PandoraPartyProject

シナリオ詳細

このイレギュラーズ……色っぽ過ぎる……!?

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

※これはチクリンカサタケの効果を発散するための相撲です

●これまでのあらすじ
 ここは豊穣、カムイグラ。とある山林に潜む妖怪、山姥を倒してほしいという依頼を受けた神使ことイレギュラーズ達!
 さっそく竹林に向かい、山姥が棲むという庵を目指したのである!
 しかし、山姥が慎重なババアなので、そうそう姿を現すことはない。そう、山姥を呼び出すには、ある一定の手順に乗っ取る必要があるのだ。
 一つ、夕暮れから夜の山であること。
 二つ、その状態で山姥の伊織を訪れる事。
 三つ、道に迷ったことを告げ、助けを乞う事。
 この三つを果たした場合、山姥は現れ、庵に入れてくれるのだという。だが、ここで慌ててはいけない。この状態で襲い掛かっても、山姥には逃げられてしまうだろう。
 山姥は、庵に泊めた者たちに、『チクリンカサタケ』という世にも珍しいキノコを入れた鍋を、夕食に提供してくれるのだという。ちなみに、チクリンカサタケを検索してもヒットしませんよ。今考えた名前ですからね。
 とにかく、そのキノコのたっぷり入った鍋(おいしい)を食べる必要があるのだ。山姥がその本性を現すのが、鍋を食べ終わった後。すっかり油断した獲物たちを狩ろうって寸法よ!
 というわけで、イレギュラーズ達は、上記の行程に従い、山姥の庵に泊まることとなった! そして提供されたチクリンカサタケの鍋を、モリモリ食べたのである! もりもり! そうもりもり! 思いっきり! お腹いっぱい! 食べたのである! そうしないと山姥が出てこないからね。
 そしてモリモリ食べておなか一杯になった時……イレギュラーズ達は気づいたのだ!
「あれ、隣にいるこいつ……色っぽ過ぎる……」
 と!

