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シナリオ詳細

力こそが正義であるならば

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●とある夜に
 鉄帝は力こそ全てといったような面がある。
 勿論それがあらゆる事に優先するわけではない。
 しかし、力があれば手に入るものが多いのも事実だ。
 そのお国柄、かのラド・バウには遠く及ばずとも闘技場の類が山のように存在している。
 合法、違法、グレーゾーン。様々だが、共通するのは力こそ正義といった点だ。
 ……勿論、闘技場そのものも力を問われる。
 力が足りなければ潰される。それもまた鉄帝の日常であり、誰も気にすることはない。
 しかし、その気にしない部分に潜む闇が……人に牙を剥くことがある。
 たとえば、今日この夜。
 酔っぱらって歩く、地元の闘技場の闘士がいた。
 男はかなり強く、ラド・バウに行っても……実際にどうであるかはさておいて、活躍できるのではないかと誉めそやされるような男であった。
 繰り返すが実際にどうであるかはさておいて、そう言われるくらいには男も自分が強いという自覚はあった。
 だからこそ、今日この夜。目の前にボロボロのローブを被った男がフラフラと歩いてきても、何も気にしなかった。
「ああん? なんだお前」
「……お前は、強いか」
 その問いかけに、男は笑う。地元で有名な自分を知らない者がいるとは思わなかったのだ。
「あったりめえだろうが! 俺を誰だと思ってやがる!」
「そうか。お前は、強いか」
 ローブの中で、筋肉が肥大化する。
 男の姿が2倍、3倍に膨れ上がって。
「……は?」
「なら、ぶつけあうとしよう。正義を」
 ゴウ、と拳が振るわれて。
 男は潰れたトマトのように地面に叩きつけられる。
「ひ、ヒイイイイイ!」
 その姿を見ていた別の男が逃げようとして……しかし、一瞬で回り込まれる。
「お前は、強いか」
「弱いです、弱いですウウウウウ!」
「そうか。お前は悪だな」
 ゴシャリ、と。潰れたトマトがもう1つ出来上がった。

●撲殺事件の調査
「事件の調査をお願いしたいです」
 チーサはそう言うと、今回の事件の概要を説明し始める。
 エルム虐殺事件。それが今回の事件の名前だ。
 エルムという名前の街で、一夜にして街の住人のうち30人以上が殺されたという。
 殺されたのは主に酔っ払いたちだが、その中にはエルムの闘技場でそれなりに名の売れている闘士も混ざっていた。
 しかし、どの被害者も一撃で……それも恐らく、素手で殺されている。
 現場の状況から圧倒的な力を持っていると思われるが、その詳細は不明。
「それと……地元の闘技場で翌日、闘技場のリングが地面ごと大きく抉れているのが確認されたです」
 闘技場のリングの下には適当な縁起付けに古代文明の用途不明の腕輪やローブを埋めていたようだが……それが無くなっているという話もある。
「なんらかの関係がある可能性は非常に高いです。そう、それこそ相手は人間じゃねーかもしれねーです」
 闘技場のリングもその下の地面も、無数の血を吸い込んだ場所だ。
 それが原因で古代文明の遺産が起動した可能性も充分にあるだろう。
「エルムの街には今噂が広がっているですが……それでも夜に出歩く奴もいるかもしれないです」
 そもそも、件の怪人が昼間に大人しくしている理由も不明だし、何処に潜んでいるのかもわからない。
 古代文明の力によるものだとすれば探すのは困難だろうが、昼間に準備をすることで夜に万全の態勢で迎え撃つこともできるだろう。
「長引けば長引くほど被害者が増えるです。よろしくお願いするです」

GMコメント

仮名称:エルム街の怪人を倒しましょう。
昼間はローブの効果で「存在自体が消えている」ようです。
見つけるのは不可能でしょうが、怪人も行動不能状態にあります。
この間に、迎え撃つための状況を整えることができます。
怪人も「聞こえている」し「見えている」ので、それを前提としたおびき寄せが出来るでしょう。
なお、何かの制約があるのか街の外へは出てきません。

●エルム街の怪人
初期状態は全長1.7Mほど。全長3Mに肥大化します。
筋肉の塊というか筋肉お化けのような見た目です。
圧倒的パワーによる格闘技が攻撃手段です。
通常の「物理拳」と赤いオーラを纏う「神秘拳」、一気に距離を詰める「瞬歩」を使い分けてきます。
フィジカルお化けですので、正面から相対する人は相応の覚悟も必要と思われます。

迎え撃つ場所の候補ですが「広場」「闘技場」「路地裏」「大通り」などを選べます。
街の外へは出てこないようなので、こうした広い場所におびき寄せる策が必要そうです。
なお、選んだ場所は高い確率でボロボロになるでしょう。
この辺り、事前の交渉が重要です。

