シナリオ詳細
心が清らかな人だけが受かる依頼
オープニング
●多分ね。
「お金にがめつくない!
身勝手な暴力を振るったりしない!!
食欲も普通ぐらい!!
色欲に塗れてない!!
お酒やギャンブルに溺れない!!
そういう、存在が公序良俗に反してない人を求めているんですッ――!!」
いやどういうオーダーなのですソレ――?
ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はローレットへ訪れた依頼人から話を聞いていた――眼前。なにやら熱弁するかの如く言を発しているのが依頼人である、が。どうもとにかく『心が清らかな人』が必要である、らしい。
一体全体どういう事なのか。もう少し詳しく話を聞いてみれ、ば。
「ええと。まずですね――皆さんにはミルフィーという兎を追って頂きたいんです。ミルフィーっていうのはもこもことした兎で、とっても可愛らしい種族なんですよ! で、彼らの毛にはお守りの力があるともされていまして……それが欲しいんです!」
「成程……でもそれがさっき言ったのとどう関係があるのです?」
「ええ。実はこのミルフィーですが、心が汚い人間……
失敬。欲に塗れた人間には非常に激しい敵愾心を醸し出してくるんです」
今のはたして言い直せてたです? まぁとにかくどうにもその兎……ミルフィーという種族は周囲の感情、いや人の持つ気質を、か? とにかくそういった系統を機敏に探知する能力に優れている様だ。
心清らかな人間にはすぐ懐くらしいが……
お金の亡者だったり暴力的な人間だったりすれば超速度で逃げる。
そういった警戒心が強いが故か、ミルフィーは希少動物としても一部の界隈では知られているらしい……ただ、ここ最近は目撃情報もなく中々見つからなかったそうだ、が。
「ですが覇竜領域の一角でミルフィーを見たという噂を入手したんですよ」
人類が中々踏み込めない地、覇竜領域に――いるとされている。
亜竜集落ウェスタの近くにある山脈地帯の何処かに。
かの地に只人が赴けば亜竜の餌になって終わりであろう……故にイレギュラーズだ。
別にミルフィーを捕まえる必要はない。ただ彼らを撫でたりしてその際に取れた毛をちょっと持ち帰ってくれればいいだけだ。ただ、重要なのはとにかくその捕獲に赴く者達……もしも欲に塗れた者が赴けば、そう簡単には見つからないであろうから……
「ですので心が清らかな人だけに行ってほしいんですよ!」
「うーん成程分かったのです! なら任せてほしいのです!
イレギュラーズの皆さんだったらこんな依頼、お茶の子さいさいなのです!!」
「おお本当ですか!! ではよろしくお願いしますよ!!」
そんなこんなで快諾するユリーカ。手を振って依頼人と別れて、さぁどうしようか。
うーんうーん。まぁでもイレギュラーズの皆さんならきっと心が清らかな人達ばかりなのです! 私はそう信じてるのです! だから依頼募集要項にこう書いておけば十分なのです!!
「『心が清らかな人限定! 兎さんを探しませんか!』……と。これで良しなのです!」
ふぅ! 仕事をやり切ったと、ユリーカは満足そうな顔を輝かせ、掲示板へと張り付ける。
――ユリーカプレゼンツ。心が清らかな人たちで構成された依頼――
さぁ。皆さんの清らかさを――見せてやるのです!!
- 心が清らかな人だけが受かる依頼完了
- GM名茶零四
- 種別通常
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2022年03月28日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
なんでもこの依頼は心が『キヨラカ』な者だけが受かるという。
……心が『キヨラカ』な者=恐らく『綺麗』なもの。
綺麗なもの=賞味期限がまだで美味しいプリン。
──なるほど。つまり。
「オレノコトダナ!! マチガイナイ!!
