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シナリオ詳細

<深海メーディウム>海で遊んでフリーパレットを送ろう

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

 ダガヌ海域。
 フェデリア島近辺に存在する、三つの島を頂点として三角形を描いた海域だ。
 非常に広い海域で、内部には大小の無人島と大海原が存在し、開拓は未だ道半ばだ。
 しかしそんな海域も、大きく変わり始めている。
 以前は軍事拠点であったフェデリア島は、ローレットたちの活躍によって冠位魔種が倒され、荒ぶるリヴァイアサンも鎮められている。
 それにより海洋と豊穣、そして進軍に協力したことで利益に噛むことのできた鉄帝による三角貿易が発生。
 結果として莫大な富を生み、その中継地点となったフェデリア島は世界最大級のリゾート島となっていた。
 今年で開拓二周年を迎え、豪華客船クイーンエリザベス号による高級なクルーズツアーも開催されるなど、賑わいが大きくなろうとしている。
 しかしそれに水を差すように、第一のルートであるダガヌ海域に深海魔が出現。
 それを追い払うため、深海の都に伝わる神器『玉匣(たまくしげ)』をもって対処しようとしたのだが、玉匣は破壊されてしまう。
 破壊された玉匣だが、その力はコイン状の竜宮幣(ドラグチップ)となって周辺の海底や一部の島へと散っている状況だ。
 当然、集める必要があるのだが、そう簡単にはいかない理由があった。
 散らばった竜宮幣(ドラグチップ)だが、それが死んだ個人、あるいは団体の想いや未練が集まった思念体と結びつき、フリーパレットと呼ばれる幽霊のようなものが発生してしまったのだ。
 フリーパレットの未練を解消することで、思念体から竜宮幣は解放され手に入れることが出来るのだが、未練の種類は様々で、それぞれに合った方法を取る必要がある。
 ダガヌ海域の、とある島に集まったフリーパレット達も、そうしたモノのひとつだった。

「波乗りしたい」
 島の浜辺に屯しているフリーパレットが、海原を見詰めながら呟いている。
 他にもフリーパレットは何体も居り、それぞれ砂浜をウロウロしながら呟いていた。
「泳ぎたい。でもカナヅチ。どうしよう」
「ピーチバレーしたい。でも人たらない」
「ビーチフラッグしたい。旗、欲しい」
 フリーパレットは思念の集まりでしかないので、明確な記憶や人格を持っていない。
 どこか漠然とした『願い』を持っているだけなので、彷徨うようにうろついている。
 それを見ながら、島の長は言った。
「本当に、アレをどうにかしてくれるんですか?」
 これに、島のリゾート地化を提案したリリスとヴァンは応えた。
「ローレットに依頼して対処して貰います。もちろん、依頼料はこちらで持ちます」
「こういうことの対処には慣れた人達ですから、心配しなくても大丈夫ですよ」
 安心させるように、しっかりとした口調で応える2人に、島長は頼みごとを続ける。
「助けて貰えるなら、他にもお願いしたいことがあるんです……実は、あの幽霊みたいなのもどうにかして欲しいんですが、それ以上に危険な物がうろついてるようなんです」
「危険というと、海賊とか?」
 ヴァンの問い掛けに島長は返す。
「いえ、人間以外の何かでして。早朝、日が昇ってすぐに、首から上が魚の姿をした怪物が海から上がって来て、砂浜を徘徊してるんです」
「それって、深海魔ってヤツかしら?」
「多分、それでしょうね」
 リリスの言葉にヴァンが応える。
「首から上が魚というと、フォアレスターってヤツでしょう。そんなに強くは無いらしいですが、大抵は他の強い個体と一緒にいるらしいです。そういう強そうなヤツ、他には見ませんでしたか?」
「いるみたいです。私は直接見たことないんですが、遠くから見た若い衆が言うには、頭が魚の怪物どもが砂浜を徘徊している間に、沖の方で大きな鮫の頭と、蛸みたいな足が海面から出てたと言ってるんです」
「鮫で蛸の足というと……ヘールポップってヤツでしょう。結構、強いらしいですが」
 ヴァン達は詳しい話を聞き、纏める。
 それは次のような状況だった。

