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シナリオ詳細

世界一の怪盗~今夜、あなたの心を奪いに参ります~

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●くだらない毎日にサヨナラを
 ――嗚呼、怪盗が出たぞ!
 なんて噂は瞬きする間に拡散される。ネオンの夜を踏み越えて、その宝を奪いにやってくる。
 華麗な身のこなしでマントをひらつかせながら、月を飲み干し影を纏う。星は怪盗に味方をし、朝日は彼或いは彼女の仕事の成功を告げる。そんな世界。
 性別は解らぬ。ボイスチェンジャーを使っているのだろう、屹度その声は偽物まがい物!
 住処も解らぬ。怪盗たるもの足跡一つ残さぬように。髪の毛一本残さぬ立つ鳥も吃驚仰天の『完璧主義』!
 素顔も解らぬ。嗚呼、その華麗な腕前に魅入られたファンは沢山いるというのに!
 黒いマントにお気に入りのビビッド・カラーで染めた美しいモノトーン。白いシャツとブローチ、モノクル嵌めた仮面は怪盗『イレギュラー』の証左。
 ――というのが『イレギュラー』である彼、ユウの『表』の顔であった。本当は自堕落、盗みなんて寝ぼけていてもできるから前日の朝飯前がいいところ。義賊気取りに『ワルイヤツ』から金を、宝を奪ったとて乾いた心は満たされやしないのだ。
(何か飛び切り面白い『遊び』がしたいな)
 はてはて、なんて思ったところに流れてくるアップテンポのPOPミュージック。彼の脳を刺激して――


「――――あ、」


 ――閃いた。

●ほんの少しのスパイス
「怪盗って、興味はある?」
 境界案内人の絢は集まったイレギュラーズをにこにこと出迎えた。
 彼の今日の装いは古典的な『名探偵』の格好。曰く、今日はその格好でも『ハマる』らしい、が。
「ふふ。今日はねえ、怪盗の物語に向かってもらうよ!」
 彼が取り出した物語のタイトル。黒いインクで踊るように跳ねる文字――世界一の怪盗。
「この物語の主人公であるユウさんのお手伝いをしてほしいんだ」
 と、言うのも。彼の本来閃く一世一代の盗み――には、手を出さず。ユウが『弟子を取る』なんて考えてしまったから、物語が軋み、ひずみ、歪んでしまったのだけれど!
「ってことで、その物語をさぽおとするべく、弟子入りしてきて欲しいんだ。屹度悪いようにはならないから」
 洋語混じりだと難しいや、なんて絢は頬を搔き乍ら、四人に向かって微笑んだ。

●予告状
「見て! 『イレギュラー』よ!」
「今日は何を盗むんだ?!」

 ――今夜。あなたの心を奪いに参ります――

 降り注ぐ無数のカード。修行を積んだ君達四人は震えていた。空を埋めるヘリコプター、『イレギュラー』のファンたちの割れんばかりの歓声。
「『俺』がみっちりしごいてやったんだからダイジョーブダイジョーブ。さ、行こうぜ!」
 時計塔のテッペン。指を鳴らしたイレギュラー。
「It's show time――!」
 スポットライトを浴びるよりも先に飛び降りたイレギュラー。そのマントを見逃さぬように、四人は駆けた――

NMコメント

 怪盗ってめっちゃかっこいいと思いませんか。どうも、染です。
 高いところから飛び降りてびゅーん、やってみたいですね。

●今回の目的
 鮮やかに、華麗に! 人々の心を奪う

 ユウが提示したお宝を盗む過程で、見ている人々全てを魅了しファンにしてください。
 今回は戦闘スキルも一部のエフェクト、補助的役割に使うことが出来ます。つまり発想次第でなんでもできます!

●世界観
 現代日本、時々怪盗。
 ちょっぴり非日常が受け入れられた日本です。
 怪盗たちがお宝を盗んじゃったりします。

●ターゲット
 世界一ともうたわれる『ラブ・ファントム』という宝石です。
 色は赤く、ハート型です。

 厳重な警備が敷かれた美術館に展示されています。

 レーザー光線が降り注ぐ一直線の廊下とか無数の屈強な警備員、振動を感知して襲い掛かってくるアンドロイドロボットに光に触れると床が開いて落下させてくるサーチライト。などなど、予想される罠は沢山ありますし、皆さんで考えていただいても大丈夫です。
 何が来ても染がなんとかします。どんとこい!

