シナリオ詳細
<神異>青龍と結界の守人
オープニング
●高天京特務高等警察:月将七課
ヒイズルには間違った神が暗躍している。
ある組織のアジトに侵入し、警備兵たちを倒したグドルフ(p3x000694)はそう確信をもった。
組織の名は折紙衆。ヒイズルの土と水を守護する神である『青龍』の大樹をあらゆる意味でまもる集団である。
頭領にあたる神羅(正義国出身のシスター・カミラの別名である)の指揮の下、様々な治安活動を行っていた筈だが……あるときよりその行動の質が変化していた。
「暗殺、口止め、暗殺に暗殺に、こいつは買収か? どいつも高等警察に関わりのある連中じゃねえか」
チッと舌打ちしたグドルフが振り返ると、白黒写真をばらりと床にまくように落として見せた。
それを見下ろすのは、アラン・スミシーという青年である。胸のロザリオや教会の神父めいた服装、なにより優しそうな目から、彼の性格と職業がよくわかる。
「嘘だ……カミラさんが、こんなことを人に命令する筈がない」
「……」
グドルフは言い返さなかった。同感だとも、違うとも。
その代わりに、事実だけを返す。
「その『カミラさん』はテメェに青龍のまわりを調べろと言ったんだろう?」
「……」
今度はアランが黙る番だった。
示す事柄はひとつだけだ。
青龍は、神は、腐敗してしまっている。
その原因は……。
「『真性怪異:神異』」
その言葉に振り返ると、エイラ(p3x008595)が立っていた。
「ヒイズルを信仰心によって侵食して、同時に希望ヶ浜(げんじつ)へも侵食を進めている神様だよぉ」
「青龍様は……その言いなりだと?」
エイラは首を斜めに振った。否定でも肯定でもない、その中間のリアクションである。
「この前戦った『花枯』……あのボディには確かに青龍様の一部が移植されていたよぉ。ボディに意志がないとすれば、アランたちの実を案じようとしたのは青龍様の意志ってことだよねぇ」
「…………チッ」
グドルフは舌打ちをした。
浮きあがる構図はこうだ。
神異という真名を持つ土地神『豊底比売』は四神それぞれに対して天香遮那やその周辺人物への取り締まりを暗に求めた。
今や『豊底比売』はこの国で最も高き存在。四神は当然、逆らうことなどできはしない。
大樹が本体であり自ら動くことの出来ない青龍は人形『花枯』を通して活動の手を広げ、天香遮那やそれに協力的な人間を見つけ出し、時には泳がせ時には抹殺するという方針を固めたのだった。
しかし心優しき青龍のこと。大抵の場合は脅しをかけて様子を見るという選択に留まっていた。
そんな動きを不審に感じたシスター・カミラは旧知でありヒイズルに染まっていないアランを呼び寄せ調査を試みた。
だがその時には既に、カミラの側近である折紙衆は神異の手に落ちていたのだろう。
夜妖憑きとなった彼らによる要人暗殺が始まっていた。カミラはそれを止めるべく動いたが……反抗的な意志を見せたことにより青龍による監禁という状態に陥ってしまったようだ。
「監禁ですって!?」
アランが驚いた様子で掴みかかると、グドルフが資料のひとつをかざしてみせる。
「助けに行きてぇか? あるぜぇ、地図が」
イエスと応えればどうなるか。
考えるまでもない。
それは、『神への反逆』を意味するのだ。
●『侵食の月』
ヒイズルは逆賊遮那の処刑を宣言し、各地の特務高等警察要所への襲撃を敢行。今や高天京壱号映画館も安全ではない。
その中には八扇の手のものはおろか、青龍の眷属たちまで含まれているという。
動乱するそんな都市の中を、馬車に乗って走り抜ける者たちがいる。
目指すは青龍の大樹。
各地の要所が『防衛』に追われる中で、彼らはあえて攻撃に打って出たのだ。
風をきってはしる馬車の窓から顔を出せば、青龍の大樹がその姿を堂々と現しているのが見える。普段は結界によって姿を隠しているこの大樹は、どこかこちらを威圧しているかのようにも思えた。
「シスター・カミラを救い出す……ってのは『ついで』だ。
今都市じゅうにぶちまけた青龍の眷属どもを、その根っこを掴んで停止させる。
方法は……二つだ」
馬に鞭をうちながら、グドルフが指を二本たてる。
「『壊すか』『諭すか』」
爆走する馬車の中から身を乗り出すエイラ。
青龍へ向かっていることを察したのか、折紙衆の兵たちが馬にのって併走してきた。
「これより先へは行かせん。死ぬが良い!」
妖怪めいた力を発揮し、水の刃や鉤爪化した腕で襲いかかってくる。
エイラはクラゲ型の火をとばすと、馬を暴れさせ彼らを転落させた。
「事務所の警備兵たちと同じだねぇ。みんな『夜妖憑き』になってるよぉ」
夜妖憑きとは夜妖の力を取り込んだ人間達の総称である。
折紙衆の場合、豊底比売に心酔し力に溺れた人間たちということだろう。
このまま突っ切れば……と考えた矢先、衝撃が走り馬車が破壊された。
転がりでるエイラたち。アランも聖なる結界をはって身を守ると、ごろごろと地面を転がった。
「アラン!」
「大丈夫です、自分の身くらいは守れます! それより……!」
