PandoraPartyProject

シナリオ詳細

行くぞ、ぶどう狩り!!!!!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「あの!! ぶどう狩りに行きませんか?」
 発案者は【ロマンチストな情報屋】サンドリヨン・ブルー (p3n000034)だった。
「ぶどう狩り? いいね、僕は大賛成だよ。美味しいし楽しいし幸せな気持ちになれるしね」
 柔らかなソファで静かに小説を読んでいた【作家】藤井 奏 (p3n000227)が顔を上げる。
「皆? それは勿論……」
 コーヒーを飲んでいた【ふらり、ふらりと】青馬 鶇 (p3n000043)がイヤそうな顔で、隣に座っているフィーネ・ルカーノ (p3n000079)を見つめれば、「あら、鶇さん? それはどういった意味で?」
 フィーネは楽しそうに笑い、ふと、目を細める。
「ついでにローレット・イレギュラーズも誘えばいいじゃない、きっと暇でしょう?」


「凄いね、皮ごと食べられてとても甘い。ほら、サンドリヨンくんも……って食べてるね、彼。青馬さん、たまにはこういうイベントも楽しいでしょ?」
 奏が笑う。サンドリヨンは幸福顔でぶどうを頬張っている。
「ああ、楽しいよ、本当に。ぶどうも空気も美味いねぇ……」
 鶇がにっと笑う。
「ふふ、来て良かったでしょう? あなた達も……」
 和やかな雰囲気の中、フィーネがローレット・イレギュラーズに微笑む。

GMコメント

 青砥です。青砥NPC大集合させちゃいました!!! 欲張りハッピーぶどうセットですよ、皆様!!! 【作家】藤井 奏 (p3n000227)がNPCに加わった記念オープニングになります。

●目的
 ぶどう狩りで交流を深める!!!! 青砥NPCと交流を深めたい方、お友達を作りたい方、お友達ともっと仲良くなりたい方……大大大募集♡!! デートでもいいのよ?

●場所
 幻想にあるぶどう園。フィーネの財力で貸切りました。時間無制限のぶどう狩りを行えます。飲食物の持ち込みが可能です。は~~~、手作りのお弁当とかいいよね。お酒を飲んでも大丈夫!!! やったー!!! 日本酒飲んでもいい?

●ぶどう
 皮のまま食べれて一粒がとっても大きい!! 甘くて何個でも食べれます!

●青砥NPC
 https://rev1.reversion.jp/scenario/profile/484の担当NPCをチェックせよ!!! 

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。楽しみましょ!!!

  • 行くぞ、ぶどう狩り!!!!!完了
  • GM名青砥文佳
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2021年09月29日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長!
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
クィニー・ザルファー(p3p001779)
QZ
Tricky・Stars(p3p004734)
二人一役
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
エルシア・クレンオータ(p3p008209)
自然を想う心
薫・アイラ(p3p008443)
CAOL ILA
日暮 琴文美(p3p008781)
被虐の心得

リプレイ


「雰囲気のいい所じゃねェか。甘いモノが苦手なのが惜しいけどな」
 『最期に映した男』キドー(p3p000244)は『作家』藤井 奏 (p3n000227)を見つめる。
「ま、お目当てはアンタってことだ。こないだはまぁ、色んな事情で機会に恵まれなかったがな」
「ふふ、照れるね」
「ハハ! 兎に角はじめまして、センセイ。俺ぁキドーってんだ。コンゴトモヨロシク、ってね! 今日の為にいいモン持ってきたんだよ。じゃーん、特別純米大吟醸生原酒天之翡翠!」
「それ、絶対美味しいやつだよね」
 レモンイエローのレジャーシートを慌てて広げだす奏。
「そう焦るなって。なぁ、センセイはイケるクチ?」
「お酒は好きだけどすぐ真っ赤になってしまうんだ。キドー君は強い方?」
「俺はまあまあ。体格の割にはイケる方だぜ? ヒヒ」
 錫の酒器に原酒を注ぐキドー。すぐに乾杯する。
「美味ェな! どうだ、センセイ?」
「美味しい。でも、眠くなってきた」
 ふわふわしてこめかみがきゅっとする。
「フハッ! 完全に酔っちまう前にいいかい、センセイ? 俺の興味はアンタの職業についてだ」
「僕の職業?」
「お? アンタ個人じゃなくてがっかりした?」
「別に」
「センセイ拗ねるなって。誰でもいいってェ訳じゃあねェんだぜ?」
「なら、聞く」
「ハッ、酔ってるねェ。で、興味を持った切欠ってのがROO……その、ややこしい事を抜きにすると、俺の未来の可能性ってやつに遭遇しちまったのさ」
「面白い話だね」
「だろ? シワシワに老いぼれた自分自身の姿を想像してみてくれよ! そいつはさ、堅気になって、今まで想像もしないような職業になってやがったんだ」
「パン屋とか?」
「いや、作家だよ、作家。物書きだぜ? それこそ、甘いぶどうを食べようなんて思うぐらい想像もしなかった! 作家ってのにさ、なんでなろうと思ったんだろうな。アンタは素直に答えてくれそうだからさ」
「書きたいと思うことがあったんじゃないかなぁ。僕だけにしか書けない話ってやつを皆に知って欲しい、読んで欲しいって僕は思ったんだ。君ももしかしたら……」
「へぇ、興味深いねェ……」
 キドーは笑い、原酒をまた口にする。


