シナリオ詳細
<光芒パルティーレ>タコヤキVSイカヤキ、真夏の大決戦
オープニング
●どっちがお好き?
夏の海辺で食べるメニューといえば?
たこ焼きだろうか。あっつあつのタコを入れた粉もの代表選手。
ソースとかつお節が加われば夏の金メダリストだ。
それとも、いか焼き?
ソースを塗りながらジュウッと炭火で表裏。
丁寧に焼いて、仕上げにもうひと塗り。美味しく焼けた君こそ真夏のヴィーナスさ。
なんだヴィーナスって。ヴィーナスにビンタされたらいいのに。さておいて。
ともかく、夏の浜辺には……たこ焼きかいか焼きか。とても難しい問題だろう。
焼きそば? かき氷? そんな話はしてないんだ。
「なあ、お前はどっちだと思う?」
「知るかよ……どうすんだアレ」
フェデリア島のシレンツィオ・リゾート。その三番街に存在するオクトイッドビーチ。
観光用のビーチの沖合で暴れる巨大なタコとイカ。
時折火すら吹くソレのせいで波打ち際も大きな波が来るようになっているし、波に命をかけるサーファーがやってきては追い出されるわと大混乱である。
そして、何よりも。
「たこ焼きのイメージが悪くなる……!」
「いか焼きのイメージが悪くなる……!」
オクトイッドビーチの2人の店主の視線は……我関せずといった様子でかき氷を食べていた1人の情報屋に向けられていた。
●タコとイカを追い出す仕事
「えー、というわけで仕事です」
『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)はフリルの水着姿のまま、そう集まった面々に告げた。
今回の現場は三番街に存在するオクトイッドビーチ。
今は全ての客を退避させている観光用ビーチだ。
他のビーチとは一味も二味も違う、たこ焼きといか焼きを出す2つの屋台タイプの海の家があることで有名なビーチだ。
勿論、普通の海の家もあるのだが……此処のタコ焼きは揚げたこ焼きであり、外はカリッ中はトロッと。そしていか焼きも豊穣より伝わりし秘伝の醤油たれを惜しみなく使った甘く香ばしい、そんな逸品なのだ。
しかし、よりにもよって沖合でタコとイカが暴れているのだ。イメージ低下が避けられないと言えよう。
「どうにも原因は縄張り争いのようでして。どっちかに味方して縄張り争いを集結させれば平和になるはずです」
元々どちらの縄張りであったかは不明だ。今までは静かにしていたのだから。
まあ、どちらが勝ってもあまり変わりはないはずなので……好きな方に味方して、もう一方を撃退すれば何の問題もないはずだ。
「ま、あんまり難しい仕事でもないです」
勝てば、今日一日はビーチが貸し切りになる報酬がついてくる。
たこ焼きやいか焼き、その他のメニューを楽しむのも自由。
平和を取り戻した海で泳ぐのも自由だろう。
高級リゾート施設の多い三番街のビーチをこのトップシーズンに1つ貸し切れるというのは、お金だけでは出来ない贅沢だ。
「ちゃっちゃと縄張り争いを終わらせて楽しむですよ」
早く終わらせれば終わらせるほど、ビーチで楽しむ時間が増えるだろう。
ならば、今すぐビーチへと駆けだすしかないはずだ……!
- <光芒パルティーレ>タコヤキVSイカヤキ、真夏の大決戦完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年07月09日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●ビーチの怪物(たい焼き参戦!)
