シナリオ詳細
和風家屋と淡き光の動物達
完了
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オープニング
●家屋の中で待っている
日本、現代の様式で建てられている和風とよばれるであろう広い家屋。
窓から外を見ても白い霧か霞に覆われていて遠くは見えないこの空間で、そこかしこから声がする。いや……恐らくは『誰も訪れない時は声はしないし、1人の人間には一部の声しか聞こえないかもしれない』が、どんな声がするかを記しておく。
例えばにゃあ、にゃあ。あるいはわんわん、くぅん。隅っこから、ぴよ。
この家屋は普通の家ではないのである。家の亡霊、迷い家の亜種とでも言おうか。しかし概ね害はない。淡い光のような姿をした不思議な存在が迷い込んで出られなくなり、訪れる人間の存在を反映して無害な動物の姿を取り、交流と迎えに来てもらうのを…邸宅の外に出してもらえるのを待っている位だ。
ただ一つ問題があるとすれば。訪れる人間が一人もいないという事であろう。
彼等は待っている。部屋の隅の物陰で、家具の裏で、物置の隅で、天袋(押し入れ上部の戸棚)の中で……訪れる誰かを待っている。
迎えに行けるのは、外に連れ出してやれるのは……きっと、君達しかいないのだ。
●訪れ、ふれあい、送り出す
「今回皆様に行っていただきたい書物は、不思議な存在や事象等も存在する現代日本風の世界。ある特殊な空間に、広い和風家屋があり……そこにいる動物を迎えに行ってほしいのです」
ライブノベルの世界から来ている境界案内人は別として、ライブノベルの世界から生物を連れ出すのは……と思う者もいるかもしれないが、その心配はないようだ。
「厳密には普通の動物ではなく、不思議な存在……妖怪や精霊のようなものと言いましょうか。本来は淡い光のような姿なのですが、この家屋に迷い込んでしまったそれらは透明になってしまい、単独では出られなくなる」
彼等が出る方法は1つ……訪れる人間に助けてもらう事だという。
「何故か彼等は『訪れる人間の存在を一部なりとも参照・反映して動物等の姿になる』性質を持ちます。
動物の姿の時は発見できますので、彼等を見つけ出し、望むならふれあい…連れ歩くなどして家屋の外へ連れ出してあげてください」
動物の姿をした彼等は、訪れる人間に抱きかかえられる・一緒に歩く等すれば家屋の外……玄関口から外へ出られるようだ。外へさえ出られれば彼等は家屋から解き放たれ自由になる。少しすれば淡い光に戻り、いずこかへと帰っていくだろう。
「この家屋がいつからあるかはわかりませんが……長い時を経て、家屋のある空間が特殊になりすぎたのでしょう。普通の人間はほとんど迷い込めなくなってしまいました。
今は稀な訪れ人を待つしかない彼等を…迎えに行ってあげて下さい、特異運命座標(イレギュラーズ)」
よろしくお願いしますと、境界案内人は頭を下げ、書物の世界へ君達を導くのだった。
- 和風家屋と淡き光の動物達完了
- NM名往螺おとき
- 種別ラリー(LN)
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年06月26日 22時05分
- 章数1章
- 総採用数10人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
「わぁい、和風家屋だ!」
玄関口からわくわくしながら入るヨゾラ。誰もいないのかな、と辺りを見回すが……実際誰もいないようで。
ここぞとばかりに探検しようと木製の長い廊下を進む。猫がしゅたたたーって走れそう!と思っていると、にゃー……と声がして。
「にゃーって!にゃーって猫の声が!」
猫好きのヨゾラは歓喜して、どこにいるのかなと和室に入って辺りを探す。そーっと押し入れの戸を開けてみると……ふわふわで愛らしい銀色の猫が、彼を見上げてにゃあと鳴いた。
可愛いなぁ、撫でても良い?と手を伸ばせば、ごろごろ喉を鳴らしながら撫でさせてくれて。