オレハ『キヨラカ』だ!! 『キヨラカカラメルプリン』ダ――!!」
おい誰だこの『甘い筋肉』マッチョ ☆ プリン(p3p008503)を連れてきたのは!! 早くこのプリン連れて帰りなさい!! いやある意味確かにこれほど心が(プリンだから)純粋なのも、そうはいないと思うけど!!
ともあれイレギュラーズ達、やってまいりました覇竜領域へと。
周囲の気配は今の所穏やかだ。亜竜達が暴れている様子もない……
「とはいえあまり長居する訳にもいかんな……危険がどこに潜んでいるとも知れない。
ふわもこで愛くるしいミルフィーとやら……なるべく早く見つけるとしようか」
「この森の中からとは探すのが大変そうですけど……がんばりますね!」
ちょっと以上に本音が零れた『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)だが、問題ない。だって愛くるしいモノを探す旅に遠慮など必要だろうかッ――! 周囲を俯瞰する様な視点と共に。捜索の注意を広げてミルフィーを見つけんとする
そして同時に『純真無垢』メリッサ エンフィールド(p3p010291)は似たような『兎』のファミリアを使役して探さんとするものだ。手分けして捜索範囲を広げながら、慎重に歩みを進めて……
「でもちょっと心配な事はあるよね。『清らか』って人にボクが当てはまるかは、分からないかな……」
同時。『深き森の冒険者』玖・瑞希(p3p010409)もかのミルフィーへ思考を馳せるものだ。ミルフィー達はこの覇竜で生きていける程の危機察知能力に優れた存在――少しでも『清らか』でないと疑われればどうなる事か。
故に瑞希は気掛かりなのだ。自らの儘に生きる、それが欲塗れと見られるか否か。
「友達になりたい、って思ってみるのが重要かな……! やれるだけやってみよう!」
が。足を止めても仕方なし――故に瑞希は耳をもって探す。
兎の足音を、そうでなくても己ら以外の存在の気配を。
心は晴れ晴れとした空にも届く程の――清々しさを秘めながら。
「はっ。しかし、ここに来た時点で全員清らかなんだろ?
ってことはだ。どうせいつかは見つかって余裕ってヤツだよなぁ……」
もし清らかじゃない判定されたら依頼出した人にごはん奢らせよう――『欠け竜』スースァ(p3p010535)は、そう思考するものである――いやまぁこれは冗談だが。しかし恐らくまず問題ないだろうとは踏んでいる。
酒と煙草は好きだが、出身地たる集落では食糧問題があり……浪費は勿体なかった。故に吐くほどに溺れておらず、つまりセーフの範疇であろう。うん。行ける行けるアタシは清らか。ちょっと敵は容赦なくぶっ飛ばすタイプだけど、これも清らか清らか。清らかに敵をぶっ飛ばしてるだけだから……うんヨシッ!
「――とはいえ、この依頼中は流石に吸えないな」
そしてスースァは衛生スプレーを用いて己が身を清潔に保つものだ。
染みついた匂いを無臭に。兎たちを警戒させんとして……
「……私は清らかなのかしら。清らかであると――言えるのかしら」
一方で『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)は不安げであった。
良くない面だってあるし、嫉妬もするし、欲もあるし……
心の底から『清らか』であると――己が魂に自信を持てるだろうか?
「心配なのだわ……でも、立ち止まっていても仕方ない、わよね……
うん。とにかく――頑張っていくのだわ。
皆。スースァの様に、強い香りは発させないように気を付けるのだわ。刺激してしまうだろうから」
そして彼女は言葉を紡ぐ。己が動物に対する知識と、事前に調べえた資料を総動員して。
かのミルフィーは繊細な子だ。故に香水の類や大きな音を発せば嫌がるだろう……だから近付く時も優しく。そして無理やりにならぬ様に撫でるのがポイントだ――上手く彼らが懐けば、後は自分から撫でられるに来る筈、と。
「大丈夫なのです! 皆さん、ユリーカさんが選んだ屈指の清らかだから、きっとミルフィーちゃんもすぐ懐いてくれるのです! ……? あのーどうしたのですよ? まるで自分が清らかじゃなさそうって考えて良そうな様子ですけども……」
が。心配な要素もある――それが『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)だ。はたして清らかだろうか? この魔砲少女は――ッ?
