シナリオ詳細
異論捉えし鍵の種
オープニング
●異論捉えし鍵の種
天義(聖教国ネメシス)の首都、フォン・ルーベルグより離れた海沿いの街、『アドラステイア』。
天義の国にありながら、天義の国から離反し異なる神を心奉する街。
……そんな街に不幸にも迷い込んでしまったのは、偶然この街を訪れし旅人(ウォーカー)の女
『や、やめなさい! 来ないで、来るなっ!!』
と、叫び声を上げながら中層を駆け抜ける彼女。
そして、そんな彼女を追跡するのは……。
『お前達! あっちだ、あっちに逃げたぞ!!』
『わかりました、先生!! まてー!! このはんぎゃくしゃー!!』
指示を与えるティーチャーと、鎧を身につけた子供……いや、アドラスティアの『聖銃士』達。
当然アドラステイア中層においては、例えどんな理由であれ、彼等が正義。
『ファルマコン』を信じぬ、見慣れぬ旅人は間違いなくこの街に害を及ぼす叛逆者であり、弁解の余地は無い。
そして聖銃士達の声に更に周りのアドラステイアの者達が集まり行き……いつしか完全に退路を封じられた彼女は後ろ手に縛られ、囚われる。
『っ……やめろっ、離せっ!!』
ジタバタ暴れようとする藻、後ろ手に縛られて仕舞うと流石に満足には動けない。
……そして、そんな彼女が連れてこられるのは……見た目普通の家。
『さぁ、裁きの時までここに捕まっていろ! 助けを呼ぼうととも無駄だからな!』
そんな最後通牒を突きつけ、扉を閉める。
窓には外から板が打ち付けられ、光は差し込む事も無い。
そして内側から開く鍵も無い……そんな牢獄に囚われた彼女。
裁きの時が訪れれば、谷底に落とされるがのみ……しかし声も届かぬこの場所では、最早何もする事が出来ず、彼女は死へのレールが引かれたまま、待つしか出来なかった。
●
「……すい、ません……よろしい、でしょうか……?」
と、天義首都、フォン・ルーベルグの街の裏路地で声を出すのは、年の頃10歳位の少女。
そんな彼女の言葉に気付いた君達が振り返ると、少女、いや、ラヴィネイルは。
「すいません……今日もまた数人が、渓に落とされました。恐らく……明日も、明後日も……堕とされる事でしょう」
虚ろな表情の彼女……どこか嫌世的な雰囲気を見せる彼女だが……彼女の杞憂は現実の物となる。
「……えっと……皆様も知っているでしょうか……アドラステイア。ここに……旅人の方が潜入したのですが……連絡が付かなくなってしまったのです。恐らく……囚われてしまったのでしょう……」
悲しげな表情を浮かべるラヴィネイル……確かにアドラステイアに潜入した者がいつの間にか連絡が取れなくなるのは良くある事。
人知れず殺される不幸な者もいるが……今回の様に。
「……囚われた旅人は、このままでは……疑雲の渓へと連れて行かれ、突き通される事でしょう……そうなれば、万が一にも生きながらえる事はありません。どうか……彼女を救ってきて頂きたいのです」
ラヴィネイルが瞑目し、頭を下げる。
……救える命は救いたい……その気持ちは解る。
そして……。
「……恐らく囚われた彼女は、中層のどこかに囚われていると思われます。捕まった場所は、連絡を受けているので大方分かっては居るので、その近くだと思うのですが……どうか探し出して頂けると幸いです……宜しくお願い致します……」
と、再び彼女は、深く頭を下げるのであった。
- 異論捉えし鍵の種完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年06月30日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●天義のこころ
天義フォン・ルーベルグより遠く離れた海沿いの街、アドラステイア。
異なる神を心底より心酔し、外から訪れた者達とは決して相容れない者達が集まり、生活をするという……そんな閉鎖的な地域。
しかし……そんな土地に幸か不幸か、迷い込んでしまった旅人『ゼファー・リュイス』。
彼女が単に旅人であるからという理由だけで、彼女はアドラステイアにて罪人として囚われ、幽閉されてしまったのだ。
「やれやれ……全く。運の悪い女だぜ」
そんな彼女を救出してきて欲しいという依頼をラヴィネイルから受けた『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)は、大きく肩を竦める。