よく見れば、ミッドナイトブルーの模様が所々に入っている猫である……その模様を見て、まるで僕みたいだね、とヨゾラは微笑む。
「いや僕より猫の方が愛らしいんだけどね!猫ー!」
猫はヨゾラに懐いているようで、一緒に座布団で添い寝したり、猫じゃらしにも飛びついてじゃれる。
そろそろお家…じゃない、お外に帰ろうか、と声をかけるとにゃあと応じた。
優しく抱っこして、玄関から外へ連れ出す……外で少し歩けば、猫は淡い光へと戻り始めた。
帰る時間なんだねとヨゾラが少し寂しそうに撫でれば……にゃあと感謝するように鳴いて、淡い光は空へと飛んでいく。遠くには星空が見えるような気がした。
「ありがとう、猫な光さん。それじゃ、またー!」
飛んでいく猫な光へ、ヨゾラはそっと手を振るのだった。
成否
成功
第1章 第2節
次に和風家屋を訪れたのはトストとスコル。
気になるのはやはり、各々の性質に沿った動物の事で。
「スコルくんの子はどんなだろうね」
「入った人に沿った動物か……という事は自分に沿った動物って狼とか?」
トストの言葉にそう答えつつ、うーん、想像つかない……とスコルは考える。
2人入るなら、動物は2体。
入った人に沿った動物の姿になる……ってことは、やっぱり大山椒魚がいるのかな、とトストは思う。丁度同じ事をスコルも考えていたようで。
「トストの子はやっぱり山椒魚か? ちょっと探してみようか」
その言葉にうん、と頷き、2人は家屋を歩き、動物を探し始める。
障子を開ければ、和室の居間。
隅に積まれた座布団の裏から物音がする事に気付いたトストがそっと覗いてみると……もふもふした動物が飛びついてきたので、トストは驚きひっくり返ってしまった。
犬、いや、狼? ……狼のような雰囲気の犬は、どことなくスコルを思わせて。
「ふはっ、く、くすぐったいよ!」
犬はトストの匂いを嗅いだり、顔を舐めたりして懐いている。
ずいぶん懐っこい子だ……そう思いながら優しく撫でれば、犬は嬉しそうに尻尾を振りトストを見てくる。
(うーんと、ちょっと気づかなかったけど。押し入れに居るの……もしかして……)
一方、スコルが気になったのは押し入れ。
戸を開ければ、愛らしい目をした小さな大山椒魚がいる。
「あ、やっぱり山椒魚だ」
確かにここならしっとりしてるし居心地がいいのかも……とスコルは考え。
「……ほら、おいで」
そっと抱き上げれば、大山椒魚は彼に懐いたのか、スコルの腕に身を寄せる。
「……嫌がらない、な」
嫌がらないなら連れ帰っても……いや、でも……と、少し悩んだ後、声をかける。
「まぁ、あっちにトストも居るし、一緒に遊ぶか?」
懐いてくる犬を抱っこし撫でていたトストは、大山椒魚を抱いて戻ったスコルに微笑む。
「あは。じゃあ、このこはスコルくんの子かな? その子もスコルくんの腕が心地良さそうだね」
互いの動物は、腕の中で居心地よさそうにしていて。しかしスコルは大山椒魚を心配していた。
「居間はあんまり湿っぽくないけど大丈夫? あんまり乾くなら早めに帰ろう…家に」
家に持ち帰る前提で話すスコルに、しばらく居間でのんびり遊んだら、外に出よう、とトストは犬を撫でながら言った。
そして、少しの間彼等は居間で(探したらボールなどもあったので)遊び、楽しい一時を過ごして。
玄関口から外へ出れば……犬と大山椒魚は少しずつ光の姿に戻り、寂しそうに2人に手を振り、白雲の多い優しい青空の果てへ飛んで消えていく。
「……消えるんだった……」
消える光達を見送りながらも、寂しそうにトストに抱きつくスコル。
「光になって……消えていくのは綺麗だけど、やっぱりちょっと寂しいね」
トストは優しくスコルの頭を撫で……やっぱり狼に似てるね、と思うのだった。
成否
成功
第1章 第3節
「お邪魔、します……。」
そっと声をかけてから、家屋に上がり込むルリア。
あまり見たことのないおうちですが、見つけられるでしょうか、と思いながら和風建築……普段見る家とは違った風情の家屋の中を探す。
