PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<Celeste et>雲の中の清流

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<Celeste et>雲の中の清流
 一世紀ほど前より語り継がれし伝承、伝説の浮遊島「アーカーシュ」。
 過去、大規模な調査団が送り込まれたものの、帰ってきた者はおらず、自然と調査団が送り込まれた……という事自体も、自然と忘れ去られつつあった。
 ……そして、そんな噂話が忘れ去られた、現代の鉄帝国。
 南部に存在する町「ノイスハウゼン」、その上空に突如現れた積乱雲。
 その積乱雲の中から零れ落ちてきた少年少女達は、この積乱雲の中に「アーカーシュ」があり、その村が、だんだんと厳しい生活になりつつある事を知らせんと、鉄帝国に降り立つ。
 そして、その話を聞いた『歯車卿』エフィム・ネストロヴィチ・ベルヴェノフは、軍部とギルド・ローレットに話を持ち掛ける事で、「アーカーシュ」の調査を依頼する。
 騎乗用ワイバーンを駆り、「アーカーシュ」に降り立ったイレギュラーズ達。
 その目の前には、人々が慎ましやかに住まう「レリッカ」村、そしてその村長である『レリッカ村長』アンフィフテーレ・パフは、笑顔でイレギュラーズ達を迎え入れるのであった。



「イレギュラーズ殿は今までもたくさんの冒険をしてきた様だな? ならば、そんなイレギュラーズ殿にしか出来ない頼みがあるのさ」
 若い風貌のパフ……彼が言うには、一世紀ほど前の調査団の一員であったというのだが、その風貌からはそう見えない。
 とはいえ、そんなパフを村に住む人々は時にはエタソンやヤンジイと呼んだりしながらも敬いは忘れていないので……村内最高齢というのはおそらく正しいのであろう。
 そんなパフからの頼みを無下にはできず、君たちが耳を傾けると。
「正直この「アーカーシュ」は、私たちが住むこの「レリッカ」村の少し周り位までしか安全が確保されていなくてね、まだまだ未知がいっぱいなんだ」
「とは言え危険のない範囲で足を延ばす村人たちも多くてね……そういう人たちから私も話を聞くんだよ」
「そんな聞いた話の中で、ここには食材があるんじゃないかなっていうところがあるんだ。正直私たちは、今は満足に食料も調達できないでいる。一か所でも食材を採れる所を確保するのは、私たちにとって文字通り「死活問題」なのさ」
「そこで、その食材が確保できそうな場所に向かってもらって、そこにある危険を排除してきてほしいって訳なのさ。危険がある場所に、村人たちを向かわせる訳には行かないからね……自分勝手かもしれないけど、今まで冒険してきたイレギュラーズ殿だったら、きっと対処できるはず。という訳で、よろしく頼むよ?」
 とアンフィフテーレは、不敵な笑みとともに肩をたたくのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼は新たに発見された浮遊島『アーカーシュ』の「食料が取れそうなところ」の確保になります。

 ●成功条件
  『アーカーシュ』の平原地帯、清らかな清流が流れる川と、その周囲の安全確保をする事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  一面に原っぱが広がる草原地帯、そこを清い流れの川が流れている風景です。
  一見して危険はなさそうですが……それは間違いで、その川の獲物を捕ろうとする者に危害を加える敵(古代獣)がいる様です。
  彼らは川に入り、獲物をとる行動(魚を釣ったり、銛で刺したり)をするのに目をつけて空から襲撃を仕掛けてきます。
  複数体で、一斉に仕掛けてきます。
  それらに対処できないと安全に漁をすることはできませんので、古代獣たちを一匹残らず殲滅し、安全を確保した上で川に眠る魚等を採るようにしてください。
  もちろん、川に棲む魚たちは、地上では見ない魚ですので、珍しい釣果には命名して頂くことが可能です。

 ●討伐目標
  ・釣果を横取りにしようとする者を襲う「チュレイサ」(魔梟) + ウィンドエレメンタル(風精霊)
    草原の中に点在する樹に巣を作っている梟たちです。
    彼らは基本的に注意深い性格なので、人が近づいてきたら姿を隠しますが、釣果を採ろうとしたら目の色を変えて襲撃してきます。
    数匹で群れを組んでおり、そこにウィンドウエレメンタルを引き連れて襲撃します。
    彼らの主たる攻撃手段は、怪音波です。
    その怪音波には、混乱やショック等のBSが付与されるものもある様ですので、注意が必要です。

