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シナリオ詳細

再現性東京202X街:新勢人

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京202X街:新勢人
 新年を迎え10日程が経った、再現性東京。
 つい先日に大きな事件は起きて、空が唐突に暗闇を迎えたり、バケモノが出たなんて騒ぎが度々巻き起こる今日この頃。
 だが……成人式を迎えた新成人達……久しぶりに帰ってきた遠方の旧友と共に、成人式の夜に多くの酒を酌み交わしていた。
 ……そんな彼らの酒の肴になるのは、過去の想い出話。
 それだけに留まらず、そんなバケモノ騒ぎも最近のトレンド故に、その話も話題に上がる訳で。
『なぁなぁ! 俺達最強だよなぁー!』
『もっちろんだぜー!! 俺達で解決できねーものなんてねーよ! あったりめーじゃねーか!!』
『だよなー!! って訳でよー、ひっさいぶりに帰ってきたオメー達におもしれー話あんだよ! 時間は……んー、丁度いい感じだな』
『んー? なんだよ、もったいぶるんじゃねーよ!』
『へへ……それじゃー決まりだな! 俺達の母校、もう廃校になって暫く経っちまったけどよ、そこにバケモノが出るって話なんだよ。噂には俺達の母校、そいつが出たから廃校になっちまったって話なのさ。せっかく皆も戻って来たんだし、いってみねーか?』
『おっもしれーじゃん!! よーっし、んじゃーさっさと行こうぜー!!』
 そう意気揚々と居酒屋を出る彼ら。
 そして……実の所は老朽化故に廃校になった母校へと泥酔状態で向かう彼ら。
 ……そんな彼らの姿に。
『……ガルゥゥ……』
 漆黒の身体を持った獰猛なる獣達と、それを使役する鎌を持った夜妖は、獲物を静かに待ち伏せる。
 そして大きな笑い声を上げながら、廃校の中に無防備に侵入してきた彼らへ。
『ククク……獲物、獲物……』
 低く笑い声を上げながら、彼らへと襲い掛かるのであった。


「あー。みんなこっちこっちー! お休みの日なのにごめんねー!」
 綾敷・なじみは、カフェ・ローレットに来てくれたキミ達にニッコリ笑顔と労いの言葉を掛けつつ、手を引き次々と椅子へ座らせていく。
 そして皆が集まった処で、早速。
「今日はみんな知っての通り、成人式だよねー? でも、そんな成人式の時期に、この再現性東京のバケモノ騒ぎが、嫌な感じでコラボしちゃったみたいなんだよねー」
 バケモノ騒ぎと成人式のコラボ……言っている意味が分からないよとばかりに、椅子に座った君達が怪訝な表情を浮かべる。
 だがなじみは笑顔を絶やさず。
「うんうん、良く解らないって感じだねー? 大丈夫、細かい理由は正直わかんないけどさー、酔った勢いってのがあるんだよね? 酔うと気分が大きくなって、できない事を出来るって言って見ちゃったりさー……そんな酔った勢いで、バケモノ騒ぎを解決するんだー! って言う困った大人ちゃんがいるみたいなんだよね」
「酔ってなかったら冷静な判断をしたかもしれないけど、酔いまくりで久しぶりの旧友と一緒になるとさー、気分がおっきくなっちゃうよねー? それで人が居なくなって、夜妖がいつのまにか巣くってしまった建物に意気揚々と足を踏み入れちゃったみたいなんだよ」
「泥酔状態、らしいから話を冷静に聞いてくれるとは思わないんだけど、でもこのまま放置しちゃってると被害者が増えるだけだからさー、みんなの力をちょっと貸して欲しい、って訳なの。それじゃ、宜しく頼むね!!」
 有無を言わさぬ勢いで、皆の肩を叩くなじみ。
 ……そんな彼女の言葉を聞いたイレギュラーズ達は、渋々ながら指定された場所へと赴くのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 本日成人式の肩は、おめでとうございます……!
 でも、余り羽目を外し過ぎない様にご注意下さいね……?

