シナリオ詳細
ドヒン乳の魅力!
オープニング
●三度目の正直なるか
「うん。噂は噂! けど、そんな噂を信じる私達ってとってもキュートだし、もしかすると真実かも知れないんだよ!?」
何度目の事か。フラン・ヴィラネル (p3p006816)は力強く言った。深緑の噂話というならば、深緑生まれが試さずして何とするか。
そう、ご存じ深緑育ちの幻想種。フランは、ルンルン気分で「たのもーう!」とローレットの扉を開く。
「たのまれたよ」
何をだろう。けれどそう答えるのがお約束な気がしたフラーゴラ・トラモント (p3p008825)は首を傾ぐ。此処までがお約束だ。
今日は噂の検証――つまり冒険の気配!――をしに行くのだとフランに声を掛けられていたフラーゴラ。るんるん何時もよりもテンションマックスな彼女にどのような冒険が待ち受けているのかと心が躍った。
その背後から「聞いた!?」と走ってくる炎堂 焔 (p3p004727)にフラーゴラは「どんな噂?」と首を傾ぐことしか出来ない。
「聞いたよ!」
「勿論、聞いた!」
当たり前だというような勢いでぐんと背を伸ばしたルアナ・テルフォード (p3p000291)。因みにここまでのフラーゴラを抜いての三名にとっては『三度目の正直』であるとは――まあ、言わなくとも察することが出来るだろう……。
「聞いた、って……どんな冒険に行くって言うの?
噂の検証会だとは聞いたけど……この顔ぶれって、まさか……いいえ、違うわよね。私の思い過ご――」
其処まで呟いたエンヴィ=グレノール (p3p000051)の肩をがしりと掴んだのはルアナであった。
エンヴィが嫌な予感を感じたのはルアナと焔、フランがやけに楽しそうだからだ。脳裏にありありと思い浮かんだぺたん湖での悲しみ!
そして、その後の話では『モゥ獣』とおばあさんが過ごしているペチャの木で作るペチャのパイを食べたときの噂の検証だ。
(まさか……いえ、今回に限っては……ううん、けれど、そうよね……妬ましいわ……お胸が大きいだけで……そうは思うけれど……)
たじろぐエンヴィにフラーゴラは「どうしたの?」と更に首を傾いだ。梟になりそうな程に疑問符が頭の上に過っている。
「どうかしたのかい? やけに楽しそうだね」
にんまりと微笑んだマリア・レイシス (p3p006685)の肩をがしりと掴んだ焔は「マリアちゃん確保ー!」と叫んだ。
「え? え? 一体何事?」
「うんうん、よくぞ聞いてくれました! 実はね、深緑の噂話でね。
深緑のある地域にだけ生息するドヒンの乳を飲むとお胸が大きくなるらしいんだ! 我々、深緑調査隊はその噂を解明しに!」
お胸が 大きく。
マリアがそっと自身を見下ろしてから「わ、私には必要ないんじゃあないかなあ?」と明後日の方向を向いた。
「いいえ、女性にとっては誰しも! そう、誰しも悩む可能性があるのです!
もしもですよ? 貴女の愛しのヴァリューシャが悩んでいたら?」
「ヴァ、ヴァリューシャが!?」
リディア・T・レオンハート (p3p008325)の素晴らしい演説にマリアははっと息を飲んだ。もしも、愛しきあの人が「マリィ、実は可愛く服を着こなすためにもう少し……ええ、もう少しだけ膨らみがなくては……」と言い出したなら!?
