PandoraPartyProject

シナリオ詳細

誰だってお姫様(性別問わず)

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●お姫様という概念
 誰だって1度は思いをはせたことがあるだろう。
 お姫様。プリンセス。プリティだったりビューティだったりするそれらは、恐らく1つのイメージには収まらない。
 そして誰もが思うのだ。お姫さまって素敵……と。
 勿論、お姫様と身分的に呼ばれる人々はしっかりと存在する。
 そういったお姫様は誰が見てもお姫様だし、それを疑うものなどいるはずもない。
 しかし、身分がお姫様であることと皆の理想のお姫様は違う。
 何故?
 それを問う者がいるならば、こう答えればいいだろう。
 誰だって誰かのお姫様になれる……と。
 小さな女の子も、年頃の少女も、人生の酸いも甘いも知り尽くしたお婆様も、男の子も青年もおじさまも。
 皆、誰かのお姫様になれるのだ。
 皆、王子様を待つお姫様であっていいのだ。
 だから、そんなお姫様たちの願いを叶えるべく古代文明の技術をふんだんに使用したメカ王子様が製作されたっていい。
「そういうわけなんですよ、監察官どの……! ぐあああ、ギブギブ!」
「いやダメだろ。何考えてんだお前。それとなんだこの計画書。この完成予想図はなんなんだ」
 鉄帝から派遣されている監察官が研究者を関節技で締めあげながら書類に目を通している。
 流石に鉄帝。監察官も武闘派が多い。
「プ、プリンス・メッカ―~誰でもきっとお姫様~です! ぎえええええ! ギブ、ギブですって!」
「ブッ殺すぞ。誰だこれに予算計上したの。あとで会計課も絞めてやる」
 ギリギリと研究者の関節のギリギリを攻めていく監察官だが、その視線の先は壊れた製造用ドックに向けられている。
 そのプリンス・メッカ―とやら……どうやら暴走して何処かに行ったらしい。
 また妙な騒ぎになるな、と。監察官はあきらめにも似た表情を浮かべていた。

●プリンス・メッカ―を止めろ
「というわけでしてプリンス・メッカ―を止めてくるですよ」
 『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)は、集まった面々にそう切り出した。
 何を言っているのか分からない、と思ったのであればそれで正解だ。
 しかしチーサは事件のあらましを招請に説明してくれる。
「つい先日、鉄帝の研究所から古代文明の技術を作ったロボット『プリンス・メッカ―』が飛び出したです」
 つまり暴走しているのだが、どうにも入力された行動目的に従って行動しているらしい。
 それはつまり……「相手をお姫様扱いすること」である。
 白馬ロボを駆るプリンス・メッカ―は「君を迎えに来る王子様のテーマ」に合わせてやってきて、対象をお姫様扱いして去っていくのだという。
「幸いにも姿がメカメカしいのでメッカ―に惚れるような人は存在しないようですが。ド迷惑なので排除してほしいと連絡がきたです」
 鉄帝に女性はたくさんいる。
 そんな人々を出し抜きお姫様扱いされるにはどうすればいいか。
 その答えは……チーサが手に持っているお姫様ドレスのカタログにあった。
 大丈夫、誰だってお姫様だ。男の子でも、女の子でも。
 お姫様に、なっていいのだ。

GMコメント

お姫様になってプリンス・メッカ―をおびき出しやっつけてください。
一撃入れると逃げるので、丁度8人目くらいで壊れると思います。
該当のファイナルプリンセスは皆で相談して決めると良いのではないかと思います。
ようし、混沌として来たぞ。

●プリンス・メッカ―
 誰だって誰かのお姫様。信じられない? 
 俯かないで前を向いてよ
 僕がきっと迎えに行くよ
 ほら顔を上げてご覧?
 綺麗な青空 素敵な花々 全部君のものさ
 約束するよ 僕が君の王子様 君が僕のお姫様!
 さあ この手をとって 走り出そう!

