シナリオ詳細
頭ばっかり肥えちゃって青白い顔黒い縞
オープニング
●さてもさきほどからぐるぐるとやかましいね
『愛してる愛していますはもう飽きたの、ツァン?
そうでもないですか、のーみそこねこね。おいしくボイルできたら頭蓋骨を牡蠣の殻をめくるようにスプーンの端で壊して、脳汁スープごといただきますしましょう、はいあーん。お味はいかが? 矯正してたとて今日明日じゃどうにもならないので、だからさっきからぐるぐるとしているのは誰のまなこなのやらこちとら知らんぷり。あふれだしますか、遠くは蟹ですか。たきじだったか、きたじだったか、どっちだったか、忘れましたし、船の上で酔ったらいつでもレインボーですがなにか。
無線から有線へ戻したのに電波はいらないのなんで? 白鍵から黒鍵へ移ったのにコード変わらないのなんで? かみさまはそんなの知りません。ひとつひとつ丁寧に願い事聞いてくれるわけ無いじゃんね、人生とやらは結局のところ神頼みなところがあるのに、そのかみさまは平等に不平等だったりするからよくわからないところで平手打ちされるんですなこれが。知ったところで何かわかるわけでもなく、無意味な知識を活かすこともなく、せめてひけらかせてほしいよなあ。なんて。くもりガラスにハートマーク書いてみてよ。
ところでおなかすきませんか? わたしはめっちゃすいてます』
●ぐるぐる打法でホームランオアダイ
「スイカ割りしよう」
え? あの書き出し何だったの?
「依頼書の断片」
ユグゴト・ツァン (p3x000569)らしきものはつっけんどんに言った。
森の奥にスイカがいるからスイカ割りしよう。つまりそういうことらしい。スイカが「いる」って時点でもう嫌な予感しかしない。
まあたしかに最近は初夏かなってくらい暑いけど、スイカ割りにはまだ早いんじゃないかな。そう思ったアナタだったが、クエストがそうなっている以上受けねばなるまいや。かくしてあなたがたは密林へと旅立った。
ああ、うん、スイカだ。スイカいるねえ。なんかぐるぐるまわってる頭がスイカの人間みたいなのがうろうろしてるねえ。
釘バットみたいなの持ってるし、あれで殴られたら不必要にデスカウント溜まりそう。
やーだなーなんて思いながら近づいていくと、こちらの気配に気づいたスイカ人間がダッシュで寄ってくる。回りながら。器用だなオイ。
とはいえ、こいつらが今回のエネミーで間違いないだろう。
問題はクエスト文に書いてあった『ぐるぐる回りながら倒せ』という一文だ。ためしに普通に攻撃してみたら釘バットの鉄壁ガードで跳ね返されて死んだ。
これはもうこっちも回転しながら攻撃するしかないということか。ほかに、ほかになにか方法はないのか。あなたは依頼書を最後まで読んだ。
『スイカって種ばっかでたべにくくてイマイチだなって思ってるので滅ぼしていいよ』
- 頭ばっかり肥えちゃって青白い顔黒い縞完了
- GM名赤白みどり
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年04月21日 21時55分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
「テ・ケリリ! テ・ケリリ!」(さあ、始まるザマスよ)
「いあ! いあ! くとぅるふ ふたぐん!」(行くでガンス)
「まともに始めなさいよ!!」
一行目からそっ閉じまちがいなしの出方に『恋焔』ハウメア(p3x001981)は拳ギュッと握って叱りつけた。冒頭からテンション高かった『全ては愛』ユグゴト・ツァン(p3x000569)と『ジョセフ・ハイマンのアバター』ジョセフ(p3x002258)は、「はーい」と両手をあげている。それよりもう5年前のネタが通じるか心配になってきた。書き手の心痛はつゆ知らず、ハウメアは鼻息荒く周りを見渡した。
(まったくもう、まともな人はいないんですか、まとな人は!)
