PandoraPartyProject

シナリオ詳細

イイ声で鳴かないと全世界に放送開始DEATH!

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●呪卍II
「……ちょっと待って」
 何時如何なる時でも超然。
 慌てる事も焦る事も滅多に無く。
 たとえ死出の道を行こうとも涼やかに、軽やかに。
 大凡、弱点等無いのではないかと疑いたくなる程に『強い』女――
「ちょっと、待って……」
 白薊 小夜 (p3p006668)のそんな弱々しい声を聞ける機会は多くない。
 顔を両手で覆うようにして、絞り出すようにそう言った。
「……うぎぎぎぎ……!」
 傍らに立つすずな (p3p005307)の眉間には皺が寄り倒しており、憮然とした口元はその手遅れを物語る。
 全身全霊で身体中から( ╹ᾥ╹)を発した彼女はまるで新世代の(´・ω・`)と言っても過言ではないアル。
「お気持ち、お察しします――いえ、今だけは分かって欲しい。私の気持ちを」
 沈痛な面持ちでそう言った小金井・正純 (p3p008000)は、しなやかなその体に黒いビキニだけを纏っていた。
 否、正しく言うならば。常夏の島を思わせるが酷く現実感の無い空間に集まった六人は皆一様に黒ビキニだけを纏っていた。
 一行、全員で六名のうら若き乙女達の前に立っているのはローレットにとって見知った顔、死牡丹梅泉(?)である。
「よろタン、ウェーイ!
 マイフレンドから小夜ちゃんが一番手強いって聞いてたのと……
 あとszn手遅れって聞いたので、リラックス出来るようにしてみましたYO!
 喜んでくれるかナ???」
 ……いや、違う。間違いなく違うのだが、目に映る解像度は全く一緒である。
 小夜の場合は特に目で見ていないから『匂い』が同じならば必要以上に喰らってしまう。あと話の都合でほら。
 違うと分かっていても受けに回れば意外に繊細な番町皿屋敷と、それに恋する手遅れちゃんは忸怩たる想いを禁じ得まい。
 まぁ、面々には乙女というには些か苦しいwwww(32)も混ざっているが、置いといて。
「wじゃない! 笑うな! 突然的にするな!!!」
 正純と一緒に続投だ、やったね。
「全然やってないですよ!!!」
 別に面々は南の島で行楽を楽しんでいた訳ではない。ローレットで友人から預かった本を開いただけなのに――

 ――最近、皆お疲れのようだ。何、礼は言わずとも良い。親愛なる卿等に一時の安らぎを与えられたら私はそれで幸福なのだ。

「迂闊でした……相手を見るべきだった……!」
「あああああああああああ!!!!!」
 正純が唇を強く噛んだ。
 フラッシュバックする『これまで』を思い出しコルネリア=フライフォーゲル (p3p009315)は悲痛な悲鳴を上げていた。
 せめて自分だけは回避出来た筈だ。あのやべぇ女の満面の善意に気付くべきだった。
 それは間違いなく――かつて彼女が経験した『悪夢』の入り口だったのに!
「ははあ」
 鋼のメンタル、動じない十八歳――ゼファー (p3p007625)が何時もの調子の声を上げた。
「実は前に報告書で読んだ事があるのよね。『呪卍』事件。
 つまりこれって、そういう事よね?」
「知っているのか!? ゼファー!」
「……アンタも知ってるでしょうが。邪神にリクエストしたの何処の誰よ」
「言ってみたかっただけだな!」
 溜息を吐いたゼファーに仙狸厄狩 汰磨羈 (p3p002831)が舌を出した。
 ゼファーの言うのはかつて何人かのイレギュラーズが呪卍なるマジックアイテムに囚われ、異空間で冒険をする羽目になった事件である。
 ゲイムと称される苦難を素早く超えなければ彼女達には並々ならぬ厄災が襲いかかったという。
 ガソリンは虹に火炎瓶の作り方を教わって討ち入りをしに行った。キュートな占いガールは泣きながら寝込んだという。
 当時は裸エプロン、今日は黒ビキニ。
 概ねの展開等想像がつく。
「特別サービスでGMチャンが皆さんをご案内しまーす!
 依頼人のマイフレンはお疲れ気味の皆さんにやすらぎがほしいそうでーす!
 だから今回はいい感じに楽しそうじゃなかったらペナルティにしますYO!
 ……っと、違った。ンン、コホン!
 そうじゃな、さしずめ主等にとっては酔狂なるひと時の寄り道といった所か。
 現世に、虚構に、塗れて踊れ。精々楽しめ、精々励め。全国放送されぬように――な!」
「……梅泉、あまり見ないで欲しいのだけど……」
「小夜さん、それよろたんうぇーいですからね!!!」
「でも、すずな。梅泉が……」
「でもじゃねぇんですよ!!!!!」

