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シナリオ詳細

新年初笑いできないアライグマランド2200

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●たぬきのぎゃくしゅう
「御主達のケツは、今日、ここで死ぬことになる――」
 仙狸厄狩 汰磨羈 (p3p002831)は、なんかアライグマの着ぐるみを着ながらそう言った。
 練達は、汰磨羈の領地である。
 先ごろの大きな戦いの傷跡は、もちろん汰磨羈の領地にも影響を及ぼした。が、いつまでもその悲劇に浸かっているわけにはかない。汰磨羈の領地の人々も、少しずつ日常を取り戻すべく奮闘している。
 さて、そんな最中。ここは前述したように汰磨羈の領地である《再現性崑崙2200》の一角、練達ユリーカランドである。その名の通り、一種のテーマパークであるここは、汰磨羈の領地の運営資金や、住民となるものの呼び水とするためのエリアだ。これまた前述した事であるが、先の大きな戦いにより練達は疲弊はしているものの、汰磨羈や住民たちの努力もあり、このエリアは素早い復旧の姿を見せていた。何より、非日常を経れば、速やかに日常に回帰したいものだ。娯楽エリアは、そんな日常を取り戻した象徴の一つとしてのシンボルとしても機能する。
 とにかく、ここはある程度の平穏な風景が取り戻されているものとしてほしい。さて、イレギュラーズ達は、そんなテーマパークに招待されていた。もちろん、招待したのは、主である汰磨羈だ。新年、気持ちを切り替えるためにも遊びに行くのもいいかもしれない。そんな気持ちで招待に応じたイレギュラーズ達は、なんか突然、無数のアライグマ――妖精だか獣種だか、っぽい――と、アライグマの着ぐるみを着た汰磨羈と橋場・ステラ (p3p008617)に出迎えられたのである。出迎えられたうえで、なんかケツが死ぬ、とか言われたのである。
「いや、何の話ですか」
 胡散臭いものを見る目で、すずな (p3p005307)が言う。汰磨羈は頷いた。
「ふふ……ここは【絶対に笑ったらダメなアライグマランド】……そう、御主達の墓場になる場所だ」
「笑ったらダメって」
 ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ (p3p001837)が胡散臭いものを見るような目で、汰磨羈をみやる。
「そう言う企画って、普通年末にやりませんの?」
「そうだよ! これリクエストしたの去年なのに、洗井落雲が『ネタ被りしそうだし、新年に移すか……』とか言い出して年末サボったのが悪いんだぞ!!」
 汰磨羈が地団駄を踏みつつ、しかしコホンと咳払い。
「さておき! ここは前述したとおり、笑ったらダメなアライグマランド! ここで笑ったものは、我が弟子、ステラによってタイキックされてもらう!!!」
「はい! タイキック担当の拙です!」
 ぴょん、と元気よく手をあげるステラ。アライグマの着ぐるみを着ているが、しゅっ、とバ火力の蹴りをデモンストレーションしてみせる。鋭い蹴りが宙を裂く。ケツも裂けそうである。
「そして、ここには私が雇った無数のアライグマたちがいる! この笑いの刺客たちの猛攻を潜り抜け、果たして笑わずにこの【アライグマエリア】から脱出できるか……というシナリオなのだ!」
