シナリオ詳細
戦えゴーヤーマスク!
オープニング
●皆の笑顔を守る為!
「きゃああああああ!」
まだ日も高いうち、昼間から女性の絶叫が鉄帝の町に響く。
何が起こったというのか。機械の暴走か怪しげな実験生物でも逃げ出したか、単なる絶叫が趣味の女性か。
全部あり得る鉄帝クオリティではあるが、今回はちゃんと理由のある悲鳴だ。
あんまり大丈夫じゃない気もするが鉄帝だから仕方ない。
「ふははは! さあ、凄いだろうこだわりのもこもこコートだ! 各分野の職人が技術を結集した最高級品だぞ!」
「こんな夏に着るもんじゃないわよ近づけないで暑苦しい!」
「大丈夫だ俺は着込みまくって汗だくの人こそを美しく感じるんだ!」
「変態いいいいい!」
「さあさあ、これを着て俺と味噌煮込みうどんを食べよう!」
なんということか。こんな真夏に徹底的に着込んだ季節感完全無視の男が滅茶苦茶高そうなコートを手に女性に迫っている。
もうセクハラなのか常軌を逸した超変態なのか。なんとも判別のしがたい高度っぷりではある。
「そこまでだ!」
「ぬっ、何者!?」
着込み男の見上げた先。建物の屋根に不気味な男が立っていた。
ゴーヤーを模したと思われる仮面。ゴーヤーを模したと思われるアームガードにレッグガード。
緑の全身タイツっぽい服装。新手の変態であろうか?
「この暑い時期に女性に暑い格好をさせようとは、この変態め! 許すまじ!」
「くっ、自分の事を完全に棚に上げたその言い草! さては貴様!」
「変態の力をもって変態を制す! 故に我が変態は正義のメタモルフォーゼ!」
「おのれ! やはり貴様!」
「やっぱりゴーヤーは生のまま丸かじり! 貴様ら変態結社フェチーズの野望は俺が……このゴーヤーマスクが砕く!」
「変態が増えたあああああああ!」
「苦さは強さ! 思考を侵す強烈なエキスが……俺をエキサイトさせてくれるんだ!」
鉄帝は今日もいつも通りである。
いつも通り過ぎて、依頼の種が消える事はない。
●本当に笑顔を守る気があるのかな
「依頼なのです。変態が出たです」
『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)が、遠い目をしながら語りだす。
隣に立っているのは、なんだか爽やかな金髪碧眼の青年だ。
キラッと光る白い歯にチーサがイラッとした表情を見せている。
「こっちは依頼人のゴウ・ヤーさんなのです」
「よろしくな!」
サムズアップをきめるゴウは爽やかそのものといった風だが……ポケットにねじこまれているゴーヤーは何なのか。
背後に置いてあるちょっと大きめの荷物は何なのか。
「じゃあ、顔合わせも済んだのでどっか行くです」
「ええ、俺依頼人なんだけど」
「どっか行かないならテメエを三枚おろしにするです」
「怖ぇ……」
見事な引き際で消えていくゴウを見送ると、チーサは大きな溜息をつく。
「最近町に出没する変態……通称『超変人・着込み男』を倒してほしいのです」
組織化された変態ほど厄介なものはない。
好みの女性を着込ませて熱々のご飯を奢りたがる、夏場には大迷惑な変態である。
しかもそこから何をするわけでもなく、結果的には女性に高級品や美味しいご飯を貢ぎたがる類の男であるため、治安組織も微妙に検挙し難いのだという。
「……どうもゴーヤーマスクとかいう別ベクトルの変態とやりあってるみてーですが」
ゴウが消えた方向をチラッと見ながら、チーサは説明を続ける。
「その際、部下を繰り出してきてるのを確認してるです」
おまけに形勢不利と見るや否や逃げ出す為、倒して捕まえるのは相当面倒になるだろう。
「しっかり捕まえてくるですよ……厚着の方を」
ゴーヤーマスクを微妙に擁護しつつ、話を締めくくるのだった。
- 戦えゴーヤーマスク!完了
- GM名天野ハザマ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年08月06日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談4日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●変態には変態をぶつけろ
今、町を騒がす変態……超変人・着込み男。
