PandoraPartyProject

シナリオ詳細

大丈夫! パンドラはまだ残ってる。耐え続ければ勝てるんだ! ~私達、クッコロ洞窟になんて絶対負けません!~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 洞窟に住み着いているスライムやオークを討伐してほしい――

 そんな魔物退治の依頼がローレットに出されていた。
 一言で言って平凡な依頼だ。イレギュラーズであれば大した苦労もなく、一両日中に解決される程度の代物だろう――
 しかし何故か『そう』はいかぬ。
 件の洞窟……『クッコロ』洞窟へと赴いた者は既に幾人もいるのだが、失敗して逃げ帰る者が続出。
 更にはそれだけではなく帰還した者達は、まるで絶大の恐怖を感じたかのように口を閉ざし続けているのだ……故に『一体何があったのか』情報も碌に分かっておらぬ――

「それほどに恐ろしい洞窟なのでしょうか……
 ふふん、ならば私の出番ですね――! お任せください、この私に!!
 魔物が出る程度の洞窟なんて、ちゃちゃっと片付けてきますよ!!」

 ――故にと立ち上がった一人がシャム=E=ロローキン(p3p010306)だ!(フラグ1)
 強靭なる魔物がいるのか。それとも侵入者を打ち滅ぼす卑劣な罠でもあるのか。
 仔細は知らぬ。しかし、洞窟一つに臆するなど騎士としての矜持が許さぬ!
 そして――その立派な志に賛同した(かは知らないけど)者もまた続く!
「ええ! 無論ですよ! 例えどれ程の難関が待ち受けていようとも――
 私達に乗り越えられない場所などありません! 参りましょう!!」
 彼女はフラグその2、リディア・T・レオンハート(p3p008325)である!
 馬車の中でシャムらと決意固めて往く。そしてなんやかんや順調に洞窟に辿り着けば……なるほど、確かにこの洞窟からは異様な雰囲気を感じるぞ……!
 『圧』がある。この先に進めば、恐らくそう簡単には帰ってこれぬと。
 それでもと。一歩を踏み出し進むものだ――さすれば。
「――はっ! 皆さん警戒をッ!! 噂のスライム達が出てきましたよ……!」
「数が多い――油断せずにいきましょう!!」
 リディアとシャムの眼前に現れしは、スライムだ。
 粘着性の個体共が立ち塞がる――それでも、彼女らの力をもってすればこの程度の相手、なんなく粉砕…………出来る筈、が。
「くっ、どういうことなの……!? 力が、上手く出せないなんて……!」
「はぁ、はぁ……! なんだか、随分と息が上がるのも早いような……」
 しかし、共に進んでいた歩くフラグ共であるアルテミア・フィルティス(p3p001981)やシフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)らが気付いた。
 腕に力が入らない。足が震えて今にも膝を着きそうな……
 ――まさか。『コレ』か? 『コレ』が――数々の失敗に連なる原因か!?
 スライム達が液体を噴射してくる! 辛うじて躱すも、微かに裾に液体が触れれば……うわちょっと溶けた!! これ服の繊維を溶かす能力でもあるのか!!?
「ま、まずいですよこれ一度態勢を立て直しましょう!!」
「ええそうね――って、後ろからはオークが!! なんでこんなタイミングでぇ!!?
 わっ、ちょっとなんか拘束魔術を飛ばしてき……その手に持ってる棍棒は飾りなの!!?」
 さすれば。まるで津波の様に押し寄せてくるスライム達――
 なのでシフォリィが後退しようとするが、一瞬早くアルテミアが見据えた後方には、いつの間にか回り込んでいたのか大量のオーク達がいた!! なんでぇ、どうしてぇ!! しかもどうして魔術を使ってくるのこいつら!! おかしいでしょなんか色々とぉ!!?
 このまま囲まれてはまずいと、咄嗟に横穴へ飛び込むイレギュラーズ達! が!!
「きゃあああ――!! なにここ、ぬるぬるしてる――!!?」
 なんとそこにはスライムの液体なのかなんなのかよく分からないが、とにかく滑る地形だった――!
 意図せずに奥へ奥へと進んでしまう彼女達! わあああここは一体何なんだ――!!