 早朝、日が昇ってからすぐに、フォアレスター達が海から上がって来る。
 そいつらが上がって来るのにフリーパレット達は気付くと、逃げて隠れる。
 フォアレスター達は砂浜を徘徊したあと、島の奥も徘徊する。
 それを沖合で、ヘールポップが見ているようなそぶりをしている。
 しばらくすると、フォアレスター達は海に戻っていく。
 段々と、島の奥を徘徊する時間が長くなり、居住区に近付いて来ている、とのことだった。

「本格的に襲う前に下調べしてるみたいですね」
「でしょうね」
「どうにかしてください!」
 必死に島長が頼む。
「若い衆に危険なことさせて死人でも出たら、人手も足らなくなって島は終わってしまいます」
「大丈夫です、安心してください」
 リリスは安堵させるような笑顔を浮かべて言った。
「こちらとしても、この島をマリンスポーツをメインとしたリゾート地にするために、島の方達の助けは重要ですから。ローレットに依頼して、憂いはすべて取り除いて貰います」
「うぅ、お願いします」
 頼み込む島長だった。

 というわけで、ローレットに依頼が出されました。
 内容は、深海魔の討伐と、フリーパレット達の願いを叶えること。
 依頼内容を聞き、引き受けたイレギュラーズ達は、早速島に向かうことにするのでした。

GMコメント

おはようございます。もしくはこんばんは。春夏秋冬と申します。
今回は、竜宮幣を手に入れられる<深海メーディウム>シナリオ群のひとつになっています。

以下、今回の詳細です。

●成功条件

深海魔の討伐と、フリーパレット達の願いの成就。

●戦場

砂浜で戦うことになります。
砂浜なので、少しだけ足場を取られますが、戦闘に支障があるほどではありません。
戦闘の際に、邪魔になる障害物などはありません。

砂浜から少し離れた場所は小高い丘になっており、そこから砂浜の状況を確認できます。
深海魔が砂浜に上陸したのを確認後、襲撃することができます。

深海魔が現れる前にはフリーパレット達が居ますが、戦闘時には逃げ出しているので邪魔にはなりません。

●敵

フォアレスター×10

半魚人型深海魔です。
首から上に魚がまるごと乗っているような造形をしており、人間と同じく武器をもって戦います。

海から砂浜に上陸してきます。

いわゆる雑魚要員です。
剣や槍で攻撃してきます。
戦闘力は低めですが、今回の個体はHPが高めです。

ヘールポップが砂浜に上陸後は、援護するような動きを取り連携してきます。

ヘールポップ

上半身がサメで下半身がタコの深海魔です。
牙による強力な近接攻撃のみならず、墨を固めて作ったナイフを次々に飛ばす範囲攻撃魔法や墨による攪乱を行う器用な魔物です。
ナイフには【出血】、墨煙幕には【暗闇】【凍結】の効果があります。

フォアレスターとの戦闘開始後、3R後に砂浜に上陸して来て、戦闘に加わります。

フォアレスター達と連携します。

●特殊ルール『竜宮の波紋・改』

この海域では乙姫メーア・ディーネ―の力をうけ、PCは戦闘力を向上させることができます。
竜宮城の聖防具に近い水着姿にのみ適用していましたが、竜宮幣が一定数集まったことでどんな服装でも加護を得ることができるようになりました。

●特殊ドロップ『竜宮幣』

当シナリオでは参加者全員にアイテム『竜宮幣』がドロップします。
このアイテムは使用することで『海洋・鉄帝・ラサ・豊穣』のうちいずれかに投票でき、その後も手元にアイテムが残ります。
投票結果が集計された後は当シリーズ内で使える携行品アイテムとの引換券となります。
※期限内に投票されなかった場合でも同じくアイテム引換券となります

