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シナリオ詳細

ダイエットしないと出られない島 ~バトルロワイヤル~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●年齢は肉をつける
 驚愕。
 それが祭司長クレマァダ=コン=モスカ (p3p008547)の浮かべた表情のすべてであった。
 大きく目を見開き、荒くなった呼吸を整えようと必死に喉が空気を吸い込み、背中に氷の刃が刺さったかのような感覚を拭うべく自らの二の腕をそれぞれの手で掴む。その感触に、再びびくりと肩をふるわせた。
 彼女が眼下ににらみつけるそれの名は――『体重計』という。

「う゛ぁう゛ぇう゛ぁいえっう゛ぉるるう゛ぉああああ!」
 砂浜にうつ伏せになって両手両足をじたばたさせて叫ぶ祭司長がそこにいた。
「む゙ぅー! む゙ぅー! む゙ぅーーーーー!」
 そのまた横では両手両足を縛られ口にガムテされたコルネリア=フライフォーゲル (p3p009315)が陸に上がった魚のごとくびちびちしていた。
 ちなみに二人とも今年手に入れたおニューの水着姿である。
「これは……一体……」
 仲間に連れられてやってきた小金井・正純 (p3p008000)が顔を蒼くする一方、リア・クォーツ (p3p004937)がそっと自らの腹に手を当てた。
「追い詰められたダイエッターの末路よ……」

●ダイエットしないと出られない島
 人間は太る生き物である。
 原始人の食生活とか本能的にたくわえる皮下脂肪とか気温適応とかそういうのをすっとばして、太らない人間はそうそういない。
 まして、ローレット・イレギュラーズになったことでそれまでの生活環境を変え、自由にもしくは裕福になった人々はその変化が肉体へと現れるもの。具体的にどう現れるのかは心が傷つくので言わないでお――
「下腹についた贅肉がズボンのウエストを圧迫しワンサイズ上げることを余儀なくし、二の腕のぷにぷにが日に日に増す感覚に襲われるだけでなくお風呂で一歩あるくと脚の肉がぷるんとすることに気付く。試しにつまんでみれば大きく皺の寄った脂肪分が色気とは一切逆を行くたるみとして現れていることに気付くのよ。いっそ裸体で鏡の前に立てばその恐怖は確かなものとして――」
「やめろおおおおおおお!!!!」
 メガホン片手に全部言っちゃったコルネリアにコンモスパンチが炸裂した。
「ククク……アタシは悪」
 ニヤリと笑うコルネリアと、同じダメージを受けて膝から崩れ落ちてるリアと正純。
 リアは両手で顔を覆った。
「忘れてたわ……!
 水着コンテストの結果次第では(もしくは日常的に)脱がされるということは身体の肉を見られるということ!
 油断(たるみ)があればそれを衆目に晒されるということ!」
「あああああやめてくださいそれ以上言わないで!」
 両手で耳をおさえてアーって叫ぶ正純。
「最近ROOでずんちゃかしてたせいで動きが鈍っておったのかもしれん……それにストレスがあるとつい食べてしまう癖も相まって、気付けば体重が……」
「あああああああああ聞こえない聞こえない! なにも聞こえません!」
 ぶんぶん首を振る正純の眼前に、『コレステロール』と書かれた紙をスッと掲げるコルネリア。今日は一段と悪だった。
「じゃから……」
 倒れた姿勢からむくりと立ち上がるクレマァダ。
 手にしていた謎のスイッチを、ぽちりと親指で押し込んだ。
「この、『ダイエットしないと出られない島』に全員で閉じこもるのじゃ!」
「MITIZURE!?」
 コルネリアがギャーンって効果音と共に振り返った。

GMコメント

 水着ピン。それは肌色が乱舞する世界。
 しかしそこに肌色を刻みイイネされるには、その肌色がよき肌色である必要がある。
 もし油断とたるみに墜ちていたなら、それは地獄の業火に身をさらすことと同義。
 痩せねばならない!
 痩せねばならない!
 なんとしてでも!
 痩せねばならないのだ!