 『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)は『ふらり、ふらりと』青馬 鶇 (p3n000043)に声を掛けた。
「鶇さん。俺はジェイクって者だが、妻が喜んでくれそうな美味しいぶどうを持って帰りたいんだ。ただ、どれがいいのか分からなくてね」
 敬意を払い、ジェイクは鶇をさん付けにする。
「そうかい。なら、ジェイク。美味しいぶどうを探す旅に出るよ」
 鶇は笑い、適当に歩き出した。途端にジェイクは目を細めた。
(豪快で気持ちいいな。ほんと、いい女だと思うぜ。でもまぁ、妻が一番だけどな)

 立ち止まる鶇。
「食べ比べてみるよ」
「ああ、いただくぜ」
 ジェイクは手を伸ばし、ぶどうを口に含んだ。
「めちゃくちゃ甘いな」
(これは自家製ワインにしても美味いだろうな)
「次は隣のぶどうをっと……甘いけど最初のぶどうより薄いな。あっ、鶇さん! ぶどうの色の濃さと房の軸の色が違うよな!」
「ああ、美味いのは軸が奇麗な緑色だ! 良かったね、ジェイク」
「ありがとう、鶇さん。妻は喜んでくれるかな?」
「あったり前だろう! 見た瞬間、笑顔になるさ」
「それはいいな。じゃあ、鶇さん」
「ん?」
「お昼までにお腹を減らしておいてくれないか? とっておきがあるんだ!」


「うん、美味し! 甘いなぁ、ほんと」
(よし。食べつつ恋人へのお土産も確保しないとね)
 『QZ』クィニー・ザルファー(p3p001779)はひょいひょいぶどうをもぎ、口に入れていく。
「美味しそうに食べるのね。それに背が高いと簡単にぶどうが取れて羨ましいわ」
 フィーネ・ルカーノ (p3n000079)がクィニーの肩に触れる。
「ん、あ。フィーネさん……だっけ? どう、楽しんでる?」
「正解。ええ、QZさんに出逢えたからね」
「……そうなんだ。もし良かったらこれ、どうぞ」
 ぶどうを二粒差し出し、首を傾げるクィニー。自分でせっせと葡萄をもぐ姿が似合わない人だとは思った。でも、私はどうして──親切心? 恋人から学んだエスコート力? いや、違う。彼女に貢ぎたいと思う自分がいる。それは王女であったクィニーすら跪く。
「貴女は食べないの?」
「え? むしろ、もう一粒いかが?」
 物珍しさと妙な色香に導かれ、ぶどうをもう一粒差し出してみればフィーネは髪を耳にかけ、上目遣いでクィニーのぶどうを口に含んだ。
(指ごと食べられちゃいそうになった……!!)
 指先に唇が触れ、クィニーはゾクゾクする。恋人が女性のクィニー。仕草に心が揺れる。
「美味しい。貴女、お酒は飲める?」
「はい、少しだけですが。私もついこないだ二十歳になって、弱いけど飲める!」
「貴女の誕生日パーティーに呼ばれていないのだけど?」
「え、いや……知り合ったのは今日だから……」
「なら、今日から仲良くしましょう?」
 耳元で囁かれる。