 最後は四人が同時にスイッチを押さないとガラスのショーケースが開かない仕組みになっています。つまり協力プレイが大事!
 適材適所、最悪機械を壊してもいいですがここは怪盗らしく華麗に行きましょう!
 これむずかしいんちゃうん染!ってのは何とかします。皆なら大丈夫だ。

●NPC
 ・ユウ
 またの名を怪盗『イレギュラー』。性別もわからなければ年代も何もかも解らない最高の怪盗です。
 が、その正体は普通の大学生。暇つぶしではじめたらうまいこといっちゃったらしいです。
 今回は皆さんの師匠として道案内兼雑魚処理をしてくれます。ついでに宝石と心も奪っちゃおうとかいいだしたのこいつです。三発くらいなら殴ってもいいかもしれません。

●怪盗の心得
 ユウから提示された怪盗の心得です。これらを守っていきましょう!

 その一 人間も生き物も殺さず気絶させるべし。無駄な暴力は不要!
 その二 悪人に容赦は不要! 黒歴史でも晒してやるべし
 その三 見ている人を楽しませられるような鮮やかな盗みを!
 その四 どんな状況でも笑顔は忘れずに!

●プレイングについて
 怪盗名とかあると良いかもしれません。意気込みとかも教えてください。
 上手くいかない時もあるかもしれませんが世界が皆さんの味方です。すべての運が味方してます。

 以上、皆様のお越しをお待ちしております!

  • 世界一の怪盗~今夜、あなたの心を奪いに参ります~完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年08月12日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
結月 沙耶(p3p009126)
怪盗乱麻
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
ウインディ・ゼロ(p3p010020)
騎士道貫きし怪盗

リプレイ


「なんか罠変わったらしい。やべー」
 悠々と告げたユウ。観光客のように手で屋根をつくり、報道陣の数を数える。罠はいいのか、罠は。
「怪盗関連の依頼があるということで、この怪盗リンネの出番と見た!」
 溌剌と笑みを浮かべたのは『表裏一体、怪盗/報道部』結月 沙耶(p3p009126)。元の世界では怪盗として華やかに飛び回っていた日々。懐かしくもあり遠くもあり、久々の心地に目を細めた。
(私は怪盗の技術は独学だから、教わるいい機会にもなりそうだしな。
 イレギュラーも、まさか本物の怪盗が弟子になっているとは思うまい?)
 隣で人々の歓声を聞き、驚いたように『霊魂使い』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)はふむ、と頷いて。
(怪盗と暗殺者、過程は似ていないこともない…が、今回は過程から見せるのだな
 つい遮蔽や物陰を利用しがちだから、気を付けなくてはな)
 なんて冷静に考えて。怪盗を求め続ける人々の声に張り切るユウにやれやれと肩を竦めた。
「盗むのは悪事なれどアタシにゃ関係ないさ、悪役は慣れっこ。折角の機会楽しませてもらうよ!」
 沙耶とアーマデルの肩を叩き笑った『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)。準備はいいかと手を挙げ、一般人に紛れ込んだ『怪盗ゼロ』ウインディ・ゼロ(p3p010020)に合図する。
 きらきらと鏡を反射させたウインディは深く頷き、遥か上空、時計塔の上にいる四人へと示す。さあ、始まりの時だと。
「お、時間だって。それじゃあ行こうか、俺がたっぷりしごいてやったんだから大丈夫だって!」

「It's show time――!」

 ――愛しいファンの皆様、警察の皆様、ご機嫌麗しゅう!