●ルール
 この島はダイエットしかみさま(知らんひと)があたえた目標体重(体型)まで達しないと島から出ることができない恐怖の島です。イラスト的にはシュッとしてる皆さんですが、心の目でしか見えないたるみがあるのです。きっとどこかに。
 ですがここにはちょっとした仕掛けがあります。
 『みんなに比べて』スリムアップができた者から脱出できる仕組みなのです。
 つまり。

 ――ダイエットバトルロワイヤル!

 運動し食事を制限し、時に相手を甘美なる誘惑で体重を増やさせる地獄のバトルがここに開幕するのであります。

※ごちゅうい
 今回はダイエットバトルロワイヤルを神の視点からお楽しみいただくため、手軽に体重や体型を操作できるスキルないしギフトは無効とします。正々堂々一緒に汗を流しましょう! そして仲間を陥れましょう!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • ダイエットしないと出られない島 ~バトルロワイヤル~完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年08月12日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
リア・クォーツ(p3p004937)
願いの先
※参加確定済み※
ゼファー(p3p007625)
祝福の風
小金井・正純(p3p008000)
ただの女
※参加確定済み※
ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)
異世界転移魔王
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃
クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)
海淵の祭司
※参加確定済み※
コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)
慈悪の天秤
※参加確定済み※

リプレイ

●嘘字幕動画をご想像ください
 浜辺で一列に並び、きをつけの姿勢をとる水着の男女。
 その前を特徴的な帽子を被った『願いの先』リア・クォーツ(p3p004937)が左手を腰の後ろにあて、右手をぶらりとさげた姿勢で歩いて行く。
「私がダイエット専属コーチ、クォーツマン軍曹である。今から貴様らにはダイエットによって贅肉をとってやろう。わかったらケツにサーとつけるかもしくは出せ。わかったか公約宣言野郎!」
「「サー……」」
「声が小さい! デカいのは肌色ピンにしたときの乳と尻だけか? 贅肉ダイエッター!」
「「サーイエッサー!」」
「貴様ら贅肉ダイエッターが私のダイエットに耐えることが出来たらいつでも肌色ピンを作れるダイエッターだ。リクしていいぞ。
 だがそれまでお前等は肉以下の価値だ。Tシャツの下を縛ってへそを出すことすらできない。ミニスカート全身図すら同様だ、作れない」
 ゆっくりとターンし、振り返る。
「私くらいになれば一日で痩せきりすま絵師の水着全身図が作れる。だが貴様らは八人集まっても烏合の衆でしかない。私のダイエットは厳しいが貴様らは全員平等に扱う。
 食べ過ぎ、運動不足、炭水化物祭り……。
 これは誰もが通る道だ。最初から痩せている奴などいない。
 そこのカエルシスター、名前を言って見ろ」
 立ち止まり、水着シスターの前に立って顔を近づけた。
「コルネリアであります、サー!」
「このAKUめ! 初出表記になってないぞ! どうせケロネリアと書かれすぎたんだろう!」
「『慈悪の天秤』コルネリア=フライフォーゲル(p3p009315)であります、サー!」

「あれは何をやってるんだ?」
 ひとり黙々とスクワットしていたビキニパンツ(赤)一丁の『仁義桜紋』亘理 義弘(p3p000398)。背負った刺青がすんごい有様になっていたが、このくらいで驚くイレギュラーズはいない。少なくともここには。
 同じくビキニパンツ(黒)一丁で腕立て伏せをしていた『黒狼の勇者』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)が体を起こして振り返る。
「嘘字幕ごっこだそうだ。彼女たちなりに気合いを入れてるんだろう」

「野郎共! 私達の特技はなんだ!」
「「水着! 肌色! 公約!」」
「このダイエットの目的はなんだ!」
「「水着! 肌色! 公約!」」
「好きな人の前で水着をさらせるか! ピンをつくれるか!」
「「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」」

