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シナリオ詳細

<チェチェロの夢へ>贅沢なる水の遊び

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●更なる混迷へ
 ノイスハウゼン上空に発見された伝説の浮遊島アーカーシュの調査が始まった。
 調査は鉄帝国軍と、依頼を受けたローレットのイレギュラーズの合同で行われている。
 百年前に消息不明となった探索隊の子孫(レリッカ村住人)の協力もであり、進捗は順調だ。
 新発見は既に百年前の探索隊によるものを大きく凌駕し、島に関する様々なことが明らかになってきた。
 その中でも、精霊を使用した文化については大きな発見といえるだろう。
 地上部や地下表層の遺跡は朽ちた都市であり、精霊を使役した高度な文明を有しているそうだ。ランプのようなもの、コンロのようなもの、冷蔵庫のようなものなど、様々な道具が発見されている。
 古代の人々の生活を解き明かせば将来的に入植や農地開拓なども可能となるかもしれない。
 だが古代獣が跋扈している危険は、未然に排除すべき課題に違いない。
 ……しかし同時にそれは未知への探究でもある。
 『( ‘ᾥ’ )』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)などは未知への探究心や冒険心を刺激され、更なる未知を求めてワクワクしていた。
 ( ‘ᾥ’ )はしていない。念のため。
 さて、話を戻そう。
 古代で使用されていたと思われる精霊だが……あちこちでの暴走が確認されている。
 精霊が異様に暴れているのは、どうやら遺跡が激しく傷んでいる事が原因らしい。例えばコンロが損壊していれば、火を出す仕事をこなすことが出来ない炎の精霊が、エラーを起こしてしまうようだ。倒すことで鎮めてやれば、エラーから解放出来ることも分かっている。
 また都市機能を回復するため、発見されたゴーレムの部品を集めて修復することも推奨されている。
 ゴーレム達がいれば都市を徐々に修復することも可能なはずなのだ。
 ともあれ冒険は始まったばかりなのだ。
 更なる未知を、更なる冒険を。リコリスはワクワクしていた。

●贅沢なる水の遊び
 古代文明がどのようなものであったか、その全容は未だに解明されていない。
 しかし浮遊島アーカーシュにはその残滓たる器具が幾つか残されており、同時にそれ等は壊れたものが多かった。
 それによる精霊の暴走は倒せば鎮まることが分かっていて、今のところそれが一番良い方法である。
 つまるところ、暴走する精霊の多い場所には「何かがあるかもしれない」わけだが……ウォーターエレメンタルの大暴走が起こっている外周浮遊小島が発見されていた。
 そこに至るまでには幾つかの小さな小島を超えていかなければならないのだが……飛行するか岩ほどの小島をジャンプすることで辿り着くしかないだろう。
 目的とする島には大きな白い箱型の建物があるので分かりやすい。
 見た目としては鉄帝や練達にある室内プール棟のソレにも似ているだろうか?
 しかしながら、目的とする島に辿り着く前にウォーターエレメンタルたちが全力で邪魔してくるだろう。
 これを倒し鎮めなければ、目的地には辿り着けない。
 だが倒せば、島の白い建物を調査することも可能だろう。
 目指すべき未知は……そこにこそ、あるのだ。

GMコメント

横スクロールアクションの果てに室内プールが!
……ただし古代の代物でエラーによりウォーターエレメンタルの管理がされていない為、乾いて埃の積もったデカい何かです。
使いたければ掃除する必要がありますし、鎮まったウォーターエレメンタルに頼んでみる必要があるでしょう。
まあ、諸々の機能は壊れているのでプールとしては最低限ですが楽しいかもしれません。

●出てくる敵
・ハイエレメンタル(水)
なんらかの原因で荒れ狂う高位精霊です。自然現象のようなものですが、倒すことで鎮めることが出来ます。意思を持ち、言葉を話すことが出来る存在も居ます。
神秘単体攻撃や範囲攻撃を行います。窒息系統のBSを保有しています。