●名声に関する備考

<深海メーディウム>では成功時に獲得できる名声が『海洋』と『豊穣』の二つに分割されて取得されます。

●NPC

リリス&ヴァン&島長

深海魔の討伐とフリーパレット達の願いの成就を依頼しました。

何か必要な物があれば用意してくれます。

島をマリンスポーツをメインにしたリゾート地にする計画を立ています。

フリーパレット

カラフルな見た目をした、海に漂う思念の集合体です。
シレンツィオを中心にいくつも出現しており、総称してフリーパレットと呼ばれています。
調査したところ霊魂の一種であるらしく、竜宮幣に対して磁石の砂鉄の如く思念がくっついて実体化しているようです。
幽霊だとされいますが故人が持っているような記憶や人格は有していません。
口調や一人称も個体によってバラバラで、それぞれの個体は『願い事』をもっています。
この願い事を叶えてやることで思念が成仏し、竜宮幣をドロップします。

今回のフリーパレット達は、波乗りやピーチバレー、ビーチフラッグや海水浴など、マリンスポーツをみんなで楽しみたいという未練を持っています。

フリーパレットの願いをかなえるために必要な物、サーフボードや浮き輪やビーチバレーの玉などは、リリス&ヴァン&島長が用意してくれます。

好きなマリンスポーツを一緒に楽しんであげて下さい。

●流れ

今回の流れは、

1 現地に到着。
2 深海魔の討伐。
3 フリーパレット達の願いの成就。マリンスポーツを一緒に楽しむ。

という流れになります。

●情報精度

このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。

説明は以上になります。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリプレイに頑張ります。

  • <深海メーディウム>海で遊んでフリーパレットを送ろう完了
  • GM名春夏秋冬
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年08月22日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
リリー・シャルラハ(p3p000955)
自在の名手
Meer=See=Februar(p3p007819)
おはようの祝福
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
型破 命(p3p009483)
金剛不壊の華
柊木 涼花(p3p010038)
絆音、戦場揺らす
冬兎 スク(p3p010042)
跳び兎バニー

リプレイ

 深海魔が現れる前。
 フリーパレット達をイレギュラーズ達は避難させていた。

「遊ぶ? 遊ぶ?」
 期待感を滲ませるフリーパレットに、『おはようの祝福』Meer=See=Februar(p3p007819)は笑顔で応える。
「うん、遊ぶよ。でも今は危ないから後で遊ぼう」
「本当?」
「約束する。安全になったら歌で知らせるね」
 これにフリーパレット達は、こくこくと頷き避難してくれる。
 避難誘導をしながら、『金剛不壊の華』型破 命(p3p009483)は思う。
(未練があるから残っちまってるんだよな……たとえ本人じゃなくても、未練を晴らせるんだったら協力してやりてえな)
 避難誘導されている間も、フリーパレット達は人懐っこく話し掛けて来る。
「一緒に遊ぼう」
 これに『奏でる言の葉』柊木 涼花(p3p010038)は笑顔で応える。
「ふむふむ、海でみんなで遊びたい、と……絶対楽しいやつですよね!」
 涼花の言葉に、嬉しそうに頷くフリーパレット。
 今すぐにでも一緒に遊んであげたくなるが、まずは深海魔を全滅させる必要がある。
(安全に海水浴を楽しむためにも、深怪魔をどうにかしないと!)
 気合を入れる涼花。
 それは皆が同じ気持ちだ。
「あとでたくさん遊べるから、準備運動して待っててね」
 避難させながら、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が声を掛けると、フリーパレット達は嬉しそうに小さく跳びはねる。
「遊ぶ、遊ぶ」
「嬉しい」
「少しだけ待ってて。すぐに終わらせるから」
 イズマの言葉に喜びながら素直に従うフリーパレット達。

