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シナリオ詳細

<竜想エリタージュ>竜の畔、悪事走る

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<竜想エリタージュ>竜の畔、悪事走る
 広大な海拡がりし、蒼き国海洋。
 その一角に拡がる『静寂の青』こと、フェデリア島には一大リゾート地『シレンツィオリゾート』が開かれ、近隣諸国からレジャーを楽しむ客達がこぞって訪れる。
 しかしそれは表の顔……裏には様々な思惑が渦巻き、更には虚滅種やフリーパレットという様々な怪物が入り交じり、それを討伐する様な依頼も多数。
 そんな依頼の末、最近現れた深海の都、『竜宮』。
 イレギュラーズ達の尽力もあり、竜宮への道は切り拓かれ、その防衛にも成功……そして竜宮の者達は、シレンツィオへの参画を提案。
 暗い海底に立つ竜宮は、対比するかの如く明るいネオンサインが賑やかに輝き、何処か繁華街的な雰囲気を醸し出していた。
 ただ、そんな繁華街の外周には、いつまた襲われるとも知れぬのもあり、警戒に当たる警備の者達も交代で詰めていて。
『ふぅ……今日はなーんにも無さそうだな?』
『ああ、あともう少しで終わりだ。終わったら飲みに行こうぜー!』
『いいねぇいいねぇ! よーっし、後もう少し頑張るぞー!』
 警備する人々はどこか陽気で……何だか緊張感が無い様にも思える。
 でも……その時。
『……ウグゥゥゥ……』
 漆黒の海の中から響きわたる、何かの鳴き声。
『っ……この声は……』
『……ああ。あいつだ。ちっ、最近大人しくしていたかと思ったのに。仕方ねえ……飲みは後だ。奴らを迎撃するぞ!』
 先ほど迄の楽天的な顔から、急に真剣な表情を浮かべる警備の衛兵達。
 ……そして、程なく。
『ウガァゥウウ……!』
 と、巨大な怪物が、咆哮を上げて襲い掛かるのであった。


「さて、と……また今日も集まって貰った訳だが。今回はちょっと時間が無いんでな、急ぎ説明させて貰うぜ」
 と、『黒猫の』ショウ(p3n00005)は、真摯な表情を浮かべながら、イレギュラーズ達を見わたす。
「早速だが、皆が解放してくれた竜宮に、向かって欲しいんだ。解放されたとはいえ、まだこの竜宮を取り巻く状況は安全とは言い難くてな……」
 そんなショウの言葉に、不思議そうな表情を浮かべる君たち。
 竜宮の表面からすれば、煌びやかで楽しい町……という印象が強く、ここに居るイレギュラーズ達も、そういった印象が強い。
 しかしながら、その煌びやかな表面を守る為に、裏で人知れず町を護る人達も居る。
「……まぁ、今回はそんな町を護る人達を助けてきて欲しい、ってな訳なのさ。この竜宮の周りには、未だに息を潜め、いつか一泡吹かせてやろうっていう怪物達が居る様でな。竜宮の警備達と力を合わせ、そいつらを撃退してきて欲しい、ってな訳なのさ」
 そこまで言うと、軽くフッ、と笑みを浮かべるショウ。
 何事か、と皆が問い掛けると。
「まぁ……竜宮の人々は根は享楽的な人達が多い。警備員達と怪物を撃退したら、彼等とちょっと交流もしてきて欲しい……って思っててな? まだ彼等の性格については余り分かって居ない所もあるし、そういう所からも彼等の人となりを知ってきて欲しい、ってな訳さ。ま、宜しく頼むぜ」
 と、ショウは皆の肩を叩くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回は竜宮の近くに現れた深海魔退治と、退治終了後の交流となります。

