シナリオ詳細
航空猟兵、海へ
オープニング
●海洋の空を征くもの
海洋の海には、様々なものが出る。
モンスターに狂王種、幽霊船……最近はディープ・テラーズもそれに加わった。
様々なモンスターたちは度々海洋の船を襲い、イレギュラーズも対応してきた。
また、簡単な相手であれば海洋の船乗りたちもそれに対応してきている。
しかし、しかしだ。相手が船の上では対処の難しい敵であればどうであろうか?
「なんだ? アレは……」
その日、航行中の船はソレを見つけた。
遥か空の上を飛行する、巨大な影を。
まるで空を征く大型船のような、しかし確実に船ではないそれを。
「船? 違う。あれはモンスター……? かなりデカいぞ」
こちらに気付かなければいい。そう願うが……しかし、その目は驚愕の色に彩られる。
その巨大な飛行モンスターが、何かを落下させたからだ。
「な、なんだ!? 面舵ィ、急げええええええええ!」
なんとか回避した船の横で、海上に落下したソレが大爆発を起こす。
対地型の攻撃。向こうはこちらを確実に認識している……!
「くそっ、なんとか逃げ切るぞ! あのやべえのを報告するんだ!」
そしてその空飛ぶモンスターの情報は、海洋へと報告され……その情報を掴んだ、とあるイレギュラーズがその依頼を掴み取ることになったのだ。
●航空猟兵、出撃せよ
「というわけで、空を飛べること前提のお仕事です」
チーサ・ナコック(p3n000201)は集まった面々へとそう声をかける。
アルヴァ=ラドスラフ (p3p007360)。
チェレンチィ (p3p008318)。
ブランシュ=エルフレーム=リアルト (p3p010222)。
リコリス・ウォルハント・ローア (p3p009236)。
島風型駆逐艦 一番艦 島風 (p3p010746)。
ルクト・ナード (p3p007354)。
冬兎 スク (p3p010042)。
綾辻・愛奈 (p3p010320)。
いずれも一騎当千の勇士たちだ。そんなメンバーを代表するようにアルヴァが「空を飛ぶ敵と聞いたが」と声をあげる。
「そうです。相手は報告内容から推察するにクジラ型と推測されるです」
仮名称としてフライングホエールと名付けられたそのモンスターは空高く飛翔し、それでいて対地攻撃に優れたモンスターであることが分かっている。
そして海に居ることも含めれば、地上からどうにかすることは不可能と言えるだろう。
ならば、空を飛んで攻撃するしかない。ないが……。
「対地攻撃しかないと考えるのは早計だな。当然、空を飛ぶ敵に対する備えもあるはずだ」
「ええ、それを前提にやってほしいのです」
まさかフライングホエールと出会うまで休みなしに飛ぶわけにもいかない。
出現が確認された現場付近まで、船員付きで船を出してくれる準備は整っている。
現場海域についたら空へと飛び立ち、目標であるフライングホエールを撃破してほしい……つまりはそういう仕事なのだ。
「まあ任せとけって、空なら俺の領分だ」
アルヴァはそう宣言すると、仲間たちとどうするか話し合いを始めるのだった。
- 航空猟兵、海へ完了
- GM名天野ハザマ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年09月08日 22時35分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費---RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●遥かなる空に見えるもの
海洋の海を、一隻の船が進む。
足場としては最適な大型船だが……今回は、それ以上の役目はない。
何故か。その理由は単純で、この先の空域にいるモンスターが対地攻撃に非常に優れたモンスターだからである。
故に、此処に集まったのは空戦を得意とする航空猟兵の面々なのだ。
「海! 前に依頼で来たことありますけど、航空猟兵の皆と一緒に来れるのが嬉しいですよ! それにしても、鯨って飛ぶのですよ? 知らなかったですよ。まあなんにせよお空の迎撃はお任せですよ!」
「空を行く鯨……私の故郷であれば完全に御伽噺のそれですが。これすら存在するのは本当にもう驚くほかないですね……とはいえ、空を我が物顔で征されるのは承服出来かねます。海運を護る為にも、頑張りましょう」