 はい、そんな感じです。実際にやってくるのはなんかこう、ロボロボしいのがロボロボしい白馬に乗ったやつです。
 機動力がとんでもないし白馬がなくなっても飛んで逃げるので、上手くおびき寄せて一撃入れましょう。

●うるせえちゃんと説明しろ。分かりやすくだぞ
 プレイングのほとんどをお姫様ムーブで埋めればいいと思います。
 性別? 知るかそんなもの。君も今日はお姫様だ!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 誰だってお姫様(性別問わず)完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年08月04日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
杜里 ちぐさ(p3p010035)
明日を希う猫又情報屋
アンリ・マレー(p3p010423)
亜竜祓い
四(p3p010736)
特異運命座標

リプレイ

●誰だってお姫様・前半戦
「ファイナルプリンセスの座はもろた!! よくわからんけど!!」
 鉄帝の空に『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)の胡乱な声が響く。
 酔っているのだろうか?
「まあお姫様ムーブは楽勝であります。何せこちとらガチ姫。伯爵家のご令嬢でありますよ? ところでシラフじゃやっとれないので酒ないでありますか酒」
 素面であったらしい。そしてエッダの言動だが、依頼内容に沿った比較的真面目なものであったりするのである。恐ろしいことに。
 そう、今はプリンス・メッカ―なるスクラップ……違った、ロボを迎撃する為の作戦中である。
 お姫様ムーブをすることで呼び寄せられる、そんなゴミみたいなロボットを倒す為、イレギュラーズは全力でお姫様ムーブ中なのである!
 そう、だからこそ『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)はお姫様になりきっていた。
「お姫様だって? ふふん! 私には世界最高のお姫様であるヴァリューシャ(当社比)という教材と共に過ごしているんだ! 完璧なお姫様という物を見せてあげよう!」
 めちゃくちゃにしてやる、とはマリアの言葉だが、王子様をめちゃくちゃにするお姫様ってどんなだろうか。
「あぁ……どこかに素敵な王子様はいませんこと? わたくし足を挫いてしまって動けませんわ……」
 ぐびぐびと瓶で赤ワインを飲むマリアの姿は……おお、これは酷い。
(そんなヴァリューシャも可愛いんだよ? 皆は知ってるかい? 私は知ってる。ヴァリューシャは私の可愛いお姫様さ! 以下略)
 マリア曰くそうらしいが、うん。マリアが幸せならいいんじゃないかな。
「困りましたわね…本当に足が痛くて一歩も動けません。一体どうすればいいのでしょう? 誰か助けて下さいまし!」
(来るか分からないけど、むしろ来ないなんてことあるかい?ない……! こんな完璧なお姫様は存在しないでしょ!!!」
 どうだろう。分からないが……いや、聞こえてくる。このBGMは……!

 誰だって誰かのお姫様。信じられない? 
 俯かないで前を向いてよ
 僕がきっと迎えに行くよ
 ほら顔を上げてご覧?
 綺麗な青空 素敵な花々 全部君のものさ
 約束するよ 僕が君の王子様 君が僕のお姫様!
 さあ この手をとって 走り出そう!

