シナリオ詳細
<フルメタルバトルロア>超変形合体! G-Submarine!
オープニング
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男はただ、勇ましくありたかった。
その外見を見た者はおそらく、声に出さずともこう思うだろう。『かわいい』、と。
当然だ。真っ白なブランデホト種(ウサギ)の獣種として生まれた彼の外見は、小さく可愛らしく弱々しい。
それに似合わぬ肉体の脆さゆえに、彼は武器を手に取る選択肢を選んだ。
剣は駄目だ。重く、技術がいる。
弓は駄目だ。弦を引く力がいる。
スリング、メイス、ブラックジャック。どれも駄目だ。急所に当てる身長がない。
ならば、選ぶのは銃器。重いが、取り回しは重量に比して軽易。手入れは剣よりずっと面倒だが、大味ではない分手先が器用な彼に似合っていた。
拳銃から小銃へと持ち替えたのが三年目の春だった。
沢山の戦場をともに駆けたそれとともに、いつしか同じ境遇の仲間を部下に持つようになった。
勇ましくあろうとした彼は、実際に勇ましい戦績を挙げた、結果を手にした……の、だろう。
そんな彼でも、単独では解決できない事件があった。
さっそうと現れた特異運命座標はそれを絡んだ糸を引っ張るだけで解くかのように解決していった。それはありがたく、喜ばしい話だった。
だが、『彼等』は翻弄されるばかりで勇ましさの欠片も感じられなかった。
称賛を向けるだけだった自分たちのなんと、なんと嘆かわしいことか!
「……強く、勇ましくならなければならない。そうだろう、アダムス」
「隊長……?」
どこからか、甲高い音を立てて『それ』が現れることを。
『それ』が自分を迎えに来たのだ、と。
彼は――ヴァイス・ブランデホトは手を伸ばしながら確信していた。直後、彼の手には通信デバイスが握られていた。
誰に教えられたわけでもなく。
「レギオンウイング、ライド・オン」
彼はその言葉を紡ぎ、空の彼方へ消えていく。
その姿が再確認されたのは『その機体』のコックピット内。鋼鉄の軍人として――正確には『シャドーレギオン』の一員として、だった。
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「超変形合体特殊戦闘機V-Region、というそうだ」
「うわぁ……」
機動要塞ギアバジリカ初号艦でこれからの動きを一通り説明されたイレギュラーズは、最後に当座の撃破目標として――今回の撃破は必須ではないそうだが――空飛ぶ海苔(フライング・シーウィード)とでも呼べそうなステルス機が突如として変形し、漆黒の戦闘ロボになる姿を見せられた。その後、そのロボットの両手のひらからスポスポスポスポ!! と小型ロボを吐き出していく姿を。
一同の「うわぁ」がどのベクトルに属するのかは本人のみぞ知る。
「この戦闘機のパイロットはヴァイス、という軍人だ。『白兎』と呼ばれるウサギ型獣種を統率していた。現在、部隊の何名かを伴ってシャドーレギオンとして襲撃を繰り返している。なんでも、襲撃地上空で相手に見せつけるようにアクロバット飛行と変形、先程の小型ロボの射出を行い、町に小型ロボを蔓延させたところで『どうだ、これが格好がいいということだ! 俺は格好いいだろう!?』と聞いてくるらしく、否定する者がいた場合襲撃を続行する……の、だそうだ」
「ナルシスト……?」
「言ってやるな。それがヤツの『DARK†WISH』、歪められた願いなんだろうよ。……ともあれ、敵は敵、今回はヤツが率いる軍勢の戦力を削ぐのが目的だ。『白兎』の副官、アダムス・バーベナーが同様の機体、こちらは地下潜航戦車だが、そいつを駆っている。諸君らはこのさきの町の外縁部に『黒鉄十字柩(エクスギア)』で突貫、周囲のロボを蹴散らしながら町の人々を脅す小型ロボを掃滅し、中央噴水直下に待機しているV-Regionのアダムス機を破壊してもらう。くれぐれも、時間をかけすぎてヴァイスと合流させないように。そうなったら、現有戦力での勝利は不可能だ」
その説明を受けて、イレギュラーズはエクスギアへと乗り込む。目標確認、目的は――目の前の勝利!