『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)のそんな声が響く。『つまさきに光芒』綾辻・愛奈(p3p010320)もまたブランシュに応えるように呟くが……そう、今回の敵は空飛ぶクジラ「フライングホエール」とその護衛である「フライングマンタ」たちだ。
「|当方《わたしは》 |準備了《準備できている》」
『島風の伝令』島風型駆逐艦 一番艦 島風(p3p010746)もそうアピールするが、それも当然のことだろう。
島風たちの視線の先……まだ小さいが、そこには今回の標的であるフライングホエールたちの姿があるのだから。
確かに飛んでいる。それを確認しながら、『天空のエース』ルクト・ナード(p3p007354)も声をあげる。
「……ほう……対地攻撃に適した魚、か。海洋生物の1種だろうに、空を抑えるとは……興味深い。とはいえ、依頼は依頼だ。全部墜とすとしよう……ところで、アレらは撃墜したら喰っても問題ないな?」
「( ‘ᾥ’ )わはーい! クジラとマンタ! ボククジラもマンタもだいすき! 全力で狩っちゃうぞ〜!」
どうやら『お師匠が良い』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)も食べる気満々のようだが……まあ、魚なので食べても問題ないとは言えるだろう。まあ、万が一美味しくなくてもイレギュラーズであればお腹は壊すまい。たぶん。
「空飛ぶクジラに空飛ぶマンタですか……混沌には本当に色々な生き物が居ますよねぇ。で、それらが船を攻撃してきて困っている、と。そういうことならばボクらの出番でしょう。受けた仕事は頑張らせて頂きますよ」
「皆さんの戦い方を学びながらボクも全力で戦いたいと思います!」
『夜を斬る』チェレンチィ(p3p008318)に『跳び兎バニー』冬兎 スク(p3p010042)もそう言ってグッと拳を握る。
「航空猟兵としちゃ、行かない道理はないよな。このままじゃ漁の類も難しいだろうし、俺らは俺らの狩りをしよう。へへ、実は鯨もマンタもまだ食ったことがないから楽しみだ」
『航空猟兵』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)もそう言うが……いよいよフライングホエールの射程ギリギリまで近づいてきている。
「狩りを始めようか。っと、大事な食材をダメにすんなよ?」
そんなアルヴァの掛け声とともに、航空猟兵の面々が空へ舞い上がる。
此処から先は、戦いだ。フライングマンタたちが戦闘態勢に入るのを、アルヴァたちはしっかりと見ていた。
波は静かで、天気は快晴。風は北北西へ向けた微風。
即ち、飛行には一切の支障なし。飛び立つ航空猟兵を遮るものは、何一つとしてない。
●戦え、航空猟兵
その姿は、まさに母艦と搭載機といった様相だった。
巨大なフライングホエールを護衛するように飛ぶフライングマンタ
まず最初に放たれたのは、フライングホエールの対空レーザーだった。
まさに体の表面から放っているとしか表現しようのないそれはチェレンチィに命中し、決して軽くはないダメージを与える。
「なるほど、これは強いですね……!」
「私も作戦通りこいつの対応に回ろう」
「ええ、二人がかりで通せんぼですよ……!」
チェレンチィをフォローできる位置にルクトがつくが、それは「マンタの方を相手取るには、私はあまり得意では無いな。纏めて攻撃するよりは、単体を攻撃するための武装が多いのが私だ」というルクトの自己申告も含めたてられた作戦の一環だ。
「まずはマンタを引き剥がす……!」
エルメリアの妄執を使用したアルヴァの名乗り口上が響けばブランシュのアヴァランチ・ダウンが発動し、( ‘ᾥ’ )顔で空飛ぶ( ‘ᾥ’ )に乗ったリコリスがフライングホエールへとアンガーコールを放つ。
「アルヴァ君にはヒレ一本触れさせないんだから!」
叫ぶリコリスだが、なんか顔が煽っている。通じるかは分からないが煽っている。