●どうしてこうなったのか
「こ、これは一体……!?」
 紅潮した顔でトキノエ (p3p009181)が言う。まったくもって、奇妙で恐ろしい情景であった。というのも、周りにいる仲間達が、なんか妙に色っぽく、すさまじく魅力的に見えるのだ。
「ふぅ、なんだか熱くなってきたのです……」
 ふらふらとした様子でニル (p3p009185)が頬を紅潮させた様子でそう言った。はぁ、はぁ、と荒い息をつく。普通に鍋食って身体があったまっただけなのだが、
「なんだ……ニルが……えっちぃ……!?」
 白萩 (p3p009280)が困惑した声をあげるほどに、なんかえっちかった。というか、そういう白荻も、なんか妙にきらきらして見える。魅力的なのだ。
「そう言うお前も……おかしい、明らかにお前が色っぽい……!?」
 紅潮した様子の裂 (p3p009967)がそう言う。上半身自由な裂であったが、その格好が非常に、なんだ、色っぽい。
「なんだ……皆、スケベすぎる……!?」
 トキノエが声をあげた! そう、これは異常事態であった。ニルがふぅ、と息を吐いて、胸元をはだける。それだけでドキドキしてしまうほどに、皆魅力的に見えるのだ!
 この四人だけではない! 集まったイレギュラーズ達、全員がもう、なんかすさまじく魅力的に見える!
「ふぇふぇふぇ……効いてきたようだねぇ……?」
 と、しわがれた老婆のような声が響く!
「や、山姥さん、なのです……?」
 紅潮した顔でニルが言う。がらり! と障子がひらいて、両手に包丁持ったヤベー感じのババアが現れた! ちなみに、魅力的にもエロ層にも見えない。
「いかにも……わしは妖、山姥の一人……人呼んで、『チクリンカサタケ鍋を食わせて、食った奴が隣の奴にドキドキしちゃう様を眺めるのが大好きババア』……!」
「チクリンカサタケ鍋を食わせて、食った奴が隣の奴にドキドキしちゃう様を眺めるのが大好きババア……!?」
 白萩が驚愕した声を上げた!
「知っているのか、白萩!」
 怒気っとしながら裂が尋ねる!
「全然知らねぇ……!」
 はぁ、と美しいため息をつきながら、白萩が言った。
「そうだろうねぇ。わしはこのリクシナのために生み出されたババア……こういうのって再現性東京の夜妖の仕事じゃない? と思いつつも、何となく豊穣の方が面白いから生み出された山姥よ……」
「くそ、恐ろしい妖だ……」
 トキノエが戦慄した様子で呻く!
「だが、こうして姿を現したが最後だ! ここで討伐させてもらうぜ!」
 トキノエがゆっくりと構える……その刹那、胸元がなぜかはだけた!
「止めろトキノエ! お前、それすけべすぎる……!」
 思わず目を背ける裂! よくみれば、ニルも顔を真っ赤にして、両手で目を覆って、わーっ、ってしている!
「ふぇふぇふぇ……愚かだねぇ! お前たちは今、チクリンカサタケ鍋の匂いと効果で、近くにいる仲間を魅力的にスケベに見えるようになっちまったのさ……」
「なんだと……!?」
 白萩が戦慄した声をあげた。おお、なんと恐ろしい効能か!
「あ、でもやり過ぎはしないからね。PPPはほら、全年齢ゲームだからね。
 あくまでドキドキして、攻撃が手につかなくなるとか、そういう位だよ!?」
『はい!』
 皆行儀よく返事をした。PPPは全年齢なので、少年誌的なセクシーにしてください。
「で、でも、恐ろしい状態異常なのです……ニルも、すごく、どきどきして……もう、だめなのです……」
 ニルくんが目の端に涙を浮かべながら言う。
(くそ……なんて卑劣な……!)
「やばい、ニルがえっちすぎる!」
 本音と建て前を間違えるトキノエ。
「そう言うお前も……どうする!? 服を脱ぐか!?」
 錯乱した裂が叫んだ!
「馬鹿野郎、脱ぐなら全部だろ!」
 白荻もなんか言い出した!
「ふぇふぇふぇ……その状態で、このわしを倒せるかね、神使たちよ……!」
 ババアが両手をばーってやった! 状況はめちゃくちゃだが、何とか打破しない事には凄い大変なことになりそうだ!
 さぁ、理性と戦えイレギュラーズ! 今回の敵は理性だぞ! じゃなかった、山姥だぞ!

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 これはリクエストシナリオなので僕は悪くないです。

●成功条件
 チクリンカサタケ鍋を食わせて、食った奴が隣の奴にドキドキしちゃう様を眺めるのが大好きババアを倒す。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況
 妖、山姥退治を頼まれた、皆さんイレギュラーズ。
 山姥をおびき出すため、あえて山姥の罠にのり、おいしいキノコ鍋を食べていた所……えーっ、隣のあの子がすごくえっちで、魅力的に見えるようになっちゃった! 胸がどきどき、顔が真っ赤! これから私達、どうなっちゃうのーっ!?
 というわけで、山姥のキノコ鍋の効果で、皆さんは、お互いがすごく魅力的に見えるようにっています。それはもう、一挙手一投足にどきどきして、攻撃なんてしてられません。
 しかし、山姥は目の前にいるのです!
 皆さんは、このドキドキに翻弄されたり翻弄されたり翻弄されたりしつつ、最終的にこのドキドキを発散させる手段を見つけて、山姥をていやーして生還してください!
 ドキドキを発散させるため手段ですが、こう、暑いので胸をはだけてみるとか、少し横になってみたりとか、添い寝してみたりとかそれくらいなら……。ババアも、ドキドキしてる皆を見るのが好きなので、邪魔とかしないで待ってます。
 なお、ドキドキを発散させる手段ですが、PPPは全年齢ですので、その辺の配慮をお願いします。それだけは本当にお願いします。マジでリプレイ書けなくなってしまうので。これはえっちシナリオではなくてコメディシナリオですので、その辺だけ本当お願いします。

