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シナリオ詳細

たすけて! 生乳が売れすぎちゃったの! ~深緑ミルク工房の叫び~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 深緑ミルク工房。
 それは深緑に存在する、良質な牛のミルクが取れる地の事である。深緑のみならず世界各国にも商品を流通させていて、それなりに名が通っている工房――なのだ、が。
「ちょっと困った事態が発生しまして!!
 このままでは――生乳が、大量に廃棄せねばならなくなるのです!!」
「あの。それなんか前にも聞いた事がある様な気がするんですけど?」
 その工房長より突如として依頼が舞い込んだ。
 話を聞いているのはリリファ・ローレンツ(p3n000042)だ――彼女は深緑ミルク工房と(何故か)縁があり、工房特有の牛のコスチューム衣装を着込んで宣伝に(何故か)勤しんだ事もある。その時もたしか……ザントマン事件の折に流通が色々ストップしてミルクが危険だという話だったが……
「今回はちょっと事態が違うのです! ええ実はなんと――生乳が、売れすぎまして!!」
「……売れすぎて何か問題が?」
「つまり各ご家庭に大量の未調理生乳が残ってしまっているんです――!
 それで相談が舞い込みまして。なんか使う生乳レシピとかない? って」
「いやシャイネン・ナハトの時期じゃないですか! ケーキとかで良いでしょうケーキで! それでもまだ尚に使いきれてないんですか!? なんで皆してそんなに買っちゃったんですか!?」
「いやぁ今年は牛のミルクの取れ高も凄くて凄くてめっちゃ『買ってね!』って宣伝したら――ご覧の有り様でして!」
 全部ここの工房がわるいんじゃないですかあああああ!!
 叫ぶリリファ。でも依頼なら何とかしないといけないなぁ、これ……
 どうしたものだろうか。つまり消費拡大の為のキャンペーンを展開するという事だが――とても一人では手が足りなさそうだ。イレギュラーズに救援を頼まねば――!

「まったー! 話は聞かせてもらったよ!!」

 その時! 深緑ミルク工房の扉を勢いよく開いたのは――ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)だ!
「ふふ。そういう事ならお任せあれ! 生乳調理の宣伝をすればいいんだよね!」
「勿論です! あ、他にもとにかく消費を促す様な宣伝であればなんでも!
 キャンペーンガールのコスプレします? ここに沢山ありますよ」
「またその衣装持ってきてる!!」
 得意顔満面のミルキィ。そう――究極的にはなんでもいいのだ。例えば生乳消費の為のレシピを考えたりするのが手でもある――シチューだのケーキだのを宣伝すれば、時期も相まって消費の促進に繋がるだろうか。
 他にもパワポ的な魔術プレゼンというのも有効だろうか?
 深緑は閉鎖的な環境から編み出された、独特な魔術も多く存在する国家である。
 魔術そのものに惹かれて見に来る者もいるかもしれない。内容も面白そうならなおGOODだろう。
 ……あと工房長がキャンペーンガール衣装持ちながらこっち見てるが、あの薄着仕様を今着るかはちょっと考え所かもしれない。というか何を考えればあんな衣装をデザイン出来るのか……!! 着れば目立ちそうではあるが、ううっ!
「き、着ないぞ! 私は着ませんからね、絶対着ませんよ――!」
 叫ぶリリファ。さていずれにせよどのように動いたものか――思案を巡らせるものであった。

GMコメント

 久々の深緑ミルク工房! 今年もリリファちゃんはあの牛コスチュームをきてまーす! ご縁があればよろしくお願いします!!

●依頼達成条件
 生乳消費拡大キャンペーンを行おう~!

●シチュエーション
 今年は生乳が滅茶苦茶売れてしまったそうなんですが、それに乗じて調子のって更に工房が宣伝しちゃったらもっともっと売れてしまって、結果各ご家庭に大量の生乳在庫が!!
 このままでは(大体悪いのは工房なんですが)まずいと、消費促進宣伝キャンペーンの依頼が舞い込んできました!  時期が時期なのでケーキやシチューなどのレシピを実演しながら教えるだとか、消費を拡大させる料理レシピを考えるのでもOKですし。
 キャンペーンガールな格好PRでもOKですし。
 なんらな魔術を用いたパワポ的なのでプレゼンでもOKです!

