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シナリオ詳細

エクスギアEX the fullmetal files

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●鋼の戦場
 砂風の吹きすさぶ、そこは古代遺跡の内部。石材を積み重ねて作られた建物だったものは軒並み崩れ去り、建物が密集していたであろう形跡だけを残している。
 それが誰のものだったのか。いかに美しいものだったのか。殆どのものは風化し、意味を無くし、遥か古代に過ぎ去った。
 そんな景色の中に、白い鋼の巨人が片膝をつく姿勢でそびえ立っている。鋼鉄帝国の最新技術によって建造された人型ロボット兵器エクスギアエクス。
 長い黒髪を靡かせ、帝国軍兵士用のパイロットスーツを着用した女性が走り、ロボットの差し出した手へと飛び乗る。開いた腹部のコックピットハッチへと飛びつくと、棺のように狭いコックピットへと滑り込んだ。
 閉じるハッチ。降りてきた薄型のディスプレイに周囲の風景が表示されると、両側のレバーを握った。
 頭部のアイシールドバイザーめいた部分がキラリと光り、立ち上がるエクスギアエクス。
 背部に固定していたアサルトライフル型装備へと手を伸ばしグリップを握ると、一瞬でに認証を行い前方へと向ける。
 同時に立ち上がり、ライフルによる射撃をしかけながら大きく横向きに飛んだ。先ほどまで居た空間を、巨大すぎるバズーカ砲の弾が通過。後方の建物跡へと着弾し爆発を起こした。
 バズーカ砲を構えた赤いエクスギアエクスがこちらに狙いをつけている。
 第二射を放つべく弾込めを行う敵機へ牽制の射撃をしかけると、そのままビームサーベルを抜いて跳躍した。
 連射によろけた敵機めがけ背部バーニアをふかして球速接近。
 敵機の赤い装甲を光の刃が斬り割き、直後に激しい爆発を起こす。
 ぐったりとその場に膝を突いた白いエクスギアエクスは、ため息でもつくようにぶしゅうと廃熱した。

●スタンダップ
 ここはROO内仮想世界ネクスト。
 練達が混沌ルールを突破すべく作り上げた仮想世界のなり損ないであり、今や数多の電子生命が息づく第二の世界だ。
 ネクストは混沌世界と似て非なる、歪んだ世界を作り上げたまま維持され、今も平和に抗争の日々を送っている。
「よく来てくれた、同志よ!」
 あなたの味方でありスチーラー鋼鉄帝国(混沌における鉄帝に近い国)の首都を支配するゼシュテリウス軍閥が中間管理人、ショッケン・ハイドリヒはクリップボード片手にあなたへ振り返った。
 ここはエクスギアエクス専用格納庫。膝をつく姿勢で並ぶ人型ロボットたちの中には、見覚えのあるデザインのものもあるだろう。
「君の専用機をカスタムし終えたところだ。対終焉獣戦で得たデータから更に改良を重ねてな……」
 フフ、と不敵に笑うショッケンは、あなたにすぐそばのエクスギアエクスを指さして見せた。
「もう出撃できる状態だ。早速だが……首都襲撃を計画しているエクスギアエクス部隊を叩いて欲しい。データはここだ」
 ボードから資料をひと束ぬいて投げてくる。
 めくってみると、ホールデン軍閥という名が目に入った。
 ヴェルス、ザーバ、ガイウスのどの派閥に属さない軍閥であり、現在のイレギュラーズ皇帝制度に異を唱え、旧来の体制に戻すべきだと主張する軍閥だ。
 その方法として、数十機ものエクスギアエクスを調達し首都への攻撃を仕掛けるつもりであるらしい。
「幸い襲撃はまだ始まっていない。こちらから襲撃し叩けば、計画自体を破壊することができるだろう。首都への被害も軽微に抑えられる」
 整備士たちが走り出す。
 出撃用カタパルトが開いている。
 さあ、あとはあなたが自らの専用機へと乗り込むだけだ。
「首都の平和を貴君に託す、同志よ!」

GMコメント

このシナリオはラリーシナリオです。仕様についてはマニュアルをご覧ください。
https://rev1.reversion.jp/page/scenariorule#menu13
章構成は未定。最大描写人数は25前後を予定しています。

