PandoraPartyProject

シナリオ詳細

パンドラフィットアドベンチャーⅡ ~Muscle Revenge~

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
 フラン・ヴィラネル (p3p006816)の叫びが、こだました。
 ここは練達の低階層に位置する町、ペネロペ。普段外に出て行かない人々が暮らすこの町には、それ相応の施設というものがある。
 そのひとつが精巧なホログラムによって仮想現実を味わうシミュレーションルームであり、屋内暮らしの運動不足を解消してくれるフィットネスプログラムである。
 ……わかるよ。そんな説明よりさっきの悲鳴は何だって気持ち。
 それは、いま隣でずっとスクワットしてる星穹 (p3p008330)をご覧頂くことで解消されるだろう。
 もう何百回目かわからないスクワットに膝がぷるっぷるしてる星穹をご覧頂くことで。
「バーチャルゲームで遊ぶっていうからのんびりすると思ったのに……なんで筋トレゲームなんですか!」

 説明しよう。
 『パンドラフィットアドベンチャー』は筋トレを行うことで敵を倒し健康を奪われた世界から健康的な毎日と筋トレの爽やかさを取り戻すバーチャルフィットネスアドベンチャーゲームである。
 あるときゲーム開発中におきたバグによってフランが過酷な筋トレを課せられた事件は、その後しばらく腹筋がばっきばきだったことからかえって好評を集め、本格的に全身の筋肉をいぢめる設計へと次回作開発が進められたのだ。

「そ、それで、それで今私はこんな目にあわさみゃあああああああああ」
 普段絶対あげないような声をあげて、星穹がオットセイみたいなポーズをとらされていた。両手には自動車のハンドルを軽くしたようなリングが握られ、それをかるくぎゅっと潰しながらこのポーズとっているのである。その辛さを疑似体験したい人はいまからゴムボールつぶしながら同じポーズとってみて。地面に腹しかつけない状態でそって10秒かぞえてみて。7あたりから地獄だから。
「け、けど、これがおわれば、お、おすしが……!」
 フランも同じポーズでプルプルし、8――9――10のカウントに併せてビャアアアと叫んだ。
 さっきから美少女が不思議なポーズで悲鳴をあげる絵ばかり見せているが、彼女たちに課せられた依頼内容は『ゲームのテスター』である。
 本格的にプレイヤーの筋肉をいぢめるよう設計されたパンドラフィットアドベンチャーⅡは、プレイヤーの肉体をスキャンし的確な負荷を与え続ける特殊なヴァーチャル部屋を構成し、プルプルしながら筋トレするという快感を誰もが味わいばっきばきの腹筋を目指させるのだ。
 さあ、君もこのテストに参加し腹筋をバキバキにしよう!

GMコメント

 暫く油断していたせいで太ってしまった私はダイエットを考えました。
 10キロ前後は食事に気をつけることで簡単にしぼれたものの、それ以上はやはり運動が必要。されど運動とほど遠い生活を送る私に激しい運動や筋トレを毎日行うのは酷。
 そんなとき閃いたのがそう、『プレイングフィットネス』!(深夜の海外番組のテンションで)
 大好きなプレで筋トレができる。筋トレをするたび楽しめる。最高のフィットネス体験があなたの手に!
 さあ、新しい(地獄への)扉を開こう!

 突然ですがここからが本題です。
 この依頼に入った皆さんには現実で腹筋かスクワットをして頂く『プレイングフィットネス』ルールが課せられます。

■プレイングフィットネス
 このシナリオに限り特別ルールを設定します。
・このゲーム中『PLが』行ったスクワットと腹筋の合計回数をS&F値とする
・プレイングに含まれる漢字『一文字×1回』のS&Fを行う
・プレイングが500字を下回った場合『600ープレイング字数』回のS&Fを行う

・リプレイ執筆期間中。プレイングから計測された参加PC全員のS&F平均値をGM用S&F値とし、『黒筆墨汁本人が』S&Fを行う

・リプレイ中。戦闘で高いダメージをうけたり敗北したり謎の電流が走ったりするとリプレイ中にS&Fを課せられる

・そしてこのルールを課した責任としてOP相談期間中に黒筆墨汁本人が100回のS&Fを予め行う。

 以上です。
 プレイングを全部ひらがなやカタカナで埋めれば筋トレせずに済むが……もしバリバリに積んだなら黒筆にダイレクトアタックが可能です。かかってこい!
(※本当にしたかどうかは皆さんの清らかなる魂を信じます)

