PandoraPartyProject

シナリオ詳細

納涼祭会場に現れたゴブリン退治

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●納涼祭に招かれざる客
 みんなが納涼祭を楽しみにしていた。貴族のパーティーのように豪勢な料理が出るわけじゃない。ダンスパーティーのように優雅な音楽が鳴り響くわけでもない。けれどこの村の人たちはは気軽に参加できてふらっと立ち寄ってふらっと帰ることのできるこの村ならではの納涼祭を楽しみにしていた。気の合う仲間と酒を飲み、狩猟で狩った肉や夏野菜の食事をとり、花火をする。
 そしてかがり火の周囲で有志による寄せ集めの楽団が演奏する、けれど伝統音楽だからそれなりに耳当たりのいい音楽を共に踊り、笑って一夜を過ごす。
 旅人が旅先から持ち込んだ土産品をまねて作った品を置く露店は賑やかに子供たちを楽しませてくれる。そんな風に、暑い夏がはやく過ごしやすくなるように、けれど冷害によって農作物の収穫に影響は出なくて、今年も食べるものの心配をしなくていいだけの収穫を得られますように。そんな願いを込めて一晩楽しく過ごすはずだった。
 それなのに、近頃村祭りの準備のにぎやかさにつられてかまねかれざる客を見かける。それがゴブリンだと発覚したのは祭りの前夜。日持ちしない食べ物や皆の都合もある、できれば延期はしたくない。人間に敵意を持つものの討伐を頼むならば私たちに心当たりは一か所しかなかった。
「誰かローレットに連絡を! イレギュラーならきっと俺たちを助けてくれる!」
 その叫びを聞いて私はローレットへ向かって走り出した。

●祭りを守るために
「すこし急な案件です、お渡しするべき情報も十分とは言えません。ゴブリンの群れが幻想の村の一つを襲撃しようとしているようです。今のところ膠着状態ですが村は祭りを直前に控えています。物資や人に被害が出てはせっかくのお祭りが台無しです。
 数は十数体で繰り返しますが種族はゴブリン。粗末なぼろ布とこん棒のほか、目立った装備品は見当たりません。魔法による破壊行動も行われていないので近接戦で殴りかかるなどの戦術をとってくると思います。村の人たちは公民館に避難しています。
 損傷が軽微に澄んだら、もう安全だというアピールを兼ねてイレギュラーズとして祭りに参加してもらえれば街の人たちも恐怖心を忘れて祭りを楽しめると思います。せっかくの納涼祭なのです、招かれざる客は早々にご退場願って祭りの一夜を楽しんできてください」

GMコメント

成功条件
ゴブリンの討伐(死体や血で会場が汚れて祭りの雰囲気が損なわれると判断した場合は追い払うだけでも可能。戦闘場所は大通りと中央広場の中間あたりになります。人通りはありません)及び中断された納涼祭の盛況な幕引き

失敗条件
祭りが途中で中断されること

ゴブリン
十数匹で群れを成しています。こん棒を使って殴りかかってきます。陣形を組むほどの知性はありませんがごく簡単な連携を取ってきます。
強さとしてはゴブリンの中で中の下くらい。強さはそこまで脅威ではありませんが祭りを無事に終わらせて皆で楽しく過ごす一夜とすることが失敗しない条件にもなりますのでそこには注意が必要です。
ゴブリンたちは不利を悟ると逃げ出しますが今回は完全な撲滅はしなくても構いません。

納涼祭会場
行商人や旅人が土産に持ち帰ったものやおとぎ話で聞いたものを再現した露店が並んでいたり、花火があがったり、出店で食べ物や飲み物を口にしたり、かがり火の周囲で思い思いに踊ったりできます。雰囲気的には日本の縁日が近いですが並んでいるのは幻想のものが中心です。
未成年の飲酒喫煙は禁止。
戦闘3:祭りを盛り上げようとする描写7位を予定しているので祭りを楽しく過ごせる人向け。
一人で過ごしても構いませんし村人に声をかけたり参加者同士で遊びに繰り出したりなど相談卓でご相談の上プレイングを送信してください。

皆様のご参加とプレイングをお待ちしております。

  • 納涼祭会場に現れたゴブリン退治完了
  • GM名秋月雅哉
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年08月19日 21時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

オーカー・C・ウォーカー(p3p000125)
ナンセンス
主人=公(p3p000578)
ハム子
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
アグライア=O=フォーティス(p3p002314)
砂漠の光
エゼル(p3p005168)
Semibarbaro
ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ
イーリス・リュッセン(p3p006230)
掃除屋