指をさす先。フリークライそっくりの人形『花枯』数機が並び、こちらに手のひらをかざしていた。先ほど馬車を破壊したのは、彼らによる魔力砲撃だろう。
花彼は青龍の意志を伝える人形。
故に選択しなければならない。
――『壊すか』『諭すか』。
- <神異>青龍と結界の守人完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2021年11月03日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
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参加者一覧(10人)
リプレイ
●神様だって迷ってるんだ
横転しフレームのゆがんだ馬車が燃えている。
綱のつながったままの馬がもがくので、『山賊』グドルフ(p3x000694)は斧でその綱を切り離してから立ち上がった。
逃げていく馬を一瞥してから、ずらりと並ぶ『花枯』シリーズへと目を向ける。
「テメェら……こっちでも人を試すような、しょうもねえ事してんのか」
「グドルフ……さん」
起き上がり、やや距離をとるアラン。
彼が無意識にかロザリオを握るのが、グドルフの視界の端に映った。
「くだらねえ、気に食わねえ、やる事なす事全てがよ!」
あの日、試練のなかで見た仮想のカムイグラで、もう一人の自分が立ち会った風景を思い出す。
目の前にそびえ立つ巨樹青龍。居並ぶ機動人形花枯。景色は違えど、求められていることは同じだ。
問いかけられているのだ。疑われているのだ。
そうでなければ、
馬も人も傷つけずに撃つなんてやり方を、この武力でするわけがない。
五輪バイク『マギラニアR』のブレーキをかけ、こちらと花枯の様子をうかがう『音速の配膳係』リアナル(p3x002906)。
「どうする? 押し通るか? 時間がないんだろう?」
その問いかけ方は、実際の所、花枯から……ひいては青龍そのものからされている問いかけと同じものでもある。
どちらを選んでも戦いは免れないだろう。実際、リアナルはバイクの中央操作盤の下からせり出したホルスターボックスからマギピストルを抜いていた。
親指でセーフティを外しているのが何よりの証明である。
壊れた馬車から転げ出たばかりの『ヒーラー』フィーネ(p3x009867)は起き上がり、そしてすぐに仲間達の様子をうかがった。そしてけが人がいないことを確認してから、リアナルにそっと手をかざす。
「戦いは、します。けれど……少し話をさせてもらえませんか」
他のメンバーはどうなんだ? というリアナルの視線に、『深海に揺蕩う月の花』エイラ(p3x008595)が頷きによって意志を示した。
「ああ。これも縁、なんだね」
エイラの中で、ほんの小さく残っていた疑問があった。
それは『花彼』という名前についてだ。
かつてカムイグラで試練を受けたとき、『フリークライが青龍に語りかけた言葉』が元になった単語だろうとは、もう。
希望が潰えても次の希望に繋ぐことが出来るという意味で、『花枯レテ。種、残スヨウニ』と。
もしその時の心がこのROOにも移し込まれているのだとしたら……。
「まだ、語りかける余地は、あるよぉ」
「フリークライがいっぱい……こりゃある意味傑作だにゃあ。
でもあれが青龍の一部だっていうならしょうがないのにゃ、説得、してみるかにゃあ」
『怪盗見習い』神谷マリア(p3x001254)も概ね同意だというジェスチャーをしてみせた。
が、そんな中で『不明なエラーを検出しました』縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)はリアナルと共に花彼を破壊する意志を示していた。
(これってさァ、ある種の侵略戦争みたいなものだよね。ヒヒ、イレギュラーズたちは土地が欲しいわけじゃあないけどさ)
というのも、花彼は青龍の一部であり全ではない。全固体てを残し全固体てを説得しなければいけないわけではない。そうなると、一部は早期に撃退しておいて戦力的に安定させるという手段をもって味方の説得を有利に持ち込むことが可能になるのだ。
そしてだからこそ、回答者(イレギュラーズ)は与えられた僅かな猶予の中で考えなければならない。
『天真爛漫』スティア(p3x001034)は馬車から落ちつつも素早く手をつき身をロールさせ、片膝立ちから刀をすぐに抜ける姿勢へと転じていた。
(どのような言葉を届ければ納得して貰えるんだろう? 豊底比売という偶像を刷り込まれた人達に……)
この回答権をパスすることはできる。不正解によるペナルティが分からない以上、そんな安全だって得られるはずだ。けれど、それを選びたくはなかった。
理由はきっと、とてもシンプルだ。
「押し通ることもできるけど、やっぱり言葉伝えたいなって思う」
「確かに、そうですね……」
レイピアを抜き、十字に振って光りの軌跡をのこす。
すると巨大な白銀のクィーンチェスピースが出現。大きな両手で彼女を守るように構えた。
「きっちりお話、つけに行きましょうか」