「それは分かりました」
 こほんと、すずなが咳払い。
「しかしどうして、こんなリクシナを?」
 小首をかしげるすずなに、汰磨羈は、うんうんと頷いた。
「最近、私へのたぬき弄りやアライグマ弄りが酷いだろう?」
「いじりというか、実際たぬきだったりアライグマではありませんの?」
 ヴァレーリヤがそういうのへ、汰磨羈はぶるぶると頭を振った。
「ノウ! 絶対にノウ! 私はねこ!!
 つまり、私は今ここに、このいじりに反逆するのだ!
 ここで、タイキックの痛みと共に、「汰磨羈はねこなんだなぁ」とケツに刻み込んでもらう!
 そのために! 私は今日、ここにデスゲームの開催を宣告するのだ!」
 わーはっはっは、と汰磨羈が笑う。
「あっ、師匠(せんせい)、アウトです!」
 ステラが言う。同時に、ジャーン、とどこからともなくジングルがなった。
「えっ?」
 汰磨羈が困惑した様子を見せるのに、ステラはにこにこと笑顔を見せると、一切の躊躇なく黒顎魔王(タイキック)した!!!
「んあああああああっ!!!」
 ケツをぶち抜かれた汰磨羈が絶叫する! たまらず倒れ込む汰磨羈!!
「何で!? 何で私まで!?」
「え、だってそういうルールですし」
 あはは、とステラが苦笑する。同時、ジャーン、とジングルがなって、一匹のアライグマがやってきた。仮に名前を【らくーん君】とするが、とにかくらくーん君は、しゅっしゅ、と足で素振りをすると、そのままステラのケツに向って黒顎魔王(タイキック)した!!!
「痛ーーーッ!?」
 響き渡るステラの悲鳴!! たまらず倒れ込むステラ!!
「な、なんで拙も!?」
「え、あ、そういう契約でしたので……」
 しゅっしゅ、とラクーン君がケリを素振りする。
「えーと、では、今からゲームスタートです。このアライグマランド最奥の広場から、入り口に向かって移動してください。途中で、アライグマお化け屋敷、アライグマティーカップ、アライグマカート、の三つのエリアがありますので、そこに入って笑いをこらえながら、三つの『汰磨羈がぬこである証』を回収してくださいね。ちなみに、どれが証かは見ればわかります。
 あとは、その証を三つもって、入り口を脱出できたらシナリオ終了です。
 では、はい、よーし、スタート」
 ぽんぽん、とラクーン君が手を叩いた。ぷぁーん、みたいなジングルがなって、スタートを告げる。汰磨羈はケツをさすりながら、立ち上がる。
「……予定と若干違うが、今この瞬間からデスゲームの始まりだ!
 さぁ、私が猫であるという事実を! 頭とケツに叩き込んで帰るが良い!」
 わーっはっはっは、と汰磨羈が笑う!
「あっ、師匠(せんせい)、アウトです!」
 ステラが言う。同時に、ジャーン、とどこからともなくジングルがなった。
「えっ?」
 汰磨羈が困惑した様子を見せるのに、ステラはにこにこと笑顔を見せると、一切の躊躇なく黒顎魔王(タイキック)した――!
「……えーと、とにかく、笑わずに、ここから脱出すればいいのですね」
 すずなが頷く。
「うーん、奇妙な催しですけれど。始まってしまった以上仕方ありませんわね!
 さっさとアイテムを集めて、脱出いたしますわよ!」
 ヴァレーリヤの言葉に、すずなは頷く。
 さて、新年早々始まった、笑ってはいけないデスゲーム。果たしてイレギュラーズ達は、無事に脱出できるのか――?