●エネミーデータ
 チクリンカサタケ鍋を食わせて、食った奴が隣の奴にドキドキしちゃう様を眺めるのが大好きババア
  ていやーってすれば倒せるので、満足したらていやーってしてください。


 以上となります。
 あとはよろしくお願いします。

  • このイレギュラーズ……色っぽ過ぎる……!?完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年02月12日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

日車・迅(p3p007500)
疾風迅狼
バルガル・ミフィスト(p3p007978)
シャドウウォーカー
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
トキノエ(p3p009181)
恨み辛みも肴にかえて
※参加確定済み※
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
※参加確定済み※
白萩(p3p009280)
虚構現実
※参加確定済み※
裂(p3p009967)
大海を知るもの
※参加確定済み※
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー

リプレイ

●どきどき♡神使タイム
 やばい、こいつら……えっちすぎる……!
 誰ともなく、いや、ほぼ全員の心の裡に、その言葉が浮かぶ。
 ここは豊穣、妖怪『チクリンカサタケ鍋を食わせて、食った奴が隣の奴にドキドキしちゃう様を眺めるのが大好きババア』の庵。
 詳しい状況はオープニングを読みなおしてほしいが、とにかくイレギュラーズ達は、皆が魅力的に見えてドキドキなのだ!
「ほう……成程、かつての同僚がああも男女構わず色情にひた走るというのも良く分かる物です。途轍もない、この色気……!」
 ほう、と熱い吐息を吐くのは『酔狂者』バルガル・ミフィスト(p3p007978)である。よく見れば、その頬が些か紅潮しているのが分かるだろう。もちろん、それはバルガルだけではない。バルガル以外の仲間達も、皆熱に浮かされたかのように頬は紅潮し、熱い吐息を吐き出している。
「チクリンカサタケのお鍋、たっぷり、あったかくて……。
 みなさまもりもり食べていて、おいしそうで、うれしそうで……。
 だからニルも、とってもとっても「おいしい」なって思ったのです……。
 ……なのに、なんで、こんな……」
 ふええ、と目の端に涙を浮かべながら、何かもじもじとした様子を見せる『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)。ぽかぽかと紅潮する頬。なぜかざわざわ、もじもじと身体のうちから湧き上がる衝動……その未知の感覚に、恐怖と、得体のしれない高揚を覚えたニルは、ぐちゃぐちゃの感覚が怖くて、口元に手をやって、ぎゅっと歯をかみしめた。白っぽいニルの肌が、肌を這うような――それは快感にも似たものなのかもしれない――感覚に、くすぐったそうに震える。そのたびに、ニルの身体がぴくり、と震え、その衝動に、ニルは「あっ」と声をあげてしまう。その


