PandoraPartyProject

シナリオ詳細

土喰らいのグルーノ

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●噂話
「グルーノか。最近よく見かけるな。あいつが出ると商路が使えなくなっちまうから大変なんだ」
 馬車の御者席に座る男が語ったのは、『土喰らいのグルーノ』というここ一帯に伝わる話だ。
「旦那も見たことがあるかい? こーんなにでっかいナメクジみたいなモンスターさ。
 奴が通ったあとは土がおかしくなっちまって、馬が足をとられたり最悪気絶したまま動かなくなっちまうんだ。
 駆除しようにも、アイツにゃ電気が流れてるせいか触れたそばから衝撃で吹き飛んじまう。厄介なやつだよ」
 御者は帽子を被り直して遠くを見た。
「え、なんだって? 奴らを倒してくれるのかい。っはー、貴族様の依頼で? 最近の幻想貴族サマはイカしてるねぇー」

●モンスター駆除のご依頼
 かららんというウェルカムベルの音。
 パープルのグラデーションカラーをしたカクテルを手に、『黒猫の』ショウ(p3n000005)はあなたを振り返った。
「おや、掲示板の依頼書を見たのかい? メンバーがすぐに固まってくれて助かったよ。
 ナメクジ退治? ああ、全長が2メートル近いナメクジなんだけど……おっと、帰るのはナシだ。好きなものを注文して?」
 ショウは狡そうに笑うと、コインをカウンターの向こうにいるバーテンダーへと投げた。

 円形テーブル。依頼参加メンバーのそろったその卓に、ショウはグラスを持参して席に着いた。
「もう聞いてるかもしれないけど、依頼内容は『グルーノ』の討伐だ。
 モンスター知識に詳しい人は知ってるんじゃないかな。2メートル近いナメクジみたいなモンスターさ。
 勿論塩を振ったんじゃ倒せない。どころか、グルーノの歩き回った場所は奇妙な電気が走っていて馬が気絶することもあるってくらい厄介だ。
 これが観測された限り10体も発生して商路を塞いでいる。
 現地に向かって、これを討伐してほしいっていうのが、貴族サマからのオーダーだよ」
 懐から出した便せんを開き、地図や依頼内容が書かれた羊皮紙をテーブルに置くと、ショウは席をたった。
「でもって、ここのお代も貴族様もちだ。追加で好きなものを注文してね。それじゃ、後はよろしく」

GMコメント

【オーダー】
 成功条件:グルーノ10体の退治
 シンプルな戦闘シナリオです。ギミックもちょこちょこあるので各種解説をご覧ください。

●グルーノ
 2m近いナメクジ型モンスターです。
 総合的な戦闘力を『PCたちと同じかちょっと上』くらいを想定して作戦を立ててください。
 攻撃手段は電撃を帯びた肉体を直接押し当てる『ショックタッチ:神至単【ショック】』、空中に電流の籠もった体液を飛ばす『ドロップ:物遠単小ダメージ』。
 10体いる状態では普通にしていますが、周囲にいる味方の数が少なくなると特異性が発動します。

●グルーノの特異性
 戦闘可能な味方の数(具体数は不明)が少なくなるとグルーノは特異性を発動します。
 急激に俊敏になり『回避、反応、機動力、神秘攻撃力』が大幅に増加します。加えて電流が周囲に走るため『半径1R以内のPCに毎ターン固定ダメージ』が入ります。
 特異性発動前と発動後で作戦や戦闘パターンを変えるとよいでしょう。

●土喰らい
 土がグルーノが放つ電流を帯びています。
 戦闘中PC全員に『ファンブル値+10』のペナルティがかかります。
 これは高度3mより上を飛行している状態なら避けることが可能です。


●おまけ解説
 グルーノが帯びている電流は魔術のたぐいと言われており、きわめて良好な状態で残った『グルーノの電気袋』という臓器はマジックショップギルドで良い値で取引されています。普通に戦うとこの臓器を破壊してしまうため貴重なのだそうです。
 加えて、アースや避雷針や電気を通さない素材などの対策は効果がないそうです。全身ゴムで覆ったりせずに普段のかっこいい姿でお越しください。

  • 土喰らいのグルーノ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年07月03日 21時20分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

スウェン・アルバート(p3p000005)
最速願望
アラン・アークライト(p3p000365)
太陽の勇者
世界樹(p3p000634)
 