 ●成功条件
  竜宮に襲撃を仕掛けようとしている深海魔を退治する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  舞台となるのは竜宮の際です。
  周囲の海底海域には未だ深海魔がおり、その内一種が今回襲撃を仕掛けようとしています。
  また、皆様の周りには竜宮の警備兵達が居ます。
  彼等は楽天的な性格ではありますが、竜宮の町を護ることに対しては並々ならぬ思いを持って居る様なので、彼等の強い願いと共に、深海魔を協力してしっかりと仕留めていただけるよう御願いします。
  尚、警備兵達の戦闘能力は実際の所そこまで高くはありません。なので、彼等を護りつつ戦う……という必要が出てくると思います。

 ●討伐目標
  ・竜宮近辺に潜みし深海魔『エビゴウネチ』 3体
    巨大なマンタ型の深海魔です。
    彼等は基本、相手の頭上を取り、卵形の爆弾を投下する事で爆撃戦闘を行います。
    この爆撃には高い攻撃力に加え業炎、足止め、飛、というBSが目白押しです。
    ただ頭上を取れないと、爆撃が出来ない弱点を持って居ますが、その弱点をフォアレスターに補助させている様です。
  
  ・半身の深海魔『フォアレスター』 7体
    半魚人型の深海魔です。
    首から上は魚、という造形ですが、その手に剣を持っており、それで戦う事が可能です。
    彼等が相対すると、簡単には他の敵へ移動させない(移動をブロック)しますので、彼等のブロックを上手い具合にこなしていく必要があります。
    その他のBSは無く、攻撃力はそこまで高くは無いものの、体力はかなり高いタンク役の敵になりますので、ご注意下さい。

 ●特殊ルール『竜宮の波紋・改』
  この海域では乙姫メーア・ディーネ―の力をうけ、PCは戦闘力を向上させることができます。
  竜宮城の聖防具に近い水着姿にのみ適用していましたが、竜宮幣が一定数集まったことでどんな服装でも加護を得ることができるようになりました。

 ●特殊ドロップ『竜宮幣』
  当シナリオでは参加者全員にアイテム『竜宮幣』がドロップします。
  竜宮幣を使用すると当シリーズ内で使える携行品アイテムと交換できます。
  https://rev1.reversion.jp/page/dragtip_yasasigyaru

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <竜想エリタージュ>竜の畔、悪事走る完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年09月16日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
志屍 志(p3p000416)
天下無双のくノ一
リリー・シャルラハ(p3p000955)
自在の名手
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
如月=紅牙=咲耶(p3p006128)
夜砕き
型破 命(p3p009483)
金剛不壊の華
柊木 涼花(p3p010038)
絆音、戦場揺らす
レイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)
青薔薇救護隊

