PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<神異>咲く狂華

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<神異>咲く狂華
 R.O.Oが3.0にアップデートされたある日。
 現実世界である筈の希望ヶ浜においてはネットワークが不安定になったり、切断すると暫くの間繋がらない状態が続く。
 更には頻繁に停電が起きる様になり、希望ヶ浜に住まう住人達は急激に不便になった生活に怒りを溜める。
 ……そんな怒りを溜めた大学生『翔』。
「ったく、今日も停電かよぉ……ホントふざけやがって……!!」
 やっていたゲームが停電でデータが吹っ飛び、怒りも頂点。
「あー、むしゃくしゃする!! 何だよ、ふざけやがってよぉ!!」
 髪を掻きむしり、壁を叩く、蹴る。
 ……でも、それだけじゃ怒りは収まりが付かなかった様で、彼は家を飛び出し、深夜の街をふらつく。
 すると、そんな彼の前に。
『ウゥゥウ……ワン、ワン!!』
 けたたましく鳴き叫ぶ犬。
「うっせえ! 俺は気が立ってるんだ!!」
 とその犬を足蹴にする。
 ……が。
『ウウウウ……ワゥゥゥ!!』
 犬は怯む事無く、更に威嚇し、吠える。
 そしてその声は一匹だけでなく、二匹、三匹……次々と増加。
 その影は瞬く間に彼を包囲。
『うわっ……な、何だよ!! お、おい、来るな!!』
 と犬共から逃げる様に走り行く彼……追いかけられていて、逃げる方向を選ぶ余裕など無い。
 ……そして、彼が行き着いたのは、街の外れにある、広い公園。
『はぁ、はぁ……ったく、何だよあいつら……増えやがって……!』
 息を切らせ、広い公園に横たわる彼。
 空に光るは、闇に覆い隠されているが、徐々に光を取り戻しつつある『侵食の月』。
 ……その月を図所に見上げていると……その月を覆い隠すように、何か巨大な影が。
『……え?』
 突然の事に、言葉を失う彼。
 そして次の瞬間……影は彼を襲撃するのであった。


「皆さん、すいません。少々時間、宜しいでしょうか?」
 カフェ・ローレットを訪れる君達へ、音呂木・ひよのは声を掛ける。
 そして、集まってくれた君達に。
「皆様も知っての通り、R.O.Oのバージョンアップが先日行われました。Patch 3.0『日イヅル森と正義の行方』……というのが副題の様です」
「この副題が指す意味は分かりません。ですが……このR.O.Oのアップデートを聞いた神威神楽の陰陽頭『月ヶ瀬 庚』と希望ヶ浜の夜妖専門医『澄原 晴陽』の両名が言うには、『これは現実と虚構の同時侵略ではないか? 想定された中における最悪の事態である』、との事です」
「この予測を荒唐無稽と言うのは簡単な事です。ですが最近、希望ヶ浜のインフラが脆弱になる事態が起きているのは皆様も肌身で感じていらっしゃいますよね?」
 ひよのが言う通り、マザーシステムのシステム障害による悪天候やら、ネットワーク障害、停電等々……住みよいはずの希望ヶ浜は、かなり不便な生活を強いられている状態。
「ええ……希望ヶ浜の『震災』レベルの恐慌状態に付け込むように、怪異達も動き出してしまうのは、全然不思議な話ではないでしょう」
「恐らく虚構側の世界を現実に生み出そうとしているのかもしれません。これら全ては『真性怪異』による、真の国産みの流れなのかもしれません」
「今迄も、それら真性怪異の討伐を皆様のお力を借りてしてきましたが……そんな夜妖達が度々口に為ていたのは『神異』という言葉でした。これが……真性怪異の中における強大な存在なのは間違いありません」
「そこで皆様には、この『真性怪異:神異』に賊する者達を、倒してきて頂きたいのです。かなりの強敵ではあると思いますが……この事態を放置しておくと、共に破滅が起きかねません。どうか皆様、宜しく御願いします」
 とひよのは、深く頭を下げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 R.O.Oの影響は、更に希望ヶ浜へと及んでいる様です。