■グループタグ
 誰かと一緒に参加したい場合はプレイングの一行目に【】で囲んだグループ名と人数を記載してください。所属タグと同列でOKです。(人数を記載するのは、人数が揃わないうちに描写が完了してしまうのを防ぐためです)
 このタグによってサーチするので、逆にキャラIDや名前を書いてもはぐれてしまうおそれがあります。ご注意ください。
例:【ふもふもチーム】3名

●状況
 鋼鉄帝国南部よりホールデン軍閥のエクスギアエクス部隊が襲撃計画を進めています。
 現在は南部の古代遺跡群にキャンプをはり、集めたエクスギアエクスで首都へ飛び込む準備をしている所のようです。
 ここへ一気に襲撃をしかけ、彼らの計画をロボットごと粉砕してやりましょう。

 という前置きをつけつつ、思う存分ロボ遊びをしようというのが今回のシナリオの真なる主旨であります。
 あなたの専用機をデザインし、プレイングに叩きつけましょう!

●超強襲用高機動ロボット『エクスギア・EX(エクス)』
 エクスギアEXとは大型の人型ロボットです。
 『黒鉄十字柩(エクスギア)』に附随した大型オプションパーツを超複雑変形させそれぞれの戦闘ロボットへと変形します。
 搭乗者の身体特徴や能力をそのまま反映した形状や武装をもち、搭乗者にあわせた操作性を選択し誰しもが意のままに操れる専用機となります。
 能力はキャラクターステータスに依存し、スペックが向上した状態になります。
 武装等はスキル、装備、アクセスファンタズムに依存しています。
 搭乗者のHPがゼロになると破壊され、多くの場合爆発四散します。
 搭乗者が装備する剣と同様の剣で斬りかかったり魔術砲撃をしたりと、搭乗するキャラクターによってその戦闘方法は変わるでしょう。
 もしお望みであれば、普段と違うデザインをオーダーしてみるのもいいでしょう。
 ※すべてが専用にカスタムされているため、別の人物が乗り込んだり敵のエクスギアを鹵獲し即座に使用することはできません。逆もまた然りです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

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●ROOとネクストとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、バグによってまるでゲームのような世界『ネクスト』を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に自分専用の『アバター』を作って活動します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline3

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
(また、今回はプレイング1回につき1デスまで。もう一度プレイングをかけた際には機体を高速修理&再出撃をする扱いになります)

  • エクスギアEX the fullmetal files完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別ラリー
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月15日 18時30分
  • 章数1章
  • 総採用数16人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

IJ0854(p3x000854)
人型戦車
ファン・ドルド(p3x005073)
仮想ファンドマネージャ
夢見・マリ家(p3x006685)
虎帝
うるふ(p3x008288)
銀河を狩る獣
天狐(p3x009798)
うどんの神
ゼスト(p3x010126)
ROO刑事ゼスティアン

