シナリオ詳細
合身せよ、ブリキングエックス!
オープニング
●山蛇忍軍と書いてサンタ忍軍と読む
「サンタ……ですか」
エーミールは、そう呟いていた。
サンタ。どっちかというとニンジャな気もするし、本人たちは違うと言い張っていたが、サンタでニンジャな連中である。
ちなみに今年のシャイネンナハト前、なんか鉄帝に元になった連中がチラホラ出てたらしい。さておいて。
終焉獣とも渡り合うその力の秘密を知りたい。
エーミールはそんなことを考えていたのだが、ニンジャでサンタという二大隠形の達人の力を併せ持っている彼等を中々見つけることが出来ないでいた。
「いないです、ね……」
連中がシャイネンナハトの時期に現れるのではないかと考えていたいりすも、エーミールの正面で溜息をつく。
確実に居たはずなのだが、本領発揮の時期のせいか本気で見つからなかったのだ。
ちなみにいりすがシャイネンナハトの日にログインした時、すぐ近くに何かプレゼントの箱が置いてあったらしい。
どういう技か分からないが超怖い。
まあ、そんなわけで山蛇忍軍を探す2人はカフェで休憩などしていたのだが……。
何やら頭上に影1つ。
ふと見上げた2人は……あまりにも見覚えのあり過ぎるその姿にギョッとする。
あとエーミールはちょっと反応しすぎて立ち上がっていた。
「ダーーーーーーーーーーーーク!」
そう、それはブリキングエックス。
現れると一撃で30回くらいは死ねるレベルのダメージを与えて去っていくニンジャの超兵器である。
しかし、何かこう……微妙に色々と違うような?
そうして無事に通り過ぎていったソレを見送った後……2人はいつの間にか近くの椅子を寄せてきて座っているニンジャに気付きギョッとしたのだった。
●ニンジャからの依頼
「いやー、困ったでござるなあ。あ、お姉さん。某はいちごぱふぇーを」
いちごぱふぇーを、ではない。その覆面でどう食べるつもりなのか。
「あとるいぼすてぃーがあれば。え、ない? では紅茶を。あっさむはあるでござるか?」
一通り注文すると、ニンジャはふうと息を吐く。
「困ったでござるなあ」
チラチラと見てくるウザいニンジャを前にいりすとエーミールは顔を見合わせ、代表してエーミールが「どうしました?」と聞いてみる。
するとニンジャは目を光らせ……比喩ではなく本当に光っている……とにかく光らせ、エーミールの手をガッシと握る。
「おお、親切なエーミール殿! 話を聞いてくれるでござるか!」
名前をちゃんと把握してやってくる辺り狙い撃ちされている感があるが……とりあえず聞くしかない。
「実は我等、抜け忍……ゴホン! サークル脱退者の問題に頭を悩ませておりまして」
抜け忍って言った。
「連中、抜けるだけならともかく色々と悪さをするので困ってるでござる」
「えーと、シャイネンナハトはもう……」
「過ぎたでござるな。故に今は準備期間でござるが……お二人とも、先程頭上を通り過ぎたものについては?」
2人が頷くと「問題はアレでござる」とニンジャは溜息を再度つき……運ばれてきたパフェを覆面を取らないままに器用にパクついていた。
ズラしている様子すらない。新手の忍術であろうか?