 ●成功条件
  廃校舎に現れた夜妖達を退治し、泥酔状態の新成人達を救出する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  廃校舎はかなりの老朽化になっています。
  一応土台や基礎はしっかりしているので、すぐに崩壊するなんて事はありませんが、窓や扉は壊れている状態です。
  新成人達は、かなりの泥酔状態故に、皆様の話を素直に聴くような状態ではありません……恐らく静止しようとしても、全く聞き届けない事でしょう。
  そんな新成人達を何らかの手段で足止めした上で、彼らを殺そうと嗾けてくる夜妖&獣達を退治する様にして下さい。
  当然廃校舎の中は電源が通じていませんので、灯りが無ければ真っ暗なので、灯の確保は必須です。

 ●討伐目標
   死狩りの鎌を持つ夜妖『死待怪』
    巨大な両手持ちの鎌を持った、強力な力を持つ夜妖です。
    その鎌が一般人に当たれば、即死は間違いありません。
    当然イレギュラーズの皆様に攻撃が当たれば、死にはしないもののかなりのダメージである事は間違いありません。
    又彼の指示によって、配下の狼達は統率が取れた攻撃を行います。
    ただ、彼に直接攻撃をしようとしても、当然妖狼達が立ち塞がりますので、彼を先行して倒すのは難しいでしょう。
 
   命を喰らう黒狼『妖狼』
    漆黒の身体に身を包んだ狼型の妖怪です。
    当然漆黒の身体故に、暗闇の中でその姿を判別するのはかなりの難しさを伴います。
    また彼らは暗視能力を持ち合わせている様なので、漆黒の闇の中でもぴょんぴょんと飛び跳ね縦横無尽に攻撃してきます。
    狙いは新成人達なので、そうさせない様な作戦を立てるよう御願いします。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京202X街:新勢人完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月27日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
九重 伽耶(p3p008162)
怪しくない
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)
策士
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
シャルロッテ・ナックル(p3p009744)
ラド・バウB級闘士
星芒 玉兎(p3p009838)
星の巫兎
ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●酔いの勢い
 様々な事件が起きた年を越え、新たなる年を迎えた再現性東京。
 怪談や幽霊に対する扱いが大きく変わる事件を経ての新年に、新たなる新成人として巣立つ若者達。
 しかし……そんな若者達が集まると、自然と気持ちも大きくなってしまうもの。
 その結果として、今回の様な事件が起きてしまうのは、今も昔も繰り返されてしまう普遍の事実。
「なるほど……コレだから酔っ払いは、というヤツですね? 拙の居た世界でも成人式はありましたし、やはりそういう……テンション高めな方も居ました。世界が変わっても、そんな所は変わらないんですね……」
 『斬城剣』橋場・ステラ(p3p008617)が深く溜息を吐くと、諦め気味の表情を浮かべる『狐です』長月・イナリ(p3p008096)と、それに乾いた笑いの『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)、『怪しくない』九重 伽耶(p3p008162)の三人も。
「そうね。泥酔状態の新成人なんて、あんまり関わりたくない連中だわ。こんな所まで再現してくれなくてもいいのに」
「ははは……全くだ。やれやれ、成人式を迎えた若者が騒ぎを起こす……なんて、日本では毎年の風物詩だったけれどね。そんな所まで再現しなくてもいいだろうに……ね」
「そうじゃな。まぁ、成人式で盛り上がるのはいいんじゃが、何事もほどほどが一番ってやつじゃな、本当に……」
 中学やら高校まで、同じ校舎に通っていた仲間達と久しぶりに出会う成人式。
 数年間もの積もる話は、酒の力を借りる事で饒舌に語り合うことに……そして学生時代の想い出話と共に、母校に数年ぶりに帰ってみようとなるのは、自然な流れであろう。
 しかし今回の新成人達の母校は既に廃校となりかなりの時が経過している。
 その廃校になった原因が、廃校舎に現れた妖怪だというものだから……ここ最近の事件も相俟って、彼等にとって良い玩具となってしまっている部分もあるのだろう。
 ……とは言え酒を飲んだ勢いで行くだなんて、考え無しな事この上無い。
「ま……これはまた、面倒な事案だよな……」
 と『竜食い』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)が空を仰ぐと、『呑まれない才能』ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)も。
「まったく……酒は呑んでも飲まれるな……酒で勢い余って失敗する事なんて多々あるのだ……だから、気をつけないとダメなのだ。でもまあ、色々と言いたい事はあるのだけれど、敵は死神で狼とか死出の番人(ニヴルヘイム)にして、悪大神なヘルちゃんへの挑発と受け取ったのだ! よかろうなのだ! その喧嘩、買ってやるのだ!!」
 一際気合いを入れるヘルミーネ。
 どこの部分が挑発かは判らないけれど……まぁ、新成人達を放っておく訳にも行かないのは間違いない。
「……明日も知れぬ浮かれ鳥の群れがぞろぞろと……折角の祝いの日を悲劇にするのも忍びないですから、無事朝日の下へとお返しして差し上げたくはあるのですが、是非とも今宵の事を教訓として、これからのお酒との付き合い方を見直して戴きたく思いますわね。最も……話に聞く泥酔っぷりでは記憶に残らないかもしれませんが。その時は、せめてひどい二日酔いになりますように」
「そうですわね! 新成人の皆さん、おめでとうございますですわーー! ……と言いたいところですけれど、今は危険から護るのが最優先。若い芽を、こんな所で摘ませてなるものですか!」
 『光華の導き手』星芒 玉兎(p3p009838)の言葉に、『ラド・バウC級闘士』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)が拳を掲げ気合いを入れる。
 そして。
「ま、新成人が犠牲になられては、それもそれで癪だ。うまく片付けて夜妖を退治するとしようか」
「ああ、数年とは言え、人生の先達として彼等に言いたい事はあるが、殺されるほど悪い事をしている訳でもあるまい。なんとしても助けるよ」
 シューヴェルトにゼフィラも、若者達の救出に気合いを入れるのであった。

