シナリオ詳細
皆のPMTCが……力になる! 俺のPMTCでバトルだ!
オープニング
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「わー! 大変だ、古代兵器が暴れてるぞ――!!」
古代兵器。それは混沌の中でも北部――鉄帝の地域で度々発見される事がある古代文明の遺産である。
古代文明というのがなんなのかはハッキリとはしていない。遥か昔、混沌時代に存在していたモノ達……と思われるのだが、今なお『どんな文明が存在していたか』というのは研究されている程なのである。
まぁとにかく鉄帝地域ではそういった太古の遺産が見つかる事がある。
場合によっては軍部が兵器として保有する事もあるそうだが……しかし時々そういった古代兵器達が日の光を浴びて再起動。周辺地域で暴れるという事態もあり、そして今その真っただ中の現場があった。
――鉄帝東部アウテンブルグ街。
街としては小規模だが、家屋が多くそれなりに住民の数が多いこの地の中心部で、約十メートルほどの人型らしき巨大な存在が住民を襲っていたのである。全身機械仕掛けである古代兵器は、如何に鉄帝人とは言えあまり武に優れぬ者達を蹂躙していて……
『フン……その程度のPMTCか。ゴミめ……』
「な、なんだ! コイツ何を言って……ぐあー!」
同時。その古代兵器は――『何か』を計測していた。
『PMTC』という言葉を呟きながら。
はて。どこかで聞いた事があるような無いような……
ともあれPMTCとやらの値が小さい(らしい)者は古代兵器に捕まっては放り投げられ、捕まっては放り投げられを繰り返している。このままではやがて小さな子供達にも被害が及ぶかもしれない――!
『どこかにいないのか! 俺を滾らせるPMTCの持ち主は!!』
「――ここにいるぞ!!」
瞬間――その古代兵器の前に現れた人影があった。
それはイレギュラーズ。急遽依頼を受けた貴方達が、立ち塞がったのである。
視線を合わす古代兵器。早速にも『PMTC』とやらを計測すれ――ば。
『なっ……なんだお前たちのソレは! あ、ありえん……こんな奴らがいるのか……!?』
一般人を遥かに凌駕するその数値に――驚いている様だ。
むしろ怯んですらいる様子。成程、奴はPMTCでマウント取ってくるし、逆にPMTCで押されるという事か……PMTCというのが何の事かは分からないが、自分が信じているモノがきっと奴にとっての弱点なのだろう――
――ちなみにちょっとメタ的に解説すると、PMTCってフィジカル・メンタル・テクニック・キャパシティの事であって、最近名前を変える事が出来る様になったんだやったね! あ、それはそれとして普通に攻撃も出来るしスキルも使って奴に攻撃出来るよ。安心だね!
『ぬうぅぅ! だが、俺が負ける筈がない! ――勝負だ、人間!!』
それでも奴は己を奮い立たせる様にやってくる。
自らのPMTCに絶対の自信を抱きながら。イレギュラーズらを粉砕せんとしてくるのだ――そう。敵がPMTCで攻めてくるのならば……自らのPMTCがこの事態を打開する!
皆のPMTCが……力になる!! 俺のPMTCでバトルだ!
- 皆のPMTCが……力になる! 俺のPMTCでバトルだ!完了
- GM名茶零四
- 種別通常
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2021年12月31日 22時06分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
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そんな……だれにでもあるPMTCを使ってあらそうなんて……そんなのゆるせない!
PMTCはあらそいのための道具じゃないんだ! だから!
「ぼくとPMTCバトルでしょうぶだ! ようしゃしないぞ――!」
『おぉ来い人間! 俺は誰にも負けんぞぉぉお!』
一行矛盾! 『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)は全霊をもっていして敵へと向かうものだッ――! でも待つんだ。戦う前に一つ、それ以上に問題がある――
そもそもPMTCって、なに!?
「そりゃあ貴方が暴れてるからここに居るぞって飛び出したけど貴方にとって大事な何かだと思うし、戦いを始める前にその詳細について聞きたい。PMTCとは一体?」
聞かせて貰えないならリーディングで勝手に読ませてもらうよ――堅い決意。宿しているのは『挫けぬ笑顔』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)である。人に、機械であろうとも万物を説き伏せんとする彼女の才知は覇気と共に周囲を包んで。
『むぅならば説明してやろう! PMTCとは――その者の在り様そのものだ!』
「なるほど、フィジカル・メンタル・テクニック・キャパシティを縮めたのがPMTCで、人によってはそこが別の呼称に置き換わっていたりする概念……そしてそれは貴方も置き換えて自らの力と在り様にしてるんだね」
『理解力すっごい!!』
「なるほどー! そういうことだったんだ!」
『いや今『PMTCバトルでしょうぶだ!』って言ってたお前は理解しておこうぞ!!?』
Uh-! 考えるな、感じろ!
