PandoraPartyProject

シナリオ詳細

皆の力を合わせて

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●秋の風物詩
 大きな芋のツルがある。
 サツマイモのツルだ。綱引きの綱くらいはある太いツルが生えている。
 その下には、さぞや大きなサツマイモがあるのだろう。
 しかし、しかしだ。何故村のサツマイモ畑のサツマイモに、こんなものが植わっているのだろうか?
 昨日までは普通のサツマイモだったはずなのだが。
 此処は村の共同のサツマイモ畑。
 この時期になるとサツマイモを皆で収穫し、焼き芋にして食べるのが恒例行事だったのだ。
 だが、これは一体。
「村長。だがこれほどにデカいツル……引っこ抜けばデカい芋があるのは間違いない」
「ああ。村の者全員で食ってもまだ余る。というか食いきれねえ」
「うむ。問題だ……」
 せっかく収穫したものを食べないのは村の掟に反する。
 しかし一度調理してしまえば保存も効かない。
 ならば振舞った方がいいが……どうしたものか。
「とりあえず、引っこ抜いてから考えるか」
「そうですね」
「よっし、じゃあ引っ張るかー! よいっしょおおおお!」
 村の若者数人でツルを引っ張るが、抜けない。
「抜けない……! くそっ、こんなもの人間の力じゃ抜けねえぞ!」
「いっそ畑を掘り起こすか……?」
 そう言って土を掘り起こそうとするが、なんとシャベルが欠けてしまう。
「……ただごとじゃねえぞ、これは」

●依頼として芋を掘る
「と、いうわけで依頼になったです」
 チーサ・ナコックはそう言うと村までの地図を差し出した。
 オイモ村。そんな名前の村では毎年この時期になると村の共同の畑に植えたサツマイモを掘り起こし、焼き芋パーティーを開くのだ。
 しかし今年は何故か、芋のツルが巨大化して抜けなくなってしまっているのだという。
 しかも土から直接掘り起こそうとしても、ズルをするなとばかりに農具が欠ける有様なのだという。
 ならば直接抜くしかないが、どうにもこうにも歯が立たない。
 となれば……モンスター相手でも一歩も引かない勇士たるイレギュラーズに任せるしかない。
 掘ってくれれば、その芋を差し上げると。
 そういう風なことになったのだという。
 ならばその村の芋パーティーはどうなったのか。
 そんな問いに、チーサは何とも言えない表情で「やったそうですよ」と答える。
「……別の畑で採れたサツマイモでやったそうです。でもどの道芋はどうにかしないといけないからやってほしいそうです」
 代替策も完璧で素晴らしい村の運営と言えるだろう。
 まあ、つまり。多少乱暴に芋を掘り起こしても問題ないという事だ。
「……どのみち、きっとただのイモじゃないです。気をつけるですよ」

GMコメント

秋なのでサツマイモを掘りましょう。
サツマイモを見事引っこ抜けば襲ってきますので、倒してイモパーティーです。
サツマイモを抜くにはチームワークだけでなく応援も重要でしょう。
気合の入った応援が引っこ抜きパワーを上げるかもしれません。
なお、本シナリオは与太シナリオです。戦闘プレイングは気合入れなくて大丈夫です。
むしろ芋の引っこ抜きや応援、リアクション芸や芋パーティに文字数を割いてOKです。

・巨大サツマイモ×1
全長5Mの巨大サツマイモ。トランスフォームして人型になって襲ってきます。
倒すと普通の巨大サツマイモに戻ります。
サツマイモ格闘技とサツマイモガス(臭くて涙も出ます)を使います。

・ビッグサツマイモ×6
全長2Mの大きなサツマイモ。
基本的に巨大サツマイモの劣化版です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 皆の力を合わせて完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
ロゼット=テイ(p3p004150)
砂漠に燈る智恵
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
剣閃飛鳥
佐藤・非正規雇用(p3p009377)
異世界転生非正規雇用
エドワード・S・アリゼ(p3p009403)
太陽の少年
シャルロッテ・ナックル(p3p009744)
ラド・バウB級闘士
囲 飛呂(p3p010030)
点睛穿貫
柊木 涼花(p3p010038)
灯したい、火を