「いや、たこ焼きだかいか焼きだか知らないんですが、僕たち一体何を見せられているんです……?」
フェデリア島のシレンツィオ・リゾート。その三番街に存在するオクトイッドビーチ。
富裕層向けの豪華なビーチの沖合で暴れるイカヤキングとタコヤキングを見て、タイヤキング……間違った、『不屈の障壁』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)がそんな声をあげる。
「縄張り争いと言われましても……いやはや、タコとイカでたこ焼きといか焼きのイメージが悪くなるとか……うーん。その程度で悪くなるイメージなら諦めてもいいのでは……?」
「そう言うなよたい焼きの兄さん!」
「そうだぜたい焼きの兄さん!」
「あと僕たい焼きじゃないです」
「そんな冷製なこと言うなよ!」
「そうそう、もっと焼きたてホットに行こうぜ!」
「たい焼きに被せないでください」
ベークが絡まれているが、さておいて。
「ああ……久しぶりの平和な依頼。二大怪獣による被害とか名産品の評判とか決して軽いものではないけれど。でも最近の魔種との戦いや狂気的な海の怪生物やアダマンアントとの死闘に比べれば平和だよね!」
『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が楽しそうに声をあげるが、確かにそういった類のものと比べれば格段に平和だろう。
「珍しい生き物がいれば観察したい質なのだが、どうにもあの二匹にはそういう興味が湧かないなあ……我ながら珍しい。まあ、所詮はタコとイカだし、仕方ないか。それはそれとして、客がすべて避難しているということは、実質貸し切りか……よし、どうにもまた大きな騒動になりそうだし、今のうちにビーチを満喫しておくとしよう! 暴れているタコとイカは……まあ、しばらくは放置しても平気そうだし……うむ」
沖合で暴れるタコヤキングとイカヤキングだが、砂浜まで被害が来るというわけではない。
だから『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)の言いようは、ある意味で正しい。
なんとなく「勝手に戦え!」感があるというか……ああいうアトラクションでもいいんじゃないかと思う程度には平和なのだ。
そういう意味ではアクセルがリラックスしているのと同じ理由と言えるだろうか。
「凄い……どっちも頑張れ、です」
『人魔の間で揺れる魂』Lily Aileen Lane(p3p002187)が目を輝かして興味津々に見ているのもそうなのだろう。
黒のクロス・ホルター・ビキニと麦わら帽子に、日焼け止めクリームも塗って準備万端なその姿は戦いに赴くものでは決してないが、今日この日に限っては正解である。
「うわぁなんか始まってるっ、いやでもせっかくの海だから遊びたいし……砂のお城作ったりしちゃおっか……あ、ダメ? まずアレなんとかしてから? じゃあ……タコ8本イカ10本……よし、イカに味方しよっと。職種の数多い方に味方しよっと。いえーい」
だが『自在の名手』リリー・シャルラハ(p3p000955)の言ったように、まずはアレをどうにかしなければ屋台の店主たちが泣いてしまう。
「とりあえずたこ焼きといか焼きを買ってから考えます。え? やってない? どうしましょうかね……よくわかんないんですけど、暴れててイメージが悪化するってことは両方倒した方がいいのでは……? いや無理ですね、理由はどうでもいいですけど強そうですし。適当に数が多い方につきましょう。数は力です」
ベークはそんなことを言っているが、他の面々はどうだろうか?
「イカに味方してタコを懲らしめ(わからせ)たらイカも懲らしめ(わからせ)ます♪ ダメですヨ、人様を困らせたら。なので喧嘩両成敗――ですけど、この作戦は最後まで秘密に秘密に。さてイカを選んだ理由ですが、単純にイカ焼きって夏の浜辺と祭の屋台ぐらいでしか食べられないからでして。最近のタコ焼きは、それこそどこでも食べられますしネー。チェーン店もありますし」
一方の『刹那一願』観音打 至東(p3p008495)が選んだのはイカ。そうして各自が選んだモンスターに乗っかっていくが……全く気付かない辺り、本当に脅威度の低いモンスターである。
「ふ、タコとイカのどっちを選ぶか……ひいてはたこ焼きとイカ焼きどっちがいいかだと? そんなの決まっている! 断然、たこ焼き派だ! あのアツアツの湯気、口に入れてアツアツってなる感じ、そしてモフっと口の中でとろける食感……これはイカ焼きなんかでは味わえないであろう! というわけでイカヤキングに味方するぞ!やれ、あんなタコなんかタコ焼きにしてしまえ! そしてしっかり食べてくれる! 今日はタコ焼き祭だ!」
たこ焼きが好きであるが故にイカヤキングに味方する『表裏一体、怪盗/報道部』結月 沙耶(p3p009126)の姿もイカヤキングの上にあるが……中々にテンションが高い。
「怪獣大決戦が起こっても平和なんだねー。何か間違ってる気がする。8人で偶数だからオイラ人が多い側につく方向で行こうかなって? 大きさ的にドラちゃんが危なそうだから離れて様子見たいかなっていうのが本音だけど」
『亜竜祓い』アンリ・マレー(p3p010423)もドラネコと共にそんなことを言っている、のだが。
ここで内訳を見てみよう。
タコヤキング派はアクセル、Lily。
イカヤキング派はリリー、ゼフィラ、至東、沙耶。
日和見派はベーク、アンリ。
そう、イカヤキング派の方が多いのだ。そして此処に日和見派のベークとアンリがイカヤキング派に移行したことによってイカヤキングの力が都合よく倍増したのだ!