 工房には消費先を教えてもらおうと沢山のお客さんが詰めかけてきているみたいなので、いろんな宣伝をしてみましょう!! あ、キャンペーンガールの恰好をしたいなら工房長が沢山用意してます!! どうぞどうぞ!!
 以下、ガール参考資料。
・https://rev1.reversion.jp/illust/illust/18480
・https://rev1.reversion.jp/illust/illust/23117

●深緑ミルク工房
 そこそこ有名な程度のミルク生産工房です。
 飲んでも美味しい。加工しても美味しい。
 工房内には大量の牛が存在していますが食肉ではなくいわゆる乳牛がメインです!
 そのミルクは本当に美味しいらしいですが、工房長が調子に乗ってめっちゃ宣伝して売りまくった結果、各ご家庭に使いきれない程の在庫が……反省しなさいよ工房長、めっ!

●リリファ・ローレンツ
 深緑ミルク工房ガールの一人です!
 今日は皆さんと一緒に宣伝頑張ります! キャンペーンガールの恰好なんてしないぞ、って言ってましたがなんやかんやあって着てます!! よろしくお願いします!! へくち!

  • たすけて! 生乳が売れすぎちゃったの! ~深緑ミルク工房の叫び~完了
  • GM名茶零四
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年12月31日 23時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
※参加確定済み※
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標

