PandoraPartyProject

シナリオ詳細

お魚パラダイス!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●伝承の港町にて
 伝承に存在する港町で、数人のNPCが集まって何事かを話していた。
「やっぱり魚を活かす方向がいいと思うな」
「もっと方向性を明確にしないと駄目じゃない?」
「でもあまり関係のないものをやっても仕方ないよ」
 集まっているのは若い女性ばかり。楽しげに話してはいるが、その表情は真剣だ。
 何を話しているのかは分からないが、互いに否定せず、お互いの良いところを拾いあう。
 とても理想的な話し合いと言えるだろう。
 やがてその話し合いがある程度の結論を得たのだろう。
 リーダーをしていた魚屋の少女が何事かを紙に書き込み、全員でそれを読み回し頷きあう。
「よし、じゃあこの方向でいきましょう!」
「丁度いい施設があったわよね!」
 そんな話し合いから数日。港町の今まで入れなかった大きな建物の前に「ただいま準備中!」という看板がたっていた。
「ほうほう……一体何が出来るんでしょうね」
 アンゲシュテルター(p3x009377)がその看板の前で頷いていると、1人の少女がスススッと近づいてくる。
「興味がおありですか! ありますよね!」
 返事は聞いていない。
 魚屋の少女はアンゲシュテルターを見ると「ああ!」と声をあげる。
「確かアンコシュキダーさん!」
「アンゲシュテルターです」
「そう、アンゲシュテルターさん!」
 本当に覚えてくれているか不安になるが、まあ良しとしておくべきなのだろう。
「実は今回、お願いしたいお仕事がありまして! 聞いて行かれませんか⁉」

●水族館を作りたい!
「実は、この町に水族館が出来る予定なんです!」
 町おこしの一環ではあるが、この港町にもっと愛着を持ってほしいという取り組みの1つでもある。
 この近海で取れる魚を色々と集めて、水族館の水槽に展示する。
 漁業なんか嫌だとか言ってる軟弱共も水族館の職員として雇用できるし、漁業に興味のある人材を連れて来られるかもしれない。
 そんな素晴らしい作戦なのだ。
 しかし……近海といっても、この少女が提示してくる場所と言えば。
「あのー……もしかしてその調達場所って」
「はい! 海底洞窟です!」
 まさかの大当たりである。
 海底洞窟。カエル人間とかが出てくる場所だが、まさかそこでカエル人間を捕まえてこいとでも言うのだろうか?
「えーっと、一応言いますとカエル人間と捕食者は要らないです。飼えないですし」
 全長2Mの二足歩行のカエル。2階層以降に出現する、そんなカエル人間は……むしろ職員向きだろうが、顰蹙しか買わないだろう。要らないというのも理解できる。
 全長4Mのヤドカリである捕食者はもっと必要ない。大食感であるし、水槽なんかに入れたら他の魚を全部食べそうだ。
「というわけで、水槽に飾れる魚を獲ってきてほしいんです。幸いにも、最近海底洞窟の生態が安定してきたみたいでして!」
 そう言うと、魚屋の少女は人数分の「カゴ」を差し出してくる。
「このカゴは1つにつき1種類、10匹の魚を捕獲できるんです。これを使ってたくさん捕まえてきてくださいね!」

GMコメント

今回はアンゲシュテルターさんのアフターアクションに伴うシナリオです。ありがとうございます。

●クエスト名:お魚パラダイス!
●成功条件:「水族館の水槽」に5種類以上、100匹以上の水棲生物を入れる。
●報酬:高級天丼。ホクホクサクサク!
●対象フィールド:海底洞窟
 小舟で行った先にある小さな島の洞窟。今回の対象は1~5階層。
 足元が水没した洞窟で、地下に潜れば潜る程敵が強くなります。
 今回解放された「4~5階層」は【完全に水没】した謎の海底都市となっています。
 カゴを持っていることで呼吸に支障は全くありません。なんだこのカゴ。
 隠れる場所とかたくさんありそうです。

●捕獲方法
対象モンスターのHPを減らし「カゴ」を使うと捕獲出来ます。
1つのカゴに1種類ずつ、そして10匹ずつ保管可能です。
相手の体力を減らせば減らすほど捕獲成功率が上がります。
なお、カエル人間を持っていくと魚屋の少女にビンタされますので気をつけましょう。