「……そう、そうなのです。洋服を着こなすためにはバランスという物があります。
きゅっとしたくびれも必要ですが、お胸が大きくなくてはバランスが悪く見栄えがしない服だってあるんです! 分かりますか!?」
尚、リディアのこの演説は焔が用意した物なのだそうだ。
「それで? ドヒンの乳を捕りに行けばよいの?」
にんまりと微笑んだAlice・iris・2ndcolor (p3p004337)に数名が力の限り頷いた。
「ドヒンってどんな生き物なの?」
「えーと……本来の名前はモゥスッゴイケモノって名前らしいんだけど、ドヒンって鳴くからドヒンって呼ばれてるんだって」
「モゥスッゴイケモノ……」
そのネーミングセンスのやつは頭を殴られた方が良い。
リディアは咳払いをしてから「ええ、数居る女性のために協力しましょう。噂を信じてモゥスッゴイケモノに攻撃されてしまう人が出るかも知れませんし。これも人を救う為に必要な事!」と(建前を)叫んだのだった。
「そうだね!(建前)」
「人命のため!(建前)」
「もしかするとヴァリューシャの為かも!?(本音)」
「因みにこの情報ってどこから?」
そう問うたAliceに「ユリーカちゃんだよ」と微笑んだ焔。後方でその様子を眺めていた情報屋はそっと目を伏せたのだという。
――噂にはあと少し尾鰭がついていて、『飲んだら大きくなる幻覚が見えるだけ』というのは同じ平たい胸族のユリーカにしても何も言えないのであった。三度目だし、何も言えないよね。
- ドヒン乳の魅力!完了
- GM名夏あかね
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年07月31日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費---RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
「三度目の正直――この為にあたしは訓練を続けて、キャパシティも55まで増やした。
夢も希望もおむねも、10代最後の夏に手に入れてみせるよ! 水着にお洋服、あとなんかやけに高かった下着も買った!」
カップ数があがると少しデザインの幅も減って趣味に合わないし、何だか高い。けれど、『胸いっぱいの可能性を』フラン・ヴィラネル(p3p006816)は気にすることは無かった。此処で気にしては女が廃る。
嗄れた声で鳴いた40頭目、木立に樽を積んで彼女は故郷の土を踏んだ。こうして噂を解明するためにやって来たのは三度目となる。
「今回こそ噂は本当だよね!流石に3回も同じような罠には引っかからないよ! タンスの奥に封印してあった服と水着も用意したし、早速出発しよう!」
あの日から、ずっと箪笥の肥しとなっていた洋服と水着――今回こそはもう、肥しなどとは呼ばせない。『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)は洋服屋さんに寄っていこうと心を躍らせる。
「えーと。なんだっけこの状況。二度あることは三度……げふごっふん!」
言霊が力になってしまわないように。そして、勢いよく『ぐるん』とホラー映像のように首の向きを変えたフランの視線から逃れる様に。
『絶望を砕く者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)は正しく絶望を砕く一言を堂々と口にする。
「三度目の正直!!!こんどこそぽよよん、ってお胸を手に入れるんだ! おじさまから色々言葉を教えて貰ってるけど、いやー。むずかしいね☆」
にんまり笑顔のルアナに『ふわふわな嫉妬心』エンヴィ=グレノール(p3p000051)は「そ、そうよね……?」と恐る恐る問い掛けた。
「ドヒン……話を聞いた感じ、今回は信憑性が高いのよね……? 思い出されるのは、前回参加したぺたん湖の悲劇……。
一度大きくなったお胸が、実は気のせいだったというあの事件は……今でも箪笥の奥……深い悲しみと共に封印してあるわ……」
けれど、今回はそんな深い悲しみを抱く訳もないだろう。それでも、その思い出に囚われたままのエンヴィは敢て新しい服を買っていた。胸元が少しゆったり目――だが、胸の下で切り替えしがありボリュームをたっぷり担保できる可愛らしい洋服だ!――の新品の服をブディックの紙袋に入れて溜息を吐く。
「封印を解けば、新しい服を買う事も無いのだけど……流石に、あの服を持って行くのは、その……縁起が悪いじゃない?」
あんな恐ろしい思い出をもう一度とは繰り返せない。どうやら彼女たちを見れば信憑性があるらしい。『勇往邁進』リディア・T・レオンハート(p3p008325)はちら、と仲間を見遣る。
「へ、へぇー、そんな魔法みたいなミルクがあるんですか? まぁ私は? ホント、無事に人命が守れれば?
そういうのは? そんなに興味がある訳ではないんですけど?
以前ちょっと似たような依頼を受けた時に、間違えて買っちゃった服とか?