 ――そう。彼女達は知らなかったが――この洞窟には伝説があるのだ。

 曰く、洞窟内は何か怨念めいた瘴気に満ちており、著しい弱体化を受ける。
 曰く、魔物たちは此方の命を狙ってくる素振りは無く――なにかとても恥ずかしい目に遭わせてくる。
 曰く、辱めを受けている間、徐々に瘴気が薄まっていくのを感じた――つまり。
「はぁ、はぁ! だめよ、どれだけ戦いづらくても、正気を保って……!」
「わああああそんな事言われても、どうしてこんな事に――!! あ"あ"あ"あ"あ"――!!」
 そう! つまり――如何な窮地に陥っても、心折れずに抗い続ける事ができれば、勝利できるという事なのだ! ここの魔物達は絶対に暴力とか振るってこないから、心が折れなければ何とでもなるよ! へへっ! まぁ心のパンドラが無事かは保証できないんですけどね! フラグを立ててたシャムさんなんて、早速画像右下の表情になっております!
 ――ともあれやる事は明確だ。
 スライムをぶん殴る。
 オークをぶん殴る。
 ていうか全部ぶん殴る! この洞窟に人間なんぞいない! 全部敵だ敵!!
 なんだかよく分からない瘴気の中で、しかし心折れぬ様に頑張るのだ!
 頑張えー! 例え体は屈しても心までは屈しない屈指のエキスパート達ぃー!
 この瘴気がもし、万が一にもこの洞窟を超え街にまで到達する様な事でもあれば大変な事になるのだ――今この瞬間にでも洞窟を攻略せねばならぬッ――!!

 こんな洞窟になんか、絶対屈しないッ!!

 今、イレギュラーズ達の過酷なるまでの戦いが始まろうとしていた――

GMコメント

 へへ、なんて洞窟なんだ……!(*ノωノ)
 以下詳細です!!

●依頼達成条件
 洞窟内の敵戦力を全て撃破する事!!
 撃破するだけでいいんですよ、簡単ですね!!!!

●フィールド
 幻想のとある地方に存在する『クッコロ』洞窟――
 その地には伝説がありました。

 曰く、洞窟内は何か怨念めいた瘴気に満ちており、著しい弱体化を受ける。
 曰く、魔物たちは此方の命を狙ってくる素振りは無く――なにかとても恥ずかしい目に遭わせてくる。
 曰く、辱めを受けている間、徐々に瘴気が薄まっていくのを感じた――

 つまり、お分かりですね? そう! この洞窟は『そういう』洞窟です!!
 男とか女とか関係ない! みんな瘴気の餌食になるんだ!
 地面はなんかやったらぬるぬるしてて滑りやすいし。
 敵はやったら服を狙ってきたり、動きを縛る魔法を放ってきたり。
 隙あらば魔力を含んだ水晶で、その姿を撮影しようとしてきたり――え、マジで? マジだって。すごいね。

 まぁ色々ありますがイレギュラーズの皆さんなら心が折れさえしなければ勝てますよ! やったね!!

●クッコロ瘴気
 洞窟を覆っている瘴気です――
 この洞窟ではなんだか胸の動悸や息苦しさを感じるかもしれませんが、それもこの瘴気の影響です……先述の通り、この洞窟では能力の著しい弱体を受けてしまうのです!
 しかし弱点というかなんというか、何故か辱めを受けている間はその効力が弱っていくようです……つまり恥ずかしさなんて気にしなければ勝ちです。ええ、気にしなければ。

 なおこの洞窟。瘴気と関係があるのか不明ですが『絶対に負けない!』とか『余裕ですよ!』とかいうと『フラグポイント』が溜まっていきます。
 フラグポイントが溜まると皆さんにはなんらかの不運が発生する可能性がありますので――絶対に迂闊な事を口走ってはいけませんよ。いいね絶対ですよ!!