●命の灯火
 草木も眠る、丑三つ時。
 イレギュラーズ達は、漆黒の闇に包まれた廃校舎に辿り着く。
 すっかり老朽化した廃校舎は、不気味な雰囲気に包まれており、街中にあれど周りの人々が訪れる事は極めて少ない。
 勿論入口には、勝手に入らないようにという警告の意味を込めて、簡単なバリケードが張ってある。
 しかし、そんな簡易的なバリケードなど、一般人であっても簡単に乗り越えるくらい可能だったりする。
 ……そんな廃校舎へと辿り着いたイレギュラーズ達。
「ここか……確かに薄気味悪いのう」
 と、廃校舎の異様に一言零す伽耶。
 そして、そんな静寂の中に良く耳を澄ましてみると。
『さーってと、先ずは一階から行くとするかー!』
『ああ。なっつかしーよなー。職員室とか、保健室とかあったっけ?』
『そうだな! そーいやおめー、あの頃はよく保健室に行ってたよな? 保健室の先生に顔覚えられてたじゃん!』
『う、うるせー! ……だってよー、あの時はなんかきになったんだから、しゃーねーじゃん!』
『ぷぷ! 保健室の先生に恋してたって訳か? 青春の一時だよなー!』
『だからぁ、うるせーって!! ほら、行くぞー!!』
 と、わーわーぎゃーぎゃー大きな声で言い合う声が聞こえる。
 ……そんな声を聞いた玉兎。
「まったく……本当に騒がしいですわね」
 瞑目する彼女に苦笑するステラとイナリ。
「まぁ……これも若気の至りですね。今の所は巫山戯合っている様ですから、無事な様ですし……急ぎましょう」
「そうね。取りあえず酒臭いだろうから、アルコールの匂いを嗅ぎ分けていけば、その居場所はすぐに分かるでしょう……ん。あっちの様ね」
 イナリはくんくんと鋭い嗅覚を生かし、漂う薫りを嗅ぎ回る。
 ……そして虚空の中に漂う酒臭さを判別した彼女が仲間達を誘導すると……。
『~♪ さぁーてとぉー……って……う、うわあああ!!』
『な、何だよお前等ぁ!! 突然出てくるなってよぉ!!』
 唐突に目の前に現れたイレギュラーズに驚き慌てる新成人。
 そんな彼等を説得……なんてする事は無く、シューヴェルトが。
「すまないね。説得も無理そうだから、君達にはここで眠って貰おう」
 と、早々に背後に回り込み、手刀一つを首元に放つ。
『……ぁう……』
 ぱたり、と突っ伏す新成人一人。
 それに周りの仲間達が。
『う、うわぁあ!! こいつ、人殺しだぁああ!』
 一発で気絶させる技量を目の当たりにしてしまえば、そう思うのも仕方ないだろう。
 更に、シャルロッテが横の壁をこれみよがしに一殴。
「……静かにしていただけますか?」
 放置され続けて多少脆いというのもあるかもしれないが……壁に大穴がぶち開く。
 さらにシャルロッテの表情は笑顔……笑顔で壁をぶちぬいた、巨躯の女性という非現実感が立て続けに襲い掛かると。
『ひ……ひぃい!!』
『や、やべーやつらだ、逃げろ、逃げろおおお!!』
 と恐怖に戦き、その場から逃げ去ろうとする新成人達。
 だが、その逃げ道にすぐさま回り込むゼフィラ。
「……悪いね。少し眠ってくれ……まあ、初めての酒で酔い潰れたとでも思って居てくれ給えよ」
 かれらをじっと見据え、彼等を催眠状態に誘う視線で、纏めて彼等を眠りへと陥れていく。
 そう……新成人らを一通り気絶や眠りに落とした所に。
『……グルゥゥ……』
 彼等の悲鳴とは全く違う、獣の不意の呻き声。
 その呻き声はかなり近距離から聞こえてくる。
「早速、夜妖達がこいつらに誘き寄せられて現れた様だ。校舎内で戦うのは避けたい所じゃな」
「ならば、ヘルちゃんに任せておけなのだ! さぁ、こっちなのだ!!」
 気絶、睡眠の新成人達をがっつり脇に抱えて、窓からぱぱっと飛び出す。
 そのまま、新成人達を、廃校舎の外のグランドまで避難させる。
「わーっはっはっは! ヘルちゃんに掛かればこれくらい造作も無いのだ! 褒めて褒めて!!」
 胸を張って大いばりのヘルミーネ。
 そして、ヘルミーネに続き、他の仲間達も窓を飛びだしてグランドまで避難すると共に、彼等を護る様な態勢を取る。
 そんなイレギュラーズ達の動きに対し、夜妖らもそれを追いかけはじめる。
 彼等もアルコールの匂いを感じ取っているのか、迷う事無く新成人達が転がるグラウンドへ到着。
