PandoraPartyProject

シナリオ詳細

遥かなる空に捧ぐ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●空にこそ活路あり
 ワイバーン。それは空における強者たる亜竜の名前であった。
 ワーム、ドレイク……地を駆ける亜竜もたくさんいるが、空を飛ぶ亜竜はそう多くはない。
 覇竜における一般人の死因の上位にワイバーンが上がるのも、その証拠と言えるだろう。
 地上に様々なモンスターや亜竜が覇を唱える中で、ワイバーンという「空を飛べる」という強みを持ったモンスターは、それ自体が強みであると言わざるを得ない。
 だからこそ、ワイバーンは堂々と空を舞う。
 地上では確かにお前の方が強いかもしれないが、空では俺の方が強い。
 そういう矜持もあるのだろうか? 空舞う彼等は、地上の敵を恐れはしない。
 誰より上手く飛ぶ自信があるからであり……事実、それは正しい認識だろう。
 ワイバーンの撃破というものは、彼等の方から人の領域に近づいてこない限りは大変な困難を伴う。
 それを可能にする者が、もしいるとしたら。
 それこそ、空での戦いを専門とするような……そういう者たちしか、いないだろう。

●我等、航空猟兵
 亜竜種を襲うワイバーンがいる。
 それは覇竜の日常ではあるが、定期的に襲撃をかけてくるとなれば話は別だ。
 確実に人の領域に狙いを定めたワイバーンは「流れ」のワイバーンとは比べ物にならないほどの被害をもたらすからだ。
 実際、そのワイバーンは複数のデミワイバーンを従えた個体であり、フリアノンと他の集落を繋ぐ道に狙いを定めて襲ってくるのだという。
 その住み家は岩山の上であり……しかし、その岩山は人が登れるような道ではない。
 そこを登ろうとすれば当然のようにワイバーンは迎撃に来るだろうし、そうなればマトモに反撃できるかも怪しい。
 だからこそフリアノンではイレギュラーズにどう依頼をしたものか困っていたのだが……そこに現れたのはアルヴァ=ラドスラフ (p3p007360)、ルクト・ナード (p3p007354)、ハンナ・フォン・ルーデル (p3p010234)、楊枝 茄子子 (p3p008356)、ブランシュ=エルフレーム=リアルト (p3p010222)、リリア=リザイア (p3p010432)、チェレンチィ (p3p008318)、綾辻・愛奈 (p3p010320)の8人だった。
「その仕事、俺らに任せてくれよ。何、適材だろ?」
 自信満々の表情でそう言うアルヴァだが……アルヴァたちは空専門の兵団「航空猟兵」を結成しており、空での戦いには他のイレギュラーズよりも強いという自負があった。
 そしてそれは、フリアノン側としても渡りに船であった。
 何しろ今回のワイバーンは地上から来る敵に滅法強い。どう考えても空を舞台に戦う必要がある……そういう敵だからだ。
 しかし、そういう敵であるということはアルヴァ達にしてみればまさに「うってつけ」でもあったのだ。
 空での戦いが主戦場になる……それは航空猟兵のまさに本領発揮であるからだ。
 依頼人から地図を受け取ると、ブランシュも軽く笑う。
「ブランシュたちの腕の見せ所ですよ!」
「ああ、行くぞ皆。航空猟兵、出撃だ!」

GMコメント

リクエストありがとうございます。
今回は「空での戦い」かつ「攻略戦」となります。
舞台はフリアノンから少し離れた岩山付近。
そこに陣取ったワイバーンを討ちとるのが今回のお仕事です。
なお、地上で戦う場合は足場が非常に辛いので特殊な「不安定」状態となり、命中率が下がるだけでなく行動を一定の確率で失敗する可能性が出てきます。

●モンスター
・アイスワイバーン×1
 氷のブレスを吐く青いワイバーン。飛行能力が高く、結構タフです。
 攻撃方法は氷のブレスですが「一点集中」「拡散」の2つのパターンを使い分けます。
 なお、「地上制圧」という能力を持っており地上にいる敵に対しては威力が上がるようです。

・デミワイバーン×20
 ワイバーンの中でも比較的小型種。
 弱いわけではないが、デザストルに住むモンスターとしては比較的下位の実力。
 火を吹くブレス攻撃、鋭い爪による攻撃を使用してきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 遥かなる空に捧ぐ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年05月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
アルヴィ=ド=ラフス(p3p007360)
航空指揮
チェレンチィ(p3p008318)
暗殺流儀
楊枝 茄子子(p3p008356)
虚飾
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー
ハンナ・フォン・ルーデル(p3p010234)
天空の魔王
綾辻・愛奈(p3p010320)
綺羅星の守護者
リリア=リザイア(p3p010432)
あらぶるりゅう