リプレイ

●招かれざる客には退散を願って
 納涼祭に心を躍らせていた人々の想いを曇らせたのは周辺をうろうろとしていたゴブリン。数は十数匹。
 イレギュラーズたちはその討伐へと依頼人が置いていった地図を見ながら祭り会場へやってきた。
「まったく、賑やかさに釣られてでてきたのか? どちらにせよ早めにご退場願おうか」
『ナンセンス』オーカー・C・ウォーカー(p3p000125)がやれやれ、と群れになって会場へと突き進んでくるゴブリンたちにため息をつく。
「そうですわね。賑やかさにひかれたのかもしれませんが……人にとっては脅威でございましょう。速やかに退散いただきましょうか」
『特異運命座標』エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)が光沢のある髪を耳にかけながら目を細めて。
「平和なお祭りにゴブリン、か。いいわ、手早く終わらせましょう。神がそれを望まれる」
『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は冷静な目つきでゴブリンたちを観察する。それほど強敵ではないが今回の依頼は祭りを無事に成功させることに主眼を置かれているためあまり派手に血しぶきをまき散らしたり建物を破損したりするのは避けたいところだ。
「招かれざるお客様には退場願うしかありませんよね。さ、一仕事頑張りましょうか」
 祭りを盛り上げるためにもまずは危険の排除が必要ですよね、とイーリンの懸念を感じ取ったように『砂漠の光』アグライア=O=フォーティス(p3p002314)が戦闘に備える。
「せっかく準備したお祭りが中止になるの、いろいろとつらいよね。海洋でも、雨とか風とかで中止になったのを何回見たことか……。でも、今回はなんとかできる。なら、なんとかしてみるよ。ね?」
『たとえ街なか空のなか』ティスル ティル(p3p006151)は今回の問題は天候ではなくゴブリンなのだからできるだけ被害を出さないように気を付けて祭りを成功させたいと願っていた。
 そんな仲間たちに『掃除屋』イーリス・リュッセン(p3p006230)もうなずいた。
「せっかくの祭り、邪魔されては村人も迷惑ですからね。容赦なく追っ払いましょう」
 彼女は愛銃の射線に仲間が入らないように位置を調整し、後衛に位置どる。
 ゴブリンたちが立ちふさがるイレギュラーを前に文句を言うようにこん棒を振りかざし、歯をむき出しにして威嚇し始めた。
「祝祭に参加するならまずはそのこん棒はすてて……って、やっぱり無理か」
 戦う気満々のゴブリンを見て 『Semibarbaro』エゼル(p3p005168)は思わず額に手を当てる。
 ゴブリンたちが三体ずつ連携を取ってイレギュラーズに襲い掛かってくる。三方から取り囲んで一撃でも多く当てようという算段らしい。
 防御重視に切り替えたオーカーが取り囲んできたゴブリンがいるなら仲間の邪魔にならない位置に移動する必要はないと判断して一体に衝撃を与えて吹き飛ばした。
 吹き飛ばされた一体を迅速な抜き撃ちでイーリスが眉間を貫いた。ゴブリンたちが発砲音に動揺して取り囲んでいた陣形にほころびができる。
「命が惜しいなら……退くべきですね」
 血しぶきで無駄に汚さないように連射を避けたイーリスの言葉をゴブリンたちは理解できたかどうか。
 後ずさったゴブリンを狙ってエゼルが遠距離用の魔導術式を用いて攻撃するとゴブリンたちはまだ引き際だと感じていないのかイレギュラーズたちに威嚇をしながら再度陣形を組みなおし取りついてきた。
 ティスルが自由に攻めることのできる構えをとると自信を取り囲んでいたゴブリン相手に縦横無尽に格闘技を披露する。
 敵の攻撃を引き付ける戦技を使用したアグライアにゴブリンたちは魅入られたように総力戦を挑んだ。
 だがアグライアはほかの戦いで傷を負ったばかり。さすがに十体を一気に相手にするのはいささか厳しい。
 そこで守備に特化した状態を保っていたオーカーが小さな奇跡を願い彼女が戦闘不能になる前に壁となって立ちふさがる。
「ごめんなさい……ありがとうございます」
「怪我してるなら無理するな」
「二人とも、少し下がって、せっかく固まってるから大技いくよ!」
『ハム子』主人=公(p3p000578)が施設に被害が出ないこととゴブリンの相手をしていた二人が射程から外れたことを確認すると至近距離に爆発を起こし、その威力をまき散らす。
 一度戦線を離脱したアグライアはイーリンと息を合わせて弱っていたゴブリンに連携プレーを決めた。
「連携っていうのはね、こうやって使うのよ。取り囲むだけじゃ連携とは言えない」
 今回は全滅が目的ではないためイーリンがわざと退路を作ると戦闘可能なゴブリンたちの半数ほどが逃げ出した。
「不幸ね、同情するわ。農耕を学んだらどうかしら」
 村に略奪に襲い掛かり、イレギュラーズに返り討ちにされてしっぽを巻いて逃げるように退散するゴブリンにイーリンは赤い瞳をすがめたのだった。
「残り半分か。後片付けを考えるともう少し逃げてほしいんだけどボクたちの頑張り次第かな?」
 公が次の一撃の準備をする間、エゼルは傷を負った仲間たちを回復していく。簡易な治癒魔術と緑の柔らかな輝きによって味方の傷は癒された。
 ティスルは自分たちが敵としている相手は回復も使えるらしい、とさらに多数が逃げ出したゴブリンを完全に追い払うために空中へ向けて射撃音で威嚇する。
「ごめんね? 逃げるのは構わないけどお祭り会場へは、絶対に行かせてあげないから」
 空に放たれた銃声を聞いてゴブリンたちは倒されたものを除いてすべての個体が逃げ出していた。
 オーカーはそんなゴブリンたちが物陰に隠れて再襲撃を狙っていないか確認しながら村の外まで追い払い、言葉が通じるかはわからなかったがこの村をまた襲ったら今度は容赦なく討伐するぞ、と脅して完全に追い払った。
 祭りが始まる前までに戦闘痕をできるだけ残さないように、手早く、そして丁寧に掃除する。遺体はあとで処理することにして一度森へ隠し、エゼルが石畳に付着した血を洗い流すための水を汲んできたのでそれを使って念入りに血汚れを落とした。
 注意して戦闘したので村自体に大きな損害はなかったので避難していた村人たちを呼び戻し、自分たちも祭りに加えてもらえないかと声をかけると村人から今年も無事に納涼祭ができると喜びの声が上がったのだった。

