＜光芒パルティーレ＞海の底を攫う影

オープニング

●＜光芒パルティーレ＞海の底を攫う影
　広大な海が拡がる国、海洋。
　その国の一角、かつては絶望の青と呼ばれし海域に浮かぶ島『フェデリア島』。
　カジノや豪華なプールが備えられている豪華なホテルが立ち並ぶフェデリア島は、豊穣と海洋の貿易拠点としていつの間にやら発展し、今やリゾート地へと変わりつつある。
　……そんなリゾート地を更に活かそうとばかりに、アクエリア総督府の肝いりで発案されたのは、このフェデリア島近海域を回る富裕層向けの豪華なクルージングツアー。
　美しい海洋の大海原を豪華客船で旅しながら、豊穣の豪華な料理に舌鼓をうち、数日掛けたツアーで……富裕層の富をガッチリ掴もうという訳である。
　しかし、そんなクルージングツアーに、休息に立ちこめる悪運。
『～～♪　……ん？』
　安全確認の為と、航路設定の為にアクエリア総督府の命の下航海をする船。
　豪華客船故に、障害物等があれば大変な事になる……だからルート設計は重要。
　船は、フェデリア島から少し行った所にある『ダガヌ海域』に差し掛かる……すると、突如空に暗雲立ちこめる。
『何……台風かぁ？　予報じゃそんな事行ってなかったのによぅ……』
　溜息を吐きつつ、船を操船する……しかし、その暗雲は瞬く間に雷鳴を轟かせ、そして……波飛沫が大きく吹き荒れる。
　流石に大きくもない船は、その波飛沫に瞬く間に攫われ……そのまま海底へと沈んで行ってしまうのであった。

●
「あーぁ……全く」
　肩を竦め、空を見上げる『黒猫の』ショウ（p3n00005）。
　彼の雰囲気からすると……どうも無理難題の如き物を押しつけられたのであろうと知れる。
　そんな彼に君たちが声を掛けると、ショウは振り返りつつ。
「ああ……すまない。まぁ皆も知っての通り、海洋女王イザベラの命令を受けた、ファクル・シャルラハ大佐から依頼が出てきたのさ」
　彼の名前を聞き……『ダガヌ海域』の事かと問うと、頷きながら。
「ああ、そうだ。皆も知っての通り、フェデリア島に近いダガヌ海域で、度々海難事故が起こっているんだ。今回はそのダガヌ海域の事故によって沈んだ船に、何かの手がかりがあるかもしれないって事でな……海底に沈んだ船を探してきて欲しい、って言うヤツなんだ」
「ダガヌ海域はかなり広大な海域だ。どこに沈んでいるかも解らんのだが……今回の船はクルージングツアーに向けての航路設計という意味合いもあり、ハリボテながらも豪華客船の船体を使用している。海の上にはその残骸が残っている筈で、それを見つければその海底にその船の残骸がある筈だ」
「だが、船が沈んだ理由は分からん……元々この海域は海が荒れると有名だからな、その理由もあるだろうが……それだけじゃない気がするんだ。どういうヤツが現れたとしても、まぁ皆なら対処できるだろう？」
　その言葉に皆も頷くと、ショウはニッ、と笑みを浮かべ。
「サンキュ。とは言えどんな危険が待って居るかもしれんからな……決して油断しない様にしてくれ。宜しく頼むな」
　とショウは、皆の肩を叩くのであった。

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●海嵐に揉まれ
　大海原の拡がりし、広大な海洋王国。
　その一角に拡がるリゾート地『フェデリア島』では、昨今『ダガヌ海域』にて起きる難破事件の話題が頻繁に聞かれるようになっていた。
「やれやれ……せっかくのリゾートだって言うのに、今日も又不穏な話題が尽きねぇなぁ……気の休まる暇もねぇや」
　大きく肩を竦める『幻蒼海龍』十夜 縁（p3p000099）。
　リゾート地故に、この地に居るのは海洋王国の者達だけでなく、周りの国からやってきた観光客も多い。
