せる者は隠れろ、動ける者は逃げろ。必ず村に戻れるから安心してくれ！」）
　と、テレパスを経由し、村の人達に避難を呼びかける。
　それを追いかけるよう、前線を上げ始める敵陣……だが。
『くそったれがぁ……っぅ！？』
　突如その間に割込、立ち塞がる少女の影。
　敵陣の攻撃が次々と命中するが……その砂煙の中にあっても、毅然と立ち続けるのは、エッダ。
「弱い。弱い。弱い。いくら攻撃を喰らっても、まるで倒れる気がせんな。何だ貴様ら、この体たらくは？　こんな腰の入っていない斬撃が、革命派の剣だと？　私ノ知って居るクラースナヤ・ズヴェズダー司教の一撃はこんなものではない。もっと強く、もっと鋭く、もっと気迫が乗っていて、もっと熱い。こんな腐れた剣を振るう貴様らが、革命派であるものか！」
　強い口調で言い放つエッダ。
　更にはソアも。
「そうだよ！　偉そうなこと言ってても、あなた達のやっていることはただの盗賊じゃない！　あなた達みたいなのが聖職者なわけないでしょう、その化けの皮を剥いであげる！」
　断罪の言葉と共に己を強化し、敵陣戦闘に飛びかかり、その爪を剥く。
　強力な爪撃に顔、腕が傷つき、一端武器を手放す者達もちらほら。
　そんな敵の状況を胡桃は鋭く見定めており。
「ふぅん。数は多いけど、一人一人はそんなに強力、って言う訳じゃ無さそうなの。それよりも厄介なのは、あのお空の上に居る鳥さんかしら～？」
「ああ、そうだな。あっちは俺達で相手するとしようぜ」
「ん、了解なの！」
　シラスに頷きながら胡桃は己に蒼炎を纏わせ、そして味方を巻き込まないように位置を少し移動した上で、稲妻の四重奏で鳥達を次々と射抜く。
　雷鳴に撃たれた鳥達が体制を崩した所へ、革命派の者達を仲間に任せたシラスが。
「俺にとっちゃぁ鳥なんて良い的だぜ！」
　と地面を蹴り、威力を極限まで高めた魔術光で一匹の羽を確実に射抜く。
　羽に風穴が開き、クルクルと地上へ落下する一羽……もう一羽はシラスの攻撃を警戒し、ちょっと距離を離す。
「少し離れた？　……どうやらあの鳥の方が、戦況を考える知能はあるみたいなの」
「ああ。あいつらとは大違いだな！」
　胡桃とシラスは声を掛け合い、敢えて自称革命軍達を挑発。
　勿論その言葉に一層怒りを燃え上がらせる彼等だが……攻撃しようにも、己達の前にはエッダとソア二人を軸にした防戦網。
「ここから先には通さん。お前達……このエーデルガルド・フロールリジ。名は聞いた事あろう？　無視して通り過ぎるには高く付く首だぞ？」
「そうだよっ！　ほらほら、この爪で……もう一人っ！」
　エッダが敵の攻撃を一身に引き受けながら、ソアがヒットアンドアウェイの拳にて、確実に一人ずつ致命傷を負わせる。
　二人のペアに続き、ンクルスと貴道、ブランシュと鈴音の両面が両サイドから勢いを上げて戦列を引き揚げ、革命軍の者達の退路を塞ぎつつも追い込んでいく。
　とは言え自称革命軍達はそんな状況に追い込まれている事を冷静に判断出来る者はおらず、前へ進みどうにか戦端を切り拓こうとする。
　……数刻の内には、彼等は完全に退路を断たれ、更には三方全てにイレギュラーズが立ち塞がり、全て前衛の戦列となる。
『くっ……何、だと！？』
　流石にそこまでの状況になれば、形勢不利に気付く革命軍。
　そんな彼等に向けてブランシュは剣を鋭く掲げると共に。
「クラースナヤ・ズヴェズダーの足音を聞け。我ら全ての民の幸福を願う者なり。どうかご照覧あれ。その為の殲滅を良しとし、全ての障害を取り除かん！」
　その言葉と共に、後方より放たれた一閃が、空を翔る鳥を撃ち抜く。
　その断末魔の咆哮は、彼等の断末魔の如く。
「まだやるのかしら、降参するなら今の内だよ？」
　とソアが最後通牒を突きつけるが。
『……くそがっ……やるしかねえ、やるしかねえんだ……！』
　唇を噛みしめ、自暴自棄に仕掛けてくる革命軍。
「そうかぁ……ま、じゃ仕方ないネ。まぁ、逝きな」