・ウォーターエレメンタル×20
なんらかの原因で荒れ狂う精霊です。自然現象のようなものですが、倒すことで鎮めることが出来ます。
神秘単体攻撃や範囲攻撃を行います。窒息系統のBSを保有しています。

●特殊ルール『新発見命名権』
 浮遊島アーカーシュシナリオでは、新たな動植物、森や湖に遺跡、魔物等を発見出来ることがあります。
 発見者には『命名権』があたえられます。
  ※命名は公序良俗等の観点からマスタリングされる場合があります。
 特に名前を決めない場合は、発見者にちなんだ名が冠されます。
  ※ユリーカ草、リーヌシュカの実など。
 命名権は放棄してもかまいません。
  ※放棄した場合には、何も起りません。

 このシナリオでは飛行スキルや、飛行可能アイテム効果を持っていると戦闘判定が有利になります。
 飛行を持たない場合は騎乗戦闘可能なリトルワイヴァーンを持っているものと見なします。この場合飛行戦闘は可能ですが、判定は有利にはなりませんのでご注意下さい。
 また簡易飛行や媒体飛行は、飛行には含みませんので、ご注意下さい。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <チェチェロの夢へ>贅沢なる水の遊び完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年05月31日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
リック・ウィッド(p3p007033)
ウォーシャーク
リーディア・ノイ・ヴォルク(p3p008298)
氷の狼
白波 狛斗(p3p009017)
迷いの拳
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
最強のダチ
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー
風花 雪莉(p3p010449)
ドラネコ保護委員会