●敵戦力
・みんな大好きスライム君×たくさん
 スライム君です。戦闘能力はクソザコなのですが、服を溶かしてくる能力を宿しています(肉には影響がないのでダメージは負いません。やったね!)。
 ちなみに紳士です。

・みんな大好きオーク君×たくさん
 オーク君です。スライム君程ではないですが、それなりの数がいます。戦闘能力に関してはスライム君とどっこいどっこいのクソザコです。その逞しい筋肉は飾りです。ていうかむしろ魔術タイプで、糸の様なモノを飛ばす束縛魔法を得意としています。なんでや!
 ちなみに紳士です。

・ユニコーン×1
 この『クッコロ』洞窟のボスです。
 この洞窟を覆う瘴気は実はこのユニコーンの魔力によるものです――清らかなる乙女が焦る姿がめっちゃ好きらしくて自身のフルパワーを使って瘴気を維持しています。なんて奴だ!! その為か、ぶん殴るのは簡単です。気絶させたら瘴気は晴れると思います。
 あんまり紳士じゃないです。へへ。
 ていうか辱めがある瞬間に効力が弱くなるのは、コイツがソレに気を取られるからです。こいつッ!!!

●でんじゃー!
 この依頼の結果によっては心のパンドラが少しだけ減るかもしれません!
 気を付けてくださいね。へへ!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はDです。
 多くの情報は断片的であるか、あてにならないものです。
 様々な情報を疑い、不測の事態に備えて下さい。備えられるものなら!!

  • 大丈夫! パンドラはまだ残ってる。耐え続ければ勝てるんだ! ~私達、クッコロ洞窟になんて絶対負けません!~完了
  • GM名茶零四
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年01月31日 23時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
※参加確定済み※
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀焔の乙女
※参加確定済み※
メリッカ・ヘクセス(p3p006565)
大空の支配者
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進
※参加確定済み※
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
倉庫マン(p3p009901)
与え続ける
唯月 清舟(p3p010224)
天を見上げる無頼
シャム=E=ロローキン(p3p010306)
うら若き姫騎士
※参加確定済み※

リプレイ


 ――なんじゃあ、今回は洞窟内の化生をボコすだけでええんか!
 ――随分と楽そうな依頼じゃのう。さっさと終わらせて飲み行こうかい!

 ご覧ください、これが。
 元気だった頃の『天を見上げる無頼』唯月 清舟(p3p010224)の姿です――

●そして現在
「へへ……儂はもう駄目じゃ……後は、頼……」
「ああ清舟さ――ん!!? 倒れないで!
 せめて倒れるにしてもなるべく敵を倒してからにしてください!
 ていうかなんで最初からぷるぷるしてるんですか――!」
「おぉ……そこにおるんは、しゃむけぇ……?
 しゃ、しゃむ……儂が……倒れたら……家まで運ん……で……
 他ん別嬪さんやと……儂の体が……保た……ん……」
「ちょっと!!? なんですかその言動、私と他の女性の時と全く反応違うのなんなんです!? ちょっとぉぉぉ!」
 清舟、戦闘不能――
 あ、これはですね。周りにとても美人かつ可憐な女子の方々が多くて『これが終わったら儂は街でナンパして楽しい一時を過ごし、最後は隣の女子の肩を抱きながら甘い夜を迎えるんじゃむふふふ……』とか考えてたら想像緊張による発作が出てきただけです。
 そんな清舟さんですが『ぽんこつかしまし』シャム=E=ロローキン(p3p010306)がビンタしてますね。起きるかなぁ。
 まぁ後ね。へへへ……この時の為に鍛えた心の目でッッ!
 別嬪さん達のスリーサイズを透視してぇッッ!
 良い想いを……しようとかも考えたりしたんですが。
「くっ。震えおるわ膝が……! こんな、こんな事があるんかぁ!?」
 想像したら緊張で足腰が震え視界が途切れ……こんなくそっ! どうしてこんな……! 儂よ……パラダイスを見るんじゃろうが! 今一歩、力を……!
「の、のぅ倉庫マン……皆、いい女ばかりでここは天国じゃと……おもわ……ん……か……」
「清舟様――! お気を確かに! だめです、一人にしないでください!!
 というかそもそも私がなぜこんな所に――!!?」
 なんか既に満身創痍の清舟だが彼が脱落して困るのは『良かれと思って』倉庫マン(p3p009901)だ! そも彼の脳内は疑問符ばかりで溢れていた……
 なぜ己がこの依頼に呼ばれてしまったのかサッパリ分からないからである!
 慌てる倉庫マン――と、その時。

 まぁ――たこんな仕事かぁ――!!