■相談会場:回りまくる寿司屋『くらくら寿司ザンバー』
 相談中とくに(S&F以外)やることないと思うのでPCたちは寿司を楽しんで下さい。
 寿司と名のつくものは大体回ってる回転寿司屋で、注文すればちっちゃい新幹線で届きます。
 ハンバーガーやラーメンやパフェすら扱う幅広さから寿司界の革命児とうたわれ高級なものからファニーなものまでだいたい食べることが出来ます。私はカニカマのってるやつが好きです。
 テスターへのご褒美としてこのご飯を開発会社から奢って貰っています。
 さあ、好きなものをお食べ!

  • パンドラフィットアドベンチャーⅡ ~Muscle Revenge~完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年02月25日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
※参加確定済み※
星穹(p3p008330)
約束の瓊盾
※参加確定済み※
霞・美透(p3p010360)
霞流陣術士
シャールカーニ・レーカ(p3p010392)
緋夜の魔竜
鯤・玲姫(p3p010395)
特異運命座標

リプレイ

●既に相談期間中に657回のスクワットをこなした私に死角はない。かかってこい!
「――――――!」
 『星雛鳥』星穹(p3p008330)が読み取れないような言葉を発した。
 崩れないバベルの塔がバベらないって意味じゃなくて。ンミャーとかグググーみたいなうなりが混ざり合った読解不能な呻きともとれる言葉を発したのである。
 なんて言いたかったのか知りたいひとはプレイングを見てね。
 リプレイにコピペしようとしたら秒で特殊文字判定されてリプレイがかき消えたので貼り付けられない無力を許してくれ。
「我蹲了和――!」
「え、なに……? いまなんていったんだい?」
 『霞流陣術士』霞・美透(p3p010360)が眉間に皺を寄せ、星穹に耳を傾ける。
「まかせて。れいちゃんこういうの得意だから」
 『特異運命座標』鯤・玲姫(p3p010395)がビッと手を上げて自己主張すると、よくあるジムのトレーニングフロアの巨大な鏡の前でダンベル担いでスクワットの途中みたいな姿勢をとっていた星穹に耳を寄せた。
「――!」
「なになに? 『エイプリルフールのネタはバニーです』」
「――!?」
 ものすごく首を横に振る星穹。
「『膝のなんかアミアミの所に紙幣をつめます』?」
「――!?」
 振りが早くなった。
 それ以上は相棒さんが泣くのでやめてあげてと肩に手を置く『ベンデグースの赤龍』シャールカーニ・レーカ(p3p010392)。
「代わりに、赤龍と呼ばれたこの私が解説してやろう」
 さっきからいろんな意味でぷるぷるしてる星穹の膝。それも側面のあたりをゆびでつつくと、『アアア!』みたいな声がもれた。多分だれがやっても漏れる声である。
「軽めのバーベル。初心者は重しをつけずにバーだけを首の後ろと肩をつかって担ぐみたいに持つんだ。その状態で腕を広くもって背筋を伸ばし、膝が90度の角度になるようにゆっくりと下げる。これがジムなんかで行われるバーベルトレーニングだな。
 ただ上下するだけでなくたまにこうして90度状態を維持すると効果的だ」
 バーをおろし、ゼーゼーいいながら足元のボトルから水をのみまくる星穹。
「――!」
 人語を忘れたのか謎の言葉を発する星穹に、『青と翠の謡い手』フラン・ヴィラネル(p3p006816)がぽんと肩を叩いた。
「みんな……いまさっき星穹の言葉を翻訳機にかけたんだ。これを見て……」
 フランがそっと差し出したタブレットPCの画面を、『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)たちが皆で覗き込む。
 なんかしみじみするBGMと共にご覧頂きたい。