リプレイ

●暴走する精霊との遭遇
「『あるかもしれない何か』……猫の好奇心をくすぐるワードだがまずは、目の前のぷるぷるした連中を鎮めないとな」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は言いながら、軽い準備運動などをする。
 これから小島を渡り戦闘をしようというのだ。猫的にも身体をほぐしておいたほうがいいのが間違いない。
「冒険だぜー! 調査も興味があるんだけど、同じ精霊に属する精霊種としては暴走してるやつらを鎮めるのも大事だと思うんだぜ!」
 『ウォーシャーク』リック・ウィッド(p3p007033)もグリムアザースとしては見過ごせない状況なのだろう、リトルワイバーンを撫でながらも気合が入っているのが分かる。
「そろそろ暑くなってきたからプールも悪くない。プール、だよな?」
 『陽気な歌が世界を回す』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)がちょっと首を傾げるが、仕方がないだろう。
 ちなみに色々と調べた結果、恐らく現地にあるのはプールではないかということになっていた。
「浮遊島アーカーシュ……室内プール、な遺跡? プール……いいなぁ、僕も遊びたい。だから頑張る。皆もよろしく、ね」
 『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)などは鞄に詰めて水着や浮き輪やタオル等、お茶やジュースまで持参しているが……それもまたよし、だろう。
「久々に愛弟子との共同任務だ」
 『氷の狼』リーディア・ノイ・ヴォルク(p3p008298)はそう言いながら、はしゃいでいる『( ‘ᾥ’ )』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)へと視線を向ける。
「あおーん! 不思議な島アーカーシュで冒険して、みんなでプール! 最高だね! って、肝心のプールがエレメンタルさんの暴走で使えなくなってるじゃん! やだー! ボクプールで遊びたい! お願いだから正気に戻って〜! ……あっ! お師匠! 今日は見ててね! ボクの狙撃術のいっちばんカッコいい所、見せちゃうよ!」
 そう叫んでいるリコリスに、リーディアは頷き返す。
「リコリスさんが頑張っているのを見ると、私ももっと頑張らねばという気になるね。それにしてもプールか……訓練以外で娯楽として入ったことは無いかもしれない」
(普段寒いところにいるからね、水に飛び込むなんて自殺行為に等しかったから……だが、この辺りは温かいし火照った身体を冷やせば屹度気持ちがいいだろう。その為にもエレメント達には落ち着いてもらわなければならないね)
 ちなみにそんな2人を監視しているのが『人喰い兎』ビンセントだ。
「あの馬鹿犬、冒険に行くとかですぐふらふらとどっか消えやがって……全く、監視エージェントは迷子犬を探すのが仕事じゃねえんだぞ?」
 ビンセントは、リコリスの人格豹変時に“不測の事態”が起きた場合、速やかに“適切な処置”を行うべく派遣された男である。
 今回は物陰に隠れてリコリスとリーディアを観察しているようだが……。
「てゆーか、あの脳内お花畑狼が師匠として同伴してるなら俺要らなくね? 帰って良いか? 駄目か、そうかよ……」
 何やら大変そうだが、さておこう。
「水浴び場ではなく水遊びをする場所ですか。この浮いた島でもそういう習慣があったのですね」
 『舞い降りる六花』風花 雪莉(p3p010449)も、アーカーシュの在りし日へと思いを馳せる。
「大量の綺麗な水を扱うために精霊の力を用いるというのは、それだけ精霊術に長けていた証なのでしょう。悲しいことに今は精霊たちは暴走してしまっていますが、また使用できるようにしてあげればレリッカ村の方も助かりますし、きっとこの場所も精霊たちも喜ぶのではないでしょうか。責任重大ですね。皆さんよろしくお願いします」
 そう、責任重大だ。今回の仕事がアーカーシュを巡る何より重大な仕事というわけではないが、今回の仕事はアーカーシュの謎に迫り、またアーカーシュの安定化にも一役買う仕事なのだから。
「伝説の浮遊島アーカーシュか、はー……暫くこの土地を探索するだけでも退屈なんてのは吹き飛びそうな場所だな。未知の場所への探索ってのは浪漫があるよな、別にそれが全部新発見とかでなくても全然良い」
 そう、『迷いの拳』白波 狛斗(p3p009017)の言う通りだろう。
「と、まあ……好奇心を働かせるのはここまでにしてそろそろお仕事しますか。それで、向こう側にあるのが例の建物か?」
 ちょっと遠いな、まだ何とかなる範囲だとは思うが……と狛斗は言うが、だからこその飛行だ。
 雪莉も修理済み改造されたブリンクスターを用意しているが……ちょっとドキドキする飛行方法だ。
「よっし、行くか!」
 そんな狛斗の合図に合わせて全員が目的地へと向かって進んでいく。
 アーカーシュの外周浮遊小島を渡って行くということは、当然確かな大地などない「下」を意識せざるを得ないが……小島を上手く利用すれば問題はないだろう。
 勿論、それは何もなければの話であって……当然、何も無しに着くはずもない。
「来るぞ! 守りはまかせろ!」
 こちらに飛んでくるウォーターエレメンタルたちをヤツェクが視認し叫ぶ。響かせるのは無頼のいくさ歌だ。
 リックの波濤の戦術も、この戦いの役に立つだろう。
ーーーそしてリコリスはフードを被ったーーー
「ごめんね、今日のボクはお師匠が近くにいるお陰ですっごく気分が良いんだ。だからちょっと手加減してあげられないかも!」
 そんなリコリスの声も響き、
「ごめんね、一旦静まってもらうよ……!」
 祝音の神気閃光が放たれ、しかしウォーターエレメンタルたちからの反撃もすさまじい。
「相手の数は多いですが、こちらの継戦能力は高いはず。恐れず落ち着いて戦いましょう」
 雪莉の天使の歌が響き渡り、汰磨羈が妖刀『絹剥ぎ餓慈郎』を引き抜く。
「さて。鎮め(物理)の時間だ。悪く思うなよ?」
 舞刃白桜で敵陣を抜け、更に攻撃重視し舞刃白桜を重ねる往復攻撃。
 白桜の花弁が如く舞い散り放射される霊気は美しく、狛斗の戦鬼暴風陣がそれに続く。
 攻防共に揃っている以上、負ける要素もなく。鎮まった精霊たちは施設へ向けて飛んでいくのだった。