「タコビームなんかなんぼのものだ!」
「お覚悟召されい頭足類!」
沙耶と、ついでに攻撃も仕掛けていた至東の声が響く中、アクセルとLilyがイカビームでタコヤキングと共に遥か沖へと吹っ飛んでいく。
ちゅどーん、とバカみたいな爆発と共に吹っ飛ぶのは、なんとも夏らしいと言えるだろうか。
この後、アクセルとLilyは海藻と一緒に流されて戻ってくるが……ちゃんと無事らしい。
ともかく、縄張り争いも無事に終わって。ワカメやら昆布やらをお土産に、バカンスの始まりである。
「うひゃあイカに懲らしめ(わからせ)られるー♡」
至東は何をしているのだろうか。
なんだかイカヤキングに挑んでいるようだが……さておこう。
「なんかもう……楽しければいいよねっ!」
そんなリリーの言葉通り……楽しければ、正義である。
●たのしいバカンス
至東が一通りイカヤキングにわからされて戻ってきたビーチでは、実に楽しげな光景が広がっている。
「……たこ焼きとかいか焼きとかを海の幸と正当にカウントするかは知りませんが、好きなんですよね、魚介。鯛なので。両方たらふく食べましょう。ちなみに僕はたいやきではありませんし、たい焼きの屋台があってもそれは僕には一切関係ありません。……ないですよね? 実はたい焼き屋の魔種が居ますみたいなこと。まぁ、食べ歩きましょう」
何処から調達してきたのかチーサの隣の机にたい焼きが乗っているのを見てベークがそんな事を言うが、一応見回せば天然たい焼きの屋台は此処にはない。安心である。
「そうだ、チーサさんにオススメを聞いてもいいかもしれませんね。何かありますか?」
「此処では、たこ焼きといか焼きです。高級ビーチに出店を許された味なのです」
「なるほど……」
そう言われてみれば確かにそうだとベークも思う。高級ビーチに存在するたこ焼きといか焼き。
どちらも似つかわしくないのにあるということは、それは美味しいということだ。
試しに1つずつ焼いてもらい食べてみれば、素材の新鮮さと絶妙な味が口の中に広がっていく。
「やはり魚介は美味ですね……」
「あー、確かにこれは美味しいね」
勝利の味か涙でしょっぱいかは縄張り争いの結果次第。そんなことを事前に言っていたアクセルだが、たこ焼きのソースはそんなものを打ち消す程度には濃くて美味しい。
パラソルの下でぽいぽいとくちばしに投げ入れる感じでたこ焼きを食べていくカイトだが、大きなタコの風味がソースに負けていない。かつおぶしと青のり、生地に練り込まれた紅しょうがも実に良い風味だ。
「戦ってたイカヤキングとタコヤキングがいなかったらビーチって広くて静かだね……ビーチで動いたり涼んだりを考えると、持ちやすいこのタコヤキとかイカヤキが有名になるのもわかるかも」
パラソルの下で片手で食べられるお手軽フードであり、高級な味に慣れたセレブにも人気の良い風味。
そんなたこ焼きを堪能しながら、カイトはふと思う。
「……ところで縄張りってことは勝った方がここの景観にいるってこと?」
そう呟いた瞬間、イカヤキングが沖の方でザバッと顔を出すが……そのまま沈んでいく。
なんだろう、海の守護者でも気取っているのだろうか……?