「むむ! 不穏な天の声が聞こえた気がしたのでして!
いつも通り頑張れば必ず清らかなのです!
そもそも魔砲少女の時点で清らか確定なのですよー!」
何も心配はいらないと彼女は自信満々だッ――! 本当に大丈夫だろうか。唐突に魔砲、撃ったりしない? ともあれ彼女は籠に人参を沢山いれて、いざやミルフィーを探しに出発! 彼女は空を飛び回りて愛らしき存在を求め往く――
例え崖の上であろうと遥か彼方であろうとも。
彼女には自由なる翼があるのだから――でも魔砲だけは勘弁してね!
●
「……たしか、存在が公序良俗に反していると逃げ出すといっていましたね……はっ! も、もしや今の私ではその枠組みの内に入ってしまう可能性も……!? ふ、服装も直してきた方が良かったでしょうか……これはあうとなのでわ……!?」
そして探索を初めて暫く――まだミルフィー達は見つかっていなかった。
もしや早速にも警戒されている……? と心に不穏なる種が生まれたのは『新たな可能性』アンバー・タイラント(p3p010470)である。ま、まさか魔王たる階級を身に纏っている事が原因で、服装や雰囲気がヴィジュアル的にアウアウ判定されているのでは……!?
里の男衆も何もしていないのに私を見て妙に平身低頭でしたし――まさか――!?
「いやいや、私は防人でしたから毅然とした態度で勤めていただけでそれは関係ないはず。
ない筈。筈……百万歩譲って男衆達がアレだとしても、ウサちゃんにまでそんな感じに思われて逃げられているとしたらショックです、どうしましょう……ウサちゃん……せめてなでなでするチャンスがほしいです……」
「なぁに。きっと兎は心の奥底を感知するんだろうさ――自信持てって。
……と、ん? ここは水場っぽいな。
兎たちが水飲みに来てたり、住処にしてたりしないか?」
ともあれアンバーはろくろ回すポーズでスースァに語り掛けながらも、優れた聴覚をもってして周囲を探索せしめるもの。岩陰やヤブの中にて動き回る存在がいないかと……そしてスースァもまた、熟達した三感をもってして索敵。
さすれば流れる小さな川を見つけるものだ――
こういった場所には動物が集まりやすい。
兎たちも水確保に来ていないだろうかと目を巡らせれ、ば。
「はっ! 見るのです、向こう側の方にいるのが……ミルフィーちゃんなのでは!!?」
刹那。飛翔せしルシアの視界に映ったのは白きもふもふ――
小さいが間違いない。あれが探していたミルフィーだ!
指差せば、向こうも気付いたのか水飲みを止めて逃げんとする。くっ、反応が早い――!
「待ティ!! オレ達ハ怪シイ者デハナイ!! オレ達ハ――プリンダ!!」
が、それを予期していたプリンが往くッ――!
頭よりラサ名物の一つたるミントレモネードを被って……いやソレ飲むモノであって被るものじゃないから!! なにしてんだこのプリン!! え、これぞ清らか増しキヨラカ☆ミント味プリン……? 戯言が過ぎるよぉ!!
しかしプリンの作戦はこれだけではない――
懐より取り出したのは人参パイと人参プリン!
これらの匂いをもってして兎達を引き付ける作戦である――
「我ナガラ完璧ナ作戦ダ! サァ、コレガ欲シクナイカ――!?」
さすれば。足を止めて鼻を鳴らす兎達。
フフフ計画通り……いくつか余った人参もあるが、まぁ人参プリンに夢中になって見向きもせんだろうな! んっ? オイ! どうして余りの方に近寄ってくるのだ!!? 違うぞ! こっちが本命だぞ! こっちをミルンダ――!!