リプレイ

●煌びやかな影に
 広大な蒼き海の拡がる国、海洋王国。
 その一角シレンツィオリゾートの近く深海において拡がる都『竜宮』は、イレギュラーズ達の努力の結果、シレンツィオへの参画が行われた。
 その結果、竜宮はイレギュラーズ達への門戸を開くこととなり、一般人の他、イレギュラーズ達の往来も始まっていて……。
 とはいえそんな『竜宮』は、海底にありながら煌びやかなネオンが瞬き、シレンツィオリゾートの煌びやかさとはまた違う光景が広がっており……ちょっと聞いていた印象とは違っていて。
「ここまで煌びやかな場所だったのですか……話には聞いていましたが」
 そう、そのネオンに目を細めるのは『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)。
 そんな彼女の言葉に、『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)が。
「ああ……ま、華やかな場所ってのは、その分薄暗い連中も引き寄せちまうからなぁ……光に吸い寄せられる虫みたいなモンだ。ま……虫よりでかいから、質が悪い訳だがな」
 肩を竦める縁。
 彼が言う通り、この煌びやかな街に不躾ながらも、深海の脅威が迫り寄っていた訳で……その退治依頼が発せられた。
「まだ深海魔がこんなに居るだなんて……!」
 と驚きの表情を浮かべる『奏でる言の葉』柊木 涼花(p3p010038)に、『金剛不壊の華』型破 命(p3p009483)、『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)、『自在の名手』リリー・シャルラハ(p3p000955)の三人は。
「ああ。だが深海魔って、最近まで封印されていたんだろう?」
「そうですね。深海魔が現れるというのを聞いたのも、ここ数ヶ月の内です。更に今回の深海魔はエビゴウネチにフォアレスター、と……戦闘方法としては良い組み合わせと言えるでしょう。まぁ、上手く相手をはめれれば、ですけれど」
「そうだねっ。またフォアレスター……数は少ないけど、その分エビゴウネチがいるから……厄介だねっ」
「ええ。でもブロックする相手が自分達より多くて、空きが出てしまえばその人達がエビゴウネチを倒して仕舞うでしょう。例えばほぼ同数だとしても、フォアレスターを複数惹きつける事が出来れば、空きになった人がエビゴウネチを倒せますしね?」
「うんうんっ。その作戦でいいと思うよっ!」
 元気いっぱいなリリーの言葉、それに促される様に命が。
「まぁ警備兵たちも、あんまり戦いに馴れていないかもしれないしな。手助けしねぇとよ」
 と言うと、『夜砕き』如月=紅牙=咲耶(p3p006128)と、『青薔薇の御旗』レイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)が。
「ええ。折角始まった交流に水を差されるのは面白く無いでござるな。サクッ、と海魔共を片付けて、拙者達も竜宮の観光と洒落込むとしようでござるよ」
「ええ。竜宮の平穏の為にも依頼を熟さなくてはなりません。なにより自分がイレギュラーズとして慣れたり、顔見知りを作っておく為の良い機会ですし、ね」
 まだまだ未知の部分が多い竜宮故に、協力者を増やす為にも確かに有用な今回の話。
 瑠璃、縁、そしてリリーも。
「そうですね。民の平穏を護る為、今日も影ながら戦う警備の方々……こういった縁の下の力持ちの事、私は結構好きなんですよね。彼等が仕事上がりにお酒を美味しく飲めるように、少し手伝わせていただきましょうか」
「そうだな。ここを警備している奴らは相当九郎していそうだし、愚痴くらいなら聞いてやるとするかね……ってな訳で、さっさと倒すに限るな」
「うんうんっ。とっとと仕留めに行くよっ!」
 三者三様の具合にて覚悟を決めると共に、イレギュラーズ達は竜宮外縁へと赴くのであった。

