シナリオ詳細
死闘『低気圧』決戦
オープニング
●
低気圧。それは万人を苦しめる超常の存在――
時に激しき頭痛を人々に齎し。
時に思考を鈍らせる睡魔を遣わす悪魔だ。
一体どれ程の者が奴めの被害にあってきただろうか。私も今眠い。
――だが遂に奴の圧政を終わらせる日が来たのだ。
練達南部より迫りつつある低気圧。
奴を打倒しうる『策』を遂に練達の科学者たちが開発出来たのだから。
今。人類は低気圧に反逆する……
●
――それでは作戦開始前にお集まりの皆さんにインタビューを行いたいと思います。
如何でしょうか皆さん。今回、低気圧と死闘を演じられるという事ですが。
「奴はぶちのめす。それだけである――奴の所為で最近関節の痛みが激しいある……
はっ? 何、更年期障害? 年の所為では?
うるせえどう考えても低気圧のせいある!」
――以上。『そろそろ年を認めるべき』李 黒龍(p3p010263)のコメント。
「時折に頭が痛くなったり、尻尾の毛がぶわっとしたり、たぬき扱いを受けたりするのは全て低気圧のせい。故に処す。絶対にだ――積る恨み、ここで晴らさせてもらおうか」
――以上。『どう見てもタヌキ』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)のコメント。
「時が来た、それだけだぜ。なにせ低気圧で調子悪くなると俺へのあたりが強くなるレディもいる。倒すべきは……低気圧だぜ!」
――以上。『低気圧は怨敵』サンディ・カルタ(p3p000438)のコメント。
「低気圧、強敵だよね。でもいつかこういう日がクるんじゃないかとは思ってたよ。
頭痛に吐き気、酷いときは眠るしかタイショ方法がないし……
えっ? 二日酔いじゃないよ?」
――以上。『ホントに飲んでない?』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)のコメント。
「こんな頭痛に悩まされるのは低血圧のせい! ……ホントに低気圧だったわ!!」
――以上。『解熱鎮痛剤が手放せない』エルス・ティーネ(p3p007325)のコメント。
「む。もう珈琲がないじゃないですか。それにしては眠気が酷い……
カフェイン離脱症状による頭痛の一端でしょうか……えっ? なるほど、気圧。
困るんですよね、まだ2徹目なんです……から……ぐぅ……」
――以上。『カフェインの虜』藤野 天灯(p3p009817)のコメントでした。
さぁそれでは練達科学班B-αチーム『低気圧クソ喰らえ!!』がヤケクソ気味に研究開発した対低気圧技術の説明をさせていただきます。なんか珈琲ガブ飲みしながら色んな神秘や科学をアレソレしてたら偶然開発できたのが此方――
『 低 気 圧 擬 人 化 薬 』です!!
これを接近しつつある低気圧に投じるとあら不思議! 低気圧の化身が場に顕現し――物理的にぶちのめす事が可能になるのです! 見事ぶちのめす事が出来れば低気圧は消滅!!
晴れやかなる一日を皆で過ごす事が出来る様になるでしょう――うーん僕達天才! なお研究データは珈琲ぶちまけてぶっ壊してしまいましたので再現不可能です! くそ!!
「ともあれ一回限りでも低気圧をぶちのめしてくださいイレギュラーズ!!
今、練達南部から爆弾低気圧が来てるんですよ――!!
この低気圧の被害を防ぐためにも!! お願いします、お願いします!!」
それだけで救われる人達が(多分)いるんです――!!
そんなこんなで招集された、低気圧に並々ならぬ憎悪を抱くイレギュラーズ達。彼らの感情の力があれば……低気圧だって絶対ぶちのめせる! えっ、もう既にダウン気味の人もいるって? 下手すると烏合の衆なんじゃないかって? ていうかさっきから主張が低気圧と本当に関係があるのか疑問なのもある? 日々のストレスを低気圧の所為にしてない?
…………えぇい! 細かい事は良いんだよ!!
「全部低気圧だ! 低気圧が悪いんだ――!!」
その思惑を合言葉に――いざや死闘『低気圧』決戦、開始ッッッ!!