- <フルメタルバトルロア>超変形合体! G-Submarine!完了
- GM名ふみの
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年07月18日 22時45分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
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「めーい☆ちゃんねるー♪ ……ちょ、超変形合体特殊戦闘機V-Region!? すごく心踊る名前なのですよ……」
「合体ロボ、かっこいいのはわかる。うらやましい」
『めい☆ちゃんねる』May(p3x007582)は実況を始めるなり渡された資料の余りの格好良さに、女でありながら酷く感銘を受けていた。かっこいいは男女共通なのである。
それは『鉄騎魔装』鬼丸(p3x008639)にとっても同じことで、『変形』と『合体』はロボの華とばかりに酷く関心を惹くものであったのは間違いない。
「強く、勇ましくありたい。よく分かる。格好よく振る舞いたい。猶の事よく分かるよ」
「誰だって格好良くありたいですよね。俺だってかっこいいパパ、わふんげふん……待っている父へ顔向けできる男になりたいです」
『魔剣遣い』アーゲンティエール(p3x007848)と『ただの』梨尾(p3x000561)も格好いいという概念、それに対する執着というものは十分理解できる、と同意を示した。だが、それは飽く迄『誰に恥じることなく格好良くある』ことが大前提だ。
「ああ、今や遅しと現れる戦闘機が、ヴァイス君の雄姿が、歪んだDARK†WISHの産物でなかったらどれほど良かったか!」
「恰好いい、か。お前……本当に、そんな格好良さでいいのか?」
「格好いいことと、誰かを傷つけるのとは違う筈だけどな」
『Lightning-Magus』Teth=Steiner(p3x002831)はそこに居ない相手へと小さく語りかけるように呟く。それに応じたわけでもあるまいが、『赤龍』リュカ・ファブニル(p3x007268)もまた、シャドーレギオン達の有する『格好いい』の定義に疑問を禁じえない。自分に自信が持てぬ者が、ただ他人を巻き込んでさも格好の良いことをしようとしているだけ。否定されれば崩れるような脆い信念で、果たして何をつかめるというのだろうか。
「ミナちゃん、ROOに立つ!! 初めてのお仕事だからぁ、みんな、我を助けてくれると嬉しいな?」
「わたくしもできる限り努力いたしますわ。お互いの役割を確実にこなしましょう?」
『†夜の闇を統べる女王†』ヴィルヘルミナ・ツェペシュ(p3x008547)は『ネクスト』における初めての冒険に目を輝かせていた。あらゆるものが新鮮な状況下、混沌とは異なる自分の表現に余念がない。それは相応に経験を積んだ『きらめくおねえさん』タント(p3x006204)も同様で、アバター相応の態度・立場であろうとする姿が強く見て取れる。
「あ、エクスギアで射出される時は名乗りをするのはお約束ですよね!」
「いいなソレ。俺様も真似させてもらうぜ」
「そういうノリ嫌いじゃないぜ。乗った」
Mayはエクスギアに乗り込む前に、思い出したように仲間に問いかける。Tethとリュカはすぐさまそれに応じ、ノリの良さでMayを喜ばせた。……格好良く、という目的にこの上なく合っているといえよう。
「俺はそうそう死なないので、範囲攻撃を行う際は巻き込んでしまっても大丈夫ですよ。耐えます」
「……心得ておくよ」
梨尾の覚悟のキマった発言に応じたのは、範囲攻撃を主体とする鬼丸。他の面々も、大なり小なり驚きを禁じ得なかったが、彼の覚悟に応じる形でめいめいにうなづく。
「行こう、何よりも――格好よく!」
「メイ、いっきまーすですよ!!」
アーゲンティエールの言葉と、そしてMayの掛け声に合わせるようにエクスギアが射出される。占拠された町、その外縁部に叩きつけられた8つの棺は、周囲の哨戒に出ていた小型ロボを粉砕しながら着弾する。
「エントリィィィ!!」
Tethが乗ったエクスギアはひときわ激しい砂埃をあげて着弾すると、小型ロボ達の興味を惹きつつ激しく転がっていった。ソレを止めたのは、スーパーヒーロー着地をキメたMayであったことは偶然ではあるまい。
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「て……敵襲! 強襲兵器を使っての吶喊です!」
「数は?」
「未確認ですが、10には満たないかと!」
