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シナリオ詳細

再現性東京2010:紅葉映す滝壺の下

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:紅葉映す滝壺の下
 冬の気配が近づきつつある、再現性東京。
 都心よりかなり離れた所では、ちょっと遅めの紅葉が、今見頃となっている。
 見頃の紅葉は人々を楽しませるに丁度良いもの。
『……うわぁ……凄い……』
『そうだなぁ……こんな所に、こんな見事な景色があるなんて……な」
 半ば言葉を失っているのは、登山服に身を包んだカップル。
 目の前には、落差数十メートルという瀧が、ドドドドとけたたましい音を立てて流れている。
 そんな瀧を彩るかの如く、その周りには真っ赤に色付いた紅葉の景色が広がっている。
『山の中だから、あんまり人が来る事も無いし……うん、こういう風景を二人で見るのもいいよね……』
 ニコッ、と微笑む傍らの女に対し、男は完全に紅葉に気を取られている。
 ……暫くして。
『ねえ……そろそろ帰らない?』
 と女が手を引くが、男はああ、と生返事を返すのみ。
 ……そんな男が気を取られていると……突然空が暗雲に包まれ、途端に雨が降り始める。
 突然の雨に慌てる二人だが……そんな彼らの元へ、瀧の上から何者かの影が飛来。
『え……?』
 その影に気付いた二人がその影を愛で追いかけると……段々と二人の元へ近づいてくるその影。
『うわ、何か来たっ……! ぐ……!?』
 その影が地上に降り立つと共に、男から迸るのは……血飛沫。
『え……!?』
 突然の事に呆然としている彼女だが、すぐにその影は彼女へと覆い被さり、その首を一薙ぎで吹き飛ばしていくのであった。


「さぁさ、怪談話の時間だよー! みんなみんな、なじみさんの元に集まってー!」
 と、まるでバナナのたたき売りが如く、カフェ・ローレットに居る皆へと声を掛けていく綾敷・なじみ。
 いつもの彼女と変わらない所ではあるけれど、こういう時は何らか押しつけ……いや、依頼されるというのが定石ではある。
 でもまぁ、仕方ないからやってやるか、とその声に応じた君達を集めたなじみが。
「いやー、みんななら来てくれると思ってたんだー! それじゃぁさ、みんな、ちょっと山登りを御願いしたいんだけどね?」
 突然の言葉に首を傾げる君達だが、彼女が次に見せたのは映像。
 ……その映像に写っていたのは、紅く色付いた紅葉と、飛沫を上げる瀧の雄大な景色。
「綺麗な瀧と紅葉だよねー……でも、ここにどうやら悪性怪異:夜妖が現れちゃったみたいなのさ」
「この夜妖、時間帯に関係無く姿を表す、ちょっと珍しいタイプの夜妖なんだけどね? その出る時には決まってこの辺りに大雨が降るって話なんだ。天候に影響を与えるタイプの夜妖……って感じなのかもねー?」
「この夜妖によって、既に何人もの被害が出てしまっている様なんだよねー……折角の紅葉だし、ここを訪れる人はまだまだ来ると思うんだ。だから、今の内にさっさと対処してきて欲しい、って訳!」
「ちなみに夜妖は自由自在に飛び回ることが出来て、かなり素早い夜妖らしいんだ。その動きに惑わされる事無く、しっかりと夜妖を退治してきてねー! あ、勿論終わった後、紅葉を楽しんできてくれて良いから! お土産話、楽しみにしてるよー!」
 ニコッと微笑みながら、なじみは皆を送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 結局今年は紅葉を見に行く事は出来ませんでした……。

●成功条件
 紅葉が素晴らしい滝壺に現れる夜妖を退治する事です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 夜妖が出現する直前に、この瀧の周囲は必ず大雨に見舞われます。
 なので、周りの天候は『大雨』で、足元がかなり滑りやすい状態になりますので、足元にはご注意下さい。
 勿論大雨の為、昼の時間帯であっても周囲は薄暗くなります……その薄暗闇を夜妖達は利用している様です。
 瀧の高さは60m程で、敵出現時はその滝上から飛行、降下しながらの攻撃となり、先制攻撃を仕掛けてきますので、その対処は必要でしょう。
 
 また滝壺が戦闘エリアとなる為、周囲は瀧の落差から立ち上る水飛沫がかなり凄い状態です。
 それ故仲間達に伝達する行動で、音を介する者は全て聞こえづらいので、意思疎通がかなり難しい状況ですので、音を介さない伝達方法や作戦を考える用に為て下さい。