リプレイ


 リリファはすごい、すごい微妙な顔をしていた。なぜなら。
「いやぁ久々ですね深緑ミルク工房……! 前も手伝いましたがまた手伝いにきました! リリファさん、また一緒に頑張りましょうね! ……ん、どうしたんですか? しかめっ面して……体調でも悪いんですか? 熱でもありますか?」
 『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)の衣装を見ていたらなんだか胸がモヤモヤしてくるからだ――! おのれ熱を測る仕草でそのお山を近づけてくるな!
 でも今回の衣装はリリファと同じではない。牛耳つけてセーターに牛柄エプロンタイプである――なんとなく肌面積が抑えられているような……なんでも彼女のは『色々』とダメだったらしい。けれどこれはこれで……うん……むきゃあ……!!
「以前一日体験に来てから2年ですか――確かに懐かしいですね。けれど商売繁盛しているようで何よりです。あれから私(のお胸)も成長しましたし、キャンペーンガールのあの衣装に身を包むことに躊躇いはありませ……あれ、なんか、このサイズでピッタリと思ったんですがキツイですね……んっ、んんっ……! でも隠せばなんとか……!」
「……リディアさん、私が手伝ってあげましょうか? もぐ方向で」
「あ、リリファさ、あ、いや、その、えっと」
 同時。シフォリィ同様に再び深緑ミルク工房へとやってきたのは『木漏れ日の魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)もである――いや懐かしい地だ。このキャンペーンガール衣装を着るのも……とか思ってたら胸の部分がキツイ。
 なんとか隠せないかと抑える方向に持っていこうとしたら、いつの間にか背後にリリファがいる――ひぇ。違うんですリリファさん、これは、その。
「こんなに美味しいミルクが破棄されちゃうかもってすっごくもったいないよ! 頑張って皆に消費促進のための宣伝をしないとね……! さぁリリファちゃんも早く着替えて着替えて! 時間がないよ!」
「え、私もですか!? いや私はちょっと……」
 と、その時。殺意を身に纏うリリファへと声を掛けたのは早速に準備を進める『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)だ――が、その前にと彼女もまたキャンペーンガール衣装に身を包むものである。
 ニッコニコとしながらリリファにも同じ衣装を。
「えっ? リリファさんも着るんだよね、着るって聞いたよ? いいじゃんねー、着よう着よう! せっかくだからさー! ほらほらほらこっちでうっへへ、可愛いよー、リリファさん! 似合ってる似合ってる! おとなのみりょくってやつかな? スレンダーだよねー!」
「む、むきゃー!」
 更に『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)も加わりリリファも巻き込み着替えタイム。でも大体戦力過多すぎる……くそ! どうしてこの依頼にそんな胸部特記戦力共が集まっているのだ! どうしてー!
「……それにしても。確かに此処のミルクは美味しいから沢山欲しいのは分かるけれど、何故未調理在庫が大量に残るほど買い溜めしたのよ……これって完全に工房の落ち度というより、買った側の問題よね? 工房に責任あるの? 作った分は売れたのよね?」
「まぁ……折角の生乳を廃棄する、というのも勿体ない。是非ともどうにかして消費してもらった方が買ってくれた人にとってもいいだろう。ただ、二度も三度も起こらない方がいいのは確かだな……」
 疑問抱く『プロメテウスの恋焔』アルテミア・フィルティス(p3p001981)だが、しかしもう依頼ならば仕方ないと『導きの戦乙女』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は吐息を零しつつも準備を進めるものだ。
「では折角だし私もキャンペーンガールとして一肌脱ぐとしようか――
 ん? 一肌脱ぐ? 着替える? いやまぁどっちでもいいが……おっ、これか」
「え、私? 私も? え、工房長さんなんで手渡してくるんですか? この時期にこの衣装はちょっと……キャンペーンガール衣装の上にエプロンを付ければ問題ない? ダブルで宣伝効果がある? まぁそういう理由があるんだったらいいけど……」
「むきゃあ」
 そして彼女らもまたシフォリィと同様にキャンペーンガール衣装の上にエプロンを。元々の衣装がアレが故か、なんだかパターンを変えても新鮮味があってむしろより一部分を強調している様な……ああ、リリファちゃんが人を殺せそうな眼をしている……!
 だけれどもこれは依頼だから仕方ない。仕方ないんだ!
「さ! 美味しい生乳の使い方を知ってもらうのね! ルシェも生乳好きよ!
 寝る前にあったかくしたの飲むとよく眠れるもの! みんなにも是非知ってほしいわ!」
「せっかく美味しい生乳を買えたのに、それを使い切れずに捨ててしまうのでは双方ともに悲しいよな……これも民のためだ、一肌脱ごうじゃないか。尤も、脱ぐと言っても着こむ形にはなりそうだが」
 そして『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)はちょっと趣向を変えて牛さんの着ぐるみパジャマの服装を着込んで。『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)もまた――キャンペーンの衣装に使っていた牛柄の布地の余りを手に取る。
 何をするのか? 知れた事――これにて即時裁縫。
 作り出すは牛柄全身タイツとマント! 更に牛乳タンクのシルエットを二つつなげた形のバイザーも作って装着すればそう、これは!!

 \深緑ミルクマ~ン/

「わー深緑ミルクマンだー!」
「かっこいいー!! サインしてー!!」
「ははは。さぁそれで行くとしようか――」
 一部の子供たちに大人気。え、何? 深緑ミルクマンって何!?
 即席で作り出す新たなマスコット。いや、ヒーローか!?
 生乳に希望を与えるべく推参した深緑ミルクマンが――その歩を進めた。


 リディアは思考する――調理実演を行ってみると良いのではないかと。
 その為に用意したのがレシピ。
 全て手書きで準備したソレは……『チーズたっぷり白菜とウインナーのクリーム煮』だ!
「まず。この調理のメリットは鍋一つで出来るという事なんです―――
 洗い物が少なくて済みますね! そして何より牛乳をたっぷりと使う事が出来ます!」

1.鍋一つでできるので洗物が少なくて済む
2.白菜は芯の部分を使うことで甘みが増しておいしく仕上がる
3.クリームを作るときは、牛乳を少しずつ入れることによってダマができにくくなる
4.牛乳は、沸騰させると分離する可能性があるので火加減に注意する