 避難を終わらせ深海魔を待つ。
 しばらくすると半魚人型深海魔、フォアレスター達が海から上がって来た。

(深海魔というのにまさか水上まで出てくるとは……中々骨が折れそうですね……)
 敵の動きを把握しているのは、『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)。
(あれは先遣隊といった所でしょうか……フリーパレットの願いを昇華させてあげるためにも、全力で当たらせていただきましょう!)
 意欲を漲らせる中、フォアレスターは砂浜に上がりきる。
 それを海から見張るように見ているのは鮫の頭。
 フォアレスターのボスであるヘールポップの出現も確認し、皆は一斉に動いた。
(まずは、フォアレスター共を、殲滅しよう)
 機先を制するように、『宝玉眼の決意』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)は鉄の星を放つ。
 降り注ぐ鉄の星に、肉を穿たれるフォアレスター。
 その威力は常よりも上がっていた。
(竜宮の加護の影響か? これなら力押しでいけそうだが、油断せず戦力の分断を進めるとしよう)
 フォアレスターが意思疎通する余裕を奪うように、立て続けに鉄の星を叩き込む。
 混乱し散り散りになるフォアレスター。
 しかしそこにヘールポップの雄叫びが響く。
 途端、バラバラだった動きに統率が生まれる。
 それを見て、『自在の名手』リリー・シャルラハ(p3p000955)は警戒した。
(連携してくるタイプかぁ、リリーの苦手なところだけど……やるしかないよねっ!)
 警戒はするが怯むことは無く、フォアレスターの抑えに動く。
 狙いをつけ、呪いを纏った魔法の弾丸を放つ。
 魔弾に撃ち抜かれ、呪いに侵され動きが鈍るフォアレスター。
 動きが鈍った所に、『ゆめうさぎ』冬兎 スク(p3p010042)が追撃を放つ。
(本命が砂浜に上がって来るまで、皆さんの邪魔にならないようにしないと)
 戦闘の初期段階では支援攻撃に徹することにしたスクは、二刀の刀――雪兎と白鳥を駆使してヒット&アウェイで戦っていく。
 速さを第一に深くは踏み込まず、仲間が攻撃し易いよう援護を続けた。

 連携するイレギュラーズ達は、竜宮の加護もありフォアレスターを圧倒する。
 危なげなく戦力を削り、数体のフォアレスターを倒した頃、ヘールポップが上陸。
 戦闘の最中だったが、超聴力で音を聞き警戒していたイズマが、いち早く察知し動く。

「来たぞ、ヘールポップだ! 俺が抑えに回る!」
 踏み込みの勢いで砂柱が上がる。
 それほどの突進で肉薄するイズマを、ヘールポップは迎撃できない。
 反射的に触腕を放とうとするが間に合わず胴体を深く切り裂かれる。
「ガアアアッ!!」
 怒りの咆哮を上げ、ヘールポップは墨を固めて作ったナイフを次々飛ばすが、イズマを捕えきれない。
 イズマは、フォアレスターから引き離すように、ヘールポップを誘導していった。
 その動きに気付いたフォアレスターは、ヘールポップを援護するように動こうとするが、命が防ぐ。
「こっちは任せろ!」
 フォアレスターの群れに立ちはだかり雷撃を放つ。
 蛇のようにうねる雷撃はフォアレスターを撃ち据え、動きを止めた。
「そっちのサメだかタコだかわからんやつは頼んだぜ、イズマ」
「任せて!」
 イズマの応えを背に受けながら、命はフォアレスターへの攻撃を重ねる。
 感電し動きが止まった敵に突進。
 鋭い斬撃で屠っていく。
 命の猛攻を越えるのは無理と判断したフォアレスターの一部は、迂回してヘールポップに近付こうとするが、Meerが止める。
「行かせないよ、どっかーん!」
 魔力を放出し、熱砂の嵐を巻き起こす。
 嵐で表皮を切り裂かれ、動きを止められるフォアレスター。
 それでも前に進もうとしたが、Meerは追撃。
 地面に魔力を流し、硬化させた砂の壁で四方から押し潰す。
 これにより1体フォアレスターは倒される。
 しかし残ったフォアレスターがヘールポップの援護に回ろうとするが、シフォリィが仕留める。
(ヘールポップはイズマさんが何とかしてくれるので、私達はフォアレスターにあたりましょう)
 フォアレスターを引き付けるため、戦いの鼓動を限界まで高める。
 それにより生まれた威圧感を、フォアレスター達は無視できない。
 一斉に襲い掛かって来るが、そこに闘気で作り出した無数の棘を放つ。
 穿たれ刺されるフォアレスター。
(確実に、1体ずつ倒していきましょう)
 個別撃破で、着実に仕留めていった。
 イレギュラーズの連携で、敵は分断される。
 フォアレスターの1体を海の藻屑へと変えたエクスマリアは、ヘールポップを抑えるイズマの援護に動いた。
「加勢する」
「助かるよ!」
 単独で戦い傷付いていたイズマを、エクスマリアは大天使の祝福で癒すと、魔力弾をヘールポップに叩き込む。
(今のこれは、連携相手を失い陸に打ち上げられた魚のようなもの、だ。手早く料理し、フリーパレットと過ごす時間を、確保しなければ、な)
 手早く倒すため、容赦なく攻撃を重ねていった。
 イレギュラーズの猛攻が続く。
 戦いは優勢ではあったが、敵も死に物狂いで反撃し、傷や呪いを受ける者も出る。
 それを涼花は、妙なる調べを響かせ癒していった。
(皆さんが全力で戦えるよう、力を振り絞らないと)
 歌と共に、癒しの力が皆に広がっていく。
 失われた体力が戻り、呪いは祓われる。
「皆さんの傷は全力で癒します! 精一杯支援しますので、頑張りましょう……!」
 涼花の支援を受け、確実に深海魔達を追い詰めていく。
 不利を悟ったヘールポップは海に逃げようとしたが、気付いたイズマが剣閃と共に魔力を放ち触手を斬り飛ばす。
 斬り飛ばされた箇所は凍り付き動きが鈍った。
「逃がすな、確実に仕留めるぞ!」
 イズマの呼び掛けに応えるように、スクが突進。
「逃がしません!」
 超速の勢いを込めた斬撃で、さらに触手を切り落とす。
 それでもヘールポップは海に向かおうとしたが、リリーの呪弾が遮る。
「逃がさないよ!」
 魔弾にありったけの魔力を込め撃ち抜き、体内から呪いを弾けさせた。