 何やら響く怪しげな歌。事前に聞いていた「王子様のテーマ」である!
「あぁ……貴方がかの有名な王子様ですの? 来てくださいましたのね……」
「ああ、来たよ姫」
 ほうっと酒臭い息を吐くマリアは、流れるような動きでプリンス・メッカ―へと近寄って。
「では早速ですが金銀財宝を頂きますわー!!!」
 酒瓶で殴り掛かるその姿は姫としていいのだろうか。いや、きっといいのだろう。そんなお姫様がいたっていい。
「あ! 逃がしませんことよ!!! とらぁさん! おいでなさって! 追いかけますわよ!」
「とらぁ……」
 現れたのは黒ビキニの『VDMランドの謎の生物兼マスコット』とらぁ君。女性用だ。どうして……。
 入るタキシードがなかったらしい。どうして……。
 そんなとらぁ君、賢いので足を挫いたマリアを担いで移動できるけど、敢えてその辺の雑草をむしゃむしゃ食べて飲酒し、無視することでプリンス・メッカーを誘き寄せる手伝いをしていた!
「最強の姫ムーブをお見せしますわね! あ、こら! ぐあー!」
 またマリアが転んだ。とらぁ君がその上に座った。Oh、プリンセス……。
 そんなマリアととらぁ君が虹を作っている頃には『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)がお姫様ムーブの真っ最中だ。
 そして目的のプリンス・メッカ―もすでに……!
「おお、姫よ。君に会いにきたよ」
「わたしは すでに いとしのゴリョウさんの お姫様……ぽっと出の 白馬の王子様ごときに お姫様あつかいされるほど やすいつもりは ありませんの……! それでも…… ほんとうに わたしの 王子様に なりたいと おっしゃるのなら…… たくさんの わがままを ふっかけて…… たかく 売りつけて やりますの」
「ふふ、困ったお姫様だ。何だい? 言ってごらん」
「わたしは 海の お姫様ですから 着るのは 水のなかで ふわりとひろがる まるで クラゲをおもわせるドレス 陸地でも 大海の抱擁に身を委ねることで…… 体の周囲に 海を まとっておきますの」
 そう、ノリアは纏うのは海水。大海の抱擁に身を委ねれば、もはや何物にも動じることはない。
「もちろん あなたが ほんとうに 王子様ならば わたしの 愛する海を 愛してくれることでしょう……さあ…… わたしを お姫様抱っこして 潮風薫る 海へと 連れていってほしいですの そして…… わたしが ふしぎな貝殻を さしあげるので わたしのための 貝殻を 海のなかから 見つけてきてくださいですの」
 そう、ノリアの攻撃はもう始まっている。海のように、波のように。
「……ただし わたしの しっぽの皮は とてもうすいので はげしく動いて すれてしまったら すぐに 傷ついてしまいますの…… そうすれば 王子様にも 水の【棘】が かえっていってしまうでしょうけれど…… 王子様なら きっと うけいれてくださることでしょう そんなかたちで 装甲を 傷つけて 貝殻さがし中に 海水に ひたれば ほかのかたを 相手しているあいだに どうなるでしょうか?」
 ダメージを受けて逃げていくプリンス・メッカ―を見て、ノリアは呟く。
「やっぱり およげる ゴリョウさんが いちばんですの」
 さて、逃げたプリンス・メッカ―の向かう先は……貴族の嗜みを身につけ、絶賛お姫様ムーブ中の『決死行の立役者』ルチア・アフラニア(p3p006865)である。
「お姫様、ねえ……。私だって元の世界じゃ貴族の端くれだったし、その在り方は分からなくはないわよ。……とはいえ、あんな籠の鳥の何に憧れるのか、とは思うのだけれど、きっと今回の「お姫様」は、そういうものではないのよね。今回の機械がどんなお姫様を要求しているのかは分からないけれど、私には私ができる「お姫様」の姿を演じることしかできないわ」
 そう、お姫さまとはその言葉のイメージの持つような素敵なものではない。
 しかし、想像上のお姫さまとは素敵なものであって、誰もがそういうお姫様でありたいと願うものなのだ。
「故郷の姫君といえば、貝紫のトーガを身に纏うべきよね、きっと。その上で、テーブルについてお茶でも嗜んでおきましょうか」
 ……というわけで本日一番「お姫様らしい」ルチアの下にやってきたプリンス・メッカ―が夜葬儀鳳花を受けるまで秒読みである。

