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シナリオ詳細

秋の深緑グルメをご堪能あれ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 深緑、アルティオ=エルム、大樹ファルカウを中心に広がる迷宮森林。
 幻想種が住まうこの地は大いなる森の恵みに包まれている。
「秋ですね。食べ物がとても美味しい季節です」
 『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)は笑顔で、この場のイレギュラーズへと告げる。
「秋の深緑はグルメを楽しむべきです!」
 『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)もまたにこにこと嬉しそうに説明を引き継いで話す。
 森の豊かな恵みに包まれる深緑。食の最も美味しいこの時期を逃す手はない。
 できる限り様々な料理を味わい、堪能したいとキルシェは語る。
「ただ、少々困った状況になっていまして」
 アクアベルはそこで、一部の幻想種達から受けた魔物討伐の依頼について話す。
 アルティオ=エルムから程ない場所、森林迷宮某所にアルモと呼ばれる食材の宝庫とも呼べる区画がある。
 土が良く、さわやかな風が吹き、程良い陽光が照らすその区画は、秋になると様々な食材が手に入るという。
 なにせ、それらの食材は自然が作り出すことでほとんど手がかからない上、かなり良質のものが収穫できる。
 それだけ価値ある区画であるのだが、かなりの頻度で魔物が棲みつくのが悩みどころ。今年もまた厄介な魔物が巣食っているようだ。
「魔樹ウドリアー……周囲の精気を奪わんとする巨木です」
 迷宮森林は生きている森であり、木々がそれぞれ意識を持って森への侵入者を防ぎ、住人である幻想種達を守ろうとする。
 だが、中にはその存在が歪み、住人達にさえ牙をむく魔物となり果てる者もいるのだ。
 周囲から精気を奪い取り、自らの力を高める魔樹。
 森にとって害にしかならなくなったこの魔物を討伐してほしいというのが幻想種達からの依頼だ。
「終わったら、思いっきりグルメ探ししましょう!」
 キルシュが目を輝かせ、イレギュラーズ達へと告げる。
 秋の味覚をベースとした料理にスイーツ。街では何が発見できるだろうか。
「ともあれ、まずは魔樹の討伐を。どうぞよろしくお願いいたします」
 様々な料理にアクアベルも食指を動かしそうになりながらも、この場のメンバーへと依頼の完遂を願うのである。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。なちゅいです。
 こちらのシナリオは、キルシェ=キルシュ(p3p009805)さんのアクターアクションによるシナリオです。
 実りの秋。森の恵みを享受したいところですが、その区画には魔樹が棲みついているようです。
 これを撃破した後、アルティオ=エルムでグルメ探しなどいかがでしょうか。

●目的
 魔樹ウドリアーの討伐。
 グルメ探しで満足すること。

●敵……魔樹ウドリアー×1体
 全長6mもある魔樹。
 刃のような木の葉を降らす他、広く根を張り巡らせて相手を絡め、枝を鋭く長く伸ばし、突き、薙ぎ払いといった攻撃を行います。
 それらの攻撃にはMアタックが伴っているので注意が必要です。

●状況
 深緑、アルティオ=エルムから程ないところに様々な果物やキノコ、芋などが収穫できる区画が存在しますが、そこに住み着いた魔樹の討伐が任務です。
 戦闘後、報告がてらアルティオ=エルムでグルメさがしできます。
 アップルパイ、ぶどうのゼリー、モンブランなどのスイーツ、キノコを使ったキッシュなどの料理、芋を使った焼きいも、フライドポテトなどファストフードと、食べ歩きできるほど様々なグルメが堪能できます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 秋の深緑グルメをご堪能あれ!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月15日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
背負う者
ドラマ・ゲツク(p3p000172)
蒼剣の弟子
サイズ(p3p000319)
妖精■■として
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
クロエ・ブランシェット(p3p008486)
奉唱のウィスプ
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女