 そこから一斉に攻撃を重ね、全ての深海魔を討ち倒した。
 倒した後、島民や依頼人達と協力し後片付けを終わらせ、フリーパレット達とマリンスポーツを楽しむことにした。

●遊ぼう!
 陽気な歌で、フーパレット達を呼び戻す。
「ぷかぷか波の散歩♪ さらさら砂のお城♪」
 Meerの歌声に誘われ、集まってくるフリーパレット達。
「浮き輪もボールも空気と夢で膨らんだ♪」
 楽しい歌に、浮かれた足取りで集まってくる。
「ほら海日和♪ 遊びたい子は寄っといで♪」
 Meerの歌に合わせ、イズマや涼花も音楽を奏で、楽しい気分が広がった。
 陽気にゆらゆら揺れるフリーパレット達は、陽光に色鮮やかに照らされている。
 それを見ているとつい――
「かき氷のような姿、だな」
 思わずエクスマリアが呟くと、依頼人のリリスが言った。
「かき氷、あとで作るわ。欲しい味があったら言ってちょうだい」
 これにイレギュラーズとフリーパレットはリクエスト。
 遊んだあとの楽しみも準備してマリンスポーツを楽しむ。

「何して遊ぼうか? 何が良いかなぁ?」
 リリーの呼び掛けに、旗を手にしたフリーパレットが弾んだ声で言った。
「ピーチフラッグしたい。競争する」
「うん、しよう!」
 これにMeerも手を上げる。
「一緒にしようー」
 すると、わらわらとフリーパレット達が集まってくる。
「一緒にする?」
 Meerの呼び掛けに、こくこくと頷きながら、続けて願う。
「他にも、他にも」
「波乗りしたいー」
「泳ぐー」
 はしゃぐように願うフリーバレットに、もちろん皆は応えてあげた。
「よし、じゃあ順番にやろうか!」
 イズマも張り切って、皆と一緒に遊ぶ。

 まずはピーチフラッグ。

 砂浜に寝そべって、号令と共にダッシュ。
「うんしょ、うんしょ」
 ぴょんぴょん跳びはねるフリーパレットに――
「凄い瞬発力だな!」
 応援するイズマ。
 一緒に走るスクやリリーは――
「負けないよ!」
「負けないからね!」
 勝負を盛り上げるように、フリーパレットと抜きつ抜かれつの際どい勝負。そして――
「やったやった嬉しい!」
 旗を取ったフリーパレットが、ぴょんぴょん跳ねる。
「もっともっとしよう」
 リクエストに応え、今度はイズマとMeerが交代し、スクやリリーが応援する。
「がんばれー」
「みんな負けるなー」
 応援を受け――
「がんばる!」
 一生懸命走るフリーパレット。
「その旗、もらった!」
「僕が貰うよ!」
 イズマとMeerは、フリーパレットの動きに合わせ真剣勝負。ギリギリで――
「とれたとれた! やったー!」
 フリーパレットが旗を取り大喜び。
 喜ぶフリーパレット達に皆は顔をほころばせる。

