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シナリオ詳細

勇者進水GC:勇者の遺跡と青の価値

完了

参加者 : 8 人

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オープニング

●勇者の秘密と、魔を払う使命
 青き静寂の海原。そのなかにぽつんと存在する断崖絶壁の孤島。
 その地下深くで――。
「「深層希望合体(ディープパンドラフュージョン)!」」
 グッドクルーザー(p3n000117)とリサ・ディーラング(p3p008016)ががしりと悪手を交わすと、グッドクルーザーとリサの体が蒼い光りに包まれた。
 武装を一時的に消失させたリサに、バラバラに分解されたグッドクルーザーと鯨型潜水艇ディープクルーザーがパワードスーツのように組み合わさり、包み込んでいく。
 完成したビッグクルーザーの各所に蒼い光りがおこり、スチームガンや魔道蒸気機関による装置が出現。リサを現すようなホワイトカラーのキャップを光らせると二人は完全に重なった声で叫んだ。
「『ビッグクルーザー・XZ(クロスゼット)・リサ』!」
 折りたたみ式スチームガンを展開。轟音と共に発射する。
 無数に存在するフグ型の鎧を纏った水中戦闘仕様のアンデッド秘宝種たちが次々に着弾、爆発していく。
 だがその中心にあった黒い秘宝種は別だ。
「そいつがブラックの言ってた『深層希望合体』か。が、連発できる力じゃあないよなあ……!」
 対して、黒い人型秘宝種ロボットがフグ型古代兵器と合体し巨大な人型ロボットに変形すると、無数の暗黒光線を発射。
 二人の砲撃は間でぶつかり、激しい拮抗状態へとかわる。そこへさらなるアンデッド秘宝種が出現、ビッグクルーザー・XZ・リサへと殺到し次々に自爆攻撃を開始した。
 伸びる腕が彼の主砲や脚や腕へとからまり、赤い点滅とブザー音の後に次々と爆発。各部のパーツを崩壊させていく。
「いたたっ、リアルに腕とか足とかが痛いっす! 連中、まだ兵力を隠していたッすか!?」
「突破するには兵力が少なすぎます。ここは一旦引きましょう、勇者リサ!」
 強制的に合体が解除され、潜水服を纏ったリサとグッドクルーザーへと分離する。さらなる追撃を避けるべくリサは装備の中から丸いボール型のアイテムを投射。点滅し激しく黒い墨を吹き出したボール。
「海中煙幕っす! それではさらば!」
 二人はなんとか稼働できた潜水艇ディープクルーザーに乗り込むと、猛スピードでエリアを離脱したのだった。

●勇者の遺跡と黒き侵食
「ふうむ……勇者と聞いてもしやと思ったが、これは幸運とべきか……」
 海鳥の鳴く浜辺の神殿。並ぶ石柱の中心で、クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)は口元に手を当て考え込む仕草をした。
 海洋王国、コン=モスカ島。かつて絶望の青に挑む者たちに祝福を与えていたモスカの一族は、海を阻んでいた冠位魔種アルバニアの撃破とリヴァイアサン再封印によってこの青を静寂とした。以来、モスカは伝説となり、商人達が開いた航路の入り口へと変わったコン=モスカの島は観光地へと変化していった。
 それゆえか周辺開拓も進み、発見されていなかった島や海底遺跡も発見されたのだが……。