リプレイ

●航空猟兵、出撃せよ
 覇竜の空を、8人のイレギュラーズが飛んでいる。
 たとえ飛べようと通常であれば道を行く覇竜の事情を考えれば、それは少しばかり……いや、かなり珍しい光景であるだろう。
 そう、この8人は全員が何らかの飛行手段を持ち、また事前に確認した状況もそれを許し……それ故に「飛ぶ」ことを移動手段として選択できている「航空猟兵」の8人であった。
「……ふむ。全員で空戦とは、また珍しい物だ。空戦部隊として、しっかりと務めを果たすとしようじゃないか」
 覇竜の空を飛びながら、『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)はそう呼びかける。
 航空猟兵。それはルクトを含むメンバーで構成されている、『航空猟兵』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)をリーダーとする空専門の兵団だ。故に空を行くのは不思議ではない。
 しかしながら、地上だけではなく空もまた覇竜における数多のモンスターや亜竜の領域だ。
 ルートを外れれば数多の敵に襲われることには変わりなく、故に事前に確認したルートを外れることはない。
 それには地上を行くよりも格段にしっかりとしたルート確認、そして警戒が必要になってくる。
 つまり今やっているのは所謂「編隊飛行」であるわけだが……その動きは、実に統率のとれたものだ。
「終わったら全員でワイバーン鍋するぞ~、美味いか知らんけど。その為にも油断はするなよ」
「はーいリーダーよろしくね。まぁがんばろう」
 アルヴァと『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)が冗談めかすようにそんなことを言うが……そう、今回の敵はワイバーンだ。
 切り立った岩山に陣取り、フリアノンと他の集落を繋ぐ街道を通る者を襲うアイスワイバーン率いるデミワイバーンの集団。
 どちらも空を領域とする亜竜であり、数も総勢21と多い。その上、地上から進撃するには難しい場所が相手の本拠だ。
 空を飛べる者でなければ相手取るのが難しいような、そういう相手だ。
 だからこそ航空猟兵の面々が依頼を受けたわけだが……だからといって油断できる相手ではない。
「岩山に陣取り、集落同士を繋ぐ道に狙いを定めて襲ってくるワイバーンですか……。なるほど、厄介な。まあでも、こちらには空での戦いに慣れた方がおりますし、皆でかかれば何とか撃退出来るでしょう。ボクも飛べるのでお声を掛けてもらったんです。丁度飛行戦闘の経験も積みたかったところですし、頑張らせてもらいますよ」
「空の分野ならばブランシュ達が一番詳しいですよ。飛行を愛し、飛行にロマンを求め続けたエキスパート部隊……こんなに数が揃う日が来るとは思わなかったなぁと昔からは想像つかなかったですよ」
 『闇に融ける』チェレンチィ(p3p008318)と『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)が感慨深げに言うが……今まさに、そんなチェレンチィたちの力が求められているのだ。
 実際、飛行戦闘の良い経験にはなるだろう。亜竜の中でもワイバーンは空の覇者に非常に近い。
 それと「空」で戦うという経験は、航空猟兵の面々に並々ならぬ経験を与える事だろう。
「はぐれた個体が流れてくるのではなく、群れを従え襲撃してくるとは……知恵のついたケモノほど厄介なものはありませんね。足場の悪い中で空を飛んで襲撃してくるあたりなお厄介です。しかし航空戦こそ我らの本領発揮です」
「ええ。しかし風を切り空を飛ぶ……混沌に呼ばれてから多々ありましたが、初めての経験というのは良いものですね。とは言え、いつも以上に危険…気を引き締めて掛かりましょう。よろしくお願いしますね」
『天空の魔王』ハンナ・フォン・ルーデル(p3p010234)に頷きながら、『亜竜祓い』綾辻・愛奈(p3p010320)はリトルワイバーンを撫でる。
 個人的な目標として「落ちない」「味方を落とさない」「生きて帰る」を掲げている愛奈だが……完全は無理にせよいくらかでも達成できれば、それは次回に繋がる確かな成果となるだろう。
 そして気合を入れているのは航空猟兵全員に共通することだが……『あらぶるりゅう』リリア=リザイア(p3p010432)もまたそうだった。
「航空猟兵としての初めてのお仕事。ふっふっふ、空を駆けるのが自分たちだけだと思わないでよね。人に迷惑をかける悪い奴等は全部退治するよ! さぁ、いざ空中戦!」
 リリアの視線の先にあるのは岩山。そして……こちらに気付いているアイスワイバーンたち。
 当然だ。向こうとて節穴ではない。この辺りが狩場になっている以上、近づいてくる敵を警戒していて当たり前だ。
 しかし、そんなものは織り込み済みだ……慌てる事など、ない。
「そんじゃ、サクッと掃除を済ませるか。お前らやり過ぎんなよ、木っ端みじんになったら後で食えねぇから!」
「さぁ、狩りの時間だ。派手にやろう」
「適当にやって行こうか。会長に任せてよ」
「一気に叩いて、キメにかかるですよ!」
「任務を開始します」
 アルヴァの掛け声に全員がそれぞれの返事を返し、航空猟兵の面々が展開していく。
 そう、空中戦の開始であった。
 天気は快晴、風向きは良好。航空猟兵の戦闘機動に、一切の支障……無し。

