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シナリオ詳細

夜を駆ける魔法少女 ~優しい夜は私たちが守る!~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●赤い聖人
 しんしんと雪が降る。尊き者にも、貧しき者にも、天からの贈り物は平等だ。
 これが降る頃になると年の暮れも近いというもので、さらに言うなればその手前にはシャイネンナハトが控えている。数年前に当代の幻想王が旅人の伝承を真似たとかで、『寝ている間に赤い聖人がプレゼントを置いていく』なんてこともあった。
 とある街を拠点としていた商人はそれを好機と捉え、また親である大人たちは「今年も良い子にしてたら来るよね!」と目を輝かせる子供達を前にして――お読みの皆さまはお気づきかもしれないが、親がこっそり子供へプレゼントを仕込んでおくという行事が広がりつつあるのである。
 もちろん貧困層はプレゼントを買うような余裕はないが、それでも一般家庭ではささやかな贈り物が用意されたりしているようだ。
「今年はどうしましょうか」
「ああ、そうだなぁ。去年は確か――」
 贈り物について、子供が寝静まった頃に大人が相談し合うのも丁度この時期。高価なものは買ってやれないが、それでも子供の喜ぶ顔が見られるようにと頭を捻るのである。

 今年も素敵なシャイネンナハトを迎える――その予定、なのだが。


●予定は未定って言うじゃないですか
「皆さん! 大変、大変なのです!!」
 その声は星降る夜もあと数日というところの深夜に大きく響いた。ローレットにいた面々が振り返ると『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が再び「大変なのです!」と叫ぶ。
「シャイネンナハトの為のプレゼントが、わるーい妖精に持っていかれてしまうのです!」
 曰く、子供の為にと売られている、或いは既に購入されてこっそり家で保管してあるプレゼントが突然浮き出し、一か所に向かって飛んで行ってしまったのだという。プレゼントの集められた場所にいる邪妖精は、こちらが近づこうとすると魔法で応戦してくるのだとか。
 まだ子供は眠っていて気づいていないが、ここで騒ぎを大きくすれば子供たちも起き出してしまうだろう。赤い聖人の夢を壊すのは本意でない――が、このままにしておくわけにもいかず、住民は丁度通りかかったユリーカを呼び止めて依頼したのだそうだ。
「シャイネンナハトに子供の悲しい顔なんて似合わないのです! 皆さん、ここはえいえいっとやっつけちゃってください!」
 シュッシュッとシャドーボクシングするユリーカ。彼女に頷いたイレギュラーズ数名は急いで支度をし、ローレットを飛び出していく。

 くだんの場所はローレットからさほど遠くない。そして事件になるほどプレゼントが集められている場所となれば、探すほどのものでもない。イレギュラーズたちは大量のプレゼントが集まる町の外れへと向かった。
「イレギュラーズ、気を付けてくれ! あいつはとんでもない魔法を繰り出すぞ!」
 邪妖精が移動しないかと見張ってくれていたらしき商人が言う。その足元でブヒブヒと……ブヒブヒ?
「ブゥー!!!」
「こいつは俺の仲間さ。あいつに近づいたら豚にされちまった!」
 怒れる豚と嘆く男。よくよく見渡してみれば様々な動物がいるようだった。どう考えても町の中に猿とかイノシシとか、あとよくわからない物体がいるのもおかしいだろう。さながら季節外れのファントムナイトだ。
 しかしだからと言って手をこまねいていてはイレギュラーズの来た意味がない。一同は動物へ変えられた人間を嗤う邪妖精へ対峙した。気付いた邪妖精が嫌そうに顔を顰める。
『マタ来タ。人間、懲リナイ!』
 その手のひらから発せられた光が逃げる間もなくイレギュラーズたちを包み込む。このままでは住民たちと同じように家畜同然の動物へ変わってしまうだろう。

 そうなる訳にはいかない。子供達のシャイネンナハトを――優しい夜を、悲しみで塗りつぶしてしまう訳にはいかない!

