PandoraPartyProject

シナリオ詳細

レインボー・ドゥームズ・デー

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「う、ぐぉ……ヴォエー!!」
 今日も今日とて虹が空に輝く――という訳ではなく。
 その虹は誰ぞの口から放出されているヴォエー! の賜物であったとか。
 虹ゲロ。もう『そう』としか形容できない悪夢の事象がラサの一角を襲いつつあった――
 原因は不明だが突然口から虹色のゲロが止まらなくなるコレを現地の医者は『伝説の虹ゲロ病』などと称した。幸いにして命に関わる程の奇病ではなく、精々吐く過程で喉を焼く様な痛みが襲い掛かってくる程度だ……いや結構キツイなコレ。
「ヴォエー!! く、くそぉう、これはまさか……!」
「ビソシソが……原因なのでは……?」
 まぁともあれ、だ。そんな奇病を放っておくことは出来ず、かといって解決の糸口が見えぬ故になんでも屋たるローレットに依頼が持ち込まれた――『虹ゲロを止める方法を探してくれ』と。
 さすれば集まったは『虹』に一家言(?)のある(?)イレギュラーズ達。

 そう――あの虹が怪異、ビソシソを思い起こした者達……!

 しかし街に入るなりハンス・キングスレー (p3p008418)と散々・未散 (p3p008200)の具合が悪くなり始めた。そんな馬鹿などうして――考えられることは『既に罹患していたのでは』という事。
 やはりビソシソ。奴以外には考えられない……というか奴以外にいてたまろうか!
「はぁ……はぁ……どうする? なんでも、情報によると料理を食べた後に虹が収まった人もいるらしい……つまり……」
「食物に対抗策があるんじゃないか――っていう事? あ、まずい、ちょっと――」
 同時。額の汗を拭いつつ望月 凛太郎 (p3p009109)と皿倉 咲良 (p3p009816)が言を紡ぐものだ――口をなんとか押さえて色々我慢しつつ。集められた情報は何か特定の『食物』に抗ウイルス剤の様な特効薬があるのではないかと……
 しかし一応市場などを見渡してみたのだが怪しい代物はなさそうだった。虹色に輝く食べ物でもあれば『これだ!!』となっていたのだが……まぁ流石にそんな分かりやすい事はないか。しかし現状手がかりは『食物』かもしれないというだけであれ、ば。
「……やるしかないで御座るな。
 最早この事態を解決するには『数を撃つ』べきしかないかと」
「身をもって調べるって訳ね――とりあえずあれやそれや食べて、改善されるものが見つかれば」
「この虹の地獄を止められるっていう事ですね……! お腹に次々と食物運ぶともしかしたら地獄かもしれませんけれど、そこは目を逸らしていいですかね?」
 意を決して咲々宮 幻介 (p3p001387)やゼファー (p3p007625)がバイキング店を見据えるものだ――ッ! そう、とにかくこの街で売られている物を片っ端から口にし、対虹用食物を探し出すのだと!!
 まぁでもお腹に食物があればあるほど虹を促進する様な気もするので、下手するとリディア・T・レオンハート (p3p008325)さんの言う通り地獄になるかもしれませんけど些細な事ですね。HAHAHA!

「だぁから離しやがれってんだろうがこの野郎!!」
「ああ~~待ってくださいハウザー様ぁ!!」

 瞬間。バイキング店――の外で何やら騒ぐ声が。
 何事かと視線を向けてみればそこにいたのは。
「そう邪見にしないでくださいよ! ここでお会いしたのはやはり運命……ねぇハウザー様ぁ~~! 一緒に行きましょうよ~! 生肉奢りますからぁ~~!! あ、それとも鳥の肉が良いですか!? 豚の方がお好み!? そ・れ・と・も・ボ・ク・?」
「うるせぇ俺は構ってる暇ぁねぇんだよ冰星この野郎!!」
 黎 冰星 (p3p008546)と――
 なんと『凶』の長たるハウザー・ヤーク(p3n000093)であった。
 ハウザーの足に腕を巻き付け頬ずる様に。足蹴にされても諦めぬ冰星。
 ――ハウザーは偶々この近くで別件の用事があり訪れただけなのだそうが、冰星の目に留まってしまったのが運の尽き……! 離すまい。絶対に離すまい。いっそのこと病に罹患してしまえばハウザー様もこの店に居ざるを得ないのでは……!?