 今宵怪盗イレギュラーは、四人の弟子達と共に皆様の『宝』を盗みに参りました――

 舐めた放送が流れる。さまよっていたスポットライトは、意気揚々と飛び出した五人の影を照らして。


 ――怪盗イレギュラー。今夜。あなたの心を奪いに参ります――

 予告状が空を舞い、紙吹雪となる。

「怪盗リンネ、ここに参上!心の名を持つ宝石と一緒にみんなの心も奪っちゃうよ!」
 華麗な少女の声。沙耶はマスクの下からウインクを。割れるような叫び。とびきり愛らしい怪盗のお出ましだ。
「……「ほら、落ちないようにしっかり捕まってろよな!」」
 ユウに名乗り口上を全て被せられたアーマデルは、薄くため息を吐き。馬鹿師匠、とついでに一発殴って置いた。そもそもお前が無茶を言ったからこうなのだ。夜の街に笑い声が響く。
「怪盗シスターここに参上! アタシを捕まえることができるかな?」
 吼えろ、疾れーー鋼鉄の心臓の燃ゆるままに! 漆黒、美しいフォルムのバイクでトバしたコルネリアが、キィと乱暴なブレーキで人々の前に躍り出る。炎唸り、食らい、炎の渦にのまれた声援は歓声へ変わる。
「影となりて貴方の心と宝を盗む。怪盗ゼロ、ただいま参上!」
 クールに名乗りをあげたウインディ。群衆から加齢に飛び出し、人々の歓声をかっさらう。
「そして、俺が怪盗イレギュラー! お宝は頂いていくぜ!」
 パチン、と指を鳴らしたユウ。煙幕が夜の街を包んだ。
 さぁ、飛び切りのショウを始めよう!

 が、それを易々と許さないのが警備というものだ。
「おいおい、顔固まってんぞ。スマーイルスマーイル!」
 ぐいぐいとアーマデルの口角を上げにかかるユウ。なんだこいつ。暑苦しいぞ。
「……おい、俺に構ってる暇があったら……!」
「ったく、熱烈な歓迎ね?」
 べたべたしてくるユウを横目にアーマデルが指を指した先、ぞろぞろと沸いてくる警備員。にぃと笑みを浮かべたコルネリアよりも先に、沙耶とウインディが武器を構える。
 警備員の間を縫うように駆け、次々手刀で眠らせる沙耶。
「ごめんね、しばらくそこで眠っててね?」
 無駄な暴力は不要との教えに従って、躓かせたり戦意を削ぐ方向で立ち回ってみる。しつこい男は嫌われる、なんていうふうに突き飛ばしてみたなら、ギャラリーの笑い声も一声大きくなって。
「剣を使う異色の怪盗、って感じで俺の人気もうなぎ登りみたいな?」
「おっ、いいじゃんいいじゃん! そういうのもっと頂戴!」
 ユウの声援に頷き、威嚇程度の剣裁きを披露してみせる。目の前で鋭い刃物が振り回されれば腰を抜かすのが当然というもので。
「お、イイ感じに戦意喪失だな。よっしゃ、奥いくか!」
 なんて駆け出したユウを追いかける三人。報道カメラを置き去りにしていることに気付いたウインディは、はぁとため息を吐きながらもファンサービスを。
「今日此処に来たこと、絶対後悔させないからな☆」
 端正な顔に甘い微笑み。ファンがぐんと増えただろう。間違いなく。
 厳重な扉もぱぱっと解錠したウインディ、次のフロアはすぐそこだ。


「危ないわ、下がんなさい」
 コルネリアが一同を静止させる。何もないフロアのように見えた、の、だが。
 コインを指ではじき、真白い空中にはねさせる。じゅう、という音とともにコインには丸い穴があいた。
「見たところレーザーってとこねえ、面白いじゃないの」
「なるほど、これがかの有名な……」
 サイコロステーキである。おいしくなあれ。
「おいおい、シスターどうするつもりだ?」
「決まってんじゃないの、安置を作るのよ!」
 太腿に指を滑らせ持ってきたワイヤー銃を壁に向け、放つ。
 ワイヤーが反対の壁、罠解除のシステムがある方へと突き刺さる。
「あそこは罠が無いみたいね」
 と甘ったるい少女の声で告げた沙耶。ニィと笑みを浮かべたコルネリア。二回引き金を引き、
「アタシに任せなッ、さい!」
 見たところレーザーは決まったところにあるようだ。つまり一定の姿勢をキープできれば勝てる。
 空中姿勢は其の儘に、反対側迄己を引き寄せた。
 アーマデルも頷き、一対の翼を生み、ふわり飛びながらコルネリアの護衛として対岸へ。
「おお、怪盗っぽい」
「違うでしょ、アタシ達は今怪盗なのよ」
 監視カメラを破壊したアーマデルに続き、コルネリアはシステムには一発本物の鉛玉を進呈。レーザーは消滅し、ただの白い道となる。
「うんうん、弟子たち優秀! 花丸あげちゃうよ~」
「それより、次はどこなのよ」
「シスター冷たくない? 次で最後の罠っぽいから、ちゃんとはぐれずついてきてね」
 ひらひらと手を振ったユウに頷き、四人は進んだ。