 盛り上がりすぎてキャラを忘れつつある『星の救済』小金井・正純(p3p008000)や『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)。確かすごい不幸せな設定があったはずだが今はみな肌色ピンを待つ身の者たち。
 心はある意味ひとつだった。
「依頼がかさんで大変だったり心が死ぬタイプの仕事が多いときはつい家で食い溜めをしてしまって……実家(?)から届く米が多すぎるせいなんです……」
 両手で顔を覆う正純の肩を、クレマァダがぽんと叩いた。
「ローレットが幻想にあるのが悪い。ふぃっしゅあんどちっぷすが脂っこいのが悪い……。いぎりすみたいな雰囲気してるくせに普通にピザもハンバーガーもあるのが悪い! 水着コンテストに向けて絞ったが、終わった途端リバウンドが……!」
 クレマァダもなぐさめるとみせかけて自分の顔も覆った。
「あんたらはいいわよ。30を越えるとキツいわよ……」
 どこか遠くを見るコルネリアに、『異世界転移魔王』ルーチェ=B=アッロガーンス(p3p008156)がただただ無言で振り返る。
「たしか今回の趣旨は……体重を減らさないと出られない空間に閉じ込められたんだったな?」
 答えを求めるようにもっかい振り返ってみると、『薔薇の名前』ゼファー(p3p007625)が腕組みをして頷いた。
「適度な運動に適切な食事。
 整った生活習慣、そして油断と慢心をしない心。
 此の何れかが欠けた時、人の体は堕落していくわ。
 つまり此処に集まったのは堕落した『敗北者』ばかりってワケね!」
「「敗北者ァ!?」」
 クワッてなった女たちをよそに、ゼファーは額にトンと自分の指を立てる。
 そして急に劇画調になって振り返った。
「そうよ――油断してご飯を大盛りにしたり夜中に炭水化物をむさぼったりポテチ一袋をついついあけちゃったりしたんでしょう私を含めたおまえらー!!」
「「ウヴッ」」
 胸を押さえて歯を食いしばる女達。
 その様子をただ腕組みして見つめる男達。
 そんな中で、コルネリアはうつむきながらも邪悪な笑みを浮かべていた。
(体重を落とした者から出て行ける島。これは共同ダイエットにみせかけたバトルロワイヤル。以下に皆より早く体重を落とすかが鍵になる……)
 クククと喉から笑い声を漏らし、やがてフフフフフと邪悪な笑い声を浮かべながら額に手をあて、空をそぎ笑い出す。
「ふぁーーはっはっはっ!!!!! 自分も痩せつつ他を陥れればアタシの首位突破は容易い!! なんというAKU!」
 って言ってるそばからみんなはもうはるか遠くをマラソンしていた。
「ああっ!? もう始めてる!?」
 待てぇや! と言いながら両手をパーにしてダッシュするコルネリア。
 さあ、俺たちの夏が始まるぜ!

●汗に何かを見いだせる年齢
「兎にも角にも、島から抜け出す為には不養生は禁止という事か。折角だからポメ太郎も連れて来てやれば良かったな」
 スポーツドリンクのペットボルを外し、頭にかぶったスポーツタオルを首へとかけるベネディクト。
「まずはこの島の状況を確認しなくてはな。食べられる草や魚などがあれば――」
 て言ってうしろを振り返ると、めちゃ並んだ長机にカレーライス食べ放題の看板が立っていた。そう言う店でしか見ないようなでかい炊飯器と寸胴鍋。隣には大皿にのったミートボールとナポリタン。その隣ではピラミッド詰みされたたこ焼きが湯気をたて、そのひとつをコルネリアがゆびでつまんでいた。
「あつ、あつっ」
 ふーふーしてから囓り、ほふほふしている。
「知ってる? たこ焼きは……地球なのよ」
「なんだって?」
 中央はマントル、みたいなことを言いたいらしいコルネリアについ聞き返してしまうのは人のサガか、それとも運命か。
 スクワットを終え、胸元をながれるたまのあせを手ぬぐいで拭う義弘。
 それを豪快に肩へパァンとかけると、ベネディクトの横に並んだ。
「ベネディクト。沖で遠泳しようぜ。できれば休める日陰もあればいいが……」
 といってちらっと義弘が振り返ると、運動会でしか見たことねーでっかいテントの下にビーチチェアが並び、ソフトクリームメーカーとシェイクメーカーが横に並んでいた。
 サングラスをした正純がチェアに腰掛け、脚を左右組み替えながらゼファーから受け取ったソフトクリームに舌をのばす。
「知ってますか? ソフトクリームに使われる生乳は一定以上の固形バランスと甘さのバランスをとるためグラニュー糖などの糖類が多く含まれています。そしてなめらかな食感を維持するために水飴が使われることも多いようです。牛乳である以前に砂糖なのです」
 ビーチチェアに横座りになったゼファーが舌をぺろりと出して、舌先を指さす。
「人は詰めたいものから甘みを感じづらいわ。だから冷製スイーツは基本的に通常よりおおくの加糖が行われるのよ」
 ホウ、とつぶやくベネディクト。
「なるほどためになる」
「言ってる場合か」
 はやくとめろ、と義弘がベネディクトの肩を掴んだ。