 イレギュラーズの想いが魔法に変化をもたらす。邪妖精が焦るような表情を浮かべたが、一度放った魔法を取り消すすべもない。
 光が収束した、そこに立っていたのは――。

GMコメント

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。

●魔法少女に変身だ!
 邪妖精が放った変身魔法は人を動物へと変えてしまうものでした。
 しかしイレギュラーズの強い想いが魔法を変質させ、味方につけたのです。イレギュラーズたちは特別な衣装を纏い、今だけの特殊な戦い方が出来るようになりました。
 衣装はどことなくファンシーだったりゴシックであったり、戦う時もエフェクトがそれらしく変化します。能力的な面では変身前と変わりません。
 尚、当方の過去作ではマスコットがつけられたりしましたが、今回はただの変身魔法なのでつきません。ご注意ください。
 リプレイでは変身シーンから始まります。

●フィールド
 深夜帯であり、場所によっては多少暗いでしょう。邪妖精の魔法に入らない位置であれば大人たちが灯りをつけているため、全く支障はありません。
 町の外れです。比較的広い場所なので動くのに支障はないでしょう。大人たちが周囲で見守っています。イレギュラーズたちが技名を叫びながら放つくらいは問題ないでしょうが、周囲の大人たちまで大きく声を出すようだと子供達が起きてしまうかもしれません。
 邪妖精の背後には沢山のプレゼントや、そうなる予定の商品が集められています。これは傷つけないように気を付けましょう。

●エネミー『邪妖精プーク』
 全長30cm程度、人間型で翅を生やしています。片言に喋れます。【飛行】を持ちます。
 近づくと変身魔法で動物に変えてしまったり、攻撃してきたりもします。人間の慌てる様は楽しいようですが、しつこいのは嫌いみたいです。
 ぶっちゃけ真面目に戦う様な内容じゃないので詳しい能力は書きません。皆様が格好良く可愛く華麗に戦えれば倒せる相手です。

●ご挨拶
 愁と申します。突然魔法少女ネタが降ってわいた。きっとそういう時期なんです。
 PC的には予想外の事態! 不可抗力! なので普段のPCならこんなことしないという方も是非。我こそはシャイネンナハトの夜を守る者! という魔法少女募集中です。
 どうぞよろしくお願い致します。

  • 夜を駆ける魔法少女 ~優しい夜は私たちが守る!~完了
  • GM名
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年12月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
ハイデマリー・フォン・ヴァイセンブルク(p3p000497)
キミと、手を繋ぐ
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
アクア・フィーリス(p3p006784)
妖怪奈落落とし
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
しにゃこ(p3p008456)
可愛いもの好き

リプレイ


 邪妖精の手のひらから放たれた光は一瞬にしてイレギュラーズたちを包み込む。それを見た住民たちはああ、と悲しみの声を上げた。
 イレギュラーズまでも動物にされてしまうのか。これでは打つ手なし、今年のプレゼントはどうしようも――。
 その時、光の中で1人が何かを掲げた。邪妖精から放たれたのと別の光を放ったそれと共に、彼女の姿が変わる。
「聖なる夜に、子供たちの笑顔を守るため! 魔法少女として戦います!」
 その身を包むのは緑を基調とした清楚でファンシーなワンピース衣装。ステッキを器用に回し、『木漏れ日の魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)はビシッ! と邪妖精を指す。
「木漏れ日の魔法少女リディア、ただいま参上!」
 魔法少女は逆境に負けなどしない。それに彼女は普段から魔法少女になっている者――すなわち、プロである。
 そう、偶然か必然か。この場には『魔法少女のプロ』と『偶然居合わせただけの素質を持つ者』が揃っているのである。
「――ピュアラブ リンカーネーション!! 愛聖天姫ピュアラブ☆テミア、降臨です☆ミ
 子供達を悲しませようとするなんて、私が許しません!!」
 衣装が光に溶け、代わりに青いフリルの衣装を纏った『愛聖天姫ピュアラブ☆テミア』アルテミア・フィルティス(p3p001981)ことピュアラブ☆テミア。ツインテを揺らし、決めポーズまでバッチリである。
「……って!! また!? またなの!? これで何度目なのよッ!!!!!」
 さて何度目でしょう。筆者も回数は覚えてないけどご縁がありますね。
「プレゼントを楽しみにする子供たちを悲しませるのは許しません!
 輝く夜に降りてきた一夜の奇跡! パンドラシフォリィ!」
 『白銀の戦乙女』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)ことパンドラシフォリィもピュアラブ☆テミアの横に並び立つ――が、すぐに我へ返り、邪妖精を軽くにらんだ。
「待ってください魔法少女に変化って何でですか!? 年齢考えさせてくださいよ確かに童顔かもしれませんが!!」
「シフォリィ、年齢のことはあのちょっと」
 鋭い突っ込みがアルt……ピュアラブ☆テミアに刺さる! 顔覆ってる!
 ちなみにピュアラブ☆テミアの方が僅かだけど年上。
 しれっとファミリアー志望みたいな兎が寄ってきたので遠慮なく使役し、パンドラシフォリィは「ああもう!」と吹っ切れた。
「なんであれともかく子供たちの笑顔もシャイネンナハトの夜も守ります! でも! でも!!」
 すごく、すごく物申したい。でもここで心のままに叫んだら子供が起きてしまうかもしれないので心の中で叫ぼう。