障子を開けて部屋に入れば、畳のある和室。
(畳、は良い香りがしているので好きです。)
香りも気になるが、為すべき事は動物探し。聞いていた話の通りに家具の影や物置等を探す。
「出てきて…怖くないからね。」
そう声をかけ、箪笥の物陰を見ると……可愛らしく儚げな薄い青色の猫が声に応じたかのように姿を見せた。
広間に移動して……座布団の上に座り、そっと猫を自分の側に寄せる。
叶うなら、とルリアは猫を優しく抱き上げて自身の膝の上に乗せ、優しく頭や背を撫でた。
「大丈夫、ちょっと落ち着いたら一緒に外に出ましょうね。」
その声に安堵したのか、薄青の猫はルリアの膝の上で丸くなり、ごろごろと喉を鳴らす。
落ち着いてくれた猫を抱きかかえれば、嬉しそうににゃあと鳴き。そのまま抱えて玄関口から外へ出る。
光に変わるまで腕の中に……と思いながら腕の中の猫を見て。最後に一度、ぎゅっと優しく抱きしめてから、光に戻りゆく猫を送り出した。
ルリアの方に振り返って手を振った猫は完全に光になり、青空へと飛んでいく。
「……有難う、何処かでまた会えたら……。」
いつの日かの再会を願い、ルリアは空の彼方に去っていく光を見送るのだった。
成否
成功
第1章 第4節
「俺っちに沿った動物なァ。 さァて、何が出やがるかねェ! ケッケッケ!」
ニンマリ笑って和風家屋に入るのはクウハだ。
「バケモノ屋敷って感じじゃあねぇが、いい雰囲気の屋敷じゃねェの。」
まずは和室、畳の上でゴロ寝を満喫。良い香りの畳は寝心地も良い。
暫く満喫した後、気が向いたので台所へ。コンロや調理器具等が揃っている中で……戸棚からピィピィと鳴き声がする。
「こいつァ、ヒットだ!」
ニャアアアオーン♪と鳴きながら戸棚を開けると、紫色のカラーひよこがピヨピヨ鳴いていた。
「オウオウ、騒ぐなって! ケッケッケ! 食ったりなんかしねェよォ。」
俺ちゃん善良な幽霊サマだぜェ? と笑うクウハは「そもそもオマエ、食えんのか?」と素朴な疑問を呟く。
光が変化した動物を食べられるかはわからず……食べる気もなかったクウハはそっと手を伸ばす。
「出てェんだろォ? ほーら来い来い。」
肩に乗せて外まで連れてってやる、という言葉を信じてひよこは近づき、クウハの手に乗り、肩に乗り。
「外にでたら景色が異界に! なんてことになったら面白ェが、どうだろうなァ?」
ニンマリ笑うクウハに、ひよこも笑ってピヨピヨ鳴くのだった。
玄関口から外に出れば、異界さを感じさせる紫がかった空の下で。
「気ィつけて帰れよ、御同類! また会ったらヨロシクなァ。」
ひよこが手を振って光になり、飛んで消えていく姿をクウハも手を振り見送るのだった。
成否
成功
第1章 第5節
「可愛い動物が待っているというのなら行かない理由はない……こほん。」
玄関口からそっと入っていくアンナ。目的は動物救出である。
「まあ、別世界であっても助けを求められて無視してはイレギュラーズの名折れだものね。ええ。」
さて、どこにいるのかしら……と、和風家屋の中を探索開始。長い廊下を歩き、和室に入る。
(ケージから脱走した子を探すみたいね。押し入れとか開けつつ、適当に鳴き声を真似しましょう。)
にゃーにゃー、わんわん、ぴよぴよと鳴き声を真似て探し続ける。
……別の人とバッティングしなくて良かった、と心から思いながら、何個目かの戸を開ければ。愛らしいひよこがぴよ、と顔を出した。
そっと指でひよこの頭を撫で、頬擦りしてみれば黄色の毛並みはふわふわで。
鼻とくちばしをくっつけてみれば、ひよこは嬉しそうにぴよと鳴く。
(一通り楽しませてもらってから外に出ましょう。)
ひよこに声をかければ懐いた様子で膝に乗ってぴよぴよ。一緒のひと時を楽しむアンナであった。
ひよこを連れて外に出れば、涼やかな青空が広がっていて。
「もう迷子にならないようにね。」
アンナの方を見上げてから光になって空へ飛び消えていくひよこを見送る。
(……いえ、もう一度迷ったらまた会えるのかしら……?)
