シナリオ詳細
<マナガルム戦記>誰が為のカヴァリエーレ
オープニング
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幻想王国の街を進むゴンドラには黒狼の紋が描かれた。其れがベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)を讃えたパレードである事を誰もが知っていた。
勇者総選挙の二位――『黒狼の勇者』と讃えられた彼が領主代行を務めるドゥネーブへと舞い戻って、此度の喧騒より遠く離れてから従者たるリュティス・ベルンシュタイン (p3p007926)へと告げたのは彼の在り方についての疑問であった。
「勇者総選挙、お疲れ様でした。ご主人様のパレードを街道より拝見させて頂きました」
「有難う。だが――勇者、か」
「お好みではありませんか?」
ティーカップに紅茶を注ぎ入れてリュティスは主人の傍らで首を捻った。執務机の隣に小さな椅子を設置していたベネディクトは彼女に自身の紅茶を用意してから座るようにと指示をする。
本来であれば従者が共にティータイムを楽しむなど、と文句の一つも飛び出そうものだがリュティスは利口に何も言わずにその指示へと従った。
「……如何なさいましたか」
ゴールデンリングを作り出すティーカップを覗き込んで居たベネディクトは肩を竦める。
傍らを見遣れば表情を変化させることの無いリュティスの鮮烈なる紅の色は柔和な輝きを帯びている。
銀を帯びた長い白髪が揺らぎ「ご主人様」と覗き込む仕草を見せた彼女にベネディクトは観念したように口を開いた。
「騎士、になりたかったんだ」
「騎士ですか? それは、勇者と呼び名が違うだけでは無く」
「ああ。リュティスには何時か――俺の昔話をしただろう。
俺は戦争に兵士として出たが、王国に認められる騎士ではなかった。……俺は故郷で騎士になりたかったんだ」
この幻想は彼の故国、セレネヴァーユではない。それでも、この回帰する事のできない牢の如き此の場所で彼が騎士を志すのであれば。
「……ならば、件のブレイブメダリオンにて支えを頂きましたフィッツバルディ公へと騎士となる後ろ盾を頂戴できるように打診致しましょう」
「リュティス、」
「幻想王国には血による誓約を受け騎士となったイレギュラーズも居るでしょう。
代々の祖の有する領地を継ぐ者も居れば、騎士となるべく研鑽する者も居る。……ご主人様であれば叙任されますでしょう」
力強い従者の言葉にベネディクトは堪らず笑みを漏らした。
彼女は自身の実力を疑わない。過信をして居るわけでもないだろうが、為し遂げる事が出来ると信じて已まないのだろう。
確かに、リュティスの言うとおり騎士としてその職務を遂行するイレギュラーズ達も居た。
旅人であれど、騎士は一代限り。ならば、ブレイブメダリオンで『勇者』となったベネディクトがその責を担いたいと申し出ることは不可能ではない筈だ。
「――試してみよう」
鮮やかなサファイアに込められた決意に、リュティスは大きく頷いた。
――試練を受けて欲しい。
それは近衛騎士であるシャルロッテ・ド・レーヌ(p3n000072)からの伝令であった。
フィッツバルディ公からの推薦があり、幻想王国の騎士となりたいと願った彼に王は戯れに試練を出したのだという。
純血を好むわけでは無いこの国では『一部』貴族達の声はよく通る。それが元老院の重鎮であるフィッツバルディともなれば尚更に、であろう。
「従者の同行は一名のみ。サポートは必要でしょう、との提案です。
熟して頂きたい課題は貴方方にとっては容易なものであるかと思われます。北部戦線に程近い山岳地帯にて獣の姿が散見されます。
其れ等を倒して頂きたいのです」
「獣の討伐依頼、と言うことで構わないか?」
彼女は厳かに頷いた。
初夏の翠黛――リュティスはふと思い出す。