 ●特殊ルール『新発見命名権』
  浮遊島アーカーシュシナリオ<Celeste et>では、新たな動植物、森や湖に遺跡、魔物等を発見出来ることがあります。
  発見者には『命名権』があたえられます。
   ※命名は公序良俗等の観点からマスタリングされる場合があります。
  特に名前を決めない場合は、発見者にちなんだ名が冠されます。
   ※ユリーカ草、リーヌシュカの実など。
  命名権は放棄してもかまいません。
   ※放棄した場合には、何も起りません。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <Celeste et>雲の中の清流完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年05月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!
日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
トスト・クェント(p3p009132)
星灯る水面へ
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)
陽気な骸骨兵
ジン(p3p010382)
マリエッタ・エーレイン(p3p010534)
死血の魔女
雷霧(p3p010562)
奇剣

リプレイ

●清流に育まれ
 一世紀ほど前より語り継がれていた伝承の島、浮遊島『アーカーシュ』。
 眉唾物の噂話だと思われていたその島が、鉄帝南部『ノイスハウゼン』の上空の積乱雲の中に突如として現れ、その島より降り立ちし子孫の子供達が現れたのだ。
 ……そして、そんな子供達の話を受けたイレギュラーズ達は、今こうして騎乗用ワイバーンを駆りて、島へと降り立つ……そして、『レリッカ村』の村長、パフから託されたのは、村の食料を調達する為の場所を探してきて欲しい……というもの。
「ふむ……未知の領域に僅か100人で、ゼロから村を作って、それから一世紀掛けて生活しているというのか……まったく、人間というものは、逞しいものだな」
 と『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)は感心する様に一人ごちる。
 呆れている訳では無く、強く生きる空の上の人々に対する畏敬の念を踏まえての言霊。
 そんな村人達からの依頼とあれば、無碍に断るわけにも行かない。
 そしてパフの言う『食材が確保出来そうな場所』を訪れたイレギュラーズ達の目の前に広がるのは……広く広がる平原と、清らかな清流の流れ。
「おー……これはこれは壮観な風景やなぁ……この草原地帯を見てると忘れるけど、思っきし浮遊しとるんよな、この場所。なんや不思議な気分やねぇ」
 と、その風景を目の当たりにした『奇剣』雷霧(p3p010562)が、感動する様に感嘆の声を零すと、それに頷きながらジン(p3p010382)、『微睡む水底』トスト・クェント(p3p009132)と『陽気な骸骨兵』ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)も。
「確かに空の上で川が流れているのは、奇妙な光景だ。そしてそこで糧を得る為の安全確保か……どこかで聞いたような話だな」
「そうだねぇ……確かに食べ物はねぇ、大事だからねぇ……綺麗な川の流れだから、住んでいるお魚さんも良いお魚さんが多いんじゃないかなぁ……? いろんなお魚さんも居るってパフさん言ってたし、安全に釣りが出来るようになるといいなぁ」
「そうですな! 地上にはない、未知なる食材と聞いて動かねば、冒険者の名が廃りますな! 必ずや漁場を確保し、素晴らしい釣果を上げて見せましょうぞ! どんな魚が釣れるのか楽しみですなぁ……」
「ああ。村人達が困っているとなれば、勿論手を貸さなければな」
 そんな三人が躱す言葉に、落ちついた雰囲気の『炯眼のエメラルド』マリエッタ・エーレイン(p3p010534)が。
「そうですね……アーカーシュの調査は、やっぱりワクワクしますね。でも……ここにも食料を狩猟する生き物が居るのですね? 確か……」
 と小首を傾げると、『疾風迅狼』日車・迅(p3p007500)と『案外常識人』キドー(p3p000244)が。
「ええ……まぁ相手が獲った獲物を横取りしていく獣は余り珍しくありません。強き者だけが食らえる、と……ここも、地上も変わりませんね。そして、そのような獣たちを知恵と工夫で薙ぎ倒してきたのが人間です」
「ああ、そうだな。俺等みたいな戦力がやってこなけりゃぁ、奴らも上手いこと魚にありつけたんだろうが……ま、古代獣どももやり方は賢いが運が無かった、って訳だ」
「そうですね……古代獣であろうと何であろうと、釣り野邪魔をするものは、全て殴り倒すまでです」
 そんな二人の声に、更にマリエッタとトストも。
「ええ。今回は排除が目的……残念ですけど、ここは処理させて貰います」
「そうだね。魔梟たちも用心深い性格なら、『人間は危ない』って事を覚えてくれたら近づかなくなるだろうし! その為にもおれたちの力を、しっかりと見せて上げないとね!」
「はい……しっかりと理解させましょう」
 そうイレギュラーズ達は、パフから託された想いを胸に、清く流れる清流の下へと向かうのであった。