 ――ハウザー様をこの店に縫い付けるんだ。やっちまおうぜ!(悪魔の冰星の声)
 ――だめですよちゃんと誠心誠意纏わりついてお願いして気付かれないように虹を出してもらって浴びないと……はぁはぁハウザー様の虹……オ”ァァッ!(天使の冰星の声)

 そんな思考が頭の片隅に生まれた様なそうでない様な。
 ともあれ依頼であれば逃げる訳にはいかないのだ……!
 いやそればかりか諦めるなどビソシソに屈したという事になるのではないか――?
 勝とう。ビソシソの呪いに。
 勝とう。ビソシソの虹に!
 俺たちの戦いはこれからだ――ヴォエーッ!!

GMコメント

 三度目の戦い――よろしくお願いします!

●依頼達成条件
 虹ゲロ病の原因を――突き止めよッ――!

●フィールド
 ラサの街……のバイキング店『B-R-V』という店です。
 近くに市場があるそうで、この店の品揃えは多岐に渡っています。
 洋風はスパゲッティやステーキ、魚のムニエルにフレンチトースト、トマトをたっぷり使ったミネストローネに、野菜たっぷりのポトフ。おやおやコンソメスープにデザートにはパンケーキやガトーショコラなどもあるではありませんか!
 中華はチャーハンにチンジャオロースに酢豚。辛い物では麻婆豆腐もありますし、スパイシーな回鍋肉も! 絶品春巻きに野菜色とりどりの八宝菜、シュウマイや肉汁たっぷりの餃子も完備! うーん美味しそうですね!
 和風は寿司や漬物、魚の照り焼きに青野菜のお浸し。にんじんの炊き込みご飯にお味噌汁も加えて、デザートには羊羹や饅頭などもあります! 素晴らしいですね~!

 でも皆さんはもれなく『虹ゲロ病』に感染しています。

●シチュエーション
 虹ゲロ病……それは何故か虹を口から吐瀉してしまう恐ろしい病……!
 何者かの影がちらつきますが、うーん一体何ソシソが原因なんだ……!
 ともあれ皆さんはこの虹ゲロ病を直すための手段を見つけてほしいと依頼されました。情報によるとなんらかの食物をとった後に治る事もあるそうですが……ハッキリとした食物は分かっていません。

 なので皆さんは!!
 バイキング店で思う存分食べながら【虹】して食べて【虹】してください!!
 特効薬になりうる食材が分かるまで帰れまセン!

 もしかすれば長期の戦いになるかもしれません――
 圧倒的なストレスにより怒りが湧き出てくるかもしれませんし、下手すれば虹を掛け合う大惨事になるかもしれない……けれど如何に阿鼻叫喚になろうとも……皆さんは虹に勝利しなければならないのです! よろしくお願いします!!

 なお、実は特攻薬は『レタス』です。
 生のままガブリと行くとなぜか治ります。どうして……

●ハウザー・ヤーク(p3n000093)
 ラサの傭兵団『凶』の長です。
 なんらか別件の用事があって近くに居ただけの様です。忙しいらしくどっかに行こうとしますので、巻き込みたければなんとか邪魔……妨害……足止め……ゲフンゲフン。とにかく彼をあれやそれやで留めてみましょう!

●ビソシソ
 皆ご存じビソシソ。今回は登場するか分かりません。
 だって前に麻袋の中に捕まってたし……あれ? なんか袋に穴が……

●情報精度
 このシナリオの情報精度はRainbowです。
 相変わらず何が起こるのかサッパリ分かりません。グッドヴォエー!

