シナリオ詳細
「領地で生まれたゲーミングカジキマグロが弾正の領地に飛んで行ったので必殺カジキマグロコイおどりで回収しようと思うのだが」byアーマデル
オープニング
●IF、もしも
ある日突然、あなたの領地にカジキマグロが生えたらどうしますか?
それも……とびっきりカラフルで、
とびっきりキラキラ光っていて、
とびっきりイキがよくて、
とびっきり高く打ちあがって、
しかも、そのうえ……、
飛んでいった先が隣の領地で、そこの領地は、カジキマグロの名産地。
●これが俺たちのリアル
「最近領地を拡張(四番目の区画を取得)したのだが」
領主の少年Aこと、『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)がまるで怪談でも始めるみたいなノリで切り出した。
「開拓を始めようとしたら、夜中にとつぜん地面からカラフルに光るカジキマグロが湧きだして」
それはホラーですね、そんな現象ふつうないでしょう。
情報屋はそう思ったが、考えてみれば領地というモノは空からぱんつが降ることもあるという。
ならば、地面からカジキマグロが湧くこともなんらおかしな現象ではないのかもしれない。
だって、同席する『残秋』冬越 弾正(p3p007105)も「奇遇だな。うちの領地もカジキマグロでにぎわっている」と相槌を打っているし――。
「保護者(イシュミル)はなにもしてないと証言している」
本当かどうかはしらんが、と言いつつ、アーマデルはイシュミルを信じているようだった。だって、お隣さんである弾正の領地にも生えてるし。そういう土地なのだろう……。
「カラフルに光るカジキマグロに、俺は名前をつけた。ゲーミングカジキマグロだ」
「イメージしやすいな」
弾正が「わかりみが深い」って感じの顔でウンウンと頷いている。
「さて、そのゲーミングカジキマグロだが、収穫しようとしたところ、空に打ちあがった」
アーマデルはその光景を語る。
「打ち上げ花火のようにヒューンッと。物凄い勢いで跳んだ」
これには弾正も驚いた。
「カジキマグロは、打ちあがらないだろう?」
「うちの領地産のゲーミングカジキマグロは打ちあがったんだ」
アーマデルはふんすと言い返してから、テーブルの上で両手の小指と小指をつんつんした。
「それで、言いにくいことなんだが――申し訳ないことに、ゲーミングカジキマグロは常山(弾正の領地)に落ちていったようなんだ……弾正の領地のカジキマグロ畑、大丈夫か?」
「なるほど、俺の領地に。それなら回収するのも容易い。メンバーを集めてカジキマグロコイおどりをすればすぐに問題は解決するだろう」
弾正は余裕たっぷりにそう言った。
「あのカジキマグロコイおどりを?」
アーマデルが目隠しの内側で目をカッと見開いた。
「カジキマグロコイおどりは、秋永一族がカジキマグロと格闘するうちに編み出した対カジキマグロ用の必殺音頭(おどり)。あれさえ踊ればどんな暴れカジキマグロとて、たちまちおとなしく収穫されること請け合いだ」
弾正はスパダリオーラを漲らせて、高らかに宣言したのであった。
「ここに、ゲーミングカジキマグロ回収のためのカジキマグロコイおどりチームを結成する!」
- 「領地で生まれたゲーミングカジキマグロが弾正の領地に飛んで行ったので必殺カジキマグロコイおどりで回収しようと思うのだが」byアーマデル完了
- GM名透明空気
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年06月03日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●『残秋』冬越 弾正(p3p007105)がナレーションを響かせている。
Ladies and gentlemen, boys and girl. In just a few minutes, we will proudly present, Zyouzan mountain KAJIKIMAGURO KOI dance!
Everybody clap your hands! Everybody stomp your feet!
皆リズムにノッてるか?