●漁獲法
 そして……清流の傍らに辿り着いたイレギュラーズ。
「さて、と……それじゃ俺達は奇襲班だったよな? んじゃ、魚釣りと、古代獣たちの誘導を宜しく頼むぜ?」
 と、キドーはニッ、と笑みを浮かべながら肩を叩くと、それに頷く雷霧。
「ああ、了解や。取りあえず釣れば、奴らも餌を獲られそうだって勘違いしてくるやろうし、な」
「そうですね。お、囮役ですからね……」
 と雷霧の言葉に、ちょっと不安気なマリエッタ。
 それにヴェルミリオが。
「ふむ……不安な様ですな。ですが大丈夫! 釣りに重要なのは釣り竿、釣り餌、そしてエサが生きているように魚に思わせる事だと思いますぞ! という訳で……全て準備してきたので、それを利用してくだされ!」
 とそれら道具を準備し差し出す。
「あ、ありがとうございます……それで、私も頑張ってみます……」
 少し安心したような表情を浮かべるマリエッタ……そう釣りの準備を三人が整えている一方で、残るイレギュラーズ達は一旦その場から離れて、ギリギリその場所の状況を観察できる場所まで退避。
 テントやタープの様なものを幾つか設置し、自分達の姿を見えない様に、かつ囮の釣り班の動静を見渡せるようにして。
「さて……後は仲間達が腰を据えて釣りをしようとしている様に奴らが思ってくれればいいのだが……果たしてどう出るかな」
「そうですね……ですが釣らないことには始まりません。上手く釣ってくれる事を信じるとしましょう」
 エーレンの言葉に、迅は苦笑しながらぱさっ、とテントの中へ身を潜める。
 彼に続き、奇襲班の四人も次々と身を隠して……来たる時を待ち、更にトストは……一番近い、水中に姿を隠す事で、いつでも飛び出せるように準備を整えていく。
 ……そして、清流の傍らで釣り糸を垂らし始めるヴェルミリオ、マリエッタ、雷霧。
 暫しの間、清流の流れる音と共に……のんびりとした時間。
 この場に、そんな凶悪な古代獣達が出るだなんて信じられない位にのんびりとした時間だけが、蕩々と過ぎていく。
「……しかし、これは……落ちついて穏やかで……確かに、襲撃には向いていなさそうな場所ですね……本当に、古代獣達は現れるのでしょうか……?」
「そうでありますねぇ……まぁ、取りあえず魚が釣れない限りは、警戒心が強いと言いますし、のんびりとまいりましょうかねぇ……」
 目を細めながらも、釣り糸を垂らして更に数刻。
 ……そして、十分程度が経過した、その時。
 ヴェルミリオの垂らしていた釣り竿が、クイッ、クイッ……と海中で突かれる。
「む……どうやら来たようでありますな。でも、慌てない慌てない……こういうのは、しっかりと惹きつけて……ここでありますっ!」
 タイミングを見計らって、ぐぐっと釣り竿を引き揚げるヴェルミリオ。
 釣り糸の先の釣り餌にばっくりと食いついていたのは、身体に金と銀のトリコロールの縞々模様が刻まれた、体長50cm位の魚。
「おお、見事にお魚さんが掛かりましたぞ! いやぁ……中々綺麗な魚でありますね。美味しそうかどうかはちょっと分かりませぬが、見た事の無いお魚さんでありますよ!」
 どこか嬉し気なヴェルミリオ。
 そう彼が魚を釣ったらば、立て続けにマリエッタと雷霧の釣り竿にも魚が掛かり、次々と釣り上げていく。
 三人が次々と魚を釣り上げていき、陽射しの下に煌めく魚の姿はどこか美しい。
 そして……そんな魚を掲げることで、隠れて観察している仲間達に釣り上げたことを見せつけていると……。
『……ホゥゥ……ホゥゥ……』
 遠くから聞こえてきた鳴き声。
 その鳴き声は正しく、獰猛で獲物を横取りにされたくない、と空から舞い降りてきた、魔梟『チュレイサ』の群れ。
「む……早速お出ましの様やな! だがこの魚たちは私はせぇへんよ! むしろ生かして帰さへんでぇ……!!」
「そうでありますぞ! 釣果は渡さん! 未知なる魚を塩焼きにして食うのは我々ですぞー!!」
 と、どこか嬉しそうに宣言す雷霧とヴェルミリオ。