GMコメント

 洗井落雲です。
 此方のシナリオは、イレギュラーズ達への招待状(リクエスト)により発生したシナリオになります。

●成功条件
 アライグマランドから脱出する

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況
 仙狸厄狩 汰磨羈 (p3p002831)さんに、領地の練達ユリーカランドへと招待された皆さん。
 新年早々テーマパークで遊べるのかな? と思いきや、そこは「笑った瞬間ケツにタイキックがぶち込まれるアライグマランド」でした――。
 すでにゲームははじまっています! 皆さんは、笑ってケツが割られる前に、脱出しなければなりません!
 さあ、【アライグマお化け屋敷】、【アライグマティーカップ】、【アライグマカート】の三つを巡り、脱出のために必要な【汰磨羈がぬこである証】を回収するのです!
 ちなみに、汰磨羈さんと橋場・ステラ (p3p008617)さんはどっちかというと主催側の人間ですが、勿論、笑ったらケツを割られます。笑わないでください。

●悪魔のささやき
 まさか皆さん、仲良く皆で笑わずに脱出しようとは思っていないでしょうね?
 ただ黙って、笑いの刺客から逃れるだけでは面白くない。
 皆さんも、渾身のネタで、他の参加者を笑わせてケツを割らせるのです。
 誰かがケツを割られているのを尻目に(ケツだけに)、さっさとこの地獄から脱出しましょう!
 大丈夫です、ガチのPVPではないので、ローレットも目をつむってくれるでしょう。たぶん。

 以上です。
 あとはよろしくお願いします。

  • 新年初笑いできないアライグマランド2200完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2022年01月23日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フニクリ=フニクラ(p3p000270)
歪んだ杓子定規
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
※参加確定済み※
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
※参加確定済み※
すずな(p3p005307)
忠犬
※参加確定済み※
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
※参加確定済み※
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
狩ったら喰らう

