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シナリオ詳細

<Noise>再現性東京2010:不可思議なる導き

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<Noise>再現性東京2010:不可思議なる導き
 秋の風が吹く、再現性東京。
 極々平和な日常が広がる……筈であったこの世界に突如襲い掛かった事件。
『ピピピ……イジョウ、イジョウ……シンニュウシャ、ハイジョ、ハイジョ……!!』
 電子アラーム音をけたたましく鳴らしながら、動き回るのは警備型ロボット。
 ここは希望ヶ浜の一角に電気を送る、電力発電施設。
 部外者の侵入を排除するために導入したのは、ロボット型警備システム……それは今迄、極々普通に仕事をし、働く従業員達を顔認識し、排除する事など無かった。
 極々普通の朝、いつも通りに入館しようとした職員を顔認識した……その瞬間に突如、排除せよというアラームを吐いて排除に動き始めたのだ。
「な、何だ突然! おい、どうなっている!!」
「わ、わかりません!! 突然コンピューターが暴走してしまって……!!」
「何だと!?」
 警備型ロボットの異常事態に、叫ぶ人々。
 既に入館していた職員達も、警備ロボットによって力尽くで運び出され、抵抗する者には……制圧用に装備されている高電圧のスタンガンを放ち、気絶させ、次々と排除されていく。
 そんな突然の事態を目の当たりにした希望ヶ浜の者達は。
『う、嘘だろう……? こ、こんな事態になる訳なんてない!!』
 目の前で怒る、非日常の事態を信じる事などできず、乾いた笑いで呆然と立ち尽くしたり……気絶して運び出された仲間達を介抱するしか出来る事は無いのであった。


「みんなー、大変だよー!! ちょっと来てくれるー!!」
 と、希望ヶ浜のカフェ・ローレットで綾敷・なじみが、ぶんぶんと手を振って皆を集める。
 いつもののほほんとした感じとは違い、ちょっと焦っている雰囲気に君達は足を止めて話を聞く。
 そしてなじみが。
「最近、この希望ヶ浜で停電とかが頻発しているのはもうみんなも知ってるよね? どうもそれって、そういった施設で緊急事態が起こっているみたいなんだ!」
 なじみの言葉に頷く君達。
 確かに最近、希望ヶ浜に住んでいて突然停電したり、水道が停止してしまったりという、ライフラインに起きている異常事態に思い当たる節はある。
「どうやら、原子力発電施設を警備する警備システムが暴走しているみたいで、職員の方達の侵入も出来ないみたいなんだよね。このままだと発電はおろか、大事故にも繋がりかねないんだ! そこでイレギュラーズのみんなに、この事件の解決をしてきて欲しい、って訳なんだ!」
「どうすればいいか、って? 警備システムは意味不明な形で暴走しているんだ。どうすれば暴走を止められるかも解らないから、取りあえず警備システムを全部破壊して、力尽くで使い物にさせなくすれば、取りあえず発電所の制御は職員さんに任せられるから、何にせよ警備システムを全部見つけ出して、破壊してきて欲しいんだ!」
 中々豪快な案を提案するなじみ……とは言え暴走原因が分からないから、取りうる手段はそれ位しかないのも解る。
 もちろん、警備システムを倒せば何か解るかも知れないが……兎に角制御を取り戻さない事には、更なる大事故が起きかねないだろう。
「という訳でさ……みんな、全然情報が無くて申し訳無いんだけど、宜しく頼むね!!」
 と、皆の背中を叩き、送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 どうやら希望ヶ浜に怪しい動きが……?

●成功条件
 希望ヶ浜の原子力発電施設を警備している警備システムを完全に破壊する事です。
 なお、原子力発電施設に残ってしまっている職員の方達も救出可能です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 原子力発電施設ですが、既に職員の方々の大多数は強制的に排除されてしまっています。
 ただ数名程度ですが、警備システムに見つからないよう姿を隠して居る職員の方達も居る様で……彼らによって、どうにか発電所の暴走は止められている様です。
 とは言えこのまま放置していれば彼らも見つかってしまい、完全に発電施設は警備システムによって支配されてしまう状態になりかねません。
 又施設の内部情報はトップシークレット故、事前に情報を得ようとしても、かなり制限されてしまいます。
 なので、施設の中で何とか生き延びている職員の方々を見つけ、彼らから情報を聞き出しつつ、施設の警備システムの完全制圧を行う必要があります。