 そんな釣り班の三人の大声に、当然隠れていた仲間達も気付き、突撃準備を開始。
 一方、水中からザパァン、と飛び出して、即座に戦列に加わるのはトスト。
 瞬く間にイレギュラーズ達に包囲されてしまうチュレイサは……威嚇の鳴き声を上げると共に、自分の周りに風の精霊を召喚していく。
 そんな敵陣の動きにヴェルミリオとマリエッタの二人は。
「ほうほう……中々に獰猛な梟たちの様ですな! 話を聞く素振りもない様でありますし……ま、鳥頭だから理解すらしないのかもしれませぬが」
「そうですね……と、兎も角早々に数を減らして行かないといけませんね……」
「ええ……雷霧殿も準備は宜しいでありますかな? スケさんが先に行きますので、続いて下され! トストさんも、後に続いて意表を突くのでありますよ!」
 短く作戦を会話し、真っ正面からヴェルミリオとマリエッタの二人が先手の攻撃を嗾ける。
 ヴェルミリオは口上を述べて怒りを惹きつけつつ、自己強化をしたが後の剣撃の一閃。
 一方のマリエッタは、ヴェルミリオが攻撃した相手の中で、一番ダメージを喰らった相手に不可視の刃を放つ事で、更にダメージを重ねる事で、一匹を仕留める。
 どうも梟単体である限りは、そこまで強敵という訳ではなさそうである。
 ただ、続く刻には周りのエレメンタル達が強力な攻撃魔法を吹き荒れさせれる事で、風の力で押し返していく。
 そんな敵陣の動きを見た上で、。
「早速現れた様ですね。では、戦闘開始です!」
「ああ! 意地汚いてめえらの根性、たたき直してやるぜ!」
「そうだな……完膚なきまでに、叩き潰してやろう」
 奇襲のために隠れていた迅を先陣に、キドー、ジン、エーレンが三人の元へと駆けつける。
 突然出て来たイレギュラーズ達に驚きの咆哮を上げるも、そこにエーレンが。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。お前たちに恨みはないが、やらせて貰うぞ」
 と、鈍く輝く剣を掲げ、一閃の太刀を叩きつけて、邪魔するウィンドエレメンタルを一刀両断。
 別のウィンドエレメンタルが立ち塞がるまでの間に、キドーはフーアとの盟約の下に敵陣の体勢を崩させ、更にジンも急所の三天を貫く一閃を放つ。
 更にトストも海中からの絶望の海を奏でし呪いの呪言を放ち、そして最後に迅は隙の狭間に割り込んで接近し、チュレイサを勢いよく竜撃の刃で斬り付ける事で、更に敵の動きを制限。
 イレギュラーズ達の攻撃一巡によって、大方のチュレイサとウィンドエレメンタル達は多数のバッドステータスに苦しめられることに。
『ホゥウゥ……』
 と、苦悶の咆哮の獣共が苦しんでいくのを見て、ジンは。
「ふむ……取りあえず俺達の攻撃は結構効いている様だな? ウィンドエレメンタルの数は多いが、あいつらを足止めさせときゃ、梟を仕留める事自体はそんなに難しく無さそうだ」
 と言うと、それにエーレン、キドーも。
「そうだな。んじゃこっちはちょっと回り込んで、いい感じに足止めしといてやるさ」
「分かった。それじゃあこっちは、真っ正面から敵を惹きつけるとしよう」
 そう作戦を組み立てて、エレメンタルを妨害しつつ、梟たちを一匹ずつ確実に仕留めて行く作戦を採る。
 当然梟は死にたく無いと言わんばかりに、甲高い咆哮を上げて怪音波を辺り構わず鳴らしてイレギュラーズ達へ混乱とショックのバッドステータスをどんどんと積み重ねていく。
 だが、そんな敵のバッドステータスは、速攻でマリエッタが癒しの光で仲間達を包み込み、すぐさまバッドステータスを解除。
「回復、ありがとな」
 短く礼を告げつつ、ジンは怒濤の勢いで瞬天の三段攻撃で急所を突き、確実に一匹ずつを仕留める。
 そして……そんなイレギュラーズ達の猛襲により、釣果を奪われると目の色を変えていたチュレイサ達は返り討ちに遭い……数刻の後に、全てのチュレイサと、ウィンドエレメンタル達は平原の中に消え失せて行くのであった。