リプレイ

●突然の刺客、『雷光殲姫』マリア・猫耳・レイシス(p3p006685)
「どうして……」
 と、マリア・猫耳・レイシスが背景に銀河を背負ったような虚無顔で言うものだから、流石の『歪んだ杓子定規』フニクリ=フニクラ(p3p000270)のポーカーフェイスも貫通し、
「おっふっ」
 みたいな声が出た。同時にジングルがなって、笑った判定の下、アライグマが飛び出してきてフニクリのケツを思いっきり黒顎魔王(タイキック)!
「痛ーっ!? 今のアウトなの……?」
 ケツを抑えながら悶絶するフニクラに、マリア・猫耳・レイシスは「どうして」顔で徐々ににじり寄る。
「やめて、その顔で近寄らないで。なんか……なんか不味い。駄目です。危険すぎます」
 フニクリのポーカーフェイスが崩れ始める。
「ねえ!!!!!!
 あまりにもアレずるくないです?????
 突然の刺客すぎるでしょう!?
 ――猫耳は卑怯ですよ……マリアにゃん……!」
 『血雨斬り』すずな(p3p005307)は口元を抑えつつ、笑いをこらえている
「すずなくん……どうしてぇ……?」
 虚無顔で小首をかしげるマリア・猫耳・レイシス。今決めたが、この猫耳がリプレイのMVPでいいだろう。もう。
「マリアさん猫耳状態でじっとみてくるのやめて!!!!!!
 わらうから!!!!!!」
 たまらず叫ぶすずなに、マリア・猫耳・レイシスは、んっ? と虚無顔で小首をかしげた。
「今、笑った?」
 あっ、と顔を青ざめるすずな。
「……あ。
 すみません笑ってないです。
 笑ってないって言ってるでしょおおおおおお!」
 じゃじゃーん、とジングルがなって、「すずなさん、あうとー」というアライグマの声が聞こえる。すぐにアライグマが飛び出してきて、すずなのケツを黒顎魔王(タイキック)!
「――いたい!!!!!!」
 お尻を抑えながらごろごろ子がるすずな。その様子を眺めながら、『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)は頭を抱えた。
「タイキック要員として呼ばれたはずなのに……まさか参加側だなんて……」
「拙もちょっと予定外です」
 『斬城剣』橋場・ステラ(p3p008617)が苦笑した。モカとステラは、自身の言う通りケツに蹴りを入れるのが今回の仕事であったがずだが、当然そんな安全圏にいる事などは許されるはずがない。というか、元々危うい立場であったのに、無差別兵器マリア・猫耳・レイシスが偶然投入されたたため、もはやこの場に安全圏などはなくなっている。
「アライグマ君、みてごらん。どうして……?」
「ぶっはっ……あ、違うんです、今のは、アーーッ!!!」
 と、その辺にいたアライグマに『どうして』するマリア・猫耳・レイシス。思わず笑ったアライグマは、別のアライグマから黒顎魔王(タイキック)されている。もはやこの地に安全圏にいるものなどはいない。
「うむ、どうしてこうなった……?」
 『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が流石に頭を抱えている。この場を用意したホストである汰磨羈であったが、まさかこんなことになるとは。藪をつついたら竜種がこんにちはしたような気分である。
「だが! フフフ……既に勝利を掴める気配がするな?」
「あ、師匠(せんせい)、アウトです」
 ステラがにっこりと笑って、容赦なく黒顎魔王(タイキック)した。
「痛ーっ!?」
 ケツを抱えて転がる汰磨羈。この場に味方などはいない。
「くっ……(ケツをさすりながら)!
 いいか、皆! 私がねこである証は必ず存在する!
 鈴とか! 猫じゃらしとか! チュールとか! あるだろ!!」
「あまりこういう事を言いたくはないのだけれど、存在しないものは、回収できないのではなくて?
 可哀想なたぬきち。自分がタヌキであることを認められず、心を壊してしまいましたのね……」
 悲しげな表情を見せる『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)。ヴァレーリヤはその両手でマリア・猫耳・レイシスの頬をむにっとしながら持ち上げて、その虚無顔を汰磨羈へと向けている。マリア・猫耳・レイシスは虚無顔で「どうして」と鳴いた。
「あるの! あるったら! あるの!」
 地団太を踏む汰磨羈。ヴァレーリヤはマリア・猫耳・レイシスと一瞬、目を合わせると、
「悪魔の証明はできないのですわよ、たぬきち……」
 悲し気に目を伏せた。マリア・猫耳・レイシスの虚無顔をこちらに向けたままで。
「でも、たぬきちさんがぬこである証があるくらいなら、ボクが強くて格好良い孤高の一匹狼である証があったっていいと思うんだ!」
 と、『( ‘ᾥ’ )の化身』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)が( ‘ᾥ’ )ジッ…って顔しながら皆のケツを( ‘ᾥ’ )ジッ…した。
「リコリスさん、何でそんな( ‘ᾥ’ )ジッ…みたいな顔で皆のケツを……」
 苦笑するモカに、( ‘ᾥ’ )ジッ…は( ‘ᾥ’ )ジッ…って顔しながら言う。
「ボクは狼、狙ったケツは逃さない!
 今日は笑える子羊達(概念)のお尻を一方的に蹂躙して行くよ!」
 ( ‘ᾥ’ )ジッ…とケツを見つめるリコリス。あまりにも( ‘ᾥ’ )ジッ…してるので、モカは思わず、「うっくっ……」みたいな声が出た。出たので、アウトである。
「しまった!」
 顔を青ざめるモカ! だが、狼はそれを見過ごさない!
「笑ったね! 喰らえ、ラフィング・ピリオド!」
 ( ‘ᾥ’ )ジッ…からのあざ笑う死神の一撃――ん? 今あざ笑ったよね?
「あっ」
 リコリスが声をあげた刹那、近くの建物から扉を開けて飛んできたアライグマが、リコリスへ黒顎魔王(タイキック)!
『あーーーっ!!』
 リコリスの悲鳴! そしてケツにラフィング・ピリオドが突き刺さったモカの悲鳴! 奏でられる悲鳴のデュオが、会場に響き渡る!
「まずい、これは収拾がつかない。この時点でVH依頼かな、ってレベルにパンドラ復活の音がする」
 フニクリがそういうのへ、ステラが頷いた。
「そうですね、速やかに先に進みましょう。本当に、このままでは収拾がつきません」
 かくして一行は、笑いの刺客待ち受けるアライグマランドへと、一歩を踏み出したのである――!