  • レインボー・ドゥームズ・デー完了
  • GM名茶零四
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年08月30日 23時57分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

咲々宮 幻介(p3p001387)
刀身不屈
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
散々・未散(p3p008200)
魔女の騎士
リディア・T・レオンハート(p3p008325)
勇往邁進
ハンス・キングスレー(p3p008418)
運命射手
黎 冰星(p3p008546)
誰が何と言おうと赤ちゃん
望月 凛太郎(p3p009109)
誰がための光
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方

リプレイ


 此れがドゥームズ・デー。虹による終末――
 本来ドウーズム・デーの前にはプロフェシー(予言)が付き物である筈だが。
「まぁビソシソが関わってたら身構えてるとかないとか関係無しにやってくるからね、仕方ないわね――とりあえず今日はバケツを皆完備ね。桶がお友達、ウッ」
 初っ端いきなり謎の光カバーの恩寵を受けるのは『薔薇の名前』ゼファー(p3p007625)だ! だがまぁこんな事もあろうかと用意しておいたバケツ君が全てを受け止めてくれるぜー! まぁね? 幾ら酷い状況と言ってもね?
「戦場やらなんやらの惨状に比べたらね――此の程度の状況なんてワケないでしょう? 凶の長さん?」
「うるせー! テメェらだけでやってろオレは帰る!」
「ハウザー様待って! 僕の……僕の顔を見てください! この汚れを知らない僕の綺麗な瞳を是非見ていただければ留まる意味が分かるゲェッッッホ! ゴッホ!!」
 帰ろうとするハウザーを必死に押し留める『言の葉に疾る想いを』黎 冰星(p3p008546)が狙いすましたかのように顔面に咳をぶっかける――即座にアッパーカットが飛んでくるのだが虹ゲロ病にしちまえばこっちのもんだから諦めぬぇ!
 見ろ! これから出禁になるであろうこのバイキング店を、広くて豪華で最高だなぁ!
「このお店を元気よく虹色に染め上げてやるぜ! 夜露死苦ゥ!」
 嫌がってる? 知るか! 俺はラサの悪魔(出禁予定)だ!
「ワー……ニジ、トッテモキレイダナー。オ、ボ、ゲロボエエエエ」
「テメェ――! テメェも何しやがる、この、イレギュラーズ共離しやがれ!!」
「わー大変だ! ほーら、お洋服も汚れちゃったし、店員さんに拭けるものもらおうね? 拭くまで帰れないねこれは~~~わ~大変だぁ~~~!」
 しかし止めるのは悪魔の冰星だけではない――『正義の味方(自称)』皿倉 咲良(p3p009816)もだ! がっつりSUKISUKIホールディングwith虹の橋――いいんですか咲良さん正義の味方(自称)がこんな事やって!!
 まぁ巻き込む人を増やすためだったら有効的な戦術だよねテヘペロォ!
「はぁ、はぁ……でもアタシ、この世界に来てからなんか変な方向でめちゃくちゃ身体張ってるような……」
「ウッ……しかし特効薬を探すって言ってもさ、手がかりがなんにもないとヤバくない……? つまり、吐きそうなのに更に色々食べて試さなきゃならないって……地獄じゃない……? タスケテ……ヴォエ……」
 さぁしかし『誰がための光』望月 凛太郎(p3p009109)さんも既に戦闘不能寸前ッ――!
 なんで吐く病に掛かっているのに胃の中に何かを叩き込まねばならぬのだ! くそう、帰りたい。とりあえず軽く飲めるスープ類を色々……ンブッ(――記録一回目虹)
「うっぷ……何故、何故このような事に……お腹と胸元が凄い気持ちが悪い感覚でぐるぐるしてるんですが……くっ、ですが私も騎士の端くれ……! このような嘔気──もとい、病に屈したりは、しな……ていうか屈すると色々ヤバいので屈するぐらいならいっそ殺――アッまずいウグッ!!」
 口元に手を。『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)はレオンハートの家名に掛けて尊厳の為に耐えていた……! 負けれない……!
「ハァ、ハァ……食べなきゃならないん、ですか……! 嘘でしょう……! でも、そうですね、分かりました……であれば私はスィーツ類を攻めていきます……皆で、手分け、しましょうねぇ……!」
「ふははリディア殿。虹程度で斯様な程に慌てるとは修行不足で御座ヴォエエエエエ」
「こらー! 耐えてるのに目の前で台無しにする人がいますか――!」
 世の中には貰い虹という概念もあるんですよ『傷跡を分かつ』咲々宮 幻介(p3p001387)! おのれこの浪人め……! いつもの表情のままに虹を出すとは、やりおるわッ!
 まあでも実際これやばくない??? 出しすぎると脱水症状になるんじゃ……
「という訳でリディア殿の言う通り一刻も早い解決をしなけれオロロロロ皆で好みの酒類でいいのでそれぞれヴォエエオがんばってオロロロロ」
「吐きながら喋るとか器用な事するわね!」
 酸っぱい匂いが凄い事になってきた事を感じるゼファー。いやー貰いと誘いの元って感じで最悪である!