●討伐目標
・首狩り好きな夜妖『鴉天狗』 x 5体
  背中に翼を生やした夜妖です。
  天候を操作し、周囲を悪天候に変える事で足元を滑りやすくした上で、ヒットアンドアウェイの攻撃を行い首を一思いに一閃し刎ね飛ばす事を至高の快楽としている者達です。
  反応速度が素早く、その手の首狩り刀による攻撃(近接範囲・攻撃力高いがBS無し)と、手を空に掲げることで指定した地点に落雷させる(遠距離範囲・BS痺れ)の能力を持ちます。

・鴉天狗の配下『闇鳶』 x 10体
  烏天狗によって使役される、影が具現化した形で動き回る鳥です。
  闇鳶たちは、烏天狗に指示された相手を次々と攻撃する事しかしません。回避行動も取りません。
  常に攻撃集中で攻撃為てくる相手、となります。
  攻撃対象は単体のみですが、体力はまあまあある様なので、ご注意下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:紅葉映す滝壺の下完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年12月03日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士
カレン・クルーツォ(p3p002272)
夜明けの蝶
ライハ・ネーゼス(p3p004933)
トルバドール
河鳲 響子(p3p006543)
天を駆ける狗
暁 無黒(p3p009772)
No.696
フレデリーチェ(p3p010205)
新たな可能性
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
タナトス・ディーラー

リプレイ

●紅く色付く
 冬の気配が近づきつつある、再現性東京の都心から少し離れた山の中。
 少し遅めに色付いた紅葉は人々の生活に彩りを与え、自然を愛でる気持ちを育む。
 そして、今回イレギュラーズ達が集められたのは、紅葉を楽しむため……ではなく、この紅葉を見に来た一般人達の救出と、それに襲い掛かる夜妖達を退治してきて欲しい……というもの。
「やれやれ……美しい紅葉が見れるかと思いきや、夜妖とは。これでは折角の絶景も台無しではないか……全く……」
 と肩を竦め溜息を吐く、『トルバドール』ライハ・ネーゼス(p3p004933)。
 そんな彼に、『天狗』河鳲 響子(p3p006543)と『No.696』暁 無黒(p3p009772)も。
「ええ。せっかくの紅葉の景色を血に染めるとは……とんだ輩が居たものですね」
「そうっすよ! お花見に続いて紅葉狩りまでも邪魔するとは、まったく年がら年中はた迷惑っすね! たまにはまともにイベントを楽しませて貰いたいもんっすよ、まったく!! しかも雨が降るって言うし、足場も悪いし見通しも悪いとかキィィィ!!」
 確かにイレギュラーズが訪れるのは、何やかんやで事件が起きてる現場が多い。
 さらに今回の敵は、天候を操り悪天候の中でしか現れないという特徴を持っている訳で……元々滝壺近くという事で滑りやすい足場が、さらに一層滑りやすくなっているのだ。
「そうだね……滝に大雨、と。これ以上ないバッドコンディションだね。僕は早く帰って暖かいコーヒーでも飲みたいよ」
 と、そんな戦環境に対し、『閃電の勇者』ヨハン=レーム(p3p001117)が肩を竦めた所に、『妖精騎士』セティア・レイス(p3p002263)と『夜明けの蝶』カレン・クルーツォ(p3p002272)が。
「そうね。紅葉は繊細なのに、それを雨で濡らすだなんて」
「ええ……折角の美しい景色を台無しにして。綺麗な景色だから天狗さんは意気揚々と飛んでいたのかもしれないけど……雨だと紅葉って台無しになるのよね」
「ええ……ほんとう、しっかりと理解(わか)らせないといけないわね」
 ぐぐっ、と拳を握りしめるセティア。
 そんな二人の言葉に頷きながら、ヨハンが。
「全くだ。ま、とは言っても雨が降るのは鴉天狗が出てからか。勿論気をつけて奥が、降りだしてからが本番だね。それまでは足場の確認や打合せをしっかりしておくこととしよう」
 と仲間達を促す。
 そう会話しながら、イレギュラーズ達は山を登り、滝壺の下へと辿り着く。
 ザザァァァ……と雄大な音が鳴り響き、水飛沫が立ち上る。
 ……そしてそんな水飛沫が立ち上る中、紅く色付いた紅葉の葉。
「うわぁ……きれいな紅葉なのですよ!!」
 美しく色付いた紅葉を指さしながら、目をキラキラと煌めかせるのは『エルフレームMarkSin』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)。
 そんな彼女の誘導に、『新たな可能性』フレデリーチェ(p3p010205)が。
「紅葉……いままでわたしは、紅葉と言うものを見たことがありませんでした。葉が枯れる現象は知っていますが、燃えるような、美しい赤……未体験。とても、楽しいです」
 初めて見た紅葉の光景は、とても美しく……紅蓮に染まる。
 暫しその紅葉を見上げつつ、足元の状況を確認……水飛沫に岩が濡れ、結構滑りやすい。
「やっぱりというか……中々滑りやすい様だね? 下手に走り回ると、滑って転んであいたたた……なんて事にもなりそうだ」
 苦笑するヨハンに、ブランシュが。
「そうですね! こんな綺麗な紅葉をぐちゃぐちゃにする妖怪がいるのなら、ぶっ飛ばすしかないですよ! あ、でも妖怪って、そういえば見た事ないですよ。どんな存在なのですよ? ブランシュ、会えるのを楽しみにしているですよ!」
 とても目をキラキラさせて言うブランシュに、響子が。
「そうですね……まぁ、人外の存在とか、特異な能力を発揮するのが妖怪、と言われる事が多い様です。まぁ……人に仇成すもの、というのは間違いないでしょう。鉄拳制裁、悪因悪果……いいえ、人の命を奪ったんです。だったら奪われても仕方ありませんよね。ならば……殲滅します。一匹残らず」
 同じ天狗を名乗りし彼女だからか、色々と思う所があるであろう彼女。
 そんな彼女の言葉に無黒とライハが。
「そうっすね。ちゃちゃっと倒すっすよ!」
「ああ、やむをえん。少々荒っぽくても、解決のために全力を尽くすとしよう」
 と頷き合った。

