PandoraPartyProject

シナリオ詳細

義勇兵のお仕事・裏町の安全確保

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●義勇兵募集官からのクエスト
「我々は義勇兵を募集している! 町の安全を願う諸君の参加を望む!」
 騎士らしい恰好をしたNPCが、そう叫んでいるのが見える。
 義勇兵募集官。そう呼ばれているNPCだ。
 比較的初心者でも受けやすいクエストを定期的に出すNPCであり、今回もその類のようだ。
 実際、今回はどんなクエストかと何人かのアバターが話を聞いているのが分かる。
「参加って、どんな仕事なんだ?」
「近頃、裏町で違法投棄されたゴミにハエ型モンスターなどが集まってきている。諸君には、原因の排除をお願いしたい」
 ちょっと臭そうである。この時点で何人かのアバターが去っていく。
「一応聞くけど、報酬は何を?」
「義勇兵の諸君の経験と、住民からの感謝だ。町の安全を守ることは得難き経験となるだろう!」
 あまり美味しくない類のクエストだと感じたのだろう、また何人かが去っていく。
 残った人数は、あまり多くはない。
「など、って言ったけど……まさかボスモンスターとかいるのか?」
「可能性はあるだろう。掃除してもすぐに汚れてしまうからな」
 ボスモンスター。
 その言葉にまた何人かが去っていく。
 R.O.Oのボスモンスターのステータスは大抵色々とおかしい。
 そんなものを相手したくはない。
「残った諸君はこの仕事を受けるということで構わないのだな?」

●クエスト内容
「では、仕事の内容を説明する」
 場所は町の裏町。まあ、いわゆるスラム街ではないが人々が勝手に住み着いて結果的に町になったような、そんな場所だ。
 場所柄ゴミなどがこっそり廃棄されやすく、そのせいか虫モンスターの類が湧いてきてしまうのだという。
 町の安全確保のための大事な仕事ではあるが、そればかりに関わっているわけにはいかない。
 そこで定期的に義勇兵を派遣しゴミの掃除とモンスターの駆除を行うことにしたのだという。
「諸君は記念すべき1回目だ。是非頑張ってもらいたい」
 実際の仕事だが、どうにも話を聞いていると「仕事開始」したい時に義勇兵募集官に話しかける事で専用フィールド「裏町」の室内「特別ゴミ焼却場」に転送されるようだ。
 そこにはNPCの義勇兵担当官が居て、話しかける事でクエストの進行や終了が可能となる。
 裏町はそれなりに広いフィールドではあるが、そこに無数の「臭いゴミ袋」が点在している。
 これを開始位置にいる「義勇兵担当官」まで持っていく事で焼却して貰える。
 だが、ゴミ袋を所持することでフィールドの何処かにモンスターが一定間隔で一定数発生する。
 これは「所持」した瞬間と、その後の一定間隔となるので、次の時間が来る前に1度ゴミ袋を放棄するというのは逆にデメリットを増加させてしまうだろう。
「ゴミ袋の数は40個ほどだと思われる。諸君の活躍を期待する!」

GMコメント

クエスト詳細
クエスト名:義勇兵のお仕事・裏町の安全確保
クエスト報酬:義勇兵の称号、経験値
成功条件:ゴミ袋40個の回収、出現モンスターの全滅
支給品:専用レッドポーション2個(飲むとちょっと回復。クエスト終了で消滅)

特殊条件:クエスト中、1回だけ「特殊殺虫剤」の散布を要請できます。
これにより、その時点でフィールドにいる全てのモンスターを駆除可能です。
要請開始から5カウントで散布されますが、アバターもダメージを受けるので室内に退避する必要があります。
このアナウンスはフィールド全体に響き渡ります。

フィールド:裏町。全体的に薄暗く、「臭いゴミ袋」が点在しています。
付近の家には入ることが出来ますが、ゴミ袋を所持した状態では「臭い!」と言われ入れません。
勿論、開始位置の「特別ゴミ焼却場」はゴミ袋を所持した状態で入れます。
室内にいる間は、モンスターは追ってこない&ターゲットされていてもターゲットから外れます。

●出現モンスター(初期状態では各20匹。条件により増加します)
大ネズミ:全長1Mのネズミ。噛みつき、体当たり攻撃。ちょっとタフ。
ゴッキー:全長1Mのゴッキー。齧りつき、体当たり攻撃。結構素早い。
巨大ハエ:全長1Mのハエ。小さな竜巻を発生させて攻撃してきます。それなりに堅いです。

●特殊モンスター
ゴールドフライ:全長4Mの黄金のハエ。初期状態では存在しません。
モンスター出現状態を満たしているとき、一定確率で発生する可能性があります。
巨大竜巻「ゴールドサイクロン」を使用します。
馬鹿みたいに強いです。逃げたほうが良いでしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