リプレイ


 秋深まる混沌。
 どの国でも紅葉が見られるが、木々の生い茂る深緑の地ではそれが色濃く感じられる。
「実りの秋ですねー。どんな美味しい物があるんでしょう?」
 鳥のような白い翼を持つ『夜空見上げて』クロエ・ブランシェット(p3p008486)は草木に成る果実や根本に生えるキノコを眺め、仲間達へと挨拶を交わす。
「独活なのやら、ドリアンなのやら……恵みが多すぎるというのも困ったものなのかしらね」
 赤いポニーテールに白い肌をした『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)は恵みというにはアクの強そうな作物も気にかけていたのはさておき。
「深緑グルメ! 季節のフルーツにお野菜を使った数々の料理! これは今から楽しみでしょうがないね♪」
 今回の目玉に、見習いパティシエである『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)は心躍らせる。
 この迷宮森林はまさに食の宝庫。仲間の中には料理をしたいと考える者もおり、クロエは一層目を輝かせる。
「美味しいものいっぱい楽しみね! リチェも美味しいのいっぱい食べようね!」
 愛モルのリチェルカーレをぎゅーっとする『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)もまた、とても心待ちにしていたようだ。
 ただ、森は恵みだけを育むわけではない。
 時に、幻想種を守るはずの木が魔物と化してしまうことがあるのだ。
「時々、こう云った困った子も生まれてしまうのですよね」
 大樹ファルカウにある書架守の一族、『蒼剣の弟子』ドラマ・ゲツク(p3p000172)はそうした記録も観ているのだろう。
「妖精の皆の為に情報とか色々と考えてたが……高頻度で魔物が来るのか……」
 魔力で作り出した妖精に本体を握らせる大鎌、『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は妖精郷の妖精達の為、情報提供をとやってきたが、リスクが上回ると判断して教えないことに決めたようである。
「住人を守る木が本来の在り方でなくなってしまったのは悲しいけれど」
 これ以上、被害が増えないようにしなければならないとクロエは考えていた。
 実際、現場を目にすれば、皆、その考えも一段と強くなる。
 静かな森でまがまがしく蠢く枝葉。魔樹となったそれは周囲から生命力を奪い取り、さらに力を高めている。
「冬に備え生命力を蓄える時期だ、こんな魔物がいたら森に大打撃を与えてしまう」
 『ただの死神』クロバ・フユツキ(p3p000145)は異形化した左目でその魔樹を注視して。
「悪いが片づけさせてもらうぞ、俺らに掛かれば深緑メシ前だ!」
 望むところと、魔樹も一層枝葉を広げる。
 その後ろには、実り多きアルモと呼ばれる区画がある。このままでは、魔樹がその実りすらも自身の力として取り込みかねない。
「自然はいくつもの植物が共生し、調和をとりながら育っていくのです」
 ですからと、ドラマは蒼い刀身を持つ剣を抜いて。
「周囲から過度に搾取してしまうような子は……少し心苦しくはありますが、摘み取らなければなりません!」
「よーし、さっさと魔樹を倒して深緑グルメ探しがんばるぞー!」
 意気揚々と叫ぶミルキィに、残りのメンバーも続く。
「とりあえず退治と行くか……。木の魔物が一体ならさっくりと終わらせよう!」
「魔樹倒さなきゃ。美味しいものの為に頑張ります!!」
 サイズにキルシェも意気揚々と森の異物となった魔樹を見上げる。
「オーッホッホッホッ! さあさ、悪い子は成敗してしまいましょう!」
 そこで、メンバー達の後ろから高笑いして前に出てきた『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)が指を鳴らして。
「さあ! このわたくし!」
   \きらめけ!/
   \ぼくらの!/
 \\\タント様!///
‪「──‬に! お任せですわーー!」
 ギフトによって、どこからともなく現れた人達の喝采を背に、タントはめくるめくグルメ巡りポーズをしてみせ、その輝きを力に変えて戦いの場へと進み出るのである。