「( ‘ᾥ’ )イエーーーイ! クジラ君、みてる〜〜〜??? ( ‘ᾥ’ )今からとびきりの航空ショーを見せちゃうよ〜〜〜!! ( ‘ᾥ’ )ボクの華麗なアクロバット飛行について来れるものならついて来なよ! ((( ‘ᾥ’ )))早くしないと、竜田揚げにしちゃうよ〜! ( ‘ᾥ’ )三( ‘ᾥ’ )三( ‘ᾥ’ )三( ‘ᾥ’ )シュンシュンシュンシュン!! ( ‘ᾥ’ )竜田揚げたべたい」
なんかもう( ‘ᾥ’ )である。かくしてフライングホエールの巨体が動き出し、リコリスへと向かい……フライングホエールたちがアルヴァへと向かっていく。
「侮ってる訳じゃないけど、俺の隊員の方が数百倍は強い」
そうアルヴァは宣言しながらフライングマンタの光弾を回避していく。
そして、この状況こそがアルヴァが……そして航空猟兵の面々が狙っていたものであった。
「今です! アタッカー総出で攻撃を!」
チェレンチィの声が響き、島風が第一戦術[制圧魚雷]を発動させる。
「第一戦術 制圧魚雷 rd」
青色の軌跡を描き背中のスラスターユニットとブースター付き高下駄を吹かして飛ぶ島風の放つ魚雷がバラまかれ、フライングマンタに命中していく。
「目標、マンタの殲滅! 遠慮なく全開でぶっ飛ばすですよ!」
ブランシュのジャミル・タクティールが発動しフライングマンタへ命中すれば、その間にもルクトがフライングホエールへの距離を詰めていく。
「相手の対空兵装がどれ程の物かは知らないが、掻い潜る方法は………そうだな、高めの機動力と「SAG」「神鳴神威」などの移動攻撃を利用して急接近するのが最も効率がいい。少々回避面においては不安が出るが、下手に離れてもマンタなどならの攻撃が来かねないからな」
言いながらもルクトは飛行しフライングホエールへと迫っていた。
「このまま殴り続ける……あぁ、この槍で燃やすのも悪くないかもな。何、この巨体だ。多少燃やすくらいでは味は変わらんだろう?」
深き水底のファム・ファタール。槍へとその姿を変えた指輪を構え、ルクトはフライングホエールの巨体へと一撃を加える。
フライングホエールの巨体はその一撃では沈まないが……続けてスクのスーパーノヴァがフライングホエールに炸裂する。
「一撃必殺、とはいきませんか……!」
反撃のように放たれたフライングホエールの対空レーザーがスクを貫き、そこに愛奈のミリアドハーモニクスが発動する。
「ありがとうございます!」
愛奈の的確なフォローに感謝しながらもスクは、今この時を見逃すまいとしていた。
(同じ飛行中での戦い、特に大人数での空中戦なんて滅多に経験できませんからね! 貴重な勉強の機会は見逃せません。少しでも自身の糧にして皆さんに追いつけるように頑張ります!)
たとえば直接的な攻撃に参加してはいないがヒーラーとして立ち回る愛奈の動きもスクからしてみれば教材の宝庫だ。
愛奈は空は動きが鈍るからと、立ち位置にはとみに気を配り突出しない、射線には立たない、を徹底している。
「癒し手が先んじて落ちるわけには参りませんからね。かと言って引きすぎてもよろしくないのが辛いところ……防具の加護を出来るだけ多くの味方に乗せられる位置が取れそうなら、そこに駆け込みましょう」とは本人の談だが、自分のあらゆる行動をサポートと出来るように立ち回っているのだ。
アタッカーの面々でいえばチェレンチィもまたお手本のような戦い方をしている。
フライングホエールが対空レーザーを放つ予兆などあるかどうか確認して、更にギリギリまで引き付けて躱し、放った後の隙をついて肉薄、強襲しているのだ。
しかし今回注目すべきはフライングマンタたちの攻撃を引き付け、ブランシュの広範囲攻撃から高速離脱を繰り返しているアルヴァでもあるだろう。
「よし、この調子だ……!」
何度かのブランシュの攻撃でフライングホエールが全滅したのを確認すると、アルヴァはフライングホエールの進行方向を塞ぐように移動していく。
「あと少しだ、一気に行くぞ!」
アルヴァの掛け声に全員が声をあげ……そして、ついにフライングホエールの巨体が海へと向けて墜落していく。
轟音と波しぶきをたてて海に浮かぶフライングホエールの巨体だが……それを食欲に満ちた目で見る航空猟兵の面々。
アルヴァ曰く「依頼の自覚あるの0人説」だが、検証の必要性はあるだろうか?