 魔法少女になる必要あるんですかーーーー!?!?!?!?

「魔法銃士マリー参上です。今宵はお静かに、ですよ?」
 リディア同様に自前変身でキメた『子供を救出する魔法少女』ハイデマリー・フォン・ヴァイセンブルク(p3p000497)はしぃ、と口元に指をあてウィンクひとつ。
(……どうしてこうなった)
 いや魔法少女と言えば軍属だし? 鉄帝の正規部隊だし? でもやっぱりどうしてここでの想いはぬぐえない。相方はどこにいますか。
「メイさんたちは魔法少女に不慣れでしょうか――」
 マリーは先輩魔法少女であるし、パンドラシフォリィ&ピュアラブ☆テミアの姫騎士コンビは経験豊富だから心配無用だろう。経験豊富だから。
 実際は恐らくピュアラブ☆テミアの方が経験豊富で、しかしどちらもその素質十分と言ったところだろうが――リディアは『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)たちの方を振り返る。ぱちっと目が合ったメイは目をキラキラとさせていて、しかしリディアが振り向いたことで自らも衣装が変わっていることに気付いたらしい。
 aPhoneを取り出し、ロックを解除してメモアプリを立ち上げ、内容を読み込んで閉じる。ここまで約0.1秒。くるりと一回転したメイはびしりと邪妖精を指さしポーズ! 『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)と『可愛いもの好き』しにゃこ(p3p008456)も両隣で合わせてびしっ!
「シャイネンナハトはボク達が守る! 魔法少女ミラクル☆ミルキィただいま参上!」
「美少女の笑顔を守るもの! 超絶美少女戦士しにゃこちゃんです☆」
「みんなをいじめる悪い子は、えーっと……魔法の力でテッケンせーさい! 魔法少女メイがおしおきなのですよ!!」
 3人の立ち姿にリディアが小さく拍手を送る。初めてなら十分な決め場である。
「まぁ美少女ですからね! 魔法少女になるのも当たり前かなーって!」
「こういうの結構楽しいね!」
 決めポーズを終えたしにゃことミラクル☆ミルキィが、キャッキャとお互いの服可愛い〜! ってはしゃいでいる。けれどふとしにゃこが真面目な顔をした。
「でも、15歳で魔法少女はちょっとアレですかね……? ニチアサ枠じゃなくて深夜枠ってことならOK?」
「大丈夫! いくつになっても女の子は魔法少女だよ!」
 そっかぁ〜! と和む2人。しにゃこの『20歳超えてると……ちょっと、オトナムケって感じがしますね』という言葉は胸の中にしまわれた。いくつになっても魔法少女でいいじゃない。オトナムケだけど。
「さあ! みんなを困らせる悪戯邪妖精をやっつけちゃうぞー☆」
「うん…… せっかくの、シャイネンナハトに、子供たちが、悲しむのは、困る……の」
 ミラクル☆ミルキィの言葉に『憎悪の澱』アクア・フィーリス(p3p006784)も頷く。ゴシックロリータな衣装に身を包んだ彼女は邪妖精を睨みつけた。
 まだイタズラをするというのなら許す気はない。動物に変えた人たちも元に――。
「うーん……どうしよう?」