フォルトゥナリアのおかげでリュコスもPMTCを覚えた!
しかし不思議なモノである。この古代兵器はそのPMTCを観測する事が出来るのか……
「発掘された古代兵器とか、個人的には非常に興味をそそられる分野ではあるのですが。しかし市井の方にマウント取りする古代兵器となると、些か悲しい気分になります……ましてや通常、観測できるのかも怪しい数値でマウントを取るなど」
いっそのこと埋め戻してしまった方がいいのではないでしょうかコレ――割とガチ目にそういう事を思うのは『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)だ。
「そもそも、そういった能力は鍛錬で伸び得る上に或いは月日を経て変化する事もあるでしょうからその時点での高い低いに拘るべきではないでしょう。――個人的には鍛錬後の能力値の伸び方をチェックしてより効果的なものを薦める使い方は向いてると思いますが」
『くっ! そういうド正論な事を言うな! 泣くぞ!』
なんの脅しなんだソレは。が、とにもかくにもこのPMTCマンを放っておいては市民に犠牲者が出ないとも限らない。故に――
「――滾るPMTCを持つイレギュラーズがここにいるぞっす!」
『赤々靴』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)は仁王立ちする!
腕を組んでえっへん。自信満々の表情たる彼女だが、そのPMTCは。
『貴様その数値は……!』
「うーんうーん、あ、なるほどっす! 身体能力のことっすね! ボクは呼吸と体温と血圧に脈拍が結構いいっすよ! ほら見るっす! この健康優良児的な数値の数々を……こひゅーこひゅー……!」
『いや大分まずいぞお前! 早く病院行きたまえよ!
なんだ体温41、血圧40、脈拍56とか……病人すぎるだろう!?』
やべー! 色々数値がやべー! さっきまで余裕綽々で立っていたレッドだが、いきなりその顔が青ざめている様に見えてきた。大丈夫? パンドラ消費する?
「ふ、ふふ……なんのなんの。こんな事でボクが倒れたりなんてしないっすよ! それより暴れて周りの人を傷つけようとするならおしおきに高めた血圧でビンタしちゃうっすよ!」
『いやいいから病院行けって! ていうか血圧でビンタってどうやっぐあー!』
割とガチ目に心配されるレッドだが。いろんな数値を物ともしない動きで奴めをビンタする――! オラッ! オラッ! はぁ、はぁ、まずい、呼吸が乱れて脈が乱れて……数値が乱高下!
はたしてコレ大丈夫なのか。でもとにかく依頼なのでぶっとばーす!!
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「ずっと眠っていて目がさめてっていうのは、ニルもおんなじなのです。
起きたばっかりのときは、いろんなことがわからなくって、大変だと思います。
ニルも、よくわかります。でもだからって暴れちゃだめなのです」
レッドらのビンタから逃れんとする古代兵器――彼に声を掛けるのは『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)だ。永い眠りから覚めたという観点では通じる所があると……でも、だめなのです。人に迷惑をかけて良い理由にはならないのです、めっ。
「人の力……が、見えるのです、か? なら、ええと。相手のいいところを見抜くことができるなら……教育? ……とかの道もあるのでは? それなら、誰にも迷惑がかからないから、とってもいいなって思うのです」
『ううっ、そんな純真な眼差しで見つめられても……今更大人は生き方を変えれんのだ!』
「いつだって、遅いなんてことは、ないのです」
せっかく目がさめたのに、暴力とか。
誰かを見下げるだけなのは、なんだかさみしいのです。
お裁縫でもいいのです。苦手なものに尽力して上手くなる事に努めてもいい……けれど、どうしても暴れる事しかできないのなら。
「……ニルは全力で止めるしかないのですが」
それは、ちょっぴり悲しいけれど。
それしかないのなら――仕方がないのです。
と、ニルが悲しくも決意せんとした、その時。
「わたしは、見ぬいてしまいましたの……この戦いも、おなじだということを!」
『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)は悟っていた。この戦い……仮に相手がどれだけ強かろうとも、まったくちがう評価軸で対抗する事が出来るのだと!
ナンバーワンよりも、オンリーワン……そんな言葉が、ありますけれど。
「例えば、相手のPMTCが、どれだけ、たかいのだとしても……同じ土俵で、たたかうのだとは、かぎりませんの!」
そう、それはつまり――相手の強みを無力化しうる可能性も秘めているという事。
ならばノリアの強さは何か? もう皆さんお分かりですね――?