「グッドクルーザーの胸にあるエンブレム。それと同様のものが刻まれた遺跡が発見された。
 先行調査に向かわせたが、現地にはグッドクルーザーと同系の秘宝種とアンデッド化した秘宝種兵たちに守られていた。
 無関係な場所とはもはや思えん。更に言うなら、こうした危険な存在が観光地であるコン=モスカ周辺にあっては来島した一般市民や船への被害も危ぶまれる。
 再びグッドクルーザーと共に、この敵対存在の排除と遺跡の調査を行いたい。この依頼。受けてくれるか?」
 ローレット・イレギュラーズとして、そして島の人間として説明を終えたクレマァダ。
 先ほどと同じ神殿だが、彼女の前にはグッドクルーザーやリサを含むローレット・イレギュラーズの仲間達の姿があった。
 リサが小さく手を上げる。
「場所が海底なので『深層希望合体』しか使うことができないっす。深層希望合体というのは――」
「当機グッドクルーザーと潜水艇ディープクルーザーをパーツとして、パワードスーツのように対象者を包み込む合体状態です」
 グッドクルーザーが胸のエンブレムに手を当てる。リサは頷いて先を続けた。
「この状態なら数秒だけだけどすごいパワーを発揮できるっす。けど誰でもいいわけじゃないっす。私達ローレット・イレギュラーズの絆によって心を通わせて初めてできる合体技っす。例えばクレマァダさんや初対面のイレギュラーズは合体できるかもしれませんが、敵が無理矢理同じ事をしようとしてもグッディは拒否できるわけっすね」
「そういうことです、勇者リサ」
 クレマァダは二人の説明に頷き、そして石のタイルの上をゆっくりと歩き始めた。仲間達の間を抜け、島の中央にたつモニュメントを見つめる。
「敵戦力は大量のアンデッド秘宝種、そして指揮官クラスの『黒い秘宝種ロボット』じゃ。我らが『メガロビア』と呼んでいる敵対勢力のものとみて間違いないじゃろう」
 調査によって得られた敵のデータをまとめた資料を手に、くるりと振り返った。
「この海の平和のため、そして海深く隠された神秘を解き明かすため。――ゆくぞ!」

GMコメント

●オーダー
 勇者の遺跡(仮)の調査中に出現した敵対集団メガロビアの部隊を撃破することが成功条件です。

●エネミー
・デトネイター
 全く同じ形状をした秘宝種ロボット型のアンデッドたちです。
 彼らは腕に備えた銃と魔法的自爆能力を備え、かなりの数を揃えて攻めてきます。

・黒き神艦
 黒い秘宝種です。彼はアンデッドではなく自我を持ちます。
 専用の鮫型古代兵器と合体し『大神艦(ダイシンカン)』となることでこちらに襲いかかってきます。

●フィールド
 海底神殿『勇者の遺跡(仮)』
 岩の柱が無数にたち、中央に建物らしきものがあります。
 戦いは建物周辺で行われることになるでしょう。
 石の柱や壁などが乱立しており、一部は既に崩壊しています。

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●深層希望合体(ディープパンドラフュージョン)
 希望の戦士イレギュラーズと使命の勇者グッドクルーザーが心を通わせることで発動する力です。
 このシナリオ中、ないしはシナリオ以前にグッドクルーザーと仲良くなっておくと、大型ロボットビッグクルーザーDの核として合体することができます。
 その際名称が『ビッグクルーザー・XZ(クロスゼット)・〇〇(PC名)』となり、戦闘スタイルも核としたPCを反映したものになります。
 システム的には1ターン限定の超強化状態と考えてください。ここぞという必殺技や超防御、超回復、敵の群れを大量に殲滅する時など見せ場を引き寄せましょう。

・潜水艇ホエールクルーザー
 グッドクルーザー専用の潜水艇です。
 これとグッドクルーザーが合体することで大型ロボット『ビッグクルーザーD(ディープ)』となります。いわゆる水中行動仕様の本気モードです。

●メガロビア
 古代の封印から目覚めた秘宝種たちです。
 その多くはアンデッド化しており、まるでそう定められたかのように周辺の島等を襲撃し人間の抹殺を続けています。
 目的は不明ですが、喰うためでも土地を得るためでもなくただ殺すために殺している彼らを放置することは、平和を著しく脅かすことになるでしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 勇者進水GC:勇者の遺跡と青の価値完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月08日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
迅牙(p3p007704)
ヘビーアームズ
リサ・ディーラング(p3p008016)
蒸気迫撃
一条 夢心地(p3p008344)
殿
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
フリークライ(p3p008595)
水月花の墓守

