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シナリオ詳細

友よ、友よ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ハイエスタの戦い
 戦いの音が響く。
 鉄と鉄がぶつかり合う音、血しぶきの音。
 連合王国ノーザン・キングスにおけるハイエスタは誇り高く、勇敢だ。
 故に侵略者相手に退くことは絶対にない。
 しかし、しかしだ。如何に彼等が勇敢で強くても、無限に押し寄せる軍勢が相手であればどうだろう?
 猛き炎のエルグラストを長として抱くエルグラストの一族は今、そういったモノに襲撃を受けていた。
「長よ、エルグラストよ! このままでは……!」
「オーク共の軍勢は昼夜を問わず押し寄せる。部族の者の疲れも出てきている。押し切られる日も近い」
「やはり決死隊を編成すべきだ。この異常には、必ず原因がある!」
 部族の戦士達の声を受け、一族の長たるエルグラストは……どうするべきかを必死で考えていた。
 エルグラストが行くのは簡単だ。しかし、エルグラストが原因を解決している間に一族が壊滅してはどうしようもない。
 ならばどうするか。他の一族に助けを求める?
 あるいは……。
「……イレギュラーズ。奴等に依頼をしてみるか」
 以前、此処に来たイレギュラーズ。相応の実力を持っていた彼等であれば……あるいはこの事態を解決できるかもしれない。

●エルグラストからの手紙
 マルク・シリング(p3p001309)にその手紙が届けられたのは、とある雨の日の事だった。
 ローレットを通し届けられたその手紙には、エルグラストの一族を襲う「無限であるかのように押し寄せてくるオーク」の事が書かれていた。
 その事件を解決する為に力を貸してほしい、と。そう書かれたその手紙は、エルグラストに友と呼ばれたマルクを立ち上がらせるには十分すぎるものだった。
 無限であるかのように押し寄せるオーク。
 それは以前、毎日昼頃に押し寄せてくるというオークと同じモノなのではないかと、そうマルクに思わせた。
 考えてみれば、毎日押し寄せてくる程にオークの数が多いというのも異常だ。
 もしかして、その頃から何かあったのではないか?
 何かそうなる原因となる……以前の事件で「魔笛」と呼ばれていたようなものと似たような何かがあるのではないか?
 だとすれば、マルク1人で解決できる問題ではないだろう。
 頼れる、そして信頼できる仲間達を集める必要がある。
 だからこそ、マルクはローレットに集まったイレギュラーズ達に声をかけていた。
「皆、僕に力を貸してほしい。友であるエルグラストの為……この事件を解決したいんだ」

GMコメント

マルク・シリング(p3p001309)さんのアフターアクションに伴うシナリオです。
エルグラストの一族はかなり疲労しています。
原因を叩き潰し、助けてあげてください。
なお、今回のシナリオはいわゆる「無双系」です。

・今回の舞台
高山地帯に広がる荒野。奥にエルグラストとその一族が暮らす廃城があります。
その更に向こうが雷神の恵みと呼ばれる薬草の生える湖です。
エルグラストの一族は、この荒野でオークの群れを迎え撃っています。
イレギュラーズの皆様は、右側面の斜面を登りこの現場に突入することになります。

・猛き炎のエルグラスト
巨大なクレイモアを扱う筋骨隆々の巨漢。
使う技は敵を真っ二つにする一刀両断と範囲攻撃の大旋風。
真面目で誠実です。
笑えるくらいに強いです。
・エルグラストの部族
男女ともに戦闘民族。全員大剣を使います。
・オーク大酋長
巨人の如き体格のオーク。両刃の斧を使います。
使う技はエルグラストと非常に似ています。
・オーク
武器は斧。技は特にありません。
数は凄まじく多いのですが、単体としては結構弱いです。

・オークの大集落
エルグラストの一族の住む場所から離れた場所に存在する集落。
オーク大酋長に率いられたオークがとんでもない数居ます。
何処からか手に入れた古代兵器「複製装置」を使い、配下のオークを複製し続けています。
壊れているのか、この集落のオークしか複製できないようになっていますが、壊すのは容易でしょう。
オーク大酋長の側に置かれています。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 友よ、友よ!完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月15日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

マルク・シリング(p3p001309)
軍師
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
奈落の虹
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
リズリー・クレイグ(p3p008130)
暴風暴威
ユール(p3p009966)
機械仕掛けの羊
ムサシ・セルブライト(p3p010126)
宇宙の保安官