何度となく彼らの前に差し出す人参プリン! 躱して人参(生)を見据えるミルフィー!
超高速の攻防が繰り広げられる中――さらには。
「きゅ、きゅ!!?」
「は? どうした? なんだその顔は? どうして震えてんだ?
まさか煙草の匂いがまだ残ってたか……!? おい、そんな怯える顔すんなよ! こちとら妹想いで兎たちが嫌がるだろうからって煙草とか翼しまった思いやりのあるレディーだが? ……おい、こら待ちやがれ!!」
原因不明だが、スースァが警戒されている――ッ!?
どうしてだ。兎達の過敏な警戒が残り香でも嗅ぎ取ったのか?
――ええい待てや! そっちがその気なら……上等だ。
「精々――清らかそうな人の方へ追い込む『悪人』役やってやろう! オラァ! 捕まえんぞー!」
「きゅうううー!」
アタシも清らかだろ? 清らかって言え!!
ともあれスースァの狙いは無暗に追いかける事ではなく――他の面々の場所へと誘う事だ。故にゆっくりと。翼を広げつつも追い込む方向は決めており……さすれば、その先にいた華蓮は優しく待ち構えていて。
「ミルフィーちゃんー、こんにちは。良かったら一緒に遊びたいのだわ」
そして遠くより声を掛ける――性急に近づいてビックリさせてはいけないと。
相手が認識できる程度の距離を保ち、後は向こうからこちらに来てくれるのを待つのだ。それが、普段接さぬ動物との関わりの始め方。微かに指先だけを動かして、白きもふもふが此方に来てくれる事を望む……
「きゅきゅ~?」
「ほら、良い子、良い子……」
「何もしないよ~! ほら、ほら、おいでおいで~」
「コワくないですよ~人参もありますよ、どうですか、絶品キャロットですよ~」
そして、瑞希やアンバーもまた華蓮と同様に彼らに不用意には近づかぬ。
不必要に大きな声をあげない、急に近づかない、驚かせない!
『3ない』を重視する瑞希は両手を広げ、彼らを迎え入れんとするもの。アンバーにしろ此処が正念場だと感じているものだ……もしも逃げられてしまえば、それは清らか判定落ち。いやどころか己から逃げられているとすればショック極まる……立ち直れないかも!
故に焦らず。しかし緊張しながらも彼らの動向を見据えるものだ――
さすれば。兎は見知らぬ者達に警戒しているのか微かな逡巡を見せるが。
やがて少しずつ。少しずつ華蓮らの方へと近づいてきて――
「大丈夫ですよ。私達は敵じゃないですからね~……ほら、首こちょこちょ」
「きゅ~♪」
「ふっ。ほらどうだ――こっちには人参もあるぞ。麓で仕入れた新鮮な代物だ」
そして――遂にメリッサらの足元にも到達した。
頭を擦り付ける様に兎達が動く。これらは彼らなりの親愛の証……いやそればかりか彼らが膝元に乗って来た……! くっ、可愛い……! 人参差し出すゲオルグも、反射的に口元を抑えてしまう愛くるしさがそこにあった――
膝に、膝に温かなもふもふが……! 毛玉が……!!
「きゅ?」
「きゅきゅきゅ?」
「なっ――馬鹿な、これほどの数が一体どこに潜んでいたというのだ……!?
くっ! 止めるんだ、そんな、自ら掌の中に納まりにくるのは……! あぁ!」
しかしそれだけでは終わらぬ。なんと、ゲオルグが見据えた先には、茂みの中から現れる多数のミルフィーの群れ――! いずれもが『撫でて? 撫でて?』と近付いてくれば、最早人によっては悶死者も出る光景だッ――!
くぅ。折角にも体の大きさの違いから気遣って、指先にだけ留めていたのに……
「これでは……溜まらないではないか……!」
奥歯噛みしめるゲオルグ。気持ちよさそうに目を細める個体など愛おしすぎる!