それを倒すために立ち上がった者達がいた。
「ゴーヤーマスク……一体どんなヒーローなんだ?」
『わもきち』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)もまた、その1人だ。
「同じ正義のヒーロー(自称)として負けてらんねーな! それじゃあ早速変態怪人を探しにパトロールにいくぜいくぜー!」
何処かで着込み男は騒ぎを起こしているはず。そう思うからこそ、ワモンは人助けセンサーを使った。
そして、導かれた先は……。
「ハンモのフェチは「男フェチ」! 対象はハンモがティンって来たらオールオッケー! 種族とか関係ないぞ☆ 奥手な男を〇〇で一皮むいてあげたり傲慢な男を〇〇が〇〇〇〇になるまでめちゃくちゃしたり〇〇〇〇をあらゆる手で〇〇するのがたまらなく興奮するね!!」
真昼間の『甘いくちどけ』金枝 繁茂(p3p008917)の突然の宣言に周囲の人々がざわめく。
何事だ。
あれはまさか。
そんな声が人々から漏れている。
「ちなみに〇と〇が〇〇〇〇〇る必要はなくて、〇〇でも大丈夫! 後は〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇、〇〇、〇〇〇、うーんその他いっぱい!! ハンモに技術力があれば色々やりたいことはあるけど出来たらそのうちって感じ!」
誰かがヒィ、と息をのむ声が聞こえる。
高度だ。超上級者だ。なんだかもうオーラのようなものが見えるような気すらする。
前もって言っておけば、これは着込み男を呼び寄せる為の作戦だ。作戦なのだ。そして。
「つまりはかわいい男をかわいがりたいって事☆」
トドメのウインクが、文字通りにトドメを刺した。
「へ、変態だ―!」
「超変人だ!」
「新手の超変人が出たぞー!」
「うわー! かわいがられるー!」
逃げていく民衆。そしてそこに敢然と立ち向かう影1つ。
「そこまでだぜ! 悪はおおむね許さない! 好きな魚介類はイカとアジ! 正義のヒーローとっかり仮面ただいま参上だぜ!」
「え?」
「お?」
繁茂とワモンの視線が合う。思わず見つめあう2人。
ぶつかり合う視線から恋が……とか、そういうことは微塵もなく。
流石の着込み男にもレベルが高すぎたのか、寄ってくることはなかった。
そして鉄帝では今日この日……新たな超変人・男フェチの噂が流れるようになったという。
●鉄帝の中心でフェチを叫ぶ
ハンモが伝説を生んでいるのとは別の場所では『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)が路上に立っていた。
「聞きなさい、アタシの名はコルネリア=フライフォーゲル!」
堂々とした名乗り口上に、道行く人々が何事かと振り返る。
「フェチは髪の色……白髪、銀髪、灰髪なんだけど、ただ髪の色が該当すれば良いという訳ではないの。褐色の肌……焼けた小麦肌でもいいわよ、ここに銀髪の組み合わせ。わかる? 色差でどちらも映えるのだけれど、風で靡いて流れる髪に健康的な褐色肌、男は筋肉ついたガッチリ体格もいいし、女ならしなやかな柔らかい体幹が肉食動物めいた野生の魅力が溢れるのよね」
一体昼間から何を言っているのか。そんな空気になる中、一部の女性から「分かる」という声が漏れ始める。
「着込むのもたしかに良い、わかるわ、着衣によって布越しに感じる肌、浮き出た筋肉。更に着込めばもこもこの可愛さも出せる。素晴らしいことよ? ただ聞いて欲しいのは、着込む良さの裏で、ちらりと覗かせる肌の露出も悪くないと思うの。普段はガチガチに着込んで隙もない人が、何かの拍子で胸がちらりとか、首、鎖骨を覗かせた時って最高にセクシーじゃない? ただ脱げば良いというわけでは無い。ハプニングがスパイスとなっているのかしら。ともかく褐色銀髪は最高ってわけよ!」
グッと拳を握るコルネリアに僅かながら拍手が巻き起こり……なんかつられた人々が拍手をしていく。
そして……その中から、1人進み出てくる男が1人。
「素晴らしい……素晴らしいよ君。俺は感動した。自分のフェチを存分に語りながら俺へのアピールも忘れないその心意気。もしかして俺のファンかい?」
「アンタは?」
「俺かい? 俺は……」
男の姿が、一瞬にして着込んだ暑苦しいものへと変わっていく。それは文字通りに変身しているかのような早業で。