●成功条件
 希望ヶ浜の『城ヶ崎公園』に姿を表した白蛇及び、夜妖達を討伐する事と、
 彼らによって殺される運命が間近に迫った青年『翔』(かける)君を助ける事です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 舞台となるは希望ヶ浜の町外れにある公園内の広場です。
 広い公園の中なので、周囲に灯りはありません……深夜の刻ともなれば、真っ暗闇です。
 今回の被害者である青年は、狼妖に追い立てられてこの広場に逃げてきています。
 そこに待ち構えていた白蛇に頭からバクリ、と食われてしまう、という状況は間近に迫っており、そこに割り込む形で突撃する事になります。
 一般人の青年は半ば発狂状態ですので、彼を落ちつかせるのはかなり難しい状態です。
 なので、彼を力尽くでも一旦落ちつかせた後、彼を守りながら戦う……という事が必要になります。

●討伐目標
・命を求めし白蛇『怪異:白映蛇(はくえいじゃ)』 x 2匹
  全長3m位(移動時においては皆さんと同じ2m位の高さ)をした、染まる事無い白色の白蛇です。
  しかしその白き体は返り血を浴びたいのか、目に付いた者を血まみれに惨殺する……という行動原則に従います。
  たった二体ではありますが、戦闘能力は極めて高い強敵です。
  基本的な攻撃手段は皆様より少し高い位置から素早い動きで噛みついてきます。
  その噛みつき攻撃を喰らえば体内に猛毒+流血のダブルバッドステータスが付与されます。
  尚、前述した通り身体を大きく伸ばすと地上3m程の高い箇所から振り落とすような攻撃が可能です。
  この攻撃は皆様の隙を突く様に身体をくねらせながらの攻撃で、命中率が更に上昇します。

・白蛇の僕『狼妖』 x 20匹
  こちらは体長1.5m程の、セントバーナード犬かと思えるくらいの身体の大きさをした狼達です。
  某アニメの様に、首元にちっちゃい酒樽があるのがチャームポイント(?)です。
  ただ実際の所、夜妖の力を手に入れた夜妖で、その身体は白と黒のまだら模様で、かなり凶暴化してしまっています。
  どうやらこの夜妖、人肉を喰らうのが好きな様で、集団を組んで一人を喰らい尽くすという習性を持って居ますので、集中攻撃を受けない様に注意して下さい。
  尚こちらの方は、出血効果を持つ噛みつき攻撃と、夜妖の力を発揮し、数秒ではありますがその身を闇に紛れさせる事が出来ます。

●Danger!(真性怪異による狂気)
 当シナリオでは『見てはいけないものを見たときに狂気に陥る』や『反転に類似する判定』の可能性が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●侵食度<神異>
 <神異>の冠題を有するシナリオ全てとの結果連動になります。シナリオを成功することで侵食を遅らせることができますが失敗することで大幅に侵食度を上昇させます。

●重要な備考
 <神異>には敵側から『トロフィー』の救出チャンスが与えられています。
 <神異>ではその達成度に応じて一定数のキャラクターが『デスカウントの少ない順』から解放されます。
(達成度はR.O.Oと現実で共有されます)

 又、『R.O.O側の<神異>』ではMVPを獲得したキャラクターに特殊な判定が生じます。

 『R.O.O側の<神異>』で、MVPを獲得したキャラクターはR.O.O3.0においてログアウト不可能になったキャラクター一名を指定して開放する事が可能です。
 指定は個別にメールを送付しますが、決定は相談の上でも独断でも構いません。(尚、自分でも構いません)
 但し、<神異>ではデスカウント値(及びその他事由)等により、更なるログアウト不能が生じる可能性がありますのでご注意下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <神異>咲く狂華完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年11月01日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
無限乃 愛(p3p004443)
魔法少女インフィニティハートC
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
浅蔵 竜真(p3p008541)
月錆 牧(p3p008765)
Dramaturgy
星芒 玉兎(p3p009838)
星の巫兎
柊木 涼花(p3p010038)
奏でる言の葉