ちょっと勿体ないし? 折角なら、ついでに飲んでみる事も吝かではないといいますか???」
視線が右往左往している。めちゃくちゃ興味あるだろと言われても「いやー? 興味は無いんですけど?」ときょろきょろと目が動いている。
それは『鋼鉄探偵の助手の相棒』マリア・レイシス(p3p006685)とて同じであった。
「はーん? 前回も言ったけど? 別に??? 興味はないんだけどね? 毒見はしないといけないと思わないかい?
まぁ? ヴァリューシャがちょっと喜んでくれたらとか? そういうのはあるかもだけど?」
屹度彼女ならば「まあ、マリィ、凄いですわー!」と何でも褒めてくれる。そうだ。彼女はそう言う人だ。彼女が驚いて笑う顔を見れるならマリアはどんな努力だって厭わない。
それは『恋する探険家』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)とて同じであった。思い返すあの人は素面であんなことを口にする。
「アトさんがふとももだとかお胸だとかのお話しするからワタシも大きなお胸が欲しい。
胸置いてけ……ねえアナタ巨乳でしょ……乳置いてけ……うう……大人っぽくなりたい……は、そうだよね?
ばいんばいんになったらアトさんも今すぐ結婚したくなっちゃうかも――ので。うん。張り切らせてもらうよ……」
誰も彼もが愛しい人が笑ってくれるなら努力を惜しまぬ人材が揃っているわけでありまして。
ここに一人だけシュレーディンガーの男の娘が混ざっているのは閑話休題。『宿主になってね』Alice・iris・2ndcolor(p3p004337)にとってはお胸を気にして努力する『小さなおにゃのこ』からしか摂取できない栄養素を得る為の参加である。
(ぺたん娘同盟総帥代理としては『貧乳はステータス!』だと叫びたいところだけど、確実にフクロにされ……いや、このメンバーにされるならご褒美じゃね?)
ああ、皆素晴らしい! だからといって自分は全くの蚊帳の外ではないのである。シュレーディンガーの男の娘。
同時に『おむねを気にする小さなおにゃのこの立場』だからこそ出来るムーブメントは山ほどあるのです。
●
――待ってろよ、絶対に捕まえてやる。
そんな闘志を滾らせたリディアはドヒンの生息地についてはある程度の情報を得ていた。だが、逃すわけには行かないのだ。
捜索とエネミーサーチ。ガチガチの戦闘依頼の装備に索敵に関しても抜かりない。勇往邁進とはまさにこのこと、リディア・T・レオンハートは(無い)胸をぴしっと張った。
「探索は私にお任せください。草の根を分けてでも探しだしてみせますよ、人命の為にね!」
思い出される兄の同人誌。TSした兄が巨乳で――ああ、なんて許せない! 此の儘では兄の命を失ってしまう。
「ええ。……探しましょう。ええと、コッチで良いのよね……?」
首を傾いだエンヴィが見回せばお胸の大きなお姉さん達が不思議そうに眺めて居る。悔しさにフラーゴラがその乳を捥いでしまう前にAliceはにんまりと微笑んだ。
「おっぱいさまを揉めば大きくなるって、だから、どうか、どうか、揉ませてください。どうか、どうか、誤利益を誤利益をー」
――誤って利益があれば揉んだ甲斐があって一石――いや二石三鳥位のものである。土下座する勢いのAliceにお姉さん達も困り顔。
「ダメ? あなた達持つ者はいつだってそうだ! 私達持たざる者の気持ちを平気で踏みにじっていく!
いいわっ、トリセクシャルな私は実はケモもイケる。もといドヒンの乳を揉むでもなかった搾らなきゃ☆」
Aliceのその言葉にお姉さん達が合点がいったのだろう。あの可愛らしい噂を信じてやって来た『持たざる者』達へ優しい視線を向けてくれる。
「え、本当の噂なんだね?! いやー、そうだよね。皆お胸が大きいし、噂は本当みたいだよね!