 ――レシピには可能な限り簡単に書いた内容と、そして注意すべき点を記載しており。
「それでは今から実演しますねー! よーく見ててください!」
「おぉ、実演! 参考になるなぁ」
 実際に作ってみる事も今から行うのだ。
 やはり紙に書かれているだけでは分かりにくい事もあろうと――そして興味を示した人には完成すれば味見もしてもらおうか。尤もこれほど集まっているのだ。全員分は作れないのでくじで抽選にはなるだろうが……
 美味しそうな匂いが充満すれば帰って作ってみたいと思う者もいよう。
 そうして消費に繋がる事が出来れば良いのだ――
 同様に料理の実演をもって注目を集めている者もいる。それが。
「さぁこっちではヨーグルトを作るわよ――作り方は簡単!
 生乳500mlに対してヨーグルトを大さじ2杯入れてかき混ぜて。
 後は30~40℃を保つ場所に一晩寝かせれば完成よ! ね? 簡単でしょ?」
 アルテミアだ。こちらではヨーグルトの実演を行っている――
 ただ。ヨーグルトが完成するにはちょっと時間が掛かる故に。
「まぁ、今から一晩待つ事はできないだろうし……予め作って昨晩寝かせておいたモノがこっちよ。ほら。スプーンで掬い取ればこんなにトロトロに……あっ、ひゃん!」
 事前に用意しておいたモノを取り出すのが常道だ……と、その時。
 ほんの少し掬い口に含んだスプーンが――うっかり指先から零れ落ちた。
 滑ったか。ソレは真下に落ちて、アルテミアのお胸に落着。
 スプーンは跳ね飛ばして白い液体(※ヨーグルト)が彼女の頬や胸元に飛び散ろう――!
「んっ、あ……ちょっと落ちちゃったけど、ほら、こんなにトロットロで……
 すっごく、濃厚、ね……!」
 中指で胸元に落ちた一滴を拭って。
 そのまま再度口に含む――指先を舌で舐めとりながら、ふわりと感想を……おや? なんだか一部の空気が変わっている様な気がするが、どうして? なんの熱気がいきなり籠って?
「さーこっちではモッツァレラチーズとバターを作りますよ! 深緑ミルク工房の素材で作ったモッツァレラチーズ……どうぞ堪能してみてくださいね! まずは生乳にお酢を入れて分離したらガーゼでこして水分を絞り丸めます!」
 また、その隣ではシフォリィもチーズから取り掛かっていた――
 お乳をもみもみして絞り出すのが重要なのだと。シフォリィは己が胸の前で実演する――
「これは近くで見て確認する必要がありますからね! 作っている人に近寄ってみてください! ……ん、これぐらいになれば良さそうですね! んっ、ぁ……私のお乳と同じぐらいの柔らかさです……優しく絞ってあげてくださいね!」
「チッ!! アルテミアさんにシフォリィさんめ、まーたああいう事を……!!」
 リリファ壮絶に舌打ち。
 どうしてですかリリファさん! 私はただ丁寧に皆さんに教えているだけで……! あ、また舌打ちを! ともあれ綺麗なモッツァレラチーズの完成品が既にあれば確かに見事なモノと素人目にも分かるものだ。
 料理の技能を宿すシフォリィが見物人たちを己が技能で誘惑するかの如く輝いている――あの女騎士達両方『誘惑』してこようとするんですがホントに騎士なんですかね?
「うーん、みんな上手ね! ルシェはお料理とかお手伝いしかしたことないから……今日は姉さまに教えて貰ったの持ってきたわ! じゃじゃーん! ホットチョコレートよ!」
 そしてキルシェはマスコット姿にて取り掛かる――牛乳を入れるだけで出来る飲み物シリーズを!
「疲れている時とかに、お料理は大変だものね! でもこれなら寝る前にちょちょっとやるだけで出来ちゃったりするのよ! ほらチョコレートの甘さがふわって広がって幸せなのよ!」
 細かく砕いたチョコレートとお砂糖とスパイス混ぜたものがホットチョコレートである。それから氷砂糖につけたシロップも付けようか――このシロップにも一工夫あるのである。濃く淹れた紅茶に氷砂糖を入れた紅茶シロップと、こっちも濃く淹れたチャイに氷砂糖を入れれば……チャイシロップの出来上がり!
「どっちもスプーンで生乳に入れるだけで美味しくなるの! さぁさぁ飲んでみて!」
「おお、こいつは用意さえしておけば混ぜるだけか……簡単で旨いな!」
 あっためて貰った生乳に混ぜるだけ。だからこその簡易さがあるのだと。
 ――ああ勿論レシピもあるものである! 姉さまに教えて貰ったんだから!
「あくまで基本だから、自分たちの好みに合わせて調整してねって言ってたわ! 甘いのが好きな人はもっと多く混ぜても良いし、牛乳を多くしてもいいかも!」
 そしてそのレシピが褒め称えられれば――まるで自分事の様に嬉しくなるものである。
 え、姉さまの事? 姉さまは美味しいのに詳しいのよ!