「そう……わたしの、つよみは。
うつくしさが自慢の、この、つるんとしたゼラチン質のしっぽ……」
『むぅ! こ、これは、不透明度の低さの調和がこんな所に……!?』
「さあ……このうつくしさなんて、PでもMでもTでもCでもないから、そのパワーで、踏みにじりたいとおっしゃるのでしたら、どうぞ、お好きになさって、くださいですの――」
まるで身を委ねる様に無防備たるノリア。しかし傷つける事はおすすめ出来ない。
――なぜならば彼女の戦い方は『そうやって』注意を引き付けて攻撃を弾き返す事なのだから。古代兵器にとってはそれだけではないか……なにせ奴は機械仕掛けだ。つまり、意味がない――
そう! 栄養価が高くおいしさを兼ね揃えた刺身を手に入れたとしてもだ!
『ジ、ジレンマ――! おのれ、これほど酒に良さそうなのに……むっ!?』
瞬間。ノリアを前に思い悩む古代兵器を前に現れたのは――『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)だった。しかしその右手には……あれ。握られてるのは酒瓶だぞぉ? それをラッパ飲みすれ、ば。
「――私ね。分業って大事だと思いますの」
『え、何? いきなり何?』
「聞きなさい。司祭からのありがたいお話ですわよ……そう、例えば。何かお仕事があったとして、それを誰もがする必要はないでしょう? 得意な人がその仕事を受け持って、他の人は自分が得意な仕事をする……それが世の中を上手く回すという事ですわ」
古代兵器、困惑。けれど司祭は気にせず喉を鳴らしてお酒を飲み干しながら――語る。
世の中が上手く回る事が多くの人が豊かに暮らせるようになる近道なのだと。
「だから――貴方には、私の代わりにマグロ漁船に乗って欲しいと思っているのだけれど、当然引き受けてくれますわよね?」
『えっ?』
「私、ちょっとした事情……ええ、ちょっとしたやんごとなき、やむを得ない事情でマグロ漁船に乗せら……いえ、乗る必要があるのですけれど。私はこの街で五次会……げふんげふん……人々を理不尽な貧しさから救うための聖業に身を捧げるつもりですので」
「……あの、ヴァレーリヤさんっす? 欲望ダダ漏れじゃあないっすか?」
ヴァレーリヤの説法を聞いていた古代兵器とレッド、ヒソヒソ話。
ともあれヴァレーリヤの論理立てた説得に古代兵器は応じる気がないらしい。
――ならば。
「……そう、私の真摯な説得に応じない、と。なら仕方ありませんわね。
心苦しいですが無理にでもマグロ漁船に乗っていただきましょう――」
『え!? なんだコイツ、うわやめろ離せ!!』
「嗚呼、悲しいですわ。人はどうして、争いなくしては生きられないのでしょどっせえーーい!」
食い気味襲撃! 酒瓶で古代兵器の頬を殴り飛ばし、無力化を図らん――! ふふふ、素直に応じないのなら転がる犠牲者が増えるだけである! 古代兵器もその一人にしてあげますわ、おほほほ!
「あお――ん! ねぇねぇねぇねぇキミ、Tマイナスなんだ!!
こういう時にかける言葉って確か……あ、そうそう! 『ざぁこ』だっけ?
やぁいざぁこざぁこボロ兵器♪ 百年たってもマイナスはマイナスー!」
『なんだと貴様――!!』
更に。続けざまに『狼殺し』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)は煽るものである! 古代兵器の拳が飛んでくるが、リコリスは華麗に躱して着地するものだよ。ふふ、なんたってボクの『( ‘ᾥ’ )』は65もあるからね!
『……だが他のが大分低いような』
「別にぴちぴちの17歳の体格が7、狼並の知能指数が5でも何も問題ないと思うんだ。
ボク分を弁えてるもんね! それよりもキミには身をもって――」
( ‘ᾥ’ )の威力を体感してもらうとしよう――
この日の為にリコリスは( ‘ᾥ’ )化の力を高め続けていた。
限界まで( ‘ᾥ’ )力を高め……そして全てを( ‘ᾥ’ )す( ‘ᾥ’ )の、( ‘ᾥ’ )による( ‘ᾥ’ )された( ‘ᾥ’ )攻撃は、( ‘ᾥ’ )を( ‘ᾥ’ )きながら( ‘ᾥ’ )力によってその威力を( ‘ᾥ’ )させ、( ‘ᾥ’ )を放ちながら真っ直ぐに敵へと( ‘ᾥ’ )し、着弾の瞬間、周囲に高( ‘ᾥ’ )の( ‘ᾥ’ )波をばら撒きながら( ‘ᾥ’ )状に( ‘ᾥ’ )っていくのだ――
『いやもう訳がわからな』
「考えるな! 感じろ! ほら、行くよ――!!」
( ‘ᾥ’ ) あたぁっ!