「夫が見ております……」憂い含みの色香が匂いたつような儚げな『えにしを縫う乙女』弟橘 ヨミコ(p3p010577)が楚々とした仕草で頬に手を当てて合いの手を入れている。初の通常依頼への参加です……そんな声を聞くと、民は「この幸薄そうな綺麗なお姉さんに頑張ってと応援したものか無理しないでと同情したものか」といった顔をした。領主弾正は迷える民に道を示す――そりゃもう迷わず踊って頂けと。
これが 常山 KAJIKI MAGURO KOI dance!
踊るアホウに見るアホウ 同じアホなら踊らにゃソンソン!
早速ふり付け覚えてみようよ、3、2、1、GO!
「おじいちゃぁん、あのひとだぁれ」
「坊、おぼえとけ。あの方こそこの領地の領主様じゃ」
そんな民に向け、弾正はポーズを決めた。
「キラッ!」
ふふ……こんなに何もかもが分からない経験は初めてだ。
『ベンデグースの赤竜』シャールカーニ・レーカ(p3p010392)はチャーミングな赤い瞳で混沌の空を仰ぎ見る。
カジキマグロがゲーミングカラーに光るのも分からないし、地面から魚が生えてくるのも分からない。おまけに音頭で回収するときた。まったく、訳がわからない。
しかし、そんなレーカだからこそ言えることもある。
『なーにー?』
死んだ目でリスポンスしながら降ってくるゲーミングカジキマグロ。ああ、大漁っ。
伝統文化を感じさせる着物にうねる白波も華やかな法被、大漁旗を持ち込んで。手には鳴子。地上と空とで交差する視線――仲間たちはその時、真剣なレーカの瞳が『別にカジキマグロと絡みたかったわけじゃない』と訴えているのを感じて思わず駆け寄った。みんなフレンズだ。
金ピカの孔雀みたいな大きな羽根飾りを背負って花傘をかぶった『陽だまりに佇んで』ニル(p3p009185)が一点の穢れもない純真無垢な声をあどけなく添えている。
「いろんなものが空から降ってきますけど、ニルはカジキマグロが降ってくるのははじめてです。カジキマグロが生えているのもはじめて見ました」
レーカは強い共感を眼差しに込めた。わかる、その気持ち。圧倒的同志!
「なんて摩訶不思議で奇天烈で羨ましい領地なのです」
『名無しの暴食』エリカ・フェレライ(p3p010645)がアホ毛を風にそよそよさせて、ほわんとした感じで呟いた。表情はあまり感情変化がわかりにくいが、のんびりとした空気にニルは安心して「ニルもそうおもいます」と相槌を打った。
「カジキマグロが入れ食いで食べ放題なのですよ? こんな素敵な事はないのです」
エリカが続ければ、『グルメ・ドラゴニア』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)が「うちの村の畑にも、カジキマグロが生えてきたら、食糧問題が一挙に解決するのにねぇ」と同意の呟きを寄り添わせる。
「陸でとれるカジキマグロも、おいしいのでしょうか? 畑でとれるカジキマグロはおさかなでいいのでしょうか? それとも、おやさい……?」
おしえて、レーカお姉さん。
「きっと、考えてはいけない」
ふっと優しく諦念まじりの大人な笑みを振らせて、レーカは空に目を向けた。
「ふふ……下手だな、カジキ。脱走が下手だ……。隣の領地に飛べば食べられないと思ったのだろう……ダメだな、実にダメだ」
「さあ、いつでもかかってこいなのです!」
エリカが浴衣の袖を翻し、盆踊りっぽく和み系な舞を披露すれば、領地の男性陣が見惚れているが、全く気にする様子もなく片手にはわたあめ。もう片方の手にはイカ串、ちょいと頬張っては踊り、またパクっとして踊る。ニルが「美味しそうです」と言えば「屋台で売ってました」と林檎飴をさりげなくプレゼントして、エリカはかき氷の看板を見た。たこ焼きもおすすめだよ。
「あ~♪ 見渡す限りのカジキマグロ~♪