シャルロッテが指定したその地はベネディクトと初めて出会った『あの荒くれ者』達の姿が見られた山麓の村付近ではあるまいか。
丘陵より見下ろしたローレットへと戻ってゆく『騎士様』の背を思い出す。あの日見た、万人へと救いを差し伸べる彼が騎士となるべくあの日の土を踏む。
「ご主人様」
リュティス・ベルンシュタインは意を決し、その桜色の唇に言葉を載せた。
「リュティス・ベルンシュタインを伴に、選んで頂けませんか」
- <マナガルム戦記>誰が為のカヴァリエーレ完了
- GM名日下部あやめ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年08月20日 22時05分
- 参加人数2/2人
- 相談8日
- 参加費---RC
参加者 : 2 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(2人)
リプレイ
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翠黛が覗いている。青々と茂った草木の合間を縫うように白き馬を駆る『黒狼の勇者』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は些か困ったように眉を寄せて小さく笑う。
「――まさか、な」
自身の出自はこの世界ではない。混沌へと『召喚』された身の上である以上は必要以上は望めないとそう認識して居たというのに。
騎士としての試練が訪れた。異世界という出自であろうとも。此れまでの功績に自身と共に歩んできてくれた『黒狼』の仲間達が背を押して只の一人の特異運命座標ではなく『勇者』と名乗るまでになった事実に。ドゥネーブの領主代行として為すべきを遂げてきたその事実が『幻想王国の騎士』への道を繋いでくれたのだろうか。
「俺に関わってくれた皆に感謝せねばならんな」
ベネディクトの言葉に『黒狼の従者』リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)はその柘榴色の瞳を細めた。かんばせに僅かに踊った喜色は主人の夢への一助を担えた事への幸福か。彼の夢を叶える為の道を失敗するわけには行かない。
「……だが、まだ試練を与えられただけに過ぎん。村人達の懸念を払拭し、胸を張ってシャルロッテ殿の元へ報告に行くとしよう」
「はい、ご主人様。仰せのままに」
リュティスにとっては、主人の夢を叶えるだけではない。此の地は彼と出会った場所であった。若草茂った深き森。山間のその場所を一人で進んでいたときとは違う。年若い乙女であるだけで賊に拐かされそうになったその身を颯爽と助けてくれた主人――そして彼に自身に関しての情報を齎した村人達。間接的とは言えども、己の未来を切り拓いた要素には必要不可欠だ。
もしも、あの日にベネディクトと出会わなければ。自身は何処で何をしていただろうか。宛てなく彷徨い続けるだけの此の体に『誰かの為』という使命を与えてくれた切っ掛け。
切欠でしか無かったのかも知れない。恩返しと迄行けば少し大それて居るのかも知れないが、そうであると思えばやる気も満ちる。
主人と出会う切欠を齎した彼等のために必ず此の任を成功させなくてはならないのだ。
リュティス・ベルンシュタインの名に懸けて――ベネディクトの従者として、そして、彼等に命を救われた一人として。
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密猟者の影を探すようにエプロンドレスをふわりと揺らした娘は何処か惑うたかの様子で森を往く。彼女を囮役とし、ベネディクトが強襲を掛ける作戦。提案したのはリュティスではあるが余り危険な行いを彼女に任せるのはと渋ったのもまた事実だ。リュティスの実力を見縊っている訳ではないが、同時に『女性』を危険に晒すの看過出来やしないというベネディクトの心優しさを一心に受け止めてからお任せ下さいと目を伏せた。