●恐怖! 笑いのお化け屋敷!
 さて、一行が向かったのはアライグマホラーランド。見るからに怪しげな洋館には、恐怖と笑いの刺客が待ち受ける! 中には、見るからに安っぽい下層をしたお化けアライグマたちがあちこちを闊歩していた。
「お化け屋敷? ふふん、しょっぱい仮装ですわね!」
 ヴァレーリヤが得意げな笑みを浮かべる。実際しょっぱい仮装である。子供向け、と言われてもしょうがないだろう。まぁ、ここはあくまで家族が楽しめるテーマパークの1施設。あまり本格的なものでもないのだ。ヴァレーリヤはアライグマを指さし、
「その程度の特殊メイク、事前に練達でホラー映画で耐性を付けた私にはちっとも怖くな――」
「がぶり」
「痛だだだだだだだっ!」
 思わず口を出したあらいぐま。がぶりと突き出した指先を噛まれたヴァレーリヤが、指を振って悶絶した。
「ヴァリューシャ! 大丈夫かい!?」
 マリア・猫耳・レイシスが駆け寄る。ハンカチで汚れをぬぐってから、携帯用の消毒スプレーとばんそうこうを張った。
「気をつけるんだよ、野生の動物には黴菌がいるからね!」
「しかし、見るからに普通のお化け屋敷ですね」
 ステラが言った。確かに、アライグマたちは積極的に笑いをとろうとはしてこない。これは洗井落雲が想定していたネタより、明らかにフレンドリーファイアプレイング文の方が面白かったので発生した事例であった。
「つまり……」
 ステラが、ごくり、とつばを飲み込んだ。もはやこの場において、敵とは隣にいるイレギュラーズに他ならないのだ。
「……あれ? そう言えば、すずなさんはどちらに?」
 ふと声をあげる。
「確かに、言われてみれば姿を観ないな?」
 汰磨羈がふむ、と唸った。まさか迷子か……皆がそう思い始めた刹那、びちゃ、びちゃ、という音が廊下の奥から響いてきた。
「……水の音?」
 リコリスが( ‘ᾥ’ )ジッ…ってした。ちなみに、皆はリコリスの方を見ない。というのも、リコリスはずっと『足を突き出して地面に埋まってるようなポーズ』をとっているので、見た瞬間笑うことが確定しているからである。ちなみに、特に指定が無ければ、リコリスはずっとこのポーズをとっているものとしてリプレイを確認してほしい。
 さておき、水の音である。見てみれば、廊下の奥からしとしとと水が流れてきている。ぴちゃり、ぴちゃり、と廊下を濡らす水分。
「む?」
 リコリスの口元に、廊下を流れる水分が流れ込んだ。逆立ちしているので当然である。
「ぺろっ。これは……経口補水液……!」
 その言葉に、あたりがざわついた。
「まさか、この経口補水液は……!」
 マリア・猫耳・レイシスが声をあげる。その通り。おくからびちゃ、びちゃ、とやってきたのは、濡れ女(水分すずな)!!
「お前も水分補給してやろうかぁ」
 渾身の表情で声をあげる水分!
「すずなくん、それずるいよ……痛ーっ!!」
 これにはさすがのマリア・猫耳・レイシスにも着弾! あははは、と楽しげに笑い声をあげてしまった結果、黒顎魔王(タイキック)! 刹那、ぽん、とマリア・猫耳・レイシスの手から何かが飛んだ。それはフニクリの顔面に張り付く。
「……なんだい、これ……」
 と、拾い上げたフニクリが、たまらず「おっふっ」と声をあげた。それは、VDMランド土産の、やたらリアルなアルチュウ人形だ! 当然アウト判定! 黒顎魔王(タイキック)!
 一度総崩れになると、もはや笑いが笑いを呼ぶのがこの手の宿命である。壮絶にケツを蹴り上げられるフニクリの背後から、モカが飛び出した! いや、それは本当にモカなのだろうか? どう見てもひょっとこである。ご丁寧に、着物まで来ている。
 すっ、とひょっとこは、無言のままでその手を掲げた。それをゆるり、ゆるり、と流れるように振るう。ゆるり、ゆるり……おお、そう! これは阿波踊りだ!!
「なんでだよ!」
 汰磨羈が思わず叫んだ!
「…………」
「いや、答えよ! ちょっと怖いから!」
 汰磨羈が思わず叫んだ! いや、極限の恐怖の時に、人はどのようなリアクションをとるのだろうか? きっと人は、笑うしかないのだ……というわけで汰磨羈がアウト! あとは完全にゲラになったみんなの笑いが、あちこちから響くのであった――!