 古代遺跡、集落の跡。
 屈んだ姿勢から立ち上がったのは『人型戦車』IJ0854(p3x000854)をそのまま拡大したようなエクスギアエクスであった。
「『おはようございます、当機はIJ0854、貴方の健康を守ります』」
 コックピット内で電子音が語る。
『当機は一世一代の大勝負の舞台をマザーのためにログインしないからと放置されました。世が世ならこれは機械が反乱を起こすところでした。パイロット、この点を如何に――』
 ゴッとコンソール画面が殴られる音。
 コホンという咳払いだけが聞こえ、IJ0854は武装を展開。
 向かい来る敵機の集団へと四連装ガトリング砲を乱射した。
 圧倒的火力を前に、敵エクスギアエクスがデスダンスを踊り、そして爆発を起こした。
 鋼鉄帝国でも広く普及しつつある量産型EEX『正士』のカスタムモデルである。
 IJ0854は不機嫌そうに倒した正士の腕や脚を引きちぎると、そこへ数機の正士が集合。集中砲火を開始――しようとした所へ白馬が突撃した。
「いざ往かん麺王号! 大地を駆けるのじゃー!」
 凄まじい機動力でもって、『うどんの神』天狐(p3x009798)専用エクスギアエクス『麺王号』がジェット噴射をかけながら正士を吹き飛ばす。そして、それだけではない。
 麺王号によって牽引されていた饂飩屋台型兵器移動格納庫がパカパカと展開し、二機のエクスギアエクスが立ち上がる。
「ゆけい! うどんのようなコシと旨味をもった戦士達よ!」
 それに応じて叫んだのは誰在ろう、『銀河を狩る獣』うるふ(p3x008288)の専用機『アイアンウルフ』だ。
「スタンダップ、アイアンウルフ!」
 立ち上がりとほぼ同時に飛び上がり、スラスターを用いて回転。二丁拳銃型武装を構え、周囲の正士たちへと撃ちまくる。
 もう一機はと言えば、白い量産機『百合華』のカスタムモデル。通常装備のアサルトライフルやビームサーベルは廃し、実刀(超硬度カトラス)一本のみを備えた無骨な機体だ。
 『仮想ファンドマネージャ』ファン・ドルド(p3x005073)によってカスタムされつくし、もはやワンオフとなった量産機、通称『ヤマグチ』である。
 ファンは拡張装備であるレーダーを用い画面に敵味方の位置を表示させると、近くの敵を斬り捨てながら呼びかけた。
「南五時方向、敵機襲来。数8!」
「迎え撃つぞ!」
 『アイアンウルフ』は倒した正士たちの爆発を背に走り出し、二丁拳銃を構える。
 相手もまたバズーカ砲を構え発射したが、『ヤマグチ』は飛来する砲弾を斬り割きながら前進。
 ヒートホークを抜いて斬り付けてくる相手を、わざと途中で減速することで空振りさせた。
 コックピット内にて、腰まであげて裾を絞ったTシャツとジーパン姿のファンがサイドのスイッチ三つをオンにし、左右のペダルを小刻みかつ交互に踏む。するとヤマグチは素早いスピンと屈み姿勢によって下段回転斬りを繰り出し、敵機正士の脚を切断した。
 更に、アイアンウウルフの連射が正士を踊らせ、爆発させる。
「また良からぬことを企む輩が出ましたか! 行きますよゼスティアン!」
 そこへ追撃をかけたのは生身の『虎帝』夢見・マリ家(p3x006685)。そして、電装を追えた『ROO刑事ゼスティアン』ゼスト(p3x010126)であった。
「はい! ここは全力で参りましょう、虎帝陛下!」
 マリ家とゼスティアンは同時に跳躍。
 すると麺王号のキャリーから次々と小型メカが飛び出した。
「ゼストアーマー! ゼストホーク! ゼストタンク! ゼストドリラー! ゼストコンボイ!」
「クイーントラコフスカヤ! キングトラァ! カイザーブラックタイガー! エンペラーアルチュウ!」
 全てのサポートメカたちは誘導ビームによってフォーメーションを組むと――。
「「合体!」」
 一斉に変形、そしてゼスティアンとマリ家へと装着され、大型パワードスーツのごとく人型を形成した。
「超合体ROO刑事……パワードゼスティアン見参ッ!!」
「ゴッドカイゼルVDM! 見参です!」
 マリ家は速攻で胸の虎を吠えさせた。
「カイザーブラックタイガーソウル! システム起動!! レインボーギガブラスター!」
 肩越しに展開したクイーントラコフスカヤヘッドがガパッと開き、虹色の光線が放たれた。
「パワード、フルパワー――ゼタシウムゥゥゥ光ッ線ッッ!!」
 同時に、パワードゼスティアンは巨大な両腕を揃えるように構えると、美しい光を解き放った。
 二人の光線は二重螺旋状に混じり合い、バズーカ砲を構える正士たちを飲み込んで行く。
 その様は巨大な蛇が全てを食らって飲み込んで行くかのようだった。

成否

成功


第1章 第2節

【インターミッション】

 爆発し、崩壊していく正士たち。
 そのコックピット内では、スキンヘッドの男が歯がみしていた。
「くそっ、これがゼシュテリウス軍閥のエクスギアエクス……だが、こちらも手札を持たぬわけではない!」
 コンソール画面にコマンドを打ち込むと、男は実行スイッチを殴りつけた。

 ゴゴゴ、という地鳴りがする。
 地震かと身構えたイレギュラーズたちの中で、もっとも早く反応したのはファンだった。
 レーダー画面に、何かが映ったのだ。
 自分達と重なる位置に。
 見回しても、仲間以外だれもいない。
 空にもだ。
 と、いうことは……。
「地下から何か来ます! 離れて!」
 ファンの叫びの直後に飛び退く仲間達。
 スレスレのタイミングだったようだ。地面は引き裂かれるように開き、巨大な蠍のような物体が出現したのである。
 エクスギアエクスたちをゆうに越えるサイズをもつそれは、振り上げた尾の先端から激しいビーム光線を解き放つ。
 更には無数に展開した触手状のアームの先端からレーザーレンズが覗く。

 ――全方位射撃が来る! どうする、イレギュラーズ!