留守番をして居るポメ太郎のためにも早く帰ってやらねばと鈍銀の髪を風に揺らせてリュティスは森の木々を縫う。淑女と言えども従者姿の娘が一人で森を彷徨っているのはシュールな光景ではあるが篭片手に彷徨い歩けばある程度『サマ』にはなった。困り果ててたかの用に俯くリュティスの背後に下卑た笑い声が聞こえる。
「どうかしたのかい? お嬢ちゃん」
親切を装って声を掛けてくる男にリュティスは「道に迷ってしまいまして」と目を伏せた。リュティスは麓の街を目指したいのだと周囲を見回して『適当』に歩き出す。
「送ってあげようか?」
「本当ですか? ……こちらは間違ってますでしょうか?」
リュティスは『敢て奥地』を目指すように指さした。か弱そうな少女に見せるのは骨が折れるが首を傾げ、何も知らぬ少女の振りをするだけで簡単に賊は騙されてくれる。つくづく己の身が少女であったことに感謝したい程にいとも容易く賊は彼女の許へと集まった。
「実は、友人と逸れてしまったのです」
「へえ……なら探してあげようか」
値踏みするような視線が爪先から頭の天辺までを嘗め回す。嫌悪さえ感じるその視線にも表情を変えずリュティスは頷いた。眩い金の髪に、空のような美しい瞳をして居る人であると――性別は敢て触れず――そう告げれば賊は彼女と同じ年頃の娘を想像したのだろう。
さっさと奥地へ向かおうとリュティスの傍にぴたりと寄り添った。ゆっくりと昇る足が絡まることはなく。奥を目指して賊を『誘導』して往くリュティスはふと顔を上げる。
「ああ、いらっしゃいました」
さくりと木々の擦れる音が響く。木々の影が遠く伸びた。鬱蒼と茂る夏草は空をも覆い隠すように広がって居る。その狭間で立ち止まったリュティスに男達は釣られて顔を上げ――
「――生憎だが、それ以上の狼藉はこの俺が許さん。覚悟をして貰おう」
低く問うた声音は金色竜爪(やり)の先へと響き輝き名を轟かす。それはレイガルテ・フォン・フィッツバルディより賜った黄金。竜の名を欲しい儘にした勇者たる証左。
「黒狼の勇者――」
あの、幻想の街を練り歩いた勇者の一人。その名は轟いたか。
賊が驚愕に唇を戦慄かすのと同時。リュティスが身を屈める。ふわりと盛り上がったエプロンドレス。重層のレェスの向こうから覗く白い素足にはレッグシース。その中より飛び出したのは錐刀。美しい娘の研ぎませた声音の如く、鋭く突き刺さる刃の気配。
「下衆に手加減をする程のお人好しではないので精々死なないように頑張って下さい」
ベネディクトの声に反応し、苛立ったような賊が「お前はなんだ!」と叫ぶ。その声音を遮るようにリュティスは蹴撃を放った。砂が舞踊る。
重なるフリルの向こう側より覗いた黒いブーツの爪先が地へ叩き付けられる。踏み込みの一歩、応えたのはベネディクトであった。直ぐさまに放り投げられた宵闇。弓柄の射干玉に重なり往く闇はリュティスの魔力に応じて形を作る。木々をも貫くが如く。魔力が直線上に舞踊る。
「リュティス」
「承知しております」
森には傷を付けぬように。リュティスの肯首にベネディクトは踏み込んだ。セレネヴァーユ黒狼隊騎士勲章が己を支えてくれている――これが、『幻想』のものへと変貌する輝かしき一日を今日に残す為に。
逃さぬと蒼銀の腕は掴むように伸び上がった。殺す事は厭わない。だが、無碍に命は奪わぬ様に。
ベネディクトが踏み込む。バルムンク、不可能なる幻想を金色に乗せて叩き付ける。
苦難を破り栄光を掴み取るために――己が『元の世界で為せなかった』可能性へと手を伸ばす。
「何だお前ら……まさか、村の連中が!?」
「いいや、唯の通りすがりの『迷子』だよ。……少し正義感が強い程度の、な」
ベネディクトの囁きにリュティスの唇が釣り上がる。己の主人に刻まれる傷。それを癒すは喩え一時の幻であれども己でいい。