 こ れ は ひ ど い !

GMコメント

 YAMIDEITEIっす。
 RTAは多分しないよ。
 以下、シナリオ詳細。

●依頼達成条件
・邪神のゲイムからの脱出

●呪卍II
 ゲイム。
 幾つかのステージがあります。
 協力して乗り越えましょう。
 尚、ステージ共通として黒ビキニは爆ぜても次ステージでは復活します。
 黒ビキニが見たいので当然ですね!

・第一ステージ
 自己紹介(グラビア)
 キュートでイケてる感じで自己紹介をしましょう。
 映像作品(特定)にはつきものですね。
 萌えないゴミ……じゃない撮れ高の低いブツだったら黒ビキニがいきなり爆ぜます。

・第二ステージ
『ショットガン☆乙女』
 砂浜で二人一組でビーチフラッグをします。(組み合わせはゲイムマスターが勝手に決めます)
 負けた方は隠している恥ずかしい秘密を言わなければいけません。
 言わないとビキニが爆ぜます。

・第三ステージ
『カニカニ★パニック』
 砂浜に大量無数に出現するカニを全て駆逐しましょう。
 カニは素早く鋭いハサミを持っていますチョキン。
 尚、誰かが被害を受けない限り……じゃない撮れ高が増えない限りクリアは不可能です。
 あくまで例ですが孔明曰く、コルネリアや正純等を生贄に捧げるのも良いでしょう。

・最終ステージ
『Hades-EX』
『Hades-EX』とはそもそも果ての迷宮十層(ボスフロア)でも現れた謎のAI的存在です。
 今回はアバターとして梅泉の格好をしています。戦闘力は不明ですが、オーラも同じ。
 深いこと考えなくていいです。
 第三ステージまでに俺が満足してなかったらひどい目に遭わされるだけですから。調整弁です。

 以上、四ステージを撮れ高たっぷりにクリアしなかった場合、RECされたブツが不思議な力で練達netに中継されます。
 拒否権はない。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はC-です。
 信用していい情報とそうでない情報を切り分けて下さい。
 不測の事態を警戒して下さい。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

 シナリオ概要は以上となります。
 宜しければ御参加下さ……あ、もう決まってましたね。
 たのしんでいってくださいねm9(^Д^)←コピペ

※本OP中には取り分け不適切な説明文言が多いですが演出です。予めご了承下さい※

  • イイ声で鳴かないと全世界に放送開始DEATH!完了
  • GM名YAMIDEITEI
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年09月10日 00時10分
  • 参加人数6/6人
  • 相談11日
  • 参加費---RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
すずな(p3p005307)
信ず刄
白薊 小夜(p3p006668)
永夜
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
小金井・正純(p3p008000)
ただの女
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤

リプレイ

●STAGE I
 混沌世界にはありとあらゆる可能性が生きている。
 メイン・プレイヤーたるイレギュラーズが可能性の獣とでも言うべき特異点であるのは言うまでもなく。
 ただでさえ混沌が全てを内包し、何事さえも生じ得ると言うならば、彼女達の物語が奇想天外と数奇に満ちるのもまた必然であった。
「――要するに」
『未来を願う』小金井・正純(p3p008000)は熱の篭もりにくいその美貌に諦念と珍しい口惜しさを貼り付けて、その一言を吐き出した。
「はい、ええ、またこのトンチキ時空ですかそうですか。あのめちゃくちゃイイ笑顔を見た時点で察するべきでしたよ!」
「照り付ける太陽!
 寄せては引く波の音!
 真っ白なビーチ!
 そして水着の女子!
 そう、今は夏真っ盛りの女盛り!
 なのに此の深刻で重たい空気よ――空気って訳よね。分かるわよ?」
 深刻を通り越してやや悲壮にまで踏み込んだ正純の顔色に比べ、『薔薇の名前』ゼファー(p3p007625)のそれはまだ明るいものだった。
 二人を含めたイレギュラーズの女性六人はゼファーの言う通り、情熱的な真夏の風景の中に居る。
 星の砂が敷かれたかのような白いビーチ、エメラルドブルーの海面が無数の光をキラキラと乱反射させている。
 海の青は空の色を映していると言うけれど――真っ白な入道雲がむくむくと背を伸ばした晴れの空は真夏のバカンスを何処までも肯定している。
 でも、それでも彼女達を覆う空気は個人差こそあれ、どんよりと曇りきっていた。
「どうして……もう二度とこんなステージに来ることは無いと思ってたのにぃ……!!!」
 自称悪は大抵の場合悪ではないし威厳もない――その顔を涙と鼻水でグズグズにした『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)が思わず声を上げていた。
「梅泉じゃない…ベルフラウのお友達……?
 驚いちゃったわ、あんまり気配がそっくりだったんだもの」
「ベルフラウchang共々、よろしくNE!」
「なにがよろたんうぇーいですか、斬りますよ!
 とりあえずベルフラウさんは暫く絶交です、ここに安らぎなんか欠片もねぇんですよ!
 ……小夜さんもいい加減正気に戻って!
 こいつは偽物! 全然梅泉じゃないですから!!
 ちゃんと感じ取って……! お願いですよぅ……」
 困った顔をした『盲御前』白薊 小夜(p3p006668)に懇願した『一人前』すずな(p3p005307)が涙目になり、驚くべきか『死牡丹梅泉の姿をした何者か』は凡そ彼らしからぬ調子でゲラゲラという笑い声を上げていた。犬歯を剥き出したすずなが今にも噛みつきそうな顔をしているのは気の所為ではないのだろう。
「私は生きてみせる。例え、公約たぬき期間中であろうと!
 焔がくれたお守りがある限り、私達は不敗だぽん!」
 真夏のジュエリービーチの下で起きる乱痴気騒ぎの予感に『流麗花月』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が言い切った。