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私はあなたと同じ回数しゃがんだ。トレーニングに全力を尽くします。
スリムなボディに。オーバートレーニングは苦痛です。
ですから、できるだけ早く敵に立ち向かおうと思います。平手打ち。
ゴリラ先生。頑張って頑張ってください。
プレイヤーからのメッセージ「あなたを傷つけたい、邪魔したい」。
黒インクの先生、行動計画を記入するのは難しい。手紙に記入するように頑張りましたが、意味がわからなくても心から感じてください。
私はあなたがそれをすることができると信じています。私はあなたを信じているからです。
私は英語がとても上手ですが、新田さんがすでに英語をやっているのでやめました。
実はここから、以下に書くことは何もありません。
攻撃しても大丈夫ですが、ファンレターは涙で濡れてしまいます。
先生、私を悲しませないでください。
私がこれを書いているとき、私はすでに筋肉痛を持っています。誰なのかわかりません。
中国語を勉強しましたが、あきらめて翻訳を使いました。
「すべての敵に。あなたは即座に死ぬか、敗北するかを選ぶことができます」
敵が出てきた途端、ズボンをはいていない尼僧と先生の顔を思い出して、私をからかって殴りました。ヒエラルキーの格差のある社会に負けることはありません。
私が誰について話しているのか知っていますか?理解したら黙ってください。
私はますます悲しくなります、私を慰めてください。怖い世界です。
重傷は大歓迎です。
英語で書きたいです。
内容がしっかりしていることを確認したいので、自分の気持ちをお話させていただきます。なし。
すみません、先生。だからあきらめて腹筋を鍛えましょう。
トレーニング後、友達のところに行きます。彼と遊ぶ。
すみません、先生。私は悪者です。私は先生が大好きです。
トレーニングに全力を尽くします。私はそれをしました。ありがとう。
墓を建てないで、海に投げ入れてください。彼が私をこのように見たとき、私はもう生きられません。
実際、大規模なトレーニングを依頼されたとき、私は愚かなことをしました。
シア先生は私を笑った。すべての私の友人へ。本当にごめん。
助けて。つかれた。さようなら。
================================

「英語で書きたい気持ちだけはわかった」
「黒インク先生って誰? 赤ペン先生的なやつ?」
 顔を見合わせるレーカや玲姫。
 イグナートはそこはかとなく察すると、自分がかついでいたバーベルをおろした。
 星穹の翻訳を一通り見た感想を述べるべく、キラリと汗を散らしてふりかえる。
「バーベルスクワットは突然おもりを増やすと身体を壊すから、軽いところから始めようね!」
「あれ、そんな話だったっけ!?」
「あとボーリング玉を腹筋に落とすトレーニングは普通に危険だからやっちゃだめだよ?」
「それはわかるけど……!」
 フランが何かを言い返そうとした、との時。
 部屋にブザー音が鳴り響いた。更にスピーカーから続いたのは、VRルームに入るように求める声。フランたちは互いの顔を見合わせ、そして歩き出した。
 ライターがリプレイの外でずっとスクワットしているという現実や相談中ただ寿司を食ったりお茶の出る蛇口に手を焼かれたりしてたことで忘れそうになったが……そう、これはゲームのテスター依頼なのだ。