焔の如く燃え盛った幻想種の情熱を受け止めた『異世界』の主人が放つ鋭き一撃は賊の実を容易に地へと叩き付けた。
「さて……どうして密漁なんてものを? 『緋暮草』を麻薬にでもしているのだろうが……その薬は何処に?」
「は、流石は勇者様治安維持か? 言うわけが――」
そっぽを向いた賊の頬へとナイフの柄が叩き付けられる。頬へと固い部位が当たったことに驚けばリュティスは表情を変えず「次は柄ではなく刃です」と囁いた。
「な……」
「優しいご主人様とは違い、私は手段は選ばないので早めに話すことをオススメします」
賊が顔を上げれば、その背後でベネディクトは首を振った。愛らしいかんばせをして居るからと甘く見るなとでも勇者がそう告げた気がして賊は観念したように自身らのマーケットについての情報を洗い浚い話したのだった。
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緋石の獣は餌を失い狂暴化していたのだろう。其れの討伐を行わねば村へと被害が及ぶ可能性もある。
密猟者の行いが招いた事態と言えども獣にとっては『当たり前』の行いが出来なくなっただけに過ぎない。幾許かの申し訳なさを感じながらもリュティスとベネディクトは先程と同じように先頭を熟してゆく。
全てのオーダーをクリアして、後はシャルロッテへと報告する段階にまで至ればリュティスのかんばせにも僅かな疲労が滲んでいるようであった。
「リュティス、怪我は無いか」
囁くように問い掛けて、彼女の体を支えるベネディクトにリュティスは「問題ありません、御主人様」と素っ気なく返した。
「以前とは違いますから……」
「はは、そうか。……あの時とは、俺達も随分と様々な経験をしてきたからな」
あの日、賊に追われていたメイドの娘とは思えない。従者として戦場を経験したリュティスにこの様な問いかけは野暮だったかとベネディクトは微笑んだ。周囲の片付けを終えてから村人達にも危険が去ったことを伝えてやろう。
「村に寄ろうと思うが」と提案するベネディクトにリュティスは追従する。二人で馬に跨がりこの小道を進むのは二度目であろうか。
あの日、傷だらけであったのに。今は体の傷も出来る限り少なく過すことが出来るのは自身らが随分とこうした荒事になれてきたからなのかも知れない。
「勇者様!」
「ああ、勇者様のお帰りだ!」
村人の歓喜の声を受けてきょとんとした表情を浮かべたベネディクトはつい破顔した。不安げであった村人達も『勇者』の称号の前ではこれだけ微笑んでくれるのか。『キャラではない』と思いながらも民の笑顔を得ることが出来るのならば勇者も悪くはない。
「安心してくれ。密猟者は討伐しておいた。それに村まで降りてきそうな獣の処分も済んでいる。
……彼等には悪かったが、村の安全は何にも返られない。餌がしっかりと残っているならば、此れからも共存は出来るだろう」
「はい、勿論です。彼等と共に過ごすのが我らの勤めですから。勇者様……その、後ろの方は……もしかして……」
そうと覗いたリュティスのかんばせに村人は「あの時の!」と楽しげに目を細めた。あの日、ベネディクトが助けた少女がこうして彼と戦いに赴いている。少女の無事と、自身らの為を思って闘ってくれた少女の献身に胸打たれたように村人はリュティスに感謝を告げた。
「……いいえ、私はご主人様の願いを遂行しただけですから」
「いいえ、それでも我々のためを思って下さったのだから、有難うございます」
あの日のご恩を返したい。そんな想いを抱えた少女がその華奢な体で囮を買って出たのだと。ベネディクトが告げれば村人達は感嘆したようにその声音を潤ませて。リュティスは何処か困ったような顔をしてから「何かあれば、また仰って下さいませ」と応えただけだった。
村人達に送り出されながら、馬を駆るベネディクトは王都を目指す。見上げるほどの王城に辿り着くまでは少し時間が掛るだろうか。
「しっかりと掴まってくれ」