 何故か戻すのを躊躇うアクア。だって彼女の視界にはたくさんのモフモフが映っているのだ。最終的には元に戻してもらった方が良いのだろうけれど、でも少しくらいモフりたい。どうしたら良いのだろうか。
 仲間へ話を振ろうとしたアクアは、彼女らの衣装が変わっていることに気づく。ふりふりしていて可愛らしい。
「アクアさんも魔法少女ですよ!」
「わたし、も?」
 笑顔で説明するリディアに目を瞬かせ・自身の姿を見下ろしてみる。赤を差し色にしたゴシックロリータ。頭には薔薇のコサージュが乗ったミニハットを被っていた。
 くるりと回れば裾がふわりと広がる。あ、楽しい。可愛くてちょっといいかも。
『ドウシテ、動物、ナラナイ?』
 顔をあげれば、邪妖精が不機嫌そうな顔でイレギュラーズたち、否、魔法少女たちを見下ろしている。
「「こっちが聞きたいんですけど!?」」
 姫騎士2人が声をあげる傍ら、リディアはまっすぐ邪妖精を見上げる。
「聞かせてください。なぜプレゼントを持っていこうとしたんですか?」
『プレゼント、ナイ、慌テル、楽シイ』
 どうやら住民たちの慌てふためく姿を楽しんでいたらしい。住民にとっては迷惑なことだが、それなら目的は達せられたのではないだろうか。
「それならプレゼントを返して、かけた魔法を戻してください。十分楽しんだでしょう」
『ヤダ!』
 だだっ子か? と思うような返事と共につーんとそっぽを向く妖精。今なら多目に見てもらえると言っても聞きやしない。
『全部、全部、ヒトリジメ! キシシシシ!』
「むむむ、物質(ものじち)なんて卑怯だぞー!」
 プレゼントの山を背にする邪妖精にミラクル☆ミルキィがまなじりを釣り上げる。これでは必殺技も使えない。
「まずは同じ場所に立つことからです!」
「空を飛べるのはあなただけではありませんよ!」
 メイとしにゃこはキラキラとしたエフェクトを撒きながら空へ浮き上がる。近づく2人を避ける邪妖精にアクアは手のひらを向けた。
(とりあえず、邪妖精は倒さないと)
 悪戯に時間を掛ければ子供たちも起きてしまう。いつものように伸ばそうとした影の手は黒いイバラへと変化し、邪妖精を絡めとる。
「仕方ありません、このまま戦ってやりますよ……!」
 パンドラシフォリィは杖を握り、邪妖精を見上げる。嗚呼、私の剣は一体どこへ。
「でも戦い方は変わりません!」
 ふわりと跳躍し、舞い散る花弁のエフェクトとともに杖から攻撃を放つパンドラシフォリィ。その後ろで兎が《マジカルトライデント》とテロップを運んでくる。
 その攻撃へ被せるよう、ハイデマリーは魔法の驟雨を降り注がせる。さながらそれはシャイネンナハトのように鮮やかに、煌びやかに。雨の間を縫うように双炎の翼が広げられ、蝶のように魔法少女が舞った。
「ピュアラブ☆ストラッシュ!」
 彼女から放たれた攻撃は邪妖精の頭上より降る。逃げるように地上へ降りていく様を見下ろしていたピュアラブ☆テミアはこちらを見上げる住民たちに気づいた。
(私の舞っている姿に見惚れているだけよね?)
 同時にしにゃこもハッとする。
(この暗さですし、下からなんて覗けませんよね!?)
 その答えはわからないが――見えないのもそれはそらで、妄想が捗るものである。