●まともなプレイングが半分もない……ということはァ!? パーティーの始まりだァ!
「オイドンの名は孵卵!」
 身長3m、ピンクの学ランに身を包み胸に晒しをまいて口になんかの葉っぱがついた茎をくわえ破れた学帽を被り鉄下駄を履いた屈強な森ゴリラが腕組みをしながらファンタジーな大地へ降り立った。
 降り立ったっていうか、はるか天空から自由落下し腕組み直立姿勢のまま大地に突き刺さった。
「再現性千葉、覇琉華宇高校――落花生爆破革命軍、総長!」
 ドドン! という音と共に入る肩書きと名前のカットイン。
 そのまわりを囲んでいるのは塩分高校番長、歩亭血。糖分高校番長、堂夏。脂肪分高校、豚薔薇。そしてその部下達である。
 孵卵チャンはどこの訛りかわかんない謎のイントネーションで語り出す。
「オイドンのナワバリでヤンチャかますたぁええ度胸でごわすなあ!? 全員ぼてくりこかすどォ! かかってこいやぁ!」
 ヴォオオオ! と叫び両手をバッと広げる構えをとる孵卵チャン。
「あ、あの構えは……!」
「知っているのかSERA!」
 バーベル担いでぷるっぷるしてる星穹が叫んだ。
 その横でずーっと素の表情だった美透が振り返る。
「森ゴリラの構え!」
「森ゴリラの構え!?」
 エイプリルフールはまだ先だよ? という顔で聞き返すレーカに星穹はだらだらと汗を流しながら頷いた。
 そうしている間にも、群がる番長たちを孵卵チャンは謎の迫力で次々と叩き潰し、最後にはピラミッドみたいに積み上げた番長の頂上でドラミングしていた。
「フッ、さすがは世界頂上番長決定戦。名のある番長たちが集まってるみたいだね!」
 ハハッて爽やかに汗を散らしながら両手両足首にウェイトをつけたイグナートがスクワットしながら笑った。
「あなたは……筋トレ番長! ゴリラ殺しのイグナート! ゴリラと戦って勝ったという噂の!」
「それはすごいの?」
 そこへ、レーカが全長3mくらいある巨大なタイヤ(どんな車に使うんだろう)を引っ張りながらダッシュで現れた。
「しかし練達という国は不思議なものだな。わざわざ、このような形式で筋肉を鍛えていくというのか」
「あなたは……筋トレ番長! ゴリラ語りのレーカ! ゴリラと会話ができるという噂の!」
「それは実際凄いけど強さと関係あるの!?」
「赤龍を名乗る者ならゴリラと会話くらいできる」
「できたらすごいけど赤龍と関係あるの!?」
 そこへ、おおきい三輪車をきーこきーここぎながら『めざせ0回』と書かれた幟旗をたてて玲姫が現れた。
 どういうわけかしらないけど外見年齢が3歳くらいになっていた。
「れいちゃんのなかのひとは、ふっきん30かいとすくわっと20かいをしてるよ」
「あなたは……筋トレ番長! ゴリラ飼いの玲姫! ゴリラを飼っているという噂の!」
「それは地味に凄いけど本当に関係ないよね!? あとさっきから番長のカテゴリー被りすぎじゃないかい!?」
 美透が困惑したように頭をかかえたところで、星穹がスッと真顔で振り返る。
「そしてあなたは、絶対無敵世界最強筋肉番長! ドラゴン殺しの美透!」
「やめてくれ! 一人だけ急にハードルをあげないでくれ! ここまでの人達よりキャラを立てるなんで無理だよ!?」
「大丈夫さ! 心のインナーマッスルを信じて!」
 イグナートがハッハッていいながら小刻みにウサギ跳びをし、その後ろを同じフォームでレーカが跳びながら紐で玲姫の三輪車を引いていた。孵卵チャンはまだ番長ピラミッドの上でドラミングしている。
 なんだこの光景。風邪引いたときに見る夢か?
 美透はいたむ頭を抱え、そしてこの濃さなのにまだリプレイが半分くらいまでしかきていない事実に驚愕した。
「こんなテンションを……もう半分……?」
「大丈夫ですよ」
 星穹がプルプルした膝のまま、片手でぽんと美透の肩を叩いた。
「ここからは各人が謎のアクションで敵を倒しまくるパートですから」
「何の話だいそれは!?」