●航空猟兵、任務を完了せよ
 まず最初に放たれたのはブランシュのエルフレーム:ストームブラストだ。
 デミワイバーンと引き離すべく放った一撃だが……反撃のように一点集中型の氷のブレスがブランシュへと放たれる。
「おおっ!?」
 強い。その一撃でブランシュはそう感じたが、すぐにチェレンチィがフォローに入る。
 総勢20にも及ぶデミワイバーンが攻撃態勢に入り、アイスワイバーンもこちらを確かな敵として見据えている。
 アイスワイバーンの実力は勿論相当なものだが、デミワイバーンとて「覇竜では下の実力」であっても、やはり覇竜に生きるモノなのだ。その威容たるや、決して甘く見て良いモノではない。
 そしてアイスワイバーンはそのリーダーとしてブランシュたちの意図を確認すると一鳴きし……デミワイバーンたちがアルヴァ達へと飛んでいく。
「群れのボスを仕留めれば、手下の士気もまとまりも悪くなるでしょうし。ボクたちでどうにかしませんと!」
 アイスワイバーンへとヒットアンドウェイを心掛けるチェレンチィの手にはトライノーイシェスチが握られ、確かな戦意を現す。
(ブレスを浴びて墜落してしまえば、そのまま続けて攻撃を受けてあっという間に戦闘不能に……というのも十分あり得ますし、最大限回避しなければですね)
 油断は、ない。生まれた時から飛ぶことを覚えている亜竜相手に空中戦を仕掛け、油断など出来ようはずもない。
「全武装展開。ルクト・ナード、交戦開始」
 ルクトの狙いもまた、アイスワイバーンだ。多目的炸裂弾頭『MRBL』を放ち攻撃すれば、派手に炎が巻き上がる。
「……何、それなりに技術は磨いたつもりだ。ドッグファイトくらい、ワイバーン相手でもやってみせようじゃないか。まぁ、ならないに越したことはないが」
 そんなルクトはバックパックを搭載してスラスターの性能を高めている。
 不意に翼がイカれても、多少のカバーが効く筈だ……という考えによるものだが、つまるところ「いざという時」が起こらない為の対策であるとも言える。
 それだけ作戦に対して真摯に挑んでいるわけだが……それはアイスワイバーンという強敵に対処するための当然の処置でもある。
 アイスワイバーンさえ倒してしまえばデミワイバーンは烏合の衆。
 それが分かってはいても、アイスワイバーンは強敵だ。
 確実に倒すためには、デミワイバーンにアイスワイバーンの援護をさせてはならない。
「人様がいつまでも食い物にされると思ったか?」
 だからこそアルヴァはデミワイバーンの群れに突っ込んでいき、エルメリアの妄執を使用し名乗り口上をあげる。
「今度はテメェらが餌になる番だ、纏めて相手してやるから覚悟しろ」
 アルヴァの狙いは、可能な限りデミワイバーンを一列に引き付ける事だ。
 すぐにそれが上手くいくはずもないが、そのタイミングは必ずくるはずだ。
 それに……デミワイバーンに対応するチームは、必ずしも殲滅を第一目標とはしていない。
(会長たちは時間稼ぎメインだね。アイスワイバーンを倒してくれるのを待ってるだけのお仕事)
 サンクチュアリを発動する茄子子は仲間のサポートが役目だが、その動きは手慣れていて余裕すら垣間見える。
「翼を授ける〜。いらない?ㅤそっか」
 そんな冗談すら飛び出す程だが、これは事前にしっかりと取り決めた作戦が効いているからだろう。
 たとえばハンナは自分の武器とスキルの最大射程位置に陣取りつつ攻撃をするように位置取りに気を配っていた。
 プラチナムインベルタを放ちながらも、デミワイバーンの攻撃には可能な限り被弾しないようにしようと気を配る。
「下手に当たって地上に堕ちようものなら大惨事になりますからね……」
 飛んでいると良く分かるが、この辺りは地上を進む者にはあまりにも優しくない環境だ。