「やめろやめろ! 細かく描写するな!」
 『劇毒』トキノエ(p3p009181)が頭を抱えた。ババアがひぇー、と声をあげてこちらを観察している。
「いいのう、いいのう! もっとやれ……年齢制限を越えない程度にな……!」
「くそっ、なんてばあさんだ……」
 トキノエがぐっ、と奥歯をかみしめる。その隙間から漏れる、熱い吐息。それが次第に、はぁ、はぁ、という重くて熱のこもったものへと変わっていく。身体が、熱い。体の芯から沸き起こる、熱さ。それは、暑いのとは全く違う、生命の根源から生まれる衝動的にな熱さに違いなかった。それは内側からトキノエを支配し、熱を体外に排出せんと突き動かさんとした。自然、息も荒くなる。故にト
「だから細かく描写するな! Re:versionクビになるぞ洗井ィ!」
 自重します。
 さておき、トキノエの方も色々限界なのは事実だ。実際、周囲の仲間達が異様に魅力的に見えるのは前述したとおり。ただ黙っているだけですでに色っぽく、迂闊な行動をした日には、それだけでもう、ドキドキしてしまう事は免れない!
「くそっ……ダメだ耐えられねえ……ちょっと上半身をはだけるが、これは暑いからであって特に他意は無い!」
 ばさり、とトキノエが着物の上半身をはだけた! あらわになる、締まった肉体!
「トキノエさん! 貴方! そんなにセクシーになってはいけませんですよ! 熱暴走でパニックになってるですよ!!!」
 そう言って、目元を手で抑えながら、頭からぴゅー、と蒸気のような排熱をかます『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)。ブルンブルン頭を振って、顔を真っ赤にしながら、
「困ります!! 困ります!! トキノエさん!! 困ります!! あーっ!! 困ります!! トキノエさん!! あーっ!! トキノエさん!! トキノエさん!! トキノエさん困り!! あーっトキノエさん!! 困りますあーっ!! 困ーっ!!」
 ぼかん、みたいな音がして、ブランシュがぶっ倒れた。めがぐるぐるしている。
「やべぇ、ブランシュが倒れたぞ!」
 『大海を知るもの』裂(p3p009967)が叫び、ブランシュに駆け寄る!
「どうする! やばいぞ、とりあえず服を脱がすことを提案するが!」
「そうだな、とりあえず脱がそう!」
 トキノエが頷き、
「ええ、まずは脱がせるところからでしょう……!」
 バルガルも同意し、同意、ど、絵面がヤバいなこれ!!!
「まってください、短命種の皆さん」
 『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)が、顔を赤くしながら手をあげる。
「このシナリオが洗井落雲のコメディシナリオとは言え、流石によってたかって女性の服を脱がせるのは、短命種の倫理的にアウトなのでは……!? ちなみに倫理観に満ち溢れた私達幻想種にとってはもちろんアウトです」
「あ、ブランシュは『性別なし』なのですよ」
「じゃあいいですね!」
 ブランシュがそう言ったので、エルシアもゆっくりとブランシュににじり寄り、
「いや、お待ちください、どう見ても女性型なのでは!?」
 『挫けぬ軍狼』日車・迅(p3p007500)が流石に視線をそらしつつ、真っ当なコメントを言う。仲間達は顔を見合わせた。
「女性型……!?」
 『虚構現実』白萩(p3p009280)が頷く。
「確かにそうだなァ……だが、ちょっと待て、相手は12歳……ガキじゃねぇのかァ?」
 キャラシをよみながら、白萩が言った。
「いや、昨今のコンプライアンス的な事を考えると、こういう時の方がヤバいのか……? クッ、頭が回らねェ……」
 白萩が苦しげにうめいた。
「僕も正直、うまく頭が……なんたる不覚。まさか一服盛られてしまうとは!
 結構美味しかったのでついついおかわりしてしまいました……体が熱い」
 同様に、悔しげにうめく迅である。
「うーん、熱暴走なのですよ、ぷしゅー」
 ぷしゅー、と口から熱気を吐くブランシュ。
「だが、これは人命救助だろう……?」
 白萩が言う。
 人 命 救 助 ! なんと甘美なる響き(?)! 意味は分からないが、それがこの時、神使たちの中で、何らかのタガを外す免罪符となった! 人命救助のためならまぁ、何やっても許されるだろう……皆は真似しちゃだめだよ!
「なるほど、では、倫理観抜群の私達幻想種としても、もはや躊躇する理由はありません」
「ですね……僕も直視はできませんが、人命救助という事でしたら……!」
「ニルも、お手伝いします……で、でも、見ない方がいいでしょうか……」
 迅が目をそらし、ニルが、わーって言いながら目をふさいだ。
「では、このまま熱がこもってはいけません。少し脱がしますよ。後パーツもちょっと外しますね」
 バルガルが言うのへ、
「おねがいしますのですよぷしゅー」
 と、ブランシュが応える!
「よし! まずは危なくならない程度に服をはだけるぞ!」
 裂の言葉に、仲間達は頷いた! いま、壮絶な戦いが始まろうとしていた――!