各地に派遣されている青龍の眷属や『花彼』たちを止めるのに、青龍を倒すことは確かに効果的だろう。
だがその方法は、ガソリンをかけて燃やすことなのだろうか。
それが『国を救う』ことなのだろうか。
今も尚、他の四神や主神たちと戦っている仲間達は、そんな気持ちで神に刃を向けているのだろうか。
「ヒイズルを、この国に住むみんなを守ると決めたから」
『青の罪火』Siki(p3x000229)たちの答えは、『否』だった。
馬車の車輪のひとつを浮遊プレートにして地面への転落を防いだSikiは、プレートからぴょんと飛び降りてから深く呼吸をした。
細く長く吐いた吐息が白くかすみ、やがてそれが蒼い炎に変わる。
空にかざした手に炎が集まり、渦を巻いた炎は一本の青き刀に変わった。
「もう揺らがないよ、私」
「方針は決まったな」
『竜空』シラス(p3x004421)が上空から舞い降り、翼でホバリングしながら低空飛行状態をとった。
白き竜の翼を広げたシラス。黄金のツノにバチバチと電流が走り、乱流を操るかのごとく周囲に強い風を巻きおこした。
「いくぜフリークライ……じゃなくて、花彼! 仲間の親戚みたいでちょっと戦いづらいが、ここは意地と仲間を通させて貰う!」
シラスが舞い上がり衝撃波のブレスを放つのと、手をかざした花彼たちが衝撃を放ったのはほぼ同時だった。
衝突したエネルギーが反発し、そして爆発を起こす。
●投げ出さなかったのはどうして
爆発の余波だけで、アランは吹き飛ばされかけていた。
いや、実際つかんでいたガス灯がへし折れ、彼は空へと投げ出される。
回転する彼の身体をキャッチしたのは空を舞うシラスのボディだった。
厳密には、その背にしがみつく形で暴風の中を突き抜けていたグドルフの手であった。
「自分で掴まってろ。片手が塞がるだろうが」
言われるままシラスの背にしがみつくアランの横で、グドルフは舌打ちした。
そして、グドルフは弾丸のようにシラスから飛び出し、そして花彼の一機へと己の斧を叩きつけた。
手のひらをかざしシールドを展開する花彼。
「もう分かってんだろ。てめえの上司、豊底比売とかいう奴が全ての元凶だぜ。
あいつがいなけりゃ国は痩せるかもしれねえって?
んなもん、居なくなってから考えろ。ま、居なくても世界は案外回るもんだぜ」
「…………」
両目の光りをチカチカと点滅させる花彼に、グドルフは両足を押しつけるようにして一旦距離をとった。そして腰から山賊棟を抜いて突きつける。
「クソ青龍よお、『あの人』はてめえに何度も語りかけたハズだぜ」
ハッとアランが何かに気付いた様子があったが、グドルフは構わず花彼に斬りかかった。
「言論統制よろしく、痛い言葉にゃ耳塞ぎやがる──そんなてめえが、クソほど気に食わねえんだよ!」
「遮那達を討つ根拠にしている情報は確かなのか?
確かめてみたのかよ、青龍!
本当にもう考える余地はないのか?」
そこへさらなる衝撃のブレスを叩きつけるシラス。
攻撃が重なったことで吹き飛ばされた花彼が両目の光を消灯し、脱力したように両腕をだらんと地面におとした。
「倒したんですか……?」
「いや、手応えはあったけど、資料にあった『花彼』ならこの程度で戦闘不能にはならない筈」
「こちらの話に納得してくれた、ということです」
フィーネにはなんとなくだが花彼の意図が分かった。機能を停止することが、こちらの言い分に納得した際にできる最大限の行動だということなのだろう。
破壊し尽くすのでもない限りは死ぬわけではない。言ってみれば『手を引いてくれた』のだ。
フィーネがふと振り返ると、別の花彼が片手をかざしパルスショットを放ってきた咄嗟に両腕を交差させ魔法の障壁を展開するが、まるで大きなゴムボールが激突したかのような衝撃と共にフィーネの身体は吹き飛ばされ赤煉瓦造りの建物へと激突。壁を破壊して屋内へと転がり込んだ。
幸いにもというべきか、そのせいで怪我をした人間はいない。歯ブラシを片手に扉をあけた壮年の男と目が合っただけですんだ。フィーネは反射的に『すみません』と言ってから立ち上がり、両手をかざし追撃への防御を固める。
花彼は両手をかざし交互に遠距離型のパルスショットを乱射してきた。
「夜妖の大量発生は豊底比売の影響によるものなのです、青龍様!
その討伐を行うことで、私達はこの国を護ってきたのです。
豊底比売の影響は大きくこのままいけば国は滅んでしまいます。
この国の文化……モダンファッションをやってみたいのです。
なのでまだ滅んでもらうわけにはいきません!」
「そこのカミサマが遮那クンを倒さないといけないと思うのはなんでにゃ?
上が言うからそうするだけなのかにゃ? 本当に何も考えず自分のメで見ずに敵だといってもいいのかにゃあ?」
そんな花彼の側面から神谷マリアによるネイルスラッシュが襲いかかった。
連撃が装甲を削り激しい火花をあげる。
振り払おうと払った腕を両手でがしりと掴んで攻撃を封じると、呼びかけを続ける神谷マリア。
「少なくともにゃーが見るに敵とは見えなかったのにゃ、ま、にゃあは怪盗で正義のヒーローだから詳しい事はわかんないけどにゃ?