●清い流れに
 そして……古代獣らが全て崩れ去った後。
「さて、と……もう他に敵は居ないか?」
 周りをぐるりと見渡すジン……梟の鳴き声ももはやなく、清流の流れる音だけが蕩々と流れるばかり。
「……そうやね。鳴き声もないし、もう大丈夫そうや。それじゃ、釣りの続きやね? まだまだ他の魚もいつかもしれんしな」
「そうだね~。どんな魚がいるか見たいな~……あ、でもみんなは釣りをするんだよねー? それじゃぁ、おれはあっちの岩の間とかを探してみるねー」
 雷霧の言葉に手をひらひらと振りながらまた変身して海の中へと潜っていくトスト。
 海の中をすいすいと泳ぎながら、岩間の海藻やらを採取したり……。
 ……その一方でヴェルミリオは、先程釣り上げたトリコロールカラーの魚を手にして。
「取りあえず、この魚は新種なのは間違いありませんな」
 と言うと、それに迅も。
「そうですね! 身も結構ついている様だし……食べ応えがありそうです! 勿論新種の魚ですから、ちょっと食べる分には怖い所もありますが……ね」
 と苦笑すると、それにヴェルミリオは。
「そうでありますね。果たして上手いのでしょうか……」
 と小首を傾げるヴェルミリオに、マリエッタが。
「……もし良ければ、もう一匹釣れたら捌いてみましょうか? 一応……解剖道具とかは、用意してきました……」
「ふむ……確かに毒があるかもしれませんし、それは助かりますな! しかし……何故に解剖道具を?」
 小首を傾げるヴェルミリオに、マリエッタは顔を背けて。
「……へ、変な目で見ないでくださいよ……? だって……色々と調べておきたかったので……ただ、それだけです……」
「そうでありますか。分かりました。では、兎に角もうちょっと魚を釣り続けるとしましょうぞ! もしかしたら更なる魔梟がやってくるやもしれませんし、一応警戒は続けておくとしましょう!」
 とヴェルミリオの言葉に皆が頷き、再び川沿いに腰を下ろすイレギュラーズ。
 ……暫らく時間が経過すると、同じくトリコロールカラーの魚は何匹も釣れていて……どうやらこの川にはこの魚が多く群生している模様。
 更にトストが海中を捜索していると……岩に張り付いていた『海苔』の様な海藻も発見する事が出来る。
 そして魚が多く捕れたので、其れを解剖して見ると……かなり肉付きが良く、身はプリプリとしていて……かなり美味しそう。
「ふぅん……こりゃ中々美味しそうな魚だな? 取りあえず解剖し終わった奴を焼いて塩を振って食べて見るか? ま、食べたく無い奴は別に食べなくていいけどよ」
「ん……面白そうだな? ま、俺達はイレギュラーズだから食あたりで死ぬこともないだろうし、ま、食べて見るとしようぜ」
「りょーかい」
 キドーとエーレンが頷き合い、そして……トリコロールカラーの魚を焼く。
 香ばしい匂いがして……身を囓れば、ジューシーに汁が滲む。
 そう……地上では食べた事の無い様な、面白くも美味い新種の味に舌鼓を打つのであった。

成否

成功

MVP

マリエッタ・エーレイン(p3p010534)
死血の魔女

状態異常

なし

あとがき

アーカーシュの川捜索にご参加頂き、ありがとうございました……!
色が鮮やかな魚さんって、以外に美味しいのが多かったりしますよね……?

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