- 死闘『低気圧』決戦完了
- GM名茶零四
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年05月30日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
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誰がッ!(1カメ)
『どう見ても』!!(2カメ)
『タヌキ』だッ!!!(3カメ)
「ふざけるなよォォッ!! 許さん。許さんぞ低気圧!
御主のせいで、周りの人達が私の事を誤認するのだ!
必ず殺してやるぞ――低気圧ゥゥゥ!!」
『酷い……明らかに八つ当たりではないか』
完璧なカメラ目線を決めながら毛を逆立たせるたぬ――猫の如く闘志をみなぎらせているのは『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)だ。くそ! 低気圧に沿って大雨も降っていれば、なんとも動き辛いもの……! 『青鋭の刃』エルス・ティーネ(p3p007325)なんてもう既に『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙』と鳴きながらぶっ倒れてる真っ最中であり。
「アウアウ頭が痛い……低気圧ってなんでこんなに頭が痛くなるの?!
はぁ、はぁ、朝なんか最悪よ、ただでさえ低血圧で朝に弱いんだから……!」
「うっ、これが低気圧の力か。頭が痛いし、ちょっとキモチ悪い。
近付けばこれが悪化すると思うと強敵だね……
ホントこれ人体の欠陥だとオモうよ――どうして体調がワルくなるんだろ?」
だけどこのまま倒れている訳にもいかぬと、エルスはふらつきながらも低気圧へと相対する――であれば『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)も続くものだ。
頭が痛い。どこか脳髄が重い感覚……きっと分かってくれる人はいる筈。
片頭痛持ちだと尚に顕著だし、でも変に晴れてると日の光が眩しくて辛いし。目を閉じて横になるくらいしか手がない低気圧――許せないんだよなぁ! えっ? なんかちょっと酒臭くないかって? ハハ! 前日から朝方まで飲んでてちょっと前に起きたばかりなのは一切カンケイは無いよ! タブン!
『人間よ。それは生物の性だ……諦めて我を受け入れるのだ』
刹那。誰しもの脳裏に響いた声は――眼前の低気圧の化身か!
奴の言葉が響く度に頭痛がする。ぐあああやめろこらあああ!
「しかし……これはなるほど、やはり珈琲の力は偉大ですね……ふあぁ……
練達科学班B-αチームには後程、菓子折りでも贈っておきましょう。
ようやくにも、低気圧を直接倒し得る手段が手に入ったのですから……」
「けど、ひとのかたちをした『ていきあつ』なんて……
倒されるために生まれたなんて、なんだか、ひどい話なのです」
故にブラック珈琲を啜る『不眠ノ燭』藤野 天灯(p3p009817)はカフェインを常時摂取しながら赴くものだ。それ何杯目ですか――? 欠伸と共に次なる一杯をドローンに注がせながら、奴めを優れし視力にて見据えるものである。カフェイン万歳。
が。視認しうる低気圧があらば『陽だまりに佇んで』ニル(p3p009185)はほんの少し、胸の内が痛むものだ。本来『ていきあつ』さんはいなかったというのに――でもでも。
「わるいことをするものは……やっつけないといけませんね。
皆さまのお話を聞く限り、闇市でぱんつばっかり出るのも、もしかしたら闇市のひと? が低気圧でイライラしてたせいみたいですし……そういうのいけないって、ニルは思うのです」
『人間よ。それはお前達の運がないからで我の所為では――むっ!』
直後。ニルが念のために周囲を保護する結界を張り巡らせた――と、同時。
一つの光が走った。
それは雷撃だ。数多の雨粒を押しのけ飛来する一閃を放ったのは――!
「あああああああ頭痛目眩肩凝り関節痛吐き気情緒不安定モチベーション低下ああああああころすころすころすころすあああああああああああああああああ!」
『尸解老仙』李 黒龍(p3p010263)だ! 戦場に瞬いた光が低気圧を穿つ――!
容赦はない。は、不殺? そんなもん使用してやらねぇあるよ。慈悲も慈愛もくれてやると思うなある。お前の所為で一体どれだけの人間が不幸になってるとでも?
「ころすころすころすおおおおおおおおおぐああああああああああああああああ!!」
『哀れなる人間よ――苦しみの中に自らを投じるか』
「だまれだまれだまるあるころすころすすり潰して圧殺して海にバラまいて魚の餌にしてやるでやるううぅぅぅああああお茶ァァああああああああああァ!!」
納品に影響が出たらどう責任取ってくれるあるかァアア!