●登場する敵
・ブルーフィッシュ:全長1Mの青魚。空中もスイスイ泳ぎます。めちゃ弱。水流ビーム攻撃。魚肉ドロップ率大。出現確率:極低。
・レッドフィッシュ:全長1Mの赤魚。空中もスイスイ泳ぎます。それなりの強さ。水流ビーム攻撃。魚肉ドロップ率:小。出現確率:大。
・イエローフィッシュ:全長1Mの黄魚。空中もスイスイ泳ぎます。三階層以降に出現。それなりの強さ。水流ビーム攻撃。魚肉ドロップ率:小。出現確率:小。
・カニモンスター:全長1Mのカニ。ハサミで凄く挟んできます。ちょっとタフ。ハサミ攻撃。魚肉ドロップ率:極小。出現率中。
・カエル人間:全長2Mの二足歩行のカエル。2階層以降に出現。ホーミングバブル攻撃、ビンタ攻撃。ちょっと強い。あとキモい。魚肉ドロップ率:中。出現率:低。捕まえるとビンタされます。
・捕食者:全長4Mのヤドカリ。ホーミングバブル攻撃、体当たり。馬鹿みたいに強いです……が、今回は攻撃しなければ襲ってきません。各階層に居ます。魚肉をあげるとHP回復のヒール、あるいはAP回復のエネヒールをかけてくれます。捕まえても「返してきなさい」と怒られます。
・トロマグロ:全長2Mの赤魚。空中もスイスイ泳ぎます。4階層以降に出現。かなりの強さ。水流ビーム攻撃。魚肉ドロップ率:大。出現確率:小。
・タコツボ:全長1mのツボに入ったタコ。地面をスイスイと滑ります。4階層以降に出現。強さはそれなり。スミによる目つぶし攻撃、タコ触手による連続攻撃。魚肉ドロップ率:小。出現確率:小。
・ジェットホタテ:全長1mのホタテ。ジェット気流で空中も水中もスイスイ。5階層に出現。強さはそこそこですが、素早すぎるので捕捉が困難です。ジェット体当たり攻撃と真珠マシンガン。出現確率:小。
・ウミマジン:全長5mの下半身が魚の尻尾の巨人。とんでもなく強い上に皆さんを積極的に襲いに来ます。逃亡推奨です。トライデントによる近距離攻撃と雷撃による遠距離攻撃。5階層に常に1体存在。
なお、これを捕まえても「返してきなさい」と怒られます。

●ROOとネクストとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、バグによってまるでゲームのような世界『ネクスト』を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に自分専用の『アバター』を作って活動します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline3

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 R.O.O_4.0においてデスカウントの数は、なんらかの影響の対象になる可能性があります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • お魚パラダイス!完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年01月14日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァリフィルド(p3x000072)
悪食竜
グレイ(p3x000395)
自称モブ
縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)
不明なエラーを検出しました
†漆黒の竜皇†ブラッド(p3x008325)
煉獄の覇者
黒子(p3x008597)
書類作業缶詰用
アンゲシュテルター(p3x009377)
佐藤・非正規雇用のアバター
ミミサキ(p3x009818)
うわキツ
シャディ(p3x010172)
機械の子