「……っぷぁー、はぁ、やってらんねぇです」

 同時。『L'Oiseau bleu』散々・未散(p3p008200)は……え、未散さんその片手に持ってるジョッキって何杯目……駄目ですってお代わりは! 誰か早く止めてあげて!
「いやそのですね。何て言うか、その ウッ 幾度に渡る邂逅で ヒウッ 根源を絶たなかったのがぼく達の敗因だと思うんですよ オェッッ アー ねぇ今度こそ処します? 処します??? よね?」
「未散さんちょっととりあえず落ち着いて……えっ? あ、とりあえず生? じゃあ僕も」
 もはや荒れ狂っている未散――がジョッキのお代わりをご所望なので『砕けぬ蒼翼』ハンス・キングスレー(p3p008418)も折角なので頼みました。あ、お水も必要だね。という訳でごくごく……
「……ッぷはぁー! ったく、クッソがよ……いつもだったらこんな一杯では何とも……うぷ、ちょっとこれまずいんで、離れましょうか……お互い掛かりそうだし……おつまみ、はハズレだ。当たりとも思ってませんでしたけど、ウッ」
「ええ、まぁ一先ず未成年もおりますし、アルコール類で解決する様な事は無いでしょ……う……?」
 その時。未散の脳内に電流走る――
「アッ……嗚呼? いや、そうだなー! もしかしたらアルコールが答えな可能性もあるかもなー! だからぼくの此の身を捧げようかなー! いやあ献身的だなー!!! これも調べるためだからなー! しっっっっっかた、ないなー!」
「ちょ……未散さん、未散さん!?
 その量はまずいですって、あ、ちょっと、あ、あ、あ――ッ!!」

 【※――暫くお待ちください】


 さぁ店内の一部が既に阿鼻叫喚放送事故の真っ最中! 店員達が『早く帰れよコイツら』と冷たい視線を浴びせてきている中で――虹ゲロ病特効薬の調査続行です!!
「はっはっは。しかしこの店は出しているモノがどれも絶品ばかりで、料理人の腕が伺えるで御座るウェエエエエエ、ええい! 折角の料理なのに酸っぱさが邪魔して全然味わえぬでは御座らんか!」
 という訳で和食料理から試している幻介さんですが一向にダメみたいですね。お魚は酸っぱいし(口内の虹の所為)ご飯も酸っぱい(虹の所為)。なんならお味噌汁も酸っぱい――!(虹の所為)
「おのれビソシソ……許し難オエエエエエ今度見つけたらそっ首、必ずや御仏の下へ……!」
「うぶ、うぐ……きついよぉ……二日酔いの吐き気にはお味噌汁やスープがいいっておじいちゃんが言ってたのに……うう、全部酸っぱいよぉ……どうせ酸っぱいならお肉から行っちゃおうかなお肉!! お肉お肉お肉――!」
 そして同様に苦しんでいるのは咲良も同様にだ――
 おじいちゃんのアドバイスが悉く全滅する中、ならばと手を伸ばすのは――なんとシャトーブリアン! なんでこんな部位のステーキも取り扱ってるんだろうと思わないでもないが、しかし今まで食べた事のないシャトーブリアンが……此処に!
「いただきまーす! あーん!!」