●納涼祭、開幕
「さあさ、今から見せるは海洋仕込みの大道芸。どうぞ見ていってくださいな?」
 喜びの声は上がったもののまだ恐れの抜けていない様子の村人たちを盛り上げようとティスルが人を集めて大道芸を披露する。
 着火したたいまつを使ったジャグリングや三メートルの棒を使った軽業などに人々から歓声が上がった。つかみは上々のようだ。
 エゼルはかがり火の周囲、踊りの邪魔にならないように弾き語りを始める。
「それでは、一曲ご拝聴。これは過日の――」
 急ごしらえの四弦竪琴を片手に故郷の英雄譚やイレギュラーズがこなしてきた冒険譚にはとくに男の子たちが目を輝かせた。
「にぎわっているようですね。私は芸達者な方ではありませんし。それに裏方も大事な仕事ですからねっ。そちらを頑張ってきます。時間が空いたら一緒に少し見て回りませんか?」
 ギルドで顔を合わせるアグライアがごみ袋を片手に清掃活動をしながらエゼルが弾き語りを終えたところで声をかけてきた。
「もちろん、よろこんで」
 お互いに祭りを盛り上げるために頑張ろう、と目配せし合い、二人は別れる。
 公はその近くで盆踊りやフォークダンスなどの簡単でみんなで踊れるものを村人たちに教えていた。伴奏の担当は村の有志とエゼルのコラボレーションだ。
(元の世界の文化が、こっちでも広まったらうれしいな。せっかくいろんな世界からの流れ者が来ている世界だしね)
 初めて見る踊りに四苦八苦しながらそれでも村人たちは楽しそうに踊り、教えてくれたお礼にとこの村の伝統舞踊に公を誘うのだった。
 三つの踊りを混ぜたらどんな感じになるだろう? いたずらっ子の発言によりフォークダンスと盆踊りとこの村の伝統舞踊がコラボレーション。なんだかよくわからない展開になる踊りと個々で聞くと美しく風情があるのに三つ合わさっているせいで珍妙な音楽に村人たちは腹を抱えて笑い、公もこうなるとはおもわなかったなぁ、と苦笑気味。
「俺たちの代わりに戦ってくれたお礼だ、たくさん動いて腹が減っただろう、伝統料理も食べていってくれよ!」
「あ、いただきます。……ん、おいしい! スパイスが利いてるね」
「この辺で春から夏にかけてとれるんだ。肉料理だけじゃなく魚料理にもあうんだぜ。臭みが消えていい香りがするだろう」
「飲み物だって負けちゃいねぇぞ。ヤマブドウのジュースやスモモのジュース、果物の果実をかけたかき氷。祭りならこういうのも楽しまないとな!」
 飲み食いに人々の興味が移ったところでエゼルは席を立つ。アグライアの手が空いているようなら一緒に祭りを見て回ろうと思ったのだ。
 ちょうど向こうもひと段落したようで二人で露店を見て回る。
「無事にお祭りを開催できてよかったですね。村の人たちもみんな楽しそうです」
「不審な影として目撃されていたゴブリンを追い払えて、延期か中断か、で悩んでいた伝統のお祭りも無事開催できたわけだからね。それでもこの村の人たちはたくましいよ。恐怖が過ぎ去った後すぐに楽しさを感じることができている。戦う術を持たなくても、十分に強く生きている証拠だ」
 エゼルの言葉にアグライアは深くうなずく。
「確かにそのとおりです。恐怖というものは、人の心に根深く食い込むもの。こうやって笑顔で過ごせるのは強さの証明に他ならない」
 そんな会話を聞いていた村人が笑いながら二人に声をかける。