リプレイ

●お魚(とか)を求めて
「水族館……いろんな海の生き物を地上の人に見てもらう試み、面白そう。なんか美味しいご褒美も用意されるみたいだしやる気出る。俺も頑張って手伝う、アンゲシュテルタール一緒に頑張ろう」
「任せて……どうも、アンゲシュテルターです!」
 サムズアップする『エリート伝承義勇兵』グレイ(p3x000395)に『佐藤・非正規雇用のアバター』アンゲシュテルター(p3x009377)が改めて自己紹介を返す。
 アンゲシュテルターは知っていた。これは危険な兆候だ。持ちネタが1つ増える危機である。
 だからこそ、改めて仕切り直す。
「任せてください! 魚を捕まえて、フクロウに届けるのが得意なんです。夜に雨が降るのを待ちましょう! ……えっ、そんな余裕は無い?」
 仕切り直したところでネタまみれなのは変わらなかった。今更1つや2つ増えたところで変わらないかもしれない。
「こん、 どは 天丼?」
『天丼は、さくさくで好き』
「えび好 ほたて、も」
『小鳥のお土産に、したい』
『不明なエラーを検出しました』縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)もそんな事を言うが……そう、今回の報酬は天丼である。
 ちなみにグレイが名前ネタを被せてきたのも天丼と呼ぶ。関係はないが。
「はい、天丼目的で来たミミサキです。あれ、自腹で食べようとすると結構いい値段するんスよねー……天ぷらってなんで高いんだろう。下処理に時間がかかるから?」
 そうかもしれない。時間が立てばどうしてもサクサク感が失われる運命にあるが故かもしれない。分からないが。
 ともかく『うわキツ』ミミサキ(p3x009818)はやる気満々のようだ。良い事である。
 そうかと思えば『機械の子』シャディ(p3x010172)のように、純粋にやる気満々な者もいる。
「お魚、捕まえるんだね! ボクが動けるようになって、初めてだけど、がんばるよ! お魚生きて捕まえるから、加減が必要だろうけど……後でお魚、丸焦げにするとか、したりするかもしれないけど、がんばるよ! うん!」
 そこは是非お魚を丸焦げにしないように頑張ってほしいが。
「生捕りにできるのであれば、喰らってしまっても構わぬのだろう? 魚介類の食べ放題というわけであるな」
 何やら『悪食竜』ヴァリフィルド(p3x000072)が食欲旺盛な様子を見せているので、ちょっと焦げても大丈夫かもしれない。
「というのはまぁ、半分冗談として」
「半分なのであるな……」
『煉獄の覇者』†漆黒の竜皇†ブラッド(p3x008325)がツッコミを入れるが、ヴァリフィルドはどこ吹く風だ。
「では、班分けの確認をしましょう」
 そんな『書類作業缶詰用』黒子(p3x008597)の言葉に、全員が頷く。
 そう、今回の仕事は魚を大量に、しかも数種類集めないといけない。
 おまけに今まで行った事のない、新規の階層だ。
 だからこそ、手分けすることは重要なのだ。
 まず1~3階層担当はアンゲシュテルター、†漆黒の竜皇†ブラッド、シャディ。
 そして3~5階層担当はミミサキ、ヴァリフィルド、黒子さん、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧、グレイ。
 これは1~3階層の脅威として存在していた捕食者が今回敵対的ではなくなったことが大きい。
「伝承の依頼って決まって強ーいエネミーが居る、気をつけていこう」
 そう、5階層にいるウミマジン。出会えば蹴散らされかねないソレのことを思いながら、グレイの注意喚起が響いて。
「よろしく。 とくに、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧さんは前回のクエストでも一緒でしたね」
『よ しく』
 縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧とうねうねコミュニケーションに挑むアンゲシュテルターを†漆黒の竜皇†ブラッドとシャディが何とか引きずって。
 そうして全員が、海底洞窟の中に進んでいくのだった。