「神よ今日は素晴らしい日ですうううううううううううううう!」
『闘神』ハルツフィーネ(p3x001701)が随喜の涙を流していた。そして地面から生えているでっかいもふもふくまさんのぬいぐるみに抱きついてヒャッホウした。戦場はいたるところにもふもふを極めた巨大くまさんのぬいぐるみが生えていた。彼女のだいすきなだいすきな。きみはこのくまさんを活用してもいいししなくてもいい、いいね? とりあえずハルツフィーネは最大限活用すると決めたようだった。
具体的には。
「よいせっと」
くまさんを引き抜き、自分の持っているこれまたでっかいふわふわくまさんにわたす。ふわふわくまさんがもふもふくまさんを持ち上げ、手首のスナップを効かせてスイカ頭へ投げつける。だいじょうぶ? くまさんがゲシュタルト崩壊起こしてない? とにかくオータニもうらやましがる超速度で飛んでいったもふもふくまさんがスイカ頭へ命中し……。
パグシャア! スイカが割れた。
「んー、いいねいいね、160はでてたね」
『わるいこ』きうりん(p3x008356)は訳知り顔で仁王立ちしている。そのとなりで『水底に揺蕩う月の花』エイラ(p3x008595)がなんかふらふらしていた。
「んん~、壊れる瞬間のぉ。スイカと意思疎通してみたけどぉ、これはあれだねぇ、なかなか貴重な体験だねぇ」
エイラはふらふらしながらつづける。
「やっぱり脳を破壊されるとぉ、ブラックアウトしておしまいなんだねぇ。死後の世界なんか幻だねぇ、うふふふふ、ふぅふぅふぅふぅ」
「死後の世界か、それについて語らせると長いよ」
『夜告鳥の幻影』イズル(p3x008599)が肩で息をしているエイラの背を叩き、どうどうと落ち着かせた。
「死後の世界の定義から始めようか。一般的には生者が肉体を手放した先に行き着く世界だとされているけれど、しかし待ってほしい。そのように思考停止してもいいのだろうか」
「まあま あ そのへんで」
『不明なエラーを検出しました』縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)がさらりとイズルを遮った。すこししゃべれるようになったのですね、PCの成長は常に、GMにとって心温まるものです。一言でいうとおばあちゃんの気分。
なんてやってたらじわじわとスイカ頭が集まり始めた。あんまりわちゃわちゃやってると、こっちがブラックアウトする。頭きうりの悪い子が中指を立てた。
「きうりより水分保有量少ないくせにウォーターメロンとかってイキってるのがムカつくから滅ぼしにきたよ!? よろしくね!!」
これ以上ない宣戦布告である。
●
「今日はしっかりと朝食を摂ってきたわ、ホイップクリームのたっぷりなステーキよ! 朝食を抜くような子はいないわよね、お母さんはそう信じているわ、食べてない子には今からでもメープルシロップがけソーセージを処方するから手を上げなさいな」
ツァンは愛情に溢れたぐるぐる目玉で子供達こと、仲間を見回した。この女交友関係全員を抜け目なくギフト対象にしてやがる。当然あがる手は皆無、全員朝食は取ってきたようだ。でも悪い子もいるから油断はできない。なんの油断かは知らんけど。
「それじゃあ早速だけれど子供達、私は今からぐるぐるバットをするわ!!!」
愚瑠愚瑠馬吊徒(ぐるぐるバット)とは古代中国から連綿と続く拷問である。初期は天井から馬のごとく吊るした罪人の額へ棒をあてがい、そのまま回転させることで額が焼ける苦痛を味あわせたが、時代が下るに連れて天井から吊るす部分が簡略化されていき、いまでは児戯の中に面影を見るのみである。――明銘書房
その方法とは!
ツァンはどこからともなく釘バットを取り出した。そしておお見よ、自ら腰を曲げ、地へ立てたバットの柄へ額を押し当てるではないか!