力を合わせて問題解決したほうがいいんじゃないかにゃ」
それでも無理矢理振り払おうと暴れる花彼の背後へと忍び寄り、エイラの手がその背へと触れた。
「ねぇ青龍」
バチンと弾けた電撃によろめく花彼。
「豊底比売あってこその国だと思ってないぃ?
豊底比売が討たれればぁ終わりだって。
でもね、花が枯れたら種も残らないというのなら……それは国という樹が病気なんだよぉ」
よろめきながらも方向転換した花彼に、エイラは電気でできたクラゲを大量に生成、花彼めがけて次々に放つ。
「青龍。豊かさって、なんだろ。
水をあげすぎてもぉ過剰な日光もぉ肥料過多もぉ植物を枯らすだけだってぇ誰よりも知ってるよね?
捨て去ることの利点を認める君が豊かさにしがみついてる。
自然を良しとせず無理をしてでも不自然を良しとする……今の自分こそぉ不自然だと思わない?」
花彼の性能なら弾けるであろう攻撃だが、花彼はそれをよけきれずに受けているように見えた。
「摘蕾(暗殺)・摘花(口止め)・摘果(買収)……樹全体のためでなくぅ他の花を踏みつけてまで豊底比売を咲かそうとしてない?
エイラはね優しい君の心も萎れさせたくない」
花彼の至近距離まで迫る大きな電気クラゲ。
かざした手でパチンとエイラが指を鳴らすと同時に、クラゲは激しく爆発した。
「花が枯れても種、遺せるように。エイラ達は戦っているよ」
周囲の花彼たちが次々と機能を停止していく。
中には戦う前から機能を停止し、拳を地面についた姿勢のまま石像のように固まった個体も多くあった。
エイラたちの呼びかけが効果を発揮しているのだろう。
だが、全てが停止したわけではもちろんない。
次々と爆発が起こる中を、リアナルはマギラニアRをジグザグに走らせながら駆け抜けていく。縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧その後部座席にのるというのか張り付くというのか、なんとも形容しがたい搭乗のしかたをしていた。
「こっちが担当する個体数も少なくて済みそうだ。全機そのまま襲ってきたらヤバかったな、花彼強いし」
後ろでほにゃほにゃと何かを喋る縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧に曖昧に頷きつつ、リアナルは花彼めがけてマギピストルの狙いをつけた。
バイクを激しくスライドさせながらカーブをかけ、ぴったりと狙いをそらさぬままピストルを連射。
『青龍 確認 豊底比売 真名 『神異』 混沌(いこく)を 侵略 認識 ある?』
その間縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧は『繧「ク$ィブ◆キル1』を発動。激しい範囲攻撃を巻き起こした。
『青龍 望む 豊か 侵略 略奪?』
両手を揃えた花彼からの魔道砲撃を浴びせられるが、リアナルは『星詠の翼』を盾のように丸めて展開することでこれを防御。放射状に弾かれた光があたりの建物や横転した何かの屋台に当たってはじけた。
シャッと素早く翼を広げ射線を確保。バイクから機銃を展開させるとコントロールパネルの中央にマギピストルを差し込んで発射レバーにかえた。
魔法の光で花彼を貫くと、素早くマギピストルを抜いてヒールモードへとシフトチェンジ。グリーンの優しい光を重厚から溢れさせると、怪我をした仲間達めがけて撃ちまくった。
リアナルのヒールショットを受けて回復したシフォリィは、瓦礫の中から立ち上がった。
三体ほどの花彼が彼女を扇状に囲み、圧倒するかのように手をかざしている。かざした手にははもちろん、凶悪な光が溢れていた。
キィンという音が高まった中で、しかしシフォリィは反撃には出ない。
「主に仕える事、そしてそれに従う事それは良きことだと思います。豊底比売様が必要、もしかしたらそうなのかもしれません」
一転して相手を認める言い方に、花彼たちの手の光がやや弱まる。
シフォリィはそんな彼らの顔をそれぞれ見た。
「ですが今、その豊底比売様が苦しめようとしているのはこのヒイズルの国そのものです。
たとえ逆賊を倒すためであろうと、荒れた大地を元に戻すのは神通力ではなく人であるはずです!」
シフォリィは強く踏み出し、花彼たちは戦力的に圧倒しているにも関わらず思わずといった様子で半歩退いた。
「思い出してください! 国を守るのは、人を守るためでは無かったのですか!」
そして、側面から声がかかる。
「君らは『国の皆が安心して暮らせること』を主に置いていると思うんだ。豊かさを求めるのも、国の人が飢えたり苦しい思いをしない為。
でもこの国の人の心は?
このままこの国が光に飲まれれば、この人の心も侵食に飲まれてしまう。
君らに心があるようにこの国の人にも心があるんだ」
手をかざし、開いてみせるSiki。
「貴方達はどうして豊底比売が必要だと考えるの?