リプレイ

●海底神殿『勇者の遺跡(仮)』
 コン=モスカの島からほど近い海底。グッドクルーザーと同様のエンブレムが刻まれた遺跡が発見された。
 周囲の岩が長すぎる歴史のなかでえぐれ年季を感じさせる一方で、その遺跡は奇妙な魔法に守られつやのある壁面をそのまま残していた。
 海底であるにも関わらず微光を放つサンゴやクラゲが多く生息し、ライトを付ければそれらが光量を増し、一面がたちまちネオンカラーに彩り始めた。
 それは遺跡内も同じようで、石の遺跡内部からグリーンの光が漏れ出し始める。
 が、内部まで探索することは許されない。
 なぜなら偵察時に遭遇したメガロビアのUD秘宝種たちが既に展開し始めているからだ。
「何が居ても何が来ても驚かん。
 絶望の……静寂の青は、踏み越えることができるようになったというだけでいまだ未踏の地は数知れぬのじゃからな。
 ……とはいえ、秘宝種にしては間口が広くないかのうこやつら!」
 おかしーじゃろ! といって指さす『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)。
 潜水艇のディープクルーザーから飛び出し戦闘態勢をとった。
「はーーー……誰かさんのこんもす力が足りていないばっかりに……。
 エネミーがわらわらと沸いてしまっておるではないか!
 ま、麿に任せておけ万事おっけーじゃ。感謝するが良いぞクレマァダ」
「誰がこんもすじゃー!」
 むきーって怒り出すコンモスをスルーして刀を握る『殿』一条 夢心地(p3p008344)。
 『ヘビーアームズ』迅牙(p3p007704)も戦闘態勢に入り、『よをつむぐもの』新道 風牙(p3p005012)もまた槍をとる。
「よし! 調査のためにも、人々を脅かす存在を討つためにも、遺跡周りのメガロビアを倒す!」
 そんな仲間達と共に戦うべく自分も潜水艇から出撃するグッドクルーザー(p3n000117)。
 共に出撃した『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)と『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)が横に並び、カイトは三叉蒼槍を、千尋はファイティングポーズを構えメガロビアの兵に構えた。
「この先にお宝が待ってるってわけか。ワクワクするな!」
「つっても今回ファイナル合体できねーからな。ディープに行くぜ!」
 ドルフィンキックで飛び出す千尋たち。
 対するはメガロビアの黒き神艦。
 先端がY字になった杖のようなものを握り、こちらへと突きつけてくる。
「地上に住み着いた異物どもよ。兵を増やしたところで無駄だ。こちらの兵はまだまだあるからな!」
「それはどうかな――っすよ!」
 『スチームメカニック』リサ・ディーラング(p3p008016)は改造魔導蒸気機関搭載巨大火砲『Final Heaven』を展開、メガロビアの軍へと構える。
「一回目は失敗したっすけど、今度は皆いっぱいいれば大丈夫っす!
 一発の切り札も沢山あれば最強っすよ!」
「ン。リサ 言ウ通リ。
 任セテ グッディ。
 フリック達 力 合ワセル」
 『水月花の墓守』フリークライ(p3p008595)は両腕のクリスタルを蒼く光らせると、聖域化した球形のフィールドを纏い、背部から空気のようなジェットを噴射して突き進む。
「合体セズトモ オッキナ希望――!」