リプレイ

●芋を引っこ抜け
「どういうわけか芋掘りです! 力には自信ありませんが精一杯がんばります! ……って、芋なんですかこれ? 本当に?」
 そんな柊木 涼花(p3p010038)の声が青い空の下に響く。
 そう、間違いなく芋であり、間違いなく芋畑である。
 まあ……ちょっとだけ大きいけれども。
「サツマイモはこの時期特に食いたくなるよな。焼き芋、天ぷら、甘煮……腹減ってきた。食べる為にも頑張って引っこ抜かねーとな」
 芋のツルを前に、『特異運命座標』囲 飛呂(p3p010030)もそう呟く。あまりこの光景を見ても驚きはないようだ。
「でっかいイモが獲れたケド困ってるって言うんで助けに来たけど……ツルもおっきいねえ」
「さつまいも、的な何かだねえ。としか言いようがないのだけど」
『夜に一条』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)に『言霊使い』ロゼット=テイ(p3p004150)も同意してしまう。
 まあ、確かにここまで来れば「さつまいも的な何か」ではあるだろうか?
「フッ、サツマイモとはまた素朴なものだ。知っているかね? こいつはカロリーが高くなかなかに庶民の味方なのだが、いかんせんタンパク質の含有量が低くてね。腹は膨れやすいが栄養が偏りやすいのでやはり完全食とまではだね……」
「押忍!!!!」
『閃電の勇者』ヨハン=レーム(p3p001117)の長くなりそうな蘊蓄を、学ランに長い鉢巻の応援団スタイルで登場した『その真価を見せてやろう!』佐藤・非正規雇用(p3p009377)の大声が悪気なく中断させる。
「今日はイレ組(イレギュラーズ組)の皆を応援しに来たぜ! 押忍!!!」
 すでに声量まで応援団スタイルの非正規雇用の元気っぷりに触発されたか、『ドキドキの躍動』エドワード・S・アリゼ(p3p009403)も気合を入れる。
「芋掘り、芋パーティー、今日は芋を楽しみ尽くすぜ!!」
 そう、エドワードは本当に気合満タンなのだ。何故ならば。
「良い天気だし、風も気持ち良い、頑張れそうだぜ! 今回は友達の飛呂も一緒だし、なるべく飛呂と協力しながら行きたいよな〜」
 何故か、というのはエドワードには問うまでもないことだ。
 友達と一緒ならいつもよりパワーが出るだろ、と。そういうことである。
「皆さんと芋掘りなんて素敵な体験ですわー! ワタクシは料理は苦手ですから、力仕事を全身全霊で頑張らせていただきますわね! さあ行きますわよ! えい、えい、おーー!!!」
「うおーー! さつまいも取りまくるぞーーっ!!」
『青白い令嬢』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)にエドワードも呼応し、ヨハンはキザに髪をかきあげる。
「ふん。見ての通り僕は非力な魔術師なのでね、こんな泥臭い作業は力自慢にでも任せるがよかろう。あっ手伝えと。はい……。クッ! 久しぶりに肉体労働をするぞ……! チーサとかいう女は覚えておけよ……! 行くぜ魔極寓喩偽典ヤルダバオト魔式IV! 名前長いわ!!」
 シャルロットに威嚇されたヨハンがセルフツッコミをしているが、それはさておき。
 全員が芋のツルを掴むと、非正規雇用の応援に合わせて引っ張り始める。
「鉄帝国の魔術師をなめるんじゃねぇーっ! オアアーーッ!!」
「ふんぬぬぬ……」
 ヨハンが引っ張り、ロゼットが飛行も併用しながら引っ張る。
「フレ~ッ! フレ~ッ! み、ん、なっ!!」
 ミルヴィも必死で引っ張る中、非正規雇用も必死で応援する。
 村人も一緒に応援してくれたらいいけど、危険だもんな……などと思いながら、応援にも手は抜かない。
「フレッフレッ!」
「オーエス、オーエス……友人と一緒に綱引き……へへ、運動会みたいで少し楽しいな」
「我慢できずに引っ張りにきちゃったけど、そうだな! やっぱり楽しいな!」
 応援していたエドワードも、すぐに我慢できずに飛呂と並んで芋のツルを引っ張る。
「う、うーん……おー、えす!」
 涼花も頑張って引っ張り……非正規雇用の応援にも更なる熱がこもっていく。
「オーエス! オーエス! 芋組に負けるな!!」
「なかなかぬけません、そろそも抜けてもいいんだよ」
 ロゼットがそんなことを呟いた刹那、巨大な芋がぽーん、と抜けて空を舞う。
「やったぜ! イレ組(イレギュラーズ組)の優勝だ!!」
 ガッツポーズをとる非正規雇用。彼等の見つめるその先で……全長5Mの巨大サツマイモが、トランスフォームしていく。
「て、手足が生えたぁ!?」
 ミルヴィが叫ぶ間にも、サツマイモは人型に変形してファイティングポーズをとる。
「え、なにあれ、すっげーっ! お前かっこいいな! お芋マンじゃん!」
 エドワードが喜び叫び、飛び跳ねる。
「ハァ……ハァ……いやデカい。だいたいモンスターの予感はしてたけど絶望的にデカい。僕はもう一刻も早く帰りたいのだが報酬は頂きたいのでね。まぁ、もうひと踏ん張りだろう」
 そんな事を言うヨハンの顔面にサツマイモガスが噴射され「ぐあー!」と悲鳴が上がる。
 ついでに飛呂にも余波がいく。
「うわっなんだこの芋、敵意むき出しじゃぎゃぁクッサぁ!!! 離れて銃でぶち抜く、流石に無傷で収穫は無理って判断するぞあの臭さはくっさああああ!」
「イ、イモの攻撃など効くか! ぐえほっ!」
「この芋野郎!! 大人しく食われておけ!!」
「出荷するやつって訳じゃないし、多少傷ついてても調理すれば美味しくいただけるはずだ!」
 そうして、芋のガス攻撃で泣きそうになりながらも倒して。
 ついに、芋パーティーが始まるのである。