アダムス・バーベナーは、突如飛来した棺、そしてそこから現れた敵の存在に顔を顰めた。現在地下に潜っている彼等からその映像は見えず、判明しているのはレーダーの反応のみだ。この町の現状を知って、なお襲撃をかけてくるなどロクな相手ではあるまい。隊長の助けが最悪必要になるかもしれないが、個人的には彼の手を煩わせたくはない。
「小型兵を適宜散開させつつ襲撃地点に集中させて迎撃、我々は射程圏に入った敵に射撃を叩き込み遅滞戦闘に移る。無理攻めはしない。いいな?」
「ハッ」
アダムスの心中に、現れた敵に正面から立ち会いたいという気持ちはあった。だが、今要求されているのは――。
「よぉ、テメェ等。パーティタイムの時間だぜ?」
「邪魔だブリキ野郎共!」
エクスギアに片足を乗せ、挑発的に宣言したTethにロボ達は即座に反応し、襲撃態勢を敷く。だが、彼女に辿り着くより早くリュカの拳が開かれ、龍の呪いを顕現する。そのタイミングを避けられたのは、幸いにして範囲に踏み込まなかった個体ぐらいだ。
「うわー、ちっちゃいのいっぱーい、かわいーい♪ でーもー、我のほうがかわいい!」
「ヴィルヘルミナさんかわいいのです! ナイト君をつけますので、頑張ってくださいなのです!」
リュカが切り開いた場所から前進するヴィルヘルミナに、Mayは『ナイト君』を供回りにつけ、先を促す。
先行する2人とアーゲンティエール、Tethの4人が町中に突っ込んでいくのを見送った残りのメンバーは、彼等の行く手を阻もうとする小型ロボに照準をあわせる。
「特異運命座標です! 住民の皆様は焦らず落ち着いて避難を! 格好よくありたい白兎達が人質を取るなんて格好悪すぎる事なんてしません!」
「君達の相手は私達だよ! 格好良く倒してあげよう!」
梨尾と鬼丸の高らかな宣言は、あるいは挑発のようにもとれるだろう。元よりソレが狙い、宣戦布告の類である。叫びとともに燃え上がる錨火は離れて様子を見つつ住民を脅していたロボをひきつけ、ブレードを掲げつつ挑発的に動いた鬼丸に引き寄せられたロボ達は、動きに大きな隙を伴った。
「そう――人々も守る、敵も倒す、それが私達の戦い方よぉ!」
そして、最後を飾るようにエクスギアから飛び出したタントは、稲妻を振り下ろしながら飛び回り、さながら神威を見せつける上位存在のように華麗に振る舞う。その有様は、遠巻きに見ていた住民達でさえ一瞬逃げ出すのを忘れる程の麗しさを伴っていた。
「ナイト君、みんなを守るのですよ!」
Mayもまた、自ら戦闘に参加擦るより先に、仲間達にナイト君を侍らせることで全体の生存性の向上を図る。治療に長けた者が不足している以上、無数に現れるロボ達に対する排除は先手必勝、後手に回れば間違いなくジリ貧に至るのである。
そうして自分達に小型ロボを集中させ、地中を潜航する敵の首魁を引きずり出すのが優先事項なのである。
「聞こえますか白兎! 悪役みたいな事をしてる貴方達を特異運命座標が成敗しに来ました! 人質なんて卑怯過ぎて格好悪い手なんて使わず、さっさとかかってきなさい!」
『勇ましい言葉、安くてわかりやすい挑発、人を引きつける地位(ステイタス)、全部合格だイレギュラーズ』
梨尾の高らかな挑発が続くなか、突如としてハウリングのきいた声が響き渡る。先行した4名含め、四周に視線を巡らせれば理解できよう。その声の発生源が、一部の小型ロボのスピーカー部から発していることに。
そして、突如として激しい地鳴りとともに射出されたマイクロミサイル群が正確に向かってくるのを見て、Tethとヴィルヘルミナはどちらともなく迎撃する。狙いの正確さと爆発範囲から見るに、住民を狙う気はないようだ。
『だが、まさか挑発ばかりして此方が本気になるまでだんまりというわけでもないだろう? 隊長が相手をするまでもない、声を張り上げる分の成果は見せることだ』
「折角の巨大ロボット、地下に潜ってこそこそ戦わせるのは勿体ない……もとい、格好悪いんじゃあないか?」
「出て来いよ、モグラ野郎。それとも、潜ったままでいたい程のブサイクなのか?」
地鳴りが続き、四方から降り注ぐミサイルを凌ぎながら進む4人。彼等の通った後を追随しようとするロボ達は、梨尾と鬼丸が惹きつけ、遊兵をMayが蹴散らしていく。
声の主は恐らくアダムス。Tethとアーゲンティエールの挑発にすぐさま顔を見せないのは、時間稼ぎか? そう考えた刹那、Tethの脳内に選択肢が発生する――合流するか、足を止めるか、散開するか。
鈍化した意識のなか、彼女が判断するより早く、アーゲンティエールが飛び退り、リュカがTethを後ろに投げ飛ばす。ヴィルヘルミナの側を飛び回っていたナイト君は突如として霧散し、彼女を後方へ追いやった。