●VSデトネイター
 水中銃を構えたフグ型のずんぐりとしたUD秘宝種デトネイターたちが三本爪型の両腕を突き出し、その中央に配置された水中銃を乱射しながら突撃をしかけてくる。
 おそらく至近距離まで迫って自爆するつもりなのだろう。
 が、それで怯む彼らではない。
「さあ思い出せ生を謳歌していた時を、内に眠る赤き血潮を! 周りにいるやつ、全員纏めて遊ぼうじゃねぇか!」
 カイトは海中で翼を広げると華麗に泳ぎ回り、飛来するすべての弾を回避しながらデトネイターたちを翻弄していく。
 ムキになって乱射を続ける彼蘭医大して追撃を仕掛ける風牙。
「そこだ!」
 突き出した両手を合わせ、気のボールを発射。カイトへ密集したデトネイターたちをあえて『カイトを中心に』爆発させる。
 カイトは素早く羽ばたき爆発の中心から急速離脱。取り残されたデトネイターたちが爆発に巻き込まれ、次々と誘爆していく。迅牙が倒し損ねたデトネイターへと追撃をしかける。
「ン。敵 神殿地形活用潜伏隠形……」
 フリークライは両腕のクリスタルから放射状の青白い光線を発射すると、自分の身を直接回しながら周囲の地面へなめるように放った。フリークライの視界内にポポポッとカラーマーキングされる箇所が現れる。地面にあるいくつかの突起が、敵の偽装であることを看破したのだ。
 気付いてしまえばこちらのものだ。
 予め防壁を展開。海中の植物が飛び出し壁を作ると、不意打ちを狙ったデトネイターの射撃をうけとめる。
 残る個体の位置をグッドクルーザーへと指さしサインで伝えた。
「グッディ ライン 退ク」
「了解! さすがです戦士フリック!」
 ズン、と海底に着地したグッドクルーザーは両肩の大砲から高威力のビームを発射。直線上のデトネイターたちをまとめて撃破していく。
「残りは任せるっす!」
 パワードスーツのジェット噴射によって上手に位置取りをしたリサは『Final Heaven』の狙いをつけ猛烈な弾幕を展開。
 潜んでいたほとんどのデトネイターを撃滅してしまった。
 これ以上潜むことは不可能と判断した残りのデトネイターたちが姿を現し、周囲を取り囲む。
「ヒュゥ! リサちゃんすっげえ! やるじゃん!
 じゃあ次は――行け! 超司祭ロボ コン・モスカーV! 薙ぎ払え!」
「こんもす力を見せるのじゃコン・モスカーV!」
 いけいけーと拳をあげて応援する千尋と夢心地。
 背に応援(?)を受けたクレマァダはびきびきと額に怒りマークを浮かべた。
「貴様ァコン=モスカの名前で遊んでこれ以上愚弄するなら承知せんぞォ!! 天誅をくれてやる、グッディ!」
「えっ」
 襟首(?)をつかんで引っ張られたグッドクルーザーが困惑の表情(?)を浮かべるが、クレマァダは強引に合体シークエンスを開始した。
「毎度毎度ナメおってからに!!!! 海嘯じゃ! 海嘯(カイショ)ってくれるわ!」
 分解したグッドクルーザー。『呼んだ?』て具合にやってくるディープクルーザーの分解とあわせてクレマァダを包み込むと、コン=モスカらしい蒼く煌めくボディに包まれる。
「「ビッグクルーザー・XZ・クレマァダ!」」
 出現した左腕の円盤形武装をぎゅるんと回すと、両肩や膝に装備されたスピーカーから力ある歌が流れ始める。
 クレマァダ専用BGM(絶対ある)である。
「みな、悉く打ち消してくれるわ」
 突き出した拳と黄金の渦。残るデトネイターはおろか、指揮を執る黒き神艦をも巻き込み大爆発を引き起こした。デトネイターたちに至っては歌に魅了され互いにはりついて自爆しあう始末。
 が、そんな爆発の中から飛び出してきたのはフグ型古代兵器と合体した大神艦。
「フン、やるじゃねえか。聖なる海の力を感じる。貴様、名は――?」
 合体を解除したクレマァダが腕組みの姿勢で堂々と。
「教えてやろう。我が名は――」
「コンモス空手黒帯のコンモスVだぞ!」
「ひかえおろう! ひかえおろう!」
「なるほどコンモスV……」
「きしゃまりゃーーーーー!」
「良い名だ。だが死ねぃ!」
 色々ごちゃまぜになった空気のなか、膨らんだような形状のボディから無数の金属銛を大量に発射してくる大神艦。
「戦士フリック!」
「ン」
 グッドクルーザーとフリークライがそれぞれの片手を合わせた。
「「深層希望合体(ディープパンドラフュージョン)!」」
 合体してできあがったのは一回り大きなフリークライのようなロボットだった。頭を追おう特徴的なパーツの奥からギュンと目が光る。
「「ビッグクルーザー・XZ・フリークライ!」」
 大神艦の放つ銛をすべて防御で受け止める――が、大神艦は身体をバガッと上下に割り黒き光線を発射。