「終わったし正直食ってみたいな、これらは」
食ってみたい、と。そう最初に言い出したのはルクトだ。
「私はあまり燃費が良くないのでな、食える時にしっかり食べるようにしているのだが如何せん、こんな生物は食べたことがない……調理に詳しい者は居るだろうか……」
「( ‘ᾥ’ )竜田揚げたべたい」
リコリスも同意……いや違う、メニューのリクエストだ……ちなみにクジラの竜田揚げは美味しいらしい。
「鯨は燻製にして、鱝は鍋にするなんてどうだ?」
アルヴァもそう提案するが、なるほど。そういった食べ方もアリだろう。
どの道1つの調理法で全部食べ切れるとは思えない。
海に浮いているフライングマンタやフライングホエールを集め、陸まで運搬する必要もある。
「正直鯨の料理法なんて知らないんだけど、チーサとかなら知ってたりしないかな?」
ま、呼べるなら呼んで、皆でバカンスにしよう……とアルヴァは言うが、まあ呼べばチーサも来てくれるだろう。
しかし何より先に、流石にこの巨体をそのまま運ぶのはあまりにも難しい。
「じゃあ、この鯨、解体するですよ」
だからこそブランシュはモンスター知識と事前に調べた安全に食べる方法を活用して、強化腕部パーツを使用しフライングホエールやフライングマンタの身を剥いでいく。
あの巨体だからこそ運ぶのが難しいのであって、解体して小さい肉にしてしまえば此処まで乗ってきた船に積むことだって出来る。そうすれば、陸で様々な料理に加工するのはもう約束されたようなものだ。
「鯨肉って練達では食べられてるらしいですよ? フライングホエールも親戚みたいなもんだし食べれますですよ」
癖の強いものではあるらしいが、根強い人気もある。ある意味で練達にはよく合う伝統的な食材でもあるだろう。
「焼く場合はTypeSinブースターで直火焼きでいいと思うですよ。多分皆じゃ食べきれないと思うし、依頼してきた海洋の皆さんにもおすそ分けするですよ。マンタは……食えないかな。一応モンスター知識で食べられそうか見ておくですよ。でもマンタって流石に食べる所無さそうな気がするですよ。ていうか食べたらいけない気もするですよ」
ちなみにマンタも種類によっては食べられるらしい。やはり癖の強い食材ではあるのだが。
「船のほう、積載OKだそうです!」
と、そこに船のほうに肉の積載許可を取りに行っていた愛奈と島風が戻ってくる。
「それと調理ですが……お刺身もいいと思います。意外と美味しいんですよ? クジラの刺身」
「美味」
勿論新鮮なものに限るが、ここで今狩ったものほど新鮮なものもあるまい。
「色々調理法が出てくるものですね……」
チェレンチィが感心したように声をあげるが、実際かなりの料理名が今並んでいる。
燻製。鍋。竜田( ‘ᾥ’ )揚げ。直火焼き。刺身。
全部作っても、なお余るだろう。それこそブランシュの言うようにおすそ分けして、それでも余るかもしれない。
「こうして全てがボクたちの糧になっていくんですね……!」
全てを無駄にしない航空猟兵のやり方にスクが感動したように頷くが、全員がサッと視線を逸らす。
あまりにも眩しくてちょっと直視できなかったのかもしれない。
「よし、それじゃあ全員で手分けして船に積んでいくぞ!」
アルヴァが号令を出し、航空猟兵の面々が最後のひと働きと飛び回る。
この後はパーティであり……そこまで含めてお仕事。つまりは、そういうことなのだ。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
リクエストありがとうございました!
GMコメント
リクエスト有難うございます。
今回も空戦シナリオです。
【特殊ルール】
今回は何らかの飛行手段により空中戦闘を行う場合に僅かながらプラス補正がかかり、それ以外の戦闘に僅かながらマイナス補正がかかります。
海洋から借りた船で現場海域付近へと向かい、フライングホエールを倒しましょう。
無事に倒す事ができたら依頼成功です。
●フライングホエール×1
巨大な空飛ぶクジラ。対地攻撃に優れており、地、海にいる敵に大幅なプラス補正がかかります。
下へ向けて爆弾のようなものを落とす「対地爆撃」、空を飛ぶ相手に身体から放つ「対空レーザー」を使用します。
●フライングマンタ×7
空飛ぶマンタ。対地攻撃に優れており、地、海にいる敵に大幅なプラス補正がかかります。
下へ向けて放つ対地殲滅レーザーと、空を飛ぶ相手に放つ光弾を使用します。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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