●討伐目標
・原子力発電施設を警備する自律ロボット型『警備システム』 x 30体
  姿はずんぐりむっくり、足はキャタピラーかキャスターの様なものになっている人型の警備システムです。
  彼らは自律し、原子力発電施設内部を警備しており、侵入者を視認すると即座に攻撃態勢に移ります。
  30体とありますが、どこかに固まっているという訳ではなく、2、3体位のグループで施設内部を巡回警備しているようです。
  攻撃手段は、その手から放つ高圧電流(スタンガン)です。これは中距離まで攻撃を飛ばす事が出来、更に麻痺の効果を付与します。
  又同時にアラームを鳴らす事で、周囲に居る他の警備システムを呼び寄せるという能力も持ちます。
  動きは鈍いのですが、体力が意外に多くしぶとい様です。
  尚、施設中心部の「原子炉制御室」には、その持ち場を離れることの無い警備システムが3体いる様です。
  ただ原子炉制御室を見つけるには、施設の中に残る職員の方の情報が無いと、辿り着くのは難しいでしょう。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <Noise>再現性東京2010:不可思議なる導き完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月26日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

レイヴン・ミスト・ポルードイ(p3p000066)
騎兵隊一番翼
サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ
皇 刺幻(p3p007840)
六天回帰
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー
山本 雄斗(p3p009723)
命を抱いて
ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)
陽気な骸骨兵

リプレイ

●希望の灯が消える迄
 秋の風が吹く、再現性東京の希望ヶ浜。
 極々普通の街並みと、その街並みの傍らには街に電力を供給する為の重要施設である原子力発電施設に辿り着くイレギュラーズ。
「しかし……よりにもよって、原子力発電施設とはな……」
 と『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が憂い、溜息を吐くと、それにこくりと頷く『騎兵隊一番翼』レイヴン・ミスト・ポルードイ(p3p000066)。
「ああ。原子力発電施設……ある意味科学技術の到達点の一つみたいな場所か。聞くところによれば、放射能汚染とやらの問題もあるんだっけか? 深部に放置された職員は危険かもしれんな……」
「そうだな。大事故なんぞが起きたら洒落にならん。意地でも止めなければな!」
 二人が言う通り、今回の事件はこの原子力発電施設で起きている。
 突如電子アラームがけたたましく鳴り響き、警備型ロボットが入館者を排除しようとしているという話。
 それを明示するかの如く、原子力発電施設の入口には、警備ロボットによって追い出された沢山の職員達がどうしてこんな事に……と騒いでいる光景が広がっている。
 正規の職員ですら排除されてしまった状態……彼らすら、起きている事態はまだまだ飲み込めて居ないのだ。
 とは言えこのまま時間だけが経過していけば、制御されていない原子力施設が大事故にあってしまう可能性は十分にあり得る話。
「それにしても、施設を守るはずのロボットが一番の敵になるなんてねー……こういう建物は詳しくないけど……下手したら大変な事になりそうだし」
「そうですな。何やら大変なことになっている様で……原子力? というものがどういうものかは知りませぬが、ここの制御を奪われると大変なことになることだけは理解しましたぞ!」
 『幻耀双撃』ティスル ティル(p3p006151)に『陽気な骸骨兵』ヴェルミリオ=スケルトン=ファロ(p3p010147)が息巻く。
 更に『廻世紅皇・唯我の一刀』皇 刺幻(p3p007840)も。
「そうだな……今回、壊せば終わりなどと思っていたが、これ……冷静に考えたら原発だよな……ある程度ホールで片付けてからじゃないとまずいぞ。誘爆されたらたまったもんじゃない。最悪核燃料を冷やせば……いや、しかし……」
 と、ぶつぶつと呟くと、それに『横紙破り』サンディ・カルタ(p3p000438)と『ヒーロー志望』山本 雄斗(p3p009723)からも。
「まぁ、いま、R.O.Oの電源遮断はきついよなぁ……」
「そうだな。発電所の異常は早くなんとかしないと、電気が止まったりしたら大変だ。aPhoneの充電やゲームが出来なくなって、他にも電車も動かなくなるから、そうなる前にビシッ! と解決しちゃおう!!」
「ああ。ま、がんばるぜ!」
 と拳を振り上げる。
 そして、『淡き白糖のシュネーバル』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)とティスルも。
「……警備システムさん達が何故暴走しているのかはわからないけれど……発電所の職員さん達……見つけて助けたい、な……」
「そうだな。ささっと職員さんたちを見つけて解決しちゃおっか!」
 と頷き合い、そしてレイヴンとヴェルミリオ。
「そうだな。それじゃ、仕事にかかるとしよう……」
「ええ。取りあえず職員殿に、残存者の仔細を知って居るかを確認するとしましょうか。どこに逃げた可能性があるか、も分かると幸いですが」
「ああ、そうだな。少なくとも施設を制御出来ないと、後に残るは悲劇のみ……今できる事を最大限進めるとしよう」
 最後に汰磨羈が頷き、そしてイレギュラーズ達は施設の入口へ。
『あぁ……何なんだよぉ……突然あんな目に遭遇するだなんてよぉ……』
『全くだぜ……本当、意味がわからねぇ……どうにかしねぇとなぁ……』
 とぼやく職員達。
「なぁ、ちょっと教えてくれ。俺達が施設の中に突撃して、警備ロボとかを倒してくる。だから、施設の中について、教えて貰えないか?」
「大丈夫、僕達に任せてくれれば、絶対に無事に施設を取り返してみせるよ! だから、頼む!!」
 サンディと雄斗が勢いと共に、真摯に職員達に声を掛けていく。
 更に刺突は。
「単刀直入に聞こう。最悪吹き飛んだとしても、施設損害が少ないエリアはどこだ? 可能な限り大事故は防いで起きたいからな」
 と、施設内で一番強固な場所を聞き出していく。
 勿論一番強固な場所は、施設の制御室であろう……その想定の上での問いかけ。
 そんなイレギュラーズの質問の工夫と、施設職員の人々も助けてくれるなら、助かる……という事で頷き、それぞれが知りうる情報を、イレギュラーズ達に伝えてくれる。
 更に、その間にティスルはファミリアーを飛ばし、施設周囲から見える部分の探索をさせて、突入するに一番良さそうな所を調査。
 それら情報を一通り整理した上で、更に汰磨羈は自分なりに現状の状況を分析し。
「全く、秘密にし過ぎるのも考え物ではあるな……」
 と言いつつ、施設内で逃げ遅れた職員が何処に隠れていそうか、の目星を付ける。
 そして……一通りの準備を整えた所で、イレギュラーズ達は。
「よし……では、行くとしよう。恐らく突入したらすぐに仕掛けてくる筈……一時も油断しない様にな」
 と刺幻が皆に注意喚起を行うと共に、イレギュラーズ達はけたたましくアラームが未だ鳴り止まない施設の中へと足を踏み入れるのであった。