「見なさい、子供達、これがお母さん渾身のぐるぐるバットよ!」
まわる~まわる~よ~じだい~は~まわる~。ツァンはそのまま島仲きみゆをBGMにバットを中心にして回転し始めた。二回転半くらいしたところで……。
「うぉっぷ、う、えぶっ。うるおおお」
『三半規管 よわ!』
「あ、これダメ。かなりダメ。具体的にはリアルよりヤバイなんか脆さが増してるああ天地がひっくり返っ……も、だめ、子供達、お母さんは先にリバージョンしてるわ……あとは託したわよ」
「初っ端から離脱者出たー!」
縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧とイズルが、ツァンのあまりの儚さにびっくりした。
(二回転半て虚弱が過ぎないかい……まあ体質は人それぞれだけど、どうしてそれでぐるぐるバットをやろうとしたのかが理解しがたいね)
この場で一番理解しがたいモノであるところの縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧からそこまで言われたらツァンも本望だろう。その死に顔は穏やかですらあったと言う。
「というか。いまのは回転というよりも目を回すだけの行為なのでは?」
ハウメアがこの世の真理に気づいてしまった。まずい、消されるぞ。逃げてハウメア。今回唯一の常識人枠なの。死なれちゃ困るの。ハウメアはぐっとスイカ頭たちをにらみつけ、神の弓をとりだした。ゲームだからいきなり出てくるのはお約束だ。ふだんどこにしまってるのとか聞いちゃダメだ。
「私の武器はこれなんですけれど、条件が無茶振りじゃないですか? 流石にそこはちょっとくらい御目溢しがあり、ますよね?」
ああー! ミエミエの死亡フラグ! ダメだ、このひとも常識人枠じゃなかった! なんてこった、ひとりくらいツッコミがいないとリプがしまらない! なんて書き手の嘆きとは裏腹に、ハウメアはちょいやさっとルミエを放った。
スイカ頭 カキン!→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→ハウメア( ゚д゚)・∵
「ナイスヘッショ!」
「ナイスヘッショ!」
きうりんとジョセフがなぜかハイタッチを交わしている。その足元にはどっくどっく流血しているハウメア。
「遅れまして。ハウメア二周目です」
とっととリスポンしたハウメアが青い顔でぜーぜー言っている。ハウメアの頭をなでなでしたきうりんが宣戦布告をしたときと同じように胸を張った。
(ぐるぐる回りながらぶん殴ればいいんだね、よゆーよゆー!)
言いながら目隠しを付ける彼女。彼女は知らなかった、その余裕があんな悲劇を生むなんて……。
「はい、じゃあ二人組になってー!」
ぐるんぐるんしながらスイカ頭が即座に二人一組になる! 何人かはそわそわしている! たぶんいつも仲間外れにされるやつだ。このへんは書き手のトラウマをえぐり出すからサラッと行こう。
「よーし、次は赤黒い壁のシミになりたいやつから集まれー!! って、おおおおお!?」
スイカ頭が津波のような勢いできうりんのまわりへ集まった。そしてわっしょいわっしょいと胴上げを始める。衝撃でずれた目隠しの隙間からことの次第を見ていたきうりんはあんがいかわいらしい悲鳴をあげた。
「何事? なにごとなの!? くっそー団体でイキリ散らかしやがって!!? きうり食べろよ!!? きうりにはビタミンを破壊する成分が入ってるんだぞ!! あ、でもこの状態で自爆スイッチ押したら一気に巻き添えにできるよ! 頭いいね! イヤー!」
ぽちっとな。こんしゅーのあっはぬっふんめーかーが出てくるわけもなく、きうりんはそのまま灰燼と化した。しかしまわりのスイカ頭へはダメージ一つはいっていない。
「遅れまして。きうりん二周目です。なんで! あ、回転してなかったからか、くっそうスイカ頭どもめ、こざかしいやつ!」
実際には文字通り彼女の自爆なのだがそこはつっこまないのが優しさであろう。
(スイカ割りぃ。実は混沌でのフリックならぁスイカぁ自分のボディ『土壌』で育てれるんだよねぇ。しかもギフトでぇスイカ割られなくなったりぃ)
この連中はそんなことはないかとエイラはスイカ頭を眺めた。
「エイラの本体はフリークライにゃ」
「おお、そうなのか」
ジョセフが合いの手を入れる。それに喜んだねこさんがにゃあにゃあ鳴いた。
「朝食は食べてないにゃ」
「レガシーゼロだからにゅ」
「よけいなことは言わないでほしいなぁねこさんたちぃ」
全身にねこさん3匹はべらせておいたらかしましくもなろう。こんな与太空間へうかつな装備で入り込んではいけない、ネタにされるから。装備といえばきうりんの雑草ムシャムシャくんへの執念は何なの。
「うう~ん、ねこさん、ちょっと聞いてぇ。もうすぐエイラのぐるぐるがはじまるからぁ振り落とされないようにねぇ」
「「にゃー」」
ところでエイラはクラゲ人間である。人間がクラゲになったというよりは、クラゲが人間を模しているといったほうが近いか。そんなんだから回るのも得意である。なんとか体操みたいにぐるぐるぐる×2って回って、エイラはとりゃーとのんびりした声でスイカ頭へ攻撃を仕掛けた。
くるくるぷかぷかぷにぷにぷにょぷにょぴかぴか~。
おおなんたることか。スイカ頭たちは爆発四散!