第1章 第3節

樹里(p3x000692)
ようじょ整備士
アウラ(p3x005065)
Reisender
ファン・ドルド(p3x005073)
仮想ファンドマネージャ
スパロウ(p3x006151)
アーマーナイト
ああああ(p3x006541)
hxjileksma;idjl
リック(p3x007033)
ホワイトナイト
うるふ(p3x008288)
銀河を狩る獣
Λ(p3x008609)
希望の穿光
鬼丸(p3x008639)
鉄騎魔装
いりす(p3x009869)
優帝

 出現した巨大蠍型兵器、仮称アイアンスコーピオンは展開したビーム兵器を全方位へとまき散らした。
「わたしの……いや、ここではこう宣言した方が士気にいいのかな」
 コックピットの中で小さく呟いた『優帝』いりす(p3x009869)は、息を吸い込んで叫んだ。
「優帝専用エクスギア『R×H』、出ます!」
 カタパルトから飛び出したいりすの『R×H』は、戦い方を見直すことで改修された『牽制特化機体』である。
 確かにダブルフォルト・エンバーミング戦と異なり武装も一通り変更され、空を飛びながら連射されるEMP弾がスコーピオンの触手状のアームへと降り注ぐ。
 一部のアームがカッと広がる閃光によって動きを止め、それによって乱れたビームの間を『受理兵』樹里(p3x000692)の量産型カスタム整備ロボット『Julie号』がころころ転がっていく。ボール状のそれは戦いの勇姿を称えられてか白と金によってカラー変更されており、十字のペイントがきらりと光る。
「たくさんの受理とともに、こうげきけーたい」
 イラストがついた喜びとバレピンへむけた受理の喜び。その二つが合わさったとき変形したJulie号は、ガションと伸びた腕と脚で祈りを姿勢をとった。
「――聖句・外典より一節、『受理の一滴を指に絡めて』。
 わたしが聖骸布をはおり、この舞がほーのうされるかぎり。このりょういきは穢れを祓うせーいきです」
 美しく舞うJulie号の周りを、ビームが歪むように曲線を描いていった。
「よし、今だ!」
 仲間に守られたリック(p3x007033)の『ホワイトナイト』はスコーピオンへと突撃する。
 陸戦を意識し二足歩行(ヒューム)モードにカスタムしたホワイトナイトは錨と錨を両腕それぞれの装備し、跳躍。素早く下半身をマーメイドモードへ変形。オーラの流れをドルフィンキックで泳ぐと、ビームランスをハルバードモードへと変化させた。
「サンダーアンカー!」
 チェーンつきの錨を放ったホワイトナイトは、スコーピオンの腕へとそれを絡みつかせ、そして電撃を流しながら急接近。ビームハルバードを叩きつける。
 『Reisender』アウラ(p3x005065)はそんなホワイトナイトと連携する形で高機動型武装機『Rapid-Wave』を走らせた。
(あはあ、襲撃? いつの時代も物騒だねえ。
 それにしてもエクスギアにまた乗れるとは思わなかったかな。
 これからも乗り回す機会があればいいなあ……)
 ホワイトナイト同様、陸海空それぞれの環境に適応したオールレンジ機体である。まずは銃による射撃を与え、伸びてきた触手にはライフルをトンファーのように構えた打撃で牽制。素早く跳躍し、飛行モードへとチェンジした。
 『hxjileksma;idjl』ああああ(p3x006541)はブロックをごりごりくっつけまくったようなかわったデザインのエクスギアエクスを操り、集中砲火を浴びせるスコーピオンへと迫った。
「はいギルティ……。
 なんかわざとらしく地面から出て来たけどさぁ……。
 甲殻類最強はヤドカリっしょ……。
 外でここでもどこでもさぁ……?
 サソリ型とかPK(ぽこちゃか甲殻類)されてあたいのスコアになる運命しかないんだよねぇ……。
 覚悟……」
 いつものギルティ口上を述べると、ガチャガチャとくみ上げた腕をハンマー状に変化させ、スコーピオンを殴りつける。
「さて……」
 『仮想ファンドマネージャ』ファン・ドルド(p3x005073)は冷静に左腕をパージ。
 姿勢制御システムを手動で整えると、レバーを大きくひいた。
「重火力と真正面から撃ち合うことは想定していませんが、片手と剣が残っていれば何とかなるのがこの機体の良いところです」
 仲間達と激しくぶつかるスコーピオン――の真下へと滑り込むようにスライディング。
 腕を思い切り振り込み、スコーピオンの腹を切り裂いた。
 そのまま駆け抜け脚を切断。
 傾いたスコーピオンはなんとか体勢を立て直そうとするが……。
「おいおい、でっけえ隠し球持ってるじゃねぇデスカ……!」
 そのタイミングを待っていた『銀河を狩る獣』うるふ(p3x008288)の『アイアンウルフ』が両手を組み合わせるような姿勢をとり、大砲を形成した。
「ちっとばかし無茶するぜ、相棒。悪いが付き合ってくれよ! 『パートスナイプ』の出番だ!」
 連射された鉛玉。実弾が次々にスコーピオンの触手先端部を打ち抜き、そして最後の一発が見事にスコーピオンの胴体へと命中した。
 仲間達が積み重ねたダメージ故だろう。砕けたボディは爆発を起こし……そして、内部から赤い機体が飛び出した。