「俺は変態結社フェチーズの超変人・着込み男! そして俺は今日、翼を得て羽ばたく! さあハニー、共にはばたへぶう!」
とりあえずハニー呼ばわりされたので一撃いれておくと、コルネリアは叫ぶ。
「助けてぇぇー! ゴォォォヤマスクゥゥゥゥ‼」
「若干乙女と呼ぶかは議論を呼べど! 乙女の声に応えるは正義の宿命!」
なんか余計な台詞が混ざった気がしつつも、高い場所から聞こえてくる声。
「な、何者だ!」
「変態の力をもって変態を制す! 故に我が変態は正義のメタモルフォーゼ!」
「その向上……また貴様か!」
「やっぱりゴーヤーは生のまま丸かじり! 貴様ら変態結社フェチーズの野望は俺が……このゴーヤーマスクが砕く!」
「若干……議論……?」
「いくぞ、とう!」
「おーのれおのれ! ヘンタイン、でませい!」
「イィー!」
全身黒タイツの戦闘員……ヘンタイン達が現れ、ゴーヤーマスクへと襲い掛かる。
「鉄帝の苦味を噛み締めたヒーロー、ゴーヤーマスク様ですわーーー!!」
民衆に混ざっていた『青白い令嬢』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)のそんな黄色い声が上がり、着込み男の「ぐう!」という声が上がる。
「おのれ、正義ぶってるだけでファンが!? お嬢さん、こっちのフェチの方が甘いですよ!」
呼びかけられて、シャルロッテは薄い笑みを浮かべる。
「服を着込ませ汗だくにさせるなんて、非常に『素敵』な性癖の持ち主ですわね」
「そうでしょうそうでしょう! ハニーのいる身で不実とは思いますが、着込んでみませふぶあっ」
「ハニー呼びを定着させようとしてんじゃねえぞゴラァ!」
再びコルネリアに殴られつつもコートを差し出してくる着込み男に、シャルロッテはやんわりと拒絶を示す。
「ですが無理強いはいけませんわ。女性に無理矢理はギルティ、断罪でしてよ! そんな極悪人には、正義の鉄拳制裁ですわーーーー‼」
「馬鹿な、この圧は……お嬢さん、君もまた……!」
「うふふ! この巨躯を、服越しからでも分かる溢れんばかりの肉体を着込ませられるでしょうか。さあさあさあッ! 変態技術の見せ所でしてよ‼」
ムチッ!ムチッ! と。そんな音が聞こえそうなほどのサイドチェスト。
ちょっとマトモそうだったのにやっぱり新手の変態が出た。その事実に人々の悲鳴があがり……。
「くらえ! リコシェット・フルバースト!」
「イィー!」
現着したワモンの攻撃がヘンタインを弾き飛ばしていく。
「む、これはいかん! ハニーよ、同志候補よ! また会おう!」
凄まじい勢いで逃走していく着込み男の速度は本気で凄まじく……ほぼ一瞬でその場から消えてしまっていた。
「まてー! にがさねーぜー! オイラのスピードから逃げられると思うなよー! ゴーヤーマスク! オイラに乗ってけー! アザラシ特急でやつを追いかけるぞー!」
「いや待て」
「ひえっ」
怒りのオーラを漂わせるコルネリアに掴まれ、ワモンは思わずそんな声をあげる。
「アタシを乗せてけ。ハニー呼ばわりは絶対撤回させる」
「そ、そうだな!」
そうして着込み男を追っていく2人を見送り……ゴーヤーマスクは訳知り顔で頷く。
「これが愛……か」
「あ、サ、サインくださいません? よ、よろしければ握手も……」
「いいとも! これからもゴーヤーをよろしくな!」
なんだか微妙にほんわかした雰囲気がそこに残ったが……それはさておこう。
●スーパー変態大戦
「俺はやっぱり声や音が好きだな。例えば、歌う人の伸びやかな声がすごく好き。ただ叫ぶんじゃなくて、息を余さず変換して空間に響かせる歌声。最高に美しい。俺もそういう歌声を出せるように練習したいよ。他にも、息遣いがわかる囁きは溶けそうなほど優しく感じるし、ふとしたときに声色が変わるのも怖いくらい惹かれる。舌と唇と口の形が作る発音さえも意識してしまうね」
「そういうのとは違うかもだけど、私はヴァリューシャフェチかなぁ!! あの子は本当に天使みたいな子でね!! 優しいし、可愛いし、美人さんだし……たまに酒瓶で人の頭をかち割ったり、虹を空に架けてしまったり、店を破壊したりするけど最高なんだ……」