それにこくりと頷きながらウルリカ(p3p007777)と『友人/死神』フロイント ハイン(p3p010570)の二人も。
「ええ……本当アドラステイアも懲りませんね。そこまでして守りたい信教なのでしょうか」
「そうですね……僕も詳しい事は判りません。ですが……命とは、他の命を糧にしなければ成り立たないものです。しかし断罪の名の下に人々を統治する……このアドラステイアのやり方には、明らかに賛同しかねます」
ハインははっきりと言い下し、更に。
「末端の者を使い捨てにしていくこのような環境では、人材は育ちにくくなり、組織は物量の面でしか成長しません。組織や社会が成長する為には、個々人の『質』を高める必要があります。そして弱者や異端とされる者を保護することで、様々な可能性を模索し、自分達を更なる成長に導く事こそが、社会という仕組みの本懐……この様な事を繰り返すアドラステイアの未来は、閉ざされています。変容を受け入れなければ、学ぶ事は在りません」
理路整然と述べるハイン……その言葉を聞いて思い出すかの様に『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)は。
「……そうか、ここは反旅人の街だったな」
と一言零し、『こそどろ』エマ(p3p000257)も。
「そうですねぇ……この様に最近アドラステイア関係の仕事が沢山舞い込んできますし、嫌な雰囲気ですねぇ……」
勿論旅人が囚われたという事は……自分達イレギュラーズも、いつかはその毒牙に掛かる可能性が高いという事。
そんな旅人を見張るかの如く、街の人々の視線は常に監視の如く向けられている。
更に今回の依頼は、旅人を捕らえ監禁しているのは、ティーチャーの命に従う聖銃士の子供達……囚われの彼女を救うためには、この子供達を手に掛けねばならないだろう。
「まず、今回の依頼は救出依頼でございますね。見張りがいて、戦闘は避けられない可能性が高い様ですが……」
と、『与え続ける』倉庫マン(p3p009901)が息を吐くと、それに『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)が。
「そうだな。私も出来る限り子供たちの命は救いたい。だが……アドラステイアを壊滅させるために必要なら……仕方ないが」
と辛そうに言葉を紡ぐと、ハインも。
「ええ……静かに、しかし確実に、この街は破滅への道を歩んでいます。それを変える為にも、今回の任務は成功させねばなりません。何事も、一歩の歩みが肝要です。子供達は利用されているだけであり、その事は非常に腹立たしく、同時に犠牲にしたくないと思って居ます。ですが……場合によっては彼等を容赦無く排除する必要があるでしょう……何でしょうか。胸中に湧き上がる、このドス黒い感情は……」
胸に手を当て、目を瞑るハイン。
……子供が相手という事も在り、それぞれに色々と思う所があるのは、至極当然のこと。
とは言えこの事態を指をくわえていては、彼女は反逆者の濡れ衣を着させられて谷底に堕とされるのは間違いない。
だから……今此処でやる他に策はない。
「まぁ……可能ならば、消耗は避けたい所ですね、お互いに。しかしそれはそれとして、依頼の成功納品を第一に、っと……という訳で参りましょうか」
と倉庫マンが言うと、エマ、グドルフ、アーマデルの三人も。
「そうですねぇ。さささ、頑張ってお仕事しましょうか」
「そうだな! コソコソ隠れ回るなんざ性に合わねえが、仕事となっちゃあしかたねえ。サクッと終わらせて、とっととトンズラしようぜぇ!」
「探り当てるまでは堅実に、事を起こしてからは迅速に。そして……帰るまでが仕事、だな」
そんな三人の言葉に、『竜剣』シラス(p3p004421)は。
「ああ。丁度ここに都合の良いコレ、持ってたしな。ここぞって時だ、今こそ使い時って訳だ」
その手には、バスチアンとの密約によって力を持つ、偽造された身分証明書。
「やっぱ持つべきものは智、金……それにコネって訳だ。上手い具合に、これを活用させて貰おう……ってな訳で皆、準備はいいな? 行くぜ」
シラスの言葉に皆も頷き、そしてイレギュラーズ達は監視の目働く中層を駆けて行くのであった。
●疑念拡がる
そして……イレギュラーズ達は中層を歩く。
周りには多くの監視の目……神を信じぬ不届き者はいないか、を、聖銃士の子供達が問いかける。