 そこを根城にしている以上、1度落ちればデミワイバーンたちから苛烈な攻撃が飛んでくるのは間違いない。
 とにかく時間稼ぎが目的である以上、こちらが落とされることは可能な限り避けたい。それが実際のところであったし……誰か1人でも落ちれば、戦況が一気に不利に傾くであろうことは明らかだった。
 だからこそ、アイスワイバーンの撃破は必須。そして……愛奈は、アイスワイバーンの視線の死角を取り、距離を取る時は下方向に逃げ、味方の居る方角まで移動したのち上昇するといったような方法をとることで狙いを絞らせないようにしていた。
「例え貴方が強い個体であろうと、頭は一つ、目は二つ。全員に注力することなど、出来はしないでしょう?」
 愛奈もフォローメインだがルーンシールドでその身を守り、大天使の祝福を傷つく仲間達にかけていく。
 アイスワイバーンの強さの前では、愛奈にも然程の余裕はなく……目まぐるしく変わる状況をこちら有利にする為にも、一瞬ですら気を抜けはしない。
 だが、それでも変わらないことが1つある。どんな強者相手であろうと、今此処で引く理由はない……ということだ。
「空を我が物顔で飛んで人を襲う悪党の親玉! 倒すのよ!」
 空を舞うリリアもまた、その瞳に闘志を宿している。
「ふっふっふー、お前だけが空を飛べるとは思わない事ね! 私達も空で戦うのは得意なのよ!」
 そう、リリアたちは航空猟兵であるからこそ。空での戦いでの経験で負けようとも、最終的な価値だけは譲る気はない。
 魔哭剣で切りつけ、すぐに離脱する姿は仲間との連携をしっかりと意識している証だ。
 ルクトの多目的炸裂弾頭『MRBL』が放たれ、そして……ブランシュとチェレンチィの神鳴神威が、ついにアイスワイバーンにトドメを刺し大地へと叩き落とす。
 そして、その事実に動揺したのだろうか……ついに残ったデミワイバーンが「望む状況」に至った。
「今だ、ハンナ。魔砲をぶっ放せ!」
「一気になぎ払います!」
 アルヴァの合図に従い、ハンナの魔砲が放たれて。それは、残ったデミワイバーンたちの敗北を意味する一撃だった。
「お前たちの親玉は倒したわ! でも降伏しないだろうから全部倒してあげるね!」
「よおしラストスパート。気張っていこう!」
 そんなリリアと茄子子の宣言通りに残った僅かなデミワイバーンを倒し切れば、もうこの場に敵は1体すら残ってはいない。
「ふう……恐れるものの無い空とは、こんなにも自由なのですね……」
 愛奈の視線の先ではリリアが岩山に旗を立てようとして「制圧した印に旗を……え、だめ?」とアルヴァに止められているのが見える。まあ、あまり目立つものを置くとまた変なのが来るかもしれないから仕方ない。旗は心に立てておこう。
「空は良いですよ。自由に翼を広げて空を駆ける。空中戦は色々と大変なのもあるけど、それも相まってやって良かったと思う世界ですよ。この道へ引き入れてくれたアルヴァさんに、改めて感謝するですよ! ブランシュ、記憶はねーけど今が一番楽しいと思うですよ!」
 ブランシュがそう叫べば、全員が微笑む。皆言葉には出さずとも同じ気持ちだったのだろう。
「では、任務完了ですね。皆さんお疲れさまでした」
「よし……では戻って報告だ! 最後まで気を抜かずに行くぞ!」
 ハンナにアルヴァも頷き、号令を出して。航空猟兵の面々が、フリアノンへ向かって飛んでいく。
 航空猟兵の勝利とこれからを祝うかのように空は青く。何処までも透明だった。

成否

成功

MVP

アルヴィ=ド=ラフス(p3p007360)
航空指揮

状態異常

なし

あとがき

リクエストありがとうございました。
空中戦は楽しいですよねー

PAGETOPPAGEBOTTOM