リプレイ

●狂いし声
 練達、再現性東京:希望ヶ浜。
 今迄は誰しもが住みよい環境に身を置き、その生活を謳歌していたのだが……今となっては生活インフラが荒れに荒れており、街に住む人々は停電やら荒天やらに見舞われている。
 そんな生活インフラの一つ、ネットもその停電の影響により不通になってしまうのは至極当然の事。
「インフラ、とかシステム障害の意味はわかりませんが……何か大変な事態であるのはわかります」
 と、そんな生活インフラの混乱に対して憂う『Dramaturgy』月錆 牧(p3p008765)。
 世界的には勿論、希望ヶ浜の様に住みよい環境が整っている所は少数派である。
 とは言えそんな生活に身を置いてしまえば、楽な生活からは逃げられなくなってしまう。
 そして、それにキレてしまった青年が、極々普通に街を歩いていた犬を蹴り飛ばしてしまうという事件が、今回発生してしまった訳である。
「うーん……翔さん、運が悪いと言うか、蹴った相手が最悪だったね……」
「まぁ、確かにね。でも、いくら嫌な事があったとは言っても、動物にあたるのは良く無いと思うよ」
「ええ、運が悪いと言えばそうですけど、むしゃくしゃしたからといって動物に当たるのはいけません」
「そうですね。『翔』くんですか……人生は順調に進む方が珍しく、上手く行かない時はおとなしくしているものです。このような目に遭うのも仕方ないと言えるでしょう」
 『希う魔道士』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)に『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)と柊木 涼花(p3p010038)が肩を竦め、牧も息を吐く。
 勿論、街を歩く、極々普通そうな犬が夜妖であるというのは、普通にはあり得ない事……だが、この希望ヶ浜では、最近そういった事件も度々起きている様で……その後ろで糸を引いているのは、真性怪異と呼ばれる者達である、という。
「……夜妖じゃない、あの白蛇も怪異の類いの様だな。R.O.Oの異変に乗じてあふれ出した神異の眷属、そんな所だったな」
「そうね。蛇の敵か……イナリと同じ宇賀神(うかのかみ)に連なる眷属の動物かしら? ウカが白蛇でありながら、人に危害を加えるとは堕ちた物ね……」
「ええ。まこと美しい白蛇なれば口惜しく。なれど、その鱗を血で穢したいのならば是非もありません」
 『救う者』浅蔵 竜真(p3p008541)と『神使』星芒 玉兎(p3p009838)、『狐です』長月・イナリ(p3p008096)らの紡ぐは真摯なる言葉。
 だからと言って、彼の命は失われて良い、という事はない……むしろ、イレギュラーズ達でなければ、彼らの命を助ける事は出来ないのだから……。
「闇に紛れて人の心を狂わせ襲い掛かる……悪の常套手段ですね。しかし、愛の齎す光の前には通用しません。翔さんにも的にも、光と闇が祓うその身と心臓(ハート)で直に体験して頂きましょう」
 『魔法少女インフィニティハートC』無限乃 愛(p3p004443)の言葉に頷くはウィリアム。
「そうだね。十分怖い思いをしたから、これで罰にはなっただろう。命を奪うまではやり過ぎだ。さあ、悪い夢はこの辺りで引き裂いてしまおう」
 そして、竜真、涼花、牧にヨゾラらも。
「この街に来た時は、まさか現実と仮想が混ざるなんて思いもしなかったが……いや、呑気に考えて居る場合じゃない。目の前で人が一人死ぬか生きるかの瀬戸際だ。だったら、まずは斬り込む。後の事はそれからだな」
「はい。命まで奪われるほどではないですし、やり直す機会は与えられるべきですから、無事に帰還させないとですね」
「ええ。例え物事が上手く行かずに苛立っていたとしても、それで命を失っていい、だなんて理由にはなりえません。あの怪異を駆逐するついでです。やりましょう。まあ、真っ暗な闇も風情があるものですが」
「そうだね。まだ命運は尽きていない……いや、僕等が尽きさせないし、生かしてお家に帰すよ。悪い夢だったんだって事にする為に……奴らは全滅させる!」
 そんなイレギュラーズ達は強い覚悟と共に、白蛇らが現れるという、暗闇に包まれた公園へと急ぐのであった。