 果たして――つまり。
 六人のイレギュラーズはとある呪いのアイテムに囚われたという事である。
 取り込んだ人間を特異な異空間に閉じ込め、『ゲイム』を強いるそれは『呪卍』の名でローレットの報告書に残されていた。
 年頃の女性の尊厳を木っ端微塵に打ち砕く殲滅の檻は、克明な映像として今も残されているらしい。
 曰く、それは裸エプロンでのアスレチックを強いたらしい。何人かは今でもその話を持ち出すと様子がおかしくなる位である。
「まぁ、こうなったからには仕方あるまいなあ」
 トリックスターの気質が騒ぐのか余り悲壮感はなく汰磨羈が言った。
 取り込まれたならば『やる』しかないのは確かなのである。
 この空間に一生閉じ込められる覚悟がないならば、ゲイムのクリアは生還の為の必須になろう。
「ヘイヘイ、ガールズ。泣いても喚いても此処は閻魔の皿の上。
 どうせなら徹底的に踊り倒して正面から突破してやろうじゃない!
 ……あとコルネリアはいい加減泣き止みなさいな」
「そうよ、皆! わかってるわね! なりふり構ってられる余裕は無いわ! 協力して事に当たるのよ!!!
 そ、そうよ。アドリブなんざ怖かねぇ! かかってこいよ!」←忘れるなよ?
 呆れたように、嘆息して自身を慰めたゼファーに目元をごしごしと拭ったコルネリアは気を取り直した。
 遠い目をした正純とこのコルネリアが『過激』な反応をしたのは彼女等二人ばかりはこのゲイムが二回目だったからである。
(そうよ、お人好し達を騙すなんて簡単なのだわ。
 そうしたら、しめしめ……団結してからの裏切り、アタシの一人勝ちってわけよ。悪いけど逃げさせてもらうわよ!)
 追い詰められたコルネリアが短絡的な思考をキメてしまう程に『前回』は悲惨極まりなかった。
「そろそろ話は纏まった?」
 無責任にそう問うてくる梅泉(ゲイムマスター)がどれ程に意地の悪い存在であるかを彼女達は骨身に染みて知っている。
「不本意ですけど! と、とにかく! 今回は水着ですし、前回よりは露出は低いですからね。
 こんなクソゲーさっさと脱出しましょう。ほかのメンバーはうん! 頼ったら負けですね!!!」
(裸エプロンよりは何ぼか黒ビキニの方がマシやろ、勝ったな正純! ガハハ!)
「聞こえない! 聞こえない!!!!!」
 おかしな声が聞こえた気がした正純がヤケクソな力一杯で頭を振った。
 暗鬱とディナーの皿の上に行進する美女達は、成る程今夜の晩餐である――
「Yeah! 盛り上がってきたNE!」
「ちょっと、梅泉(仮)」
「Hi!」
「口調がハジケてる梅泉も悪くないけれどやっぱり違うのよね。
 もう少し落ち着いた感じでゆっくりと、あと古めかしく喋ってみてくれないかしら」
「お小夜、わしとて慣れぬ話じゃが――今日は素直に脱帽よ。主は実に美しいな」
「……うん、その調子! でも、梅泉。あんまりハッキリ言われると恥ずかしいというか……」
「小夜さん! だから! そいつは! よろたん! うぇーい!!!」