●ティーカップの悪夢
 さて、這う這うの体でお化け屋敷を逃げ出した一行。ちなみに、「汰磨羈がぬこである証」である「酒瓶」はゲットしてある。なんで酒瓶?
 さておき、第二のエリアはティーカップである。ティーカップとは、高速で回転するティーカップ状の乗り物に乗って遊ぶ遊具である。
「……あっちを見てはならんぞ」
 汰磨羈が言った。そちらの方を見てみれば、リコリスが高速回転するティーカップから足を突き出して( ‘ᾥ’ )ジッ…していた。
「おっふっ」
 たまらず吹き出したすずなが黒顎魔王(タイキック)される。すずながうずくまるなか、一行はティーカップの内部へと乗り込んだ。
「だが、こんな所ある、私がぬこである証……? 一体何なのだ?」
 小首をかしげる汰磨羈。だが、そんな汰磨羈を呼ぶ、フニクリの声が上がったのだ!
「たm、ぬきちー! たぬきちー!!
 あったよ、証!
 ほら、茶釜(ティーポット)!」
 高速回転するティーポットの中に、ぶわんぶわん顔中の皮膚とか肉とかをブルブルさせてポーカーフェイスする、フニクリの姿がそこにあった!
「なんでだよ! 何で茶釜が証なんだよ!」
 地団太を踏む汰磨羈!
「しらないよ! でもこれに間違いないよたぬきち!
 たぬきち! ほら、受け取りなよ茶釜を!
 じゃないと、私、そろそろ吹っ飛びそう……」
 ぎゅるるるる、とすさまじい回転をかけるフニクリ! やがてその回転が頂点に達した時、フニクラは飛んだ。
「カニミソ!!」
 すぽん、と、どこぞの樽につめられたおっさんを飛ばすゲームのごとく飛んだフニクリが宙をかけると、やがて地に落下してごろごろと何処かへ転がっていった。流石に耐えられなかったモカが笑ったので黒顎魔王(タイキック)。
 かくして、汰磨羈の手の中に、茶釜が残ったのだ。
 酒瓶。茶釜。ぬこである証はあと一つ――。

●最終決戦! 地獄のゴーカート!
「所で皆さん、喉が渇きませんの?」
「休憩にしましょう! 拙のバウムクーヘンをどうぞ!」
 と、突然ヴァレーリヤとステラがにこにこと笑いながらお茶とバウムクーヘンを差し出してきたのは、最後のエリア、ゴーカート乗り場での事である。
「いや、絶対食べませんよそんなの」
 すずなが露骨に警戒していうのへ、ステラはにこにこ笑いながら、バウムクーヘンを一切れ、口に含んで見せた。
「ほら、大丈夫でしょう? ちょっとした休憩ですので!」
「そうですわ! ほら、お茶をどうぞ! 私は飲みませんけれど」
 にこにこというヴァレーリヤに、モカは半眼でぼやいた
「おいおい……」
「みんな、どうして食べないんだい?」
 と、マリア・猫耳・レイシスが、むぅ、と頬を膨らませながら言った。
「せっかっくヴァリューシャが用意してくれたのに……ステラ君も、ありがとうね。早速いただくよ!」
『あっ』
 ヴァレーリヤとステラが声をあげる。制止する間もなく、マリア・猫耳・レイシスはヴァレーリヤのお茶を、ステラのバウムクーヘンを、ごくり、ぱくり、と戴いた。
「うん、おいしいじゃないかあははははははははははは!!」
 マリア・猫耳・レイシスが大笑いしながら地面にうずくまる!
「やっぱり!」
 リコリスが( ‘ᾥ’ )ジッ…ってした。
「何を入れたんだい?」
 フニクリが尋ねるのへ、2人は異口同音。
『ワライタケみたいな奴を』
「そうか……」
 フニクリが呆れた様子を見せる。笑いが止まらないマリア・猫耳・レイシスを、アライグマが一生懸命尻を叩きつつ介護していた。