  • 義勇兵のお仕事・裏町の安全確保完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月21日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヴァリフィルド(p3x000072)
悪食竜
グレイ(p3x000395)
自称モブ
縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)
不明なエラーを検出しました
シュネー(p3x007199)
雪の花
アインス(p3x007508)
機械仕掛けのメイド
カノン(p3x008357)
仮想世界の冒険者
黒子(p3x008597)
書類作業缶詰用
ルージュ(p3x009532)
絶対妹黙示録

リプレイ

●裏町ゴミ掃除大作戦・情報収集
 薄暗い「裏町」に『仮想世界の冒険者』カノン(p3x008357)たちはいた。
 すでにちょっとした事前準備を終わらせたところだが……何とも言いがたい感情がカノンたちの内を満たしている。
 それは何故か。理由としてはクエスト名と実際の内容の差異が大きいだろうか。
 勿論、この裏町の雰囲気もテンションに大いに寄与しているだろう。
 薄暗く、汚く、臭い。
 それだけでなく、住人たちもどうにも排他的だ。
 しかもその住人たちが今回のクエストの原因かつ非協力的だというのだから、テンションが上がろうはずもない。
 義勇兵のお仕事・裏町の安全確保。
 なんと勇ましいクエスト名だろうか。
 臭いゴミの回収。なんと辛い現実だろうか。
(安全を守るための義勇兵の仕事……またおえぇーとなりそうな仕事)
『伝承義勇兵』グレイ(p3x000395)はそう考えながらも、頑張らなければと気合を入れ直す。
「でもこれも強くなる為、他の人がやりたがらない仕事でも頑張る」
『ゴミ 捨て がばる』
(裏町、こういうところに面白い情報とか転がっていたりするんだよねぇ。でも大きなネズミやらゴキブリやら蝿やらは驚いたね。仮想現実とはいえ、なかなか迫力がある。ヒヒヒ!)
『不明なエラーを検出しました』縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧(p3x001107)もそんな事を言っているが、ちょっと台詞と心の中の乖離が激しいようだ。
「裏町の安全を守るため……エネミーがエネミーだけにちょっと、こう、気持ちが削がれそうですが! 頑張りますっ!」
『雪の花』シュネー(p3x007199)もそう呟くが……そう、臭いゴミの回収の上に虫が出るのだ。
 気持ちが削がれそうになるのは無理もないだろう。
 そして、ゴミ袋は40袋。
 1人あたり5袋と考えると、結構な数といえるだろう。
 だからこそ、A班とB班、C班に分かれてゴミ回収をする予定だったのだ。
 A班は『機械仕掛けのメイド』アインス(p3x007508)、『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)。
 B班は縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧、シュネー、『悪食竜』ヴァリフィルド(p3x000072)。
 C班はグレイ、 カノン、 『書類作業缶詰用』黒子(p3x008597)。
「先ずは可能であれば上空からごみの位置を確認したいところだったのだがな……」
 ヴァリフィルドは言いながら溜息をつく。
 空を飛ぶとハエが襲ってくるので、全ては確認できなかったのだ。
 しかし、確認して記憶した分だけでもマップに記入している。可能な限り早く回収するのに役立つだろう。
 空からの探索は、そんな調子だったが……それでは終わらない。
 各班で手分けして捜索することで、初期モンスターの排除も含め全てのゴミ袋の位置が確認できていた。
「……鼻が馬鹿になる前に終わらせることができてよかったですね」
「そうですね……頑張りました」
 カノンにアインスも頷き、しかしこれからが本番であることを思い出してしまう。
「ともかく、これで地図は完成ですね」
 黒子がそう呟き、全員に共有する。
 そう、ヴァリフィルドの得た情報と全員の情報を合わせ、かなり精度の高い地図が完成していた。
 40個あるか情報共有して被りがないか確認している程の徹底っぷりだ。
 この地図さえあれば、迷う事も無いだろう。
「臭いが酷いならさっさと終わらせれば良いしなー。全部の袋の位置が判ったしタイムアタックだぜ!!」
 今回は運搬用のウマも用意している。ある程度の役に立ってくれるのは間違いないだろう。
「よし、行きましょう」
「清掃活動も冒険者の地道なお仕事です、手を抜く訳には行きませんね。下水道等の厳しい場所と言う訳でもありませんし、ボスモンスターは避けて問題なく終われば良いんですけど」
 黒子にカノンがそう言えば、黒子はなんとも微妙な雰囲気を……顔は分からないが、そんな雰囲気を醸し出す。
 グレイも同様だ。義勇兵として下水道に行った経験が蘇ったのだが……まあ、さておこう。
「不法投棄されたゴミの片付けを手伝う……依頼です、頑張ります」
 そんなアインスの前向きな掛け声と共に、ゴミ収集作戦は始まったのだった。