リプレイ

●友を救援せよ
「エルグラストに助けを請われたのなら、応えないわけにはいかないね」
 まだ少しの日数しか経っていないけれど、確かに僕らは友となったのだから。
 マルク・シリング(p3p001309)はそんな事を考えながら、ファミリアーにエルグラストへの手紙を持たせて飛ばす。
 レギュラーズが現地へ到着したこと、防衛戦には加わらずオークの大酋長を狙いに行くことを連絡する為の手紙は、彼等の士気回復の助けになるだろうか?
「エルグラスト君達の危機! 見過ごすわけにはいかない! しかし彼らの強さは知っている。きっとしばらくは持ち堪えてくれるはず! 私達は迅速にオーク集落を落として彼らを援護しにいこう!」
「マルクの友達ということであれば、断る理由はありませんわね行きましょう。あまり時間を掛けてしまうと、エルグラスト達が総崩れになりかねませんわ」
『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)と『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)も頷き、全員を促す。
 そう、今この瞬間もエルグラスト達は攻撃を受けている。その原因をどうにかしなければ、今回の事件は解決しないのだ。
「戦いは数だよと言った名将がいたそうだけど……正しくその通りといった戦況だね。部族は元気みたいだけど、これ以上増えられると本当に潰れてしまうかもしれない。まだ何とか出来る内に大本を絶つとしようか」
 だからこそ、聞こえてくる戦闘音に耳を傾けながらも『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)はそう提案して。
「エルグラストってのは相当強いんだろ? それほどの戦士がただの物量で潰されちまうってのは勿体ないからね。力を貸さないとね」
「ええ、迅速に戦闘を終わらせましょう」
『厳冬の獣』リズリー・クレイグ(p3p008130)に『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)も頷くが、ローレルの心の中は少しばかり違っていたりする。
 しかしそれでもこの依頼を解決しようとする心は同じ。
 そして、『機械仕掛けの羊』ユール(p3p009966)もまたこの依頼に乗り気であるうちの1人であった。
 疲弊しているとはいえ、エルグラストの一族はハイエスタに属する者。
 曲がりなりにも戦士を志す一族であれば、自陣を守護する分には問題ないように思える。
 録によると性格は良さそうだが戦闘力に関して自尊心が高いだろうから、それを傷つけると面倒そうだ。
 無論、場所にもよるだろう。少なくとも俺が育ったハイエスタに属する村ではそうだったというだけだが。
 まぁだが同じ雷神の末裔だというならば、守る理由としては充分だ。
 そう考えているユールは、すでに戦場を見据えている。
 この先は、エルグラストの一族とオーク達の戦場だ。そこを突っ切って、オークの大集落に行かなければならないのだ。
「ムサシ・セルブライト! 新人でありますが保安官として、全身全霊で協力させていただくであります!」
『特異運命座標』ムサシ・セルブライト(p3p010126)のそんな言葉にマルクも頷き、全員に声をかける。
「エルグラストが手紙の内容を確認した。さあ、皆行こう!」
 その言葉と同時に全員が走りだす。此処から先は、死地だ。