「実はアレは抜け……脱退者どもが作った兵器でござる。その名も……ブリキングダーク!」
彼等にとって代わろうとするサークル脱退者たちはあの黒いブリキングを使い里を襲撃、整備中だったブリキングエックスを破壊していったのだという。
「恐ろしい力でござった……連中、暗黒山蛇忍軍(ブラックサンタサークル)を名乗り、更なる武装の充実を試みているようでござる」
倒さねばならない。
下手をすると伝承の近くにとんでもない力を持つ勢力が現れてしまうかもしれないのだ。
山蛇忍軍はもうどうしようもないから放っておこう。
「でも……」
「ですよねえ」
ブリキングの力は身をもって知っている。
それが敵に回ったと言われてもどうしようもない。
ない、のだが。ニンジャはニヤリと笑う。
「問題はござらん。3人用意していただければ、使用出来るでござる……我等がこんなこともあろうかと開発していたヒミツの忍具! もとい秘密道具!」
ブリキングエックスパワードを。
その単語を聞いて2人がヒュッと喉を鳴らしたのは、仕方ないと言えるだろう。
- 合身せよ、ブリキングエックス!完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2022年01月10日 22時21分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●戦場で会おう(生きて会えるとは言ってない)
「抜け……抜け忍……ブリキングの方にフォーカスしてるけどこのニンジャたち結構大きい集団だね? ともあれ、R.O.Oの大事件がひと段落した直後にまた危ない存在が出てくるのはよくないし倒しに行くよー!」
「というか。そのロボ、パラディーソの時に来て欲しかったのぅ。まぁ敵に乗っ取られたら大変だし「えっ!なんか駄目でした?」みたいな顔で味方殺し標準搭載じゃし……いや、やっぱ来なくて正解じゃわ封印指定止む無し」
「終焉獣の時には来たんですよねえ……」
『ツナ缶海賊団見習い』エクシル(p3x000649)と『うどんの神』天狐(p3x009798)に、 『エックスの輝き』エーミール(p3x009344)がそう呟く。
その背後からはなんか巨大ロボの幻影が見えているかのようである。称号のせいだろうか。
実際その場にエーミール含め何人かいたのだが、その時「は」ブリキングエックスは味方に被害は出していない。
「はぁ……何やってるんですか、エックス。あの時の勢いはどうしたんです? 袋を開けて、一瞬で私をぶっ潰した時の勢いは。
アレのせいで私のアクセスファンタズムが実現しちゃったんですからね。もう。でも……だからこそ、思い出になってますよ」
まさかの事実である。恐るべしエックス。さておいて。
「まさか現実の私が煩悩暴露で恥ずかしい執着を暴露されて内心キレてた相手である山蛇忍軍からの依頼ですか。まあ、私は別にどーでもいいのですが! 何かムカつくので一発殴らせてください」
「嫌でござる!」
即座に分身するニンジャに思わず舌打ちしそうになる『災厄の獣』ヘル・フローズヴィトニル(p3x010212)だが、そんなヘルは「現実の方の山蛇忍軍」に会っていたりする。ちなみにあっちもあんまり変わらない集団である。
ブリキング……? どうですかね……?
「さておき、巨大ロボットねぇ……私としては世界が災厄に見舞われるのは歓迎するのですが、私の手でない以上、はっきり言って非常に目障り。なので、その計画ぶっ潰しましょうね」
言ってることは危険だが大丈夫。どうせ皆吹っ飛ぶ(確定した未来)。
「でっかいロボットっす! 敵ッス? ……ドラゴンのリュートよりおっきいのはズルいっす!!! これ以上暴れないようにするっす! 世界平和とリュートの心の平穏のために!!!!」
そう、ブリキングダークは野放しにしても良い事はない。
言ってみれば悪のブリキング。そんなものを放置してはデスカウントが幾つ増えるか分かったものではない。
だからこそ『竜は誓約を違えず』リュート(p3x000684)も叫んで。
「ふむ……わたしはただ、サンタさんたちにねんまつおつかれさまでしたのけーれいをしにきただけなのですが……これはもしや、ぎゃくにこーじょうとともに爆発してけーれいされるパターンなのでは? けーれいにはけーれいを。なるほど、どうりですね」
こくり、と頷いている『受理兵』樹里(p3x000692)はなんとなくこの先何があるか理解している風だが、そんな諦めは大事である。
「あのサンタさんたちなら何かやらかしそうだな、って思って見に来ただけなのに……! 死ぬ未来しか見えないけど放っておいたら大戦依頼が発生するレベルのやつだよあれ……! とりあえず操縦、何でもいいから操縦する側に回らないと……!」
一方の『優帝』いりす(p3x009869)は死亡フラグの回避に必死だ。
ブリキングエックスの戦闘力は直で見ているだけに、最終的にどうなるか容易に予想がついてしまうのだ。
「えーと、では出発するでござるか。ブリキングの操縦はエーミール殿でいいとして、バードは……」
「まさかの名指し!」
「はいはいはい!」
「はい、そこの元気ないりす殿と……」
「ボクにゃ!」
「はい、ではそこのネコモ殿」
指名されると、『ニャンラトテップ』ネコモ(p3x008783)はガッツポーズをとる。
「まさか「こんなこともあろうかと」と用意されている秘密兵器なロボに乗り込むチャンスが来るとはおもわなかったにゃー。こんな美味しいシチュエーション、乗るしかねぇってやつにゃ! さあ、急いで簡易秘密基地に向かうにゃよー! とんずらでかっ飛ばしていくから道案内の忍者っちはボクにおぶさっといてにゃ! 振り落とされないように気を付けるのにゃよー!」
「おお、元気でござるなあ。それでは皆様、いずれヴァルハラにて」
ネコモに抱えられて去っていくニンジャ、そしていりすとエーミールを見送って。
「……もしかして『お前等死ぬよ』って言われたッス?」
言われたッス。
●全ての闇『も』吹き飛ばせ、ブリキングエックスパワード!