ほら、見て。大きくなった時用の下着がまだ用意してなかったし、ちゃんと買っておいたんだ。でもこれ、いつも使ってるのより高かった……。
ううん、これからはこういうのを使っていかなくちゃいけないんだね。
困っちゃうなぁ、でも仕方ないよね、大きくなっちゃうんだもんね! 困っちゃうけど、持つものなりの苦労っていうやつだからね!」
にへーと微笑んだ焔にマリアは「そうだよね、うんうん、洋服が入らなくなったら乙女として困るよね! 分かるよ!」と大きく微笑む。
「備えあれば憂いなしだよ! 分かるだろう? 分かって?」
「分かる……今着てるの着れなくなっちゃうからねえ……水着や浴衣を今年は買っちゃったからちょっともったいないな。
いやあ……残念だなあ……大きいサイズの水着や下着ってお高いんだねえ。有名税ならぬお胸税だね。持てる者の権利だね」
にんまりと微笑むフラーゴラにルアナは「そんなに値段が変わるんだね、おじさまにお願いしないと」とウキウキして居る。
「え、ええ……」
幻想種のお姉さんはたじろいでいる! だが、フランはにまーと微笑んでから「いやー大変だぁ! ドヒンの機嫌が悪いんだね!」と飛び出してきた!
「お姉さんたちドヒンのこと下に見てないよね? 狩りをする弓には邪魔なのよね、とか言ってない?
……危なかった、あたしもドヒンって暴れるモウスッゴイフランになるとこだった」
『モウスッゴイフラン』に危機感を覚えたお姉さんは「アッチに居るから、ね?」とぎこちない笑みを浮かべていた。
「任せてよ! ドヒンはボク達が大人しくさせてくるよ!
ついでにちょっとお乳を採らせてもらって飲むくらいはいいよね。噂の真実も確かめておかないとだからね、うん」
●
「えーと。あれがドヒン乳?どっかで見たような気がするんだけど、つかいm……ぎゃー!
いま、見えない何かで頭を殴られたような気がする!!! モゥ獣さんの仲間なのかな?
アレは最後かなしい事になったけど、今回は違うって信じてるよ! え? 名前はモゥスッゴイマジュウ!? やっぱりつかいまッ」
何かに殴られたルアナは首をぶんぶんと振った。実は彼女は『大人』の自分を知っている。
オジサマとも対等にやり合い、時にはハードボイルドな世界を作り出すルアナ(28)にはお胸があった。だが、それをフランに知られれば八つ裂きにされてしまう。張り付けにされ胸部をフラーゴラに奪われる可能性だってある。
「アレは私が育った未来とは限らないから。確実な未来を手に入れるために今を頑張るよ」
「何て?」
「何も」
チチナイナイ世界大戦が起こってしまうところであった。エンヴィは「あ、あれを倒してしまっても良いのかしら……?」と問い掛ける。
「虐めるつもりはないもん! ちょーっと大人しくなってもらうだけだもん。だから、ちょっと大人しくして貰おうね!」
「ええ……殺してしまうのは忍びないものね……」
二人の傍らでAliceはにんまりと笑う。何だってOKであるAliceは思いっきりドヒンを揉み――搾るのだと決意を固めている。
「ふふ、任せてね♪」
「うん! 殺しちゃうのは可哀想だから手加減していこうね!」
焔へとお菊頷いたマリアがばちりと雷を纏う。どう見たってフルパワーでの戦闘準備だ。
「ふふ! ドヒン君! 悪いが大人しくなってもらうよ! ――私の胸部装甲の為に!!!」
ドヒンが「ドヒン」と鳴くならばマリアは「ヴァリューシャ」と鳴くのだと対抗する彼女にフラーゴラも「アトサン!」と鳴いた。
「セクシーダイナマイトの為に……! いくよ……!」
フラーゴラがびしりと指させば、勢いよくと込んでゆくのはリディア。
「申し訳ありませんが、これも人命の為! 手加減をする事はできません! そう! 人命の! 為!
なぁに、命までは取りませんよ 貴女からはこの後すぐに、美味しいお乳を頂かなくてはいけませんからね……!」
イレギュラーズの連携は言葉に出来ないほどに凄かった。
『モゥスッゴイレンケイ』で対抗し続けた彼女たちの希望の光は不殺で倒され――フランによって介抱され、その怒りを愚痴り合う仲にまでなっていtなおだった。
「どうしちゃったの?」
ドヒン……。
「そうなんだ……うんうん、分かる。でも、私もね。
サマフェスの水着を買いに行ったら『小胸さん必需品』ってパッドを薦められてね……」
ドヒン……。
「ねー、酷いよね。え? あ、そう。噂を聞いてきて……え、搾って良いの?