 迷宮森林内の一角に枝葉を広げる魔樹ウドリアー。
 歪な存在となり果てたそれはさらに周囲からエネルギーを吸っていると思われる。
「それにしても随分と大きく、育ちましたね……」
 ドラマが改めてその巨躯を見つめている間に、魔樹は長く伸ばした枝でこちらを素早く薙ぎ払ってくる。
 それに巻き込まれぬようメンバーそれぞれが配置につく中、クロバは先陣を切って魔樹へと接近し、その勢いで根元へと切りかかる。
 氷のバリアを展開したサイズも接敵してから黒い顎を形作り、数十倍の対格差がある相手へと食らいつかせていく。
 ただ、相手は多少の傷や消耗など、攻撃と共にこちらから体力、魔力を奪って補填してしまう。
 その為、イレギュラーズ側もクェーサーアナライズが使えるメンバーが固まることで対処する。
「これぞ! クェーサーアナライズ無限陣! ですわーー!」
 タントは仲間の力ある号令を聞きながら、自らも号令を発する。
 前衛から一歩引いた場所で位置取るルチアもまた号令を発しつつ、皆の体力にも気を配る。
 すでに前線にいたメンバーの体力が減っていたこともあり、彼女は調和の力を賦活のそれに変えて仲間へと振りまく。
 ある程度味方の状況が好転すれば、キルシェは魔樹に攻撃を仕掛けて。
 黒いキューブで魔樹を包み込んだキルシェは苦痛を与え、異常をきたそうとする。
 戦線が維持している間に、クロエは勇壮なマーチを響かせて仲間達の士気を高めていく。
 クロエのサポートと合わせ、実戦経験時の師を思い出すことでドラマは反応速度を高める。加えて、彼女はこれから使う技を効率化して次からの攻撃に備えていた。
 準備ができた者から、イレギュラーズも攻撃を加速させる。
 皆の気力、魔力が持っている間はと、ミルキィは竪琴をかき鳴らす。
「こういうのは最大火力でさっさと倒すのに限るよね☆」
 ミルキィは精神力を弾丸として魔樹へと撃ち込み、しばらくは敵の体力を削る。
 だが、魔樹はまだまだ活力を漲らせ、全方位に根を広げてイレギュラーズの力を奪おうとしてくる。
「さあさ、皆様このきらめきの元にお集まり下さいまし!」
 仲間の消耗が強まってくれば、叫ぶタントが太陽の輝きで仲間達を照らし出し、力を補填する。多少魔樹に力を奪われても大丈夫と、タントは胸を張っていた。
 魔樹の根の締め付けに耐えたクロバは太刀とガンブレードで連撃を繰り出す。
 荒れ狂うような雷のごとき斬撃。相手を無防備にしつつ、クロバは高い所へと駆け上がってその枝を落とそうとする。
 さらに、回復支援が大丈夫と判断したクロエがオーラの縄を放って魔樹の枝や根を縛り付け、動きを封じようと試みていた。
 ただ、相手もなかなか動きを止めない。
 長く枝を伸ばした魔樹の動きを見て、クロエは大きく回避行動をとり、その枝の突き出しを避けて見せたのだった。