そう思った時、空の彼方で光が煌めいた気がした。次に来た時に会えるのがまた迷ったひよこか、それとも別の子なのかは……きっとその時次第。
成否
成功
第1章 第6節
次に訪れたのは文。
「さてさて、何処に隠れているのやら。これだけ広いと探しがいがあるね。」
それにこの家の中を歩いていると……なんだか懐かしい気持ちになってくるよ、と思いながら和室を探索。ふすまに布団、畳に箪笥。懐かしくなるのは、見慣れた家具ばかりだからかな……と思いながら。
(これで霧が晴れていたら、もっと良い景色が眺められただろうに。)
窓の外には白い霧。動物を連れて外へ出れば別の景色も見られそうだが……。
ふと、視界の隅を見れば。ふすまの裏に何かが隠れているようだ。
「おや、そこに隠れているのは誰かな?」
ふすまの裏をそっと覗けば、愛らしく小さな日本犬がわんと鳴く。
「よしよし、見つけた。これで依頼は完了だね。」
このまま犬を連れ外に出れば完了……ではあるのだが。
(しかしこのまま帰ってしまうのは些か勿体無い気がするな。)
そう考え、文は日本犬を優しく撫でながら声をかける。
「ねえ、小さい君。申し訳ないのだけれど、もう少しだけ僕の散歩に付き合ってはくれないかい?」
実は此の家の造りに興味があってね。色々と歩いてみたいんだ、と提案する文に、犬は尻尾を振りながら了承するかのようにわんと鳴く。
文が家屋の中を歩けば、犬はついてきてくれて。
「ふふ、もし他の子が近くにいたら教えておくれ。」
嬉しそうに尻尾を振る犬と一緒に和風家屋を散歩し楽しむ文。外に出て青空の下で犬を見送るのは、もう少し後の事。
成否
成功
第1章 第7節
「これはこれは…なかなか趣のある建物だね」
和風家屋を訪れたのはヴェルグリーズ。
さて、まずは動物たちを探さないとね……と思い、探索を開始する。
「うーん、でも気配はするけど姿は見えずといった感じだね」
しばらく歩き回って見ようか、と廊下を歩き、和室を巡る。
「こっちは…縁側かな?」
縁側の外は白い霧に包まれているが、縁側や隣接する和室に問題はなさそうだ。
でも縁側に面した和室というのはなんだか寝転びたくなる魅力があるよね……と思い。
「……少しくらいならいいよね……、よっと」
畳の上に寝転がる事にした。
(うーん、気持ちいい。寝るわけにはいかないけど少しごろごろしようかな)
寝転がったまま、外に目を向けるとある事に気付く。
「ん? 梁のところに止まっているあれは……ふくろう……かな?」
ふくろうは彼に気付くと首を傾げてほぅ、と鳴いた。
「なるほど、あれが例の動物か。ほらほら、こっちにおいで」
呼んでみれば、ふくろうは羽ばたきヴェルグリーズの傍へ。少し小さい……ミニふくろうだ。「ふふ、かわいいな」と微笑めば、ふくろうもどこか嬉しそうで。
少しの間、ゆっくりとふくろうを撫でつつのんびり休憩のひと時を過ごして。
ふくろうを連れて玄関口から外に出れば、外には綺麗な星空が見えた。
「楽しい時間をありがとう、元気でね」
彼の方を見てから光になり飛んでいくふくろうを、ヴェルグリーズは手を振り見送るのだった。
成否
成功
第1章 第8節
「カムイカグラみたいな家ですよ。此処には何があるんですよ?」
入ってみるとするですよ、と和風家屋に入るのはブランシュ。
廊下を歩き、和室を巡ると……聞こえる声がする。
「どこかでにゃーにゃー鳴いてる声がするですよ。」
鳴き声の元を探って和室に入れば……おお、これはコタツというやつ。にゃーにゃー鳴く子が大好きなもの!