自分のフェチについて言い合う『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)と『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)だが……ちょっとわかる範囲だったのか周囲から「なるほどなあ」という声が聞こえてくる。「その子も愛されて幸せねえ」などという声も聞こえてくるあたり、マリアの主張もしっかり理解されているらしい。
しかし、まだ着込み男は出てこない。
足りないのか。何が足りないというのか。もっと愛を叫ぶべきか。そんな事を考えるマリアの方に、『テント設営師』フォルトゥナリア・ヴェルーリア(p3p009512)が任せてと言わんばかりに手を置く。
「重甲冑を炎天下で着て力一杯演説すれば、モコモコの服を着たり、熱い物を食べなくても汗だくになる。蒸れる。そして適宜兜を脱ぐことで汗と蒸れ感を演出できるんだよ。コートだと顔までは覆えないから、この時点で私の"勝ち"なんだよな。ほら、反論があるなら出てこないと私の勝ちだよ。出てきて討論しようよ! 着込み男さん!」
ほんわかしていた雰囲気がフォルトゥナリアの演説によって一気に変わる。
一見して愛嬌があり可愛らしく見えるフォルトゥナリアの、「分かっている」フェチ論。
上級者そのものな演説にイズマとマリアすら冷や汗を流す。
「これが……フェチ……?」
「凄い。私もヴァリューシャにそういう点を見つけていかないといけないってこと……?」
戦慄するイズマとマリア……そして、こんなタイミングでフォルトゥナリアのギフトたる「ホープ」の影響を受けた何人かの人達が涙を流しながら頷いている。
「そうだよな。俺達も、もっと前向きにフェチってもいいよな」
「ああ。もっと正直に生きよう……」
なんだかちょっと後に引けなくなっている状況の中、パチパチと拍手の音が響く。
群衆の中から進み出たのは……超変人・着込み男だ!
「ブラボー……なんたる事。重甲冑。確かにそのフェチは私と近しいものがある! そんな可愛い顔してそんな上級者とは恐れ入る! 分かるぞ! 君は……蒸れ匂いフェチだな!? 兜を脱ぐというワードでピンと来たぞ!」
「蒸れ匂いフェチ……」
「すげえな、なんか分からないけどすげえって事は分かるぜ……」
「あれが変態ってことか……!」
「え、ちょっと待って!?」
何やら変態頂上決戦っぽい雰囲気の出てきたこの場に反抗するべくフォルトゥナリアは声をあげるが、誰も……イズマやマリアですら聞いてはいない。
「しかし新たなる超変人・蒸れ匂いフェチ女よ! 君は分かっていない! 着込んだ暑さにより変わりゆく女性の美しさを! その変化の「妙」は常にリアルタイム! 故に顔を覆ってしまうのは美しさを損なうと俺は考える!」
「ちょっと! 性癖だけじゃなくてそんな称号まで押し売りする気!? そういうの良くない! 本当に良くないよ⁉」
「照れるな同志よ! さあ、もっと討論しよう!」
「大体ねー! 着込みまくって汗だくの人こそを美しく感じる。まあそういう性癖自体はわからなくないよ⁉ 戦闘後の汗だくで疲れているけれど、元気に見せるその姿とかとても良いと思うし、そういう状況を着込んで熱々の物を食べれば平和的に生み出せる。意外に革命とすら言えるのかもしれないね。けど!」
「流石よく分かっている!」
「けど、人に強制的に着せるのは違うよね。ちゃんと許可を取ってやった方が良いと思うよ⁉」
「うむ? うむ……しかし私は『敵』以外に強制的に着せた事はないぞ?」
「え? そうなの?」
フォルトゥナリアは、思わず「見」の体制に入っているイズマとマリアを振り返る。
というか、何気に遠巻きに他人面をしている2人には後で話が必要かもしれない。
「着込ませるなら、俺はその服で動いたときの衣擦れの音が魅力的だと思うよ」
「うわあ……」
「あ、ちょっと待ってくれ。固まり過ぎずある程度距離をとるっていうのは聞いてたけど、今そこで距離をとるのは違うと思う」
「んー? ちょっと考えてみようかな?」
「何をだ!?」
「今後会った時の付き合い方とか……」
何やら揉めてしまう2人から視線を戻し、フォルトゥナリアは考える。
そういえば確かに「強制的に着込ませる技を使う」とは聞いていたが、女性にその技を使うとは聞いていなかった、ような?