 ――まぁ、碌な結末にならない事だけは確かなのだけれども。

●STAGE II
 GM(ゲイムマスター)曰く呪卍IIを脱出する為には合計四つのステージをクリアする必要があるらしい。
 彼の説明は何れも目眩がする程に『参加したくないもの』だったが、そこは海千山千のイレギュラーズである。
 序盤こそコルネリアが号泣しかけて大変だったが、気を取り直した彼女達はステージクリアの為の積極的行動を開始した。
「えー、そういう訳で!
 第一ステージは自己紹介DEATH!
 大体こういうビデオは出演してくれる皆がいい感じに自己紹介して気分を盛り上げないと嘘だからNE!」
「ビデオって何ですか???」
 殺気を帯びて素の反応を見せたすずなにゲイムマスターは答えなかった。
 兎に角、そういう事らしく。第一ステージの課題は『自己紹介』。
「きゅーとで? イケてる? 自己紹介?
 小金井正純です。よろしくお願いします」
 ――ぺこりと正純が頭を下げた瞬間、彼女の胸元を覆った黒いビキニが爆ぜ飛んだ。
「う、うわああああああ――!?」
 慌てて両腕で胸元を隠す正純だったが、今度は水着の下がウズウズと動き出していた。
「ごめんなさい! 待ってください! 冗談です! 私が悪かったです! ええと!?」
 あなたのハートにラブアローシュート!
 混沌に舞い降りたらぶりーえんじぇる!
 小金井・正純です! そのハート、撃ち抜くゾ☆!」
「wwwwwwwwwwww」
 目をぐるぐるにした正純がリカバリーすると暴れ始めた黒ビキニが辛うじて収まった。
 このGMとYAMIDEITEIが撮れ高も無いつまらん自己紹介等認める筈もないのは言うまでもない。
「く、くぅぅぅ……!」
 唇を噛むすずなが屈辱に堪え、躊躇う顔を見せた。
 すずなにとっては小首を傾げる小夜を守る事が今回の第一である。
 勿論、自衛したいのは間違いない。酷い目になんて遇いたくない。
 でも小夜さんを遭わせるのはもっと嫌。そこに梅泉の顔が居るからもっと嫌。
 何なら本人はノーダメージなのかも知れないけれど、そうじゃなくて私が喰らうから絶対嫌。
「自己紹介ってこういうのじゃないと思いますけど!
 えぇぇ……きゅーと……いけてる……うぅん……
 あ、貴方のわんわん、すずなちゃんです! よろしくね、ご主人様!」
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「…………殺してください、何も言わずに!」
 猫の手を作って顔の横へもっていき、ばちこんとウィンクをしたすずなが顔を覆ってさめざめと泣いていた。
 ゲイムマスターの反応を見て『求め』を理解した一同に戦慄が走る。
 やらされるのもアレだが、奴は先程ビデオとか何とか言っていたではないか――
「可愛いわよ、すずな。
 じゃあ私も。みんなのハートをズンバラリン☆ちょっぴり危険なアイドルのおさよにゃんだにゃん☆」
 両手を頭の上で耳の形にして「こんな感じでいいの?」と小夜。
 すずなの心、小夜は知らず。いや知ってるけど頓着せず。案の定ダメージのない小夜にすずなはまたさめざめと泣いていた。
「うむ。お小夜、その内わしにも見せるように」
「……こういうのが、見たいの?」
「うむ。それも善き哉」
「そう、そうそうそう! 良い感じよ!」←演技指導中
 風評被害著しい成り済ましで凛々しく言ったGMの背中にすずなが何度も蹴りを入れる。
「……♪」
 少し楽しそうな小夜は何処まで本気か機嫌は悪くないらしい。
 恐らくその理由はすずな自身にもあるのだけれど――
 ともあれ、死んだ正純のお陰で方針は定まったので次々とイレギュラーズはゾンビの葬列を作るしか無い。
「死んでませんけど!?」
 そうだね、忘れてたね――と正純のぱんつもまた爆発した。
「――んぎゃあああああああ!?」
 是非もない。
「仙狸の~」
 低身長を生かした上目遣いから。
「仙狸厄狩~」
 多少のアンバランスさと危うさを感じる豊満な胸の谷間を強調し。
「汰磨羈だぽん!」
 くるっと後ろを向いてお尻見せつけたなら。
「宜しくお願いするぽぉん☆」
 たぬ尻尾をふりふりした汰磨羈は自分でやっておいて時間差で口から何かを吐き出した。
「コルネリア=フライフォーゲル、す、すたいるには自信あるわよぉ?」
「へー、コルネリアちゃん好きなものって何?」
「え? 好きなもの……え、エイヒレとか?」
「渋いね―。あと歳とかスリーサイズとか……」
「と、としは……」
「……三十二」と明らかなトーンダウンで言ったコルネリアに草が生えた。
「……草やめろ! ちょ、ちょっとカメラ近いんじゃないの? こらっ、あんまりジロジロ見るなぁ!!」
「見ないんじゃ駄目だなあ。てゆーかちょっと思い切り足りなくない?」
 コルネリアの黒いビキニが木っ端微塵に爆ぜ飛んだ。
「もうやだああああああああ!!!!」
 阿鼻叫喚は止まらずに、GMはその視線をゼファーに向けた。
「うん、何となく理解したわ。これ、グラビア撮影とかそういうのでしょ。
 そんなのもう経験済みっていうか――幾らでも撮りなさいってモンよ!」
「生憎と見せて恥ずかしいような体ぶら下げてないのよね」と力強い彼女にGMは「うんうん」と頷いた。
「何たって、こっちにはあの神パパイヤ農家ToSh10の撮影経験があるんですからね!
 ビンは谷間の近く! 水滴はあざとく胸元へ!
 こういうのが好きなんでしょ? 要するにこういう事でしょう!?」
 ベルフラウと同じく堪えないタイプのゼファーだが、やや声がテンパり気味なのはそれでもまだ『年齢』故か。
 少女性が残るなら、Hadesと意気投合するようなやべー奴程ではなく『攻めっ気』はむしろ最大の防御なのかも知れなかった。
「うん、いいねー。ゼファーちゃん?」
「何よ」
「揉んでいいですか」
「いい訳が! 無い! でしょうが! PPP倫的に! 考えて!!!」
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