( ‘ᾥ’ ) あたぁっ!
( ‘ᾥ’ ) あたぁっ!
( ‘ᾥ’ ) あたぁっ!
( ‘ᾥ’ ) あたぁっ!
( ‘ᾥ’ ) あたぁっ!
( ‘ᾥ’ ) ほぉあたぁっっっ!!!
『ぐあああああ――! な、なんだこれは――!』
それは北斗( ‘ᾥ’ )連撃。あぁ。古代兵器の胸に( ‘ᾥ’ )が刻まれていく――!!
「……あっ! ヴァレーリヤさん、やめてくださいですの……!
こっそり、紛れて、わたくしを、酒の肴に供するのは……!」
「良いではありませんか減るモノではありませんし!」
「いやそれどう見ても減っている様な――ともかくいくよ、神気閃光!」
その隅で酔っぱらったヴァレーリヤがノリアを襲撃しているが、なにはともあれフォルトゥナリアは古代兵器へと立ち向かう――鉄帝人の皆さんに迷惑をかけて怖がらせたということでその恐怖を払拭する為にも。
「貴方には少し痛い目を見てもらうよ。覚悟してね!」
『ぬぐ! そんな表情筋や包容力程度で、この俺が……!』
「まだ分からないのかな――その重要性が!」
笑顔を作る表情筋とか、希望を伝える技術が人の心を落ち着けるのだと。
このまま貴方の暴走を見過ごせば――特に子供達なんかは投げ飛ばされて大怪我することもあり得る。そんな子達の不安を落ち着ける為にも様々な技能が必要なのだ……こういうことがあっても冷静さ保つ包容力も、ね!
「PMTCマン……Tがよわいなら、ぼくのこの、はやくていろんなことができそうな“T”だったもので、たたかわせてもらうよ!」
次いでリュコスもまたぽかぽかとした気持ちで攻め立てるものだ――
それはリュコスにとってのあたたかな心の証。
なんでもできそうな力をあたえてくれる心の根っことも言える……リュコスの象徴。
――まぁそれでPMTCバトルするんだけどね! ぽかぽかバトルだ!
『ぐぅ! おのれ、卑怯だぞ! 私の弱点をそんなぽかぽかで突いてくるとは……!』
「敵の弱き点を突くのは戦闘の常道ですよ――これだから能力値やレベルだけでは勝負は決まらないのです、いやほんとに。分かりますか?」
瑠璃は語る。そもそも、仕事を任せる上でより重要なのはステータスよりスキルですと。
より正確にはスキルの組み合わせで発生する相乗効果を高め、判定に使う副能力値を上げるのがよいと思います。私のような深く考えないでイメージと取得条件満たすだけでスキル取るのときちんと設計してあらゆるデータ使って完成に持ってくのとでは雲泥の差が出てしまうのですから実際大事だと思いますよ――分かりました?
『ちょっと待てィ! 今なんか大分メタ的な意見が出てこなかったか!?』
「さて――では本題ですが。私のは行(ぎょう)と呼ぶ忍びの修行法からとっております」
つまり。
威吹の行は呼吸法による心身強化。
麻飛びは有名な麻の苗を植えて毎日飛び越す有名なアレ。
克死の行はや拷問や誘惑への耐性。鋼割りの行は当身で鎧用の鋼板を割る――
まあ文字通りですねえ。
『……鎧用の鋼板を、割る? ヒッ! ま、待て……!』
「大丈夫。恐れないでください――一瞬で終わりますから」
まぁ数値の基準に関してはノーコメントなのだけれども、と。
瑠璃の一閃此処に穿つ。古代兵器を追い詰め、埋め戻してくれようかと――
さすれば。数多のPMTCにPMTCマンが押され始める。
「ニルは、おなかがすかないし、おいしいがわかりません」
そして。かの古代兵器にニルが、再度言を紡ぐ。
ねむくならないし、ゆめをみるってどんなかわかりません。
だから……しりたい、わかりたい。
――みなさまみたいになりたい。
「そうやって『あこがれ』ることで、できることが増えました」
『なに――あこがれる、事で?』
「はい。具体的には充填もいっぱいできるようになったので、フルルーンブラスターをとっても強くどーんってする事が出来るようになりました」
え、その方向!? 古代兵器が驚くが、しかし。
あたらしいものに触れて『そわそわ』するきもち。
しらないことを、しることができる『わくわく』
全部、『ふんわり』受け止めて。
――それがニルの性質。
示せと言われるなら、これがニルの今の精一杯。だから!