 唇に触れるスパークリングワイン。とても飲みやすい。
「はひ~……あれれぇ? ふひっ……飲み過ぎたかなぁ……? んふふ、フィーネさんは面白い人だなぁ~。甘えたくなるっていうか……なんだろう、委ねたくなる……手玉に取られたくなる……?」
 クィニーはベンチに座りながらいひひと笑い、フィーネの腕にしがみつく。
「フィーネさん、今度ぉ……二人で会えませんか? なぁん、て……」
「そうね、貴女と誰かさんさえ良ければ」
 フィーネは笑い、クィニーの頬に口づける。


「うん、秋って感じだなぁ」
 奏は背伸びをする。
「藤井のおじさま!!! 藤井のおじさまじゃないですか!!!」
 『自然を想う心』エルシア・クレンオータ(p3p008209)が叫んでいる。
「元気いっぱいだね、エルシアさん」
「それはおじさまがいるからです!! この前はもう二度と逢う事もないと思って、思わず随分と本音を──私が自分に自信を持てない事も、含めて本当の事を洩らしてしまいましたから……お会いするのが恥ずかしいのです!」
「ええっ? でも、僕はエルシアさんに会えて嬉しいけど」
「それは良かったです。私も……藤井のおじさまのお蔭で、ちょっと楽になりましたから。そのお礼をしがてら、今日もおじさまとご一緒させていただきます」
「律儀だね。なら、奏って呼んで欲しいな。長いでしょう、それだと」
「分かりました……奏」
「はい」
「あの、この流れ要ります!?」
「いるよー? 僕には必要! じゃあ、エルシアさん、ぶどうを食べに行こう」

 葡萄の木々の間をくるくると回りながら、奏は鼻歌を歌う。
「おじさま。あの依頼の結果が小説に、どんな風に活かされる予定なのですか? 私をモデルにした登場人物はいるのでしょうか?」
「内緒」
「そうですか。実際、どう調理しても構いませんよ。私が贖罪のために生きたいというのも、自分を赦せるようになりたいというのも、結局の処は贅沢な悩みなのです。自然の中で在るが儘に生きて摂理に従って死ぬだけならばきっと十分なくらい幸せですから、私をモデルにしただけの誰かが憎まれようが苦しもうが、そんな事でわたしの幸せを奪えたりはしないんです」
「そっかぁ、そうなんだね」
「長く生きていますから。おじさま、この葡萄の房が、今が食べ頃だから存分に楽しんで代わりに種を遠くに植えてくれって言ってるわ?」
「……大切に食べてあげなきゃね」
「ええ。では──今後のおじ……奏の小説の成功と私の幸せを祈って……いただきます」
 エルシアはぶどうを食べ、目を細めた。
「ふふ、何だか嬉しいな。それに、ぶどうが美味しい」
「ええ」
「ねぇ、エルシアさん。今度は種を植えに行こうね」


『よっしゃあ、楽しむぞ!』
 『二人一役』Tricky・Stars(p3p004734)、虚が雄叫びを上げる。
「いいや、俺は拒否させてもらう」
 そんな中、稔が深い溜息をついた。
『え、ぶどう美味しいじゃんか』
「知ってるか、俺は天使だぞ? それに、知恵の樹について聞いたことがあるだろう?」
『ないけど』
「困った男だ。いいか、聞け。あの樹に実っていたものは、葡萄に極めて近い見た目の果実と言われていて……」
『へぇ? で、気にしてんだ』
「してない! あれは作り話で……」
『なら、関係ないだろ?』
「そ、そうだが……だからと言って、この事が我が神に知られたら何と言われるか……」
 ブツブツ言い続ける稔を無視し、虚は歩き出す。
(細かいことは気にしないで一口ぐらい食べりゃあ良いのに)
『あれ? あのお姉さんはフィーネさんだっけ? おーい! 初めまして、虚だよ! 今日は招待してくれてありがとう』
「ええ、存分に楽しんでちょうだい。そうだ、あっちの甘いぶどうを食べに行きましょ?」
『行く! 1人で食うのも寂しいって思ってたから丁度良かった! ねーねー、葡萄嫌いっつーか葡萄恐怖症?の稔ってヤツが居るんだけどさ、美味しく食べる方法とかご存知ない?』
「馬鹿、余計なことを」
「ゼリーにしてみたら? それかジャム」
『ゼリー! ぷるんぷるんで美味いしジャムも甘くていいよな』
 虚は無意識にぶどうを一粒取って口に放り込む。
『うまっ!』
「こっちも甘いわよ」
 フィーネは笑い、虚にぶどうを食べさせる。所謂、あーん。
『めっちゃ美味い! 美人さんに食べさせてもらったからかな?』
「素直ね」
『へへ』
 フィーネと虚は和気あいあいでぶどうを楽しむ。
「虚さん……あら?」
 目を丸くするフィーネ。
「え、は?」
 驚く稔。入れ替わっている。
『ほら、せっかく招待して貰ったのに何もしないって失礼だと思うからさ?』
「いやいや! 蛇のような目をした女の前に置き去りにするか、普通!」
「貴方が稔さん?」
「え、ああ、そうだ」
「そう。なら、あたくしが貴方のぶどうを選んであげる」
 フィーネは微笑み、稔の手に触れる。