●あやしい芋パーティー
「こんなに巨大な芋の巨人ならもしかしたら芋の精霊かも知れない! ならやる事は一つ、慰霊祭だよ! 祭壇っぽいのを用意してー謎のサツマイモ衣装を用意してーヨハン任せた♩」
 そんなミルヴィの言葉から、即席の慰霊祭は始まった。
 ドンドコドン、と非正規雇用の太鼓の音が響く。
 スラム奏法など特殊な奏法も交えつつ、ギター一本でできる限りの音楽を全力で奏でる涼花のサポートだ。
 わたしも、みんなも。たくさん楽しめるように!
 そういう涼花の素敵な願いを込めて奏でられる曲だ。
 そして突貫工事の祭壇では、ミルヴィの発案によりヨハンがシャルロッテに吊るされている。
「ヨハンさんを芋の精霊として祀りあげるのですね! 神輿のように担ぎ上げるもよし、胴上げで持ち上げるもよし。ワタクシは全力を尽くしますわ! わっしょい!!!」
「ヨハンがすごく楽しそうだな!」
「そうか、そう見えるか」
「見える!」
 笑顔のエドワードにヨハンは遠い目になる。
「わーっしょい! わーっしょい!」
 なんだかすでに慰霊祭が始まっていそうな雰囲気だが、実はまだ準備中である。
 何しろ料理が出来ていない。しかし料理を作る過程も慰霊祭と思えば、やはり始まっているのだろうか?
「芋は煮てよし、焼いてよし、揚げてよしのスーパー食材!」
 そう叫び、ミルヴィはサツマイモの調理を始めていく。
「まず芋の一部を潰して甘ーいスイートポテトを更に小麦粉で作った生地に包んで焼けばポテトパイだよ! 更に芋に、薄くスライスした奴はチップフライ! 茎葉は乾燥させてお茶にするよ!」
 さりげに乾燥とかいう時間のかかりそうな工程が混ざったが、問題ない。
 すぐさま「乾燥した茶葉」が出てくる。
「尚こちらが予め作っておいた茶葉だよ!」
 時間がかかるのでシカタナイネ、とのことである。仕方ない。
 ちなみにエドワードもミルヴィさんやシャルロッテ、飛呂と一緒に料理を手伝う約束をしていたのでヨハンを放置して戻ってきている。
「帰ってからのお土産にもしたいし、ちょっと多めに作っちゃおーぜ!」
「俺も親父に少し料理習ったことあるから、簡単なのなら出来る」
 言いながらエドワードと飛呂は、ミルヴィと一緒に調理をしていく。
「棒状に切って、バターで炒めて塩ふるだけでもかなり美味しいと思う」
 いわゆるサツマイモスティックだろうか。甘くておいしそうな良い匂いがバターの香りと共に漂ってくる。
「あ~匂いだけで腹が減るな……一本くらいつまみ食いしてもいいか、料理した人の特権ってヤツ」
「美味いな、これ!」
 早速エドワードがつまみ食いしているが、一緒につまみ食いである。
「お茶もあるのは知らなかった。面白いな、俺ももうちょい色々作れるよう頑張ってみるかな」
「よーし、まずはミルヴィさんのスイートポテトパイを作るお手伝いですわ。経験や技術はありませんが、愛情なら一流のシェフに負けず劣らずでしてよ! 美味しくな〜れ♡ 美味しくな〜れ♡」
 芋を砕き潰す音に非正規雇用がブルッと震えているが、きっと女子力に感動したのだろう。
 ちなみに、そんな非正規雇用も調理中だ。
「そうだな……俺は自分の好物、大学芋でも作ろうかな。我が家は砂糖を多目に入れるから、ちょっと固いかもしれない」
 大学芋。何故大学芋と呼ぶのかは分からないが、甘く調理したサツマイモ料理である。
 分類的にお菓子な気もするが、どうなのだろうか。
「沸騰させた調味料と芋を絡めて、仕上げに胡麻を振る。俺は少し冷ましてから食うのが好きだ。この照り、まるで宝石みたいだな!」
「なんか固いぞ、佐藤のおっちゃん」
 早速つまみ食いしてみたエドワードの感想に非正規雇用が驚いたような声をあげる。