「来た、ね……!」
暗黒ひみつ工場から、大量のブリキンダークが進撃してくる。
小さいブリキングダークといった風のそれらから放たれるのは、超強力なビームだ。
「数が多いとはいえブリキングではないし、そこまで強くはないことを願ってたんだけどな……!」
言いながらエクシルは「すとーむだんす!」を放つ。
流石にブリキングほど理不尽ではないが、滅茶苦茶強い。
こんな工場を野放しにしていては、ただでさえ理不尽なR.O.Oが理不尽大感謝祭になってしまうのは間違いない。
「さこーじょうにせんにゅーの仲間をしんじましょう」
樹里はじゅりセンサーを張り巡らせて……この場合受理とは何を指すのかよく分からないが、さておこう。
「こーじょうはぶつりで破壊しなければなりません。わたしの聖句は…まぁ。やろうとおもえばぶつりてきにいけなくもないですが、やはりむりはいくないです」
うんうん、と樹里は頷きながらじゅりの呼吸を発動させる。
「呼吸といいつつ、そのほんしつは歩法。そうかんたんにぬかせはしませんよ?」
シュッシュッとシャドーなどをやってみるが、ブリキンダークたちは気にした様子もない。
やはり量産型は「わびさび」を解さないのだろうか。
「此処を2人で抑えるのは結構辛いけど……オイラたちが戦闘不能にならないように、ギリギリ倒されないくらいの線を維持しよう!」
樹里はエクシルに頷くと、どうキメたものかと考える。
(ここはわたしにまかせてさきに…は、死亡フラグですね。爆発四散はかまいませんが、あしをとめられないのはシスターのこけんにかかわりますならば――こうですね)
「申し訳ありませんが、今よりこの先は一方通行。侵入は禁止ですよ」
そう、ブリキンダークを抑えるのはエクシルと樹里の2人。
此処でまずは食い止める。その意思をしっかりを持って、ブリキンダークに立ち向かう。
そして……2人が奮戦している中で、リュートたちは暗黒ひみつ工場の内部へと突入していた。
「ひみつ基地にはひみつに潜入するのがマナーっす!」
小さい体と飛行能力を駆使して潜入したリュートだが、流石に相手はニンジャのひみつ工場。
恐るべき罠が仕掛けてあったのだ!
「玩具工場だと良かったのになー。もしくは食べ物。あ、向こうからいい匂いがするっす! 食べたいっす!」
なんたることか。何かを焼くような美味しい匂い。
それはまさに完成したてのブリキンダークから漂っていたのだ!
おお、なんたるニンジャトラップ! 老若男女に大人気の匂いで不快感を感じさせないオモテナシソウルが見事にリュートを釣りだしたのだ!
「ぎゃうー」
(迷子ッス! 見逃してほしいッス!)