勿論、声を掛けられた者は全てがその問いに頷き、ファルマコンを奉る言葉を紡ぐ。
……そんな異常なる光景が繰り広げられている中層において、イレギュラーズ達が発見しなければならないのは……彼女が捕らえられている、一般家屋を装った監禁小屋。
「とりあえず……皆の変装と、グドルフのカモフラージュは上手く言っている様だ。だがこれが何時までも続くとは限らないし……出来る限り早めに見つけ出さないとな」
そんなシラスの言葉に皆頷きつつも……取りあえず聖銃士の子供達の寄宿舎の場所を、街の人々に問いかける。
当然ながら寄宿舎の場所は、この辺りの町の人なら良く知っている場所……食べ物などを寄進に行く住民も多い様で、特段怪しまれる事無くその場所は教えられる。
そしてその場所に、忍び足と、気配を消しつつ近づいていくと……寄宿舎の周りで警備にあたる聖銃士の子供達の姿。
「寄宿舎はあそこか……となると、この近くに監禁小屋がある筈だな」
「そうですね……では、私が探します」
モカの言葉に頷き、ウルリカが眼を閉じる。
……うっすらと感じる、救いの声。
その声の方向が何処かをアンテナ高く察知し……とある方向を指し示す。
「あちらの……様ですね」
「了解……ああ、その様だな。護衛の子供達、あそこにもいるな」
ウルリカの指し示した方向にアーマデルが視界を向け、ぽつりと零す。
寄宿舎前よりも警備の人数が多い、極々普通の一軒家。
窓には板が打ち付けられていて、何処か重々しい雰囲気が漂う。
そして……そんな建物の中から感じ取れるのが、救いを求める声。
「……しかし、救いを求める感情……ですか」
「ん……どうされましたか?」
「いえ……戦うために作られた私たちには、この様なのは、身に覚えのない感情なので」
目を伏せるウルリカに、倉庫マンは。
「まぁ……確かにそうかもしれません。でも、人にすがりたい気持ちは、手を差し伸べる事で救われるのですよ」
倉庫マンの言葉にそうですか……と分かったような、分からない様な……複雑な表情のウルリカ。
ともあれ、あの建物にゼファーが囚われているのは先ず間違いないだろう。
「それでは、シラスさん……御願い出来ますでしょうか」
「ああ、了解」
ハインの言葉に頷きながら、シラスはバスチアンの力を借りる。
関係者に扮したシラスが聖銃士の子供達の下へと進み出ると……子供達は。
『……? 何か、ごようですか!?』
ちょっときょとんとしつつも、その身なりから敬礼をする。
そんな子供達に、シラスは。
「ご苦労。すまないが君達に、特別な仕事を御願いしたいんだ。ここの罪人など、君たちであれば二人も残れば十分さ……違うかな?」
と告げる。
聖銃士の子供達は顔を見合わせる……最初命令したティーチャーの命とは反するからだろう。
だが、更にシラスは一押し。
「大丈夫……これは君達が信頼出来る聖銃士だから言っているのだよ。ほら……君と君は護衛を頼む」
その二人を肩を叩き選出し、残る聖銃士を特別な仕事へと向かわせるシラス。
不審を抱きつつも、バスチアンの力のお陰もあり、従う子供達。
そして……護衛の数が二人になった所で、仲間達に合図を送るシラス。
それに応じ、アーマデルが仲間達と、聖銃士の寄宿舎とは別の方向でドカァァン、と大きな音を立てる
『な、何事ですかっ!?』
驚き戸惑う子供達……シラスが。
「わかりませんね……取りあえず君が確認に向かって下さい」
そう更なる指示を与え、護衛を更に一人そちらへと向かわせる。
……勿論陽動するアーマデルの方には、その護衛の聖銃士に、寄宿舎の聖銃士の子供達が向かう事になる訳だが……。
「……こっちをこういって、こう……と」
事前に綿密に調べておいた戻りのルートを、周囲に漂う霊達から情報を集めておいて、いつでも臨機応変に逃げられるように道筋を組み立てる。
聖銃士がアーマデルを見つけ追撃に動き始めれば、アーマデルは絶妙な距離を保ったままに逃げていく。
……そして、かの家の前には残る聖銃士が一人だけ。
『あの……ど、どうすれば宜しいのでしょうか?』
とその子供はキョロキョロ周りを見て落ち着かない様子……だが、そんな彼に。
「全く……信じるなって。そんなんだから利用されんだよ」
今迄の口調から一変、素のシラスに戻ると共に……子供の首元にコツンと不殺の一撃を繰り出す。
『え……ぁ……ぅ……』
その場に気絶し、倒れる少年……そして潜んでいた仲間達を手招きするシラス。