 ――初めてのシャトーブリアンは、酸っぱい味がしました――(皿倉 咲良17歳夏の日の事)

「――逆算するのよ。肉類はきっと駄目……だって消化に悪いもの。どう考えても、胃袋に過酷な状況でそんな重たいものが薬として効くとは思えないわ! つまり――狙うはゼリーとかお粥とか風邪ひいてしんどいわ~って時に子供の頃からのお供たちこそが救世主!」
 同じ頃。全力で頭をフル回転させてゼファーは特効薬を推理していた。
 終末の日を救う救世主(メシア)は必ずいる筈だ――だから胃に優しい組を試す!
「……わぁフルーツゼリーばっかり食べてたから色とりどりでカラフルだわ。虹だけに」
 駄目でした。ゼファーさーん!
「オォォォォ……だめです、これ、スイーツ、キッッッツイ……
 クリームが! クリームの油分で! 胃もたれがッ!! ぐぐぐ迂闊ッ!!」
 そしたらこっちもダメだった。それはショートケーキを美味しく食べようかと思っていたリディアに襲い掛かってきた虹の病ッ――! もう吐いた方が楽になるんじゃないかと思う、が。
「ウ、ウッ──ッッ〜〜! ダ、ダメッッ! 絶対にダメ!!」
 寸での所で耐える。
 確かにこのリディア──必要とあればスライムプールにも入りましたし白い蜂蜜も浴びましたが、これだけは……これだけは譲らない! 決して譲ってはならない最後のラインなのです! えっ、今吐くぐらいならもう一回スライムプール入るって言った?
「言”っ”て”な”い”ッ”! はぁはぁはぁ! だめだこれ早く次を……ドーナッツ! これですね間違いない! ドーナッツの真ん中の穴を食べればきっとこれが特効薬に、あ、だめだこれもダメだ団長ぉぉぉぉぉお私に力を――!!
 あああああウボアアアアアだ、だめぇ、漏れちゃう……虹ィ漏れちゃううううう!!」
「う、さ、さっぱりしたいから果物類を……ゴプッ(2虹)
 だ、だめか……果物も……駄目なのか……!!」
 変な天の声が聞こえてきたしたので拒否したリディア――はなんだか段々思考も侵されてきたのか変な発想をする様になりつつあり。その近くでは凛太郎も死にかけていた。まずい!

 ――刹那。そんな二人の前に出てきたのはアイスクリーム。

「――あちらのお客様からです」
 はよ帰れという目線向けてくる店員が指さした先にいたのは――未散さん!
「……如何に鍛えられたイレギュラーでも普通の体調不良に属するタイプの攻撃はしんどいもの。吐いた時の喉のいがいがは氷を舐めたりアイスクリームを口に含むと良いらしいです――これからの私たちの勝利を祝って、乾杯」
「――乾杯!」
 この後アイスクリームは虹になりました。やっぱりね!!
「ねぇハウザー様どれがいいですか~!?
 やっぱりお肉? それともビール? 両方行きましょうか!」
「帰るっつってんだろうがあああ!!」
 嫌がってる? 知るか! 俺は同伴のキャバ嬢だ!
 次々職を転々とする冰星はやっぱりハウザーを逃がさない――その口に生肉をin! どうですハウザー様! え、僕ですか? 僕はそりゃあ勿論中華から頂き酢豚のパイナップルァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!
「ヴォエ――ッッ!! 無理!! 口の中酸っぱいのに更にパイナップルで酸っぱいのとか相乗効果でリアルに虹が見えちゃうううううう!! あッ――! ハンス君の顔に虹が!! イヤァ――! 誰がこんな酷い事を僕かァ――!!」