国の豊かさのために豊底比売が必要だってことみたいだけど本当に必要なのかな?」
反対側から声がした。スティアだ。
刀を手にしてこそいるが、刃は下ろされている。
花彼たちは一転して囲まれたことに気付き、それぞれ背を守り合うように手をかざし三方向へ身体を向ける。
「君らが合議制で意思を決めるように……この国の未来もこの国の人が決めるべきだと思う。
神様じゃなくて、この国に住む一人一人の意思で。
もし同じように思ってくれるなら、一緒に戦ってほしいんだ!」
呼びかけに耳を貸していた花彼のうち一体が、スッと腕を下ろした。
びくりとその様子に振り向いた個体とはまた別に、もう一体も腕を下ろす。
「最初から豊底比売はこの地にいたのかな?」
スティアの、疑問を共有させようとするような囁きに深い迷いに陥ったためである。
残る一体が迷ったように両腕を彼女たちに向け衝撃波を放つが、スティアたちが円周上を走ってそれぞれかわす動きのほうが早かった。
そしてSikiは青い罪炎の剣を、スティアは氷の花弁を散らし交差させた刀を、そしてシフォリィは背後のオーラと同期させたレイピアの突きをそれぞれ同時に花彼へとたたき込む。
それらの攻撃をうけ、花彼は目の光を消し……そしてがくりと腕を下ろした。
多くの花彼が機能を停止し、そして残る殆どの花彼たちも撤退を始めた。
「納得してくれた……のかな」
Sikiが呟くと、最後に残った一体の花彼がこちらに向けチカチカと目の光を点滅させてから背を向け、歩き出した。
「ついて来て、って」
あとをついて歩き出すエイラ。言葉が分かるのかと問いかけてみると、エイラは首を横に振った。
「そんな気がするだけ、だよぉ」
言われるまま花彼についていくと、そこには軽トラめいた車両が停車していた。
「花彼の輸送用……か? それにしちゃあちいせえな」
グドルフが運転席にはいりこみ、鍵をごそごそと探す。
助手席からすべりこんだ縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧がなにかを伸ばして鍵穴に触れると、バチンと火花がちってエンジンがかかった。
「……」
「……」
二秒ほど見つめ合ってから、グドルフが『まあいいか』と呟いた。
「途中で折紙衆が襲ってくる筈だ。こいつで突っ切るぞ。全員は乗れねえから……リアナル、シラス。残りのヤツを頼んだ」
「ほう? 本領発揮だな」
リアナルはマギラニアRのオプションコンテナ部分を操作して座席に変えると、シフォリィとフィーネを手招きした。
シラスは頷き、Sikiとエイラに背へ乗るようにジェスチャーする。
かと思えば、グドルフは運転席からおり、困惑しているアランをかわりに運転席へ放り込んだ。
「な、何をするんだ!」
「うるせえ馬鹿野郎。テメェだけ働いてねえだろうが、ホレ!」
ダッシュボードからパクっておいたサングラスを無理矢理アランに装着させると、ハンドルも無理矢理握らせる。
「よっしゃ、ぶっとばしていくぞ」
●一点突破のブレイクスルー
青龍への道をガードしていた折紙衆たちは、まず爆発音を聞いた。
次に煙を見た。
次に吹き飛ぶトタン小屋を見て、次にはじけ飛ぶ木くずと煙の中から飛び出した軽トラックを見た。
その左右を飛ぶ五輪バイクと白いドラゴンを見た。
豪速で突っ切るその姿に振り返り、慌てた様子で走り出すが追いつくことは難しい。
ごく僅かな折紙衆だけが馬を走らせ、なんとか併走できただけにすぎない。
「序盤の激しさに比べたら、だいぶ楽になったな」
シラスはちらりと後ろの様子をうかがった。馬で走る折紙衆の一人が魔力の矢を無数に作ってはこちらへ放ってくる馬上だというのに乱れは全くない。
「Siki、エイラ、手伝ってくれ」
「ん」
「いいよぉ」
エイラはくらげ型の火の玉を無数に作り出し、風に乗せて後方の折紙衆へと放つ。
と同時にシラスはぐるんと急反転。跳躍したSikiと同時にドラゴンブラスの構えを取った。
二人同時のドラゴンブレスが青き炎と白き雷、そして赤いくらげ火の複合体となって折紙衆とその後続たちへと襲いかかった。
馬から転落する折紙衆の弓兵。
と、そんな彼らの横をバイクに跨がった覆面の折紙衆が突き抜けるように追い抜いていく。
「そっちへ行った、リアナル」
「ああ、見えてる」
バックミラー越しにその様子を確認していたリアナルは反撃――に出ようとしてすぐに『来るぞ!』と叫んだ。
バイク上の折紙衆がロケットランチャーめいたものを構えたからである。
放たれたのは石の塊だが、込められた魔力が爆発しはげしい礫を拡散させた。
「シフォリィさん!」
「フィーネさん、そっちはお願いします!」
対して同時に構えたシフォリィとフィーネ。
リアナルのバイクにオプションされた座席の上で同時に振り向き、そして同時にスキルを展開した。
「『カウンター・ギャンビット』!」
「『ライトオーブ×3(トライ)』!」
連続で輝いた光がカウンターヒールとなって礫の弾幕に対抗。と同時に腕を広げた巨大なクイーンを初めとするチェスピース三機が礫の一部を剣で弾き、相手へと打ち返した。