次元の壁を突き抜けんばかりの黒龍の一喝。
それを皮切りに低気圧へと攻勢を仕掛けるものだ――
低気圧への怒りが。低気圧への恨みが。低気圧への失望が力となれば……!
「ぉぉお! 低気圧、許さないぞ!!
お前に一体何度なく困らされたものか――お前の所為で傷んだ楽器達の恨み、思い知れ!」
「そうだ! たまーに声掛けたレディから理不尽に不機嫌な返しが来るのも、お前の所為だ!! 俺はちょっとお茶に誘っただけなのに、あんな仕打ちを受けるなんて絶対に低気圧の所為だ! 間違いねぇ! な、モルダー!」
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)や『ゴミ山の英雄』サンディ・カルタ(p3p000438)も往くものだ。雨風で湿度が急上昇すれば様々なモノに弊害が出る――イズマの管理している楽器らも幾度悲鳴を挙げた事か!
サンディにしたって低気圧のおかげで失敗する出来事が多々だ。これらの解決には……やっぱり低気圧をぶん殴るより他はねぇ! なんだかモルダーが冷ややかな視線を向けてきている気がするが。くそ! さてはモルダーも奴の餌食に掛かってしまっているんだな! 低気圧の野郎、許せねぇ!
数多の憤怒が此処に集結する。
全て低気圧が悪いのだ。だから覚悟せよと――そう言わんばかりに!
●
「おおおおおおおおえええええええげろぼぼぼぼ作業が山積みマジ勘弁してくれあるころすころすころすあああああああああああああ!!!」
「分かるか! 太鼓の膜がベコベコと弛み、低くたるんだ音を鳴らすあの悲劇を!!
分かるか! ギターや木琴などの楽器も湿気を含めば響きが悪くなる上に……音も籠って聞こえてしまうあの絶望を!! 全部雨風湿気を呼ぶ低気圧のせいだ――心当たりがないとは言わさないぞッッ!!」
往く。黒龍は紡ぐ攻撃全てが全力だ――低気圧に近付いた事による頭痛が更に彼の闘志を漲らせる! とんでもない頭痛だけど!
同時にイズマもまた楽器達の仇を取るために往くもの。湿気は百害あって一利なし……え? 体調はって? いや俺はあまり気にしてこなかったな……自覚がないだけかもしれないが、別にそんなにきつくは……
「とにかく倒すぞ! うう、確かに言われてみれば頭も痛くなってきてる気がするしな……!」
「ああ、行くぜ皆――! この新発売の口キソ忍EXがあればもう怖いものなんてねぇ! 俺達は無敵だ!」
「あ、オレそれ聞いた事あるよ! その、えー、なんとか忍びって言うものが低気圧に効果的だってね! なのでオレも豊穣で探して来ました。なんか売れきれなのか幻のショウヒンだからなのか分かんないけど、皆忍者シラナイって言ってて見つけられなかったけどね!」
直後。低気圧を喰らわんとする程の直死の一撃をイズマが繰り出せば――サンディは対低気圧究極兵器『口キソ忍EX』を懐より取り出すものである――! なお読みは『くちきそ』である為、間違えない様に注意だぞ!
『口キソ忍EX』は頭痛の低減に役立つものだ……その名声たるや、イグナートもこの日の為に豊穣の山奥まで赴いていたもの。そしたら体調悪い時にはオカユやで、って勧められたのでオカユを食べてきました。うまい! やっぱ酒飲んだでしょイグナートさん!
『人間よ。オカユはガチ風邪や二日酔いの時の為のモノでは』
「美味しいよね、オカユってさ! うーん、酔っ払ってアホになってるワケじゃないけど、胃に染みるなぁ……! ヨシッ! 元気も出てきた所で行くぞッ低気圧をぶっ飛ばすんdウボボボボ」
「わわわぁ! イグナート様が、にじを!」
やっぱりダメでした! クソ、豊穣の人達の勧めがこんな事になるなんて!