●奪還作戦
 そして……原子力施設の施設裏にある、職員用入口から足を踏み入れたイレギュラーズ。
 足を踏み入れて1、2分程した所ですぐに。
『ピー、ピー、エラー、エラー。退出シテクダサイ。退出シテクダサイ!!』
 甲高い電子アラーム音を響かせながらやってきたのは、この施設を警備する自立ロボット型『警備システム』。
 とは言え今の『警備システム』は常に異常を警告しており、正常な職員すらも排除している状態。
 勿論イレギュラーズ達は、認められた職員ですらないので排除すべき存在であるのは変わらない。
 ……そんなアラームを発する警備システムに対峙したイレギュラーズ達は。
「さて、と……取りあえずアラームを鳴らさせて、警備システムを誘引するのでしたな! では、ほらほら、スケさん達が御相手しますよですぞ!」
 満面の笑みを浮かべたヴェルミリオが、くいくいっ、と手招きする仕草で挑発。
『警告、警告!! 至急退出シナサイ! 退出シナイ場合、実力行使デ排除シマス!!』
 更なる警告音を掻き鳴らさせて、警備ロボットの注意をぐっと惹きつけつつ、更には警備ロボットを無視する様に更に奧へと突き進んでいく。
 そんなイレギュラーズ達を妨害しようと、その手から高圧電流を迸らせて妨害工作をとる。
 でも、そんな敵の動きに決して怯む事無く、警備ロボットを引き連れて更に奧へ。
 当然警備センサーの音葉なりひびき、至近を警備している他の警備ロボットが次々と加勢し、1体、2体、3体……と、引き連れる数はどんどんと増えていく。
 流石に、余り多くなりすぎてしまえば倒しきれずにジリ貧になりかねないので、4体程まで引き連れたところで。
「……そろそろ……一旦、纏めておく?」
「ああ、そうだね! よーっし、お前達は僕が相手だ!!」
 祝音の言葉に頷き、振り返る雄斗。
 侵入時に身を包んだヒーロースーツでポーズを決めるとともに、体内の気を集中させて放つ。
 更にティスルは呪詛から享楽の澱みを引き摺り出して、己の力を強化した所へ、更に渾身の突きを叩き込む。
 それら攻撃を確実に一匹ずつに叩き込んで行く事で、警備ロボットを動作不能に追い込んでいく。
 第一陣を何とか抑えきった所で、一旦立ち止まって周囲の状況を確認。
「……さて、と……ではティスル。救いを求める声は聞こえないか?」
 と刺幻が問いかける。
 それにティスルは眼を閉じて、感覚を研ぎ澄まさせる。
「……急がないと不味い……けど、何処だろう……」
 警備ロボットが蔓延る施設内……見つかれば大声を出したりして、逃げそうなもの。
 だが、今の所その様な声は聞こえないので、恐らく職員達は、息を殺して隠れている事だろう。
 ……そんな救いを求める職員の声なき声を鋭敏な感覚で……鋭く察知。
「……あっちの方から、声がした気がするわ」
 朧気な声を判別し、聞き届けたティスルがその方向を仲間達に指示。
 そして、イレギュラーズ達はその方向に再び歩き始める。
 歩いて行くと、また次なる警備ロボットが出現。
 それを退治するのを繰り返しつつ、救いを求める気配の方向へ。
「……あそこから、強く気配を感じるわ」
 とティスルが指さしたのは、職員用トイレ。
 遠くからはまだアラーム音は鳴っているものの、近くには居なさそうなので……その間に、トイレの中に入り、ドアを一つずつ叩いていく。
『ひ、ヒッ……!!』
 とドアを叩かれ、驚きの声を上げたのは、逃げた職員。
 そんな彼へ、レイヴンとサンディが。
「大丈夫だ、安心してくれ。俺達は助けに来た」
「この原子力施設の職員だろ? ほら、警備ロボットの様な声じゃないだろ?、ドア、開けてくれ」
 と声を掛ける。
 それに職員さんは……。
『……ほ、本当か……? 本当に、助けてくれるんだよな?』
 と尋ねる。
「ああ、必ず助ける。その為にも、お主の力が必要なのだ」
 更に汰磨羈の後押しの一言に……カチャリ、とドアが開く。
 研究者の様で、白衣に身を包んだ彼……胸にぶら下げられたIDカードを見ると、そこには『制御係』との文字。
「……制御、掛かり……という事は……制御する……人……?」
 と祝音の問いかけに、こくり、と頷く彼。
「良かった。すまないが、ちょっと力を貸して欲しいんだが、いいか?」
「お前も追い立てられていた通り、今この施設の警備システムが暴走している。このままでは、施設制御もままならん。私らが警護する故、制御室まで案内してくれぬか?」
 刺幻の御願いに、えっ……と顔を強ばらせる職員。
「なあ、頼むっ! 俺達は戦う力はあっても、そっちの方は素人だからよ! 兄さんの力で、世界を救えるんだって!!」
「そうだな。どうにか頼む……」
 雄斗、ティスル二人からも、懇切丁寧に御願いをする……その結果。
『わ……分かりました……!』
 原子力施設の職員だからこそ、その責任感は強かった様で……彼は帯同する事に。
「うむ。では制御室まで案内して欲しい。なぁに、大船にのった気持ちでいろ」
 汰磨羈がニヤリと微笑み、彼と共にイレギュラーズ達は彼の案内に従い、原子力施設の奥へと向かって行くのであった。