地面を割って現れたドリル付きの鉄塊としか呼べないそれに、幾何学的な亀裂が走った。
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直方体の鉄塊が割れ、2本のドリルが放射状に展開される。
ドリル部を肩として上半身が形成され、展開したドリルは両拳の爪として現出する。下半身は……直立するかと思いきや、車輪を伴ったタンク型だ。半戦車型というべきか? 特異なのは、下半身に相当する部位の多重ミサイルポッドだ。
「成程ね。確かにロボってのは格好いいな。だがそれを使って弱い者いじめってぇのはダサいんじゃねえか? なあ――」
お前ら、とリュカが仲間達を奮い立たせるべく声をかけようとすると、そこにはなんというか名状しがたい光景が広がっていた。
「うふふ。自分がかっこいいって思ってる男の子ってとってもかわいい」
「くぅ……敵というのが残念なのですよ! メイが動かしてみたかったのですよ! ずるいのですよ!!」
挑発的に振る舞いつつも、視界外のスクショキーを乱打しているヴィルヘルミナとMay。
「光晶翼アルフュール──全開放」
「鬼丸、鉄騎魔神モード。変神――」
浮遊しながら、本気モードとばかりに全身を輝かせ、その姿を強調するタント、2頭身から一気に3mのスマートな姿へと変貌を遂げる鬼丸。
「唸れ、我が魔剣アーゲンティエール!」
「俺のやることは変わらない――命捨ててでも、この人達を守ることだ!」
アーゲンティエールは同名の大剣を掲げ、苛烈な一撃を放ち。梨尾は道中で受けた傷を己の能力の推進剤とし、襲いかかるロボ達を薙ぎ払う。じわじわと削れていくHPゲージに目もくれず、ただ住民を巻き込まぬことこそ正義とばかりに。
「俺の仲間達は分かってるみたいだぜ。かかってこいよダサ坊! 格好いいっていうのがどういう事か教えてやるぜ!」
『その宣戦布告を受けてやる。ブッ潰れろ、弱卒!』
リュカは仲間達の堂々たる有様に誇らしげに鼻を鳴らすと、拳を固めてGSへと叩き込む。
GSから響き渡る声は余裕をかなぐり捨て、辺りにミサイルをばら撒きつつ爪を突きつける。敵も、味方も、周りも自分も。この状況にあっては誰彼構わず、倒すべき相手に正直に――それが双方の『格好良さ』だった。
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タントが光り輝く姿を晒し、妖艶な仕草で口元に手をやると、その親指から林檎の嬌声が花開く。
「楽園へ、沈みなさいな」
その『音』を受け止めた対象は、サイズの大小を問わず一瞬、大きく動きを停滞させる――戦闘中にあるまじき停滞だ。
「貫け、螺旋徹甲拳!」
「『射抜け! キューピッドさん』! もたついてるなら、一気に蹴散らすのですよ!」
「雷鳴一発、お見舞いしてやる――コイツと一緒似な!」
そこをすかさず狙い撃ちし、下半身に損傷を与えたのが鬼丸の螺旋徹甲拳。小型ロボを一掃し、敵周囲を更地に変えようとするのはMayの『キューピッドさん』だ。そして、ダメ押しとばかりにドローンを伴い、Tethが雷撃を叩き込む。
ありったけの攻撃手段と、己の求める格好良さを前面に出しながらの戦い。勇ましく、ひたむきな姿は、彼等の戦いもさることながら、ことアーゲンティエールのそれが際立つだろうか?
ただ一つの『己』を貫き通す姿勢は、翻って、如何なる外圧にも曲がらぬ信念そのものである。
「ねえ、そんな傷だらけの自分もかっこいいって思ってるんでしょ?」
その在り方に、僅かにたじろいだように見えたGSに向け、ヴィルヘルミナは問いかける。口元には血――GS本体に噛み付いたことでデータ化された相手の耐久力の残滓がこびりついている。
「立派なロボット。きっと操縦大変なんでしょ? いっぱい頑張ったんだよね? でもぉ、全部ムダなの。必死すぎてかわいいのよね」
『~~~~~~~!!!』
再び噛みつこうとしたヴィルヘルミナの横腹を、しかし空いた左手の爪が深々と貫こう『とした』。が、守りを固めた彼女を前に、その威力は心もとなく。
「よぉ、ミスター。大事な事を忘れてねぇか? 人の心を揺さぶる、本当の格好良さってのはな。ハートの中から生まれるもんだぜ?」
「格好いいってのは格好だけじゃねえ! 生き様だ! テメェの心に恥じねえ生き方をしやがれ! そんな攻撃、ヴィルヘルミナだけじゃねえ、誰にだって通じねえぜ!」
怒りを露わに戦うGSの動きに、果たして出現直後の『格好良さ』はあっただろうか?