●どきどき♡解消タイム
 戦いは終わった。ブランシュはパーツをいくつか外して軽装になったので、今は元気です。
「助かったのです……ふぅ、でもドキドキは止まらないのです……」
 ブランシュの言葉に、トキノエが頷く。
「ああ、無事なら良かっ……ってバカ! お前脱ぎすぎだっ!
 い、いや、お前がいいなら…いいんだけどよォ……(ちらちら)
 (こいつ……いい体しやがって……色っぽい……!!)」
 思春期男子みたいな感じのトキノエ。こればっかりはしょうがない。誰もがチクリンカサタケを食べればこうなるのだ。そんな様子を見やりつつ、エルシアはうなずく。
「ええ、ところで悪い男って何故か素敵に見えますよね……はっ、リュミエ様姉妹といいこれは幻想種の性……?
 私にはお慕いしている悪い男がいますけれど目の前にはもっと悪そうなバルガルさんが!
 くっ、仕方ありませんこれも種族の血ゆえであるのなら従うのが自然の摂理というもの!
 エルシア、いつも逃げてばかりのあの人に当てつける為にもバルガルさんに無茶苦茶にされて参りますいえ他の方でもいいんですけれど!!」
 なんか言い出した。それから、すっ、と近くにあった冷蔵庫(冷蔵庫?)から冷えたお酒を取り出すと、バルガルの隣に座って、お酒を酌し出す!
「おや、エルシアさん……?」
 色気のある微笑を、バルガルが浮かべる。
「あの……首輪、用意していあるんです……。
 つけて、あなたのもにして、いただけませんか……♡
 何故か、隷属の鳥籠とかえっちっち袋とかもありますので……私、短命種とは違って、ハードな」
「やめろやめろ!」
 トキノエが叫んだ。顔は真っ赤である!
「ヤバいぞ、このままじゃあのばあさんの思うつぼだ! みろ、あのばあさんを! 滅茶苦茶つやつやした顔でこちらの行動を堪能している!」
「ふぇふぇふぇ……十年は若返りそうじゃわい!!!」
 ババアがつやつやしながら叫ぶ! 実際、ここまではばあさんの目論見通りと言えただろう。隣のあの人が魅力的に見えてドキドキして、色々と行動をとてしまうイレギュラーズ達。ばあさんは、こういった姿を見るのがたまらなく好物なのだ!
「なんとかせねば、とは思いますが……ううっ、皆さんが眩しい……イレギュラーズはいつも輝いていますが、今日はよりキラキラして見えますね!
 正直オオカミなので齧りたいくらいなんですが……!」
 迅がそういうのへ、ばあさんは、むっ、とした表情を見せて、
「年齢制限が上がっちゃいそうなのは厳禁だよ!」
 というので、迅は、ごくり、と頷いた。
「という事ですので、我慢ですね……!
 ですが、どうすればいいのでしょうか。正直、ドキドキしすぎて、このままでは山姥殿に攻撃ができません……!」
 そもそもの問題に立ち戻れば、ドキドキしすぎて山姥に攻撃できないのが問題なのである。山姥自体は、ていやーってすれば倒せるほどに、大したことのない相手だ。だが、その、ていやー、がまず難しい。なにせ、ていやーなどしようものなら、その魅力的な姿に他のメンバーがぶっ倒れてしまうことは確実なのである。これはまずい。だが、山姥をていやーできなければ、依頼は失敗である。このドキドキはドキドキし損であるわけだ。果たして、どうするべきか……?
「こんなの、はじめて……。
 ……いえ、びやくとか、服がとけたりしたときもこんなだったかも……?
 こういうの、えっちい? すけべ? っていうのですか?
 ……ニルはおぼえました」
 ニルが熱く吐息を吐きながら、そういう。えっち、とかすけべ、みたいな単語に皆反応してしまう。ドキッとしてしまう位のアレです。