右を見てももふもふ。左を見てももふもふ、その中で……
「わぁ! ルシアの所にも来てくれたのでして! 可愛いのですよ~ほら、ルシアままですよ~」
「そう、私達はママ友なのだわよ! 貴方達のママだと思って甘えてくれていいのだわ」
「きゅきゅう~♪」
特に。母たる温かみの適性を抱くルシアや華蓮らの下にも集うミルフィーは多い。
恐らく、彼らの『母』たる存在と似た気配を感じるからだろうか……
なんにせよ清らか判定は通ったようだ――ミルフィー達は逃げずに共に在る。プリンは『ウォォォォプリンモ食ベロ――!』と追いかけているがアレは追いかけっこ認識なのかミルフィー達も笑顔なのでヨシッ!
ともあれ後は撫ぜれば取れるものだ、目当ての体毛が。
ミルフィー達も気持ちよいのか自分から首元を差し出してくる形であり……
「きゅ~♪」
「はぁ、はぁ……やっとアタシも清らかだと分かりやがったか……
……だよな? まさか人参に釣られて懐いてるだけじゃねぇよな? んっ?」
まぁ毛くれたお礼にやるよ――と。息を切らしながら言うのはスースァだ。
差し出す人参。両の手を器用に用いて小気味よい音を鳴らしながら食していく兎達……
と、その時。
「きゅ~!」
「おや? なんでしょうか、兎さん達がいきなり……はっ! あれは!!」
兎達が一方向を見据える――その様子が変わった事に真っ先に気付いたのは、メリッサだ。動物と疎通する術をもってして交流していた彼女は、兎らの中に走った感情の色を機敏に察知。
そして、気付いた。彼らの見据えた先、其処に。
一際巨大な――ママミルフィーがいた事を。
●
まま~まま~!
小ミルフィー達がママの下へと集っていく。大きな毛玉に小さな毛玉が群れている……!
「ははぁ……あれが、ママさんなんですね?
良かったらママさんにも会わせてくれないかと頼もうと思っていたのですが」
「で、でけぇな予想以上に……
あんなでけぇんだった、妹たちに余分に持って帰る余裕もあるんじゃ……?」
その光景を見据えるはメリッサにスースァだ。デカデカミルフィーは子供達とはまた違う誘惑があるもの……あぁ。撫ぜればどれ程にふかふかなのだろうか。ましてや飛び込みなどしたら……
「だ、抱きしめたい……斯様なうさちゃんが存在していようとは、ここは本当に覇竜か……? 少しだけ良いだろうか?」
であればと。小ミルフィー達がママに近付くのに伴ってゲオルグも往く――
ママも逃げる様子はない。子供達が懐いているのを見て、悪い人間ではないと分かってくれているのだろうか……ならばと。高揚感と共に荒れそうになる呼吸をなんとか留め、ゲオルグは意を決し――ジェントルタッチ。
ああ――至福――
両の掌。否、全身で包み込むその感覚、正に至上であり……
「ふぅふぅ……! これもまたもこもこ……!
撫でさせてくれるとは実にありがたい……そうです! 私は清いですよ!!」
「もきゅ~?」
「なぜ今疑問符を!!? 疑問符付けました今、ねぇ!!?」
同時。アンバーもまたゲオルグに次いでママのもふもふを堪能するものだ。一方のママはアンバーの清らか判定を何故か再判定してているのか、首を傾げる様な動作をしているが……清らかですよね!? ね!? 精神に大ダメージ受けるので止めて下さいね、ねっ!?
「あなたは皆のママなのだわ?