 地 獄 絵 図。

 ハンス君。ゆっくりとおしぼりで顔を拭い、て。
「ああああもう、気に食わない……おぇ、僕がただただ吐瀉物垂れ流されるだけとかすごい何か納得いかない……この店ってさぁ、前に知った時からちょくちょく来てたのにこんなのもう出禁確定じゃん……もう、この……じゃあ、さぁ……」
 と、その時。
 服を緩める。
 ――ソファータイプの椅子に寝そべる様に姿勢を崩して。同時に紅潮する頬は流れる汗により艶めかしく――それは数多の誘惑。性別を超越し幾百もの者らを堕とし込むは夜の花たる一端で。
 ……ちょっとくらい歪ませてあげたって、バチは当たらないよね
 それは一体誰への言葉だったか――であれば突如と。
「はぁっハッ……! すぅ゛、ゔおぇぁあ ひぅ、おえおっっ……おえええはぁ……あ、が はッァ゛や、ややだもう出したくな ゥえぐぅえはっカハッお、おええあ、あ、オッ」

 〜Nice Boat〜【※――暫くお待ちください】

「……はっ。今なんかちょっと時間飛びました?」
 カメラが映し出された頃。何故か意識が飛んでた未散が目覚めれば。
 周囲は虹の残骸だらけ――料理に虹が、店に虹が。
「……うん! タラのフリットがおいし……ボゥエェェェェェ! もう無理だよおおおサラダって食べる胃薬じゃなかったのおおおおおキュウリこれだけ食べてるのにどうしてだめなのおおお」
「まだめげない、僕は魚のムニエルが大好物なんDA!! もぐもぐレモン汁とトマトの酸味とバターの香りが最高でァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!! イヤアアアア!! ゼファーさんの、ごめんなさい!! 悪気はなかったんです、信じてゲロゲロゲロゲロ!!」
「ハウザー殿ハウザー殿。そろそろ吐き気を催してきたのでござらぬか? 大人しく諦めて我々と共に人海戦術で探し申そう。今更逃がさな……失礼。絶対に置いていかせたりしないで御座るから、諦めが肝心、あ、だめ殴らないで。ハウザー殿の剛腕は拙者信者ゲロロロロロロ」
 上から順に咲良、冰星、幻介です。皆虹を吐いてますね、わぁ綺麗!(現実逃避)
 ああもうこんなの――タルタロス。
「……いやまぁぶっちゃけぼく、思い当たる節があるって言うか、何となく答えが判る気がするんですけど……狂気の沙汰ほど面白いって言うか……もうちょっとこの光景楽しみましょうか……」
「――えっ? 未散さん、そんなの言ってる場合じゃないと思うんですけど。だって未散さんも既に大分吐い……」
「は??? ぼくが吐く訳ないじゃないですか事務所NGですよ!! 分かってるんですか、もしも仮にぼくがそんな事になったりなんてしたらテロップと一緒にボートが流れ……あぁ酒が今日もうめぇn……ヴォエッッ」