●空の嵐を
 そしてイレギュラーズ達が滝壺に辿り着いてから暫し。曇天に包まれ始める。
 周囲を監視する為に見回ってみたりしていると……急激に空が暗くなり始める。
 最初は小雨……だが、急激に大雨になり始める。当然その豪雨に視界は極端に悪化し、見辛い。
 更にその雨が、色付いた紅葉に降り注いでいくと……紅葉の葉はひらり、ほろり……と落葉していってしまう。
「うわー、急に大雨が降ってきたですよ! 周りが薄暗くて、見えにくいですよ……あ、でもこんな時の為に、これ、用意してきたですよ!」
 ブランシュががばっ、と被るのはサイバーゴーグル。
 同時に響子やヨハンもランタンやカンテラの灯りを灯す事で、視界確保。
 ……そうしていると、薄暗闇に包まれた滝の上方からさしこむ影。
「……あれ? 何だか上から降りてきそうですよ!」
 とその方角を指さし、指をクルクルと回して伝えるブランシュ。
 そのハンドサインに気付いた近くの仲間が、その方向に灯りを照らし、降りてくる者の姿を確認。
「……ん……そうね、降りてくるわ。みんな、備えて」
 響子が皆に呼びかけつつ、待ち構える体制を獲る。
 そして……大きく鴉の羽を羽ばたかせながら、イレギュラーズ達に接近……その首狩り刀をすれ違い様に一閃、喰らわせる。
 だが、構えをとっていたイレギュラーズ達の首は飛ばず、多少のダメージ程度で済ませる事が出来る。
『ほう……?』
 そんなイレギュラーズ達の動きに、僅かに興味深そうな声を上げる彼らが、少し間合いを取る位置へ。
 そして、そんな彼らの周りには、空の闇の隙間からさしこむ僅かな光によって作られた影から、十匹の闇鳶が出現し、その間に立ち塞がる。
 ……そんな敵陣に向けて、一歩踏み出したのはセティア。
「何この雨。いっとくけどおまえ、自分が何したかわかってるの? わたし、『紅葉』を見に来たんだけど」
 そんなセティアの言葉に鴉天狗達は。
『はっはっは! ああ、赤く血に染まる紅葉、美しいではないか!?』
 と、その言葉を声高らかに大笑い……彼らにとって紅葉を愛でる風習などはないのだろう。
 いや、この紅葉に見とれて隙有る者達を、次々と襲いかかるから、彼らにとって都合良いもの、くらいなのかもしれない。
 そんな鴉天狗達に、カレンが。
「判らないのね? なら要点を教えるわ。雨天の紅葉狩り、散って見所はやばい勢いの滝! つまりは散るわ! 一つ賢くなった?」
 腰煮手を当て、自慢げに言うカレンだが、鴉天狗達はかっかっか、と嘲笑うかの様に大笑い。
 そんな鴉天狗達へ、一際大きく溜息を吐くフレデリーチェとライハ、ヨハン。
「はぁ~~……それはそれは、ゆるせませんね。なら、やっつけましょう。もちろん、犠牲者の方の敵討ちも兼ねてです。ぷんぷん!」
「ああ。豪雨が至れば散る策もあろう」
「そうね。この剣で教えるから。葉が散るように、命もまた」
 その言葉と共に、セティアが先陣を切って鴉天狗に一気に接近。
『ほほう……殺る気か? 面白い!』
 と残忍な笑みを浮かべた鴉天狗はバックステップを踏み、入れ替わるように闇鳶たちをその間に嗾ける。
「っ……!」
 セティアの一閃は闇鳶に命中し、僅かなダメージ。
 だが、セティアに続けて無黒も素早く接近、セティアが斬りかかった一匹へ光の如き一撃で攻撃。
 と、そんな二人の攻撃を喰らい死ぬ……ほど柔い相手ではない闇鳶。
 ただ、二人が攻撃為てきた事に対し鴉天狗達は。
『はっはっは! 我らに刃向かうとは面白いではないか! ならば、その首を刈るとしようではないか!!』
 と、首を狩る事にテンションを上げつつ、その翼を大きくはためかせ、船上を飛び回る。