「いひひひ。中々縁起が上手かったですねぇ」
笑うエマだが、時間が無いのは分かって居るのでちゃっちゃとその家の扉の解錠に取りかかる。
鍵の様なもので施錠されているだけの様で、鍵穴をガチャガチャしていれば……パチン、と鍵が開く。
そして鍵を開けると共に、扉を開けば……後ろ手に縛られている、赤髪の女性の姿。
『お、おいっ! なんだあんたらはよ!!』
流石にこの様な状況……聖銃士の仲間だと思われても仕方ない事だろう。
そんな赤髪の女性にモカは。
「あなたは囚われたという旅人だな? 助けに来た」
『え? ……ほ、本当か?』
一筋の光明に目を輝かせる彼女……そして後ろ手に縛られている彼女の拘束を解くモカ。
……だが、その瞬間。
「チッ……早速来やがった」
舌打ちし、家の中に声を書けるグドルフ。
聖銃士の数人が、寄宿舎前で倒れる仲間を発見し……敵襲だと考え駆けて来る。
幸い数人のみで、ティーチャーも聖獣も居ない……だが、時間の問題なのも確か。
「拘束解除には少し時間がかかりそうですねぇ……なら、さっさと倒しちゃいましょうか」
「そうですね……避けられないのなら仕方ありません」
エマと倉庫マンが頷き合う、そして久遠ルフとハインの二人が前に立ち。
「さぁ、お祭り騒ぎだ。ド派手に行こうぜぇ!!」
と大きな声を上げてルドルフが注目を引き、近づいてきた子供達を精神力の弾丸で撃ち貫く。
足元を掬われ、立ち止ったり転倒する子供……そこに、倉庫マンが更に。
「敵といえど、人は大変に需要が在る物資で御座いますから、いたずらに消耗しないに越した事はありません」
と神なる光を放ち、子供達の大多数を無力化していく。
しかし、全てを無力化しきることは出来ず、到達した敵陣に対してはシラスが華麗な技を繰り出し敵の怒りを惹きつけた上で、そこへウルリカが。
「スナイプ、そしてエアハンマー、と」
とタイミングをずらして敵の不意を撃つ一撃を繰り出す。
更に倒れる子供達……残った子供らは。
『き、貴様等、何者だっ!?』
と、威勢を張った声を上げる……それにウルリカは。
「私は、あなたたちが一方的に嫌う旅人ですよ。ですが、あなたたちでは捕まえられませんねぇ」
肩を竦めるウルリカに、何をぉお、と怒りを一層燃え上がらせる聖銃士の子供達。
……しかしながら、流石に手練れのイレギュラーズ達と、訓練中の聖銃士……人数が倍程度でもない限り、彼等が優位に進められる訳もない。
「まぁ……出来る限り痛くしない様にしてあげますよ。でも……暴れたら分かりませんけど、ヒヒヒ」
笑うエマの言葉に子供達は一抹の恐怖を覚える……だが、誇り高き聖銃士の一員として、ここは退く事は出来ない。
そんな聖銃士の子供達を的確に不殺の一撃で抑え……ゼファーの拘束解除の時間を稼ぐのであった。
●逃げ道
「これで……良し、と。取りあえず、一陣は一旦抑えられた様ですね」
「ああ、そうだな……」
周囲を見渡しながら、ウルリカとシラスが頷き合う。
気絶しているのも、死んでいるのも居るものの……目に付く範囲においては動く影はない。
そして……。
『はぁ、はぁ……な、なんなんだよこれはよ……』
拘束を解かれた旅人『ゼファー』は、目を白黒とさせながら悪態をつくと、それにグドルフは。
「はははっ! 今日は人生最悪の日と、人生最高の日が同時に来たってところかい。いやまったく、このおれさまが居なきゃどうなってた事か。まったく、運が良かったねェ、ゲハハハ!!」
声高らかに笑うグドルフ……ゼファーはもう、何がなんだか……と肩を竦める。
……と、そうしていると。
「おい! お前達、何してるんだ!!」
「脱走者だ! 脱走者がいるぞー!!」
ティーチャーと子供が大きな声を上げ、騒ぐ。
その声を聞きつけ、更に別のティーチャーと聖銃士の子供達が、再び集まりつつある。
『チッ……また来てるじゃねえか!!』
舌打ちするゼファーに、モカが。
「こっちに逃げろ……今は説明している暇はないからな、黙って付いて来るんだ!」
と言いながら、ゼファーの手を引っぱり、追っ手の影とは逆の方向に逃走。
……中層の門をすり抜け、下層、そして……アドラステイアの外まで数十刻の内に逃げ果せた所で、再び一息を付く。
「ここまで来れば大丈夫だろう……」
「そうですね……」
モカに頷き、そしてウルリカは。