「くっ、我はぜったいまけんのじゃ!!」
「駄目よクレマァダさんソレはフラグよ!! 言えば言うだけまずいわよ!!」
 しるかー! くそー!! 天に響くほどの願い。『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)さん駄目ですよ! それはこういった依頼におけるベテランである『姫騎士(意味深)』アルテミア・フィルティス(p3p001981)さんの深い見識の通り、フラグですよ!
「くぅ……どうして、どうしてこんな洞窟がそもそも世の中に存在して……いえ、一刻も早くこんなバカげた洞窟を作った主を倒しましょう。かならずや! ええ、必ずや!!」
「クッコロだかチンコロだか【ピーッ】コロだか知らないけどもね。
 そういう『如何わしい』洞窟はサクッと潰すに限るね。
 ……おやなんか今、不思議な力が働いたような」
 こんな事態一刻も早く解決しなければならぬと『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)や『大空の支配者』メリッカ・ヘクセス(p3p006565)は決意するものだ――覚悟しとけよ乙女に仇なす卑猥生物共め!
「お前らみたいな奴らには――決して屈しない!」
「だからどうしてそうフラグを積み重ねていくの!!? ねぇどうして!!?」
「いえ、アルテミアさん聞いた事がありますよ……ええ。『フラグ』という概念は中途半端に纏うと危険ですが、過積載すれば効力を失うと! ええ、ええ! これぞ正しく勝利への道筋! フフ、勝ったも同然ですね!!」
 やめて絶対それデマよ!!?
 アルテミアの悲痛なる叫び――しかし『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)は信じている。正々堂々とした騎士としての立ち振る舞いを維持し続ければ良いと――!
 が、アルテミアの心配も他所に事態は留まっていても進むものだ。
 具体的に言うと来たぞスライム達だ!!
「とにかくまずいですよ一端退きましょう! うわ、オークが糸を!!」
「ンギャッ服が溶けました! スライムがいつの間にか天井から――!!」
「ああ、シフォリィ様、シャム様――!!」
 ああいつの間にやら囲まれて阿鼻叫喚。
 胸を締め付ける様な瘴気が周囲を覆う中――彼らは生き残れるのか。
 今、尊厳を掛けた戦いが始まろうとしていたッ!


「ひいい! この洞窟こわい! 帰りたい! 体重い!
 どうしてー! うわーこのスライム粘着性が高い、離れないですよ~!?」
 もーシャムは精神的に限界だった。いやそもそも……シャムは想像していたのだ――誰も踏破しえぬ洞窟。魔物をバッタバッタと切り倒し。苦難を乗り越え事態を解決し、英雄みたいな騎士として街に帰還するその姿を――
 そしたらなんかスライム君とびちゃびちゃ遊んでるんですよどうして――!?
「ブエェオークさんにも拘束されました! たすけてー! たすけてー!」
「くっ! シャムさん今助けます――! この程度の瘴気なんかで止まりませんよッ――!」
 その内オークにも捕まるぽんこつシャム。
 彼女の悲鳴に即座に答えたのはシフォリィであった――
 この洞窟のシステムはなんとなく察している。察しているが――しかし。
 戦うために辱めを受けるなど言語道断!
 たとえ弱くなったとしても、枷になったとしても……!
「私は極力避け、恥じらわずに戦います……! ご期待には絶ッッ対に沿いませんよ!」
 口の端から零れる息はいつもよりも熱を帯びている。
 ――しかしそんなモノでシフォリィが揺らごうものか!
 シャムを縛るオークを剣撃にて打ち倒し――敵陣の中へと突き進むのだ。幸いと言うべきか本当にオーク達の筋肉は飾りで滅茶滅茶弱いので強引に突き進めない事もなく……!
「くぅ! どうして、どうしてこんな変な魔物がいる場所にばかり縁があるのかしら……!!」
 そして同僚の姫騎士たるアルテミアもまた――奮戦していた。
 眼前には大量のオークとスライム。刹那の隙が終わりを齎す……けれど。
「イイわよ、そっちがその気ならこっちは全力で抗うだけよ。
 スライムもオークも今まで散々相手にしてきたんだから、今さら負けるはず無いわ!
 ――絶対に屈するものですか! すっごく不本意だけど、今までにもこういう経験は嫌と言うほどしてきたので、貴方達の出してくるそんなネバネバした体液だか糸だなんて攻撃、そう易々とは当たりませんよバーカ!!」
 だったら隙を見せなければいいのよ――! ふふん経験は多いんですからね!
 軽やかに躱すアルテミア……だが彼女は胸にある高揚が故に気付いていない。