 フリークライはそれを癒やしの光線を直接叩きつけることでダメージと治癒能力を拮抗させる。
「反撃っす、グッドクルーザーさん!」
 パワードスーツで急接近するリサ。ガバッとパワードスーツのロックを解除し脱ぎ捨てると、合体解除したグッドクルーザーと再合体した。
「「ビッグクルーザー・XZ・リサ!」」
「そいつは――同じ手が二度通じるか!!」
 一度見た脅威。大神艦は咄嗟にもう一度暗黒光線を放とうとするが……チャージ時間が足りない。
 そのすきに一斉展開した無数の魔道蒸気重機関銃群とミサイルポット。そのすべてをフルオープンアタックで叩きつけた。
「そっくりそのまま、『同じ手が二度通じるか』――っす!」
 撃ち尽くしたところで合体解除。
 突っ込んできた千尋と再合体した。
「行くぜグッディ! 闘心艤装! 勇者進水! ディープパンドラフュージョーーーーン!!」
 できあがったロボットはドレッドヘアのような冷却ホースが頭部から伸び、ライダージャケットを羽織ったかのような特徴的な装備に包まれていた。
「「ビッグクルーザー・XZ・千尋!」」
 背後に輪っか状のエネルギーフィールドを作り大神艦へ突撃。
「グッディ、俺は今までとは違うんだぜ!
 新たに身に着けたこの力、今こそ開放する時!」
 指を人差し指から小指にかけて力を込めてゆっくりと握っていき最後に親指を握って拳を作る。
「戦士千尋、それはまさか……!」
「人はこの拳をこう呼ぶぜ、冠位殺し! アルバニアキラー! 伊達パン!!!」
 『Go To HeLL!』のエフェクト文字と共にたたき込まれる強烈な拳。
 武装を破壊された大神艦に追撃を与えるべく、合体解除からの仲間との再合体へとシフトした。
「っしゃあ! 殿! あとは頼んだぜ!」
「ようやった伊達チャン! 魂のバトンは受け取った」
 体育座りの姿勢でくるくる回転しながら飛び込んできた夢心地と合体。
「「ビッグクルーザー・XZ・夢心地!」」
 マゲ状のアンテナが伸びたロボットは右腕を水平に顎の辺りに構えると、額に浮かんだ一条家の紋章を光にかえて発射。
 紋章が叩きつけられた大神艦は動きを麻痺させ――。
「覚悟せよ大神艦、今、必殺の剣が貴様を両断する……と思ったじゃろ。
 ばかめ、あえてイケメン剣士として目立つよう振る舞ったのはこの瞬間のため!」
「ハッ、あの技は!」
 叫ぶ千尋。そう、夢心地はここ一番では己の剣ではなく、別の技で強敵を倒してきたのだ。
「ビックルドリーーーーム・ドロップキック!!!!!」
「『ル』?」
 たたき込まれるドロップキック。
「マジ卍コンビネーション、ハイペリオンバスターに続く、この夢心地第三の合体技じゃーーー!」
「ぐおおおお!?」
 大神艦はあまりにフィジカルすぎる必殺技に突き飛ばされ、神殿の壁面へと激突。壁を一部崩壊させる。
 が、身体の各所からはやした小型デトネイターをミサイルとして発射。突進して自爆するだけの兵器が襲いかかる――が。
「「ビッグクルーザー・XZ・カイト!」」
 赤いボディに翼をはやしたロボットがそのすべてを華麗な泳ぎによってすべて回避。誰もいない海中で次々に爆発していくミサイル群。
「心の奥底から湧き上がる、勇気と希望のエナジーパワーだ!」
 炎のごとく光り輝く翼を広げると、自らを巨大な炎の鳥に変えて大神艦へと突撃。
 大爆発をおこした大神艦。
 が、黒き神艦はギリギリのタイミングで古代兵器をパージして自分だけは逃げ延びていた。
 すさまじい速さで海上へと撤退するつもりのようだ。
「流石に強え……が、一発うてば終わりだろう?」
「ああ、その通りだ」
 その後を追うのは風牙ただ一人。
「この力は一瞬の奇跡。すぐに消える閃光のようなものだ。
 希望ってのも、一人で持ち続けるのはきついもんだしな。
 けどな、一人ではきつくても二人、三人、たくさんの、想いを一つにする仲間がいれば、希望はどこまでも繋げていける。一瞬の光も太陽になる!
 そうだろう、グッディ!」
「その通りです、戦士風牙!」
 すさまじいスピードで追いついてくるグッドクルーザーとディープクルーザー。
「我ら、絶望を穿つ矛となる! 深層希望合体!」
 槍を構えたロボット。装備は黒曜と烙地彗天を意識した風牙らしいものだ。
 そしてそれだけに、生み出す力はまっすぐなのだ。
「「ビッグクルーザー・XZ・風牙!!」」
「オレ達全員の希望を奪えない限り、光に焼かれることになるぜ!!」
「ぐううううう!?」
 速度をあげて逃げ切ろうとする神艦。だが、風牙のスピードがそれを大きく上回った。
 槍が神艦を貫き、海面へと飛び出す。
 勢いのあまり空中へと舞い上がったXZ風牙は、沈みゆく夕日と大爆発する神艦を背に――見栄を切った。