Tethの、そしてリュカの叫びとともに放たれた決死の攻め手は、傷と不利にまみれながら、それは果たして格好悪かっただろうか? それらの問はすべて否。
いかなる状況にあれ、敗北を微塵も想定しない真っ直ぐさ、負い目のなさこそ勝利を生むのだ。
「おまえのカッコよさには足りないものがある……それは、必殺技……!」
そして、鬼丸は自らに降りかかる反動をものともせず、砲口をコクピット部、その僅か上へと照準した。
「チャージ完了。皇瑪駕閃光砲、発射……!」
爆発、閃光。メインカメラにあたる頭部を吹っ飛ばされ、サブパイロットにあたる部下が地面に倒れてもなお、メインコックピットからアダムスは降りず、あらん限りの力でイレギュラーズに襲いかかる。
立ちはだかったのは――アーゲンティエール。
「我が白銀の魔剣は傷を受けてこそ冴えわたる。炎か、毒か、切り傷か、何が来ようと好都合。強大な相手、苦境を前に奮起することこそが鋼鉄の勇ましさと知るがいい!」
『いい加減に、黙れよ……っ!』
アーゲンティエールの刃とGSの武装がぶつかり合う。その破壊の波が収まったとき、そこからサクラメントへ飛んでいくアーゲンティエールのビーコンと、倒れ伏したアダムスの姿があった。
「せっかくの合体ロボで悪いことするなんてもったいないのですよ! 友情や絆パワーで悪者をやっけてこその合体ロボなのですよ!」
Mayはそう言うと、頭上へと指先を向ける。
タントが跳び回るはるか上、黒い影は幾度か旋回すると、いずこかへと消えていった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
作戦目標の完遂を確認しました。
おめでとうございます。皆さんの勝利です。かっこよかったですよ。
GMコメント
ヴァイス君がグレた。
●成功条件
・『超変形合体地底潜航艦G-Submarine』撃破
・小型ロボの75%以上の撃破
●失敗条件(自動失敗とはなりませんが条件成立後に成功条件を満たすことは極めて困難です)
・G-Submarineとの交戦開始から25Tが経過し、以後にV-Regionが出現する
●超変形合体地底潜航艦G-Submarine
『白兎』副官、アダムス・バーベナー(他部隊員数名)の乗機。
主に地面を移動し、下から攻撃してくる奇襲型。だが、ひとたび地上に出ると全高5mほどのごつい黒のロボットに変形します。
主にミサイル系の武装を大量に積み、本体の防技は非常に高め。攻撃はダメージ系BSメイン、『超・万能』多め。
なお、変形シーンは傍目に滅茶苦茶格好いいです。ヌルヌルです。
●小型ロボ
G-Submarineから排出された、体高70cm程度のロボットです。
小型なので沢山います。町の大部分を制圧していますが、個体性能は高くありません。範囲系のそこそこ強力なスキルで一掃可能。ただし住民と入り混じっているのでかなり工夫が要ります。その代わり囲まれた状態が長く続くとちょっと怖い相手ではあります。
●超変形合体特殊戦闘機V-Region
『G-Submarineと交戦開始後25ターン経過以降にランダムで』出現します。
出現後、双方が合体します。こうなると手がつけられない、はずです。
交戦するようにターン調整してもいいんですが合体後にG-Submarineのみ撃破はちょっと厳しいかも。
●ヴァイス・ブランデホト&『白兎』のWISH、DARK†WISH(共通)
WISHは『勇ましくありたいこと』、DARK†WISHは『格好良く振る舞い、認められたい』。
以上のことから、格好良さを強要し否定されれば襲ってくるという行動に移っています。
なお、「俺達の方が格好いいぞアピール』を戦闘に盛り込んでいくとプレイングが有利に働きます。
●戦場:中規模市街地
中央に噴水広場があります。町は円形であり、外側から中央へと突っ込んでいくことになります。
なお、小型ロボの殲滅に優先順位はありませんが、ボス狙いで放置しておいて良い数ではないのは確か。
・黒鉄十字柩(エクスギア)
中に一人づつ入ることのできる、五メートルほどの高機動棺型出撃装置。それが黒鉄十字柩(エクスギア)です。
戦士をただちに戦場へと送り出すべくギアバジリカから発射され、ジェットの推進力で敵地へと突入。十字架形態をとり敵地の地面へ突き刺さります。
棺の中は聖なる結界で守られており、勢いと揺れはともかく戦場へ安全に到達することができます。
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。
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