 己もフラグを積み重ねてしまっていた事を。

「さぁこのまま押し切らせてもらうわ――って、ひゃん!!?
 ちょ、シャムさんいつの間にそこに、あ、オークが糸を――!」
「ち、違うんです! これはうっかり足を滑らせただけで――ぴゃん!!」
 瞬間。なんとまぁスライムの粘液に偶然転んで偶然滑って偶然回転しながらアルテミアの脚に直撃したのは――シャムであった! 更にコンボ気味にアルテミア達の身を、オークから放たれた、やたらネバネバする糸が拘束する――!
「くっ、こんな絡まった状態で拘束されるなんてッ、ふゃん! ちょ、ちょっとっ、そんなに身じろいだ、らっ、擦れてっ! や、やだっ、糸が、胸に食い込ん、でっ、ひにゃんっ、シャムさ、顔が、近ッ!」
「は、はひゃん!! ああ、まずいです!! こ、れは……違うんです、わざとじゃないんです! ああ! 騎士先輩があられもない姿に――! あっ! 指が服の裾に引っかかって――!!」


「はっはっは――成程。これは所謂天国という光景かな?」
「メリッカ殿!? 鼻から壮絶なまでの流血が発生しておりますよ――!?」
 文字通り、絡み合うアルテミアとシャム。零れた吐息の熱は暑く、蕩ける程に。
 その様を見据えるは――メリッカだ。
 豊満なりしボディがああも揺れるとは……彼女の視線は釘付け状態。倉庫マンに指摘されて初めて鼻血が出ている事に気付いたが……おっとまずいこれ止まらないぞ、くそう。うっ!
「ああ! アルテミアさんにシャムさんが!!
 くっ――スライムやオークの人達っていつもそうですよね!
 私達姫騎士の事、なんだと思ってるんですか!」
 えっ? 姫騎士っていつも屈しちゃう人達の事ですよね――? ちょっとリディアが何を言ってるのか分からないのか、一斉にオーク達が首を傾げている。『へ、偏見ですよソレは!』とリディアが叫ぶが、しかし。
「って、うわーッこっちにも来たこっち来た!? シフォリィさんお気をつけて……あぁ!」
「くっ――いくら何でも、数が多すぎて……あっ!」
 魔物達の攻勢にリディアやシフォリィもまた追い詰められつつあった――!
 糸と粘液が攻め立てる。
 鈍った動きに粘液が飛んで、ああやなんともその姿たるや戦敗れし虜囚の如く――
 しかし。
「だ、大丈夫です……ッ!
 少々服や鎧が溶かされた程度で……私達はッ、決して屈したり、しな──って」
 ギャ――ッ!?
 瞬間。絶対に屈しない瞳の色を宿していたリディアに――なんか魔力が飛んできた。
 オーク達、困惑。その魔力の主は誰かと言うと……
「ちょ、クレマァダさん待って待って! その技はまずいですって――!!」
 ――スライムに襲われて混乱状態にあるクレマァダであった。