 赤くシャープな、そして蠍を想わせる尾や両腕をもつ人型機体。
「ヤツがこのデカブツを操作していたってわけか? ロボットの中にロボットが乗るとは」
 『希望の穿光』Λ(p3x008609)はそう言いながら『黒麒・破式』を変形。騎馬形態をとった。
「ロボにロボを騎乗させて、それを言う?」
 『鉄騎魔装』鬼丸(p3x008639)はシニカルに言うと、『鎧闘騎兵アハト・参式烈』を跳躍させ、黒麒へと騎乗させた。
 凄まじい機動力で逃げ出そうとする真スコーピオン。
 だが黒麒は空を駆ける脚で真スコーピオンを逃すことは無かった。空高く舞い上がった赤いラインを、同じく舞い上がった黒いラインが幾度も交差しぶつかり合う。
 はるか天空で激突した両者は、黒麒の剣とスコーピオンの腕をぶつけ火花を散らした。
 拮抗。だがそれは一対一での場合だ。
 鎧闘騎兵アハトは大型剣を展開。
 複数のパーツが組み合わさることで完成した巨大な剣がスコーピオンの腕を斬り割いた。
「クーデターを企むだけあって、それなりの準備はしてるみたいだね。けど、ここまでだよ」
 腕を斬りさかれ墜落するスコーピオンを、『アーマーナイト』スパロウ(p3x006151)は見上げる。
「良い機会です。『コレ』を試してみましょう」
 そして、近くで片膝立ちの姿勢をとっていた大きなエクスギアエクス『スパロウEX』へとぴょんと飛び込んだ。
 胴体胸側のハッチから入ったスパロウが両腕をコックピット両脇についたソケット状のデバイスに突っ込んで接続すると、目の光を消した。
 代わりにスパロウEXに緑色の目が灯り。立ち上がる。
 巨大な縦を手に取り、魔法の装甲を装着。まるでおとぎ話に登場する騎士のような鎧を魔法の光で形成すると、墜落してきたスコーピオンへとビームサーベルの柄を刃を出さない状態のまま握りしめた。
 落下の勢いを乗せた打撃――を縦で受け流すと、鋭く突き出したビームサーベルがスコーピオンの胴体を貫く。
「お付き合いいただき、ありがとうございました」
 任務完了。
 そう呟くスパロウ。スコーピオンは爆発四散し、その光に目(モノアイの光)を細めた。

 ――こうして、ホールデン軍閥による襲撃は未然に防がれた。
 だが、ゼシュテリウス軍閥を覆そうとする勢力すべてが消えたわけではない。またいずれ、首都を奪おうと攻め込む軍閥が現れるだろう。
 全てを払いのけ真なる平和を手にするまで……戦いは、続く!

成否

成功

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