 そしてその後も、幾度となく警備ロボットの襲撃を対処していくイレギュラーズ。
 数え27体倒し、施設内もかなり静寂に包まれてくる。
『ここです……あ……あそこが制御室です』
 と職員が指を指した先には、その場から動かず警備し続けている警備ロボット。
「確かに、ここが特に警備が厳しい様だ。ならば……」
 レイヴンはそう言いながら、仲間達を見やる。
 それと共に祝音が、その場に結界を張って守備を整える。
 更に頷くと共に、汰磨羈が先陣を切って突撃。
「さぁ、後は御主達を倒せば終わりだ!」
 己を霊糸で覆い強化すると共に、そのまま白銀色の大霊刃を一閃。
 初撃から高火力を叩き出しつつ、更に刺幻が。
「へへっ、機械いじりは大得意なのだよ。直してやるから殴らせろ!」
 嬉々とした表情で闇の爪痕で切り裂き攻撃。
 その一撃を食らった一匹を先ずは倒すと共に、その斜め後方に居たもう一匹へターゲットをシフト。
「さぁさぁ! スケさんの攻撃の出番ですよー!」
 とヴェルミリオがその盾でプッシングしていくと共に、そこにサンディの呪いを帯びた一撃と、レイヴンの断頭台を投影しての、その首を刎ね飛ばす幻想を見せる。
 機械なので感情は無いだろうが……でも、確実にダメージを積み上げていく。
 そして雄斗も。
「ほらほら、これでも喰らえー!!」
 と元気いっぱいの至近距離からの衝撃波。
 ……その一撃で、次の一匹も崩れ墜ち……残るは後一匹。
「……重要施設を守っていても……強さは……変わらない様ね……?」
「ああ、その様だな。ま、時間は掛けたくもない所だ。容赦無く仕掛けるぞ!」
 祝音に頷く汰磨羈……そしてイレギュラーズ達の猛攻の前に最後の一匹も程なく倒されていった。