●裏町ゴミ掃除大作戦・収集開始
 A班の2人であるアインス、ルージュはウマと共に地図を確認していた。
 ルージュがタイムアタックと言ったが……時間がかかればかかるほどモンスターの数は増え、ゴールドフライが出現する可能性も自然と高まっていく。
 だからこそ3班で担当場所を決めて回収していくのが一番効率が良いという結論になったのだ。
 その為にはルートを往復で考える必要があり、しかし最初からいるモンスターを全員で排除したことで、ある程度の心の余裕はあった。
 そしてA班は2人であることから「焼却場から比較的近い位置の探索&袋回収を行う」というのが暫定的に班長になったルージュの判断だった。
「これを帰り道に回収して……この位置のゴミを持っていけばいいですね」
「そうだな!」
 アインスにルージュも頷き、裏町を進んでいく。
「大変な依頼ですが……これならしっかり終わらせることが出来そうですね」
「変なルールだけどなー。逆に言えばルールをちゃんと理解して行動すれば、わりと何とかなると思うぜ」
 そう、このクエストのルールは実にゲーム的だ。
 いや、ゲームではあるのだが……なんというか、R.O.Oにしては非常に良心的なルールで構成されている気がルージュにはしていた。
 無論、理不尽な部分もゴールドフライ含め存在するが……それを含めても、アインスにもルージュの言いたいことは分かる気がしていた。
 そんなルージュに頼りになる思いを感じつつも……ルージュは自分の役割が「ゴミの運搬する時に湧いた魔物から守る護衛役」であることを忘れてはいない。
 しっかりと気合を入れながら、他の班の無事を祈っていた。
 そして……ちょうどその頃、シュネーが何かにビクッと振り向く。
「薄暗いとなんだか不気味ですね……っ、今、何か動きましたっ?」
「いいや、動いていない。だが出来るだけ手早く回収していかねばな。それが現実になりかねん」
 縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧もホニャホニャと呟くが、確かに今回はシュネーの気のせいだったようだ。
 そう……B班の縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧、シュネー、ヴァリフィルドは、A班とは違う場所でゴミ回収を開始していた。
『駆除 まかせて ゴミ 運ぶ よろしく』
 そんな事を言う縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧だが、あらかじめゴミの位置を総合して、一番効率よく集められるルートを考案して意見するといったかなり几帳面なところを持ち合わせている。
 ヴァリフィルドも、「ごみは一度拾ったら焼却場まで手放さぬ」と決めていた。
 これはゴミを離し再度持ち上げればモンスターがその時点で出現するというルールを受けてのことだった。
 そして処理場への運搬が最優先とし出来る限り戦闘は護衛に任せる。
 つまり、Bチームにおける戦闘役は縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧とシュネーに完全に任せるつもりなのだ。
 ごみを持ったり乗せた状態でもキャリアーの効果で他のメンバーよりは多く持てるだろうし、それを考えれば良い判断だろうか。
「ここからまた現れるはずです。注意深く参りましょう!」
 ゴミをまず1つ、ヴァリフィルドの背に。瞬間、3人の視線の先にハエモンスターがヴンッと音をたてて出現する。
「ひえっ!? 近づかれる前に、倒します!」
 シュネーのアクティブスキル1が炸裂し、ハエモンスターはボトッと地面に落ちる。
 その姿が如何にも気色悪いが……時間と共に消滅するので、その辺りはゲーム的処理で非常に助かる部分だろう。
 他にも何処かにモンスターが出現しているはずだが、ゴールドフライは少なくとも此処には居ない。
(不気味な場所だ……)
 ヴァリフィルドは、口には出さずともそう思う。
 このクエスト用の特殊フィールドであるのは分かっている。
 しかし……如何にも怪しげな企みが行われていそうなこの場所が、お世辞にもあまり長居をしない場所ではない。
 このゴミ回収の示した裏町の現状は、それを現わしているようにも感じられた。
「よし、2個目です!」
『敵 攻撃』
 ゴッキーがいることを発見した縺薙?荳也阜縺ョ繝舌げ繧の繧「ク$ィブ◆キル1がゴッキーを一撃でパンッと弾けさせるが……やはりゲームでもちょっとなんかな……と、シュネーは気分が下がる思いを味わっていた。
 その頃、C班のグレイ、カノン、 黒子の3人も何処かの班の影響で出てきたと思われるモンスターを撃破していた。
 1体1体はそれほどの実力でなくても、数がいると途端に強敵になる。
 それを味わいながらもカノンたちは集めたゴミを特別ゴミ焼却場に持ち込んでいた。