そうして体勢の崩れたところへ、リアナルはここぞとばかりにマギピストルを突きつけた。
無言で一発。それだけで相手のバイクに命中した魔術弾が炸裂し、ガソリンタンクに引火。爆発を起こし派手な回転と共に折紙衆が吹き飛んでいく。
が、それでも根性のあるヤツはいつでもいるものだ。進行上にあった建物の壁を壊し路上へ飛び出してきた者がいた。
水の魔力を鎌に宿した折紙衆。彼の名を、グドルフは知らないわけじゃあなかった。
「チッ――!」
「これ以上先へは――親方様のところへは行かせん!」
斬撃が巨大なエネルギーの刃となってトラックを襲う。
それを打ち払ったのは縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧のボディと範囲攻撃だった。
が、それを突き破る形で荷台へと飛び乗ってくる折紙衆――『水之江』霄。
憑依させた夜妖の力を解放した彼は、大量の水の手裏剣を空中に展開するとグドルフたちへと解き放った。
「あの方が負う重責と犠牲を知らず、蛮行を……!」
「テメェが言うかよ! それを!」
グドルフは飛来した手裏剣を剣で打ち払った。
その側面を抜け、神谷マリアが『ブラッドカーニバル』のスキルを解放。
「暴れまわってやるにゃ!」
猫又由来の獰猛な本能をインストールすると、霄めがけて爪の乱舞を繰り出した。
それを変幻自在の鎌で受ける霄。が、力量は互角。このまま押し切れば――と言うところでスティアが大きく踏み込んだ。
一度両方の刀を鞘に収めると、左手からの居合い斬りを繰り出した。
いや、繰り出したのだろうか。
柄に手をかけようとした動作までは誰の目にも見えていたが、その後にあったのは氷の花弁が霄の身体を抜けるように散っていった幻影だけだ。
カチンという刀を収める音を合図にしたかのように、霄は袈裟斬りにされて血を吹き上げ、トラックの荷台から転げ落ちた。
「……」
その様子を縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧はトラックの助手席からのぞき見て、そして前へと視線(?)を戻した。
スティアは『構え』の姿勢から戻り、グドルフへと振り返る。
「知ってる人?」
「いや……」
後ろを振り返り、グドルフは肩を落とした。
「知らねえよ、あんなくそやろうは」
●『今』は過失で出来ている。
誰もが想像する。
人生の失敗をやり直す光景。時間を遡って、別の選択をする自分。もしくは、失敗がなかったことになった今。
けれど同時に知っている。
過去の失敗が消えることなんてない。
過去の敗北がやり直せることなんてない。
誰だって失敗し、誰だって敗北し、誰だってそのうえで生きてきた。
人生を道に例えることは多々あるが、その道を戻ることなどできないし、立ち止まったつもりになっても時間も世界も勝手に前に進んでしまっているのだ。
けれど。
だから。
それでも。
だからこそ。
「戦わなければならないと、思えるんです」
●神様のリライジング
遠近感が狂うほど巨大な青龍の大樹。
だがそれが、ゆっくりと『立ち上がった』ように見えたのは目の錯覚だろうか。
「コイツは……!」
空中で急ブレーキをかけたシラスは、そのまま緊急回避行動をとった。それまで彼が飛んでいたエリアを激しく巨大な光線が抜け、一拍おいて爆発を引き起こす。
「……あれ、フリークライって合体機構あったの?」
あえて高度をとったリアナルは、青龍の大樹とほぼ融合した巨大なフリークライ……通称『ツリークライ』に目を丸くしていた。
それは、横転したトラックから這い出たアランやグドルフたちも同じだったようで……。
「あれに……近づけるんですか?」
「ヒヒ! 國を守護するべき獣が自身可愛さに自ら國をぶち壊すとか、酷い話じゃないか。なぁ?」
ふとみると、縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧がはじめて人のような姿を見せくつくつと笑っていた。
月閃の力によるものだろう。
神谷マリアも腕を振ると月閃を発動。
「まずはこっちから一発入れるにゃ!」
踏み込んでくるツリークライ。それだけで大地が揺れるが、神谷マリアは構わず大ジャンプで建物の屋上まで飛び上がると更にジャンプ。ツリークライの腹部めがけて爪を繰り出した。
縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧も自らの力を解放。ツリークライの足場にそれらを展開し、片足の動きを封じ始めた。
「──こんな力に縋らなきゃ、てめえにキズひとつつけられねえ事に腹が立つぜ。
だがよ、考えが平行線なら、もうぶん殴ってわからせてやるしかねえのよ」
グドルフは吐き捨てるように『月閃』と唱えると、ツリークライめがけて走り出す。
「豊底比売に縋って仮初の豊かさを得る事ぁ、根本的な解決にゃならねえぜ。
人間ってのはそんなもん居なくたってな、這いつくばって泥臭く生きていけんだ。
おい、何度だって言ってやるよ、デカブツ野郎!