ブランシュがコタツの布団を捲ってみると……
「いたですよ! 可愛い子猫ですよ!」
いい子だから出ておいでーですよ、と声をかければ。愛らしい白い子猫がコタツの外へと顔を出し、青色の目でブランシュを見上げる。
「ちょっと他の人に比べて油臭いかもしれないけど、我慢して欲しいですよ。」
レガシーゼロってそういうものですよ、と言いながら撫でれば子猫はもっと撫でてほしいとすり寄り。
猫じゃらしでじゃらせば元気にじゃれついて。
「コタツで一緒に丸くなるですよ」と誘えば子猫は喉を鳴らし、1人と1匹は一緒にコタツで丸くなってお昼寝。
色々とのほほんとした時間を味わい……それでも、別れの時は来る。
お仕事だから最後に抱っこしてお外に連れ出すですよ、と優しく抱っこすれば子猫はわかっているかのようににゃあと鳴き。
外へ出れば、ブランシュの方を見て喉を鳴らし、光になって消えながら飛んでいく子猫。
「少し悲しい気持ちになったですけど、また会いたいですよ。」
ブランシェは子猫を見送りながら、そう思うのだった。
成否
成功
第1章 第9節
「ふむ、私が元居た世界にもこういう感じの建物がある国があったな」
和風家屋を訪れたゲオルグは、召喚される前の過去を懐かしみ……。
「おっと、いつまでも昔を懐かしんでいるわけにはいかんな」
人が訪れなければ出ることが叶わないなんていくらなんでも可哀想だ、早く見つけ出してあげなければな……そう思い、指先で魔法陣を描く。一緒に動物を探してもらう為、自身のギフトでふわふわ羊のジークを呼び出した。
ジークを手に優しく乗せ、ゲオルグは家屋の探索を開始する。
廊下や和室を巡り、途中でジークの様子の変化に気付き。
(なんだか、ジークがしきりに押し入れを気にしているような気がするな)
もしかしたらここにいるのかもしれん、とそっと戸を開ければ……ジークに近い大きさ、手乗りサイズのふわふわ羊がめぇと鳴いた。
「ふふ、やはりここに居たのだな。さぁ、私達と一緒にいこう」
もう片方の手を伸ばせば、羊は飛び乗り嬉しそうにしている。
(だが、少しくらいはもふもふしてもいいのではないだろうか)
手の上の羊達を見て、少し迷った後……
「折角会えたのにすぐにお別れというのも寂しいし、少し縁側で日向ぼっこしてから帰るとしよう」
そう声をかければ、ジークも羊も嬉しそうにめぇと鳴く。
縁側の少し外は霧で覆われていたが、珍しく日の光が差し込んだようで。ゲオルグとジークと羊は、帰る時まで少しだけ日向ぼっこともふもふタイムを楽しむのだった。
成否
成功
第1章 第10節
幾人ものイレギュラーズの訪れにより、動物達は皆外に出る……帰還する事ができた。和風家屋のある空間は、さらに特殊化が進んだ事がライブノベルを見た境界案内人により確認され……誰かが迷い込むことはなくなるかもしれない、との事だ。
和風家屋の周辺を包む白い霧はさらに濃くなり、イレギュラーズや動物達が外に出た事もある玄関口をも覆いつくし。
家屋すら見えない白い霧で包まれた空間を、遠くの空から数多の淡い光が見つめていた。自由になった彼等は、外へ連れ出してくれたイレギュラーズに感謝するかのように瞬き、いずこかへと去っていく。
また会える日も、いつの日か訪れるだろうか……その時はきっと、別の場所で。
NMコメント
ラリーを書くのも数ヵ月ぶりでしょうか。
お久しぶり、または初めまして。NM、往螺おときと申します。