「飛んで逃げようとしたってそうはいかないよ! この魂の輝きで悪しき力を打ち砕け――ソウルストライク!」
 ミラクル☆ミルキィの放った光に続き、ハイデマリーの力でシャイネンナハトらしいエフェクトや飾りが邪妖精へ飛んでいく。それに混じって放たれた闇のエフェクトは夜空のようだ。
 しかし、反撃するかと思われた邪妖精の様子にピュアラブ☆テミアはハッとして駆け出した。
「させないわ!」
 プレゼントと邪妖精の間に滑り込むピュアラブ☆テミア。邪妖精の攻撃をいなし反撃する。
「これは子供達のために用意された、愛情のこもった大切な贈り物。絶対に壊させはしません!」
「あなたが狙うべきはこちらです! 聖なる夜の星々よ、瞬き煌き敵を撃て!」
 リディアのリリカルスターが邪妖精を翻弄し、パンドラシフォリィがシャイニングブレイカーを放つ。兎がテロップをぴょこり。
「……ってウサギさんがなんかテロップわざわざ用意してくれてるんですけども! どこから用意してるんですか!?」
 さて、どこだろう。見やれば兎はかくりと首を傾げたのだった。
「さあいっきますよー! ニャコニウム――ショット!」
 しにゃこのスカートがひらりと舞い、魔力弾が放たれる。可愛らしいエフェクトと共に放たれたそれはまっすぐに邪妖精へ向かっていく。その頭上へ大きく飛び上がったメイは星を撒き散らしながら回し蹴る。
「これがメイの必殺魔法(物理)なのですよ!」
「言い訳、無用……ダークネス★フルルーン、パンチ!」
 アクアに闇魔法の力が宿り、邪妖精にダメージを食らわせる。
(自分のためだけに、みんなを困らせるやつは……ゆるさない!)
「あっこれクライマックスですか!? クライマックスですね!? トドメですね!!」
「ええ、畳みかけましょう! 暖かき光、陽だまりよ。閃光となりて邪を祓え。陽だまりのシャインイエロー!」
 しにゃことリディアに続き、パンドラシフォリィも続く。大仰なエフェクトと共にピュアラブ☆テミアが飛び込む。
「プレゼントを返しなさい! ピュアラブ☆パニッシャー!」
 最後だとハイデマリーが構える。フィナーレとなればド派手に行きたいところだが、子供たちを起こすわけにもいかない。
「3.2.1――フィナーレ♪」
 小さく響くそれに、邪妖精は心底悔しそうな顔をして。しかし形取るほどの力は残らず、輪郭を霧散させながらどこかへ逃げていった。


「これで一件落着です!」
「はい! 愛と美少女は必ず勝つのです☆」
 パンドラシフォリィとしにゃこ、そしてミラクル☆ミルキィがポーズを決める。
「子供達が楽しみにしてるシャイネンナハトも、プレゼントも守られたね!」
 ミラクル☆ミルキィの視線の先では、邪妖精がいなくなったためにプレゼントへ群がる大人たちの姿があった。先程より人数が多く見えるのは、動物にされていた者が元に戻ったからだろう。
「それではしにゃはこれで! 輝かんばかりのこの夜に!」
 住民たちに投げキッスを飛ばしてどこかへ飛んでいくしにゃこ。ミラクル☆ミルキィは彼女の言葉にハッとする。
「そうだ! ボクも戻ってシャイネンナハト用のケーキ作りしなくっちゃ!」
 もういいんだよね? とミラクル☆ミルキィはきょろきょろする。そこに見えたのは真っ白に燃え尽きたピュアラブ☆テミア。パンドラシフォリィが名を呼んで譲ってるが反応はない。
「プレゼント、無事なの、良かった……」
 アクアはプレゼントを回収していく大人たちの姿にホッと胸を撫で下ろす。動物たちをなでなでモフモフできなかったのか心残りだが、シャイネンナハトが無事迎えられるのだから目を瞑ろう。
 小さな物音を聞いたハイデマリーは振り返り、小さな子供の姿を認めるとさっと近寄る。そうしてプレゼントを回収する大人の姿を隠したのだ。
「まだ夜も遅い時間、もう少し寝るであります。この時間に起きていたら『良い子』にはなれませんよ」
 まだふわふわ夢見心地な子供は、ハイデマリーの言葉にこくりと頷いて踵を返す。これで良し。
「はっ。メイも帰らなきゃいけないのです! 今年こそはサンタさんを見るのですよ!」
 急がなければサンタさんが来た後かもしれない。いや、ベッドにメイがいないからプレゼントをくれないかもしれない!
「みなさんそれでは――輝かんばかりの、この夜に!」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

アルテミア・フィルティス(p3p001981)[重傷]
銀青の戦乙女

あとがき

 お疲れ様でした、イレギュラーズ。
 無事にプレゼントは子供達の元へ届いたでしょう。

 それでは、またのご縁をお待ちしております。

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