●狂いを摘む者
 そして……希望ヶ浜の町外れの公園に辿り着いたイレギュラーズ。
「さて……と。この辺りだと思いますが……どこに居るのでしょうかね」
 と、ぐるりと周りを見渡すのはウィリアム。
 灯りの灯されていない公園は真っ暗闇に包まれており、かなり不気味な雰囲気が漂う。
 極々普通の人であれば、そんなおどろおどろしい雰囲気に怖じ気づいて立ち入ろうとしないだろう。
 だが……夜妖に追い立てられた彼は、怖じ気づく暇も無くやってくる。
「くそっ……来るな、こっちに来んなよ!!」
 と、苛立つ叫び声が遠くの方から響きわたる。
 その声に気付くと共に、すぐ玉兎が己を光に包み、夜の闇を静かに照らす。
 ……その光に気付いたのか、叫び声を上げる男は。
「くそがっ、来るな、来るなって言ってるんだよっ!!」
 と叫びつつも、その光の方向に自然と逃げ道を取る。
 ただ……近づいてくる彼とイレギュラーズ達の間に、すっ……と大きな影が差し込む。
『……シィィイ……』
 その影は、何かを威嚇するかの如く響きわたる。
「……そこに出て来ましたか」
 姿を現した白映蛇を、暗視の中に視認するウィリアム。
「う、うわぁああ……!!」
 目の前に出現したその影に、驚きその場に転倒……後ろからはかなり大きな犬の如き狼妖が徒党を組んで近づいてくる。
 前後両面を囲われた彼は、死を覚悟する。
「落ち着いて下さい! 私たちが助けますから、こちらに来て下さい!!」
 と牧が大声で呼びかける……だが、転倒した彼が素早く動く事は出来ない。
「仕方ありませんね……そこの獣さん。僕達が相手になるよ!」
「そうですね。それともあなた達は、戦う力の無い人しか相手出来ないのかしら?」
 ヨゾラとイナリが夜妖らに戦線布告すると共に注意を惹きつける。
 そして、その間に割り込むのは竜真。
「う、うわぁっ!?」
 驚く彼をすっ、と抱えて、そのまま高速スピードでイレギュラーズの陣の中に引き込む。
 そして、彼を降ろすと共に竜真は。
「落ち着け。落ちついて俺を見ろ。いいか、蛇も狼もいるが、君は生きている。あの大蛇に喰われてなんかいない。これから君を守って奴らを倒し、この場を切り抜ける。だから安心してくれ」
 強い口調で、彼に刻みつけるが如く告げる。
 更に涼花が己を光に包み、更にヨゾラもカンテラを彼の近くに置いて、灯りを確保する事で彼が少しでも落ちついてくれるように、場を整える。
 そして愛が。
「『闇の獣と心を祓う愛と正義の閃光! 魔法少女インフィニティハート、ここに見参! ……さぁ、行きましょうか」
 ポーズを決めた後に、真剣な真顔で白蛇達を見つめる愛。
 突然割り込んできたイレギュラーズに、彼……いや、『翔』は。
「な、何なんだよっ……!!」
 涙目で叫び、ジタバタと逃げ出しそう。
「っ……仕方ありませんね」
 と愛は一児瞑目すると共に、彼に向けて右手から放つ魔砲。
「っ……ぅ……」
 その攻撃を喰らった彼は、昏倒したかの様にその場に気絶。
「だ、大丈夫ですか?」
 と涼花が心配そうに問いかけるが、愛は。
「大丈夫です。私の愛の力を得た翔さんの心が、恐怖と戦っているのです。翔さんが恐怖に打ち勝てば、じきに目を覚ます筈です」
「そ、そうですか……」
 一抹の不安はありつつも、呼吸はある様なので、取りあえず生きているのは間違いない。
 そう翔の対処をしている間にも、イレギュラーズ達は己を発光させたり、カンテラの光を周囲に広く展開させる事で、自分達の周囲を灯りに包んでいく。
 ……そんなイレギュラーズ達の周りの灯りが眩しいのか、狼夜妖はグルル、と唸り声を出して威嚇。
「明るくて近づきたくない、とかかしら? ならば、こちらが準備を整えていくだけよ」
 そうイナリが言いつつ、己に魔力障壁と破邪の結界を展開し、物理からも、神秘からも己を守る盾を展開。
 そしてウィリアムが。
「白映蛇は取りあえず後回しで、周りの狼妖から倒して行きましょう」
 と攻撃ターゲットを指示しつつ、彼が先陣切って蛇の如き雷撃で戦場を一舐め。
 そして彼の言葉に頷きつつ、