人間の可能性を、俺達を、舐めてんじゃねえぞ──ッ!!」
跳躍。そして斧を思い切り叩きつける。
それまでのグドルフとは比べものにならないパワーがはしり、ツリークライはがくりと体勢を崩した。
「効いてる……畳みかけるよ!」
「分かってる、『例のヤツ』だな!」
Sikiとシラスは同時に空へと飛び上がった。
そう、白いドラゴンと『青い竜』の二体が、ツリークライの顔の高さまで飛び上がったのだ。
「私の炎で全部燃やし尽くしてあげるよ!」
竜と化したSikiの放つドラゴンブレス。
それに合わせたシラスの動きは、それまでと一線を画していた。
そして姿も、『白いリヴァイアサン』とも言うべき姿に変え、膨大なエネルギーの塊をドラゴンブレスとして叩きつける。
「喰らいな、これが災厄の冠だ!」
あれだけ巨大なツリークライでもどすんとしりもちをつくほどの衝撃だった。
振り払おうと腕を突き出すが、巨大な聖域の壁が生まれツリークライの腕を阻む。
リアナルのバイクから月閃で力を解放したフィーネのものだ。
「今のうちです!」
「オーケー、抑えてろ!」
リアナルもまた月閃の力を解放。尾が九つに増え、大量の魔方陣が垂直に連結。魔法の砲撃がツリークライめがけて叩きつけられる。
ツリークライからも光線が放たれたが、シフォリィがカウンターを放つかのように『月閃』の力を解放した。
「ツリークライの力が弱っています。多くの『意志』がこちらに味方しているんです!」
シフォリィの放ったクイーンの力がリアナルの魔力砲撃に加わり、ツリークライの光線を打ち破りながらその頬へと叩きつける。
そこへ突っ込んでいくスティア。
抜いた刀を交差し、光る花弁を激しく散らしながらX字の斬撃を繰り出した。
それが決定打となったのか、ツリークライはその場に転倒。
樹木を保つためにか巨大な人形部分と切り離し、大地に人形部分だけが横たわる。
それでもなんとか動き出そうとするが、空にふわりと浮きあがったエイラがゆっくりと首を振った。
「もう、分かってる筈だよぉ青龍」
エイラが光に包まれる。
少女の姿が、光の中によぎった。
「『月閃』――フリッケライ アクティベート!」
光は力ある墓守人形のそれとなり、苔むした装甲は生命の力に満ちていた。
「“繋がり共にある者” ソレコソガ コノボディ 込メラレ 我 誓ッタ 願イナノダカラ――」
繰り出したツリークライ最後の拳は、それに比べればあまりに小さな『フリッケライ』の拳によって粉砕された。
当然のことだ。
青龍も、もう分かっていたのだ。
土地のため、国のため、『諦観』として使っていた力よりも……想いのため、縁のため、そして受け継いだ願いと希望の力のほうが、ずっとずっと上だということが。
それはツリークライの盛大な自己崩壊という形で現れ、巨大な人形は砂となって散っていく。
「青龍。またね」
フッと笑い、エイラはゆっくりと大地へとおりたつ。
結界が元に戻ったのか、見上げるとそこには青龍の大樹がしずかに立っている。
樹木の籠から解放されたのだろうか。カミラがそのそばに腰を下ろす形で現れた。
「ありがとう……皆さん。それに、アラン」
カミラは青龍の大樹に手を当てると、小さく頷く。
「青龍様は、あなたがたに強く協力する意志を見せています。
もし豊底比売を打ち破ればこの土地は酷く荒れるかもしれませんが……それをできる限り抑えてくれるそうです」
イレギュラーズたちはその言葉を受けて、青龍の大樹を今一度見上げた。
戦いは、勝って負けてそれで終わりではない。その後に残される様々なものがある。
彼らはそれを『勝ち取った』のだ。
「…………」
グドルフはそんな光景を静かに見つめ、そして背を向ける。
「行くぞ、まだ終わったわけじゃねえ。豊底比売をぶっ飛ばさねえと」
シラスも、Sikiも。
シフォリィやスティアも。
神谷マリアとリアナルも。
姿を戻した縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧も。
頷き、そのあとに続いて歩き出した。
フィーネもそれに続こうとして、もう一度振り返る。
声を上げて泣くアランの姿があった。誰も声をかけないのは……きっと、意味のあることなのだろう。
エイラが優しく頷き、そして決戦の場へと顔を向けた。
「そうだねぇ。皆、行こう。『この国』を取り戻すために」
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
――クエスト完了
――説得に成功した青龍の大部分はこの地に残り、今後荒れるであろう土地や水質の維持に尽力してくれるようです。
GMコメント
このシナリオは『花枯パート』『折紙衆パート』『最終決戦パート』の三つで構成されています。
●花枯パート
https://rev1.reversion.jp/illust/illust/27264
青龍結界を守るように配置された人形『花枯』はフリークライ(p3p008595)によく似た戦闘人形です。
肩に植えられた盆栽サイズの木は紛れもなく青龍の一部であり、青龍の意志の一端をそのままもっています。
彼らは最高神の要求通りに遮那一派を処刑しなければならないと主張しており、そのために行動しています。
現在は青龍への接触を試みるイレギュラーズたちを撃退すべく展開しているところです。
・『壊すか』『諭すか』
ここでは、花枯に対して戦闘をもって破壊するか、それとも諭して攻撃をやめさせるかを選択することができます。
ここでは参加メンバーが『意志をひとつに統一していなくても良い』ものとします。