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
御堂・D・豪斗(p3p001181)
例のゴッド
リリー・プリムローズ(p3p001773)
筋肉信仰者
プティ エ ミニョン(p3p001913)
chérie
ニル=エルサリス(p3p002400)

リプレイ

●黄色商路の難敵
 ラサ幻想間を結ぶ道は、日夜モンスターや盗賊の脅威にさらされている。
 そんな脅威を取り払うべく傭兵やその他兵力が道路清掃と言う名の死闘を行なっているのだが、そんな仕事の一つを何でも屋ことローレットが引き受けていた。
 砂の混じる風の中、13歳ほどの背丈をした少女ニル=エルサリス(p3p002400)が、しかし背丈に収まらない大人びた目をして歩いて行く。
「依頼に行って報酬もらって、ほんでもってお小遣いがもらえるのかにゃ? これは頑張るしかないんだお!!」
「お小遣い? ああ、電気袋のことッスね」
 『最速願望』スウェン・アルバート(p3p000005)が踵のローラーでついーっと地面を滑りながら振り返る。反転し、後ろ向きに徐行しながら両手を腰の後ろへやった。
「まあせっかく一杯奢ってもらったことッスから、一仕事しますか!」
「うむ……!」
 腕組みして頷く『筋肉信仰者』リリー・プリムローズ(p3p001773)。
 彼らが語っている電気袋というのは、グルーノに内蔵されている電撃魔術発生器官のことである。ある意味急所といってもいいくらいの臓器で、採取の難しさからマジックショップギルドではそれなりの高値がつくという。
「条件さえ問わねば問題解決は割とどうとでもなるものである! 然らば、最良の成果をもたらしてこそ我の美しさが増すと言うもの!」
 リリーにとって美しいかどうかはとても重要なことらしかった。

「いやだねェ、電気を帯びたナメクジとか、めんどくせぇったらありゃしねぇわ」
 砂風に飛ばされぬようにと帽子を押さえる『太陽の勇者様』アラン・アークライト(p3p000365)。
 深く被って、眉を寄せるように顔をしかめた。
 説明が重複してしまうが、グルーノとは2メートル近いナメクジめいたモンスターだ。知っている人は知っている害獣で、黄色商路つい最近沢山見かけるようになったという。
 余談だが、黄色商路というのは商売人やそれを管理する貴族たちが主に出資する手前そう呼ばれているだけで実際には舗装・清掃された一般路である。商人以外も通るので、ひいては彼らの助けとなるだろう。
「目には目を、電撃には電撃を」
 『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)はシルクハットからコミカルな雷型の物体を取り出すと、指の上でくるくると回した。
「僕もその電気袋、興味津々でございます。回収するための作戦は……?」
「どうだったかな? モンスター知識に詳しい人がいるから、臓器に近い部位を避けるようにして攻撃する方針じゃなかったかな」
 幻のシルクハットの中に身体をすっぽり収めた『chérie』プティ エ ミニョン(p3p001913)が盾を翳して振った。
「それで、特異性を発揮する時間を短くしたいから、まずまんべんなくダメージを与えていく作戦だったはず」
 できれば纏めて一掃したいところだったが、纏める決定的手段が乏しかったり、一斉攻撃手段が魔砲(遠貫)二発とぽこちゃかパーティ(至範)一発きりだったりしたのでちょっとムリかなと考えた次第である。
 モチロン、それらを差し引いても充分効果のある作戦だ。
「リスクがあるとしたら、特異性発動前の個体を沢山残すことになるから、ダメージ管理が大変になるかも」
 私は割と平気だけど、とシルクハットに盾で蓋をしつつ語るプティ。
 幻はうーむとうなり、アランの方に目を向けた。
「最初に何体ほど倒すかが重要と見ました。数は決めていたのでしたっけ」
「ん? いや、俺は聞いてねえな。少なくとも半分くらいはイケるだろ。……イケるか?」
 グルーノの特異性が、状況が不利になった際の緊急プロトコルなのだとしたら、自分たちでいう半数の戦闘不能は撤退しかねないほどの不利的状況といえるのでは……?
 もう一つ言えば、相手の残りHPを把握する手段が無いので何となくの感覚で掴むしかない。あと一発で倒せるようなギリギリのラインで止める芸当は難しくなるだろう。微調整の手段も用意していないので運頼りなところもあった。
「まあ、時間もねえし。そこはアドリブでいくしかねえだろ、ほら見ろ」
 アランは既に武器を抜いている。背負った大斧をしっかりと両手で握っていた。
 視線の先。こちらの存在をかぎつけたのかグルーノの集団が砂煙をあげて接近してくるのが見えた。