「では、始めると致しましょう」
 と玉兎が先ず、神の光を周囲に展開。
 その光で以て、闇に潜む狼妖を切って撃ち貫くと、続く牧が梅花の香り伴う正面からの一閃を叩き込みつつ、更に前進して、彼女は蛇へと正対。
 ……更なる行動を取り、牧は己が腕を皮一枚分削り、その出血を蛇へと降り注がせる。
「これがわたしの血。お礼代わりにあなたの血を浴びさせていただきましょうか」
 と白蛇の身を赤く染めつつ、挑発。
『シィィィ……!!』
 その敵対行動に、白蛇は鎌首を高く掲げた後、素早く鎌首を振り落として噛みつき攻撃を行う。
 左、右と二撃の一閃は確実に牧の体力を削り取っていく。
 ダメージを受けた彼女へ、涼花が。
「わたしには支援しかできませんから、せめてそれだけはやり通してみせます、わたしなりの意地、ってやつです」
 真摯な言葉を紡ぎ、癒しの言霊で彼女を癒す。
 その癒しに対し、狼妖達は闇の中からガルゥ、と一瞬姿を現して反撃を開始。
 しかし、先ずはこの刻はイナリとヨゾラの二人の怒り効果が残っていた様で、ターゲットは二人に集中。
 人肉を喰らおうと腕や足など、素肌が露出している所へ集中的に噛みつき、血を啜る。
 だが、どうにか狼妖達の攻撃一巡を何とかやり過ごしたイレギュラーズの、次の刻。
「中々獰猛な獣達の様だ。だが、こちらも負ける訳には行かないよ」
 とウィリアムは言うと共に、涼花を補助する様に癒しを展開。
 それに合わせる様に涼花も回復を行い、狼妖分のダメージを回復して戦線を維持する。
 その回復の後、ヨゾラは光翼を羽ばたかせ、イナリも毒霧をその周囲に発生させる事で狼妖を狙い撃ち。
 更に竜真は仲間達を巻き込まないように己が位置を移動させつつ、無数の弾丸を大量に放ち攻撃を行う事で一網打尽。
 そして、直線上に纏まった狼妖怪へ愛が、燦然と輝く蛍光ピンクの光で撃ち抜く事で、数匹の息の根を止める。
「見辛い環境においては、確かに厄介な敵の様ですが……しっかりと狙えば、そこまで恐れるに足りません」
 と玉兎の言葉。
 ……そして牧が何とか白映蛇を惹きつけてくれている間に、20匹という中々の数蔓延る狼妖達を確実に倒していくイレギュラーズ。
 20匹全てを倒すまでは中々の時間が掛かるものの……牧とイナリが分担しながら白映蛇を惹きつける事で、どうにか耐えきる。
 そして……。
「さぁ、後は白映蛇ですわね」
 玉兎が言うと共に、白映蛇を包囲する形で対峙するイレギュラーズ。
『シィィィ……』
 仲間達が倒されたことにより、イレギュラーズ達が強い相手だと言うのは認識為ている模様。
 だが、彼らに降伏なんて言う選択肢は無い。目の前の敵を殺す、ただそれだけの事。
 鎌首を再び振り上げ、振り落とす強力な一閃が立て続けに起こるものの、イナリが。
「蛇と同じ肉体構造を持って居るなら、視界は前方60度範囲、後方320度範囲は死角! なら、この位置なら対処し辛いでしょ!」
 飛び跳ね、蛇の後頭部の辺りに回り込んで、首元へ体験の一撃を叩き込む。
 蛇は避ける事無く、白い身に赤い筋が刻み込まれ……そこから血飛沫を噴出。
「かなり効いている様だな。ならば、同じ所を集中攻撃して行こう!」
 と竜真が神速の抜き打ちの一閃を同じ傷痕に叩き込み、傷痕をかっ裂くと更にヨゾラも。
「光の翼よ……人を襲う奴らを裂け!」
 と、光の翼で攻撃。
 三人の連続攻撃の前に白映蛇の白き体は血飛沫に染まり、動きが鈍る。
「良し……ここで、この人達を喰らって下さい!」
 牧が闘気から生み出した糸で蛇をさらに縛り上げ、動きを大幅に制限した所へ玉兎が聖なる術式を絡めた破邪の術式を行使。
 その術式により、弱っていた蛇の頭部はスパッ、と零れ落ちる。
「……後一匹、ですか。皆さん、頑張って下さい」
 と涼花、が皆の命中力を増強。
 その強化を受けたイレギュラーズ達は、弱点であろう蛇の頭部を集中的に攻撃。
 ……白映蛇の3m程の巨躯は、それを躱すは難しく、致命傷に至る一撃を次々と喰らい……数刻の後に、姿は闇の中へと消え失せて行った。