「すさまじい、さすがはエイラだ」
ジョセフが呆然としている。
「でもぉ、うーん、なんだか見てると、うっぷ、うううううう」
「おかあさーん!!」
ツァン二周目が顔色を青くする程度には、エイラはぴかぴかきらきら点滅していた。
しかしスイカ頭たちは減る様子はない。むしろ増えている。それに危機感を覚えた縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧。自らも回り始めた。
「ぐる ぐ る ぐるぐ る ぐる」
(やはりより長く回転を得るにはバレリーナの様に片足を軸足にして回るべきか)
知ってる、角運動量保存則だ。でもあれってたしか。
(そう、痛い。つま先が地獄。あと疲れる)
疲れない運動というものがあるとすれば書き手へ教えていただきたいくらいだ。そもそもそれは運動なのだろうか。ここでの運動は世間一般的な理解に基づくもので、物理学上の運動ではないとする。
(はっ!)
ベタ塗り背景に雷トーンが貼られた。
(爪先が地面についていなければいいのでは?)
低空でホバリング飛行しながら回転。これだ! 常人にはできない発想である。だって常人は空飛べないからね。
ぎゅいんぎゅいん回りながら繧「ク$ィブ◆キル1をぶっぱする縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧。ぶちまけられる赤いもの。吹っ飛ぶからだ。星辰の彼方からやってきたと言われても納得しそうなその巨体。
「ふつうにジェノサイドの香りがする……これが『誰何割り』、なるほどね」
得なくていい知見を得てしまったイズルは上空を回転飛行しながらお約束のポーションをばらまいた。スイカ頭がお約束にポーションを浴び、お約束にゲーミングに光りだした。
「私といったらポーションだしね。お約束はやっておかないとね」
勝ち誇るイズルにゲーミングに輝くスイカ頭たちが殺到。イズルをぶちのめした。どうやら自慢のスイカ部分を十六万色にされてお怒りらしい。
「遅れまして。イズル二周目です。ええとね、すり鉢状地形のバンク……傾斜を疾走し、加速しながら少しずつ底へと降りていくスピン。そういうのも『回転』のうちなら、かなりの加速を威力に上乗せできそうだし、途中に転がってる底へ下り損ねたスイカも跳ねられそうだよね、って」
「なぜコピペしたぁ!」
「いやだなあジョセフくん、書いてる人が一瞬なんて言ってるのか分かんなかったからに決まってるじゃないか。困ったらコピペ、これは必須テクだよ。それで判定は?」
自転じゃないからだめー。
「そうかい、いい案だと思ったんだけどな。おとなしくぐるぐるバットをしようか」
ぐーるぐるぐるぐるぐる。ふらふらしながらイズルは光晶翼アルフュールを取り出した。
「ふふふ、すなおにフードチョッパー案でいこうか。さてスイカ頭の諸君、覚悟は良いかな?」
回る回る回る、イズルは回転しスイカ頭を次々と割っていく。その身に返り血ならぬ返りスイカ汁を受けながら。白で彩られた細身が赤く染まっていく。スイカ汁で。なんか種もいっぱいついてて蓮コラみたいになってる。せっかくの儚い美貌が! 本人に身バレしちゃって気まずいくらい作り込んだアバターが!
「ところでジョセフくんは何をするんだい?」
急にボールが来たからジョセフ少年は固まった。
「ま、回すのは得意だ!」
「回るのは?」
「得意じゃない……」
「いいのよ、そんなことで悩まないで! お母さんはあなたを愛してるわ!」
「おか、おか、おか、おかーあさーん!」
感動の再会のごとく抱き合うふたり。
「あなたのぶんまでおかあさんが回るわ!」
「そんなお母さんのためにこちらを用意しました」
「あらぁパンジャンドラム」
「知ってぅ こういう拷問 ある」
興味を持ったのか、仲間がわらわらと近寄ってきた。
「それではまずお母さんには、景気づけにこの回る椅子でぐるぐるしてもらいます」
「えええ、見えてる地雷、でも踏むしかないわね、私はお母さんお母さんは強い、見せてあげるわお母さんの愛を!」
「では、そのあいだに一斉攻撃と行きましょうか」
ハルツフィーネが手頃なところにトランポリンを召喚した。なんでもありだな、そこがいい。
「さあクマさん! 四回前方宙返り半ひねり! ローリングクマさんクロー!」
あっ、やせいのくまさんがクビから落下した! でもくまさんはふわふわなので大丈夫、だいじょうぶ、たぶん。ハルツフィーネは無駄に凛とした声でくまさんへ命じた。
「事故を恐れずどんどんいきましょう。お次は後方宙返りです。どうしましたクマさん。それが終わったらフラフープをして華麗に回転しながらのクマさんビームですよ」
すまじきものは宮仕えかな。
そのときハウメアは上空からがんばって回転飛行しながら攻撃しようとしていた。
「良く、狙って! よし、ちょっとキツイけれど、タイミングを合わせればなんとかなりそうですね」
ここまできてなお与太空間にとらわれていない彼女だった。いっそ見上げた根性。
「……なんですかこの妙な風切音、は……」
はっと気づいたその時には、ハウメアはスイカ頭に取り囲まれていた。
「って、回転速度上げて空を飛んでくるってふざk!?」
ぽぐしゃあ。
「どうも遅れまして。ハウメア三周目です。ふふ、ふふふふ、ええ、ええ、よーくわかりました。真面目にやっていた私が馬鹿でした。貴方達全員、纏めて焼きスイカにしてやりますよぉ!! 半径R4はこの炎が燃やす距離、Death!!」
ついに仮面をぶん投げ、高速回転しながら飛行しフレイムヘイズを無差別に撃ちまくるハウメア。ああそんなことしたらしたで!