 事の始まりは少し時を巻き戻す――大体シャムが捕まった辺りで。
 倉庫マンは悩んでいたのだ。己はどう動くべきかと……
「あああしかし、私は、私は本当にどうすれば……
 何かの、何かの手違いなのでは……あの、ええと、今からでも私は外に助けでも……」
「何を言うておる。簡単な仕事があるじゃろう――行け」
「えっ」
「男が矢面に立つのじゃ――行け」
「えっ!?」
 めっちゃ混乱してる倉庫マンを――顎で示すクレマァダ。
 分かるじゃろ? と言う視線付きだ。
「よいか? 世の中にはあるのじゃ……
 男同士のカラミのある絵物語というものがの……
 そして本番あっても一般書籍の棚に、のう……」
「いやそういうのは百万歩譲っても需要があるからでは!!?」
「たわけぇ! とにもかくにも行くのじゃ! 我はこんな敵と戦いとうない!!
 男が矢面に立てばそれだけ我らの被害は少なく……ぬぁ? なんじゃこの液体は」
 ぐあー! 直後、クレマァダへとスライムが跳躍。体内に取り込まれる――!
「ギャ――! やめろ、見るな! お主も溶かすでないわ――!!」
 刹那に消えゆく祭司の衣装。端から溶ける様にして次々と肌面積が広がる――
 いや待て、だめだ。アレだ。祭司長の身を継ぐ者は容易く肌を晒してはいけないとかそういう教義があったような気がする様なとにかくお前ら砕け散れえええ!
 ――錯乱。魔力収束。炸裂轟音!
「ぬあああ、ま、魔力が輝きを取り戻している……!?」
「ふむ。やはり恥ずかしい目に遭っていれば力を取り戻す訳か――やはり決まりだね。『男どもが恥ずかしい目に遭うておるうちに敵を薙ぎ払えばよいのだ』ってコトだね。さぁ行くんだ、倉庫マン、清舟」
「ぐえ――! 儂もかぁ!? やめんかそんな辱め受けるぐらいなら、くっころせ!」
 さすればメリッカは言う。ふふふ。例えば倉庫マンや清舟がスライムとあれやそれやになってる最中に雷撃の一閃を繰り出せば――味方に傷を付けず敵だけをシバき倒す事が出来るのだ。だから安心して犠牲になってくれたまえ。なっ!
「魔力が切れてもカバーするための策はあるし(フラグ)
 地面が滑りやすくても飛べばなんとでもなる――フッ。
 やはり男たちが犠牲になる事さえ許容すれば楽勝じゃないか!(フラグ2)」
「ええ、そんな馬鹿な……需要とは……えちちとは……」
 私がえちち……? 私などが……?
 ――倉庫マンの思考が歪む。あまりの混乱が限界に達した彼は。
「――失礼。取り乱しました。ええ。もう大丈夫です」
「ん、倉庫マンよ、なんか目が変ではないか?」
「はははまさかそんな――所で確かユニコーン様が今回の依頼主でございましたね?
 誰かの辱めをご所望であると。承知いたしました。ならば私、全霊を賭しましょう」
 ん、ぉ、ぁ?
 清舟がなんか変な事に気付くのだが――一度狂った針は早々簡単には戻らない。
 錯乱状態にあるクレマァダが暴走しながらリディア達の方へ向かっている様に……
 故に。彼は往くものだ。ユニコーンの願いを――叶える為に!

 ――ああレオンハート様。ちょうど良い所に。

「くらいなされ――倉庫催眠ッ! ハァ!!」
 それは魔眼。心弱き者を捕らえる束縛の一手。
 さぁ。自分は絶対に屈しないという所をユニコーン様にお見せ下さい――
 大丈夫です。貴方ならばこの催眠も乗り越えられま、ぐぉべら!
 直後。狂った倉庫マンは――リディアより一撃を受ける。
 それはレオンハート家に伝わる(タブン)剣技が一つ。