 ――しばらく男女がめちゃ走ったり泳いだりするさまをご覧ください。
 ――約数時間にわたって行われる運動は過酷なわりに絵が弱いため各自の胸元やキリッとした目元やきらめく海にうかぶシルエットとかだけをお送りしております。

「ぐふう!?」
 ルーチェが顔から砂浜にぶっ倒れた。
「大丈夫か! 水だぞ!」
 駆け寄るクレマァダ。しゅわしゅわしたコーラをそっと差し出すと、ルーチェはニヤリと笑ってそれを突っ返した。
「くくく、確かに協力関係ではある。だが今の状況はいわば"バトルロワイアル"……。強き者こそ理想的な肉体を手に入れ、この島から脱出できるのだ。悪く思うなよ」
 ニヤリと笑うと、ルーチェは『減量』と書かれたハチマキをして走り出した。
「魔獣狩ってくる!」

 魔獣狩りは絶好のダイエット。いま主婦の間でも大人気!(嘘)
 今日も無人島ではイマドキのぴちぴちギャル(古代精霊語)たちがダイエットのために魔獣狩りにいそしんでいた。
「あちこち動いてカロリー消費!
 からの! 肉を捌く重労働!
 カロリー消費チェックヨシ!」
 ソラァ! つって槍を投擲するゼファー。突き刺さったタイラントオニギリはグハアつって胸の槍をおさえ、正純はなめ撮りのエフェクトを加えながら構えた弓から鋼鉄の一矢を放った。轟音をたてながら放たれた矢は木の幹中央を穿ち大穴をあけ倒壊させると、そのむこうのタイラントオニギリの具をぶち抜いた。
「コルネリアさん、今です!」
「任せなさい」
 はずむ胸の谷間から飛び上がった銃弾。解放されたリボルバー弾倉。身をひねりスピンすることですべての弾倉に弾を込めたコルネリアは手首を返すアクションひとつで弾倉をおさめ、タイラントオニギリの脚だけを狙い撃ちにした。
「IMADA!」
 まだ軍曹の帽子を被っていたリアが剥ぎ取りナイフをむきだしの膝ホルスターから抜くと走り出した。
「今のあたしはクォーツマン軍曹! ダイエットの鬼! 狩猟で手に入れた肉は最高のダイエット食だと本にも書いてあった!」
 そんなリアに対して、コルネリアは『I♥AKU』て書かれたロープを引っ張った。
 ぴーんとはられたロープにひっかかりリアと一緒に一斉に転倒する女達。
「クククハーッッハッハッハ! 獲物はいただいたわ! 食事もできず疲弊しダイエットどころじゃなくなるでしょうねぇ! ハーーーッハッハッハ!」
 タイラントオニギリを掴んで頭の上に抱えると、コルネリアがダッシュで逃げ去っていった。