和風家屋を訪れ、動物達をもふ……迎えに行ってあげて下さい。
●和風家屋
白い霞に覆われた、和風家屋。
内部構造は訪れる度に変わるようです(イレギュラーズの意識を反映するのかもしれません)が、現代日本にある和風の家屋にあるものは大体あると思っていいです。
和式の広間、押し入れに天袋、布団の敷かれた寝室……台所の一部等は純和風とはいかず現代風の要素も入っていますし、電化製品の類もあるかもしれません(テレビやラジオ等は使っても砂嵐になる事でしょう)。
お茶や茶菓子等の飲食物もあります。食べても問題ありません。
玄関口が入口にして出口。入った時はここからスタートです。
動物達と外に出れば……白い霞以外の風景も見えるかもしれませんね。動物達は淡い光になって帰っていく事でしょう。
●目標
和風家屋を訪れ、動物達(淡い光が姿をとったもの)を迎えに行き、家屋外まで連れ出す事。
一時的になら家屋内で共に過ごしても構いません(じゃらす・追いかけっこ・添い寝等も可)が最終的には外に連れ出してあげてください。
●(淡い光の)動物達
家屋に迷い込んだ淡い光(精霊や妖怪のようなもの)が、人間に見える形をとったもの。
性質は(イレギュラーズの性質にも影響は受けますが概ね)温厚。おとなしいものも、遊んでほしいものもいる事でしょう。
固有の呼び名はないようです。好きに呼んであげて下さい。
訪れるイレギュラーズそれぞれの思考や資質を一部なりとも反映し、可愛い動物の姿で隠れて待っています。
鳴き声やかりかりひっかく音等が聞こえるかも。
必ず獣という訳ではなく、鳥や爬虫類などの姿をとるものも。
全ての要素を反映はせず、抱きかかえられる程度の大きさの動物になります。一部動物は正しく反映されずにアレンジされることも。
虎やライオン、狼等の中型以上の動物は近い姿をした動物の小型化になります(虎等なら近い柄の猫、狼なら狼っぽく見える小型犬)。鶏は何故かひよこに、大型の鳥は小さな鳥に。
●プレイング・執筆について
全1章予定。1週間以上、6月24日までは続ける予定です。25日か26日に終了となります。
基本的には単独描写となる為、グループ参加の場合は互いにグループ名か同行者の記載をお願いします(互いに確認されない場合は単独描写になる事があります)。
今回はプレイングに『動物の種類や姿など』の希望を(グループで参加する場合は人数分出るのでそれぞれの希望を)書いていただけるとありがたいです。
ない場合はNMのアドリブで何かしらの姿をとります。猫になる事が多いですが他の動物になる事もあるかも。
当ラリーにおいては家屋や動物への攻撃(毒等含む)はしないようお願いします。
また、人物に関してはご本人とグループ同行PCさん以外(NPCや同行していないPCさん等)の描写は行いませんのでご注意ください。
●サンプルプレイング
動物希望:猫(雉白)
家屋を訪れてみたが……なかなか広いな。まずは家の中を探索だ。
おや、何やら鳴き声が? 天袋の中にいるのか…椅子等を足場にして覗いてみよう。
雉白猫だな、鳴き声は愛らしい。抱っこさせてくれるだろうか。
撫でたりじゃらしたり、抱っこさせてくれるなら抱きかかえながら、家屋の外まで一緒に行こう。
おや、猫が淡い光に……
「別れの時か。気を付けて帰るんだぞ……また会えると良いな」
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