　当然そんな観光客達に、この様な話が広まれば、リゾート地という立場も少しばかり揺らぎかねない。
　尤も、この『ダガヌ海域』を使い、豪華客船でのクルージングツアーが企画されている訳で。
「あーあ……俺らも件の連続海難事故を解決出来たら乗せてくれねぇのかな、豪華客船」
　『竜剣』シラス（p3p004421）が空を仰ぎ見ながら溜息一つ。
　今回被害に遭った船も、そんなクルージングツアーを目的に事前準備としてハリボテながら豪華客船の威を借りた船。
　それが沈没してしまったとなれば……クルージングツアーの企画が企画倒れになる可能性は十二分にある。
　だからこそ、一刻も早く対処為てきてくれ、という依頼がイレギュラーズ達に命じられた訳で。
「……ダガヌ海域……海難事故の多く起こる場所、か」
　と『表裏一体、怪盗/報道部』結月 沙耶（p3p009126）は、持ち込んだ組み立て式小型船を組み立てながら、言葉を零す。
　それに『不屈の障壁』ベーク・シー・ドリーム（p3p000209）も。
「そうですね……ダガヌ海域……がどこかはちょっとよくわかりませんが、まぁ危険なら排除しないといけませんよね。国からの御願いでもあるらしいですし」
「そうだな。既にやられてしまった船や人は戻らないだろう……だから、せめてこれ以上の被害を出さない様にする為にも頑張るとするか」
「ええ、そうですね。でもボク、深海は深く潜るのはともかく、激しい海流はあんまり経験ないんですよね。どうしましょうか」
「んー……ま、流れに無理に逆らおうとしなけりゃいいんじゃないのかねぇ？」
　二人の言葉に苦笑する縁。
　……既に『ダガヌ海域』に於いては多くの船が沈んでおり、その海域の激しい流れに船の影形も殆ど失われている様な状態。
　ただ、その切っ掛けは……船に海底から襲い掛かる深怪魔であるというのが、調査に向かった仲間達からの情報でもある。
　つまりはダガヌ海域は、荒れ狂う海と、深怪魔の両方が猛威を振るう、危険な海域。
「何にせよ、今回の仕事は、船の沈没原因を見つける事だ。海は広大で、海流も激しいと聞く。何でここを航路として使おうと思ったのか……」
　と『侠骨の拳』亘理 義弘（p3p000398）が肩を竦めると、それに『フラッチェ』ヴュルガー（p3p010434）は。
「そうですね。私は……出身柄、海は見慣れないのですが、聞いた所によると、穏やかな一面を魅せる時もあれば、わずかな時間で荒れ狂う事も在る、と……我等ドラゴニアには、その様相が珍しいのです」
　と頷くと、それに『鬼菱ノ姫』希紗良（p3p008628）も。
「そうなのでありますね……ドラゴニアの国には海が無い、と……」
　聞いた話を理解しようとする希紗良。
　そして、縁と義弘は、ヴュルガーの言葉に。
「ん、まあ……そうだな。海は優しい顔を見せるときもあれば、時に人殺しの顔を見せるときもあるさ……これもただの不運な事故……で片付けられりゃぁ楽なんだが、それなら俺たちは端から呼ばれてなかっただろうしな」
「ああ。まぁ……国の方針からしても、儲かるイベントなら、やるしかないんだろうけどよ……だからといって、船が沈んで良いって訳は無いのさ」
　と頷き、そして『若木』寒櫻院・史之（p3p002233）も。
「そうだね。どんな理由があれ、船が沈んで良い筈がない。きっちり調査してやろうじゃないか。それが亡くなった方の冥福にも繋がる筈だからね」
「そうだな。ま、平和な夏を過ごすためだ。偶には『真面目に』働くとしようかね」
　ははは、と軽く笑う縁、そして希紗良も。