●海底洞窟にて
「フハハハハ! なるほど、これが所謂お使いクエストというヤツであるな? だが我ってば基本的に手加減とかそういうの苦手っていうか? キャラじゃないっていうか!? ……ま、まぁ、うむ。やってみるとするか……」
 足元が水没した海底洞窟を歩きながら、†漆黒の竜皇†ブラッドは†貫き穿つ反逆の黒槍†をレッドフィッシュへと放つ。
 見事消し飛んだレッドフィッシュから魚肉がドロップするのを見て†漆黒の竜皇†ブラッドは「むう」と唸る。
「あ! お魚が、美味しそうなお肉になった!!」
 魚から直接魚肉がドロップするという現象を見たシャディが喜ぶが、今回のクエストは魚肉は主目的ではない。
「これで丁度いいくらいだと楽で良かったのだがな……駄目ならもう、通常攻撃するしかないか……」
 そもそも「†貫き穿つ反逆の黒槍†」と書いてディザスター・ファントムと読ませる、漆黒の両翼に魔力を集中させ、その羽ばたきと共に展開。無数の黒槍と化した魔力が一斉に飛翔し、数多の敵を蹂躙するとかいう大技で丁度いいはずがない。
 だって蹂躙しちゃってるんだもの。さておいて。
 †漆黒の竜皇†ブラッド本人も「やっぱりな」という感じらしく、『ハーヴェスト』でぺチペチとやり始めている。
「うおおおお! 殺さないようにいたぶってやる!!」
「わ~! シュテルターさん、ころさない加減って難しいよ!! なんかお魚の、しっぽ? あたりに、あたれあたれ~!」
 魚を追いかけるアンゲシュテルターに倣い、シャディも分厚いマジックブックを抱えて一生懸命魚に向かっていく。
 巨大な「捕食者」が此処では凶悪だったが、それが敵ではない以上は此処はR.O.Oでは珍しい「比較的安全な狩場」となっている。
 この班が狙うのは種類より数。ただし、希少なブルーフィッシュがいれば優先的に捕まえたいところではあった。
「ええいっ! 間怠っこしいわ!! 我こういう面倒なのやだー、やーだー!」
「ブラッドさん頑張って! あの日の夕焼けを思い出して!」
「そんな思い出ないわ!」
 言いながら「本当に無かっただろうか」とちょっと思い返した†漆黒の竜皇†ブラッドは、崩れかけたキャラを何とか修正する。
 まあ、確かにこの手の「お使いクエスト」は死ぬほどめんどくさい。
 貴重なものを手にいれるわけではないのに集めるのがとにかく面倒という地獄のようなクエストなのだ。
 だが此処は1つのダンジョンで手に入るだけマシと言える。
 海の向こうでしか手に入らないアイテムも80個いるんです、その為に船のチケットがいるんですとかになったら、†漆黒の竜皇†ブラッドは面倒くささのあまり泳ぎ出すかもしれない。
「うぅ……あまりの面倒くささにちょっとキャラが崩れてきたが、きちんと仕事はやるぞ。だからせめて愚痴くらい大目に見るが良い」
 †漆黒の竜皇†ブラッドのそんな愚痴にアンゲシュテルターとシャディがサムズアップするが、中々良いトリオである。
「む!? あれに見えるはカエル人間か!? なぁなぁ、アレはいらないんだよな? 倒しちゃっても構わんのだろう??? よっしゃ、我に任せるが良い! うおおおおお!【邪竜獄炎斬】~~~!!! あっ、こいつ意外とタフ!? 痛っ!? ビンタ結構痛っ!」
「シュテルターさん、青いお魚が! あ、逃げっ」
「ははーん、もしかしてコレ私が仕事多いやつですね?」
 アンゲシュテルターが真理を悟っているその頃。
 顔にビンタの跡をつけたグレイと仲間たちは3階層以降の探索に挑んでいた。
 ちなみにグレイのビンタ跡はカエル人間相手ではなく、やめとけばいいのにカエル人間をカゴに入れて「げこげーこ、このカエルよく見てほらキモカワぶげはっ」と少女のところに持って行って見せた結果による、おしおきビンタである。
 ちなみになんかカエル人間は水族館が気になってウロウロして少女に威嚇されていた。そのまま居つきそうな気もする。
 さておいて、こちらの班が狙っているのは4階層以降に出てくるレアモンスターだ。
 具体的にはトロマグロ、タコツボ、ジェットホタテなどである。
「おー……宙をスイスイ泳ぐ魚、可愛い、美味しそう……」
「本当に美味そうであるな……」
 グレイとヴァリフィルドが可愛いと言いながら捕まえたのはトロマグロ。
 本当に高級魚らしいので、2人の感覚は間違っていない。
「今のところA班はブルーフィッシュも捕獲できているようですし……順調ですね」
 黒子は言いながら、あと必要な種類や数を計算していく。
 先程グレイが水槽に魚を入れに行った時、すでに水槽にはブルーフィッシュが泳いでいた。
 レア度の高いブルーフィッシュを捕獲できたのはかなり大きい。
 こうなると無理にジェットホタテを狙う理由もないといえばない。
 一定時間おきの合流による状況確認も功を奏している。
 クエストの進捗は順調。そんな結論を黒子は下していた。
 こちらのB班も、ミミサキが引き付け役を行うことでかなり効率的に魚を捕獲できていた。
 相手を殺さない「丸呑み」も、かなり役に立っている。
 まあ、ちょっと絵面が怖いが。