「……ゼファーさん。脱出したばかりでまだ整理ついていないかもしれないけれど、今の内に聞いておきたい所があります。監禁されている途中で、何か話を聞いたりしましたか? 聖獣とか、ティーチャーと聖銃士の教えとか……細かい所でも構いません」
とのウルリカの問いかけに、ゼファーはえ、と一瞬顔を驚かせながら。
『そ、そうだな……あいつらは、アタシの事を反逆者だ、反逆者だってずっと言い続けてた。ファルマコンを信じるなら、考えてやっても良い、って……でもファルマコンなんて、アタシは良く分からないし、そんなの信じられる訳がないって言ったら、更に怒ってきたんだ』
「そうですか……そのファルマコンについて、どういうものか、とかは?」
『いんや……偉大なる神だ、と繰り返すばかりで、何にも分からないさ』
「そうですか……分かりました、ありがとうございます」
やはし心底から信じる事しかしていない彼らは、神様がどういうものなのかも知らない……という事なのだろう。
……そんなもやっとした気持ちを抱きつつも……ともあれ彼女を救出出来たのは事実。
「とりあえず、首都まで送っていきますよ。ここに居るのは、まだまだ危険が伴いますしね」
とエマの言葉にアーマデルも。
「そうだな……ほら、こっちだ」
と、彼女を促し、アドラステイアをイレギュラーズ達は後にするのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
アドラステイアへの潜入、お疲れ様でした。
今回はアイテムの効果もかなり効果的だろうと判断出来ましたので、大規模な戦いにはならずにすみました。
とは言え今後彼等がそれに対する対策を討つとも限りません……ご注意下さい。
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
アドラステイアに潜入している旅人が、囚われてしまった様です……明日は我が身、かもしれません。
●成功条件
アドラステイア中層の一角で囚われの身となる旅人『ゼファー・リュイス』さんを救出する事です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●周りの状況
舞台となるのはアドラステイア中層になります。
中層への潜入自体は、中層への通行手形は用意されますので、そこはご安心ください。
とは言え中層を歩き回れば皆様も同様に捕まる可能性があるので、出来る限り身を隠しながら彼女を救出する事が必要です。
彼女が捕まっているのは、中層に良くある普通の家に監禁されています。
窓に板が張り付けられ、外から光は差し込む事無く、更に音も殆ど外に出てこないという場所です。
逆に言えばそんな状態の家は普通の家ではないので、街中を調べていけばここを見つける事はそこまで難しくはないでしょう。
とは言え、家の周りには逃げないよう聖銃士の子供達が警備についているので、彼等を倒さない事には救出する事は出来ません。
勿論何か不審な事態があれば先生(ティーチャー)と、ティーチャーが呼び寄せる『聖獣』が出てくる事でしょう。
そんな敵陣を騒ぎにならない様に対処すれば、彼女を家の中から救出する事が出来るでしょう。
勿論……逃走中も捕まる可能性はありますので、救出後の警戒もお忘れ無く。
●討伐目標
・アドラステイア中層で警備に当たる『聖銃士』の子供達。
中層でティーチャーの教えの下、『ファルマコン』に認められる為に頑張っている子供達です。
武器は子供からすればちょっと大きめの『ロングソード』と鎧を装備しています。
子供と言えどしっかりと訓練を受けている為戦闘能力は高めです。
人数は最初は3,4人程度ですが……救援を求められると、近くの寄宿舎から次々とやってくるので、人数は加速度的に増えかねません。
なので、出来る限り彼等を出来る限り静かに倒す事が必要となります。
・聖銃士を率いる『ティーチャー』と呼び出されし『聖獣』
子供達を指導するティーチャーです。
聖銃士達を利用し、対峙する敵を次々と殺すべく動きます。
又最優先で『聖獣』を呼び出し、次に寄宿舎の聖銃士達を呼び寄せるので、彼が登場したらすぐに対処為ないと敵の数が倍々に増えていく事態になりかねませんので、特に注意が必要です。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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