食わなきゃソンソン♪ 煮ても焼いても生でも美味しい~♪
みんなおいでよ♪ その名も常山~カジキマグロの名産地~♪ さあ、グラも一緒に踊るのです!」
呼びかけに、エリカの影がゆらりと揺れる。
疑似生命体のグラは、小粋な動きでエリカの後を追い、相棒感たっぷりにエリカの舞を引き立てる。
影と交互にステップを踏んで、エリカが咲き始めの花めいて初々しい微笑みを魅せれば民の青年がひとり、ぽつりと「俺、赤い色って素敵な色だと思うんだ」なんて純情そうに呟いた。秋永一族は白を貴ぶ古い価値観があったから、それを聞いた弾正は一瞬息を呑み――「ああ、価値観は変えられるんだな」と、そっと喜びをかみしめたのだった。
「しらかば、ここで一つ素人ながら舞踏を……」
大漁旗を翻し、レーカが玲瓏とした声を張り上げた。
「Yaaaaaaa---------ren Sooooo-----raaaaaaan」
ニルは「わあ」と翻る旗に感動したみたいなピュアな眼をして、保護結界を張ってくれた。畑とか領地が大変なことになったら大変ですものね、という健気な声には全領民が感激の涙を零したのだとか。
「必殺カジキマグロコイおどりにゲーミングカジキマグロねこ――ふふ、ねこ的に心躍るワードではないかねこ。特にマグロ。特にマグロッッ!」
ローレットの誇る推定ネコチャン『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は大事なことを二度言うルールの継承者だ。
「では行くぞねこ。江戸っ魂は持ったかねこ!? Let's party time!!」
\Wasshoi!!!/
狸とかアライグマの絵が描かれた団扇を持った取り巻きが汰磨羈の周囲でワッショイしてる。仙狸厄狩 汰磨羈はこの日、パリピリーダーでありパリピの姫であった。
「Hey!! 皆の者!! ノってるかぁーーーッ!!」
弾正が合わせて盛り上げる。
「腕で波を作ってClap! 腕で波を作ってClap!
エルボー エルボー 両手を合わせてカジキのJamp!
両手を下から上へと上げて ソイヤッ ソイヤッ ソイヤッ ソイヤッ!
カジキマグロを呼ぼう! KOI KOI KOI KOI!
最後に好きな決めポーズ!」
みゃあ♪ アルフィオーネの頭の上を定位置にしている愛らしいドラネコのミケーネが大はしゃぎでポーズを取った。
落ちないようにねぇ、と優しくミケーネに言い聞かせ、14歳と2992か月くらいの時を生きるドラゴニアの村の祭祀長アルフィオーネがおっとり愛らしく微笑んで優しくミケーネを撫で、真珠めいた輝きの竜脚で神聖に大地を踏む。足運びは厳かで、恵みへの感謝をあらわして。
ちいさくいたいけな細腕が、当人より重そうなずっしりした重厚鋼鉄ハンマーを軽やかに大空に放る。くるくるとスピンするハンマーに地上の民が「危ないぞぉ!」と顔色を失うが、「大丈夫よ?」事もなげに言ってアルフィオーネが華麗にハンマーをキャッチし、包容力のあるあどけないスマイルを見せながらふわりと妖精のように舞い、かと思えばハンマーを担いで、ドラゴン性を感じさせる力強さで大きく四股を踏む。
幼いかと思えば慈母めいていて、神聖優雅の中に太古の息吹めいたものを感じさせる、そんな不思議な娘姿に民は心を奪われた。
「ちっちゃいのにあんなハンマーを」
「ねこかわいい……」
と、ここでそんな民がぴたっと動きを止める。
「ドロー、ぺろっ、これは凄惨。俺のターンだ」
『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)は一瞬時が止まって探偵が推理する演出的なターンを宣言した。
「夜更来、カジキマグロ。分解するとKAJIKI=YO、MAGURO=SA…即ちKAJ=Y、IKI=O」
圧倒的 閃きっ……!? クワッと目隠しの中の眼が見開く!