●勇者の遺跡
 敵対存在を倒し、ようやくゆっくりと探索できるようになったイレギュラーズたち。
「エンブレムとかにスイッチとかあると浪漫だよな!
 もしくは船長が近づけば反応するとか!」
「仲間か!? 仲間増えるのか!?」
 わくわっくという効果音(?)を出しながらぴょんぴょんはねるカイトと風牙。
「グッディの強化パーツかもだぜ」
 千尋は遺跡外部にあるエンブレムをぺたぺたさわりながらその様子を確かめていた。
 周辺警戒を迅牙に任せて遺跡内部へと侵入するフリークライ。
 入ってみると、意外なことに内部には空気があった。
 まるでプールからあがるようにざばあっと四角形の入り口から身を乗り出すと、目を光らせ周囲を照らし出す。
 グッドクルーザーも同じように目を光らせ周囲を照らすと、遺跡内部は外面と同じようにつるっとした光沢のある石でできているのがわかる。
 どう見たって人工物だ。しかも、この海が探索されないすさまじい長さの時をへても劣化しない建造物という。
 しばらく夢心地と千尋が回転する石の壁を使って『うしろうしろギャグ』を繰り返して遊んでいると、リサが遺跡の奥であるものを見つけた。
 ものというか……。
「これ、グッドクルーザーさんのエンブレム……っすよね?」
 かなり広い円形ホールの中央に鎮座……というか浮いていたのは、グッドクルーザーの胸にあるエンブレムをそのまま巨大化させたような物体だった。リサが両腕をひろげたより大きい。
 壁には古代の文字が刻まれ、クレマァダは顔を近づけて目を細める。
「読めるっすか?」
「ふむ……モスカに伝わる文字じゃ。今は使われておらんが。
 そして意味は……『祝福を』?」
 巨大エンブレムへ振り返るクレマァダ。仲間達もおってホールへやってきて、そしてグッドクルーザーの胸のエンブレムが青く点滅しはじめたのを見た。
 だがそれだけだ。何か必要なキーが足りないのかと考え……そいてクレマァダは懐に手を入れた。
 取り出したのは『ソング・オブ・カタラァナ』にセットするための円盤である。それを巨大エンブレムに近づけてみると、まるではじめからそうするためにあるかのように、丸いくぼみがあるのがわかった。
 はめ込む。
 すると、エンブレムから光が放たれ――。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――ToBeContinued

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