「えっ、固すぎる? そんな筈は……」
 食べてみた非正規雇用の口から響くのは「ごりっ」という音。
「食感まで宝石みたいになっちまったな」
 なんだか上手い事を言っているが、とりあえず食べられないわけでもなさそうだ。
 そしてロゼットも調理中だ。
「そうだなあ……故郷の砂焼き芋を作ろう。幸い熱砂の精霊とは仲良しなので、熱い砂だったら結構簡単にだしてもらえるのである」
 言いながら、ロゼットは粛々と準備を進めていく。
「砂に埋めてしばらく待つだけの簡単料理である。砂蒸しともいう。簡単に砂を落とすだけで出来上がり。熱いので食べるときは火傷に気をつけようね」
 簡単かもしれないが、焼き芋も蒸し芋も美味しい素敵な料理である。
「普通に蒸したお芋と変わんないけど、水溶性のあれこれが目減りしないので味が濃いのである。イメージとしては石焼き芋のラサ版といった感じかもしれない」
「うまそーだなー」
 そうして料理が出来ていき……出来上がったところで、ロゼットは初めて吊るされたヨハンに気付きビクッとする。
「のんびりとしてたら人がモニュメント的なものになっていてびっくり。え、なに? 人身御供か何かなのかな?」
「大体合ってる」
「違うよ供養祭だよ」
 非正規雇用の至極常識的な意見をミルヴィが笑顔で否定すると、ロゼットも納得した表情になる。
「混沌にはいろんな文化あるんだなあ、砂漠の奇妙な宗教と一緒に暮らす封鎖的な小民族的には、こう、絵面が怖くて尻尾巻いちゃう訳ですが」
「それでだな」
 そこで吊るされていたヨハンが、ぽつりと声をあげる。
「ミルヴィ=カーソン。5047の女。この手合いは供養しておくと後顧の憂いを断てるとは言ったがこれは何だ。食材に感謝し調理するのは良いだろう。芋の精霊を模すとかいう頭サツマイモな発想も許そう。だが僕の他にもっと適任がいるだろ!!」
「いないよ!」
 笑顔でミルヴィは答え、そのまま踊りだす。
 非正規雇用の太鼓と涼花のギターの演奏も響き、つられたようにエドワードや飛呂、シャルロッテやロゼットも踊りだす。
 ……そんな慰霊祭の光景を、ミードは見ていた。
 そして思うのだ。
 僕に何かを見せようとママが謎の祭壇を用意して死んだ目をしているサツマイモの格好をした奴を祭壇に吊し上げて自分はいつもの破廉恥な踊り子衣装で歌いながら踊っている……。
 柊木と名乗るお姉さんの音楽に合わせて実に悩ましく歌って踊っている、清楚でもなんでもないのに魅了のスキルと無駄に高い舞踏スキルのせいで村人達まで熱狂している。
 まるで芋サバトだ。
 僕が大人になってもこの異様な光景は忘れる事はなさそうだ……と。
 なんだかその光景が楽しそうだったのか、いつの間にか集まった村人たちまでミードの見た光景通りに踊っている。
 すでにヨハンは死んだサツマイモの目をしていたが……皆楽しそうでよかったという気分になっている。
「まさか芋きっかけにこんな良いの観られるとは思わなかったよ」
「ええ、でもまだまだこれからですよ」
 踊りながら飛呂もそう笑って。涼花の演奏ものっていく。
「わっしょい!」
「わっしょい、わーっしょい!」
 シャルロッテもエドワードも、ロゼットも楽しそうだ。
「これからは、この芋カーニバルを語り継いでくれよな」
 なんだかいつの間にか芋カーニバルになっているが……この楽しさは確かにカーニバルだろうか。
 吊るされたヨハンを囲んで盛り上がる……そんな、楽しい芋カーニバルであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
お芋美味しいですよね!

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