●海底より響くは
『ふぅあ……っと、あともう少しか。今日も一日長かったよなぁ……』
『全くだぜ。ま、こうして今日も一日平和に、っと……ん?』
 竜宮外縁、漆黒の海との狭間にて警備に勤しむ竜宮の者。
 もうすぐ交代時間……ちょっとだけ気が緩みそうになるのは仕方のない事かもしれない。
 そんな彼等の気兼ねない声が躱されたその瞬間……突如漆黒の海の方から、ブクブクと大きな水泡が上がる。
『む……何かあそこに居る様だぞ?』
『ああ……』
 己が手の剣と槍を構え、かの方向に対し警戒を強める警備兵達……そして次の瞬間。
『……グゥゥォオオンン……』
 腹の底に響きわたる鳴き声を上げる、巨大なマンタが漆黒の闇の中から飛び出してくる。
 その周りには、半魚人型の奇っ怪な姿をしたものたちも、まるでマンタを護衛するが如く、次から次へと登場。
『っ……深海魔か!』
『くそっ。ついてねぇぜ!』
 舌打ち叫ぶ彼等だが、深海魔達は一直線に警備兵達の元へ。
 一極突破すれば、容易に侵入出来る……とでも思ったのだろうか。
 しかし……その瞬間。
「させませんよ」
 短い一言と共に、魔の光が警備兵達の間を抜けて、敵陣へと降り注ぐ。
 大きな身体のマンタは流石に避ける事は出来ないが、半魚の者達は四方へと散って回避。
『な……何だ、後ろから!?』
 振り返った警備兵達の目の前には、こちらへと掛けてくるイレギュラーズの姿。
「警備兵の皆さん、わたし達が精一杯支援します。だから、平穏を取り戻せるように頑張りましょう!」
「うんっ! 警備兵さん、それは深海魔達だよっ! 竜宮を護る為にも、絶対に足を踏み入れさせないようにしないとねっ!!」
「そうでござるよ、その護ろうとする気概、真に心強いでござる!」
 涼花とリリー、咲耶の言葉に、警備兵達は。
『あ、ああ、了解だっ! 絶対に、奴らを竜宮に侵入させはせんっ!!」
 頷くと共に、深海魔に対して武器を掲げ、対峙する。
 そんな警備兵達の勇ましい姿に、ふふっと笑みを浮かべながら。
「竜宮の街を護る皆さん……大丈夫ですよ。さぁ、先ずは厄介なマンタを狙いたい所ですが、その為にも半魚のフォアレスター達を惹きつけなければなりません。その方、頼めますか?」
『む……勿論だ! 我々の力、見せてやる!』
 威勢良い彼等へ加護を付与しつつ、ターゲットを指示。
 その指示に促されるように、警備兵達は距離を詰めてくるフォアレスターに先んじて対峙。
「あ、でもみんな、頭上には注意してねっ! あのマンタ、頭上からの砲撃が一番危険だから!!」
 そうリリーが補足し、彼等は頷きフォアレスターへ攻撃。
 致命傷には至らないが、多少は敵陣の体力を削る程の実力はある様で。
「足手まといかと思ってたが……街を護る事は出来そうか」
「そうですね……私も加勢に入りますが、縁さんも力を貸して下さいますか?」
「勿論さ」
 縁とフルールの二人はそう言葉を交わすと共に、フォアレスターと対峙する警備兵の所へ加勢。
 そして、命、涼花、レイアも。
「良し。それじゃフォアレスターは二人に任せるとして、こっちはあの頭上爆撃魚を早々に叩き潰すとするか!」
「ええ……皆さん、頑張って下さい」
「私は皆様のバックアップに回らせて頂きます。傷の方は、任せて下さい」
「了解っ……んじゃぁ、行くぜ!」
 そう言葉を交わすと共に、涼花とレイア、更にリリーの三人は警備兵らの一歩後ろに下がる。
 そして瑠璃、命、咲耶の三人は、フォアレスターを足止めしてくれている内に……一気に前線へ。
 エビゴウネチはその巨体をふわりと水中に漂わせつつも、上方を取ろうと少し高さを上げる。
 そんなマンタに向けて咲耶が。
「では、紅牙=斬九郎、いざ参る!」
 強い口調でマンタへの先陣を切っていく。
 エビゴウネチとの高度差をすぐさま埋めるように上昇し、高度差を無くしたところで多重残像の斬撃を喰らわせる。