 魔樹は思った以上タフで、なかなか動きが鈍らない。
 相手がこちらの気力、魔力を削いでくることもあり、守りを固めて万全の状態で攻めようとするメンバー達だが、なかなか敵を攻め落とすことができない。
 至近から攻撃を繰り返すサイズは苦難の中、黒い顎で攻め立て続ける。連続して攻撃を行い、魔樹の体力を削ろうとするサイズだが、途中相手の伸びる枝に刺され、パンドラを削って交戦を続けていた。
 さらに、魔樹は一気に進み出てイレギュラーズの布陣を崩そうとする。
 狙うは、中央で皆に気力を分け与えるメンバー達。
 できるだけ多くのメンバーを回復しようとしていたルチアが度重なる枝や根の絡みつきから仲間を癒す。
 彼女は仲間が攻撃される度に魔樹にも傷を与えられるよう仲間にも聖なるかなを下ろしつつ交戦をしていたのだが。
「ううっ……」
 サポートに徹していたルチア自身が魔樹の枝に貫かれてしまい、倒れてしまう。
 魔樹はなおもイレギュラーズから力を奪おうと攻撃してくる。
 キルシェが天使の歌を響せてメンバーの体力を維持しようとし、ミルキィもまたクェーサーアナライズで仲間の消耗を少しでも補填しようとしていたのだが……。
 思いもしない方向から伸びてきた根に腕を絡まれ、ミルキィは枝に刺されて体力を奪われ、気を失ってしまう。
 長引く戦いの中、戦うメンバーが徐々に減っている。布陣が崩された状況もあってタントとキルシェが少しでも力を補填しようとするのだが、イレギュラーズにも消耗が目立ち始めていた。
 全力で仲間達を支えようと、クロエもエスプリの効果と合わせて自身のスキルで気力を回復し、それを仲間達へと分け与える。
 支援は十分とは言い難いが、クロエも合間を見て契約を交わした黒い妖精をけしかけ、魔樹の根に牙を突き立てていく。
 僅かでも敵が怯めばこちらのもの。クロバも勢いを止めず、敵の虚を突くように切りかかり、自身に絡みつく枝も根も切り裂いていった。
 攻めて攻めて攻め続けねば、魔樹はまた体力を取り戻してしまう。
「周囲から吸い取った精気を、搾り取らせて頂きますよ!」
 森羅電心によって、ドラマは迷宮森林の木々から魔樹の弱点を聞き出す。
 メンバー達も攻撃をしていたが、枝分かれする幹上部と根本にはエネルギーが集まる。枝や根を動かすのにそれだけの力を要するからだろう。
「そのまま、枝や根の根本を攻撃し続けましょう!」
 小蒼剣を突き出し、ドラマは魔樹の体内に痛みを生じさせる。
 集めた力が霧散する感覚に悶える魔樹に向け、想像上のライフルを構えたタントがスナイパーたる思い人の思念を乗せ、黒の猛禽でドラマの指摘した場所を撃ち抜いていく。
 繰り返される仲間達の攻撃に合わせ、キルシェも回復の手を一時止めて。
「美味しいものダメにしたり、周りに迷惑かけるのはダメなのよ!」
 呼びかけた彼女は悲しき亡霊の慟哭を聞かせる。
 その時、ぷつりと何かが切れる音がして。
「今までルシェたちの事守ってきてくれて有難う」
 キルシェはその時、魔樹となったウドリアーに感謝の言葉を伝えずにはいられなかった。
 ――でも、もうお休みする時間なの。だから、おやすみなさい。
「これだけの大樹です。歪んでしまう前はこの地を守ってくれていたのでしょう」
 クロエもまた、倒れ行く魔樹へと一言。
「お疲れ様……ゆっくりと休んでください」
「また今度、優しい子に生まれてきてね」
 森へと倒れこんだ大樹の幹から、小さな苗木が姿を現していたのだった。


 苦戦はしたが、魔樹を討伐したイレギュラーズ達。
「街に戻ってグルメ探しね! でもその前にリチェのご飯、ここで探していこうね!」
 自然の場所とあって管理者はいないその場所。街の人も事後報告でいいからとのこと。キルシェは一緒に戦った仲間と共に、その奥にあるアルモと呼ばれる区画へと踏み込む。
 アルモとは、別世界の異国で「豊か」、「恵み深い」という意味を持つ。
「木々の実りを分けていただいて、秋の味覚を楽しむと致しましょう!」
「食材をゲットしますわー!」
 ドラマはその恵み溢れる場所を見回す。すでに、タントは美味しそうな食材を手に取り始めていた。
「しかしまぁ、周りの生命力を吸った魔樹というなら……さぞいい感じの蜜とか貯めてたりしない?」
 その味は後のお楽しみとし、クロバもまた倒れた樹に成っていた果実をもぎ取り、根元に生えていたキノコを採取する。
 一方で、美味しそうに木の実を食べるサイズは、長期保存できるものをと選んで手に取っていた。
 後々妖精郷に運んで妖精達へと配ろうと考えていた彼は、それらをカバン一杯になるまで詰め込んでいく。
「あ、これ気に入ったの? じゃぁ、ちょっと多め持って帰ろうか」
 キルシェもリチェことリチェルカーレと一緒に気に入った草や果物を手に取り、時折仲間達も気にかけて。
「クロバお兄さんとタント様お姉さんも美味しいものあったのかしら」
 この後、どんなグルメと出会えるか楽しみだ。