「いつの日か回り疲ヴッ……、き゛も゛ち゛わ゛る゛ぃ゛」
回転の乗ったその勢いでハウメアはそのまま森の木々へ突っ込んだ。
「惜しい人をなくした! けど任せて! このきうりんがでんぐり返ししながらボーリングのピンよろしくストライクキメてやるよ!」
「助けてはくれないのね……」
ハウメアはがっくりと倒れ伏した。
「うおおおおおお!!」
ものすごい勢いででんぐり返しを始めたきうりん。
「あ、痛った!? 背中に小石刺さった! もー、市場価値が下がるじゃん、どうしてくれるんだよ! 選別されてポイなんて嫌だからね!」
一回で挫折。が、折れない所が良いところ! きうりなのにね。彼女はぐるぐるぐるぐると回りながらねじり込むように投げる、投げる、投げる、きうりを。
「きうり全力投球!!」
攻撃を食らったスイカ頭が次々と壊れていく。
「やった! 勝った!! これできうりの方が野菜として強い!!」
その後ろでパンジャンドラムに縛り付けられたツァンが悲鳴をあげている。
「うえええええ、らってお酒まで用意されたら飲むしかないじゃないの、私はお母さんお母さんは酒飲み、QED?」
「よく分かんないけどぉ回せば良いんだねぇ」
エイラがすっごいイイ顔しながらパンジャンのロケットに火をつけた。
「あ~~~~! あ゛~~~~~~~!」
パンジャンがすさまじい勢いでかっとぶ。ツァンの悲鳴に拍車がかかる。
「まるでスイカがゴミのようです!」
ハルツフィーネが叫ぶ。
「私の姿を捉えられないんじゃないかしら素晴らしくも浮き始めた脳味噌がシェイクの味を啜る啜るとても愉快な行進が逆らうかの如く私の先々で――」
「ああっ、お母さんがキマってきてる!」
「酔い止めポーションを先に飲ませるべきだったかな?」
後日、パンジャンドラムが有効活用された例としてひっそりと報告があげられた。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
おつかれさまでしたー!
ぐるぐるできた?
わたしも椅子をぐるぐるさせながら書きましたよ。
MVPはやっぱり体を張ったあなたへ。
またのご利用をお待ちしております。
GMコメント
ご指名ありがとうございます。
出されたものは残さずいただきますが、スイカは美味い不味い以前に食べにくいので苦手です。みどりです。
このシナリオはシリアスからほど遠いリプレイになります。
真面目に戦闘プレ書くと泣く羽目になるから気をつけてください。
●エネミー
スイカ頭×たくさん
スイカ頭の人間っぽい何か。コマのようにぐるぐる回りながら攻撃してきます。
機動と反応が妙に高いですが、HPは低いです。
迂闊に手を出すと、即死・必殺・必中な反撃が確定で飛んできます。
が、なぜか「回転している物体からの攻撃は素通しする」という謎の性質を持っているのでよーくまわってせーので攻撃しましょう。
あとはノリです、勢いです。あなたはいくつスイカ割りできるかな?
●戦場
え、いる? この情報。
えーと、各種問題ない広さと高さの広場でペナルティのたぐいはありません。
あなたがプレで指定すれば、とつぜん泉が湧いたりジャンプするのにちょうどいい岩が生えたり待ち伏せするための小屋が生まれたりします。
みんなでおめめぐるぐるになろう。
Tweet