なお怪人を倒した後、古代文明の遺産はボロボロに崩れ去ります。
周囲の価値観を吸収して疑似肉体を形成する「木偶の腕輪」と昼に存在消失する代わりに夜に行動力が上昇する「夜のローブ」が暴走したのが今回の顛末であるようです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 力こそが正義であるならば完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年11月27日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
エステル(p3p007981)
天城・幽我(p3p009407)
孔雀劫火
フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)
挫けぬ笑顔
耀 英司(p3p009524)
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ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

リプレイ

●鉄帝・昼・探索
「力こそ正義って……どこの頭ノルダインなのだ……」
 ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)のそんな台詞が響く。
「正直、こういう悪戯に死者を増やすような奴はヘルちゃん大嫌いだし許せねーのだ! 遺物だか何だか知らねーけどヘルちゃん達でぶちのめしてやるのだ!」
 怒るヘルミーネだが、それも当然だろう。
 古代文明の遺物の暴走と、それによる連続殺人事件。控えめに言っても、あまり良いものではない。
 だからこそ、各自それぞれの方法で情報収集を含む行動を開始していたが……ヘルミーネの場合は霊術士として犠牲者たちに話を聞くというものだった。
 何しろ今回の犠牲者は一夜にして30人超えだ。生者に聞くよりも更に多くの濃い情報を得られる可能性は充分すぎるほどにあった。
 だからこそヘルミーネは事件現場を回って犠牲者達の霊に今回の犯人の情報提供を呼び掛けていた。
 具体的には容姿や分かる範囲での実力などの情報についてだが……。
「教えてくれたら情報提供のお礼に必ず怪人を倒す事、そして全部終わったら成仏させる事を約束するのだ!」
「まあ、教えるくらい別に構わないが……」
 流石に死ねばもう怖いものは無いということなのか、犠牲者の霊たちは自分の知っていることをペラペラとヘルミーネに教えてくれる。
 外見、自分が如何に殺されたか……実力というかパワーが彼等とは隔絶しすぎているということは聞く者全ての情報で一致していた。
 ……そしてそれとは別にヘルミーネは夜に囮を務める『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)の情報も拡散していた。
(相手が昼に何してるか知らねーけど強者を探してるならその「強者の情報」を与えてやれば少なくとも夜に一般人が狙われる可能性が減るのだ……ルクトちゃんの危険性が増すけど…そこはルクトちゃんを信じるのだ!)
 そんな信頼を受けているルクトは、街中で生きている人間相手に情報を収集していた。
(……遺物がどうとか、というのは正直私は興味ないが。一般人に被害が出ているのはいただけないな)
 その一般人の間でも少なくともそれなりの話題にはなっている筈だとルクトは判断していたし、事実エルム街の怪人の話はその真偽はさておき相当大きな噂になっていた。
 そして、そんな噂話でも何でも、情報を集めるのが優先事項だろうと判断していた。
(……外見の情報には期待できないだろうが、そこは仕方が無いな。まあ、ヘルミーネがやってくれるだろう)
 霊相手に情報を集めているヘルミーネに期待しながらも、ルクトは情報を集めていく。
 何処で事件が起こった、共通点はどうだと無責任な噂も集めながら一言加えておくのも忘れない。
 くれぐれも。どんな音が鳴ったとしても外に出ないように。
 その言葉がどの程度彼等の心に響くかは未知数だが、何も言わないよりは大分マシだ。
「あとはそうだな。街の造りをしっかり頭に叩き込む必要があるか……」
(移動する経路は特に重要だ、先回りされる事も考慮して、それと極力一般人が通らないルートを幾つか考えておくのがいいな)