「全部まるっとお見通……いや、関係ないなこれ。おれは しょうきに もどった」
ならば代わりにと、と静止した時のスポットライトを浴びるのは、冒頭で合いの手を入れていたヨミコ。
「わたくしは弟橘 ヨミコ。まだ不束者の新米イレギュラーズでございますわ。此度は初の通常依頼への参加という栄誉を賜りましたこと、心より喜び申したい所存でございますわ」
ヨミコの語りに、アーマデルがウンウンと頷いている。初の冒険では一緒だったな、と。
「世にも奇妙なマグロへようこそ」
カジキ先輩からの歓迎のメッセージに、ヨミコはふっと影のある表情を浮かべた。
一体何が彼女をこんな表情にさせるのか? 固唾をのむ観客一同。
「……ございましたわ。実はこの地に参る前、黒くて怪しい仙人からお聞きしましたの」
顔がいい仙人は飴を手のひらに置いてくれた。ヨミコが「夫が見ております」というと、「モーマンタイ」って感じで無責任スマイル0円した。
そして「弾正殿の土地には地面からカジキマグロが生えてくる呪いがかかっているある」「それを鎮めるべく頭PPPな祀りを執り行った」と教えてくれたのだ。
「祀り――巫女?」
ええ、わたくしは確かに巫女でございます。騒ぎ荒ぶる神々を鎮めることも大切なお役目でございます――「俺も巫女……」「ですが、与太でも神事と称すればわたくしが何でもするとお思いになられては困りましてよ?」ヨミコはアーマデルを見ていない。此処に居ない奴の影を見ている――、
「俺も、ミ……」
「はあ、依頼とあっては致し方ありませんわ。げえみんぐかじきなるものに捧ぐとっておきの神楽舞、どうぞご堪能くださいまし」
「お……」
「アーマデル!」
時が動き出し、手を差し出す弾正。その手を繋げるのは、自分だけっ……!!
「弾正!」
見ろ、今日の俺はNINJA風衣装だ。弾正はNINJA好きだろう? ちらっ。
弾正は無言で唇を動かした。SAIKOU! YATTA――
「かけまくも かしこき
げえみんぐかじきの おおまえに
あらみたま しずまりたまへと
かしこみ かしこみ もはおさく」
ヨミコが清らかに鈴を鳴らし、くるりと回って大幣を振るのが見える。なんて巫女らしい!
「悔しくなんかっ……ないぞ……っ」
「げえみんぐ神楽ってなんですの? 頭PPPですの?? ……別に私意外とノリノリでやってるわけではございませんわよ??? 本当でしてよ????」
弾正はそんな二人を見て「これは一方的なライバル巫女意識」と察しつつ、「君のNINJAが見たい。見せてくれるんだろ?」とアーマデルのNINJAプレイを熱望した。
「今日は巫女の事は忘れて俺だけを見ていてくれ」
「待っ……わたくし、カップルの当て馬みたいになっ……?」
民はそんなヨミコに声援を贈った。負けるな巫女がんばれ巫女頭はP……夫も見ています。
「俺は弾正ファンクラブ会長兼サポーター兼バックミュージシャン。徹底的に弾正を輝かせてみせる」とマイクに向けてシリアストーンで語る。これがなかなか決まっていた。
「先日変わった楽器を練達で見つけてな、一度ちゃんと使ってみたかったんだ……このエレキウードを」
「さり気ないピーキー好みが垣間見えるセレクトだ」
「来いよカジキマグロ……カラフルライトなんて捨ててかかってこい」
弾正のえすこーと役は誰にも譲らん!