みんなー、オッケーだって! あ、Alice先輩からする? えへへ、じゃあお願いしまーす」
ド、ドヒン……。
●
「おっぱい様の誤利益とドヒン乳できっとばいんばいん間違いなしね♡」
にんまりと微笑んだAliceは「ささ、どーぞ」とにんまりと微笑んでドヒンの乳を差し出してくれる。
コップに注がれた濃厚ミルクはその言葉の通り『ご利益』もありそうだ。
「……ほら、皆が飲むのに、私だけ飲まないわけにもいかないから……えぇ、これは必要な事なの」
エンヴィは言う、決して大きなお胸になりたいわけではないし、一人だけお胸が大きくならないというのも――いや、そうではなくて、新しく購入した服の似合う体型になりたい。いや、それでもなく。
悩ましげに呟き続けるエンヴィにルアナは「うんうん。持ち帰り用は確保したから飲もうよ!」とにんまり笑顔で或る。
「……え、ええ」
「それじゃ、準備は良い!?」
「皆で飲もう、いただきまーす!」
焔の号令で皆は、勢いよくミルクを飲み干して――
「せっかく水着買ったのだからプールとかどうかなあ……! ミルク風呂ならぬミルクプールだよお……。
皆もワタシもお胸大きくてどれがビーチボールか浮き輪かわかんないねえ……! ふふふ」
お胸にあう水着を着用していたフラーゴラはウエディング水着を着用してふんわりと微笑んだ。
「フラーゴラ、何をしているんだい?」
聞き覚えのある声だ。フラーゴラは愛おしいその人をそうぼうにうつしてぱあと輝く笑みを浮かべた。
「えっ、アトさん何でここに……?! 今から結婚式……?! こここ心の準備がぁ……!
いや、うん、はい、今すぐ結婚しよ……! 買っててよかったウエディング水着……!」
――最早、ここが深緑で、居る訳のない存在との結婚を決めていることにフラーゴラは未だ、気付かないのである。
「ふふ! どうしようかなぁ! 持って帰ってヴァリューシャとミルク風呂でも入ろうかなぁー!
とりあえずちょっと……ちょっとだけ試しに飲んでみようかな?
毒見! 毒見だよ! 危険な物質が入っていたら危ないだろう? ほら! 私毒耐性あるし! ね! いいよね! いただきまーす!」
勢いよく煽ったマリアは「ふぅ……。さて……どうなる……?」と首を傾げる。
「おぉぉぉ!? こ、これはすごい!!! 少し! だけど確実に大きくなってる!!! 本物だぁ!!!」
そっと胸に手を当てたマリアは気付いたら自宅前に立っていた。勢いよく扉を開いて、中で待っていてくれる筈の愛しい人の下へと飛び込んで。
「ヴァリューシャただいまー!! 見て見て! あれ? どう……して……?」
――軽くなった、と思った。跳ねるように飛び込んだ胸元は揺れることも無い。見下ろせば先程まで胸で足も見えなかったのに――ばっちりと見えて。
マリアは其の儘崩れ落ちる。そもそも、帰宅できている訳もない。
幻覚(ゆめ)に当てられた二人を他所に現実で歓びを抱いて居るリディアは歓喜に打ち震えていた。
「す、凄い! 勝てる! これなら相手がどんな女性でも負けるはずがない! 私は今、究極のパワーを手に入れたのだーーっ!!」
脅威の胸囲(だじゃれ)を手に入れたリディアにこくこくと振り子のように頷き続けるのは焔。胸にそっと手を当てれば確かに其処に存在がある。
「こんなに大きくなっちゃうなんて困ったなぁ、動きにくくなったりしそうだなぁ。仕方ないからユリーカちゃんやリリファちゃんの分も採っていって……」
「あ、持ち帰り用は準備したんだよ。えへ、えへへ……今回こそほんとだ……夢のチューブトップを着ても筒にならない!