「むっ、すでに周囲の空気がビリビリと!? 気のせいか?」
 『この木なんの木』世界樹(p3p000634)がなんだかムズムズするといいながら剣をとる。しきりにオーバーオールで手をこすっていた。
 ピリピリした雰囲気はともかくとしても、実際にグルーノの周囲は浸食されていて『ファンブル値+10』の効果がかかっているのであながち気のせいでも無いだろう。
「他の皆にも言って置いたけど……」
 『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)は紙を取り出して見せた。なんだかファンシーなナメクジが描かれていて、人間で言う心臓とは逆の位置に雷マークがつけられていた。
「電気袋はこの位置にあるわ。ここを外して攻撃していれば、獲得率が上がる筈。けど……急所部位を外すってことはそれだけ攻撃の精度が落ちるってことだから、危ない状況になったら無視していいわ」
「…………」
 『神話殺しの御伽噺』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)が黙ったままこっくりと頷いた。髪の毛の動きから察するに、どうやらナメクジの造形があまり好きではないらしい。大きいのでなおさらだろう。
「おおっ、グルーノ!」
 『神格者』御堂・D・豪斗(p3p001181)が大げさに腕を広げてみせる。
「ユー達も人の子らに迷惑をかけたいわけでは無かろうにな! されどこれもライフのサークル!」
 手を翳し、背後に謎の文様や光を展開した。
「オーダーを受けたからには、ゴッドもノンストップである!」
 ゆくぞ! と叫んで走り出す豪斗。
 広く展開していた仲間たちもまた、グルーノの集団へと突撃を開始した。

●ナメクジとビリビリ
「まずは一体引き受けるッス!」
 足のホイールを回し、高速で奥側のグルーノへと突っ込んでいくスウェン。
 相手が電撃を放つよりも早く跳躍すると、自慢の蹴りを叩き込んだ。
 蹴りの反動で飛び退く。一拍遅れてやってきた電撃を空中でガードするが、衝撃そのものを殺しきれずに吹き飛んだ。
 足と手で地面にしがみつくようにブレーキをかける。
「おいおい派手だな。電気袋はいいのか?」
「そこまで余裕もって立ち回れるほど、強くないッスからね!」
「そういうもんか? じゃあ、こっちはこっちで――」
 アランは手前側のグルーノへと突撃。斧でもって正面から切りつける。
 グルーノの体表にできた電気のシールドがばちばちとはじけアランの攻撃を防ごうとしたが、出力不足かすぐにシールドを貫きグルーノの肉体へと斧をめり込ませていく。が、電気袋の部位に届きそうになった所で踏ん張り、斧を引き留めた。
「クソ、ダメージコントロールってのは……手加減ってのは難しいな!」
「わたいも電気袋については知らん」
 世界樹が飛行状態から突っ込みオーラソードを派手に突き込んでいく。
「気のせいなのは分かっとるが何だかムズムズするのう。えぇい、マジックフラワーじゃ!」
 バチバチとはじける電撃に対抗するように、花火を起こしてグルーノを攻撃しはじめる世界樹。
「おいおい、方針がばらけちゃいねぇか。ま、それならそれで――」
 アランは追撃するようにグルーノを蹴りつける。
 と同時にグルーノの電撃が走り、アランや世界樹は順番に吹き飛ばされた。
 特異性発動前とはいえ、この状態でも油断はできない。
 そこへエクスマリアが、頭髪を大きく動かして魔術を展開した。
 砲台のように整形された頭髪の中で何かが大きく膨らみ、爆発のように発射。
 放物線を描いて飛んだ魔術砲弾が、グルーノの頭部に命中した。
 激しい爆発がおき、グルーノの肉体がぐずぐずと溶けて消えていく。