●STAGE III
「す、既に疲れたんだが……」
 始まったばかりでもう消耗の酷い汰磨羈が呟く一方で黒ビキニの復活した正純が砂浜に「呪」とか「殺」とか「死」とか不穏当な文字を刻んでいる。
 自己紹介を幾度とない水着爆発とダメ出しの末に乗り越えた一行は次なるSTAGEに挑んでいた。
 GMの決めた組み合わせでビーチフラッグをし、負けた方は恥ずかしい秘密を語らなければならない。
 昔のアイドル水泳大会(深夜枠)かという程にしょうもない企画だが、彼女達にとっては到底安心の出来る話では無かった。
「……どうせ撮れ高とか言われるんでしょ!!!」
 疑心暗鬼になったコルネリアは皆を盾にして逃げようとか思っていた気概も虚しく既に一杯一杯である。
「言われるでしょうねえ」と嘆息したゼファーはまだ余裕がありそうだったが『ネタが無ければ確死』のプレッシャーはかなり厳しい。
「勝手に決められるとか、ものすごーく嫌な予感しかありませんけど……
 ここで負けるわけにはいかない――――んんん?
 組み合わせによっては私が負けた方が……いや、でも姉様が……ううう……」
 もう大分ビデオレターを諦め始めたすずなが頭を抱え、小夜がそんなすずなの頭を優しく撫でている。
 果たして、GMによる素敵な組み合わせは以下に決まる。

 小夜vsすずな

「あら……すずなね」
「だから!!! やっぱりそうなると思いましたよ!!!」

 コルネリアvs正純

「お前どっちも負けさせる気だろ!?」
「今日、変にタゲられてる気がするんですけど……!」

 ゼファーvs汰磨羈

「ふっふっふ、死なば諸共。負けさせてやるぽん!」
「今日のたまきち担当は私よ。同じ皿の上の獲物同士仲良くしましょうね!」
「この子、怖いんだけど……」

 ビーチフラッグ、真夏の決戦は割とどうでもいいから描写割愛するとして!
 結果から言えば、敗北したのはすずなであり、コルネリアであり、予想外にもゼファーであった。
 死なば諸共、もうこの際だからこの空間さえ愉しみ始めたゼファーは汰磨羈の水着に細工をしかけたのだが、ゼファーはこの『審判』が理由をつけて自分を強制的に負けさせるチャンスを狙っている事を疑うべきだっただろう。
 かくて(明後日の方向に進み始めた)小夜が相手では勝ち切る事も出来ないすずなは、
「小学校卒業くらいまで、ホラー番組とか見た夜は時雨姉様かお兄様のお布団に潜り込んでました!
 ……これでいいんですか、くそですよ!!!!!」
 と述べた後に「可愛すぎる。失格」と黒ビキニを爆破され。
「秘密かー、垂れ乳防ぐ為のエクササイズを夜な夜なしている……とか?」
 温い事を言ったコルネリアは「論外!」と黒ビキニを爆破され。
「うーん、抜かった。ビキニ姿ですら隠れる位置に黒子がひとつ。接写するか? してみるか? お???」
 と、煽ったゼファーは「勿論!」と黒ビキニを爆破され。
 何となく小夜も汰磨羈も正純ももののついでに爆破され。
「俺様chang情報ね。小夜ちゃんが弱いの脇腹で、たぬきち、実はたぬきを気に入ってるって。
 あと正純、実は最近親しくしてる殿方と逢瀬する夢見るらしーよ」
「この勝負もう一ミリも意味ないじゃないですか!!! 離して、離せ――奴を殺して私も死ぬ!!!」
 ……なぞのひかりとか色々無かったら、もう流石にちょっとやばかった。