 そして次はピーチバレー。

「ピーチバレーなので、4対4で勝負ですね」
 一際気合を入れて参加するシフォリィ。
 しっかり水着に着替え、遊ぶ気満々だ。
「折角なので、フリーパレットさん達と私達で、混ざって勝負しましょう」
 これにリリーやMeer、イズマも参加し二組に分かれる。
「いくね」
 フリーパレットがサーブ。
「ナイスサーブ!」
 積極的に声掛けをしてあげるイズマ。
 飛んで来たボールをシフォリィが受け、リリーに繋げる。
「パスをお願いします」
「うん」
 リリーはフリーパレットにパスを渡す。
「いくよー」
 リリーが繋いでくれたボールを、フリーパレットがアタック。
「負けないよ!」
 Meerが受け、自分のチームのフリーパレットにパスをしてあげた。
 楽しくラリーが続き、段々と白熱する。
「アターック!」
 シフォリィが鋭く打ち込み――
「取るよ、任せて!」
 イズマが受け、フリーパレットに繋ぐ。
 好い汗を流すぐらい熱中した。
「楽しかったー」
 ハイタッチをしながら喜ぶフリーパレット達。
 
 そして砂浜から、海へと遊びの場は移る。

「はーい、泳ぎたい子はしゅうごー!」
 Meerの呼び掛けにフリーパレット達は集まるが、中には不安そうな者も。
「カナヅチ、泳げない。でも泳いでみたい」
 これにイズマが安心させるように言った。
「大丈夫、浮き輪があるからね」
 リリス達に用意して貰った浮き輪を渡す。
「わぁ」
 宝物を受け取る様に、空に掲げるフリーパレット。
 ウキウキで海に入るフリーパレットを、Meerやイズマが助けてあげる。
「怖がらない、怖がらない! 体から力が抜ければ自然と浮かぶんだよ」
 Meerは海種だけあって泳ぎはお手の物。
「僕の手を信じて、ゆっくり深呼吸してみて」
 フリーパレットは海に顔を着け、ぱしゃぱしゃと泳いでみせた。
 流されないようMeerが手を繋いであげているので安心して泳いでいる。
 少しして、ぷはぁ、と顔を上げると――
「泳げた、泳げた! 嬉しい、ありがとう!」
 喜ぶフリーパレットに、Meerは笑顔で応えてあげた。
 イズマも同じように泳ぎを教えてあげる。
「浮き輪もあるし俺が手を引くから大丈夫。力を抜いて」
 水泳が得意なこともあり、イズマも巧く教えてあげる。
 お蔭で楽しくフリーパレットは泳ぐことが出来――
「楽しい!」
 嬉しそうにイズマに言った。

 そこに加わるのは、涼花。
 自前の水着に着替え、フリーパレット達と一緒に泳ぐ。
「浮き輪、お揃いですね」
「うん」
「いっしょ。泳ごう」
 同じ柄の浮き輪を着けて泳ぐ涼花に、フリーパレット達は親近感を抱いたのか、一緒にパシャパシャと泳いでいた。

 泳ぎ初心者フリーパレットもいれば、達者な者もいる。
 そちらは難易度を上げたマリンスポーツを一緒に楽しむ。

(泳げない奴はメーアが教えてくれるみたいだし、己れは泳げる奴と一緒に素潜りでもするか)
 命が素潜りを提案すると、何人かのフリーパレットが一緒に海に入る。
「好きに泳いでくれて良い。だが、あんまり遠くに泳いでいっちゃ駄目だぜ」
「わかったー!」
 フリーパレット達は元気良く応えると、するりと海に入る。
「巧いもんだ」
 それは泳ぎに慣れ親しんだ者の動きだ。
「……未練の主は、泳ぎが巧かったんだろうな」
 しんみりと呟くが、今は一緒に楽しむべきだと思い一緒に潜る。
 海に潜り、音が静かになる。
 視線を向けると、浅瀬の海の底に潜っているフリーパレットの姿が見える。
 何かを取り、一緒に浮上。
 きらめく水面を目指し浮き上がり顔を出すと、海底で拾ったらしい貝を見せてくれる。
「きれい」
「あぁ、綺麗だな」
 喜ぶフリーパレット達に、ポツリと呟く。
「海の中って綺麗だよな。アンタ達はこういうのを見ながら人生送ってたから、最期に遊びたいって思ったのかねぇ」
「?」
 解らない、というように首を傾げるフリーパレット。
 それに命は一抹の寂しさを感じながら、再び一緒に素潜りを楽しんだ。