 イレギュラーズ達が護るかの如く対峙するのを、漆黒の体躯の黒狼が。
『グルゥウゥ……!!』
 牙を剥きだしにして威嚇。
 更にその一歩後ろで人型の鎌を持つ夜妖が。
『……ソイツラ、ワタセ……コロス……!』
 心底まで冷え切りそうな、怨恨籠もった声色を投げかけてくる。
 ……そんな夜妖達の威嚇に対して、シューヴェルトが威風堂々と。
「新たな門出を邪魔する怪異よ。この僕が成敗してやる!!」
 と先行しての享楽の悪夢を前線に立つ妖狼達に叩きつける。
 ただ、一撃位では流石に怯む気配は無い妖狼。
 そしてシューヴェルトに続き、声高くシャルロッテが。
「さぁさぁ、上質な肉がやってきましたわよ! 食べたいのでしたら、ワタクシを満足させて下さいまし!!」
 と己の身を誇示するようにして、自分をアピール。
 美味しそうな肉付きとでも思ったのかは判らないが、妖狼達はガルゥ、と涎を垂らしながら次々と喰らうべく攻撃開始。
 元が狼故に、かなり素早い動きで嗾けてくる獣共。
 ……でも、近づいて来た所に、シャルロッテがぐるんと拳を振り回して、狼を巻き込みながらローリングラリアットを喰らわす。
 薙ぎ倒されていく妖狼達……それに死待怪はイレギュラーズ達の行動を先ずは観察。
『……ク……クク……』
 低く笑う死待怪……先行させた妖狼達の行動後、彼等はその巨大鎌を全力で薙ぎ払っていく。
 その一撃をまともに食らえば大怪我は間違い無いだろう。
 しかし、背後で眠って居る新成人達に届けば彼等はいとも容易く死んでしまうだろう……だから。
「させません、絶対に新成人には手を出させませんわ!」
 とシャルロッテが、その身を持ってカバーリング。
 彼女もかなりの大怪我を負うが、敢えて回復は受けない。
 むしろその怪我を糧にして、強力なローリングラリアットで、妖狼を振り払う。
 そして敵の攻撃を先ずは受け切った後に、イレギュラーズ達の反撃の狼煙を上げる。
「ふっ、所詮はまがい物の狼……真の悪大神であるヘルちゃんの敵ではないのだ!!」
 ドヤ顔を浮かべながらヘルミーネが迅速に氷結魔法で妖狼らを氷漬けにし、足元滑りやすく動きも制限させると、ゼフィラも蹂躙の弾幕を展開。
 続きシューヴェルトも美しき剣舞で以て、妖狼達を一網打尽にする。
 三人の攻撃で、妖狼の体力は総じて減少。
 その中で一番傷ついている妖狼をターゲットにして、伽耶が射程内に踏み込んでからの、渾身の一刀両断。
 影の体を真っ二つにすると共に、妖狼は悪夢の如くに姿を消失させる。
「妖狼はそこまで強敵、という訳では無さそうですね。では……狼を先行して倒していきましょう」
「そうですわね……新成人の方は、わたくしに任せて戴きますわ」
「判りました!」
 ステラに玉兎の言葉。
 玉兎は攻撃を仲間達に任せ、新成人の守りに注力。
 万が一にも妖狼や死待怪が攻撃してきたとしても、その攻撃を喰らわせない様にきっかりと護りきる。
 そして、後方に属するイナリとステラは、仲間達が妖狼を退治している間にフリーにならない様、死待怪へ攻撃。
「私の注ぐ毒酒は如何かしら? その人達の様に、素敵な酩酊状態を楽しんで欲しいわね?」
 その毒霧の攻撃で惑わしながら、妖狼を倒す為の時間を確保。
 ……夜妖達の攻撃を決して新成人達に当てないように注意しながら、妖狼を一匹ずつ倒して行く。
 その途中で、不意に目を覚ましてしまう新成人もちらほらといるが、目を覚ましたら即座に眠りに再び堕とす事で、彼等が暴れないように対応。
 そして、新成人達をグラウンドに避難させてから、十数分。
 妖狼らは全て倒れ、残るは死待怪のみ。
『……ウウゥ……』
 悔しそうに睨み付ける彼等だが、そんな彼等にヘルミーネが。
「これが! 死出の番人(ニヴルヘイム)の! 力なのだー!!」
 渾身の魔狼の一撃で、余裕そうな一体に深い一撃を叩き込んでいく。
 加えてのシャルロッテが更に敵陣に斬り込んでの拳殴と、ゼフィラの蹂躙の魔弾。
「「余り長引かせるのもの。一気に仕掛けるぞ!」
 と伽耶が反応速度を一層パワーアップさせてからの、流麗な刀筋が敵を切り刻んでいく。
 その攻撃に対して、枯れア巨大な鎌はリーチが長く、攻撃力は抜群であるが、大振りの一撃故に懐まで潜り込まれると、躱すのもままならず……数刻の間に残りし死待怪も倒れていくのであった。