●安全なる時の為に
 そして、中央制御室の前に立ち塞がる警備ロボットを仕留めたイレギュラーズ達は、職員と共に入室。
『ピー、ピー……危険、危険……!!』
 と、そこでもアラームが響きわたっている。
『……!? えっと、こ、ここか……!!』
 そんな警告に、一瞬焦りはする物の、すぐに制御システムのレバーを引いて、ボタンを押して……アラーム一つ一つを消す為に対処為ていく職員。
 ……そんな彼の動きを後ろから眺めつつも、更なる警備システムの追っ手が来ないかを警戒し続ける。イレギュラーズ。
 全てのエラーを対処完了するまでに、数十分。
 部屋の中の稼働状況を示すステータスは『正常』となり……取りあえずは一安心と言った所だろう。
『はぁ、はぁ……良かった。後十分遅かったら、制御出来ない状態になっていたかもしれません……』
 本当に安堵し、ほっとした表情を浮かべる彼。
 そんな彼にサンディが。
「いやぁ……凄いな。何してんのか、俺には全然判んなかったぜ……」
『いや……私にとっては、これが仕事ですから……皆さんの様に、戦う様な事は出来ませんし……ね……』
 ぺこりと頭を下げる彼にそっかそっか、と笑いながら肩を叩くサンディ。
 そしてヴェルミリオも。
「そうですな! 人には人の仕事がある。皆さんの仕事が、きっと希望ヶ浜の生活を支えているのですな!!」
 と激励する。
 ……そんな激励にそんな……とちょっと恥ずかしそうにする彼を横目に。
「それにしても……警備システムが暴走した原因は何なんだろうね? 蓮奪の異変に続くような暴走……もしかして……機械に効いてしまうクリミナル・オファー……って事、あるのかな……?」
 と祝音が首を傾げる。
 だが……警備システムと、この原子力施設の暴走は関係していない模様。
 少なくとも、施設の監視カメラとかはここでも見れるが、そこには何の異常も見受けられない。
「まぁ……理由は分からんというのは仕方ないだろう。取りあえず、後は施設内にまだ隠れている職員がいないか、そして警備ロボットの残りが居ないか見回る事としよう」
「ああ、そうだな……後もう一息、頑張るとしよう」
 レイヴンに頷く刺幻。
「よーっし。兄さん、施設の中を案内してくれない? この中で一番施設を知ってるのは兄さんだしさ!」
 と笑みを浮かべた雄斗の言葉に、ああ……そうですね、と頷く職員。
 そしてイレギュラーズ達は、アラーム音が消えた施設内をくまなくめぐり、トイレやダストボックスの中に隠れていた職員を次々と見つけ……そして、外に追い出された職員達にも報告。
 職員達から、深い感謝の言葉を投げかけられながら、イレギュラーズ達は施設を後にするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

原子力施設は守られました……皆様、ありがとうございます!
今回警備システムが暴走した理由は分かりませんが……一つずつこうして対処していく事で、きっと正常化に近づいてく事でしょう……。

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