「祭りで辛気臭い顔をしていたらよくないことが起こる。それにもしまたゴブリンたちが来てもアンタたちが何とかしてくれる。なら楽しまなきゃ損だろう?」
 そういうところが強い、と二人は評価しているのだが祭りは楽しむものであって辛気臭く過ごすのは失礼だ、という考えが根幹にある村人たちにはわかりにくかったのかもしれない。
 お互いにいい夜を、と言い交してエゼルとアグライアは一風変わった土産物を売る露店や食べ物の出店を肩を並べてみて歩いて過ごしていくのだった。
 イーリスはエゼルとは別の場所で楽器を持って演奏をしていた。曲は祭りの雰囲気に合った牧歌的なもの。
 村人からリクエストがくれば即興で作った曲を演奏する。
「祭りを楽しんでくださいね」
「一時はどうなることかと思ったがアンタたちのおかげで助かったよ。いやぁ、どうもありがとう!」
 そんな言葉を行く先々でどのイレギュラーズもかけられていた。それにたいしてイレギュラーズは多少の差はあれどういたしまして、と笑顔を返す。
「私、吟遊詩人じゃないから。他の人みたいに歌とか音楽で楽しませることはできないの」
 イーリンはそういって辺りを巡り歩く。片手には袋。
「それ、食べ終わった? 受け取っておくわ。良い夜を」
 ゴミを拾ったり回収したりと美化に努め。
「大丈夫? 何か手の足りていないところとかない?」
 と運営にきいて裏方の手伝いをする。村を救ってもらった上に働かせるなんて、と遠慮されれば何でもないことのようにこう言って見せた。
「これも仕事のうちよ。私たちを選んでくれたあなたたちへの感謝も込めたね」
 薄く笑って答えるイーリンに、祭りだから迷子が多くて、とこれ以上手伝いを断るのは無粋だろうと迷子がいたら親を探すのを手伝ってほしい、と頼む運営スタッフにうなずきを返す。
 迷子を見つければ親を探す手伝いをして、心細さに泣く幼子に自分の髪を光らせて興味をひいたり、過去の冒険譚を話したり。
 親と再会して笑顔でお礼を言う子供にはもうはぐれるんじゃないわよ、とくぎを刺して分かれて。
 オーカーは許可を得て駱駝車を出店にして占いを行っていた。
 マントを羽織り占い師の雰囲気を出しておいて、使用するのはカード。
 占いの結果通りのことに加えてどうすればよりよくなるかを一言アドバイス。カップルにはいい雰囲気が出るような結果を言う心配りを見せて。
「本当に当たりますか?」
 そんな客には「当たるも八卦、当たらぬも八卦ってな」と信じるかどうかはアンタ次第だ、と占いを強要はせずに相手に任せた。
 祭りが盛況のうちに幕を閉じた後はイレギュラーズは片づけを手伝ってまたゴブリンが襲ってくるようなら遠慮なくローレットを頼ってくれ、と村長に託を残し村を去っていったのだった。
 感謝の声と見送りの言葉が夜空に響きわたっていた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

ご参加、ありがとうございました。
村の人たちも皆さんのおかげで心置きなく納涼祭を楽しめたと思います。
皆さんも楽しむことができたのでしたら幸いです。

またご縁がありましたら別の場所で会えますように。

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