「『丸呑み』ってスキル名ですけど中の人間部分で食べてるわけではないでスからね? あくまで箱の中に引き釣りこんで攻撃しているだけです。まーホントのこと言うと魚よりロリっ子ショタっ子を引き釣りこむほうが楽しいんスけどね。ぐへへ……」
 自己フォローしたいのか官憲に通報されたいのかよく分からないことをミミサキが言うが、もしかすると自白なのかもしれない。
 天丼は取調室で食べるのだろうか?
 まあ、ミミサキの職務質問された数はさておいてヴァリフィルドも咆哮で相手を引き寄せている。
 流石に4階以降のモンスターはヴァリフィルドの咆哮によるダメージにも耐えるようで、かなりのB班の助けになっていた。
「集まった魚等を息吹で逃げにくくし、後は噛砕いて食べるだけ……ではないな」
 食欲が抑えきれないようではあるが、ちゃんと不殺なので大丈夫である。
 この階層のザコモンスターでこれであれば、5階層のウミマジンは相当に強いのだろうとヴァリフィルドは思う。
「……展示は出来ぬが、その強さ故にうまく仕込めば警備員ぐらいには使えるかもしれぬのでは?」
「ウミマジンってショタっ子ッスかね?」
 ミミサキの希望は打ち砕いてしまうが、残念ながらヒゲマッチョである。
『たこつぼ たこつぼ、いる たこつぼ』
 縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧の台詞にグレイが振り向くと、確かに壺に入ったタコがゴトゴトと壺を動かしながら移動している。
「タコツボ、これ壺割っちゃダメなやつ?」
 どう考えてもそっちのほうがタコも幸せに思えるのだが、ダメなのだろう。
 しかしまあ、こんな生き物を捕まえて水族館を作るというのは、実に楽しい事であるようにグレイには思えた。
「早く水族館完成させてこの気持ち、地上の人と共有したい」
「うむ。余裕があれば捕獲数が少ない種を確保するとしようぞ」
 ヴァリフィルドと黒子も頷き、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧もキャラキャラと笑う。
「デ……体型:肥満に長距離走はキツイんでそこそこでお願いしまスね」
 ミミサキがそんなことを言うが大丈夫である。
 どうせこの仕事は町と海底洞窟のシャトルランであるのだから。
「死なない程度にそっとそーっと……あっ」
『多分あの辺、魚弱ってるから、生捕りお願いねぇ』
 グレイが力加減を間違えたり、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧と黒子のコンビネーションが光ったり。
 5階層にホタテを捕まえに行った時にグレイが真珠マシンガンに撃たれて面白いことになっていたりと色々あったが……結果として、水族館の水槽にスイスイと色んな海産物たちが動き回る光景が出来上がっていた。
 あと、グレイが持って行ったカエル人間が従業員面をしていた。
「えー……色々ありましたけど、ありがとうございます! でもてやー!」
 少女がグレイをビンタしていたが、結局カエル人間に押し切られたようだ。仲良くしてあげてほしい。
「皆様のおかげで水族館が無事に開業できそうです。そのお礼といってはなんですが……天丼をご用意しました!」
「ボクのてんどん~!」
 全員に配られた天丼は美味しい香りを漂わせ、まさしく揚げたてであることを主張してくる。
 大きな海老天が、実に食欲を誘う。
「フハハハハ! 労働の後の飯は旨いだろうなぁ! 皆もよく頑張った! さぁ、たんと喰らおうではないか! フハハハハ!!」
 ……あれ、なんか悪キャラっぽくないな、我? と首を傾げている†漆黒の竜皇†ブラッドはさておいて。
「高級天丼楽しみ楽しみ、たとえコレがデータであっても目の前のコレは現実」
 グレイが天丼を掻き込み咀嚼すれば、サクサクとした食感とタレの味、そしてそこに炊き立てご飯の味も加わってくる。
「高級天丼、ボク初めて食べる! おいしいね!」
「うむ、これは中々……」
「美味であるな。疲れがとれるかのようだ」
 シャディに†漆黒の竜皇†ブラッドとヴァリフィルドも頷いて。
 黒子も縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧もミミサキも、自分の分をサクサクと食べていく。
 高級な天丼を、一番美味しい時にお魚を見ながら食べる。
 こんな贅沢は中々ないだろう。それだけでも、この仕事を受けた甲斐はあったのではないだろうか?
「これだけ手伝ったんですから今度こそ、私の名前覚えてくれましたよね」
 とか言いながら報酬の高級天丼に、大量の餡子を乗せるアンゲシュテルターに少女は頷き、笑顔でこう答えた。
「ええ、勿論です。アンコスキナンダーさん!」
「あれー? 遠くなりましたね?」
 今のはアンゲシュテルターが悪い。
 サクサクと天丼を食べながら、全員の気持ちは一致していたのだった。

成否

成功

MVP

グレイ(p3x000395)
自称モブ

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
天丼、めっちゃ美味しいですよね!

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