「……思った以上に、厄介な敵なのかもしれませんね……」
 バルガルが、ごくり、とつばを飲み込む。そのしぐさすらセクシーだった。お前が一番セクシー。
「やめろ、お前えっちすぎるぞ……」
(どうにかしてドキドキを抑えねぇとな……)
 裂が本音と建前を間違える。さておき、実際どうすればいいのか。ああ、この状況をどうにかする、策は無いのか――!!
(取り合えず誰かこの理性を何とか出来そうな奴……嫁にゃ悪いが四の五の言ってられねェ。
 いっそのこの誰か抱いt、抱き締めてみる? いや悪化するだろ。添い寝? それも同じ。ともなりゃ……。
 適度に肌がぶつかり合う感じ、上がる熱、全部を誤魔化せる俺ン中の方法と言やァ……!)
 胸中で、白萩が思考を加速させる! そう、そして勝ち取った結論は!
「ぶつかり稽古でどうだ。女子供にやるのはちと気が引けるがよ」
「――なるほど。運動での発散だな。いや、変な意味じゃなく――」
 裂が頷いた。
「なら! 俺は筋トレだ! いくぞお前ら!」
 ばっ、と裂が上半身をはだけた(これから運動するので健全です)。
「なるほど、なら、僕も!」
 迅も、ばっ、と上半身をはだける! ならば自分も、と皆上半身をはだけさせた! 年齢制限が上がらない程度に! これは健全なシナリオなので!
「バルガル殿、手押し車をいたしましょう。ちなみに、手押し車の事を猫車というそうですね。他意はありませんが――」
「なるほど、迅さんは立ってやる方なのですね。分かりました私が猫車。他意はありませんが」
 と、筋トレ・手押し車の体勢をとる二人!
「ああ、悪い男が……猫車……!」
 エルシアがなにかぼせた顔でそう言っている!
「恋、じゃなかった、来いトキノエ! ぶつかってこい! お前の! 肉体を! 俺にぶつけてこい!」
 上半身をはだけた漢、白萩がトキノエを手招く!
「ああ、良いぜ、本気でかかって来な――!」
 いい笑顔で、トキノエが笑う。二人は自然、相撲の構えをとった。相撲。そう、相撲だ。こういう時に取るものと言えばそう、相撲! 激しく物浸かり合う、身体と身体! 男と男! 筋肉は筋肉とぶつかり、出会い、そして激しく喜び合う! ああ、これこそまさに筋肉の祭典――!
「わ、わわ、すごいのです、男の人が、裸(語弊のある言い方)で、ぶつかりあって……!
 あ、あんなところを持って、持ち上げて……わわ、ニル、ニル、困ってしまいます……!」
 わーって顔しながら、ニルが手で目を覆った。指の隙間からチラチラ見てるぞ。
「で、でも、ニルも、頑張ります。まねして、腹筋、してみます……!」
 と、恥ずかしそうに胸をはだけながら、一生懸命腹筋するニル。
「いいぞ、ニル! そうだ! 筋肉だ! 筋肉はすべてを解決する!」
 裂がガハハ! と笑った。
「くそっ!! おまえらスケベな筋肉してやがるな!! それでこそイレギュラーズだぜ!!
 ほら肩の筋肉喜んでんぞ!!! もっと腕から声出してけ!!!
 脚がゴリラみてぇだな! おい!! 森の賢者だったのかてめぇ!?
 竜種なんざ怖くない!!! 前世は阿修羅像ですかー!?!?」
 自身もめっちゃくちゃボディビル風のポーズをとりながら、周囲の仲間達の筋肉をほめたたえる裂! もう正直テンションがどうにかなっていた! ドキドキと、運動による熱気と、疲れと、あれやこれやで、もうなんだか、本当に訳が分からなくなっていた! 正直書いてる方も、これどうなるのかマジでわからん!
「おー、すごいのです! ブランシュも応援するのですよ!」