●死地への突入
 すでに原因は分かっていた。
 オークの大集落に存在する怪しげな古代文明の産物と思わしき機械。
 オークを無限に複製し続けるその邪悪な装置さえ壊してしまえば、全ては解決する。
 しかし、解決できなければ……オークがどれだけ溢れるか、分かったものではない。
 だからこそ、エルグラストの一族の集落へと向かっていく無数のオークの群れは殲滅されなければならない。
 文字通り無限に思えるその数に、しかしリズリーは真正面から名乗り口上をする。
「我はベルゼルガの戦士、荒熊リズリー・クレイグ! 故あってエルグラストの助太刀に来た! さあオーク共! アタシの首を欲するならば、遠慮せず纏めてかかって来な!」
 オーク達の視線が一気にリズリ―達へと向く。殺意の籠ったその視線は、リズリ―達を邪魔者としか見ていないのは明らかだ。
「マリィ、皆、下がっていて下さいまし。ぶっ放しますわよ!」
「ふふ! ヴァリューシャの攻撃に巻き込まれたくはないね! 任せたよ!」
 ヴァレーリヤがメイス「天の王に捧ぐ凱歌」を構える。
「主よ、天の王よ。この炎をもて彼らの罪を許し、その魂に安息を。どうか我らを憐れみ給え」
 放たれる「太陽が燃える夜」がオークを焼き払い、道を作る。
「突撃して一気に突破しましょう。足を止める必要はありません!」
「ああ、急ごう! 急ごう!手が付けられない状況になる前に!」
 オリーブとマリアが叫び、全員がオークの群れの中を突き進んでいく。
「オラオラ! 引き肉になりたくなきゃ退きなブタ共!」
 リズリ―が叫び、しかし絶対に足は止めない。
 ここでオークをどれ程倒しても、無意味であることが分かっているからだ。
「オークは山ほどいて、しかも増え続けている……一体一体を相手していてはキリがないであります!」
 まさにムサシの言葉通りで、だからこそ走る。
 頼りは、事前にファミリアから収集した敵の布陣情報から、どのルートで進むのが最も敵が少ないか、地形的に戦いやすいかを判断した結果のみ。この無限にも思えるオークの群れの中で、それがどれだけの時間有効な情報として機能するかは分からないが……それでも、最善は尽くした。
 走って、走って。オークの群れを抜けて、それでも走って。
「見えた! ブタどもの集落だ!」
 リズリ―が叫ぶ。そう、続々と現れるオーク達の集落。
 そして……そのオークを生み出す「複製装置」の在処。
 ここまで来ればもはや、後は突っ切るのみ。
「雷神の恵みを守る為、雷神の末裔たるハイエスタの兄弟たちの為。お前たちには雷の裁きを受けてもらう」
 ユールが宣言し、紫電一閃を放つ。
「地に伏し、空を見上げろ。俺たちの神を崇めるがいい」
 ユールがオークを蹴散らした隙を狙い、ムサシもSADボマーを放つ。
 複製装置。分かってみれば、なんと悍ましいことか。
「無制限に個体を増やす複製装置を、こんな安易な使い方だなんて……!」
 マルクはそう叫ぶが、しかし安易にして確実な使い方とも言えるだろう。
 強靭なハイエスタの一族を、簡単に疲弊させることができるのだ。
「狙うは一番大きいか派手な建物です。こういう手合いは大体そんな建物にいます。お決まりです」
「まあ、分かりやすいね!」
 オリーブにウィリアムも答えながらマルクの神気閃光に合わせチェインライトニングを放つ。
 とにかくオーク大酋長と、その傍らにある複製装置へ辿り着かなければどうにもならない。
「可能な限り敵の布陣が薄い箇所を突破する!」
 マリアが叫び、リズリーのH・ブランディッシュがオークを蹴散らして。
「見つけましたわ……!」
 ヴァレーリヤが叫び、切り開かれた道の先にオーク大酋長の巨体が、そして複製装置から出てくるオークの姿が見える。
「速攻で決める……!」
 マルクの歪曲のテスタメントが炸裂し、一気に接敵したヴァレーリヤの「死者の果実が実をつける前に」がオーク大酋長に、そしてマリアの天槌裁華が近寄ろうとしたオーク達を消し飛ばしていく。
「ふふ、させないよ!」
「ああ、ここまで来たら食い破るのみだ!」
 ウィリアムのフルルーンブラスターがオーク大酋長に叩き込まれ、リズリ―とユールがオーク大酋長へと迫る。
「我はベルゼルガの戦士、荒熊リズリー・クレイグ! アタシの名前を憶えて逝きな!」
「地に伏し、空を見上げろ。俺たちの神を崇めるがいい」
 2人の攻撃が見事なコンビネーションとなり、オーク大酋長を絶命させて。
「よし、複製装置も!」
 元々壊れていたせいだろうか、複製装置が爆発音と共に完全破壊されたのを確認すると、このままオーク達を殲滅するべく武器を構え直して。遠くから聞こえてきたのは、エルグラストの一族のものと思われる咆哮だ。
 こちらまでビリビリと響いてくるその咆哮は、恐らく複製装置の爆発音で「何か根本が解決した」とあちら側が理解したからであるようだった。