目を爛々とさせるのは、アーマデルだけではない。
「ふ……私のカジキマグロコイおどりはこんなものでは無いぞ!」
躍動感するYOSAKOIねこカジマグおどりたまき色。カジマグを惹く軽快な小太鼓。これは!?
「刮目せよ! これぞ私の――YASSAI MOSSAIアレンジだ!!」
華麗なカジキマグロコイおどりYASSAI MOSSAIアレンジを魅せつける!
――これが世界のTAMAKIだ!
だが、なんということだろう取り巻きが付いてこないッ!? あのアレンジはなんだ……!? 何かそんな雰囲気でどよめいて、狸!? みたいな顔をしたりしている……!
「なに、YASSAI MOSSAIを知らない? まぁ、そうだろうな」
一瞬真顔になった汰磨羈がチッチッチッと指を振る。狸って言った奴は正座だと。
「だが問題はない。何故なら、御主等はここで――私のYASSAI MOSSAIカラーに染まるのだからな!」
「Let's Dance Battle!! Here we go!!」
カモン、カジキマグロ! 私色に染まれェーーーーッ!!!
「汰磨羈選手ここで大胆なキャットダイビング! マグロを獲りにいきました!」
カンペを読んだレーカがエリカから労いのお好み焼きを受け取っている。いいにおい。
「カジキマグロコイおどり……なんだかよくわからないですが、踊るのですね?」
ニルがカオスに咲く清らかな一輪の花といった風情で、
「ニルは、踊るの楽しいから好きです」
ほわりと春風みたいな微笑みを浮かべて。
「そいやそいや! らっせーら! よっちょれよ!」
頬を林檎みたいにして一生懸命踊れば、おじいちゃんおばあちゃんがほっこり癒されていた。
今日の俺は一味違う。俺はやるぞ俺はやるぞ弾正をリードする為に。
「俺は全力でカラフルマグロで勝負する!」
アーマデルが魂の情熱カラフルマグロコイダンシングで俊敏なステップで弾正を翻弄しようとすれば。
「ほう、負けないぞ」
「違う弾正、俺はリードしようと」
「俺がスパダリリードしようと思ったんだが」
「イヤダ、今日は俺がスパダリリードするんだ」
「領主様ー!」
「カジキマグロキング!」
ああ、ここが俺の領地! これが俺の民――
皆ノリノリで共に踊り、汗を煌めかせ、こんなに生き生き乳酸菌な笑顔を俺に向けている! この笑顔は腸まで届くぞ!
弾正が民に手を振り返し盛り上げた。
「ここから先は歌って踊ろう! 準備はいいか? (Yeah!) 準備はいいか? (Yeah!) Here we go!」
Let’s to call up KAJIKI together!
Let’s to call up KAJIKI together!
楽しく踊ればマグロもJamp!
大漁大漁 ソイヤッ ソイヤッ ソイヤッ ソイヤッ!
騒げや祝えや KOI KOI KOI KOI!
「さあ、エリカのご飯になるのです!」
「レーカ&エリカシェフ、キンと冷凍カジキマグロ、です」
ニルがダイヤモンドダストで食材提供してくれるので、エリカとレーカはさっとエプロンを着用して調理班の指揮を執る。調理工程で出た非可食部はグラを経由してエリカが捕食したので、食材は綺麗に無駄なく利用されま、
「?????」
若干一名、戸惑っている!
『カジキマグロは最後は食される運命あるよ!』
ヨミコが彼の笑顔を思い出していた。
「まさか今回もそういうオチになりますの? これ、食べるんです??」
周囲は「当たり前田さんのクラリネット」みたいな雰囲気になっている。
「いつかエリカも領地を手に入れたらこういう領地にしてみたいのです……でもゲーミングなカジキマグロは色物過ぎると思うのです……」
エリカが色物だと言ってくれたので、ヨミコは「あなた様こそは染まらぬ感性をお持ちの方」とほっとした様子で「食べませんよね」「いや食べますけど?」あれっ?