●STAGE IV
「冷静に考えたんだが」
 死んだ目をした汰磨羈がふと呟いた。
「奴は結局、我々を逃がす気等無いのでは?」
「言わないで」
 この際だから楽しもうと思っていたのは確かだが、ゼファーも肩で息をするのを止められなかった。
「薄々皆知ってるけど、認めたら本当に負けた気になるわ」
 次なるステージ『カニカニ★パニック』――
 パーティの考えはイカサマのクジで負けた汰磨羈とコルネリアを餌にして残りは逃れようというものだったのだが。

 ――コルネリア。そしてたまきち……貴女達の雄姿と犠牲は忘れないわ!

 ――ヘラクレスに踏まれたカルキノスみたいに踏み潰してあげましょう!
   いけ! コルネリアさん! たまきちさん! そのデカいケツで踏んづけてやりなさい!!!

 サムズアップしたゼファー、他人事全開だった正純の余裕は長くは続かなかった。
 現れ出でたカニの物量は彼女達の想像を遥かに超えていたのだ。
 雲霞の如く砂浜を埋め尽くす無数のカニ達はチョキチョキとハサミを構え、黒いビキニの紐だけを狙っていた。
 そして問題は数だけではない。
「一応、『本気』でやってみたのだけれど――」
 ローレットのイレギュラーズの中でも有数の実力者である小夜が首を振った。
「駄目ね。私でも歯が立たない。カニ、多いだけじゃなくて――本物の梅泉でもないとそもそも斬れなさそう」
『問題の本質はカニの一匹一匹がVery Hard位カッテェ!』という部分であった。
 圧倒的物量と理不尽極まりない装甲で砂浜の奥まで追い詰められた彼女達は何とも言えない顔をした。
 やっぱり薄々気付いていたけれど、このGMはひょっとして。

 ――絶対に全ての撮れ高をマックスにするまで許さないのではなかろうか???

「こ、これ以上やられてなるものですか!!!
 絶対に、勝つ!下手に晒されたら割とマジで今後の生活に支障がでる!
 うおおおおあああああああああ――!?」
 奇声を上げながら正純がカニの群れに特攻し、すぐに水着をジョキジョキにされていた。
 生贄乙。
「生贄とはなんだこんちきしょうのあんぽんたん!!!
 いいぜぇ来いよ! アタシの水着チョッキン出来るものならしてみやがれ!
 アンタ達ぃ! さっさと終わらせるのよぉ? 切られてたまるものかってもう切られてる!!!」
 コルネリアは喋っている最中に既にもう負けていた。
「撮れ高が足りないのなら! 足りさせればいいのよ。
 ほら、行くわよ、たまきち!」
「行きたくないが!?」
「たまきちと一緒にパージでネイキッドも辞さない!」
「辞せ!!!」
 諦めが勝ってきたゼファーと彼女に羽交い締めにされた汰磨羈のビキニがはらりと落ちた。
「……それでも、それでもっ……!」
 無数に群がりかけるカニをすずなは桔梗で必死に斬り払う。
 負けてなるものかと、小夜に手を出させるものかと――水着を着られても、撮れ高をばら撒いたとしたって。
 屈っさず、あくまで猛烈なる戦いを続けていた。
 それは恋が為だ。自覚してしまったその想いは直情で不器用なすずなを何処までも強くする理由になるから。
 だっつーのに。
「小夜、そこもう少し右じゃ」
「……この辺?」
「そうじゃ。振り返って小さく息を呑む。
 シチュエーション的には手弱女と見せればより多くもぐっとこよう。
 なれば、主は少し強すぎる故な。撮れ高が済まねばまるで終わらぬ故、ここは一つ協力せい」←演技指導に慣れてきた
「……仕方ないわねぇ」←だから割とご機嫌
「――何!!! そこで演技指導しあって!!! ご機嫌に談合してるんですか!!!!!」
 すずなの心、小夜は知らず(二度目)。
「大人しくしましょうね、すずな」
 尻尾の付け根を握られて、すずなが「ふにゃあ」と声を上げた。
「流石、お小夜ね」
「ふふ。これってちゃんと恥ずかしがってくれる子の方が撮れ高になるしね。
 知ってる? ここをこうするとすずなは力が入らなくなるのよ」
「参考になるわー」
「しないで!!!」
「おお、まさかの百合展開とは」
 さむらいわんわんの絶叫はやはり虚しく響き、梅泉の風評被害は加速するのみだった――