●精霊のプール
「室内プール? ってか、飛ばないと行けないのって不便だなー。こういう浮島って、元々はでっかい島の一部だったのか?」
 ようやくたどり着いた島で、リックがそう呟くが……それについては今は分からない。
 分からないが、室内プールは幸いなことに破損が少なく、しかし何かしらのエラー、あるいは故障でその機能を停止したのだろう……ということだけは分かっていた。
「ふむ……管理不足で暴走したのなら、掃除するか、管理用の何かを使える状態にすれば良さそうか? 精霊の動きから、その場所や理由を察する事が出来ればよいのだが」
 汰磨羈は施設を飛んでいる精霊たちの動きに視線を向け……床の隅に倒れているゴーレムに気付く。
 何かの作業中に動かなくなったという感じにも見えるソレは、パッと見た限りは破損はない。
「ゴーレム。これが『何か』……か?」
「セレストアームズ。あるいはゴーレム。それはこの施設の整備を担当していました」
 汰磨羈の動きに気付いたのだろう、ハイエレメンタルが汰磨羈の近くにやってきて、そう告げる。
「セレストアームズは本来は作業用のゴーレムであり、都市の維持を行っていました。それの非稼働状態もまた、私達の状況の一因でもありました」
「……なるほどな」
「それはそうと掃除は嬉しい。是非やっていってください」
 つまるところ、稼働状態のゴーレムの存在が機能の回復に繋がるということだろう。
 ハイエレメンタルが続けて飛んでいくのは、プールの掃除を始めている面々のところだが……このプール、巨大な室内プールであったようで、様々なレジャープールがあるものの、その大部分は補修が必要そうであった。
 恐らく使用できるであろう大プールの掃除をしているリックの下にハイエレメンタルが近づくと、リックが作業の手を止める。
 丁度聞きたいことがあったのだ。
「なあ、ここにいたやつらのこととか、元の浮島……アーカーシュがどんな形だったかを聞いてみたりしたいんだが」
「……彼等はいつのまにか姿を消しました。おそらく地上に降りたか絶滅したのでしょう」
 そうなると、古代人に会う……というのは難しいのかもしれない。
 そしてアーカーシュの形については「地図でも探すと良いでしょう」という答えだったのだが。
「うまく橋とかをかけられたら、ここに来てるイレギュラーたちがプールで遊んだりできるのか? 飛べる奴らも多いし、普通に飛んでくるのもいいかもしれねえけど」
「さあ。飛んだ方が早いとは思いますが」
 そうやって来たのでしょう? と言うハイエレメンタルに「それもそうか」とリックは頷く。
 此処に来るのにワイバーンを使っているのだから、そうなるのもまた自然だろう。
「プール…遺跡、着いた……まずはお掃除。ふきふき、ごしごし、せっせと頑張るよ」
「感心ですね」
 水着に着替えて掃除をしている祝音にハイエレメンタルは声をかけ、同じく掃除をしていた雪莉を見つける。
 雪莉自身は掃除の前に施設の状況を確認するために一通り見て回ってもいた。
 破損の具合によっては危険な場所があるかもしれないし後々再利用出来るようにする為にも事前調査は必要だからだ。
 結果として施設の制御を行っていたと思われるゴーレムの発見などもあったが……それは雪莉の好奇心を満たすものでもあった。
(少しだけ。変わったモノでも見つけられないかと期待もしてましたけれど。好奇心はドラネコを殺すと言いますが、折角こんな場所に来たのですから)
 そして、ある意味で掃除も重要だと雪莉は考えていた。
「これでも掃除には自信がありますので、こんな掃除のし甲斐のある場所はやる気が出てきますから」
 施設に使用可能な掃除用具があれば良いのだが、無い場合に備えて掃除用具や用品を持ち込んでいた。
 ……ちなみに掃除用具の類は全て朽ちるか壊れていたので、持ち込んだ道具を使う羽目にはなっていた。
「練達の洗剤とかとても便利ですよね。場所が広いので大変ですけれど、これも依頼の内です。溜まった埃も汚れも綺麗にして、ささやかながらも在りし日の姿を感じられるようにしてあげますから」
 そんな中、ヤツェクは『Elegantiae arbiter』E-Aに手伝ってもらい調査をしていた。