「そうでありますね。神使であるキサは、此岸ノ辺から各所に赴けるでありますが、一般の者は海を船で越えねばなりませぬ。此の度の仕事は放置すれば被害が広がり、ゆくゆくは豊穣にまで被害が及ぶ可能性はなきにしもあらず。杞憂で済めば良いのであります。海上を渡るものたちの不安の芽は、早々に摘むといたしましょうぞ」
「ああ……そうだな。取りあえず船が出るまではもう少し時間が掛かりそうだ。少し今回被害に有った船について話を聞いてくるか」
「あ、なればキサも手伝うでありますよ」
　義弘の言葉に希紗良も頷き、かの船の通った道筋等を調査。
　そしてそのルートを海図に記し……船も組み上がった所で。
「これで……良し、と。では行くとしよう」
　沙耶の言葉と共に、イレギュラーズ達は『ダガヌ海域』へと漕ぎ出すのであった。

●商材の頃
　そしてフェデリア島を出て数日。
　順風満帆な航路は、段々と雲行きが怪しくなり……空に厚い雲が覆い始める。
「さて、と……もうそろそろダガヌ海域だぜ。皆、今迄の航路はどうだった？」
　沙耶の船を操船する縁。
　操船能力に加え……『声』を聞きながらも、波嵐の影響を最小限にして進む。
「え、ええ……問題はありません」
　希紗良の言葉に、縁はくすりと笑みを浮かべつつ。
「ふむ……まぁこの先は多少は揺れるだろう。皆、酔い止めは飲んだかい？　もっと激しくなるぜ」
　縁の言う通り、航路の先を見ると、明らかに此処より波が高い。
「だ、大丈夫であります。さぁ、小魚の皆殿、頼んだでありますよ」
　そう希紗良はファミリアーで小魚を使役し、己が船の少し前方を泳がせる事で、事前に危険なる物を察知出来るように細工。
「では、私はマストの上から周りを観察しましょう」
「ああ、助かる。ならば私は救いを求める声と、この目の力で周りを観察するとしよう」
「んー……んじゃ俺はちっと辺りを探させて貰うぜ」
　そうヴュルガーと沙耶、シラスはそれぞれの得意な点を活かし、周囲に調査の目を張り巡らせる事で……荒れた海に揉まれているであろう、ハリボテの豪華客船の痕跡を見逃さないように探す。
　ともあれ……そんな仲間達の調査と並行しながら、ダガヌ海域へと侵入するイレギュラーズ。
　一際強い波が様々な方角から押し寄せ、船は大きく揺れる……振り落とされない様、船縁に捕まりながら史之が。
「こんな海域をクルージングとはねぇ……主催者は何を考えて居るんだろう？　それともこうなったのは、ごく最近なのかな？」
「さぁ、な……？　まぁ、多くの船が被害に合っている話は聞いてたが、クルージングの話が立ち上がったから、一気に広まった感はあるな」
「そうだね……まぁダガヌ海域自体が、悪意を持って俺達に襲い掛かってくるかの様だ。転覆しない様に気をつけてくれ」
「勿論、さ」
　海洋の依頼で度々一緒になるからこそ、笑いながらも確実に各々の仕事を熟していく。
　……そして、ダガヌ海域を航海して数時間ほどが経過した、その時。
「……ん？　すいません、左、左の方角に……何かが浮かんでいる様です」
　マストの上から観察していたヴュルガーが、そう仲間達に通達。
　その情報を元に、希紗良の小魚と、シラスとベークが先行しその箇所に赴くと……荒波に揉まれながらも、煌びやかな色に塗られた船の外装を発見。
「これ……そうですね。船の破片の様な気がします」
「ああ。となると……この近くに船が沈んでいるんだろうな」
　そう言いつつ、仲間達を誘導……そして、船と合流した所で、そこに錨を沈める縁。
「これで良し……っと。よし、この辺りだろうから、潜って探すとするか」
「そうだな、分かった」
　頷く沙耶……そしてイレギュラーズ達は、錨を降ろした海底に向けて、次々と潜り始める。
　どうやらかなり深い海域の様で、降ろした錨に反って深く深く潜っていく……すると。
『ウォォン……』