NPCを装うリュートだが……ブリキンダークは破壊兵器。残念なことに通じず、仕方なしにリュートは『どーんっ!』を放つ。
「ドラゴンよりも強いもの作る工場なんて駄目っす! リュートがドラゴンの未来を守るっす! ぎゃうー!!」
此処が製造ラインなら、此処を壊す事が工場の破壊につながるのは間違いない。
そして、リュートと違い天狐は初手から大暴れだった。
「いざ! カチコミじゃー! ボッコボコにしてやるけぇの!」
手当たり次第に『せつなさみだれうち』を連打していく天狐は、完全に生きて帰る気のない特攻精神だ。
アクセスファンタズム『麺神の手』も併用して、うどんをドロップしていく姿は一見やけっぱちに思えるが……。
「やる必要性? 知らん、殴れる! ダメージが与えられる! ならば美味しく出来る! 以上ッ!! 工場のあちらこちらに【食材適性】を付与してやるのじゃ! アッハッハッハッハ! 派手に美味しくブッ壊れるがいいのじゃーーー!」
凄まじい執念である。何が此処まで天狐にさせるのか。邪悪なニンジャがソバ派だったのだろうか?
一方、ヘル・フローズヴィトニルも気合充分だ。
「中に潜入? 何故そんなまどろっこしい事を? 破壊するなら……真正面から堂々とすればいいでしょうに!」
そう宣言したヘル・フローズヴィトニルはラグナロクと名付けたアクティブスキル1を放ち、悠々と工場を破壊していく。
「フハハハ! 私こそはこの世界の新しい脅威! ヘル・フローズヴィトニルという災厄の獣です!!」
一切何も気にしないその攻撃は、見事に工場の破壊を進めていく。
「さあ!さあ!!始めましょう!悪意をばら撒く素敵なラグナロクを!」
言った瞬間、ジュッとブリキンビームの一斉掃射で死んだ。R.O.Oは無常である。
そんな3人が頑張った結果……ついに暗黒ひみつ工場が大爆発を起こす。
ついでにリュートも天狐もヘル・フローズヴィトニルも死んだので頑張ってこっちに戻ってきている。
「やりましたね」
「でも、これで……!」
工場に敬礼している樹里とエクシルの視線の先。
黒い巨大ロボ……ブリキングダークが飛来する。
かのエクスギアを目の前にしたとてこんなに怖くはないだろうという、そんな圧倒的恐怖。
しかしそこに、とんでもない威力のビームが着弾する。
修理の跡も痛々しい、傷ついた僕らの皆殺しマシーン。
エーミールの駆るブリキングエックスが飛来したのである。
正直エーミールは、このブリキングエックスを操縦することに物凄く乗り気であった。何故ならば。
「だって、ね。強敵《とも》が倒れたのならその手を差し伸べるべきですから」
何度も見たその勇姿。なんども自分を消し飛ばしたそのパワー。
全部見ているからこそ、何が出来るか分かるのだ。
「等間隔でビームを撃ちます! 注意を!」
眼下でエクシルたちが手を振っているのを見ながら、エーミールは真正面からブリキングダークと殴り合う。
だが、やはり新品同然のブリキングダークと簡易修理をしただけのブリキングエックスではダークの方に有利。
段々と増えていくエラー、そして操縦席を染める赤いランプの点滅。
ここでエックスクエイクを……地震攻撃を使えば、戦況をひっくり返せるかもしれない。
しかしそれを使えばエクシルたちは間違いなく消し飛ぶ。
「まだまだ、私達は負けてられませんよ。そうでしょう、エックス!!」
此処でそれは使わない。ならばどうするか。
「……あっ、エックスハリケーン! っていう技はどうでしょうか!?」
エーミールの操縦に従い両手を広げ、コマのようにぐるぐる回って敵陣に突撃するブリキングエックス。
いや、それだけではない。ブリキングエックスの目が輝き、本当に風を纏ってブリキングダークを吹っ飛ばす。
「しまった……なんてものを覚えさせてしまったのか!」
そういえば元々こいつ自律兵器だった。モニターにインプット完了とか書いてある、とかちょっと後悔しながらもエーミールは戦い……しかし、ついにブリキングエックスが吹っ飛ばされる。
ついでに天狐と樹里がプチッと潰された。見所を逃してなるものかと全力で今戻ってきている。
やはり今のブリキングエックスでは勝てない。此処までなのか。いや、違う。