 〜Nice Boat〜【※――暫くお待ちください】

 ……しかし今、未散が凄く重要な事を言った。
 『思い当たる節がある』と。
「それは――ええ、『レタス』です」
「はぁああああ!? レタス!? なんでレタス!!? パンケーキじゃないんですか!!? あ、だめだコレも酸っぱいの出ちゃう! おのれくそくそムカつく幻介ころす! 特に理由は無いけどころす! 喰らえ俺のパンケーキ腕ひしぎ十字固め虹を添えて!!」
「がああああああ!! 何をするで御座るか冰星殿おぉぉぉ!!」
 仲間割れ勃発。ガチガチに固められた十字固めから逃れるは容易くない――!
 まぁそれはともかくとして――間違いない。
 レタスこそがビソシソ病の特効薬!
「成程。一理あるわね……ビソシソと言えばレタス。レタスと言えばビソシソ……
 ……ていうかアレよね。うんうん――オラァ! 其処に居んだろ逃げんなオラァ!!」
 瞬間。ゼファーがレタス(一玉)を持って――食べるでもなくハンスの背後へと投擲した。
 ――さすればまるで『何か』に衝突したようにレタスが宙へと跳ねて。
「あっ!」
「ビソシソ――殺す!」
 刹那見えた元凶の影ッ――! しかし一瞬で消えてどこぞへとビソシソは行ってしまう。
 奴との決着はいつになるのか……!
「レタス――!? え、そんな馬鹿な!! じゃあ私が最後の一手と思ってチャレンジしたこのチーズタルtぐぉぉぉぉお、ダメですねこれも失敗ですねおおおおおお!」
 ま、それはともかくとしてまーだ無駄な抵抗をするかリディア・R(レインボー)・レオンハート! 如何な彼女とはいえ流石に三度目は最早耐えられないか――!?
 悔しい――でも――でも、気持ち――い――

「いい訳あるか――ッ!!」

 ヴォエー! ついに決壊した騎士の誇り。
 それは天井まで届く、伝説級の虹の架け橋となったのだとか――くっころ。

「こらー! お前らもういい加減にしろ、出ていけ――!!」

 そしたら奥の方から巨大な包丁構えた料理長が出てきた。
 やばいアレ本気の目だよやばいよ逃ゲロ! ヴォエー!
「うーん滅茶滅茶吐いたら死ぬほどスッキリしたね! え、食事を楽しもうと思ってたんだけど、もう帰るの? どうせまた吐く(ついでに対象はハウザー)事になると思うけど、バイキングなんだし楽しみましょうよ」
「どう考えてももうそんな状況じゃねぇだろコレ!」
 一周回ってハウザーが一番常識人になっている現場。
 お肌艶々で大分スッキリしたハンス――の顔元に投げられる包丁の群れ。わぁ料理人たちこわーい! 海鮮食べようとしてぶっ倒れた凛太郎を回収し、バイキング店脱出劇。まぁ外でもレタスは仕入れられるさと!

「本ッッッッ当にッッッ!! すみませんでしたァァァァァァァァァ!!」

 でもそれはそれとして謝っておこうかと。
 逃げつつも出る寸前にスライディング土下座百点満点の――咲良!
 でも許してくれなかったらしい。
「まぁそうなりますよね――ですが気にすることはありません。
 過去は気にせず行こうぜ! あの夏の向こうへ!! です!」
 なので未散が手配しておいた馬車に乗り込み脱出するものである! 未散さん、サングラスもつけてノリノリですね。
「ビソシソ……必ずや殺してやるで御座るよ……」
「俺はお前らをぶっ殺してぇ所なんだが」
「やだなハウザー様! 過去を気にするなんて器がちっちゃいですよグボェラ!」
 殺意満点の幻介。同じく殺意満点のハウザー。肩に手を置いた冰星が吹っ飛ばされて。

「……まぁとりあえず。
 暫くは豪勢な食事とか、お腹一杯食べるのはナシな感じで良いわ……」

 逃げる馬車の中。ゼファーは心底疲れた様に椅子に体重を預けながら――呟いたとか。

成否

成功

MVP

散々・未散(p3p008200)
魔女の騎士

状態異常

なし

あとがき

 ヴォエー!!!!!!!!!!!!!!!!

 なんて酷い虹シナリオだ……><
 MVPは一番ぶっ飛んでた貴女に。ありがとうございました!!

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