「さて――実演の方は順調のようだな。だが……」
「ああ。アタシたちにだって出来る事があるさー!」

 直後。会場に現れたのは――ブレンダと京の二人であった。
 二人が成すべきは料理の実演ではない。
 レシピの配布などをもってして宣伝するのは他の面々がやっている――ならばと。この場を賑やかし、注目を集める事に尽力しようと考えたのが二人である! まぁ京に関してはりょーりが苦手という事もあるのだが……
「……アタシ、どーしてか、拷問され尽くした捕虜みたいな有り様になっちゃうんだよねえ……なんでかなぁ~? なんかもう『才能』とかいう人もいたんだよね……まぁそれはともかく、盛り上げるなら任せておきなさいーい! あっはっはー!」
 まっかせといて、アタシってば可愛くて綺麗で美しいからー!
 まず動いたのは京だ。リリファらと共に派手な動きを巧みに披露すれば、注目が集まる。
「さーこっちではキルシェさんの牛乳を入れるだけで美味しくなるレシピコーナーだー! 眠る前にいかがかな! おっとこっちはシフォリィさんがバターも新たに作ってるね! 美味しいかな、食べて良い!?」
「ええ勿論ですよ! でも待ってくださいね、今実演途中なので、こうして振るのが終わってから……ひゃあん!!」
 それは紹介も兼ねた動きだ。注目を集めつつ、実演している者達の所へと誘導していく――
 さすればシフォリィ。両手でビンをもって激しく上下前後に振っていた、ら。すっぽぬけた。いやビンの蓋が抜けたのか――! そうして頭から白い液体(※バター)が派手に降り注ぐ……濃いのが顔だけじゃなく胸にまで……
「ん、ぁ……急に、こんな風に出ちゃう可能性があるので激しくしないであげてくださいね?」
「……どうした? リリファ殿さっきよりも死んだような眼をしているが……」
「むきゃあ……」
「ははは。スタイルなど人それぞれなのだから気にしても仕方ないだろう。自分の身体を好きになった方が色々と楽しいぞ、私は可愛らしいリリファ殿が好きだしな」
 シフォリィの見事なまでの宣伝に、リリファルゴン・カウントダウン。ブレンダがなんとか窘めるも――でもブレンダさんのお胸もすごいんだよなぁ、という感じでリリファは見るものである。あ、ともあれ。
「さて私も動こうか――あちらの方でエーレンやミルキィも宣伝していた筈だ。お客人達を誘導していこう」
「あっ、そうでしたね! ミルキィさんからお願いされてたんですよ、宣伝をって!」
 仕事に戻ろうかと、ブレンダはリリファと共に客人を導く。
 残るミルキィやエーレン達の下へと――そうしたら。