●誰だってお姫様・後半戦
「鏡さん、無辜なる混沌で一番可愛いお姫様は誰にゃ? もちろんちぐさ姫ですにゃ!」
 ドレスに着替え終わった『少年猫又』杜里 ちぐさ(p3p010035)は鏡に話しかけて、お姫様気分に浸っていた。
「可愛い僕(ソースは僕のパパとママ、昔いっぱい褒めてもらったのにゃ)が可愛いドレスを着たら、当然一番可愛くなるのにゃ。でも、お姫様たるものみんな仲良く、互いの長所を認め合い、身分だけじゃなく存在が貴くあるべきにゃ、たぶんにゃ」
 そういうことらしいが、お姫様マインドとしてはきっと凄い正しい感じである。
 おかしいな、女性陣よりもお姫様な動きを分かっている……?
「ちぐさ、とってもとってもかわいいのです! 四様もとってもとってもおひめさまですね」と、『なめらかなふともも』ニル(p3p009185)からそんな言葉ももらっている。
 しっかりたっぷりお姫様。それが今のちぐさである。
「ロボロボした王子様はきっと悪い魔女とか悪魔とか研究者とかのせいで少しおかしくなってるだけにゃ。僕の愛(物理と神秘)で元に戻してあげるのにゃ。王子様は元は鉄塊? なら、『元に戻す=そういうこと』にゃ」
 おっと、お前を鉄屑にしてやるぜ宣言が出た。この辺りは男の子だろうか。103歳だけど。
「とりあえず……メカ王子様が来るまで優雅にお茶会するにゃ。お茶会って紅茶飲んでお菓子食べたらいいのにゃ?」
 あったかい紅茶を飲んで、ふう、ってため息をついちゃうちぐさ姫は、実にお姫様っぽい。
「僕の王子様、早く僕を見つけてなのにゃ……」
(特に誰も見てなくても上目遣いの潤んだ瞳、完璧にゃ!)
 そうして響くBGMは、アレが来た合図。
「おまたせ、姫! 待ったかい?」
「んにゃ? 本当に王子様来たにゃ? にゃー……本当にすごいロボにゃ。なんか色々おかしいし、僕が直してあげるにゃ! ちぐさ姫にお任せにゃ!」
「ぐあー!」
 ちぐさのライトニングから逃れるようにプリンス・メッカ―が向かうのは『亜竜祓い』アンリ・マレー(p3p010423)のところだ。
「とりあえずお姫様ごっこしてればいいのかな? ドレスとか着てそれっぽい振る舞いしてまってようか。なんか傘みたいにフワッとした奴が良いな。スカートの為に金具つけないといけないけどボウガンを隠せそうだし」
 そんなことを言いながらアンリは準備をしていたが……来た後のことも考えていた。
(近寄って来たらある程度付き合いつつ、飛行ユニットとか全身を見て関節部分とか辺りに隙間ないか探そうかな。金属だと特に抜くのが辛いだろうから。貴方のハートを見てみたいとか言ったら動力部を見れたりするなら楽なんだろうけどなー)
 まあ、流石にそう上手くはいかないだろうが……というか、実際言ってみたら「僕のハートは君の中さ☆」とか言われてオーラキャノンを撃ってしまったアンリは悪くないだろう。
 さあ、そして損傷が目立ってきたプリンス・メッカ―の向かった先は『特異運命座標』四(p3p010736)である。
「プリンス・メッカー……こんな物でも需要はあるのか。世の中には白馬の王子や姫に憧れる者が意外といるのだな……」
 そんな四の纏うドレスはシンプルな黒いドレス。もちろんウサギのぬいぐるみも持っているぞ、とのことでこだわりもある。
「さて……王子様、私の王子様はどこにいるのだろうか?」
「おまたせ、姫。僕は此処にいるよ」
 響くBGMと共に現れるプリンス・メッカ―はちょっと損傷が大きめだ。
「え、おま……あなたが私の王子様なのか? 嬉しいぞ、ずっと待っていたんだ。白馬に乗った王子様なんて御伽話の中でしかないと思っていたが、王子様、私の望む幸福と共にやってきてくれたんだな。さあ、私にくれ。キラキラと眩い……金を」
「エラー。想定ワードの検索中」
 おっと、ストレート過ぎて王子様ワードからの検索が難しかったらしい。
「何をぼーっとしているんだ、王子と言ったら結構な財産をもっているのだろう? それと共に私のもとまで来てくれたんじゃないのか? ……とんだ期待外れか。やはり世の中そんなにうまくいかないな。まだ仕事をして稼いだ方が堅実か」
 幸せを与える系の王子様も流石にドロップキックするレベルのことを言いながら、四はウサギのぬいぐるみから改造銃を取り出した。どうやらこれを仕込む為のものであったらしい。
「すまないな王子様、これも仕事だ。悪く思うな……逃がしはしない」
 精密射撃を行いながら、四は呟く。