「はい」
そっと腰へと腕を回せばベネディクトは馬蹄が蹴り上げた石の音を聞いていた。静寂のさざめきが、馬の風切る音だけで包まれる。
「リュティス」
名を呼ばれて、リュティスはそっと顔を上げた。その背中に「はい」と声を掛ければ、彼は振り向くことはない。
「俺がこの世界を訪れて、腐る事も無く此処まで歩み続けられたのは皆と、そしてリュティス。
……君のお陰だ、主人としてではなく俺個人の言葉として礼を言わせてくれ」
有難う、と。
先程の村人達から受け止めた言葉よりもずしりとした響きが敬愛する主人の背中から響く。
「勿体ないお言葉です。冥利につきます」
顔が見えなくとも、屹度感情は伝わるだろう。そもそも、普段より表情の変わらぬリュティスの機微をベネディクトは感じてくれているはずだ。
ふ、と小さく笑みを漏らすような気配がした。背中が僅かに揺れる。
広い背中だ。前は落ちないようにと支えられていたからだが、今は後ろに掴まっていろと言うだけの信頼に変わった。
其れが喜ばしくて――屹度、彼に出会わなければ宛などなく彷徨って居た自らを支えてくれる。
それはベネディクトとて同じだっただろう。屹度、一人きりであれば何処かで潰れてしまっていただろう。
「あぁ、今後とも宜しく頼む」
一度は掴み損ねた夢だった。
『彼にとっての』『俺にとっての』
得がたくも、確かな夢。自身を奮い立たせるその称号。
――そうか、俺は。騎士に、なれるのだな。
叙任式へと赴くベネディクトの背中に「はい」とリュティスは静かな声音で返して。
彼の踏み出す一歩、名を呼んでくれるフィッツバルディ公爵の声。幻想の騎士として踏み出したその道が――願わくば素晴らしき日々に繋がっているように。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お二人の素敵な世界を描くことが出来ましたら光栄です。
この度はリクエスト有難う御座いました。
貴方の夢が、素晴らしき未来へと繋がっておりますように。
GMコメント
リクエスト有難うございます。日下部あやめです。
●成功条件
・獣の討伐
・『村人のオーダー』の解決
上記二つの解決後、シャルロッテに報告して下さい。
●シチュエーション
ショートストーリー『景星を辿り』にてお二人が初めて出会った場所。
山麓地帯の森深き場所です。
獣の群が山を下り、餌を探しに村を目指してきているようです。
村人達から追加オーダーとして『獣が餌を失った理由』の排除を行って欲しいと告げられます。
本来ならば山の深くに存在する獣達の餌となる植物を賊が乱獲しているようなのです。
●エネミー
・緋石の獣 *10体
狼を思わせた紅色の眸の獣達です。それ程強くはありません。
噛み付くやひっかき攻撃を主として闘います。飢えており、餌をなくした獣達は非常に獰猛です。
シャルロッテの『試練』にしては容易すぎます――が、どうやらポイントは村人のオーダーにあるようです。
・密猟者 *5名
緋石の獣の餌となる『緋暮草』を乱獲している密猟者です。緋暮草は特殊な加工法を用いることで麻薬に変化するそうです。
高値で取引される為、森の奥深くで密猟者達は慎重に伐採しています。
ベネディクトさんは『勇者』として高名で有る為、その姿を見れば密猟者達は逃げ出してしまうでしょう。
リュティスさんであれば、女性であると彼等は甘く見て油断と隙を見せるのでは無いかと推測されます。
●叙任式
シャルロッテに無事に報告することでフィッツバルディ公から非公式に賜ることが出来るそうです。
形だけのものになるでしょう。それでも、貴方にとって大きな一歩になる事を願っています。
それでは貴方が為し得なかった目標を。
形は違えども、この世界で生きてゆく貴方が得たいと願ったものを。
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