詳しくは後述しますが、花枯に移植された青龍様は個々に別の考えをもった独立した意識対のため、ある青龍とは敵対しある青龍とは有効的になったりしても矛盾は起こりません。
・『花枯』について
それぞれが青龍の意志の一端です。
そもそも巨大な樹木の形状をとる青龍様は巨大な意志の集合体であり、人間でいう合議制で意志決定をしています。
そのため、花枯ひとりを説得することは議会のひとりを説得することに等しく、多くの花枯を納得させることができればそれは議会の意志の多くを掌握したことに等しくなります。
また、一部の花枯を戦闘によって撃破しきったとしても青龍様が死ぬわけではないので決定的な敵対条件にはなりません。
ただ戦闘に関してもそれなりに強力ですので、仮に諭すのだとしても怪力や魔力砲撃をしのぎながら諭すことになるでしょう。
・青龍の考え方
先述したとおり青龍様は無数の意識による合議制で行動を決めていますが、今のところ青龍は以下の三つの方針を決定しています。
『国の豊かさのために豊底比売は必要である』
『帝たちからの情報によって、遮那一派と高天京特務高等警察は国の豊かさを奪おうとしている逆賊と認めている』
『国の皆が困っている時なので、自分のリソースを削ってでも手を貸すべきである』
●折紙衆パート
こちらは本格的な戦闘パートです。
花枯たちの防衛ラインを突破し、青龍の大樹へと突き進む間での戦闘を扱います。
前パートの結果によって若干内容が変わります。
・折紙衆との戦闘
ここでの折紙衆は夜妖憑きとなった精鋭暗殺集団です。
怪異の力を行使しこちらを殺そうと襲いかかってきます。
このとき、前パートで花枯の説得に成功していた場合と撃破していた場合で敵味方の戦力が動きます
説得に成功:説得できた花枯の個体が味方として戦ってくれる
撃破に成功:防衛ラインの人員補充のために折紙衆ひとりがこの戦闘に参加しない
●最終決戦パート
https://rev1.reversion.jp/illust/illust/42610
自身の危機を察した青龍様はとっておきの最終兵器を起動させます。
超巨大な花枯と自身を融合させることによって立ち上がり、全てを破壊しつくすという作戦です。
ここでは全員が一ターン目から一斉に『月閃』して戦う必要があります。
(逆に言うと、ここまで月閃は温存しておいてください)
この普通では倒せないくらい巨大な相手――巨大花枯(ツリークライ)を倒し、ヒイズルじゅうで動く青龍眷属たちを止めましょう。
ここでも『花枯パート』の結果が影響します。
説得に成功:説得できた花枯の個体が味方として戦ってくれるが、巨大花枯が凶暴化し戦闘力が強まる
撃破に成功:巨大花枯の戦闘力が弱まる
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●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●魔哭天焦『月閃』
当シナリオは『月閃』という能力を、一人につき一度だけ使用することが出来ます。
プレイングで月閃を宣言した際には、数ターンの間、戦闘能力がハネ上がります。
夜妖を纏うため、禍々しいオーラに包まれます。
またこの時『反転イラスト』などの姿になることも出来ます。
月閃はイレギュラーズに強大な力を与えますが、侵食度に微量の影響を与えます。
●侵食度<神異>
<神異>の冠題を有するシナリオ全てとの結果連動になります。シナリオを成功することで侵食を遅らせることができますが失敗することで大幅に侵食度を上昇させます。
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。
●『侵食の月』
突如として希望ヶ浜と神咒曙光に現われた月です。闇に覆い隠されていますが、徐々に光を取り戻していく様子が見て取れます。
一見すればただの皆既月食ですが、陽がじわじわと月を奪い返そうと動いています。それは、魔的な気配を纏っており人々を狂気に誘います。
佐伯操の観測結果、及び音呂木の巫女・音呂木ひよのの調査の結果、それらは真性怪異の力が『侵食』している様子を顕わしているようです。
R.O.Oではクエストをクリアすることで、希望ヶ浜では夜妖を倒すことで侵食を防ぐ(遅らせる)ことが出来るようですが……
●侵食度<神異>
<神異>の冠題を有するシナリオ全てとの結果連動になります。シナリオを成功することで侵食を遅らせることができますが失敗することで大幅に侵食度を上昇させます。
●重要な備考
<神異>には敵側から『トロフィー』の救出チャンスが与えられています。
<神異>ではその達成度に応じて一定数のキャラクターが『デスカウントの少ない順』から解放されます。
(達成度はR.O.Oと現実で共有されます)
又、『R.O.O側の<神異>』ではMVPを獲得したキャラクターに特殊な判定が生じます。
『R.O.O側の<神異>』で、MVPを獲得したキャラクターはR.O.O3.0においてログアウト不可能になったキャラクター一名を指定して開放する事が可能です。
指定は個別にメールを送付しますが、決定は相談の上でも独断でも構いません。(尚、自分でも構いません)
但し、<神異>ではデスカウント値(及びその他事由)等により、更なるログアウト不能が生じる可能性がありますのでご注意下さい。
※本シナリオは運営スケジュールの都合により、納品日が予定よりも延長される可能性がございます。
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