 食材探しを終えたイレギュラーズ達はアルティオ=エルムへと戻って。
「アクアベルお姉さーん! 魔樹倒してきましたー!」
 キルシェは報告をと情報屋のアクアベルの元へ。一行を労う彼女へと果物や草を見せるキルシェ。なお、草はリチェ用のご飯なのだとか。
「グルメ探し、アクアベルお姉さんも一緒に行きましょ!」
 そして、キルシェが差し出す手を、アクアベルは笑顔でとる。
「よーし、深緑グルメ探しいっちゃうぞー☆」
 ミルキィは季節の果物を使ったスイーツを押さえたいと、早速、深緑の中心で営業する店へと繰り出す。
「わぁ……アップルパイ! りんごたっぷりです。いただきます♪ はむはむ……」
 早速、クロエは目に付いた品をはむはむと食べ始める。
 熱々の生地にとろとろのりんごの甘酸っぱさが美味しい。
「お仕事の疲れも癒されます」
「アップルパイだけじゃなくて、モンブランにブドウのゼリー……どれも美味しそう! 目移りしちゃうね☆」
 戦闘でめいっぱいお腹を空かせてきたミルキィだ。専門店や屋台などに並ぶスイーツを全てチェックして。
「全品制覇を目指してレッツゴーだよ!」
 キルシェもアクアベルの手を引き、それに付き合う。
「モンブランに焼き栗、お芋のパンに栗のパウンドケーキ、キノコのキッシュにクリームスープ……」
 フルーツの合間にキルシェはドラマの食べていた料理も口にしていた。
 葡萄酒を片手に様々な店を回っていたドラマは元々、深緑に住んでいた頃は食が細かった。
 幻想に移り住んでから早4年、ドラマは高名な冒険者に師事し、沢山身体を動かすようになった。さらに、その冒険者から色々と美味しいモノを教えてもらい、沢山食べるようになったという。
 別段、ドラマもそれを決して悪いことだとは思っていない……のだが。
「……食に関して随分と、欲深くなってしまったモノです」
 くすりと笑うドラマは、幻想では食べられないモノをいくつか見繕い、お土産に包んでもらっていた。
「あ、あっちはフライドポテトを揚げてるみたい」
 この辺りは土が良いとクロエは聞いており、とても美味しいに違いないと確信してから小さな口でぱくり。
「フライドポテトも熱々サクサク!」
 軽い食感と熱さの中に、凝縮された甘さ。キルシェは素直なその気持ちを表現してみせた。
 心行くまで深緑グルメを堪能するイレギュラーズ。
「腹八分目より少な目にとどめておいてくれよ!」
 そんな仲間達に、フライドポテトをつまみ、ぶどうのゼリーやモンブランも抱えていたクロバは料理をすべく通りから離れていく。
「わたくしは毎日恋人のためにお料理しておりますから! 一家言ございますわ!」
 同じく、グルメ巡りしていたタントも料理のできる場所を確保するよう動いており、クロバと共にそちらへと向かう。
 料理へと向かったメンバーは自分達よりグルメ探しできていないはずと、キルシェはお土産にできるグルメを持ち帰る。
「皆で食べたほうが美味しいもの!」
 そんなキルシェと一緒に確保した熱々ポテトをメインに、クロエは料理を作る仲間の様子を見に向かう。


「レッツチャレンジ!」
 厨房を借りたタントはお料理教室を思わせるBGMを口ずさんで。
「本日お作りしますのは! きのこのパエリア、お芋とかぼちゃのスープ。そして栗粉のケーキ・カスタニャッチョですわー!」
 パエリアは別世界スペインの米料理。カスタニャッチョはタントが言うようイタリアのお菓子だ。
「せっかく持ってきた素材を活かして作るとしようか。……そうだな」
 ひとしきり街のグルメを味わったクロバは、アルモで入手したりんごに倒した樹から採ったシロップを使ってスイーツを作る。
 ワッフルとアイスクリーム、そこにカットした果物を添えて採取したシロップを。
 見た目もさることながら、カリカリに焼いたワッフルとアイスの相性は抜群だ。
「付け合わせに紅茶も用意した」
 紅茶もアップルティーにし、心行くまでメンバー達に深緑の秋を堪能させてくれる。
「かすたにゃっちょ!」
 ちぇけらっちょとラップ調のポーズをするタントは料理を完成させる。皆で食べるのはもちろんのこと、自分の作った料理だと一層秋を感じられる。
「かすたにゃっちょは二人分キープしておきましょう」
 ちゃっかりと、用意した恋人の土産を見つめ、タントは満面の笑みを浮かべていたのだった。

成否

成功

MVP

御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの

状態異常

サイズ(p3p000319)[重傷]
妖精■■として
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)[重傷]
甘夢インテンディトーレ
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)[重傷]
鏡花の癒し

あとがき

 リプレイ、公開です。
 今回はご参加、ありがとうございました。

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