 攻撃を躱す事無く、その巨体に大きな傷が刻み込まれる……が、まだまだ全然余裕そう。
「やはり体力がとても高い……という事でござるか。とは言え頭上を取られなければ怖い事は無いでござるよ! さぁ、続くでござる!」
 咲耶の言葉に続き、フルールは焔を纏いし姿となり、その身から放つ紅蓮の一条を放つ。
 その一撃に怒りを抱き、マンタはターゲットをフルールに仕向ける……が、その隙をついて、命は強い意志を破壊力に変換した強力な一撃を叩き込む。
 加えて後方からリリーが堕天の輝きを放ち、エビゴウネチに多くの呪いを仕掛ける事で、その動きを鈍らせる。
 ……そんなイレギュラーズ達の流れる様な連携動作に、海底で戦う警備兵達は。
『すげぇ……何だ、もしかしてこれが、あのイレギュラーズって奴か?』
『あの竜宮を解放してくれたって奴らかっ……そんなのが加勢に来るとは、百人力だぜっ!!』
 彼等の戦意を図らずも高揚させつつも、彼等が被害に逢わないよう、マンタを別の方向に惹きつける。
 そして次の刻、瑠璃は早々に。
「さぁ、容赦無く行くわよ?」
 断じる様な言葉で、混沌に揺蕩う力を解放し、漂うエビゴウネチ3体を纏めて巻き込み多くの悪意を付与。
 動きが更に緩慢になった敵は。
『グゥゥオオオゥゥゥ……』
 と、今迄とは少し違う鳴き声を上げる。
 ……その鳴き声を聞いてか、フォアレスター達は後方へと下がり、エビゴウネチの下へと場所を変える。
「あの鳴き声を聞いて、場所を変えましたか……」
「その様ですね……妨害をしないと、警備兵の方々が危険な目に遭ってしまいますね」
 涼花とレイアの言葉に、やれやれ、と肩を竦めながら縁が。
「分かった。奴らをこれ以上動かさないようにすればいいんだろう?」
 と言いつつ、移動先へと向かう縁。
 勿論、それを待って居たかの如く、上方からエビゴウネチの大量爆撃が襲い掛かる。
 ……だが。
「俺たちの目的は、傍からお前さん方なんでな。悪いが暫く付き合って貰うぜ……涼花、レイア、頼むぜ!」
 そう叫びながら、その場に立ち続ける。
 二人は即座に縁を回復し、倒れないように補助。
 そして、爆撃終わった後にフルールが。
「それじゃ、私も足止めさせて貰うわ……絶対にこれ以上うろちょろさせないから」
 そう言いつつ、紅蓮たる一薙ぎを払う。
 二人が前後ぴったりマークする事で、フォアレスター達にこれ以上移動出来ないように対処。
 そう海底でうごく仲間達に攻撃を当てないよう、エビゴウネチに対峙するイレギュラーズ達は、更に戦場を移動。
「ここなら大丈夫そうね。さぁ……ここで朽ちなさい!」
 赤き魔弾が真っ直ぐにエビゴウネチを狙い、貫く。
 それにより完全に動きを奪われし敵へ、命、フルール、咲耶の凶刃が容赦無く襲い掛かる。
 ……そんなイレギュラーズ達の剣戟の前に、程なくエビゴウネチ一体にトドメを刺し、その巨体は海底へと沈む。
「残り二体だ。後もう少しの辛抱だぜ!」
 そう命がフルールらに声掛け。
 そして、エビゴウネチ二体を確実にマークし、呼び声鳴いても下部に行かぬようブロックし続けるイレギュラーズと、警備兵達。
 巨躯が二体、三体と討ち倒され沈んで行くと……残るは海底のフォアレスター達のみ。
「お主達が数でいくら攻めようとも、紅牙の忍術には陰りなし。残らず全て退治してくれようぞ」
 今迄ブロックを軸に動いていた彼等に戦線布告と共に、穿つ残像の刃。
 強力な一撃で一体を確実に仕留めれば、更に警備兵達の士気も上がり。
『すごいぜ……良し、俺達も行くぜ!!』
 イレギュラーズ達と共闘し、怒濤の勢いでフォアレスターを攻撃していく。
 彼等の動きを頼もしく感じつつ、レイアもその背中を押す様に声援で後押し。
 ……その勢いを押しとどめるのは流石に難しく、フォアレスター達は次々と討ち倒されていくのであった。