 そうしている間にも、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)が町中を回ってエルム街の怪人へと呼びかけていた。
「強い相手を求めているのなら今晩闘技場に来なさい! 望みの相手と戦えるでしょう!」
 こちらから視認できずとも、向こうにこちらの言葉は聞こえている。
 だからこそ、オリーブは挑発するかのように呼びかけを続けていく。
 一夜で30人も襲うほどにアクティブな怪人だ。こうすれば必ず闘技場に来るだろうと、そうオリーブは考えていた。
 向こうから来てくれるのであればルクトの危険性もだいぶ減る。
 そう考えての行動だったが……今「闘技場」とオリーブが言ったように、闘技場でエルム街の怪人を迎え撃つべく『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)、エステル(p3p007981)、『孔雀劫火』天城・幽我(p3p009407)、『空に願う』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)、『怪人暗黒騎士』耀 英司(p3p009524)の5人は闘技場に向かいオーナーと交渉していた。
 交渉のメインはフォルトゥナリアであり、何処までやっていいかも含め交渉を続けていた。
「しかしなあ、そんな化け物を引き入れるというのは……」
「でも殺人が続けば人が出歩かなくなったり、闘士が殺害されて興行が成り立たなくなる可能性が高いと思われる……そうだよね?」
「まあ、な……」
 出会えば殺される。花形選手になりそうだった闘士が殺されたこともあってか、それを言われるとオーナーとしても考えてしまうようだ。
「それに……これは殺害された闘士の弔い合戦になるし、闘士を殺す程の犯人を倒した闘技場となれば今後の宣伝材料として使える可能性があるよね」
 勿論倒すのは私たちがやるよ、と言えばオーナーは「うーむ」と唸る。
「闘技場の被害の修繕に関しては当然私達も手伝うしね」
「だからまあ、闘技場内に罠をいくつか設置する許可がほしいんだがな」
 バクルドがそう言えば、オーナーは悩んだ後に「まあ……仕方ないな」と頷く。
 彼としてもやらざるを得ない事だと理解しているのだろう。
「おお、そうか。見取り図があればそれを参照して効率的な罠設置ができるはずだ、ついでにシャベルも借りていくぞ」
「まあ、いいが……」
「なーに、戦闘が終わったら修復の手伝いぐらいしてやる」
「というか穴は埋めろよ?」
 意気揚々と落とし穴用の穴を掘りに行くバクルドにオーナーが釘をさすが、まあこれで許可は取れたと考えて良いだろう。
「放浪してると大事件が起きてる街だと陰気な空気が漂うしうまい飯にもありつけねえことがあるもんだ。それを何とかするために正式に依頼があってとっちめられるんなら言うことはねぇな」
 そんな事を言いながらバクルドは落とし穴を仕掛けていく。
 穴にはロープを張り巡らせて一度落ちたら抜け出すのを困難にして動きをしばらくの間……まあ、筋力を考えれば秒レベルで止まれば御の字かもしれないが、それでも相当に大きい。
「力が正義かと問われれば否と答える他はなく、しかし正義には力が必要なことも事実です。力が志を歪めたのなら、やるせないですね」
「力自体を否定はしねえが……な」
 エステルと英司は言いながら穴を掘るのを手伝い、幽我は見取り図を見て内部構造を把握していく。
「それにしても遺産の起動が関係しているって、何も措置を取ってなかったってこと……かな? この騒動が終わったら、一度専門家とかに見てもらってちゃんとした安置方法を教えてもらった方がいいんじゃ……まあ、全部事件を解決してからだけど」
「そうだな。まずは倒す。話はそれからだ」
 英司は、力を“護る為”に使うと決めており、自分に備わっているのはその力であればいいと考えている。
 価値観は、表には出さないものの、“誰もが笑顔で平和に過ごす事”を至上としているのだ。
 しかし、力とは壊すものである事も、そのように使っている事も理解している。
 正義とは見方次第で変わる事も。
 鉄帝という国が、そういう側面が非常に強い国であることも。
 故に、今は正義を掲げない。否定もしない。
 相手の力の価値観を否定せず、護る為に力を使い、打ち破る。
 それが今の……英司の、やるべきことであると信じるからこそ。