此処から少し離れた空から、何かが飛来しようとしている。
「おおー、飛んでるにゃー。この速度でかっ飛ばしていけば間に合いそうかにゃ? 現場への航路は最短距離をまっすぐににゃ!」
「了解です! あ、目標を視認! 押されてる!」
ネコモといりすは操縦と武装を分担しながら、一生懸命頭に叩き込んだ操縦マニュアル通りにブリキンバードを飛ばしていく。
「けど、やっぱりコレ相当ヤバいよ……なんか『向こう』の練達とかにありそう……」
目の前の巨大な窓に映るのは、各種の観測データと目標を任意拡大する機能。
オーバースペックが過ぎていて草も生えないというやつだ。
「どーでもいいにゃ! 今ここは世界一安全にゃ!」
「それは確かに!」
これに消し飛ばされるのはネコモたちではない。
それだけで結構安心できるというものだ。
「照準合わせ! バードビーム、発射!」
ドゴン、と。とんでもない音と共に城くらいなら消し飛ばしそうな勢いのビームが発射される。
戦闘力控えめとか説明したニンジャ出てこい。
だが、そのビームはブリキングダークを後退こそさせたものの、ほぼ傷がついていない。
それでも、時間は稼いだ。
「ちょっぱやで合流して最初からクライマックスいっちゃうにゃーん! 合身!」
ネコモがそのキーワードを叫ぶと共に、ブリキングエックスとブリキンバードの通話回線がオープンになる。
故に、その場の全員に声が拡声されて響き渡る。
「サンタクロス!」
3つの声が重なって。
ブリキングエックスが空を舞い、ブリキンバードがその背に重なる。
響くはガシュイーン、という接続音。ブリキンバードの2つの操縦席が移動し、エーミールの後方に。
ブリキンバードから幾つかのパーツが分離し、伸びた先端がブリキングエックスの頭部を覆い……現れるのは、強化変形した頭部。
瞬間、痛々しかったブリキングエックスの傷が全て消え去っていく。
「さあ、お仲間が到着しましたよ。これで連中をぶっ飛ばしましょう。難しいことは考えず、いつものように叫んでくださいよ」
エーミールの声に応えるかのように、自動でポーズがきまっていく。
聞きなれたバリトンボイスに合わせてエーミールもいりすも、ネコモも叫ぶ。
「エーーーーーーックス、パワーーーーーーーーード!」
そう、完成したのは僕らの強化型皆殺しマシ―ン、ブリキングエックスパワード。
従来のブリキングエックスと比べて各性能が15倍、武器威力に至っては120倍のスペシャル仕様。いい加減にしろよニンジャ。
「合体が済んだら後はガンガン攻めるのみにゃ! パワードビームかパワードクエイクか……締めの技で迷うにゃね……ボクとしては王道ロマンのビームに一票ってとこにゃ!」
「なら、パワー全開で!」
「それでいきましょう! エックスパワード、いけますね!?」
そして放たれる。抗うだけめんどくさい、そんなミラクルパワーが。
「パワーーーーーーード、ビーーーーーーーーーーーム!」
放たれる。山ごと消し飛ばす、トンデモ威力のパワードビームが。
「あ、ありがとうみんなー!」
「ぎゃーうー!?」
「こう、がったいではなく合身というのがいいですよね」
「おわー!?」
「ぐわあああ!? 何故だ―! 私は災厄の獣なんだぞ! この世界を滅ぼせる存在だというのに何故! えっ、単純に装備とレベルが条件満たしてません? 何ならスキルも攻撃スキル一個とかって舐めてるの?だと! 仕方なかろう! こっちは万年金欠なんだ! すぐに用意なんてできるか! しかも現実の私の方にリソースほぼ振ってるから私が弱いのは仕方ないのだ!」
なんかちょっと往生際の悪い断末魔が聞こえたが、ブリキングダークも含め皆綺麗に吹き飛んで。
「これで……全部終わったにゃ」
「ひえええ……」
「ええ、終わりました。ですが、あれが最後のブリキングダークとは思えませ……ハッ、今私は何を!?」
エーミールが思わず口を押えて、ネコモといりすが笑う。
空には、綺麗な笑顔を浮かべた仲間達が浮かんでいて……エーミール達の勝利を祝福しているように見えた。
戦えブリキングエックスパワード。
戦えエーミール、ネコモ、いりす!