あまり考えないようにしようと思いながら、カイトはたこ焼きを口に放り込む。
「倒した方のヤツでなんか、作って食べよっかって思ってたんだけどなー」
リリーはLilyと共同で砂のお城を作ったりゼフィラの首から下を砂に埋めたりしながら、そんな声をあげる。
勿論リリーは料理が出来ないので他の人に頼むつもりだったが……イカビームで吹っ飛んでいったタコヤキングは戻ってこないので調理は出来ないだろう。
「あとはあれだねっ、海っぽい事……潮干狩りとかできるのかなここ。掘ったら貝出てきたりしないかなっ? ……キング貝とか出てこないよねっ? 大丈夫なはず……うん」
掘ってみると巨大な貝が出てきてリリーはビクッとするが、誰かが埋めたシャコガイの一部だったようである。安心だ。
夏サイコー海サイコー! イエーイ! とテンションがどんどん高くなってきたリリーを見ながらゼフィラは「はあ……予想以上に疲れた……」と呟く。
義手を換装し水着姿なゼフィラだが、今日は貸し切りなので余計なトラブルもない。
「やはり、真面目に仕事を片付けてから休むべきだったかな、今更だけど」
リリーとLilyに首から下を砂に埋められたゼフィラだが、チーサがやってきて胸を必要以上に盛って「OH、ダイナマイツ!」と顔の横に吹き出し付きで書いていったのはなんか許せないので後で同じ目に合わせようと思っていたが。
そんな決意をするゼフィラの横をLilyが歩いていき、屋台の店主たちに話しかけていた。
「イカ焼き、タコ焼き……ってなんなの、です?」
「おお、こういうのさ。生地でタコを包んでな。ソースとかかつお節をかけるんだ」
「イカをこう、じっくり焼いてな。ソースを塗るんだ」
「どっちも美味しそう、だから、食べてみたい……です」
そう言われるのは、店主にとってみれば嬉しい事だ。
たこ焼きといか焼きを受け取れば、Lilyはもぐもぐと食べ始める。
「はふはふ♪ カリじゅわとろ~で、とっても美味しい、です♪ もぐもぐ♪ 程よい塩っぱさと甘さが、とっても美味しい、です♪」
どちらも作り手としては嬉しい感想で、店主たちはニコニコしっぱなしだ。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
GMコメント
オクトイッドビーチの平和を取り戻し、海で遊びましょう。
なお、その際はたこ焼きもいか焼きも食べ放題です。
今回のパートは2つ。
・縄張り争い
・海で遊ぼう
です。好きな方にプレイングを割り振ってくださいませ。
なお、縄張り争いでは「イカヤキング」「タコヤキング」のどっちかに味方することになります。
どっちも単細胞なので皆さんが上に乗っかってヤンヤヤンヤと騒いでも何も気にしません。
どっちに味方しても自由です。皆さんが分かれた場合は数が多い方が勝ちます。
負けた相手は「イカビーム」あるいは「タコビーム」でちゅどーんと沖まで飛んでいきます。
海遊びの時には何事もなく戻ってくるので、そんな感じです。
一応、データはこんな感じです。
●タコヤキング
全長10mのタコ。火を吹いたりビームを出したりします。あと触手攻撃。
●イカヤキング
全長10mのイカ。火を吹いたりビームを出したりします。あと触手攻撃。
※このシナリオは夏のビーチで遊ぶシナリオです。はっちゃけて大丈夫です※
なお、チーサもいますが最初から最後までビーチにパラソルたててトロピカルしています。
何かあればどうぞ。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●名声に関する備考
<光芒パルティーレ>では成功時に獲得できる名声が『海洋』と『豊穣』の二つに分割されて取得されます。
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