「最後は此処。落とし穴とか、危なめのトラップもあるから注意ね~」
「緩いな……」
「俺は先に行ってるから。早くしないと、」
「なによ」
「警備員に追いつかれちゃうかもね!」
 キャー言っちゃった! と理由は解らないが照れた素振りを見せたユウ。ぱっと暗視ゴーグルをつけてすいすい進むと、『奥で待ってまーす』なんて笑いながらどこかへ消えていった。
「はぁ?! イレギュラー……ほんとにイレギュラーね?!」
「おいおい、どうすんだ。後ろから来てるなら急いだほうがよさそうだぞ」
「……こういう時こそ笑顔で冷静に。ここまでこれたんだから、慌ててすべて台無しになるのが一番よくない」
 と、沙耶の静止でいったん冷静になる。
 頭を抱えた三人にす、と手を挙げたのは、アーマデルだ。
「俺、暗視ができる。から、三人の分までサポートする」
「でも、無茶じゃないか?」
「……やらなきゃ、この試練は越えられない」
 瞬きは三回、星晦ましの空にほのかな光を見るが如く。暗がりを進んでいくアーマデルの背を追い、三人は進んだ。
「ゼロ、あと三歩進んだところに棘がある、気をつけろ」
「ああ! 右には何もないか?」
「ない。危なそうだったら声をかける」
「っと、私は先にゴールかしら」
「そうだな、リンネ。扉らしきものがあるか探しておいてくれ」
「はあい」
「……いけないわ、警備員が来てる」
「ここで迎え撃つしかなさそうだな。シスターと俺でやる、ゼロとリンネは扉の解錠を!」
「「おう/わかったわ!」」
 触れてみたところいくつかの鍵を同時に解錠する必要があるようだ。頷き示し、その扉を同時に開けていく。イレギュラーはこれを一人で成し遂げたのだろうか。つくづく奇妙な男だ。
 一方、暗闇の中で戦うコルネリアとアーマデル。
「おらっ!!」
「うわあーーーーーーーっ?!!」
「脅かしただけのつもりだったけど……あー、落とし穴に落ちてったかな? お疲れ様ぁ」
「クソがっ!!」
 刃物を振りかざしてきた警備員。それは正当防衛の域を超えているのではないか。
「はぁ……」
 これでやりすぎていたら怒られるのは自分なのだが、致し方あるまい。死んでしまったらそこまでなのだから。
 アーマデルが警備員の額をつん、と突く。刹那、彼らは眠りの海へ。悪夢に溺れて沈めばいいのだ。
「開いたわよ!」
「これ、十秒しか開かないみたいだ。走れ!」
「行くわよ!」「ああ」
 沙耶、コルネリア、アーマデル、そしてウインディの順に滑り込む。
「待ってたぞ~。ラブ・ファントムはこっち、ボタン押して」
「はぁ、長かった……」
「デルちゃん楽しんだ?」
「デルちゃんってなんだよ」
 ユウの絡みに本日何度目かの溜息を吐きながら、ボタンの台座の前へ進むアーマデル。
「ハート型の宝石なんて変わってるわねぇ。綺麗だけどこれでおいくらなのかしら……」
「これ売って寿司でも食いに行くか!」
「いいわねぇ! ふぁーはっはっはっ!! アタシったら泥棒の才能もあるのかしら? 罪な女ねぇ!」
 酒が上手くなりそうだ、なんて笑ったユウに頷いて、コルネリアも進む。
「真打ちは遅れて、ってやつだ」
「今日は頑張ってくれてサンキューな」
「まぁ楽しかったよ。寿司になるんだっけ?」
「たぶんな!」
 ウインディも進む。ボタンは残り一つ。
「師匠、いいとこ見せて!」
「……俺?」
「そうそう、俺。さ、ほら、早く!」
 背中を押されたユウは頬を搔き。頷いて、ボタンを押した。

 ――お宝はいただいた!――

成否

成功

状態異常

なし

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