●受け継ぐ心と
 そして、竜宮に襲い来る深海魔達を全て倒し、再び竜宮外縁へと戻って来たイレギュラーズと警備兵達。
『いや、本当にありがとうな! 俺達だけだったら、多分……』
 目を光らせつつも、自分達の力に落胆を見せる警備兵達。
 そんな警備兵達の肩をぽん、と叩きながら命が。
「ん、お疲れさん……やっぱりここ最近が一番忙しいのか? ああいう深海魔たちがウロチョロし出してよ?」
『そうだな。ここ数ヶ月前からか、深海魔の動きが活発になった様な気がする。最初の内は、積極的な感じではなかったのだが……ここ最近は、竜宮を落とそうとしてくるんだ』
「そうかそうか。数ヶ月、と……」
 顎に手を当て、少し考える命。
 ……シレンツィオリゾートの騒動が始まった頃に近しい所ではあるが……勿論確実な切っ掛けではないだろう。
 まぁ、彼等の様に力低くとも、命崖で護りし者がいるから、竜宮はどうにか保って居たのかも知れない。
『……どうしたんだ?』
 と命が考えて居るのに、ちょっと不安そうに尋ねる命。
「いや、何でも無いさ。さて、と……もう交代時間なんだろう? 一緒に酒でも呑まねぇか?」
 笑う命に、警備兵達は。
『……ああ、勿論。祝勝会だ祝勝会!』
 警備兵と言えども、根は享楽的な様で……命の誘いに満面の笑みを浮かべる。
 そしてイレギュラーズ達は、彼等の行き着けと思しき店へと入る。
 多くの酒が机の上に並び、杯を手にする彼等。
「本当今日はお疲れ様。私、お酒は飲めないけれど、お酌なら出来るわよ?」
『そうかぁ、酒、飲めねぇのか。それは残念だなぁ』
「ふふふ……ま、美人にお酌されるのなら嬉しいdえしょう。あぁ、でもお触りは厳禁ですよ♪」
 悪戯な笑みを浮かべるフルールに酒を注がれ、みんなの手に回ったところで。
「皆の手に飲み物は回った様でござるな。それでは……本当、今日はお疲れでござった。警備兵の皆殿の力、拙者らもしかと見届けさせてもらったでござる。貴殿らの力があれば、きっと竜宮は守れる筈でござるよ……という訳で、乾杯!」
 咲耶の発生に、盃が躱される。
 勿論酒が飲めない人もいるけれど……レイアが、自家特製の紅茶を振る舞う事で、酒が飲めない者達にも祝勝の彩りの花を咲かせる。
 ただ……彼等は一杯二杯と浴びるように酒を飲んでいく。
 そんな彼等に向けて、涼花は。
「折角ですし……一つ、私の得意なものを披露して差し上げますね? 宴会の場には、余興も必要でしょうし」
 と涼花は前へ進み出て、透き通るような声で歌を歌い、ギターを奏でる。
 その演奏に耳を傾けながら、咲耶は警備兵と肩を組みながら。
「いやぁ、勝利の一杯は格別でござるなぁ! さぁ、まだまだ飲めるでござるか? 戦友!」
『戦友って……いやぁ、嬉しいけどよぉ。さっきの戦いなんて、頼ってばっかだったしよぉ』
「いやいや、共に戦ったのならもうそれは戦友でござるよ!」
 そんな言葉を交わし、酒を酌み交わす。
「本当……あなたたち、酒に強いのね」
『あったりめぇだぁ、竜宮に住むからには、そういった事はなれとかねぇとなぁ!」
 瑠璃の言葉を、はっはっはと笑い飛ばす警備兵達。
 ……歌と演奏と、酒と紅茶……そんな極上の時。
 警備兵達の人となりも良く理解する事に也……彼等と時を忘れ、暫し語り合うイレギュラーズ達なのであった。

成否

成功

MVP

如月=紅牙=咲耶(p3p006128)
夜砕き

状態異常

なし

あとがき

竜宮防衛、真にお疲れ様でした!
皆様の勇姿を見て、きっと警備兵の方々もその気持ちに少しの変化が起きたと思います。
きっと、これから先も……竜宮を護る為の、立派な盾になってくれるでしょう。

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