「さあ、残党狩りです。複製は装置の破壊と共に消滅する場合が多いですが、そうでないようですし、複製でないオークもいるでしょう。根絶やしにしてやります」
「元凶も破壊したであります! あとは簡単なことであります!」
 オリーブとムサシの言う通り、あとはオークを殲滅させるだけだ。
 複製装置のことを思えば、本当に簡単なことだ。
「よし、行こう皆! 向こうがこっちを見つけるより先に行ってあげようじゃないか!」
「ふふ、そうですわね。オークを総崩れにして差し上げる番ですわ」
 マリアとヴァレーリヤが飛び出していき、全員がそれに続く。
 オーク大酋長と複製装置を失ったオーク達は文字通りに烏合の衆であり、本当に数頼みでしかなかったことが露呈する。
 そんなものが相手になるはずもない。あっという間にリズリ―の宝剣「ベアヴォロス」で宣言通りに挽肉にされ、ウィリアムにマルク、ヴァレーリヤにマリア、ユール……全員の攻撃で蹴散らされていく。
 そうして、その先。同じようにオークを蹴散らしているエルグラストと、その一族とついに遭遇する。
「助力、感謝する! 憎きオーク共もあと僅かだ!」
 そう叫び一族の長……「猛き炎のエルグラスト」はクレイモアを振るう。
「さあ、吼えよ一族の戦士達よ! 雷神の末裔たる証を見せよ! 奴等を1匹も逃すな!」
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
 叫ぶ一族の戦士達も合流し、全てのオークは跡形もなく殲滅されて。そんな血なまぐさい現場から離れたエルグラストの一族の集落で、マルク達はエルグラストの歓待を受けていた。
「我が友マルク。救援に応えてくれたこと、改めて感謝する。この恩を俺と一族は生涯忘れぬ」
「僕らは友だ。ならこれは当然。そうだろう?」
「ああ、そうだな。お前も何かあれば……その時は、俺はお前に力を貸す事を約束しよう」
 そう言うと、エルグラストは残りの面々にも頭を下げる。
「お前達もだ。今回の件、一族を代表し感謝する」
「助かってよかったですわね。復旧には何が必要かしら。私にお手伝いできることはありまして?」
「そうだね、部族の復興に手伝える事があれば僕も手伝おうかな」
 複製装置でお酒を量産できればと思っていただけにヴァレーリヤはちょっとしょんぼりしていたが、あんなものが壊れたほうがいい事は分かっている。だからこそマリアと共に問いかけて、しかしエルグラストは「不要だ」と答える。
「これ以上の恩は返し切れぬ。今夜は盛大な宴を催すつもりだから、まずはそれに主賓として参加して貰わねばな」
「そうかい? でもまあ、君たちも流石だったね! 本当に無事でよかった!」
「ああ、マリア。こうして会うのは2回目だが……本当に感謝する」
「また何かあればいつでもローレットや私達に頼っておくれ! で、君達の集落の復旧でも手伝っていきたいんだけど? ヴァリューシャも手伝いたくて仕方ない様子だし!」
 マリアがそう聞けば、エルグラストは苦笑する。
「くっくっく……勘弁してくれ。俺に恩を借りっぱなしにでもさせる気か? その気持ちだけで充分すぎる」
 残念そうなヴァレーリヤだが、ユールにはなんとなく分かる気がした。
「まあ、手を出しすぎるのはよくないがエルグラストの一族が復興できるように最低限の手伝いをしたいというのは全員の偽らない気持ちだ」
「ふむ」
 ユールにまで言われ、エルグラストは降参だという風に両手を上げる。
「分かった。これ以上断れば俺が恩知らずになろう。是非手伝ってもらいたい」
 それを聞いてヴァレーリヤの表情がパッと明るくなるが、ユーリはそのついでに雷神の祭壇があれば祈らせてほしいとエルグラストに頼む。
「ふむ? なら案内させよう。だが、理由を聞いても構わんか?」
「俺の父が雷神の末裔だった。旅先であるシルヴァンスの村で母と出会い、俺と兄姉が生まれた」
「……なるほどな。今に至った経緯を詳しく聞いたりはしない。しかし、お前にも今回の恩がある。何かあれば言え」
 言いながらエルグラストはリズリーにも「お前は何かないか」と聞くが、リズリ―は「何もない」と肩をすくめるだけだ。
「つくづく無欲だ。しかし、それ故にお前達から誇りを感じる。俺は、それを非常に好ましいと感じる」
 だからこそ、今日は絶対に宴に出てもらうとエルグラストは笑う。
 酒と食べ物、歌と音楽。
 エルグラストの一族の盛大な歓迎の宴は……翌日の朝まで続いたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事に事件を解決しました!

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