「だから――みせてあげます! たくさんたくさん想いを込めた全力を、えーい!!」
魔力を収束。穿ちて解き放つニルの全霊。
きっといつか手にする彼女の望みを求めて――未来へ紡がん。
『ぐ、ぐぉぉぉお!』
さすれば、古代兵器が……膝を着く。
イレギュラーズ達の圧倒的なPMTCに――押され果てたか。
「PMTCはみんなちがってみんないいんだ」
それはぼくもみんなも……そしてPMTCマンも。
リュコスは語る。今度はPMTCをだれかを傷つけるために使わないで……
「みとめるために、つかおう。きみにならそのちからがあるよ」
『なんと――この俺に――?』
( ‘ᾥ’ )あたぁっ! ( ‘ᾥ’ )あたぁっ! とリコリスが古代兵器の頭部に登ってぺしぺし叩いている。コラ! リコリス! 知能5は止めておきなさい!
ともあれ。古代兵器はその暴力を停止した様だ。これからこの古代兵器がどうなるかは分からない……鉄帝国が引き取ったりするのだろうか、と思っていれば。
「おほほほ、これで身代わりゲットでございますわ――! やりましたわね! これで酒場のツケを合法的に……あっあっ、えっ? どうして私を捕まえますの、放しなさい! マグロ漁船の時間? それにはこのロボットが……! 私には、ノリアの味がどのお魚に近いかを確かめるという重要な任務がありますのよ! だ、誰か! 誰か助けて下さいまし! ノリア! 私を見捨てるんですの!? 皆さん末代まで祟りますわよおお――!」
「ヴァレーリヤさん……お帰りを、心から、お待ちしておりますの……」
「全く。ヴァレーリヤさんはすぐに人身御供を作ろうとするんすから……どこに連れて行く気かと思ったっすよ」
ヴァレーリヤを迎えに来た黒服たちがいたので、ノリアはハンカチを振りながら見送った。レッドもまた吐息一つ零しながら、とにかく古代兵器に周辺住民と仲良くする様に言い聞かせんとする――
このような古代兵器が、鉄帝の地にはまだまだ眠っているのだろうか。
そんな想像もしながら面倒事が片付いた事を――素直に今は祝うとしようか。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!!
皆さん色んなPMTCがありますね……特化していたりバランスだったりと数値も様々。
ありがとうございました!!
GMコメント
●依頼達成条件
古代兵器をぶちのめす!
●シチュエーション
危険な古代兵器が突如として眠りから目覚め、暴れています!
皆さんには奴をぶちのめしてもらいます……が。奴はどうやら周辺の人間の主能力『PMTC』(フィジカル・メンタル・テクニック・キャパシティ)を測定する力を持っている様です。そんでもって無力な住民とかに対して滅茶滅茶マウント取ってくるみたいです。
ただ、同時に奴は敵のPMTCの数値や種類に激しく動揺を見せたりもするようです……! なぜかは分かりません。でもとにかく先日PMTCが特殊化(名前変更)可能になりましたし、今は特徴的なPMTCもあるかもしれませんね。皆さんは今シナリオ、PMTCで奴をぶん殴って(?)もらいます。
勿論別にPMTC特殊化してなくても問題ありません! フィジカルやテクニックの高さでぶん殴るとか、そういうのでもOKです! んっ。戦闘向きじゃない名前でも大丈夫かって? 大丈夫! 奴は怯むし、ぶん殴れる(?)よ!
あと、今シナリオはPMTCを主題にしているだけで、スキルなども使って攻撃して頂いて全然OKです! ていうかPMTCで攻めるってどういう事なんでしょうね。考えるな、感じろ!
●古代兵器『PMTCマン』
永い眠りから目覚めた古代兵器であり、暴走しています。
人間を見下し蹂躙せんとしている様です……撃破してください!
巨大な人型兵器でありその巨躯を活かして拳などを繰り出してきます……が、それ以上に自分のPMTCに謎の自信を持っておりソレで殴って(?)くるそうです。ちなみに奴のPMTCは以下な感じです。
P:『パワーこそが力』:結構数値が高めだよ!
M:『ねむいよー』:それなりに数値が高めだよ!
T:『裁縫技術』:かなり数値が低いよ! なんだったらマイナスだよ!
C:『信念』:結構数値が高めだよ!
●周辺住民
突如出現した古代兵器に恐怖しています。
でもバトルが始まったら鉄帝人らしく囃し立ててくるかもしれません。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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