●鉄帝・夜・迎撃
 夜。ルクトは囮として街を歩いていた。
 昼間の間に聞いた情報を元に、被害の痕跡が多かったエリアを1人で歩くのは危険としか言いようがない。
 しかし、闘技場までのおびき寄せが私のメインの仕事だとルクトはそれを躊躇わない。
 そして……予想通りにそれは現れた。
 ルクトの目の前に、ぬっとその巨体を現わして。
「……お前は、強いか」
「私は強者とは言い難い……が、お前よりは腕は立つ」
「そうか。なら、正義を確かめよう」
 今までのどのパターンとも違う返答。しかしどうなるかは分かっている。
 ルクトはスラスターを吹かせ、低空飛行を行いつつ、怪人を誘導するべく闘技場へと向かう。
 ドゴオン、と響く爆発音は、それが拳によるただの打撃とはにわかに信じがたい。
 アーリーデイズを使用しながら、少しでもダメージを減らせればとルクトは思いながらも飛ぶ。
「……最悪、手足数本なら壊れても飛べる。戦闘を視野に入れるなら腕の一本残ってれば問題はない」
 命がけの鬼ごっこは、やがてエルム街の怪人を見事に闘技場へとおびき寄せる。
 暗い夜の闘技場は発光したフォルトゥナリアによって明るく照らされて、ヘルミーネのバーストストリームが放たれる。
 その怪人の姿を見て、エステルはエルム街の怪人に関する予想を修正する。
 最近戦績が不調で姿を見なくなった闘士……そんな可能性も考えていた。
 しかし、これは……明らかに人間ではない。だが、場所を考えればあるいは。
「強さを求めて……いえ、どちらかといえば試して? 何がしたいのですか?」
 だからこそ、エステルはそう問いかけてみる。
「貴方を歪めたのはその遺物ですか? それとも、力及ばずに何かを失いましたか……?」
 会話が出来るのであれば、声も届くかもしれない。
「遺物の力で強さを得ても、それでは、それだけでは真の強さには至れないことに気付かないのですか」
 そんなエステルの問いに、怪人は答える。
「ならば、それが正義であると示すがいい」
 やはり、届かない。その事実がエステルには悲しい。
 力は正義ではないと、そう信じるが故に。
 エステルは力によって故郷を失った。
 それは災害だったと伝わっているが、現場にいた者は真実を知っている。
 力をみだりに振るう、正義を騙る者は許せないとエステルは思う。
 ゆえにエステルは断じるのだ、力は正義ではないと。
「少なくともヘルちゃんが貴様よりも速いのだ! ざぁーこ♪」
 ヘルミーネが怪人を落とし穴に嵌めるために早速挑発をしているが……英司もまた、その瞬間に向けて精神を高めていく。
(普通、犯罪者は大体自分より弱いヤツを狙う。だがコイツは違う。無差別だ。まるで何かを見せつけるかのように。自己顕示欲か。プライドか。研鑽の確認か。それとも。お前の、強さの意味は)
 先程のエステルとの問答で、怪人が力以外の価値観を見出していないのは分かっている。
 だから、怪人を名乗る英司が言うべきことはこれだけだ。
「力が正義だと言うのなら。その力はどこから湧き出る……俺は分からねぇ。だが、こうであって欲しいと思う理由はある。さぁ、怪人同士、力比べと行こうじゃねぇか!」
 英司が迎え撃つ姿勢で走れば、怪人も同様に英司に向かい……そのまま、落とし穴に落ちる。まさに計算通りだ。
 すぐに何もかもぶち破って怪人が上がってくるが、そこに英司がガッツリと組む。
「ちっ、とんでもねえ力だ……!」
「少しでも早く終わらせないとね!」
 幽我が魔曲・四重奏を放ち、素早く移動していく。
 この場にバクルドが設置した罠の位置は全て分かっている。
 幽我は手早く位置を移動しながら様々な角度から主に脚を狙って攻撃を仕掛けていく。
「怪人とはいえ人の形なら弁慶の泣き所はあるでしょ? 怪人も泣くかはわからないけど」
「個の強さは団結の力に負けるものです。私たちは、強いですよ」
「お前が何のために力こそ正義を示してるかは知らねーけど、力……強さだけが正義じゃないのだ! このチームワーク……絆こそ正義なのだ!」
 エステルのファントムレイザーが炸裂し、ヘルミーネが氷結死世界を展開する。
 何やらヘルミーネが「今、ヘルちゃんいいこと言ったのだ! 褒めてくれてもいいのだぞ!」と言っているが、それはさておいて。
 フォルトゥナリアの神気閃光が放たれ、飛翔していたルクトの多目的炸裂弾頭「MRBL」が叩き込まれていく。
「たとえ力で及ばずとも、これだけ下準備が出来ていれば……!」
 オリーブの覇竜穿撃が怪人を貫き、バクルドのハニーコムガトリングが弾幕を張る。
 やがて英司が大きく吹っ飛ばされながらも立ち上がり……しかし、怪人の姿もすでにボロボロで。
 エステルは力に踊らされた者への哀愁を込め、赤い回路を顔に浮かべて一撃を放つ。
 それは、怪人を撃ち抜き……その姿を、壊れた遺物と土の塊へと変える。
「……歪む程度の正義なら、最初から力は正義ではないのでしょうね」
 そう呟くが……きっと、この問題は永遠に決着がつかないのだろう。
「……彼らの死出の旅路が安らかであらん事を」
 怪人の被害者の霊を成仏させる仕事の残っているヘルミーネが、そう呟いて。
 幽我も専門家周りの諸々の提案を街の人にして、その後犠牲者のお墓参りをしてから帰るかな……などと言いながら空を見上げる。
 今日一番ボロボロになったルクトも他に何か危険なモノがないか調べようかと考えていたし、バクルトもまずは後片付けからとシャベルを背負う。
 戦いは終わった。犠牲者の霊もこの後、しっかりと成仏するだろう。
 正義と力を同列視した怪人の事件も終わって……鉄帝に、新しい朝が来ようとしていた。
 それは凄惨なこの事件の、終わりの合図でもあった。

成否

成功

MVP

ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム(p3p010212)
凶狼

状態異常

ルクト・ナード(p3p007354)[重傷]
蒼空の眼

あとがき

コングラチュレーション!
エルム街の怪人の事件を解決しました!

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