「ブドウ狩りだー♪ うわぁ、美味しそうなブドウがいっぱいだね! あれ、これって持ち帰りもいいんだっけ?」
 『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)が小首を傾げる。
「ええ、問題ありません」
 『ロマンチストな情報屋』サンドリヨン・ブルー (p3n000034)が微笑む。
「サンドリヨンくんだ。ありがとう♪ ブドウのスイーツ作りも挑戦してみたいんだよ☆」
「わ~~、考えただけで涎が出ちゃいます」
「ふふ。ね、サンドリヨンくん。どっちがたくさんブドウを食べれるか勝負だよ♪」
「わっ、楽しそうです!」
 サンドリヨンが笑う。

「あんた達、凄いね」
「鶇さん!」
 ミルキィが鶇を見つめる。
「ミルキィさんが美味しそうに食べるのでいつも以上に食べちゃいました!」
「ボクもサンドリヨンくんと一緒だったからか100粒以上食べたかも♪ ふぅ、ブドウも堪能したし、お茶会でも開こうかな☆ とっておきのお茶とお菓子を用意してきたんだ♪」
「お菓子!」
 サンドリヨンが目を輝かせ、ぶどうの箱を抱えた稔に手を振る。
「稔さーん! ミルキィさんのお茶会に参加しませんか?」
「それはいいな、俺も仲間に加えてくれ」
 稔の言葉にミルキィが「やったー♪」と笑う。
「冷たいジェラードと熱い紅茶の組み合わせが最高だねぇ」
 鶇が目を細める。紅葉柄のレジャーシートの上でティータイムを楽しむ。
「ああ、何だかホッとする」と稔。隣には笑顔のサンドリヨン。
「良かったな☆ ねね、鶇さんってギフトで飴が作れるんだよね! 今までどんな味の飴が出てきた事があるのかな?」
「スイカ味の飴や塩飴もあったねぇ、あんた達も出してみようか」
 鶇はミルキィと稔を見つめる。
「美味しそう。うん、試しにやってみてほしいな!」
 ミルキィが笑う。
「俺からもお願いしよう」
 稔が鶇を見つめる。
「オーケー、まずはミルキィからだよ」
 掌に飴を落とした。
「あ、黄色い! レモンかな? わっ、トウモロコシ! 甘くて優しい味だね!」
「次はあんただよ」
 ウインクを決める鶇。稔の掌に赤い飴を落とした。飴を含み、稔は目を細める。
「この味、ザクロのようだ」
 

 季節を愉しむ、というのはとても粋で贅沢だと思った。
「フィーネ様」
 バスケットを持った『フォボスの女神』薫・アイラ(p3p008443)がベンチに座るフィーネを見つける。
「何を見ていらっしゃるのですか?」
「見ているようで実は何も見ていないのよ」
「ならば、わたくしをその瞳に映してください。今日はフィーネ様とのデート、のつもりで参りましたもの」
「ああ、積極的でクラクラする」
 フィーネは薫の手の甲に口づけた。