●恐怖の末
 そして……夜妖達を倒したイレギュラーズは、背後に眠る新成人達に振り返る。
『……すぅ……ぅぅ……』
 時折苦しそうに身じろぐのは苦しいのか、それとも……酒の飲み過ぎで頭が痛いのか。
「全く……酒に呑まれるのは、こうも醜いものじゃな……」
 と辛辣な言葉を告げる玉兎。
 まぁ……夜妖達を倒したので、彼等の命の危険は……。
「取りあえず、どうしようかしら? この場に放っておいてもいいかな、って思ったのだけれど……結構寒いし、お酒を飲んで、酔っ払って外で寝て、次の日の朝には死んでる……なんて事もあり得るわよね?」
「ええ……そうですわね。でも、泥酔者は、病院に連絡しても連れて行ってくれないですもの……となると、やれる事は一つ、しか無さそうですわ」
 玉兎の言葉に、シャルロッテが溜息。
 そして、イナリがそれに頷くと共に。
「ええ……この学校は誰が管理しているかは判りませんが、私有地でしょう。彼等は私有地に勝手に入り、勝手に騒いでいたのは間違いありませんし……警察官の方々なら、そういった方達の対処もお手の物だと思います」
「そうですね。しっかりと警察官の方々にお灸を据えて貰いましょう」
 頷くステラ。
 そしてイナリが、この街の警察官の方々へと連絡。
 ……そして連絡し終わると共に、自分達が捕まらないうちに、早々にその場から退避するイレギュラーズ。
「新成人になった嬉しさから、こうやって羽目を外したかったのかもしれないな。だが……人に迷惑を掛けてまで羽目を外すのは、いかがなものかと思うぞ?」
「そうじゃの。まぁ……目を覚ましたら警察署なんて、悪い夢と思うかもしれぬがこれは現実じゃ。住居への不法侵入は紛れもない不法行為じゃしの。しっかりと反省して欲しい所じゃ」
 シューヴェルトに頷く伽耶。
 ……そして、段々と警察車両のサイレン音が近づいてくると……。
『……ん……ぅ……?』
 ぼんやりと目を覚ましはじめる新成人達だが……激しい頭痛に顔をしかめる。
『い、いててて……うぅ……の、飲み過ぎたぁ……』
『うう……こ、ここ……どこだぁ……?』
『しらねーよ……うー……きもちわるい……』
 気分不快を患っていると……警察官達が到着。
 ライトを当てられ、厳しく叱責され……頭痛にも苦しむ新成人達は……すっかり酒に懲りるのであった。

成否

成功

MVP

シャルロッテ・ナックル(p3p009744)
ラド・バウB級闘士

状態異常

なし

あとがき

成人式という事で、このシナリオに参加戴いた皆様、ありがとうございました!
記憶なくなるまで飲んだことは、今迄一度だけありましたが……本当二日酔いは滅茶苦茶辛かった記憶があります……。
皆様も、飲み過ぎにはご注意下さいませ……。

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