 多少の高度まで上昇し、ターゲットに狙いを定めると、降下の勢いを活かし、狙いである首元に渾身の一撃を叩きつける。
 しかしイレギュラーズも、そんな敵の狙いは百も承知。
 その首に一閃が来ない様、首回りへの攻撃はしっかりとカバーする事で、鴉天狗達の攻撃をやり過ごす。
 五体の鴉天狗達の攻撃を一巡やり過ごした後に。
「さぁ、始めようか。防御面は僕に任せてくれればいいよ」
 とヨハンは後陣に構え、仲間達の背を押す。
 最速に動く無黒は降下してきた相手にカウンター気味に。
「俺を狙いに来たなら、相手が悪かったっすね!」
 と言いながら魔性の茨を伸ばし、鴉の翼に傷付けて行く。
 さらに響子は、先に生成させておいた分身を攻撃為た相手に、その隙を狙い、全てを断ち切る刃で一閃、加えてブランシュも己の速度を限界まで引き上げてから、超速度での一撃を放つ。
 そんな三人の攻撃の一方で、セティア、カレン、ライハとフレデリーチェの四人は、邪魔する周囲の敵の数を減らす為に、闇鳶にターゲットを定めて、一匹ずつ確実に仕留める。
 また、敵の攻撃によりダメージを喰らった所には、ヨハンが素早く治療の賛歌を奏で回復を行う事で戦線崩壊しない様に確りとバックアップする。
 ……そんなイレギュラーズ達の立ち回りは、最初油断しきっていた鴉天狗達も。
『ほほう……そなたら、中々のやり手の様だな? ならば、こちらも本気を出さねばなるまい!』
 次第に真摯な口調になると、その手を空に掲げる。
 すると、その手に稲光が収縮する様に発生。
『さぁ、この雷鳴に慌てふためくのだ!!』
 との言葉と共に、その手から放たれる雷鳴。
 かなり強烈な雷鳴……雨の中に迸ると、落雷地点とその周りに電撃が降り注ぐ。
 それも鴉天狗一体だけでなく、二体、三体……と立て続けに行えば、船上で雷鳴が降り注がない所が無い位。
 ……そんな敵の攻撃にライハが。
「やれやれ、厄介な豪雨だな……だが、踏みとどまらねばな。夜妖を跋扈させる訳にも行くまいよ……」
 と言うと、それにカレンが。
「そうね。さぁ、張り切って盾になって!」
 突然の言葉と共に、カレンはライハの手を引っ張り、己の前へ。
「ん、なんだ。やめろカレン。わたしを盾にするな……!」
 と流石に声を上げるのだが、カレンは。
「ダメよ、私とあなたの仲じゃない! 生命の危機を護ってくれるんでしょ!」
「生命の危機だから仕方ない? そういうのは理由には……ぐあっ!」
 引っ張り出された彼の身体に、雷鳴が轟きプスプスと煙を上げる。
 とは言え囮になったお陰で、船上に巻き起こる雷鳴が彼に集中し、一時収まる。
「はは……大変だね? ま、ライハさんのお陰で、攻撃に集中出来るかな?」
「そ、そうですね……!」
 ヨハンの言葉に、フレデリーチェがこくこく、と頷く。
 その攻撃後の隙が生じた鴉天狗一体に、当てられる攻撃を集中させる事で……その刻の内に一匹を討伐。
『何ぃっ……!?』
 今迄より、一際焦りを見せる鴉天狗。
 一報勢いに乗ったイレギュラーズ達。
「続けて行くわよ! 言っとくけどこれ、勝手に移動できるし、飛行してつかうともっとつよいんだから!!」
 と特攻すると共に、セティアは闇鷹、鴉天狗全て含めて、すごくはやく、たくさん斬り払う。
 そしてフレデリーチェは後方からビーム銃を狙い済ましての一射を撃ち抜き、続く響子が敵の動きを読み切った上での暗殺術一閃。
 その一閃にさらにまた一匹の鴉天狗が堕ち、それを取り巻いていた闇鳶たちも数匹、巻き添えに死に絶える。
 イレギュラーズ達の加速度的戦意は鴉天狗と闇鳶を軽く凌駕し……戦場を飛び回る夜妖らは、数十の刻の内に全て倒されて行くのであった。