ニルは焦り始めるものだ――ううっ、しんどいのがずっと続くのはいやなのです。
やっぱり、はやくなんとかしなきゃって思います!
「なんとか忍……ニンジャ、ニンジャが低気圧さんへの、対策なのですね……?
むむっ。それならニルは、今日一日ニンジャさんです。にんにんっ!」
「口キソ忍EXよりもやっぱり珈琲だよ珈琲……カフェインは全てを解決する……」
ニルはうろ覚えの知識で忍者っぽい動きをしつつ、低気圧さんへと一撃紡ぐ――全力で注ぐ魔力は優しくないものだ。ゼロ距離で放つ極撃が奴めを穿ちて、同時に天灯は尚に珈琲を絶対視しつつ。
「くらえ、1/5の苦痛……いや弱点ってどれなんですかねアレ。擬人化しているとは低気圧を出血させるとかどういう理屈で……あ、もうやっぱりだめだこれ眠い……くそ、もう本当に勘弁してくれます? 仕事山ほどあるんですけど」
『無理をするな人間よ――珈琲を頼りにする生活は健康的ではないぞ。普通に休むがいい』
いやそれが出来たらこっちも苦労はしないんですよ……
人並サイズに至っている低気圧へ打ち込むは、奴の低気圧爆撃による攻撃を反射するが如き力――と。数多の負を降り注がせる神秘の結晶体。
「くくく……如何様になろうとも気運剪定でタヌ弄りを回避してやる。完璧だな私ッ!」
直後。汰磨羈にもう恐れはなかった。
霊気を練り上げ己が魂魄に一発キメる術を用いて強化を果たした彼女に隙は無いッ――!
「御主の弱いところはどこだろうなぁ? 台風の目的な所かなぁ~!?」
『むぅ――ちょこまかとしつこい。山奥に帰るが良い。汝の住処へと……』
猫は山奥にはそんないない!
憤慨する汰磨羈は憎きアンチクショウをぶった斬るべく奴めの弱点を探るものだ――!
見据える。眼をかっ開いて低気圧へと近付いていき――あっ。
「アッ!? ここで爆弾低気圧ゥ――!?!? ぐええ脳髄があああああ!!」
だめもう無理、一休み_(:3 」∠)_
それは低気圧のサイクロン――近付くだけで効果を齎す絶望の象徴だ――!
つらいだるい尻尾がびちょぬれでへにゃってなる上に肩も凝るしなんか関節痛もしてきたしそれより何より片頭痛がうごごごダメダメ物陰避難ごーごーごー! ごろん。その姿は虚ろなる目で横たわるたぬ……ねこが如し。
そして彼女のみならず皆にも影響が齎されていた。
天灯なんてもう何杯目かも分からない珈琲タイムだ。あっ、ドローンが注ぎ過ぎて零してる! サンディなんて口キソ忍の追加投与に踏み切ったし、イグナートはより体調が悪くなって虹がああ! 黒龍はもう死にかけの瞳になってます。進捗どうですか?
「はぁ、はぁ、もう、ホントに、どうしてこんな事に……!」
同時にエルスも頭痛が酷くなっていた。
特に朝がキツいのだ。ただでさえ普段から低血圧で弱いんだから……ん? 吸血鬼だから元々皆朝は弱いんじゃないかって? ふふん! 私はこれでも特別だったのよ! とある弱点以外は効きませーん! ってね!
「なのに……混沌に来てから寒いわ頭痛いわと呪われてるわのコンボ決められすぎだと思うのよね!? これも全部低血圧……じゃない! 低気圧、貴方の所為よ! 諸悪の根源にして混沌世界に巣食う悪の権化め――!」
『人間、いつもすぐ我の所為にしてくる。生活を改善してみよう?』
「ナチュラルに普段の生活が悪いみたいに言わないでもらえるかしら!?」
「そうだそうだ! 規則正しい生活、なんて事前の話なんてするんじゃあない!!」
低血圧はホントに厳しいんだから!! と、とにかくそんな事よりも奴を倒さねば! って、あ、こら!! 近づいてこないでちょうだい頭が痛ただただ! んもぉぉ!!