　エッダははははっ、と笑いながら彼等の動きを強力に縛り付ける。
　そして。
「革命の意思を理解できていない愚かな同志よ。自由、平等、博愛を唱えよう」
　ブランシュの聖句……しかし苦しむ彼等にはその言葉は届かず。
「理解出来ない？　さもなくば、死を」
　慈悲なき享楽の悪夢が、彼等を蝕み……死を与えるのであった。

●傷付けられた心
　そして……一人を残し、全ての偽・革命派達を倒したイレギュラーズ。
「取りあえず、街の人達の治療はわたしに任せてくれよ。首跳ねられてたりしても、わたしなら治療出来るからね！」
　と言う鈴音が村人達の元を周り、村人達の治療へと尽力する。
　その一方で、偽・革命派で息のある者を生きたままに拘束すると……暫し観察。
『……う……？』
　一時間程の後……目を覚ました彼等……後ろ手に縛られ、身動きが取れない事に。
『くっ……くそっ……こいつを外せっ！』
　と苛立ち声を荒げる彼へ、エッダが。
「……そう易々と、拘束を解くと思うか？　お前達が市民にした行為は許されざる者だ。更には革命派を名乗るとは……な？」
「ああ。てめぇら……革命派じゃないだろう？　どうして革命派を名乗った。革命派を名乗るのならば、聖句の一つでも、空で読んで見ろよ、なぁ？　出来ねえ訳ないよなぁ！？」
　シラスの言葉に、顔を背けた彼等が。
『……ふん。俺達がこの革命派を名乗ればよ、てめぇらと領主の関係は悪化する。そうすりゃぁ協力関係が崩壊するってな訳だ！　既に結構効いているみたいだしよぉ！』
　笑う彼等に、シラスは更に。
「そうかそうか……まぁ、確かにそうかもしれねぇ。偽革命派ってのも吐いてくれたしよ。しかしその服は本物の様だが、それもどうしたってんだ？」
『はっはっは！　てめぇらのお仲間達は弱ぇなぁって！　だってよ、これはてめぇらのお仲間達の『純正品』だしなぁ！　ま、弱っちい奴らを仲間にしてて残念だな……っ』
　そう最後の一人も、高笑いし挑発の言葉を繰り返す彼等……だが、最後には言葉を発する事無く、エッダの一閃と共に首が飛ぶ。
　……そして、ブランシュは苦しんでいた街の人々に向けて。
「ええ、我々が真の革命派です。あいつらは偽物で、皇帝の息が掛かった者です。なので、これからは安心して生きて下さい。我々がより良い国にしますから」
　と、できる限り優しい口調で呼びかける。
　だが……街の人々は、襲われたことに対するショックと、他の街から聞いていた状況から、素直には信じられない……といった具合。
　そんな街の人々に向けてンクルスが。
「革命派の大部分の人達は、こんな虐殺や略奪は望んでないよ！　アミナさんだって、こんな事絶対に許さない！　それでも革命派を名乗る輩にこんな事をする人が出てしまった事は本当に申し訳なく思うよ……私も責任を持ってそんな人からは皆を全力で護るし、天罰をお届けするからね！　御願いだから、革命派全体を悪く思わないでね！」
　と真摯に頭を下げる。
　……そんなンクルスの言葉に胡桃も。
「そうなの。うん、アミナさんはみんな仲良くご飯を食べられる事を願っている筈なの。だから、みんな、仲良くして欲しいの」
　と、そう街の人達に呼びかける。
　……そんなイレギュラーズ達の説得に、段々と理解を示し始めた街の人々。
　そして……壊された建物等を、皆で手分けして修理し……一度は離れかけていた人々の信頼を回復させていくのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました。
革命派を騙る彼等が何者なのか……その一端は見えたかと思いますが、少なくともこの鉄帝の混乱に乗じて利を得ようとしている者達なのは間違い無さそうです。
こういった者達の動きにより派閥が陥れられる可能性はどこの勢力でも内包はしている状況です。
皆様それぞれの所属する勢力の想いもあると思います。その想いを踏みにじられない様、これからも頑張って下さい！