 一方こちらは遠泳組。
「他人の足を引っ張っても面白くねぇからよ、お互いに励ましながら、クリアできるように頑張らないとな」
「競い合いも、時には良いモチベーションに繋がるからな。ゴールはどのあたりにする?」
「あの岩でどうだ」
「いいだろう」
 バッとバタフライの動きで上半真を水面から飛び出させるベネディクト。
 スローで飛び散っていく水と厚い胸板。水に濡れた髪は爽やかに暴れ、その横を力強いクロール姿勢によって義弘が腕を伸ばす。丸太のように力強く固い腕が水を突き抜け、鋭い視線が前方を睨む。
 燃え上がるよにすら見えるオーラが彼の刺青もとい背筋の躍動と共に見る者の目を引きつける。
「甘いわ! コン=モスカをなめるなよ!」
 ドルフィンキックだけで水の深いところをぐいぐい突き進むのは白ビキニのクレマァダである。
 水面を抜けた独特の光がクレマァダの白い肌をなでるようにはしり、海底へと更に潜ったクレマァダは数匹の魚を捕まえて岩場へと飛び出した。
「とったのじゃーーーーーー!」
 クレマァダの手際は早い。
 魚をすげー速さでさばき、あるものは丸焼きに、あるものは刺身に変えていく。
「魚は身も油も良質じゃ。自然に体に馴染む。アナゴにスズキに、あと……あ、これはバラムツじゃ。これはやめ――」
「AKUストラッシュ!」
 木の棒を逆手に持ってズアァて斬り付けたコルネリアは、クレマァダの作った魚料理を奪い取ってすべて頬張った。
 リスみてーな口になると、秒で飲みこむ。
「獲物はいただいたわ! 食事もできず疲弊し以下略!」
 トゥつって海へ飛び込み逃げるコルネリア。
 後からざぱぁってあがってきたベネディクトと義弘が、二人して片手で濡れた前髪をかきあげた。八月のカレンダーポスターにしたい。
「今のは?」
「このあと食べようと思っておった魚なんじゃが……バラムツあったのう」
「バラムツ……」
 義弘は知っていた。かつて再現性東京の闇寿司屋に迷い込んだ際に遭遇した黒人寿司職人が握ったそれは非常に油ののった深海魚である。体組織油分の殆どが人体で消化不能な蝋でできており、すごい端的に言うと食後おしりがたいへんなことになるのだ。そのせいで厚生省からは販売禁止指定がなされている。数百メートル深度の深海魚がちょっと潜ったとこにいたことについては知らない。
 空を見上げる義弘。つられて見上げるベネディクトとクレマァダ。
 ハーッハッハと高笑いをしながら泳ぎさっていくコルネリアに重なるように、空に彼女のダブルピース笑顔が浮かんだ気がした。

●バトルロワイヤル
 戦いは壮絶を極めた。
 水着エプロンのゼファーが『アブラマシマシニクオオメカタメたっぷり食べてね』って言いながら優しい笑顔浮かべたり、水着割烹着の正純が『低糖質な魚肉ハンバーグを作りましたよ』つって中にがっつりカロリーぶっこんできたり、『柔軟体操は忘れるな野郎共!』ていいながらリアが『ヒ』の字の状態でプルプルしてたり。
 ダイエットなのか太らせ祭りなのかわかんない中で、異常なくらいストイックにサービスシーンを振りまいていたベネディクトと義弘がいちはやく島を脱出。
 ルーチェやクレマァダも脱出をきめ、ゼファーや正純も脱出に成功。
 残ったリアも祈りの姿勢から立ち上がった。
 これまで食した獲物たちに祈りを捧げていた彼女は、すっきりとしたおなかをスッとさすってから明日を見つめて歩き出す。
 こうして、ダイエット島のサバイバルは幕を閉じ――

「えっ……?」
 タイラントオニギリを平らげ次はどーすっかねーとつぶやい砂浜に座り込んでいたコルネリアが、おなかをぽこんと叩いてから何かに気付いた。
「もしかして今島にいるの……アタシだけ?」
 直後、黒人闇寿司職人のゴーストがぶわりとコルネリアの背後に現れた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 さあ、俺たちの夏が始まるぜ!

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