悶絶しながらも月の魔力と共に低気圧を攻撃するエルス――同時にイズマも激しくなる痛みを抑える為に頭痛薬を己にぶち込んで、低気圧を叩き潰さんと更なる追撃を仕掛けるものだ。
苦しい。もう家に帰ってベッドで眠りにつきたい……だけど!
「皆様の為にも、あといっぽ、がんばるのです……! えいっ!」
「そうある!! あともうちょっとでぶち殺せる筈ある!! さぁ今こそ総力を結集させ、憎き低気圧をぉぉぉおあああ!!」
故に往く! ニルに黒龍らが力を振り絞りて低気圧へと撃を叩き込むものだ。ニルは黒龍の動きに合わせ、低気圧の動きを縛る様に気糸の斬撃を展開し――同時に氷結の魔力を繰り出すもの。
(……あれ? 寒気を伴う低気圧がほにゃらららって、ニルはなんかこう……練達の天気予報で聞いたことある気がします)
はわっ。一瞬嫌な予感がしたニルだったが――低気圧の化身に、変化はない……!
危ない所だった。或いは、もう夏に近いから気温で相殺されたのだろうか……? 秋とか冬とかに放ってたらもしかしたら……
「今こそ行くぜ邪見にされた悲しみを此処に……!
俺と同じく低気圧によって邪見にされた皆~~!! 俺に力を別けてくれ――!!」
ともあれサンディは己に降りかかった全てが低気圧の所為だと確信(※ホントぉ? ホントに低気圧の所為ィ?)し――死力を尽くすのみだ! 天に叫ぶように咆哮しつつ今まで受けた痛みを力に。繰り出す一撃はこれまでに無い程の万死の一撃と化さん。
あ。念のため言っておくと、サンディの表情は冷静だぜ! な~にレディに袖にされたからってそんなに本気で怒る訳はないじゃないか! そもそもくーるなサンディさまだぜ? そんなオニみたいな形相になる訳が……え、ポーカーフェイス? ……HAHAHA!
『ぐ、だが我は滅びぬ……! 低気圧として我はァ……!!』
「まだ倒れないのかい!? もうちょっとムリかも……ダレか高気圧呼び出せない?」
「ア゙ア゙ア゙ホントもうムリ、なんでもするから降参しなさいよォ!!」
「あーもうむりーつらいなーきついなーもーどーでもいいやー
どうせ私はたぬきですしあらいぐまですしおすしー
みながそうおもうなら、そうじゃないのかー?」
が。踏みとどまる低気圧。負ける訳にはいかないと気力と共にイグナートの拳と蹴撃も振るわれるものだが、あと一歩が……! ん? エルスさん、今『なんでもする』って言いましたね……? はい皆さんエルスさんにちゅもーく! なんでもしてくれるそうでーす!
実に楽しみだが、さておき低気圧の影響で皆体調が万全ではないからだろうか。視よ、そこの汰磨羈なんてごろんと寝転んで、遂に自分をたぬきだと認めて……んっ?
「……
…………
……………………お茶ァ――ッ!!!」
――刹那。汰磨羈、復活す。
思い出したのだ。このままではならぬと――己はたぬきでは決してないぽんと!
「最後の踏ん張り所だ……皆、行くぜッ!!」
『愚かな……我を倒しても……いずれ第二、第三の低気圧が……!!』
更にそれらの動きを支援する様にサンディが治癒の術を紡ぐものだ。
それは低気圧の症状には微かなれど、確かなる力を皆に齎して……!