「奥義・男女平等剣――ッ!」

 良い感じに服だけを切り刻む秘匿剣術である。
「倉庫催眠ッ!(キリッ) じゃあないんですよ! 貴方洞窟側の人間ですか!? 回し者ですねさては!? そうじゃなくて協力をするんですよ! いいですね!? この洞窟を突破! はいリピート・アフター・ミーッ!」
 八人の力と心を一つに合わせて戦うべき時なんですよ――!
 故に往く。クレマァダが魔力を錯乱しながらぶちかまして、シフォリィが果敢に斬撃で道を切り開き、クレマァダが清舟をぶっ飛ばして、アルテミアがスライムに捕まって、クレマァダが倉庫マンをぶん殴って、メリッカが鼻血をまた出して、シャムが陸鮫君に噛まれながらも騎士として頑張らんとする――! いやー! 服が溶けてるから庇いたくないー!
 でも、なんとかかんとか進んでいれば。
「ぐふふ。いい表情をしてくれるメンツばかりではないか……
 いいぞ……!? あ、貴様らどうしてここに!」
 ――ユニコーンがいた。めっちゃ下種い笑い声を醸し出すユニコーンだけど。
 お前か。お前だな――この洞窟の主は。
「うぉぉあああ! 潰す!
 喰らえもういっそのことこの洞窟ごと押し潰れよ、大海嘯――!
 どうじゃ我の全霊よ! やったか!?」
 クレマァダの一閃。あ、クレマァダさんもうほとんど布がない。
 なのでその怒りを込めた一撃を放つものだ――が。フラグを立てた所為で。
「ふはは! 如何な私とは言えフラグさえあれば、なんとでも」
「――貴方は間違っていますユニコーン。
 くっころとは恥辱を受けた時に発する言葉ではありません」
 直後。『な、なに――!?』と驚愕するユニコーンに言の葉を紡いだのはシフォリィだ。
「どのような状況であっても例え卑劣な目にあったとしても、高潔な精神を持ち続け決して屈しないその心の強さから出る言葉です。あなたは屈する姿こそを求めているのでしょうが……言っておきます、最初から屈するために戦う姫騎士などいません!」
「ええっ!? 姫騎士って、屈する為に生まれてきた種族じゃないのか!!?」
「どういう偏見の下にそういう思想が生まれたか知りませんが――天誅ッ!!」
 くっころの精神が分かっていない者よ、汝には地獄すら生ぬるい。
 ……衣類が絶対に隠さなければならない所以外肌一色というやべー状態になっているが、しかしシフォリィは頓着せずユニコーンを薙ぎ払った。
 断末魔と共に倒れ伏す――其処へ。
「辿り着きましたよ、ボスのユニコーンですね!!
 とにかくぼこぼこにしましょう! 数々の辱めの仕返しです!
 行きますよ陸鮫く……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
 シャムも吶喊――しようとしたのだが、陸鮫君が急発進して壁に激突した。
 きゅう。倒れ伏すシャム……を紳士のオークさん達が介抱していれば。
 次なる姫騎士アルテミアが近づいて……あれ?
「あの、ちょっと待ってください。あの待って! せめてなんか喋って!
 お願いします姫騎士(意味深)さん!! せめて罵りながら殴っ……あぁ~~!」
 アルテミア。無言の殴打。
 無言。ガチの無言だ。ひぃぃぃ、その表情が何の色を宿しているか――恐ろしくて見れない。
 君が泣いても殴るのをやめない。
「ユニコーン……そうか。悲しき性を持って生まれた奴よの……」
 おまんとは……出会いが違えば、ダチになれたかもしれんな……
 けれど口に出すとアルテミアの矛先がこっちに向きそうな気もしたので止めといたのは清舟だ。
 ――何はともあれ瘴気が晴れ始めた。
 残存のオークやスライムは逃げ出している様であり、やれやれこれでようやく平和になるか。
「んーじゃが気が済まんの。かえってフェルディンに説教の続きと行くか……
 そもそも手を出さなければ紳士という短絡的な――
 だいたいだから男というのは――」
 聞いておるかフェルディン――という言の葉が、クレマァダの帰還先で延々と語られるのは……また別の物語。

「ふふ――正義は勝つ! これで全部解決ですね!!」

 ……でも最後の最後にリディアがなんかフラグを立てた気もしたのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

倉庫マン(p3p009901)[重傷]
与え続ける
唯月 清舟(p3p010224)[重傷]
天を見上げる無頼

あとがき

 これはひどい><

 ありがとうございました!!!!!!!!!

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