「古代機構のシステムは神秘的なものだとは思うが、システマチックなものであるとも見た。という訳でおれの出身世界産の人工知能なE-A君にお手伝いしてもらうとしよう」
「私に調教された動物の如く芸をさせるとは、よっぽど暇なのだねヤツェク君」
 分かり切らないところは記録してもらい、改めて調査することにしていた。
 ヤクェク自身も調べ、記録。日付け入りの画像記録も作っていた。
(イレギュラーズ側が先に見つけました、と言うためにもな)
 まあ結果から言うと「何か凄い」ことだけは分かったようだが。
「さっきは殴って悪かった。許してくれ……そんで、ちょっと頼みたい事があるんだけど。てか、通じてるか?」
 そして狛斗は施設内を回っているハイエレメンタルを見つけると、そう声をかける。
 他の精霊たちはそうした能力がなければ通じないようだが、ハイエレメンタルだけは話が通じる。
 だからこそ、ハイエレメンタルは狛斗へと振り向いて「気にしていません」と答える。
「エレメンタルさん! さっきはごめんね? ボク達ここのプールをお掃除してから遊びたいんだけど、エレメンタルさんの力をどうしても借りたいんだ、お願い! 尻尾好きにモフって良いから!」
「一度鎮めないといけなくて……痛くして、ごめんね……?」
「構いません。では、早速」
 やってきたリコリスと祝音に頷き、ハイエレメンタルが機械に触れるとエラーを吐きだしながらも動き出し……大プールの水が循環を始め満たされていく。
 やがて上質で綺麗な水で満たされたプールを見て、ハイエレメンタルは静かに頷く。
「今はこれが精一杯です。これ以上は機械の修理が必要です」
「( ‘ᾥ’ )やっはーーーー!! プールだプール!!」
「やった、プール……お水……! 本当にありがとう!」
 プールへと駆けていくリコリスたちに、狛斗は声をかける。
「準備体操はしてから入るんだぞ、危ないからな」
 はーい、と聞こえてくる返事は実に元気で。
(出来るだけハイエレメンタルとは仲よくなっておきたいもんだな。意思疎通が可能だったら、この辺りのことを調べる役に立つし……なにしろ、精霊のご友人なんてものはめったに出来るもんじゃない)
 ヤツェクはそんなことを考え、ハイエレメンタルへと声をかける。
「しかし精霊をパワーソースに使って動く古代都市、たぁ。下手に意思がありそうだから、エレメンタルを利用するのは大変だったろうに。とりあえずハイエレメンタル、酒飲むか? いい酒持って来たんだが。ばちゃばちゃ遊ぶのは若いのに任せて、昔の話を聞かせてくれ」
「そういった昔語りはいつかの機会に。プールは老いも若きも遊ぶものですよ」
「ま、確かにな」
 一本取られた、とでも言いたげにヤツェクは苦笑して。
「しかしプールか、足先を付けるだけでも気持ちがいいね。リコリスさんも楽しそうで良かった……いささかはしゃぎすぎな気はしないでもないが、そこもまた可愛らしいね」
 リーディアはそう呟きながら、考える。
(正直私は北方の地で狙撃手をやっているのが性に合っていると思っていた。ローレットに所属しているとは言え、人手が必要な戦地に派遣されるくらいで目立った活動はしなくていいだろうとね……だが、愛弟子が、リコリスさんが無邪気に「お師匠」と呼んでくれるんだ。もう私よりずっと強くなっているのに、彼女は私の隣を望んでくれる。ならその期待に応えられる程度には強くならないといけないね)
「なぁ、そうだろう。リーディア・ノイ・ヴォルク?」
 そんな決意は、楽しそうな声の中に消えていく。
 あるいはそれもまた、やがて来る夏の運んできた熱意なのだろうか?
 これからそれが何をもたらすかは分からないのだけど。
 今この場は、何処よりも平和だった。

成否

成功

MVP

ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
最強のダチ

状態異常

なし

あとがき

本日の格言
好奇心はドラネコを殺す(BY『舞い降りる六花』風花 雪莉(p3p010449))

ドラネコのように強い好奇心が死んでしまう程の事態を引き起こす例え。

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