●月の影で
 そして……無事に真性怪異らを討ち倒したイレギュラーズ。
 ……昏倒していた『翔』に振り返るが……まだ、目を覚ます気配は無い。
「……本当に、大丈夫でしょうか……」
 と、流石にちょっと心配になってきた涼花。
 だが、愛は自信満々に。
「大丈夫です。きっと……きっと打ち勝てます」
 と言うに留まる。
 ……それから十数分が経過した後。
「……ぅ……」
 ぴくり、と身じろぐ『翔』。
 そしてイレギュラーズ達は彼を刺激しない様少し離れて、暫し待つ。
「……う、ぅぅ……頭……いてぇ……」
 頭をさすりながら、むくりと立ち上がる。
 ……そんな彼に、竜真が。
「どうやら……目を覚ました様だな?」
 と声を掛ける。
「……? な、何だよ……!?』
 突然声を掛けられ、驚いた素振りを見せる彼。
 そんな彼に、ウィリアムが。
「色々と苛立っていた様だけど、ね。生き物をいじめるのは良く無いと思うよ?」
 と問いかける。
「……う、し、しかたねーだろ……!」
 ばつが悪そうにする彼……どうやら犬に追いかけられたのは、覚えているらしい。
 そんな彼に、涼花とヨゾラが続けて。
「そうね……むしゃくしゃしても、人や動物、物に当たるのはダメ……気をつけましょうね?」
「ええ。この状況で苛立つのは仕方ないけど……もう八つ当たりで攻撃しちゃだめだよ。窮鼠猫を噛むって言葉もあるんだから、ね?」
 さらに諭すように、彼への言葉を紡ぐ。
「……わ、判ったよ……すまねぇ……って……」
 俯きながら、項垂れる彼。
 表面上は理解為てくれたが、本心からかどうかは判らない。
 とは言え、こんなに怖い目にあったのだから……かなりキツイお灸になったのは間違いないだろう。
「ええ……では、気をつけて下さいね。動物達にも愛を、私との約束です!」
 指を差しだす愛。
 ……ちょっと小首を傾げながら、無意識にそれに手を差し出す彼。
「これで良し、っと……では、夜道を一人で、というのも危ないですし、私たちが家まで送り届けましょうか」
「そうですわね。家の場所は、大丈夫ですか?」
「……多分」
 玉兎の言葉に、ちょっと不安そうな彼。
 勿論帰り道に真性怪異と出逢うとも限らないので、注意するに越した事は無いだろう。
 そうしてイレギュラーズ達は、辺りにちりばめられた灯りを回収すると共に、彼と共に再びの闇に包まれた公園を後にするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

突如現れた真性怪異との闘い、皆様お疲れ様でした。
宵闇の中、大きな犬に追いかけられてるなんて、トラウマ級の出来事だったでしょう……彼がこれから大きな犬に恐怖しない事はないかもしれませんね……。

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