しばらく堪能したら焔先輩に後ろから突撃して、憧れの揉み合い! いいよね、焔先輩!?」
「勿論だよ!」
フランと焔が蕩けるような笑みを浮かべて見つめ合う。着用中の服が心なしかきつく感じてルアナは「どうしよー」と微笑んだ。
「うへへやったぁぁぁ! おむねぽよぽよ! 今着てるお洋服きついなー! 嬉しい悲鳴だなー! うふふあははえへへ」
「本当に……お胸が大きくなってる…」
大きめの服に着替えておいた甲斐もあった。エンヴィはそっと胸に手を当てて「妬ましいわ……今回の情報は本当だったのね……」と呟いた。
「これだけ効果のあるミルクなら、きっとお胸に悩んでる他の人も皆救われて…………救われ……あら?」
視線が下がっていく。笑みを浮かべたAliceはそっと『下』を見るように促して――
「……ん? まって? またこのオチなの?」
『また』――
そう、ルアナは言いかけたではないか。二度あることは三度あるのである。
「やだぁぁぁぁぁぁ! 前回は駄目だったけど、今回こそこれを!」
「……あれ? う、うそだ。今度こそほんとだって、うそだ、パンドラが削れて重傷で、ほら、確率が―ね!?」
「――あ、あれ……? …………」
三者三様。ルアナ、フラン、リディアの反応に焔が硬直する。先程までの満面の笑みが凍り付き、錆付いたロボットのようにゆっくりと胸元を見下ろして。
「ボクのお胸は? さっきまでここにあったボクのお胸はどこ? こんなの現実じゃない! きっと何かの間違いだよ!」
想いを込めて、ルアナは、フランは、リディアは、そして焔は叫んだ。
結婚を約束するフラーゴラの幻想を思いのままに手に入れるために、そして、お胸を! 手に入れるために!
――PPP(ぽよよんぱーてぃーぷろじぇくと)!
もはやお決まりになってきた運命の改変。可能性の不可逆。そして、全てを手にせんとする強欲女子たちの――
「ヴァリューシャ……どうして……」
項垂れるマリアの傍らでAliceは仲間達に向かって輝かんばかりの笑みを浮かべたのだ。
「大丈夫、貧乳はステータスよ!」
その後、Aliceがどうなったのかは……
~この後は放送内容を変更して、ドヒン達の楽しげな牧草地での暮らしをお送りします~
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
モゥスッゴイミナサン……。
ご参加有り難うございました。
心のパンドラ、大丈夫ですか!?
GMコメント
リクエストありがとうございます。
おおきいことはいいことだ。わかるよ、うんうん。
●成功条件
ドヒン乳を手に入れよう!
●深緑の噂
ドヒンの乳を飲むとおむねがおっきくなるらしいぞ!
ドヒンの乳だから『ドヒン乳』だよ。因みにドヒンはドヒンって鳴く魔物で正式な斜めはモゥスッゴイケモノだよ。
ドヒンが現われる集落の近くにはお胸のおっきなお姉さん達が暮らしていました。
「助けて! ドヒン達が機嫌が悪くってドヒンって叫びながら暴れているの! 沈静化しないと!」
うんうん。人助けだね!
●ドヒン
モゥスッゴイケモノです。モゥ獣EXです。あれ、どこかで見たような……。
たわわお胸を持つ牛の魔物が棲んで居るぞ。モゥ獣のモゥミルクは美味しかったけれどドヒンの乳は更に効果があるらしい!
モゥ獣と比べるとこのお乳は即効性が高いらしいぞ!
水陸両用生物。都合が良いね。
ドヒンと鳴きながら特攻してきます。耐久性が凄いぞ! けど頑張りに見合ったお乳を手に入れられ……る……筈……。
ある程度ちょちょいと戦闘を頑張ってくださいね! お乳のためだぞ! えんやこら!
●ドヒン乳
飲むとお乳の大きくなる幻覚を見ます。性別が不明?男の子?女の子?
関係ないです! なんたって幻覚ですから。しかし、幻覚なので、自然に覚めます。
尚、ドヒンが出没する地域に存在するお姉さん達のお胸は大きいけど関係はありません。悔しいね。
●でんじゃー
当シナリオにはパンドラ残量に拠らない『心』の死亡判定が有り得ます。
おむねないない……おむねないない……。
おおきくなるといいね! よろしくおねがいします!
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