「……私だって幼い頃、王子様ではないが思ったことがあるさ。いつか誰かが自分を助けてくれるって。まぁ、助けてくれたのは綺麗な王子様ではなく戦いの匂いを纏った傭兵だったが。結局都合よく来てくれる存在なんていやしない。王子様に憧れてるやつらだって本当はわかってるし、とうにわかっている者は自分で王子様を探しに行ってるさ」
 そう、それは現実なのかもしれない。しかし、たまには夢を見たっていい。
「ニルを世界で一番のおひめさま、に……してくださるのでしょう?」
 だから、ニルの言葉は叶えられてしかるべきものだ。
「ニルはおひめさまってはじめてです。リボンにフリルにレースに……かわいいがぎゅって詰まったふわふわのドレス、キラキラのティアラ」
 くるりと回ってみたら膨らんだ裾がふんわり揺れて、ニルの笑顔が花咲くように輝いている。
「どうですか? ニルはちゃんとおひめさまでしょうか?」
「ああ、君はお姫様さ。今日一番の……ね」
 プリンス・メッカ―の言葉も自然とノリがよくなって。
「白馬に乗った王子様はおんなのこのあこがれと聞きます。おとこのこのあこがれも、おんなのこのあこがれも、ニルはよくわかりませんが……メカな王子様は、かっこよさとメルヘンさが兼ね備わっているのではないでしょうか?」
 本来はそうであったのだろうが、今のプリンス・メッカ―は結構ボロボロだ。
 それがニルは、ちょっと悲しくて。
「この手を取ってもらうこと。手の甲に口づけ?られたり抱き上げられたり大事にしてもらうこと。とってもとってもうれしいこと……だけど」
「どうしたんだい、姫」
「せっかくおひめさまにしてくれたのに本当に、本当に申し訳ないのですが暴走しているのなら、ニルは……とめなくちゃいけません。全力のフルルーンブラスター!」
「ぐわー!」
 フルルーンブラスターが炸裂し、それでも逃走するプリンス・メッカ―を見ながらニルは呟く。
「メカ。造られたもの……ニルと、いっしょ?」
(ニルは、プリンス・メッカー様を壊したいわけではないのです。ちゃんと修理とかしてもらって、プリンス・メッカー様が暴走とかじゃなく素敵な王子様になれますように)
 世界で一番のおひめさまの横には世界で一番の王子様がいなきゃ、ですもの……と。そう呟くニルは本当に、今日一番のお姫様であったのかもしれない。
 そして待ち受けるのはファイナルプリンセス・エッダ。
 ローレットで仕事してる時にフリでも実家モードなんてじんましんが出るらしい、そんなプリンセスである。
「はい。はい。大丈夫ですよ? もうできます。ふふ。そんなお顔をされてどうしたのかしら。お加減が優れないのですか?」
 めっちゃ柔らかい笑顔を浮かべるエッダは本人の言うように実家モードなのだろう、普段のエッダを知る者が見れば爆笑しながらエッダに座布団とかくれるかもしれない。
「でも困りましたね。お姫様らしく、と言われても何をすればそれらしくなるのでしょうか。お茶会でも開くのが宜しいのかしら?
社交パーティーというのも? お仕事を持っていらした方がその辺りは準備はして下さるのでしょう? 勿論。このわけのわからんものを作って来たスッタコ共が……あっ」
 その辺に縛り倒されていた研究者が芋虫の動きで逃げていくが、とらぁ君に捕まっているので問題ない。
「ドレスは普段は白がメインね。宜しければ選んで下さらない? ハイネックやボートネックのものがいいですね。胸の小ささがエレガンスになるようなのがいいです。こういうところからこだわりたいですよね……ガチ実家モードになってないのでそろそろふざけたいでありますね。あら、何でもないですよ。ほんとうに」
 そう、また実家モードに戻ったのは、BGMが聞こえてきたからだ。
「そろそろトドメ刺したいですね。丁度、あと一撃というところでしょうか?」
 そう、その損傷はかなり激しい。ほんの一撃入れれば、それで終わりだろう。
 だからこそ、エッダはマリア辺りを捕まえようとして。酒量が限界を超えて倒れている駄マリアを見なかったことにする。
「……ねえ、誰か踊って下さらない? もちろん私が女役で」
「とらぁ……」
 代わりにスッと手を差し出したのは、僕等の黒ビキニとらぁ君。
 踊りながらの一撃は、見事にプリンス・メッカ―にトドメを刺して。
 その姿はなんかこう、通りすがりの画家が天啓を得る程度には、感動的なものであったらしい。

成否

成功

MVP

マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫

状態異常

なし

あとがき

誰でもいつかおひめーさまー

はい、ご参加ありがとうございました!

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