 一方こちらはプティと幻。
「そちらのブロックは任せましたよ」
「まかされたよ!」
 幻に砲丸投げの要領で飛ばされたプティは、グルーノに張り付いて自らに再生能力を発動させた。
 直後に激しい衝撃。みゃーと言って吹き飛ばされるプティ。再生能力を上回る程の衝撃だが、ダメージをいなして防御まですればカバーできそうなラインだ。起き上がり、顔をぷるぷると振って再び飛びかかる。
「目には目を、雷には雷を――ってさっき言いましたかね?」
 幻はシルクハットから雷型の物体を取り出すと、今度は槍投げの要領でグルーノへ投擲した。
 とはいえ槍投げではありえない。とんでもない距離を跳び、グルーノの身体へと突き刺さる。
「確か電気袋は心臓の逆位置でしたね。狙うのに手間取りますが……できないレベルでは……ございませんっ」
 第二射。弧を描いて飛ぶ雷物体――に伴って、大量の剣がグルーノめがけて飛んでいった。
 何かと思ってみれば、レジーナが呼び出した大量の武具だ。自分の周囲に壁上のフィールドを作るや、剣を出現させては次々と放つ。
 続いて、魔術で生み出した剣を空中に浮かべ、別のグルーノへと放った。
「フギン、ムニン――大丈夫、位置取りは悪くないわ。グルーノが少しこっちに集まりすぎてるくらいかしら」
 どうやら戦闘の途中でデュアルファミリアーを使って空からの光景をちらちらと見ているらしい。
 百目の例えではないが、目が離れた場所にもう四つある感覚は体験せねば分からぬ複雑さだろう。ではあるが、レジーナは慌てた様子も見せずにクールに対応していた。
「では数匹ほどアンダーテイクしよう……このゴッドが!」
 豪斗がゴッドオーラをゴッドしグルーノのゴッドにゴッドのゴッドをゴッドしはじめた。
 字面ですごく分かりづらいので具体例を述べると、背後にキラキラした文様を浮かべてグルーノに浴びせかけ、高々と演説を始めた。
 二匹ほどのグルーノが進路を変えて豪斗へと迫っていく。
「我が相手だ!」
 リリーが美しい姿勢で割り込み、グルーノの前で上腕二頭筋を漲らせた。
 謎の光が爆発的に広がり、グルーノが派手に吹き飛ばされる。
 別のグルーノがリリーへ襲いかかり電撃を放つが、リリーはそれに対抗するように大胸筋を漲らせてみせる。
「チャンスだお!」
 ニルが飛び込み、集まってきたグルーノたちに『ぽこちゃかパーティ!』を炸裂させた。拳やら足やらをアレしてもうなんかめちゃくちゃのぐちゃぐちゃにしていく。
 最後にグルーノの頭部を拳で貫くリリー。
 崩れ落ちたグルーノの逆心臓部に手を突っ込むと、電気袋を一個もぎ取り、高く掲げ上げた。
 未だどくどくと脈打つこぶし大の臓器。ややグロテスクではあるものの、生命の躍動を体現するかのような力の漲りにリリーは小さく呟いた。
「……なるほど、美しい」