●各人が謎のアクションで敵を倒しまくることで難易度をNORMALだと言い張るためのパート
「わーい」
 れいちゃんが三輪車を爆走させ、糖質スライムをぷちぷちふみまくっていく。
 毎日の筋トレに更にノルマを加えたくないという本人とは異なる大宇宙の意志かなにかでふわふわ3歳児になった玲姫の三輪車はスライムをようやく潰せる程度のパワーでしかない。そこへ贅肉スケルトン(存在の矛盾)が夜食の魔法をとなえはじめる。
「トンコツラーメンハリガネニタマゴチャーシューオオモリ」
「グアアアアアアアアア!?」
 直撃――をうけたのはなんと間に割り込んだイグナートであった。頭上のS&Fカウンターがいきなり200くらい回り出す。
「いぐなーと!」
「大丈夫されいちゃん。オレは……まだまだヤるつもりだからね!」
 またもキラッと汗を爽やかに散らすと、無駄にウェイトをつけた手足をぶんぶんと振ってフィットネスコントローラーを握りしめた。
「皆が筋肉と共に悲鳴を上げているのを見ると、心も身体も温まるよね……このハートフル(物理)ストーリーの結末を、オレたちの目で見届けるんだ!」
 波ァ! とかいう謎のかけ声によって放たれたイグナート波(イグナート波だよ?)が贅肉スケルトンを一撃粉砕。
 そこへ加勢とばかりにピザゴブリンやハンバーガーゴーレムが出現した。
「一日五食くって引きこもれェ!」
「炭水化物はおやつ!」
 レーカと星穹がそれぞれ構え、迎え撃つ。
「赤龍の力、見せてくれる」
「今日はずっとそのテンションでいくんです?」
 軽く振り返る星穹を一旦スルーして、レーカの繰り出す継続的なトレーニングとバランスの良い食事そしてなによりも規則正しい生活サイクルが生み出す健康的なパンチがピザゴブリンの崩壊した夜型生活を粉砕した。
「グワーーーー!?」
「あのとき笑ってごめんないパンチ!」
 そこへ更に星穹の拳が唸った。
 否。轟いたと言うべきだろうか。
 たったの一動作によって突如天空が黒き雲に覆われ雷鳴が響いたかと思うと漆黒の雷が竜の姿をとりハンバーガーゴーレムをかみ砕きそして大地をえぐりあとなんか遠くの山? そうさっきから背景にずっと映ってた山脈? あれにでっかい穴をあけていったのだった。
「な、なんという……」
「オイドンでもここまでの筋肉パワーはだせんでごわす。流石は星穹! 名前が全部漢字でできているだけのことはある!」
 孵卵チャン(全長3mの番長)が顔をものすごい線の多い書き込みにして唸った。
 負けていられんでごわす! と叫んだ孵卵チャンは天空を割って現れたお餅食べ放題ドラゴンをにらみ付けた。
「正月に餅を飲むように食い続け激太りした者どもよ」
「ウッ――」
 心臓に痛みをうけたひとたちをあざ笑い、ドラゴンは美食の魔法を放った。
「夜中に揚げたてのフライドポテトを食べたくなる呪いを受けよ!」
「ぐ、グアー!?」
 レーカが悲鳴をあげ、吹き飛んでいく。カウンターが100くらい増えたのを見て、一日でノルマが三倍になった筆者と同じ焦りを各員が抱いた。
 放置すれば100程度のノルマが最終的に600になりかねない。そう考えた孵卵チャンは地面を踏みしめ、そして構えた。
「オイドンだけのパワーでは不足! 美透どん! おぬしの力が必要でがんす!」
「口調! 口調が一切定まっていな――!」
「今でごわす!」
 叫びに応じて美透はプルップルしながら空気椅子ポーズをとった。
 さあ画面の前のみんなもやってみよう。壁につま先をくっつけたままゆっくと腰をおろし膝と腰が同じ高さになるように維持! この状態で10を数えるんだ!
「あああああ質実剛健無我夢中不撓不屈深謀遠慮風林火山諸行無常!!」
 美透の脳裏を思い出がよぎった。
 亜竜の里に生まれ幼少の頃に見た遠い山々。
 練達で初めてはいったコタツ。コタツで寝転んでミカンをあーんってしてもらう瞬間。
 コタツの値段と財布を五回くらい見比べてから送料だけでもマケてもらえないか交渉をはじめた日。
 デスク用ミニコタツなる商品を二度見してこれならと飛びついて自宅に持ち帰ったが思ったより暖かくなくてシュンとしたあの日。
「まてまてまて思い出の大半が一日の間に凝縮されていないかい!?」
「さあ一緒に! ――波ァ!」
 孵卵チャンが後ろから支えて両手を上下に揃えるあの波ァってやつを放つと、ドラゴンは『筋トレもいいけど素肌のケアも大切にねー!』と言いながら消えていった。
 空は晴れ渡り人々には笑顔と筋肉が戻り健やかな精神状態と生活サイクルによって大体の問題が解決し世界は平和となったのであった。
 めでたし! めでたし!

成否

成功

MVP

星穹(p3p008330)
約束の瓊盾

状態異常

なし

あとがき

お待ちかねのリザルトでございます
プレイングを漢字カウンタープログラムにかけて計測した値にシナリオ中くらった数を合計した結果なぜかきりのよくなった数となっております

☆イグナート:350
☆フラン:400
☆星穹:600
☆美透:300
☆レーカ:200
☆玲姫:0

そして全員の平均値が筆者に課せられます

☆黒筆墨汁:231

ノルマ期間は定めませんので、心と体と相談しながら健やかに筋トレをお楽しみください! ごきげんよう! 筋ッ!

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