 不器用にぶどうに手を伸ばす薫。
「貴女、緊張しているの?」
 フィーネが笑う。
「そうかもしれません。食事に限らずお茶もお酒も、準備も何もかも、全て使用人に任せておりますの。ですので、こうして自らの手で果実を手に取り頂く、というのはなんだかドキドキしておりますの」
「正真正銘のお嬢様ね」
「ええ……フィーネ様。フィーネ様とご一緒に、とお酒とグラスをバスケットに入れて持たされておりますの。ヴァン・ムスーやポーマス・ブランデー等如何ですかしら? 天高く、馬肥ゆる秋、と申しますが、葡萄であれば、お酒と共に沢山頂いても肥ゆる心配はせずとも佳さそうですから」
 収穫したばかりの果実を頂きながらその果実で作られたお酒を味わう。それはとても素敵で味わい深い。
「勿論、いただくわ」
 フィーネの言葉に頷き、ヴァン・ムスーをグラスに注ぐ薫。
「乾杯」
 声を揃え──グラスを触れあわせずに行う。
「美味しくてすぐに酔ってしまいそう」
 爽やかな刺激が通りすぎていく。グラスを置きフィーネはぶどうを一粒、口に含んだ。薫の首に両腕を回し、唇を触れあわせる。押し込まれたぶどうをゆっくりと咀嚼する薫。
「どう?」
「美味しさにクラクラ致しますわ」
「いいわね、もう一粒どう?」
 フィーネがぶどうを指先で掴み、薫に向けている。頷き、指先を吸うようにぶどうが薫の中に落ちていった。
「佳いお味ですの……フィーネ様。わたしくからもお礼を致しますわ」
 唇を寄せる薫。フィーネは強引に抱き寄せる。ポーマス・ブランデーはバスケットに残されたまま。


 『被虐の心得』日暮 琴文美(p3p008781)はサンドリヨンに歩み寄る。
「サンドリヨン殿、わたくしとまたでーと、致しません? なんて……初めての葡萄狩り、とても心細いのです」
「えへへ、しましょう!」
「ありがとうございます、ご一緒して下さるって信じていました。それに背が高そうなので葡萄を取るのも難がなさそうです」
「日暮さん、小さくて可愛らしいですからね。僕がぶどう係になります!」
「……サンドリヨン殿、おすすめの食べ方はあります? わたくしは情けなくも飲料系とジャムしか思い浮かばないのです」
「今日はそのままパクりでしょうか」
「そのままでも食べられるのですか?」
「はい! ただ、種があって僕は呑み込んじゃうのですが気になる場合は食べないでください」
「見た目から勝手に加工品から食べれる状態になるのかと。わたくしは他の鬼によりも世間知らずでしょうかねぇ?」
「いいえ、僕はぶどうを初めて食べる日暮さんが羨ましいくらいです! 僕も美味しさに驚きたい」
「ああ、サンドリヨン殿とのでーとは楽しいですねぇ。奏殿と仕事でデートを致しましたが……あれは正直奏殿を楽しませる為のものでしたしねぇ……あ」
「え?」
「この前はサンドリヨン殿が居なくて悲しかったんですよ?」
「どうしてですか?」
「あなたがいると思ってお伺いしましたものですから、ねぇ?」
「あっ、日暮さんは僕に会いたかったということですね!」
「では、そういうことにしておきましょう。思うことは、自由ですから」
「あれ?」
「ふふ、今日はその時の分も楽しみたいのです。サンドリヨン殿、今日は期待してもよろしいでしょうか? ……なんて」
「期待してください! 本当に美味しいぶどうなので」
「ぶどう? ……良いでしょう。サンドリヨン殿がご一緒下さるだけで結構楽しいですから……さて、どうしてでしょうか、ねぇ?」
 琴文美は手渡されたぶどうをそっと噛み、目を丸くする。甘くて瑞々しい。
「今日の日暮さんはクイズが多いですね。でも、僕は至極、楽しいです」
 サンドリヨンは嬉しそうに笑う。


「卵焼きも美味しいからな、あと、ポテサラサンドイッチにさつまいもと昆布のおにぎりもあるんだぜ?」
 誰よりも嬉しそうな顔しているジェイク。海色のレジャーシートの上で妻が作った弁当が煌めく。
「ああ。美味しいよ、この唐揚げ! 卵焼きも甘くて美味い」
 鶇が笑い、各自が選んだ──土産のぶどうを眺める。
(ここに色んな気持ちが……入っているんだねぇ)

「わぁ! ミルキィさん、日暮さん、ポテサラサンドイッチとおにぎりが最高ですよ。一緒に食べましょ!」
 サンドリヨンは唇の端に米粒を付け、嬉しそうに目を細める。
「キドーさん、エルシアさん、マグロのベーコン串焼きがとても美味しいですよ」
 奏が柔らかな視線を向ける。
「ジェイクさんの奥様は素敵ね。ほら、紅茶豚とかぼちゃのチーズ焼きが本当に美味しいの。だから、食べさせてあげる」
 フィーネは目を細め──Starsとクィニー、そして、薫に手招きをする。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 んん~~~? おかしいぞ……??? 甘いのは葡萄だけじゃないのか???? そして、青砥NPCとこれからも仲良くしてください!!! 

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