 海のスポーツと言えば、他にもある。

「サーフボード、こっちも可愛いです」
「お揃いにしよう!」
 スクやリリーが、フリーパレット達と一緒にサーフボードを選ぶ。
 スタイリッシュな物からカラフルな物まで種類は多い。
「これ、使ってみたい」
「使っても、いい?」
 フリーパレット達に尋ねられ、同行するエクスマリアは応える。
「どれを使っても大丈夫、だ」
 用意してくれたリリスの話だと、どれも使い勝手は良いらしい。
 ただ、エクスマリアは気になって尋ねた。
「ところで、フリーパレットは……泳げるのだろう、か」
 もしもの時も考え提案する。
「幸い、マリアは身体が小さい。大きな板を借りれば、二人乗りも出来るかもしれない、な」
 それを聞いたリリスが、救命胴衣を用意してくれる。
「なるほど、これならいける、か」
 そして波乗り開始。
「うわわっ、バランスとるのが大変です!」
「踏ん張れば……わー、波が横から来ますー」
 リリーやスクが賑やかに楽しみ――
「大丈夫、問題ない、な」
 フリーパレットと2人乗りなエクスマリアは静かに楽しんだ。

 そして砂浜に上がれば、涼花が砂遊びを一緒にしてあげる。

「もうちょっとで開通です」
「お城、トンネルできたー」
 フリーパレット達と、ゆったりとした時間を楽しく過ごした。

 皆が集まった所で、イズマが表彰するように言う。
「頑張った皆にメダル進呈をするよ」
 首にかけて貰い、フリーパレット達は大いに喜んだ。

 遊び終えれば、かき氷が用意されている。
 それはリゾート地の名物にするつもりで作られた、ふわふわ氷の、果物をふんだんに材料にしたソースを掛けたもの。
 イレギュラーズ達と一緒にフリーパレット達は食べ――

「美味しかったー」
「楽しかったー」
「ありがとー」

 食べ終わるとフリーパレット達は満足げな声を上げ消えていった。
 あとに残ったのは竜宮幣。
 成仏したフリーパレット達に想いを馳せながら、イレギュラーズ達はそれを受け取った。

 依頼を完了させ、命が依頼人であるリリスとヴァンに正式に報告し終ると、個人的な提案をする。

「リゾート地を開拓するなら休憩できるところもいるよな? 商人ギルドのサヨナキドリって所で、『漣』って喫茶店をこの辺に進出させてるみてぇだから、良ければ検討させてくれ。アジアン・カフェってやつらしい」
 そこにイズマも合わせて提案する。
「スポーツをメインにしたリゾート化なら、休憩所も必要じゃないかな?」
「アジアン・カフェ? 面白そうね」
「休憩所としても、検討してみますか?」
 商人な2人は、しっかり損益などを考え動いてみると返答した。

 こうして深海魔を倒し島を平穏にし、フリーパレットの未練を叶えてあげたイレギュラーズ達であった。

成否

成功

MVP

イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

状態異常

なし

あとがき

皆さま、お疲れ様でした!

皆さまの活躍で、島は未然に深海魔からの襲撃を防ぎ、フリーパレット達の願いを叶える事も出来ました。
フリーパレット達は、皆さんと一緒に遊ぶことが出来て、とても喜んでいたようです。
そして今回の結果で、島のリゾート化は進み始めます。
皆さまのお蔭で、島は発展の一歩を踏み出すことが出来ました。

それでは、最後に重ねまして。
皆さま、お疲れ様でした。ご参加、ありがとうございました!

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