　響きわたる重低音の鳴き声。
　その鳴き声は、遥か海底の方から響きわたる。
「……こっちか」
　その声を聞き分け、更に海底へ。
　……すると、海底で僅かに蠢く影。
　次の瞬間……その影の足が、一瞬の内に伸びてくる。
「ちっ……出やがったな、タコが！」
　舌打ちながら、シラスが迎撃の弾丸を撃ち抜き、牽制。
　その巨体のド真ん中に向けて一発を放てば、相手は躱す事も出来ない。
　しかしその銃弾を喰らおうとも、巨躯の深怪魔が痛がるような雰囲気もない。
　むしろ、攻撃為てきたイレギュラーズを明らかな敵である、と認識し、更なるタコ足を次々と伸ばし、はたき、打ち付ける。
　その攻撃に希紗良が。
「あやつは……矢鱈と大きな蛸でありますな……」
　と思慮する。
　そしてその巨体自体は、まるで岩の如くその場からは動かない……そして足が伸びた元には、深怪魔が根城としている、大きな船の残骸がちらりと見えて。
「これはこれは……船が沈んだ原因、間違いなくこいつじゃねぇかと思ったんだが……」
「うん、そうだね……船の残骸の特徴、聞いてきた特徴とぴったりだ。まぁ十中八九間違いないだろうね」
「そうか……ならいい。まぁ船を根城にしていてくれている間はそんなに動かなさそうだ……狙いやすくて楽でいいさ」
「はは、そうだね……それじゃあ、早速だけど始めるよ」
　縁と史之が短く会話し、そして史之が先んじて享楽の悪夢を忍び寄らせる。
　強い毒に深怪魔、身を一瞬捩らせる……その動きに応じ、船の残骸は更にぐしゃりと破壊。
「なるほど……確りと船と下の岩盤に張り付いてやがる。荒れる海は敵には不利に働かない様だな……なら、先ずはその優位から消してやるぜ！」
　そうシラスが次に放つは拘束の拳撃。
　確実に敵の弱点を狙い済まして一撃を叩きつけ、加えて義弘の蛇の如し大鉈が振るわれる。
　更に縁の赤と黒の連撃、希紗良の殺人研が続けざまに命中し、ダメージを積み重ねていく。
　しかし、まだまだ深怪魔の体力は十分にある様で、元気いっぱいに暴れ回る。
　そしてタコ足が振り回されれば、イレギュラーズ達との間に強い流れの海流を産み出す事になり、海中を泳ぐのも中々に厳しい状態。
　だが、決してその海流に流されない様……もし流されれば、すぐにその場に戻ってくる様に立ち回る。
　そして沙耶、ヴュルガーの二人は、仲間達の行動を一巡したのを見た上で。
「その暴走行為を止めないと、安心して対応出来やしないな……ならば」
　と沙耶は深怪魔に向けて魔性の茨を放ち、少しでも敵の動きを足止め。
　加えてヴュルガーも、無数の弾丸を続けざまに撃ち放ち、敵を蜂の巣にしていく。
　そして次の刻……タコの動きには大きな変わりは無い。
　腕をぐるんぐるんと振り回して、水中でも鞭の如く叩きつけ続ける深怪魔。
　流石に海流の流れによって躱しきれずに、ダメージを受けてしまう事もある……だが、決して挫けることは無く。
「所詮は巨大なタコ、私達の敵ではない！　なんなら倒してタコ焼きにしてくれる！！」
「そうですね。ほら、僕はここにいますよ、狙いが甘いんじゃないんですか？」
　沙耶の言葉に加え、更にベークは己から醸し出される甘い香りを漂わせることで、自分にターゲットを引き寄せる。
　……タコにその甘い香りが聞くかは判らないけれど、半ば挑発も併用することで、そのタコ足の一閃はベークに集中し始める。
　そんな敵の動きが変わりゆくと、自然と敵に隙が生じ始める……それに。
「さーて、根比べといこうや、でっかいの」
「そうだな。覚悟しな、今後はテメーの悪夢の番だぜ！」
　縁とシラスが意気揚々と、その足に向けて攻撃。
　二人の強烈な攻撃を喰らい……ばっさりと腕が切断。
　足は海底でピクピクと蠢く者の……更に攻撃をしてくる、なんて事は無い。