子供たちの夢を蝕む悪を全滅させる、その日まで!
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
コングラチュレーション!
まさかパワー全開って指定がくるとは思いませんでした!
楽しめて頂けましたなら幸いです!
GMコメント
町から少し離れた山の中に暗黒ひみつ工場があります。名前が超頭悪そう。
そこではブリキングの技術を流用した「ブリキンダーク」が製造されています。
この工場をブッ壊しましょう。
一定以上のダメージを与えると工場の自爆装置が作動して派手に吹っ飛びます。
結果として工場に潜入していた人が思いっきり巻き込まれて死にます(確定した未来)。
工場からは完成したブリキンダークが皆さんに反応して迎撃に出てくるので、5人のうちの何人かはブリキンダークを迎撃して注意を引きつける役目をしなくてはいけません。
残りの3人ですが、1人は簡単に修理したブリキングエックスに乗ることになります。
完全な修理が出来ていないので人力操縦らしいです。
残り2人ですが、ニンジャたちの簡易ひみつ基地(町から結構離れた地下にあります)に向かい、ブリキンバード(大型戦闘機)を発進させブリキングと合流する必要があります。
操作手順などを覚えるのに結構手間がかかるので、こちらを選ぶと【後半までほとんど出番がない】可能性があります。
ただし美味しいです。
なお、工場を破壊するとブリキングダークが応援に駆けつけてきます。
頭悪いくらいに強いです。簡易修理しかできていないブリキングエックスでは対抗しきれないでしょう。
ですがご安心。
ブリキンバードが到着すると「サンタクロス!」の掛け声でブリキンバードがアーマーに変化合体し、ブリキングエックスパワードが誕生します。
その圧倒的な力で敵味方関係なく蹂躙が可能でしょう。
敵味方関係なく(重要)。わざとじゃないから大丈夫です。ちょっと出力が予想つかないだけなんです。
以下、必要データです。なおサクラメントは町にあります。
・ブリキンダーク(総数不明)
全長2mの人型兵器。ブリキンパンチは破壊力、ブリキンビームも破壊力。
硬くて強いです。
・ブリキングダーク
全長10Mの巨大ロボっぽいアイツ。
地震攻撃は周囲の地形を変える超威力。
また周囲に超威力のビームを乱射する攻撃もあります。
「ぼくのかんがえたさいきょうへいき」みたいな強さです。
ダーーーク!
●味方(3人必要です)
・ブリキングエックス
全長10Mの巨大ロボっぽいアイツ。
地震攻撃は敵も味方も吹っ飛ばす超威力。
周囲に超威力のビームをまき散らして敵も味方も消し飛ばす事も出来ます。
なお、簡易修理がされた状態なのでいつもより性能が大幅に下がっています。
ブリキングダークとマトモに戦えますが押されてしまうでしょう。
・ブリキンバード
全長10mの巨大戦闘機。2人で操縦します。操縦担当と武装担当です。
武装は「バードビーム」です。敵も味方もジュッと焼けます。
戦闘力はそこそこなので、早めに合体しましょう。
・ブリキングエックスパワード
3人がタイミングを合わせて「サンタクロス!」と叫ぶことで合体し誕生します。
「パワードクエイク」と「パワードビーム」を使用可能です。
どっちを使用しても効果範囲にいるモノは全て吹っ飛ぶでしょう。
ブリキングダーク? 楽勝ですよ、楽勝。
「エーーーックス、パワーーード!」
●ROOとネクストとは
練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、バグによってまるでゲームのような世界『ネクスト』を構築しています。
R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に自分専用の『アバター』を作って活動します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline3
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
R.O.O_4.0においてデスカウントの数は、なんらかの影響の対象になる可能性があります。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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