●特異性
「わたいは不殺を持っとらんから、ダメージを与え過ぎんよう注意が必要じゃな。可能なら一匹倒してダメージの与え加減を確認したいところなんじゃが……」
 と言ったようなことを考えながら、世界樹はグルーノとぶつかっていた。
「オーラの刃なら痺れんかも? とかセコイことをちょっとだけ考えておったがこんだけ近ければ武器に関係無く電気ビリビリじゃよなー。それ、マジックフラワーじゃ!」
 オーラソードを振り回し、マジックフラワーを幾度も起こす世界樹。
 対抗して電撃を浴びせ続けるグルーノと、最後は巨大な火花をぶつけ合って互いに吹き飛ぶことになった。
「これだけ減らせば充分だろう。一箇所に集められるか」
「難しいけど……」
 できる限り同時に攻撃してみる、とエクスマリアは滑るように移動。
 味方とグルーノがぐちゃぐちゃに入り乱れる最前線のなか、ギリッギリ3体前後納められる位置を見つけ、頭髪を砲台化。全力攻撃姿勢で魔力を込め、発動させ――た瞬間、頭髪の中で魔力が爆発し、あちこちへ散ってしまった。
「――!」
 元々ファンブル値高めのエクスマリアだが、ファンブル上昇効果のあるエリアで全力攻撃に踏み切ったことでファンブルを起こしてしまったようだ。
 が、一発しくじった程度で致命的な失敗にはならない。
 こちらに注意を向け、迫ってくるグルーノたち。
 エクスマリアは今度はファンブルを起こさないように注意して、砲台を再形成、魔力再充填。凄まじく高威力の魔力砲撃を発射した。
「いいそ、我も続こう!」
 砲撃直後に同じラインへ位置取り、リリーが両手で球を包むようにして構える。腰だめ姿勢から突き出すように、両手の間に集めたエネルギーを発射。
 直線上に走ったエネルギーの光がグルーノたちを包んでいく。
 かなりギリギリだったグルーノがはじけ飛び、生き残ったグルーノたちが一斉に群がった。
 全身からは激しい電撃を発生させ、超高速で迫る。
「特異性の発動ッスね!」
 急速に距離をつめエクスマリアたちを襲うグルーノ。
 そこに追いつくかたちで、スウェンがホイールを回してダッシュ。からの跳躍。
『ギアチェンジ、スイッチマニューバ――!』
 耳がキンとするほどの勢いをつけ、スウェンの跳び蹴りがグルーノを吹き飛ばした。
「うちもいくお!」
 いくつかに分散していた敵が集中した今がチャンス。ニルは腕をぐるんぐるんさせると、グルーノの集団めがけて再びのぽこちゃかパーティーをぶちかました。
 衝撃で浮かび、回転しながら弾むグルーノ。更にニルが掴んで投げて叩き付けてのパワープレーで次々と吹き飛ばしていく。
 別のグルーノがスウェンへ迫り、至近距離で爆発的な電撃を発生させた。
 宙を舞う仲間たち。その下をくぐり抜けるようにして、プティが壁となるべく張り付いていく。
 プティの砲弾めいたタックルを受け、勢いを落とすグルーノ。
 電撃を次々と浴びせるが、プティはうおーと叫んで衝撃をあちこちに逃がしていった。
「これはいけません」
 幻はステッキであらぬ地面をトントンと叩くと、幻術でできた大砲を出現させた。
「薙ぎ払うのです」
 ステッキの先で右から左へ線をきる。
 すると大砲が魔術の砲撃を始めた。
 レジーナと豪斗がその後ろに展開し、それぞれの構えをとった。
 神々しい構えだがなんだか趣というか世界の違う構えである。ジャンルが違うと言ってもいい。
 ともかく。
「ブレイブあるファイターをゴッドは見捨てない! クイーンよ、ゴッドヒールだ!」
「同じことしてるみたいに言わないで」
 レジーナは背後に壁上のフィールドを展開すると、白く輝く天馬を召喚。角から放つ光が幻やそれを庇うプティたちをいやしていく。
「よっしゃトドメだ。この際、電気袋なんざ関係ねぇ」
 斧に自らのオーラを込めるアラン。
 天高く掲げ、光の柱を生み出した。
「さっさとぶっ殺す!」
 オーラで生み出した巨大な剣を、そのままグルーノに叩き付ける。
 グルーノは派手に爆発四散。飛び散るあれこれの中に混じっていた電気袋もまたはじけ飛び、最後には汚染された土と肉塊だけが残ったのだった。

●電気袋
 後日談というより、直後の話。
 激しい戦闘で酷い怪我を負った者もいたが、無事にグルーノの集団を退治することができた。
 布袋の中に『グルーノの電気袋』を詰め込むリリー。
「少数ではあるが、電気袋も回収することができた」
「これも女王陛下のおかげ……」
 わざとらしく頭を垂れる幻に、レジーナはよしてよと首を振った。
「フレンズ達にデンジャーが及ばぬ範囲でという条件だが……ゲットできてよかった」
 豪斗が腕を広げてゴッドのポーズをとっている。
 確か最後のドサクサで酷い吹っ飛ばされ方をした気がするが、意外とピンピンしていた。
「ま、結果オーライだ。そっちは無事か?」
 アランが帽子を被り直し、仲間へと振り返る。
「うむ」
「無事……」
 エクスマリアや世界樹は終盤特にやられていたようだが、今ちゃんと生きていることほど良い結果はあるまい。
「それじゃあ帰るお! 帰りはごちそう食べるんだぬ」
「ごちそうー」
 拳を突き上げて歩き出すニルと、その頭の上で同じく拳を突き上げるプティ。
 彼らは意気揚々と幻想の町へと帰って行った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした、皆様。
 依頼は無事完了して、電気袋も三つほど手に入れることができました。
 ゴールドをそれなりに追加しているので、ご確認くださいませ。
 

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