 それはさておき! いよいよ最後のエリアである。ゴーカート・レース場! ここで最速のラップを切った者に、栄光の「たぬきちがぬこである証」が与えられる――!
「フッフッフ……再現性首都高レースで誰よりも速くゴールを駆け抜けた私が選ぶクルマはコレだ!」
 モカが駆るパンダカートが、ものすごい低速で大地をかける! それを周回遅れでぶっちぎっていく、マリア・猫耳・レイシスのにゃんにゃんカー!
「みんなー! 大規模転移から四年がたったね!!」
 目をかっぴらいてTLEOをうたい上げるにゃんにゃん。逆さでかさかさとコースをかけていたリコリスが、そのあまりの剣幕にコースアウト!
「くっ、なんて強敵なんでしょうか……!?」
 サメに乗って走るステラに、その横になんか四つん這いになったおっさんの上に載っているすずなが迫る。
「どうして私のカートはこれなんですか!? ヴァレーリヤさん!? ヴァレーリヤさんの確定ロールのせいですね!?」
 確かに、ヴァレーリヤのプレイングには「ところで思ったのだけれど、どうして、すずなのカートだけ四つん這いの人間なんですの?(確定ロール」と書かれている。なので、すずなの下には四つん這いのおっさんがいるのだ!
「くっ、こうなったら負けませんよ……おっさん、頑張ってください!!」
「あっ、はい」
 おっさんがかさかさと走り出す! ステラの鮫をクラッシュさせて突撃! だが、その前には、フニクリの姿があった! 大量のむさい男たちの担いだ神輿の上に立つフニクリは、後ろからカサカサ来たおっさんに視線を送る。
「さて(ソイヤッ)別に競争(ソイヤッ)するわけじゃないとはいえ(ソイヤッソイヤッ)せっかくだか(ソイヤッ)ら私はこの赤(ソイヤッサッ)いカートを選ぶし(ソイヤッソイヤッソイヤッ)1位の座は譲らな(ソイヤッ)うるっっっっっっせぇ!!!!!」
 おお、おっさんのかずではフニクリの方が上だ! 負けを認めたおっさんが突然爆発四散!
「どうしてですかッ!?」
 すずながそのままフッ飛ばされてリタイアする! さあ、このままレースはフニクリの勝利で終わるのか――いや! まだ、まだ残っている車がある! そう! われらがたぬきち! 仙狸厄狩 汰磨羈だッ!
「この汰磨羈、もう容赦はせん!
 見ろ、この我が愛車『ニャースーたぬ光りアライグマ号』を!
 こいつで、御主等の腹筋をレッドゾーンに突入させてやる!」
 ばるるん、とエンジンを吹かせる汰磨羈! ソイヤッサとアライグマが激しいデッドヒートを演じる!
「やりますね(ソイヤッ)! ですが(ソイヤッ)……!」
 華麗なフニクリのドライビングテクニック! それにおいすがる汰磨羈! だが、執念という点では、この時の汰磨羈に勝るものはいなかった! 汰磨羈、勢いのまま華麗にゴール――!
「よし! さぁ、みよ、私がぬこである三つの証を――!」
 高らかと掲げる、三つのぬこの証!
 一つ、酒瓶。
 二つ、茶釜。
 三つ、編み笠。
 この三つの意味するものは――!
「信楽焼のたぬきセットじゃないかッ!!!」
 汰磨羈はべしっ、と三つの証を地面にたたきつけた。
 めでたしめでたし。

成否

成功

MVP

マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。
 いやあ、猫の証が見つかってよかったですね!

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