●紅葉
「……今度は風情が判る素敵な天狗に生まれてくることを、願っているわ。じゃあ、ね」
 そう、消え行く鴉天狗に向けて、弔いの言葉を投げかけるカレン。
 勿論倒れた夜妖達が、その言葉に何か反応を返す……という事は無い。
 そして。
「はぁ~、終わった終わった~……疲れたっすね~」
 すると、今迄周囲に降り注いでいた風雨が一気に止んで、空の陽射しも燦々と降り注ぎ始める。
 そしてそんな陽射しを見上げながら無黒が。
「さて、残った紅葉と滝を見ながら、しばし休息してから帰るっすかね~?」
 と皆に提案すると、フレデリーチェとブランシュの二人も。
「そうですね……雨で結構、散っちゃってますけど」
「あ、でも、せっかくですし、しっかりと目に焼き付けておきたいです!」
 そんな二人の言葉に皆も頷き、そしてイレギュラーズ達は紅葉の下まで移動。
 色付いていた紅葉も半分以上、散ってしまったが……残る葉は一層美しい真紅を描いている。


「うわー……」
 と、その光景に暫し、眼を奪われるブランシュとフレデリーチェ。
「本当、綺麗ですね……」
「ええ……きれーな景色は、良い物ですよ。メモリーに、記憶しておくですよ……!」
 暫しの間、そんな美しい紅葉に目を取られる……その一方で無黒は、持ち込んだお茶ともみじ饅頭をもぐもぐしながら。
「はぁ~……一仕事終えた後のもみじ饅頭と、熱いお茶は最高っすね~」
 と、そんな無黒の言葉に響子が。
「それはいいですね。本当、皆さんお疲れ様でした。折角ですし、私もお弁当を作ってきたので、如何ですか?」
「あ、食べるっす!!」
 と、ブランシュ、フレデリーチェ、無黒に響子らが紅葉狩りを心ゆくまで楽しむ。
 そう紅葉狩りを楽しんで居る一方で、セティアやライハは、周囲の地面を注意深く観察。
「……被害者達の痕跡が一つでも残っていればいいんだが……果たしてあるだろうか?」
「そうね? ……ま、もし生首が堕ちてたら普通にきもいし、警察呼んどくけど」
「そうだな……届けを出しとく必要はあるだろうな」
 と言いつつ、周囲を確認。
 紅葉が咲く樹の下やら、濡れた滝壺の下……色んな所を一通り捜索。
 ただ生首というのは見つからないが……恐らく被害者の残したであろう登山用具や水筒、コンパスなどが幾つか発見する事が出来る。
「んー……これはこれは、もしかして……?」
「そうだな……恐らく、首は鴉天狗達が持ち去り、身体は闇鳶達が喰らい尽くしてしまったのだろう。食べられないものだけ、こうやって残されてしまった……という事なんだろうな」
「そ、そうね。そういう遺品は……どうするのがいいのかしら?」
「出来れば返しておきたい所だ。ま、連絡をしとけば、よしなに対処為てくれる筈さ」
 ヨハンに頷くセティア。
 そして被害者の遺品を一箇所に纏め、その場の後片付けを行い……空が次第に夜へとなりゆく頃に。
「さて、と……一通り終わった見たいだね? それじゃ、余りここに長居したくないし、帰るとしようか」
 とヨハンの言葉。
 かくしてイレギュラーズ達は……散り際の紅葉が残るその場を後にした。

成否

成功

MVP

河鳲 響子(p3p006543)
天を駆ける狗

状態異常

なし

あとがき

紅葉狩り、紅葉狩り……皆様お疲れ様でした!
皆様のプレイング見て、雨風ふかせりゃ確かに紅葉吹き飛んでしまうな……と後できづいてしまいました……。

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