「そこまでです!」
しかし、響く声がその思考を中断させる。
「ぬう、何者!?」
「私はウィズィ ニャ ラァム!」
『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)は叫ぶと、ビシッと決めポーズをとる。
これはもう今日のお約束だから仕方ない。
ウィズィはそういう空気が読める子だ。
「これはお仕事! 故に……しょうがないので、私のフェチについて軽く語ります!」
そう、そこに居たのはウィズィ。そして、この場で姿を現したのには理由がある。
ここまで追いかけてきていて、ウィズィは着込み男の「性質」に気付いていた。
フェチがどうこうと、そういう話題に着込み男は弱い。凄く弱い。
だからこそ、呼び寄せるだけではなく引き留めたいときにも「フェチ話」は効く。
それを理解しているからこそ、ウィズィはこの最高のタイミングで「出た」のだ。
そして放たれる。ウィズィの抱える闇……もといフェチ話が。
「私の抱えてるフェチといえばやはり筋肉質な女子最高っていうのがありますね、かなりガチムチ系な筋肉でも逞しさを感じられてそれはそれで好きなんですが私の好みのピンポイントはスラリとした美しく女性らしいプロポーションを保つために引き締めたような細身の筋肉質、腹筋など浮きつつも決して肥大化した筋肉ではなく健康的な体型であることがやはり魅力に感じます、どう?って自信満々にカラダ見せびらかすポーズされたらもう堪んないですよね、ちなみに私の推し筋は前鋸筋です前鋸筋ってわかりますかね側胸部というか腋の下あたりに見られる肋骨についている筋肉ですが、私はこれが横乳見えるより素敵なエッチさを感じるんですよね何故か、ところで私が筋肉娘にときめきを感じるようになったのは忘れもしない17歳の頃に出会ったとある素敵なお姉様の完璧な肉体美に惚れてしまったからなんですね、私もそれ以来その方の美貌に近付きたくてついには自分でも筋トレ始めてそうして長い時間を掛けて私もこの身体を作ってきたわけです、分かりますかつまり私は私自身のフェチのために自らの身体を魅惑のハイパードスケベボディに作り変えてきたわけですね、これを貴方はニワカだとか言いますか? 言いませんよね、まぁざっくり簡単にですが私の抱えている筋肉娘フェチについてお話させて頂きました」
凄まじい勢いで放たれるトークにその場の全員が固まり……ウィズィの吐き出した闇の塊のようなトークを理解しようと一言ずつかみ砕いて……やがて、着込み男以外のほぼ全員が叫ぶ。
「へ、変態だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「お姉さまああああ!」
「どうなってんだ今日は! 変態の数が多すぎるぞ!?」
「おお、ブラボー! ブラボー! 君こそ超変人・筋肉女だ!」
感動のあまり泣いている着込み男だったが……その顔面に、コルネリアの拳が叩きこまれる。
三回転くらいしながら飛んでいく着込み男は、こうして見事に捕縛され……。
ついでに繁茂も捕縛されていた。
こうして鉄帝の町を騒がした着込み男事件は解決したのである。
めでたいかは分からないが……ともかくめでたし、めでたしと言える結末であっただろう。
しかし、忘れてはいけない。
今日この日、超変人・男フェチや超変人・蒸れ匂いフェチ女、超変人・筋肉女といった新たな怪人が出現したことを。
ゆけ、ゴーヤーマスク。戦え、ゴーヤーマスク。
変態結社フェチーズの野望を打ち砕く、その日まで!
成否
大成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
コングラチュレーション!
皆様の素晴らしいフェチの発露に、全力で応えさせて頂きました。
それではまた、次のお話にて!
GMコメント
超変人・着込み男を倒しましょう。
不利と見るやあらゆる手段を使い全力逃亡します。
逃げてもまたすぐに騒ぎを起こすので、追うのは全く難しくないでしょう。
もしおびき寄せたい場合は、自分のフェチポイントを赤裸々に語ると良いかもしれません。
たぶん「俺には分かるぜ」か「このニワカが」的な顔して近づいてきます。
なお着込み男は着込ませる事を技に昇格し着込ませることによる束縛技や防御、熱波攻撃などを仕掛けてきます。
戦闘になると戦闘員として黒タイツの「ヘンタイン」を複数けしかけてきます。
掛け声は「イィー!」です。殴っても殴られても喜びます。
なお、何処かから一定確率でゴーヤーマスクが現れ味方として加勢してくれます。
ゴーヤーパンチにゴーヤーキック、ゴーヤーチョップが主な技です。
一体何者なんだゴーヤーマスク……
□付近のスポット情報
一般的なデートスポットです。普通の性癖の男女がウロウロしてます。
昼間ですしね。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
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