 軽装になって冷却された、ブランシュがぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「カニカマの千倍! 筋肉縄文杉! 血管うねうねマスクメロン! なんだ、あのセパレーション! 多すぎて数えられない!」
 やんややんやとほめたたえるブランシュ! 裂がガハハ、と豪快に笑う!
「よーし、俺もどんどん動かしていくぜ!! はぁー!!!!(ボディビル!)
 ぬあああぁぁぁー!!(ボディビル!!) ふおぉぉぉぉぉぉ!!!(ボディビル!!!)」
 おお、見よ! 踊り狂う、筋肉と筋肉。ぶつかり合う、筋肉と筋肉。筋肉と筋肉。そして筋肉と筋肉! そして男たちの熱気!
 筋肉が喜びの声をあげ、熱気がさらに吹きあがる! ババアが『ほぎゃあ』みたいな声をあげながらぐるぐる回った。
 そして――この時、奇跡が起こった。
 男たちの熱気、それが生み出した情熱が、チクリンカサタケの効能を含んだ蒸気を、部屋から吹き飛ばしたのである――熱は、熱い方から冷たい方へと流れる。男たちの筋トレの熱気は、チクリンカサタケのお色気の熱気よりも熱かったのだ! つまり、この時熱伝導がどうのこうのであーなってそうなってばん! した! これにより、瞬く間にイレギュラーズ達の体内から、チクリンカサタケの毒素が急速に中和されていったのである! 理屈はもう聞くな! そういうもんである!
「はっ……ドキドキしねぇ!」
 トキノエが声をあげた。それは、白萩と行く度目かの裸のぶつかり合い(言い方)した後であった。
「本当だなァ……アンタがスケベに見えねェ……」
 白萩が声をあげる。全員、素面に戻っていたので、何言ってんだこいつ? みたいな顔をした。だが、ほんの数分前まで、全員スケベに見えていたのは事実だ。なんと恐ろしい状態異常だったのだろうか!
「ニルも、熱くなくなりました……!」
 いそいそと衣服を整えて、ニルが言う。
「ふっ、この私が、妖怪ごときの罠にはまってしまうとは……迂闊でしたね」
 いつもの調子を取り戻したエルシアが、首輪とかそういうのをこそこそしまいながら呟く。
「くっ……まさか、チクリンカサタケの毒素を中和するとは……!」
 ババアが悔し気に呟き、包丁を構えた!
「かくなる上は、直接攻撃で――!」
 おきゃあ、みたいな声をあげながら、ババアが突進――だが、もはやこのような妖怪などは、イレギュラーズの敵ではない!
「鍋美味しかったです、ご馳走様でした!!」
 にこやかに笑った迅が、ばあさんをおもいっきり、ていやーした! 吹っ飛んでいくばあさん! 夜空の星に照らされながら、きらり、と輝いて消滅する! やがて、静寂だけが庵を支配していた……。
「……セクシー……ダイナマイト……何か真意を見た気がしたですよ」
 ブランシュが呟いた。何かわからないが、何かを見てしまった。それは、他の仲間達も。
「……服を着て帰りましょうか。もう」
 バルガルがそういうのへ、裂が頷く。
「……ああ……なんか……今日のことは……」
 何を言っても、無益なようが気がして。
「……今日のこと誰にも言うなよ……頼むから……」
 トキノエが言うのへ、仲間達は頷いた。
 まぁこの仕事の報告書、全体公開されるんですけどね。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ボイスとかピンナップとか、思い思いのデジタルタトゥーをつけてあそぼう!

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