「これに入れられたら、話は早いんですけども……」
 カノンは言いながら、自分のアクセスファンタズム「レリックインベントリー」が【このオブジェクトは収納できません!】というメッセージを返してくるのを確認していた。
 どうやらアイテム扱いではなくオブジェクト。それもクエスト用の特別なものだから、そうした手段を弾くように出来ているのかもしれなかった。
 しかし、ともかくこうして回収したものを運び込むと、NPCの義勇兵担当官が笑顔で話しかけてくる。
「お、回収してきたみたいだな! どれ、早速燃やしてしまおう!」
 そう言うが早いか、ポイポイとゴミ袋を火の燃え盛る焼却炉に放り込んでいく。
「よし! では残りも頼むぞ!」
「はあ……本当に鼻が馬鹿になりそうです」
 冒険技能で効率よく運んでいるとはいえ、本当にリアルに臭いのだ。
 カノンの愚痴も仕方ないと言えるが……そんな愚痴に義勇兵担当官が頷く。
「気持ちはわかるぞ。こんなものを道に放置しているのが信じられん」
 義勇兵諸君のおかげで助かっている、という彼の言葉を受けながらも、カノンたちは特別ゴミ焼却場の外に出る。
「A班とB班はこの範囲を動いていますから……次は此処のゴミでしょうね」
「そうだな。私……俺も賛成だ。遠いものから回収すると、自然とそれになる」
 黒子とグレイが頷きあったその瞬間、ハエモンスターが3体出現する。
 こんな所に出現されては、放置というわけにもいかない。
 即座にグレイが襲い掛かり、アクティブスキル1を叩き込む。
 そしてゴミ袋を持っていない今であれば、カノンも戦いに集中できる。
 黒子のアクティブスキル3とカノンの魔弾Cが、残るハエモンスターを叩き潰す。
 グチャッというハエモンスターの潰れる音に全員がげんなりとするが……そこにゴミ袋をウマに載せたアインとルージュが現れる。
 ちょっとボロボロになっているのは……聞かずとも、原因は分かっていた。
 ゴールドフライ。それ以外にないが、どうやら無事に逃げ出せたらしい。
「そっちも無事か。おれたちは酷い目にあったぜ」
「足止めが効かなかったら終わりでしたね……」
 ルージュとアインスは、言いながら溜息をつく。
 ゴールドフライ。ギラギラと黄金色に輝く巨大バエから逃げ出す為の手段は決めてはいたが、想定以上にゴールドフライが速かった。
 アインスに攻撃がほぼ当たらなかったのは運だし、ルージュのHPが「消し飛びかけ」で残ったのも運だった。
 しかし、生き残れば勝利だ。レッドポーションも使ってしまったが、何の後悔もない。
 そうしてウマごと特別ゴミ焼却場の中に入ると、義勇兵担当官がポイポイとゴミを燃やしていく。
「中々上手い運搬方法を考えたな!」
 そう褒めてくれる義勇兵担当官に頷きながらも、2人は安堵の息を吐く。
 ルージュの発案によりウマの背に紐を使ってウマの背にゴミ袋を乗せていたわけだが、その具体的な方法は2つの袋の口を紐でつないで、それをウマの背の右と左に均等になるようにぶら下げていく感じだ。
 こうすると背の部分に紐が来て袋の重みが繋いだ反対側の袋に均等にかかるから袋が落っこちなくなる……のだが、その分ゴールドフライに襲われた時の緊急避難が少しばかり遅れてしまうという欠点もあった。
 だが、それ以上に役に立つし、生き残れば勝ちだ。
 そうして次から次へとゴミ袋を運搬し、最後にヴァリフィルドにゴミ袋を載せたB班の面々がゴールドフライ3体に追われながら、なんとか特別ゴミ焼却場に滑り込む。
 もう此処に入れば終わりともなれば、そうなるのは自明の理だが……まさにデッドオアアライブであっただろう。
 そうしてゴミを火に放り込んで貰うと、全員の要請で特殊殺虫剤が散布される。
 建物の外でゴールドフライが何も出来ずに殺虫されていく姿は、なんとなくスカッとする光景で。
「よし、これで仕事は終わりだ! 義勇兵諸君の奮闘に感謝する!」
 そんな義勇兵担当官の言葉に、全員がその場に座り込んでしまう。
 最終的に出たゴールドフライの数は、5。それだけ「死」がウロついていたということだが……なんとも恐ろしい光景ではあった。
「これでクエストクリアですっ! それにしても……大きかったです。うう、思い出したくない……」
「そうですね……」
 シュネーに、カノンもそう同意してしまう。
 というか、それに関しては全員が同じ気持ちだろう。
 全長1Mのハエやゴッキーなどを好んでみたい人間など、そう多いはずがない。
 しかし……それでも生き残った。それでも勝ったのだ。
 その事実を胸に、全員が1度も死ぬことなく、クエスト終了の合図を聞くのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
無事に裏町の安全を確保しました!

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