「それでも――今この瞬間だけでも、勘弁してもらいたいんですよ」
低気圧による症状は本当に、と。
起き上がった汰磨羈に次いで天灯も恨み言の呪詛を紡ぐものだ。
全霊の一撃。低気圧に苦しむ者を開放する一撃が――奴めを貫いた。
●
晴れて往く。周囲が、低気圧の支配から解放されていく――
「は、ははは……これで……奴の息の根を、止めれたであるか……」
「しんどいのと付き合うのって……むずかしいです、ね……」
ぶっ倒れる黒龍。なんだか大層疲れた気がするニル。本当は、仲良くできるのが一番いいのだけれども……あちらも自然現象であれば難しい所だろうかと思考して。
「練達の技術で天候を弄れるなら……気圧くらいどうにかしてくださいよ……まぁ……練達科学班B-αチームのおかげで、今後は低気圧を倒せるのですし……いいか……」
同時。天灯は寝ぼけ眼をこすりながらaPhoneで気圧を確認するものだ――
もう低気圧は脱したと。気が抜けて寝落ちる。
……なお珈琲零して研究データはもうないと気付いたのは後の話。絶叫しながら罵倒の嵐が繰り広げられたとか。
「たしかに。セフィロトの技術なら空調とかで対抗出来そうな気もするな……ドーム内の気流とか、なんなら直接とか。或いは、低気圧は練達の技術を超えてる……?」
「はぁ。なんにせよ強敵だったよね……これでとりあえず暫くはダイジョウブ、かな?」
戦いを終えたイズマにイグナートが一息つくものだ。
低気圧は倒され再び高気圧と光が齎される――
その様子を眺めながらさっき『何でもする』って確かに言ったエルスは。
「――えっ? なんでもする? そんな事言ったかしら。それもきっと低気圧による幻聴ね!」
とぼけるエルス。くっ、汚い。汚いぞ始祖種……!
「へへ。頭痛が解けてきたな。――よっしゃ! これでサンディ様の輝かしい未来が始まるぜ!」
「ふにゃ~~あぁ……やはり、ねこは晴れの日に日向でぽかぽかしているべきなんだ、うん……」
ともあれ。低気圧を倒したからには今度はきっと『成功』するだろうとサンディは自信満々の笑みと共にあれば、片隅では『ぐぅ』と晴れやかな日差しと共に熟睡する汰磨羈。
え。低気圧を倒したのにまた寝るのかって?
違う違う。低気圧による苦悶の中ではなく。
今の皆の表情には安堵の色が――確かに存在していたのだ。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
低気圧は……ぶちのめす!!!!!!!
ありがとうございました!!!!!!!!!!!
GMコメント
低気圧―!!! うおおおおお低気圧――!!!!!!
ご縁があればよろしくお願いします!!!!!!!!!
●依頼達成条件
低気圧を……ぶちのめせッ!!
●フィールド
練達南部に存在する港地帯です。
周囲はまるで台風が来たかのように吹き荒れる風と豪雨ばかりです――
周囲に一般人はいませんのでその辺りを気にする必要はないでしょう。
そう……大事なのは、後述の低気圧の化身を倒す事だけです!!
うおおがんばえー! イレギュラーズ!!
●敵戦力
・低気圧の化身×1
練達の科学者がなんやかんやキレ気味に色んな研究してたら『低気圧を一個体として顕現させる謎の薬』を開発できました! 靄が掛かった人型の様な存在で『人間よ、なんでもかんでも低気圧の所為にするのはどうかと思う』とふざけた事を発言してきます! ゆるせねー!
なおその薬の完成は偶然の産物なのと、研究データ自体はぶちまけた珈琲でぶっ飛んだので二個目は作れません。そんなー!
ともあれ! 奴を倒すと低気圧が謎の理由により霧散します――
そう。低気圧の苦しみから(一時は)救われるのです!!
ただ曲りなりに低気圧の化身である為か、奴に近付くとなんか頭痛がしたり眠くなったりします。くそ! これが低気圧の権能だとでもいうのか!!?
ですが負けないでくださいイレギュラーズ。
低気圧への恨みつらみを力に――打倒するのです!!
『サイクロン』(P)
この個体の周辺では天候が急激に悪くなります!
また、頭痛や眠気、倦怠感、なんか精神的に落ち込む……と言った症状が生じる場合があるようです。くそ、なんて効果だ!!
『爆弾低気圧!("bomb" cyclone!)』(A)
R2範囲内の全ての敵に激しい低気圧攻撃が降り注ぎます!
低気圧攻撃ってなんだよって思われるかもしれませんが……その、つまりアレですよ……なんかめっちゃ頭痛が酷くなったり、めっちゃベッドで横に成ったりしたくなるのです!
人によっては更にめまいや食欲不振、肩こりなんかも引き起こしたりする事でしょう。くっ、なんて攻撃だ……!!
上記以外にもなんか低気圧っぽい攻撃があったりする……かも!!
●情報精度
この依頼の情報精度は950hPaです。
低気圧からは逃れられません。皆さん覚悟してください!!
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