●STAGE V
「はい、皆さん! 今日は撮影お疲れ様DEATH!
 お陰で最高の撮れ高がGET出来ちゃいましたYO!」
 GMがそれを告げた時――既に一同はボロボロだった。
「あー、もう滅茶苦茶だったわよ」
「元に戻っちゃった……」
 苦笑したゼファーや小夜は割と『楽しんでいる』節こそあったが、手遅れになったすずなの目のハイライトは大分暗く。
 コルネリアは時折何かを呟いてボロボロ涙を流していた。
 邪神に贄を捧げた汰磨羈さえ「ここまでなる」とは思ってはおらず。
 正純に到っては「あははははははは」と少し壊れたような笑い声を上げていた。
「今日は皆さん頑張ってくれたので、俺様Changからご褒美がありますYO!」
「聞きたくねぇんですけど?」
 やさぐれたすずながそう言い、コルネリアはコクコクと頷いた。
「想像出来るわよねぇ……」
「どうせ最初からそういう事になっていたのでしょう?」とゼファーは珍しく少し遠い目をした。
 想像が正しいならばこれからアレがこーなる。
 うん、実際の所。考えないようにはしていたけれど、ちょっと『効く』。
 ごめんなさいね、おじいちゃん。きっと心配をかけてしまうわ。困らせてしまうわね――
「はい、全国放送決定です!!!」
「配信は嫌だ映像配布は嫌だ配信は嫌だ映像配布は嫌だ配信は嫌だ、映像配布は嫌だ!!!」
 正純の悲鳴にGMはうっとりと目を閉じた。
「コルネリアとかたまきとか手遅れとかその辺はどうなってもいいので私だけでも助けてください!!!」
「どういう事だ!? コラ!?」
「もし許してくれないなら! 事ここに至っては、刺し違えてでも止めますよ……!」
 本気の目の正純にGMの気配が鋭くなる。
「へぇ、正純chang。俺様changに勝てる心算なんだ……?」
「いいえ」
 正純はふっと微笑み、浜に膝と三つ指を突いていた。
「何でも、何でもしますから放送だけは勘弁して下さい!
 いや、ほんとに、あの秘密とかバレたら、私生きて行けないんです!
 お願いします、後生ですから! 星君とかどうなっても構いませんから!!!」
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

 ――そして蘇る、黒ビキニ土下座。全国放送は回避され、ビデオレターは各地に飛ぶ。
 それが恐ろしき呪卍II、その顛末の全てであった。

「――であったじゃねえんですよ! 何普通に配ってやがるんですか!!!」
「梅泉に届くのは普通に少し恥ずかしいのだけど……」
「キィエエエエエエエエ――ッ!?」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)[重傷]
陰陽式
すずな(p3p005307)[重傷]
信ず刄
白薊 小夜(p3p006668)[重傷]
永夜
ゼファー(p3p007625)[重傷]
祝福の風
小金井・正純(p3p008000)[重傷]
ただの女
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)[重傷]
慈悪の天秤

あとがき

 YAMIDEITEIです。
 撮れ高十分でした。あざっした!

 正純さんのお陰で全国放送は回避されました(おめでとう)
 なので、映像記録は関係各所に送付されます。

 汰磨羈:練達アンダーグラウンド
 すずな:伊東時雨
 小夜:(本物の)梅泉
 ゼファー:風月(おじいちゃん)
 正純:遮那君(或いは長胤の墓前)
 コルネリア:君を慕う健気な子供達

 シナリオ、お疲れ様でした!!!

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