「このカジキマグロ、村の畑に植えたら、沢山生えてきたりしないかしら?」
アルフィオーネは豪快に上空を羽搏き、領地の岩にカジキをポーイ、ザクッと刺していく。
「全マグロ命中……さすがだ」
レーカがサッと手を振ると、空のアルフィオーネがにこりとした。
「さぁて、じゃんじゃん焼くわよ〜200でも、300でも、ど〜んとこいよ?」
アルフィオーネが刺さったカジキの上空を飛び回り、火炎ブレスでこんがり焼き上げるショーはおおいに民の眼を楽しませた。中には「あれ、やってみたい」と言い出す精霊種が出てくるほどであったという。
●実食!
「ふふ、いい汗をかかせて貰ったぞ。存分に楽しかった。いいストレス解消になるな、これは」
汰磨羈がそわそわネコチャンになっている。
食わせて貰えるのか? 貰えるのか? と。
エリカとレーカがゲーミングカジキを捌き、七色に輝くマグロ丼をなんともいえない表情で眺めた。
「ケッタイな見た目だけど、味はまともね。村のみんなにも食べさせてあげたいわ。2、3本お土産に頂戴してもよろしいかしら?」
アルフィオーネが言うので、レーカはお土産を包んで渡した。
「美味しそうに食べるわねぇ。あなたたちはどちらかというと、お肉より、お魚の方がすきなのかしら?」
ドラネコのミケーネが汰磨羈と一緒に猫まっしぐら状態で幸福そうにしているのをアルフィオーネは慈愛に満ちたあったか笑顔で見守った。
ニルは七色に輝くマグロ丼と、それを囲む全員をキラキラ輝く目で見つめて、嬉しそうに声を零した。
みんなで踊って、みんなでたべるごはん。
キラキラきれいなカジキマグローーとってもとっても「おいしい」です!
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
OTUKARE SA MAGURO DESITA! YATTA!
GMコメント
地面からカジキマグロ、ところにより空からもゲーミングカジキマグロ。そんな領地です。
透明空気です。このたびは、リクエストありがとうございます。これは明らかにノリとイキオイであそぶシナリオなので、わっしょいエンジョイしてお楽しみください。
●オーダー
・必殺カジキマグロコイおどりをおどってゲーミングカジキマグロを回収する
●ロケーション
・豊穣にある常山(じょうざん)という地方。弾正さんの領地です。
https://rev1.reversion.jp/territory/area/detail/1445
ひとめで雰囲気がわかる、畑からカジキマグロが生えている土地ですね。
●ターゲット
・ゲーミングカジキマグロ
アーマデルさんの領地に突然あらわれたゲーミングカジキマグロです。
打ち上げ花火みたいに飛んだりするようです。
今後の対策はさておき、飛んでいったゲーミングカジキマグロをまず回収しましょうか。
●回収方法
・カジキマグロコイおどり
弾正さんの一族である秋永一族がカジキマグロと格闘するうちに編み出した対カジキマグロ用の必殺音頭(おどり)。どんな暴れカジキマグロとて、たちまちおとなしく収穫されること請け合い!
とっつきやすいイメージとしてはYOSAKOIみたいな感じでしょうか。
「いいや、俺たちはこんなカジキマグロコイおどりをおどる。小道具はこれで衣装はこんな風で……」みたいに自分的にイケてるおどりをイメージしてくださってもOKです。
カジキマグロコイおどり「アタシ、あなた色に染まるわ。好きにして」
●この領地で生活している人々について
秋永一族:
音の因子の精霊種一族。元は深緑に郷があったが、豊穣に移住した。最初は「こんなカジキマグロが生えてくる土地イヤダ!」と言っていたが、最近慣れてきた。
・『葛刃九席』柳生 達郎
領地の執政官。いつも頑張ってカジキマグロを収穫してくれています。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。安心!
以上です。
それでは、いってらっしゃいませ!
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