『生乳を買いすぎてしまった深緑の衆――ご機嫌よう! 俺は深緑ミルクマン!』

 なんかいた。名乗り上げるその注目に周囲の目線は一気に彼へと――!
「足を止めて俺の提案を聞いてくれ。皆と寒い夜にぴったりの料理があるぞ!
 それがこれだ――シュクメルリだ! 名前を聞いた事もある者もいるんじゃあないかな!」
 そして深緑ミルクマンが宣伝するのは鶏肉をガーリックソースで煮込んだ一品である。
 まずはニンニクを6片、皮をむいて芽を取って粗みじんにして、たっぷりのバターと炒めるんだ。ニンニクのいい香りが出てきたら……塩コショウを振った一口大の鶏肉を香ばしく焼いていく。
「いい感じに焼けたら一度鶏肉を取り出して――ここで代わりにたっぷりの牛乳とクリームチーズを投入するんだ。深緑ミルク工房の牛乳が特にいいぞ! 塩で味を調えつつとろみがつくまで煮込んだら、鶏肉を戻してさらに少し煮ていこう」
 さすればいい匂いが漂ってくるものだ――お皿に盛ったら黒コショウを少々振って。
「これが生乳が余った夜にぴったりのシュクメルリだ!
 焼いたパンが最高に合うぞ。食べてみてくれ!」
「おお! こいつは温かい!!」
 クゥ~、旨いし身体が温まる! みんな家でも作れば家族で温まること間違いなしだな! 深緑ミルクマンの恰好をして宣伝するエーレン――やたら目立つ! 周囲が女子ばかりなのも起因しているだろうか……宣伝効果はバッチリだ! そして。
「さーて、ボクはケーキの実演をがんばるぞー!
 この時期にピッタリだよね! さぁさぁ皆、ご家庭のケーキはお決まりかなー!?」
 最後はミルキィも声を張り上げるものだ――
 実演するケーキは生クリームたっぷりなスノーボンブと。
 ルシェちゃんリクエストなフォンダンショコラの二つ!
 どちらもクリームやバターを大量に使う品物だ。ミルクの消費増やしに抜群である!
「更に更にバニラアイスも添えればさらに消費倍増だよ♪ 皆是非是非試してみてね! ただ、ミルクを生クリームやバターにするのは家庭では大変だからねー」
 そこで、と。ミルキィはていあんするものだ。
「実演を見に来てくれたお客さんには生乳を持ち込んでくれればボクがギフトで生クリームやバターに変換するサービスもやっちゃうぞー☆ 今この時だけ! どうかなどうかな、タイムサービスって奴だよー!」
「おぉ! そいつはいいや俺の所もやってくれ!」
「私、今から持ってくるわ!」
 料理が苦手な人にはそのまま食べれるチーズやヨーグルトへの変換もするから、気軽に言ってね! ミルキィに宿された祝福がこれでもかと刺さるものだ――生乳では使いにくくとも、バターなどであれば用途は千差万別だから。

 さすれば、お客さんが更に口コミが口コミを呼んで大量に集まるものだ。

 深緑ミルク工房は大盛況――で、あれば。
「私のミルク料理――ご家庭で美味しく召し上がってくださいね! 揉むのが大事ですよ! ゆっくりと、五本の指で包み込む様に、優しく揉んであげてくださいねー!」
「ルシェにも試食させてくださーい! もぐもぐ! ん~♪
 シチューもクリーム煮もあったまるし美味しいわ!」
 いつの間にか(さっきのバター事件でか)牛柄ビキニの上にエプロンを着込むという、薄着タイプになっていたシフォリィは最後の宣伝をお客さん達に繰り広げ。キルシェは皆の所を巡りて味を楽しもう。あ、その背後ではアルテミアが転んで――
「あ、ぁ、んっ! もう……どうしてヨーグルトを運ぼうとするとこうなるのよ……!」
 上から下まで白い液体(※ヨーグルト)に染まっていたとか。

「さぁそれでは皆さん! 最後にご一緒に、どうですかー!」

 そして。最早イベントも終わろうかという頃合い。
 最後の最後にリディアが音頭を取って――皆で牛乳一気飲み。
 腰に手を当て新鮮なるミルクを楽しもう。
 
 どこまでも濃厚で美味しい深緑ミルク工房を――これからもよろしくね!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!!
 久々の深緑ミルク工房でした! リリファちゃんがむきゃむきゃする場面もありましたが、それはともかくお客さんは大盛況! 皆さんのおかげで、消費促進キャンペーンは順調に推移した様です!
 ありがとうございました!!

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