それはとっても大変な事……これだけの子供達をこの場所で育ててるなんて……
とってもとっても、偉いのだわ」
「もきゅ」
「本当に偉いのです。ママさんも撫でてあげるのでして!」
更には華蓮にルシアもゆっくりとママに近付くもの。
――ママ。お利口さんママ。
子供達を連れてこの地で必死に生きているママ。偉いね。
撫でてあげる。子供達だけでなく、ママも労わってあげるものだから……と。
「うんうん。折角だからブラッシングしてあげるね!
ほら。流石に外で暮らしてるからか、ちょっと荒れてるみたいだしね……
それから人参もプレゼントしてあげる! ほら!」
「フッ! ナラバ、コノ人参プリンモ進呈シヨウ――ッ! 遠慮ハイラナイゾ!」
「もきゅ~~♪」
そして瑞希がママの手触りを実感しながら優しくブラッシングする――
その毛並みは子供らを護りながら逞しくも生きているのか、幾らか傷ついた跡も。
……故にせめてこの場では安息をと人参をプレゼントするものだ、プリンと共に。
遂に人参プリンを食べてくれ始めたミルフィー達もあらばプリンも満足げな顔である――一度食べ始めれば美味しかったのか、もっともっととプリンにせがむ程だ。
「フム! イイゾ、イッパイ喰エ! ダガ。オ別レノ時も近イゾ……」
もっと戯れていた言所だが。そろそろ時間的にも危うい。
ミルフィー達にとってもイレギュラーズ達にとっても。
故に名残惜しいが――最後に手を振って、別れとするものだ。
森の奥へと去っていくミルフィー達。
心なしかこちらを見て器用に手を振っている様な……
「此処がキミたちの安息の場所になれば、と思うけど」
覇竜で生きていくのには危険だ。
……勿論、外は外で密漁される恐れもあるのだろうが。
もしも此処でこれからも生きていくつもりなら。
ミルフィー達のこれからに幸運を。
瑞希の清らかな心は、奥底からそう願うのであった……
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!
うさちゃん達との一時でした。皆さん清らかでしたね……! でしたね?
MVPは動物知識を活用し、またママ特性から兎達の警戒を解くなどの活躍をした貴方に。
ありがとうございました!
GMコメント
こういう募集要項があるんだから、この依頼に受かった人は皆心が清らかな人達だと思います!! よろしくお願いします!!
●依頼達成条件
兎さんと接触してその体毛を一部手に入れましょう!
●フィールド
亜竜集落ウェスタの近くにある山脈地帯です。
林が広がっている場所があり、ここのどこかに後述のミルフィーがいるとされています……周囲は覇竜領域にしては比較的穏やかな場所の様に見えますが、曲がりなりにも覇竜領域ですので、あまり長居する事は避けた方が良いかもしれません。
●ミルフィー
白い、もこもことした兎です。
手乗りサイズ。非常に愛くるしく、とても可愛いと人気高い兎さんです。その体毛にはお守りの力が宿っているとされており、一時は大量捕獲された事もあったのだとか……その影響か知りませんが近年は目撃情報が著しく減っていました。
が、覇竜領域に移り住んでいたという目撃情報がありました。
皆さんにはいるとされる地帯を探してもらいます――!
しかしこの兎、特徴的な点として……心が清らかでない人物には決して近付かないそうです。例えば暴力を振るいやすい人とか、三大欲求が強かったりする人とか、お酒やギャンブルに溺れてる人とか……
そういう人がいると察知されると超速度で逃げていきます。
驚くべき速度です。崖みたいな急斜面でもほいほい上っていけるぐらい俊敏です。
でもイレギュラーズの皆さんならそんな事はありませんよね!!
まぁ万が一何かの手違いで警戒されていても、最悪人参を優しくあげれば(あげる事が出来れば)すぐ懐くそうです。もっこもこした体毛は撫でているととても気持ちが良いものでしょう……
そして撫でていれば毛が自然と抜けるので、それを回収すればOKです。
ちなみに。基本的に手乗りサイズの小個体が基本なのですが。
彼らには『ママ』がいるそうで、ママは人間大サイズのもっこもこらしいです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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