　とはいえまだまだ多くの足があるので、さして影響はない模様。
「本当、足が多いのが一番厄介だな……」
「そうだね。手数が多いし……攻撃を集中させて、足の数を減らして行こう」
　史之の言葉に義弘が頷く。
　足を切り離せば手数を減らせるのが判明した故に、攻撃の狙いを足一本に集中。
　一脚、二脚……と着実に斬り伏せていき、残る脚が2脚。
「殉教者の仇、逃すはずがありません。我等の流儀です」
　とヴュルガーが撃ち抜いた一撃が、一脚を貫き打ち飛ばす……そして、最後の一脚は、ふよふよと海中に力無く漂う。
　そして……その脚に。
「いい加減、くたばりやがれ！！」
　斬り落とされるシラスの殺人剣は勢い鋭く、堪えきれずに脚と身を一刀両断に叩っ切るのであった。

●風向く時
「……ふぅ。どうやら終わったみたいですね。お疲れ様でした」
　深怪魔が動きを止め、まるで蒸発するかの如く姿を消失した後……ベークが息を吐き、振り返る。
　勿論姿を消したという事は、イレギュラーズ達の前にボロボロになった船の姿が明確になる。
「……このタコが、もしかして今迄の海難事故を引き起こしていたのか？　もしそうならば、これでもう海難事故は起きない筈だが……」
「ええ……そう期待したい所でありますね。とは言えこの荒れた海故に座礁してしまう船も多い様であります。二度とこの様な事件が起きなければよきでありますが……」
「うーん……海難事故なんていくらでも起こると言えばそれまでですからねぇ……」
「そうだな……せめて、引き込まれた魂が安らかに眠れるように祈っておくか……気付くのが遅れて申し訳ない。だがもう大丈夫なはずだ……とな……」
　希紗良とベークの言葉に、沙耶が手を合わせ、沈没した船の乗組員に向けて祈りを捧げる。
　そんな彼女の祈りに、皆も祈りを捧げる。
　そして……。
「……祈りはいいか？　それじゃ、しっかりと船の中を調べるとするか」
「そうですね。これもまた冒険ですからね、何か見つかるといいのですが」
「ハリボテとはいえ、これだけの船が沈んだのだから、きっと理由があるよ。例えば航海日誌とか、さ。こまめに船長がつけているかどうかは分からないけどさ」
「そうですね……取りあえず、船長室っぽい所を先ずは探すとしましょう」
　義弘に史之とベークが頷き合い、そして沈んだ船の探索を開始。
　しかし……深怪魔が棲みついていたのもあり、かなりボロボロに破壊されてしまい、部屋のようなものは残骸も無く、船長や船員達の亡骸も無い。
　この荒れた海流に恐らく……全てが流されてしまったのだろう。
「まぁ……こればっかりは仕方ねえよな。形見の品くらいなら……と、これとかな」
　と縁は甲板の破片の間に挟まった指輪を手にする。
　その他にもスカーフと思しき布の切れ端やら、比重が思い宝飾品やらを一通り回収していく。
　……船全部を回りきる頃には、数時間が経過。
　切りを付けて海上に戻ると、すっかり空は夜空に覆われていて。
「すっかり夜も更けてしまいましたね……波も荒いですし、夜に無闇に動かないのが良いでしょうか？」
「そうだね……それじゃ、これでものんで、少しゆったりしようか。まぁ波が荒いから、ゆっくりなんて出来ないかもだけどね」
　ヴュルガーに苦笑しながら、ギフトのドリンクを差し出す史之。
　……真っ暗闇な夜、皆で会話を交わしながら……朝日を待つイレギュラーズなのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

ご参加、ありがとうございました……！
荒れた海に揉まれた船員達の冥福は祈ることしか出来ませんが、きっと……皆様の手にした形見の品は、家族の元へと帰って行く事でしょう。